JP2017148774A - シリコーン変性剤、界面活性剤、および乳化組成物 - Google Patents

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昌宏 蓮見
光司 楠本
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Abstract

【課題】化粧品基材として使用する場合に臭気を発生することがないシリコーン変性剤を提供する。【解決手段】下記式で表されるシリコーン変性剤。(AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、aはAOの平均付加モル数で5〜20、bはメチレン基の繰り返し数で3〜5、R1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基)【選択図】なし

Description

本発明は、シリコーン変性剤、界面活性剤、および乳化組成物に関する。
従来から、耐熱性、耐候性、離型性、撥水性、及び生理的不活性に優れた特徴を有するオルガノポリシロキサンに界面活性能を付与する方法として、例えば、アルケニル基等の反応性基とポリオキシアルキレン基等の親水性官能基から構成されるシリコーン変性剤と、シリリジン基(以下SiH基)等の反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンとを化学反応させることが知られている。この方法により得られた変性オルガノポリシロキサンは、例えば乳化組成物の界面活性剤成分として配合した際に、優れた乳化安定性を付与可能であり、化粧品、トイレタリー、塗料など多くの産業分野で広く利用されている。
アルケニル基等の反応性基とポリオキシアルキレン基等の親水性官能基から構成されるシリコーン変性剤と、SiH基等の反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンとを反応させる場合、反応触媒として、白金系の触媒、例えば、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィンのコンプレックス、白金黒、あるいはアルミナ、シリカなどの担体に白金を担持させた触媒が用いられる。しかし、このような方法によって製造された変性シリコーン化合物を化粧品基材として使用する場合、触媒の影響によって発生する刺激臭が問題となる。例えば、ポリオキシアルキレンとしてアリルエーテル化ポリエーテルを使用した場合には、これを白金触媒下にハイドロジェンシロキサンと付加反応する際に、副反応としてアリル基が内部転位し、プロペニルエーテル化ポリエーテルが生ずる(特許文献1)。
このプロペニルエーテル化ポリエーテルはハイドロジェンシロキサンと反応しないので、正常な付加反応によって生成したポリエーテルシリコーン中に不純物として残存する上、未反応のアリルエーテル化ポリエーテルも不純物として前記ポリエーテル中に残存する。未反応のアリルエーテル化ポリエーテルは経時的な酸化により過酸化物を生じ、徐々に異性化して特異臭を発生することがある。また、未反応のアリルエーテル化ポリエーテルは、残存する白金触媒により徐々に異性化してプロペニルエーテル化ポリエーテルとなり、これに水が作用するとプロペニルエーテルの切断が起こり、プロピオンアルデヒドが生じ、刺激臭が発生すると考えられている。
この変性シリコーン化合物の臭気対策としては、希塩酸処理、吸着処理、水蒸気脱臭処理、窒素置換、トコフェロール添加などの、変性オルガノポリシロキサン製造後の後処理によって臭気発生物質を抑制または除去する方法が提案されている。しかし、これらの方法などによってもポリオキシアルキレン−シリコーンブロック共重合体の臭気を完全に防除することはできない。すなわち、化粧品分野において、臭気の発生を抑制し、優れた乳化安定性を付与可能な変性シリコーン化合物を提供するには至っていない。
特開平2−302438号公報
本発明の課題は、化粧品基材として使用する場合に臭気を発生することがないシリコーン変性剤を提供することであり、またこのシリコーン変性剤とSiH基を有するオルガノポリシロキサンを反応させることにより得られた界面活性剤を提供することである。
また、本発明の課題は、上記のような界面活性剤を用いて、油剤が含まれる系において、安定な乳化組成物を提供することである。
本発明では、末端二重結合とポリオキシアルキレン鎖がともに隣接する炭素上にアルキル鎖分岐を有する特定構造のポリオキシアルキレン化合物が、ハイドロジェンオルガノポリシロキサンとのヒドロシリル化の際に、臭気の原因であるプロピオンアルデヒドを発生しないことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔3〕である。
〔1〕 下記の式(1)で表されるシリコーン変性剤。
Figure 2017148774
(式(1)中、AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。
aは、AOの平均付加モル数を示し、a=5〜30である。
bは、メチレン基の繰り返し数を示し、b=3〜5である。
は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。)
〔2〕 前記の〔1〕に記載のシリコーン変性剤の、下記の式(2)で表されるハイドロジェンオルガノポリシロキサンによるヒドロシリル化物である界面活性剤。
Figure 2017148774
(2)
(式(2)中、pは1〜100、qは0〜50、rは0〜100であり、q/(p+r)は0〜1である。
は、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルキル基である。
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基である。q=0のとき、RおよびRの少なくとも1つは水素原子である。
〔3〕 10〜40質量%の〔2〕記載の(A)界面活性剤、20〜50質量%の(B)25℃で液状の油剤であって、炭化水素油、エステル油、トリグリセリド、動植物油およびシリコーン油からなる群より選ばれる一種以上の油剤、および10〜70質量%の(C)水を含有する乳化組成物。
本発明によるポリオキシアルキレン化合物、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、およびこれを含んでなる界面活性剤、乳化組成物は、化粧品基材として使用する場合に臭気を発生することがない。
(シリコーン変性剤)
本発明によるシリコーン変性剤は、式(1)で表される化合物からなる。
Figure 2017148774
式(1)において、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、例えばオキシエチレン基、オキシプロピレン基、1,2−オキシブチレン基があげられ、好ましくはオキシエチレン基、オキシプロピレン基である。より好ましくはオキシエチレン基である。
式(1)において、aは、AOの平均付加モル数を示し、a=5〜30であり、好ましくはa=5〜20である。
式(1)において、bは、メチレン基の繰り返し数を示し、b=3〜5であり、好ましくはb=3〜4、より好ましくはb=3である。
式(1)において、Rは、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、好ましくは水素原子である。炭素数1〜3のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基があげられ、好ましくはメチル基、エチル基であり、より好ましくはメチル基である。
本発明のシリコーン変性剤は、末端二重結合とポリオキシアルキレン鎖がともに隣接する炭素上にアルキル鎖分岐を有する特定構造のポリオキシアルキレン化合物であり、ハイドロジェンオルガノポリシロキサンとのヒドロシリル化の際に、そのα水素の安定性により末端二重結合の転位が生じにくく、臭気の原因であるプロピオンアルデヒドを発生しない。
また、本発明のシリコーン変性剤は、アルキル鎖分岐の末端に二重結合を有するため、ハイドロジェンオルガノポリシロキサンとのヒドロシリル化を二箇所で行うことができる。
(界面活性剤)
本発明の界面活性剤は、式(1)で表されるシリコーン変性剤の、式(2)で表されるハイドロジェンオルガノポリシロキサンによるヒドロシリル化物である。
式(2)において、pは1〜100、qは0〜50、rは0〜100であり、q/(p+r)は0〜1である。
本発明の乳化組成物の安定性の観点から、pは80以下が好ましく、50以下がより好ましく、20以下がさらに好ましい。
qは30以下が好ましく、10以下がより好ましい。
rは80以下が好ましく、50以下がより好ましく、20以下がさらに好ましい。
q/(p+r)は0.4以下が好ましく、0がより好ましい。
は、それぞれ独立して炭素数1〜8のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基等があげられ、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基である。
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であり、q=0のとき、RおよびRの少なくとも一つは水素原子である。
およびRが炭素数1〜8のアルキル基のとき、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基等があげられ、好ましくはメチル基およびエチル基である。
(乳化組成物)
本発明の乳化組成物は、成分(A)、成分(B)および成分(C)の組成物である。本発明の乳化組成物においては、成分(A)、成分(B)および成分(C)の合計量を100質量%とする。
(成分(A))
本発明の乳化組成物に用いる成分(A)は、上記の界面活性剤である。
本発明の乳化組成物中の成分(A)の含有量は、10〜40質量%であり、好ましくは15〜35質量%、より好ましくは20〜30質量%である。成分(A)の含有量が少なすぎる場合、界面活性能が過小となるため安定な乳化組成物が得られず、多すぎる場合、界面活性能が過大となるため一部ゲル化等を生じ、安定な乳化組成物を得られない。
(成分(B))
成分(B)の油剤は、25℃で液状の炭化水素油、25℃で液状のエステル油、25℃で液状のトリグリセリド、25℃で液状の動植物油および25℃で液状のシリコーン油からなる群より選ばれる一種以上の油剤である。
炭化水素油としては、流動パラフィン、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン、スクワラン、スクワレン、プリスタン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、テトラデセン、イソヘキサデカン、イソドデカン、α−オレフィンオリゴマー等をあげることができる。好ましくは、流動パラフィン、水添ポリイソブテンなどがあげられる。
エステル油としては、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソセチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸2−エチルヘキシル、などがあげられる。
トリグリセリドとしては、グリセリンとカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、2−エチルヘキサン酸、イソトリデカン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、エイコサン酸、オレイン酸のエステルなどがあげられる。
動植物油脂としてはオリーブ油、ヒマワリ油、サフラワー油、ヒマシ油、ツバキ油などがあげられる。
シリコーン油としてはジメチコン、シクロメチコン、フェニルジメチコンなどがあげられるが、好ましくはジメチコン、シクロメチコンである。
本発明に使用する成分(B)の油剤は、成分(A)のシリコーン変性剤との相溶性の観点からは、シリコーン油が特に好ましい。
本発明の乳化組成物中の成分(B)の含有量は、20〜50質量%であり、好ましくは25〜45質量%、より好ましくは30〜40質量%である。成分(B)の含有量が少なすぎる場合、成分(A)の機能する場が過小となるため安定な乳化組成物が得られず、成分(B)の含有量が多すぎる場合、成分(A)の機能する場が過大となるため安定な乳化組成物を得られない。
[成分(A)]+[成分(B)]:
さらに、本発明の乳化組成物中の成分(A)と(B)の合計量は30〜90質量%であるが、より好ましくは40〜80質量%、さらに好ましくは50〜70質量%である。成分(A)と成分(B)の合計量が少なすぎる場合、成分(C)の含有量が過大となるため安定な乳化組成物が得られない。成分(A)と成分(B)の合計量が多すぎる場合には、成分(C)の含有量が過小となるため安定な乳化組成物が得られない。
(成分(C))
乳化組成物の成分(C)は水である。本発明の乳化組成物においては、成分(A)のオキシアルキレン鎖または水酸基が水和されることによって粘性が付与される。水としては、特には限定されない。例えば、蒸留水やイオン交換水などの精製水、生理食塩水、リン酸緩衝水溶液等を用いることができる。
本発明の乳化組成物中の成分(C)の含有量は、成分(A)と成分(B)の合計量を100質量%から引いた残部である。具体的には、成分(C)の量は、10〜70質量%であり、好ましくは20〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%である。成分(C)の含有量が少なすぎる場合、粘性が付与されないため安定な乳化組成物が得られず、成分(C)の含有量が多すぎる場合、粘性の過度の付与により一部ゲル化などが生じるため安定な乳化組成物が得られない。
本発明の乳化組成物は、前記の成分(A)および成分(B)に対して成分(C)の水を配合することにより調製される。
本発明の乳化組成物に対して、必要に応じて、一般的に用いられている各種成分を配合することが可能である。例えば、化粧品材料の分野では、保湿剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、美容成分、香料、水溶性高分子、色素、顔料、有機粉体などが挙げられる。
本発明の組成物の形態は、特に限定されないが、優れた乳化安定性を有する化粧品材料、塗料などの広範囲の用途で使用することができる。特に化粧品材料の分野ではクレンジングオイル、ヘアオイル、マッサージオイルなどの油性化粧料が好適である。
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。なお、合成品の分析は下記に示す方法で行った。
(分析方法)
水酸基価 : JIS K 1557−1
動粘度
: JIS K 2283
不飽和度 : JIS K 1557−3
[実施例1−1]
撹拌装置、窒素導入管、および熱電対を取り付けた5リットル容量のオートクレーブに1,7−オクタジエン−3−オール((株)クラレ製)202g、水酸化カリウム1.4gを仕込んだ。窒素置換後、120℃でエチレンオキシド650gを滴下し、6時間反応を行った。中和した後、吸着剤(キョーワード#700および#1000、協和化学工業(株)製)各2gを添加し、90℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で2時間吸着処理を行い、ろ過により、化合物(X)800gを得た。水酸基価は133mgKOH/g、動粘度(100℃)は6.7mm/s、不飽和度は3.5meq/gであった。
[実施例1−2]
撹拌装置、窒素導入管、および熱電対を取り付けた5リットル容量のオートクレーブに1,7−オクタジエン−3−オール((株)クラレ製)202g、水酸化カリウム1.4gを仕込んだ。窒素置換後、120℃でエチレンオキシド1147gを滴下し、10時間反応を行った。中和した後、吸着剤(キョーワード#700および#1000、協和化学工業(株)製)各3gを添加し、90℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で2時間吸着処理を行い、ろ過により、化合物(Y)1200gを得た。水酸基価は58mgKOH/g、動粘度(100℃)は13mm/s、不飽和度は2.0meq/gであった。
[比較例1−1]
公知の製造技術により式(3)で示されるポリオキシアルキレン誘導体(化合物(Z))を得た。

CH=CH−CH−O−(EO)−CH−CH=CH (3)
Figure 2017148774
表中、EOはオキシエチレン基を示す。
表中、aはAOの平均付加モル数を示し、水酸基価から算出可能な値である。
[実施例2−1]
撹拌装置、窒素吹き込み管、熱電対および冷却管を取り付けた1リットル容四ツ口フラスコに、式(4)で表されるハイドロジェンジメチルポリシロキサン(1g当たりのSiH当量;1.5meq/g)100g(SiH当量;150meq)と化合物(X)45g(不飽和当量;158meq)を仕込み、触媒として塩化白金酸六水和物のイソプロピルアルコール溶液(1×10−3モル/リットル)を白金換算で100ppmとなるように仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら、90℃で反応を行った。サンプリングを行い、N/10水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を加えて水素ガスが発生しなくなるまで反応を継続し、FT−IR測定により、SiH基に由来する2100〜2300cm−1の吸収が消失したことを確認し、粘度(25℃)が30mPa・sのポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物(I)を得た。
Figure 2017148774
(4)
式中、p=9、q=0、r=0、q/(p+r)=0である。
[実施例2−2]
撹拌装置、窒素吹き込み管、熱電対および冷却管を取り付けた1リットル容四ツ口フラスコに、式(4)で表されるハイドロジェンジメチルポリシロキサン(1g当たりのSiH当量;1.5meq/g)80g(SiH当量;120meq)と化合物(Y)65g(不飽和当量;130meq)を仕込み、触媒として塩化白金酸六水和物のイソプロピルアルコール溶液(1×10−3モル/リットル)を白金換算で100ppmとなるように仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら、90℃で反応を行った。サンプリングを行い、N/10水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を加えて水素ガスが発生しなくなるまで反応を継続し、FT−IR測定により、SiH基に由来する2100〜2300cm−1の吸収が消失したことを確認し、粘度(25℃)が80mPa・sのポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物(II)を得た。
[比較例2−1]
撹拌装置、窒素吹き込み管、熱電対および冷却管を取り付けた1リットル容四ツ口フラスコに、式(4)で表されるハイドロジェンジメチルポリシロキサン(1g当たりのSiH当量;1.5meq/g)100g(SiH当量;150meq)と化合物(Z)40g(不飽和当量;156meq)を仕込み、触媒として塩化白金酸六水和物のイソプロピルアルコール溶液(1×10−3モル/リットル)を白金換算で240ppmとなるように仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら、90℃で反応を行った。サンプリングを行い、N/10水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を加えて水素ガスが発生しなくなるまで反応を継続し、FT−IR測定により、SiH基に由来する2100〜2300cm−1の吸収が消失したことを確認し、粘度(25℃)が1100mPa・sのポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物(III)を得た。
[実施例3−1〜3−2および比較例3−1]
[臭気試験]
ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンを、容量50mLのサンプル管に50g秤量し、密栓して50℃の恒温槽の中に静置し、2日後、10日後および30日後の臭気(刺激臭と特異臭)の官能試験をパネラー5名によって行った。結果を表2に示す。
Figure 2017148774
・なし: 5名のパネラーが全て臭気なしと判定した
・わずかにあり:5名中1名が臭気ありと判定した
・ややあり: 5名中2名が臭気ありと判定した
・あり: 5名中3〜5名が臭気ありと判定した
実施例では、2日後、10日後、30日後のいずれも刺激臭はなく、2日後、10日後にも特異臭はなかった。また、実施例では、30日後に一人のパネラーのみが特異臭ありと判定した。
一方、比較例では、2日後、10日後、30日後のいずれも、すべてのパネラーが刺激臭ありと判定した。また、2日後、10日後に特異臭ありと判定され、特に30日後にはすべてのパネラーが特異臭ありと判定した。
[実施例3−3〜3−10および比較例3−2〜3−5]
[乳化組成物の安定性評価]
下記に示す方法で乳化組成物を作製し、安定性評価を行った。
化合物(I)〜(III)を試験管に精秤し、シリコーンオイル(KF−96−100csまたはKF−995、信越化学工業(株)製)、水を順に加え、70℃の温浴中で30分間十分に撹拌し、一昼夜室温にて静置後、状態を観察した。得られた結果を表3、表4に示す。配合比率は以下の表3、表4に示す通りである。
Figure 2017148774
Figure 2017148774
乳化安定性の評価基準は以下のとおりである。
○: 組成物が乳化した。
△: 組成物が乳化後に一部が分離した。
×: 組成物が乳化せずに二相に分離した。
以上の結果より、化合物(I)〜(II)を用いた実施例は、化合物(III)を用いた比較例よりも、乳化安定性が良好である。
以上のように、本発明によるポリオキシアルキレン化合物、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、およびこれを含んでなる界面活性剤、乳化組成物は、触媒の影響や経時的な酸化劣化によって臭気を発生することがない。これにより、化粧品基材として使用した場合、臭気の問題を生じる恐れのない安定な乳化組成物を提供することが可能となる。

Claims (3)

  1. 下記の式(1)で表されるシリコーン変性剤。

    Figure 2017148774
    (式(1)中、
    AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。
    aは、AOの平均付加モル数を示し、a=5〜30である。
    bは、メチレン基の繰り返し数を示し、b=3〜5である。
    は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。)
  2. 請求項1記載のシリコーン変性剤の、下記の式(2)で表されるハイドロジェンオルガノポリシロキサンによるヒドロシリル化物である、界面活性剤。

    Figure 2017148774
    (2)
    (式(2)中、
    pは1〜100、qは0〜50、rは0〜100であり、q/(p+r)は0〜1である。
    は、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルキル基である。
    およびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基である。q=0のとき、RおよびRの少なくとも1つは水素原子である。
  3. 10〜40質量%の(A)請求項2記載の界面活性剤、20〜50質量%の(B)25℃で液状の油剤であって、炭化水素油、エステル油、トリグリセリド、動植物油およびシリコーン油からなる群より選ばれる一種以上の油剤、および10〜70質量%の(C)水を含有することを特徴とする、乳化組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113003982A (zh) * 2021-03-05 2021-06-22 南京派尼尔科技实业有限公司 一种混凝土用微晶防水剂及其应用

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