JP2019006720A - シリコーン変性剤、界面活性剤、および乳化組成物 - Google Patents

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悠亮 新井
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昌宏 蓮見
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Abstract

【課題】低粘度シリコーンを基油とした場合に、長期間の乳化安定性を有し、撥水性が高く、臭気の少ない水中油型乳化物を調製可能な界面活性剤を提供する。
【解決手段】式(1)で表されることを特徴とする、シリコーン変性剤。
【化1】
Figure 2019006720

(AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。aはメチレン基数を示し、a=2〜10である。bは、オキシアルキレン基AOの平均付加モル数を示し、b=3〜20である。Rは、水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基である。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、シリコーン変性剤、界面活性剤、および乳化組成物に関する。
シリコーン油は、従来からその安全性等のために化粧品を初めとする諸分野において各種組成物の基油として用いられている。特に化粧品のスキンケア、メイキャップ等の用途においては100mm/s以下の低粘度シリコーン油が、その優れた伸展性、さっぱり感及び安全性の高さ等のために注目され、使用が広く検討されている。
しかしながら、低粘度シリコーン油を基油として、保湿効果の持続性を得るために油剤を高配合すると、乳化が困難となり、配合安定性を損なうばかりか、使用感の悪化をもたらす場合があった。
このような課題を達成するためは、セルロールなど天然多糖類から誘導される水溶性高分子や、アクリル酸系ポリマーなどの水溶性合成高分子を添加することで連続相の水相の粘性をコントロールし、乳化安定性及び使用感を改善する方法が一般的である(例えば特許文献1)。
しかし、天然多糖類系の高分子では、使用感は良好であるものの、乳化安定性において十分に満足いくものではなかった。また、アクリル酸系ポリマーなどの高分子では、乳化安定性には効果を示すものの、べたつき感があり使用感及び保湿効果の持続性において十分に満足いくものではなかった。
さらには、シリコーンとの相溶性に優れたポリエーテル変性シリコーンを活性剤として用いる化粧料の提案もなされている(特許文献2)。
特開2008−106043号公報 特開2002−179548号広報
しかしながら、特許文献2記載のようにポリエーテル変性シリコーンを用いると、ポリエーテル鎖の有する親水性のため肌へ塗布した場合に、汗等の水分の付着により流れ落ちやすいという問題があった。またポリエーテル変性反応時に生じる副生成物が原因の臭気も化粧品用途では問題となる。
本発明の課題は、低粘度シリコーンを基油とした場合に、長期間の乳化安定性を有し、従来のポリエーテル変性シリコーンを用いた乳化物と比較して撥水性が高く、臭気の少ない水中油型乳化物を調製可能な界面活性剤を提供することである。
本発明者は、二重結合とポリエーテル鎖の間のメチレン基の数が2以上であるポリオキシアルキレン化合物から合成されるポリエーテル変性シリコーンは、低粘度シリコーンを基油に用いても安定な乳化物を調製可能であり、従来のポリエーテル変性シリコーンを用いた乳化物と比較して撥水性が高く臭気を低減できることを見出した。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(3)に係るものである。
(1) 式(1)で表されることを特徴とする、シリコーン変性剤。

Figure 2019006720

(式(1)中、
AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。
aはメチレン基数を示し、a=2〜10である。
bは、前記オキシアルキレン基AOの平均付加モル数を示し、b=3〜20である。
は、水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基である。)
(2) (1)のシリコーン変性剤と、下記式(2)で表されるハイドロジェンオルガノポリシロキサンとの反応物からなることを特徴とする、界面活性剤。

Figure 2019006720

(式(2)中、
mは1〜50、nは0〜50であり、n/mは0〜1である。
は、炭素数1〜8の炭化水素基である。
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜8の炭化水素基であり、n=0のときにはRとRとの少なくとも一つは水素原子である。)
(3) 下記成分(A)、成分(B)および成分(C)を含有することを特徴とする、乳化組成物。

成分(A): (2)の界面活性剤
成分(B): 25℃で液状の炭化水素油、25℃で液状のエステル油および25℃で液状のシリコーン油からなる群より選ばれた一種以上の油剤
成分(C): 水
本発明によるポリオキシアルキレン化合物、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、およびこれを含んでなる界面活性剤、乳化組成物は、長期乳化安定性を有する。また、従来のポリエーテル変性シリコーンを用いた乳化物と比較して撥水性が高く、臭気の少ない水中油型乳化物を調製可能な界面活性剤を提供できる。
(シリコーン変性剤)
本発明によるシリコーン変性剤は、上記の式(1)で表される化合物からなるものである。
式(1)において、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、例えばオキシエチレン基、オキシプロピレン基、1,2−オキシブチレン基があげられ、好ましくはオキシエチレン基、オキシプロピレン基である。さらに好ましくはオキシエチレン基である。
式(1)において、aはメチレン基数を示し、a=2〜10である。乳化安定性および撥水性の観点から、aは6以上が好ましい。
式(1)において、bはオキシアルキレン基AOの平均付加モル数を示し、b=3〜20である。オキシアルキレン基AOの付加モル数bが20を超えると、乳化物の感触に悪影響を及ぼすため、bは20以下とするが、乳化安定性および撥水性の観点からは10以下が更に好ましい。また、bは5以上が更に好ましい。
(界面活性剤)
本発明の界面活性剤は、式(1)で表されるシリコーン変性剤と、式(2)で表されるハイドロジェンオルガノポリシロキサンとの反応生成物である。
式(2)において、mは1〜100、nは0〜50であり、n/mは0〜1である。
mは、乳化安定性および撥水性の観点からは、100以下とするが、90以下が好ましく、80以下が更に好ましい。また、mは1以上とするが、5以上が更に好ましい。
また、nは、乳化安定性および撥水性の観点からは、50以下とするが、30以下が好ましく、10以下が更に好ましい。
n/mは、乳化安定性および撥水性の観点からは、1以下とするが、0.4以下が好ましく、0.2以下がさらに好ましい。
は、炭素数1〜8の炭化水素基を示す。こうした炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基があげられるが、アルキル基が好ましい。具体的化合物名としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基等があげられ、特に好ましくはメチル基である。
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜8の炭化水素基を示し、好ましくは炭素数1〜8の炭化水素基である。こうした炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基があげられるが、アルキル基が好ましい。具体的化合物名としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基等があげられ、好ましくはメチル基である。
n=0のとき、RまたはRの少なくとも一つは水素原子である。
(乳化組成物)
本発明の乳化組成物は、成分(A)、成分(B)および成分(C)の組成物である。
この成分(A)は、上記の界面活性剤である。
成分(B)の油剤は、25℃で液状の炭化水素油、25℃で液状のエステル油および25℃で液状のシリコーン油からなる群より選ばれた一種以上の油剤である。
炭化水素油としては、流動パラフィン、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン、スクワラン、スクワレン、プリスタン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、テトラデセン、イソヘキサデカン、イソドデカン、α−オレフィンオリゴマー等をあげることができる。好ましくは、流動パラフィン、水添ポリイソブテンなどが挙げられる。
エステル油としては、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸イソセチル、2−エチルへキサン酸ステアリル、2−エチルへキサン酸イソステアリル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸2−ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソステアリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソセチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチルドデシル、ピバリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸2−エチルヘキシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、エルカ酸オクチルドデシル、ジデカン酸ネオペンチルグリコール、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパンアジピン酸ジデシル、アジピン酸ジデシル、イソステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸バチル、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、ラノリン脂肪酸イソステアリル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、リシノレイン酸セチル、コハク酸ジオクチル、乳酸セチル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジノナン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジイソステアリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、トリグリセリド、動植物油などがあげられる。トリグリセリドとしてはグリセリンとカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、2−エチルヘキサン酸、イソトリデカン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、エイコサン酸、オレイン酸などがあげられる。動植物油脂としてはオリーブ油、ヒマワリ油、サフラワー油、ヒマシ油、ツバキ油などがあげられる。
シリコーン油としてはジメチコン、シクロメチコン、フェニルジメチコンなどがあげられるが、好ましくはジメチコン、シクロメチコンである。本発明に使用する成分(B)の油剤は、成分(A)のシリコーン変性剤との相溶性の観点からは、シリコーン油が特に好ましい。
乳化組成物の成分(C)は水である。本発明の乳化組成物においては、成分(A)のオキシアルキレン鎖または水酸基が水和されることによって粘性が付与される。水としては、特には限定されない。例えば、蒸留水やイオン交換水などの精製水、生理食塩水、リン酸緩衝水溶液等を用いることができる。
本発明の乳化組成物は、前記の成分(A)および成分(B)に対して成分(C)の水を配合することにより調製される。
本発明において、油中水型領域の乳化組成物の成分(A)、成分(B)および成分(C)の配合の質量比は、以下が好ましい。
ここで、成分(A)、成分(B)および成分(C)の質量の合計を100質量%とする。また、以下の数値単位は質量%である。
[成分(A)]:
好ましくは10〜40質量%、更に好ましくは15〜35質量%、特に好ましくは20〜30質量%。
[成分(B)]:
好ましくは20〜50質量%、更に好ましくは、25〜45質量%、特に好ましくは30〜40質量%
[成分(A)]+[成分(B)]:
好ましくは30〜90質量%、更に好ましくは40〜80質量%、特に好ましくは50〜70質量%
[成分(C)]:
好ましくは10〜70質量%、更に好ましくは20〜60質量%、特に好ましくは30〜50質量%
本発明の乳化組成物に対して、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、一般的に用いられている各種成分を配合することが可能である。例えば、化粧品材料の分野では、保湿剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、美容成分、香料、水溶性高分子、色素、顔料、有機粉体などが挙げられる。
本発明の形態は、特に限定されないが、優れた乳化安定性を有する化粧品材料、塗料などの広範囲の用途で使用することができる。特に化粧品材料の分野ではクレンジングオイル、ヘアオイル、マッサージオイルなどの油性化粧料が好適である。
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。なお、合成品の分析は下記に示す方法で行った。
(分析方法)
水酸基価 : JIS K 1557−1
動粘度 : JIS K 2283
不飽和度 : JIS K 1557−3
[実施例1−1]
撹拌装置、窒素導入管、および熱電対を取り付けた5リットル容量のオートクレーブに7−オクテン−1−オール128g、ソジウムメチラート2.2gを仕込んだ。窒素置換後、120℃でエチレンオキシド229gを滴下し、6時間反応を行った。中和した後、吸着剤(キョーワード#700および#1000、協和化学工業(株)製)各0.7gを添加し、90℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で2時間吸着処理を行い、ろ過により、化合物(A)339gを得た。水酸基価は164mgKOH/g、動粘度(25℃)は23mm/s、不飽和度は2.8meq/gであった。
[実施例1−2]
撹拌装置、窒素導入管、および熱電対を取り付けた5リットル容量のオートクレーブに7−オクテン−1−オール128g、ソジウムメチラート3.0gを仕込んだ。窒素置換後、120℃でエチレンオキシド467gを滴下し、8時間反応を行った。中和した後、吸着剤(キョーワード#700および#1000、協和化学工業(株)製)各1.2gを添加し、90℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で2時間吸着処理を行い、ろ過により、化合物(B)565gを得た。水酸基価は100mgKOH/g、動粘度(25℃)は52mm/s、不飽和度は1.6meq/gであった。
[実施例1−3]
撹拌装置、窒素導入管、および熱電対を取り付けた5リットル容量のオートクレーブに7−オクテン−1−オール128g、ソジウムメチラート2.2gを仕込んだ。窒素置換後、120℃でエチレンオキシド688gを滴下し、10時間反応を行った。中和した後、吸着剤(キョーワード#700および#1000、協和化学工業(株)製)各1.6gを添加し、90℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で2時間吸着処理を行い、ろ過により、化合物(C)775gを得た。水酸基価は100mgKOH/g、動粘度(100℃)は10mm/s、不飽和度は1.3meq/gであった。
[比較例1−1]
公知の製造技術により式(3)で示されるポリオキシアルキレン誘導体(化合物(D))を得た。
各例で用いた式(1)の化合物を表1に示す。表1のa、b、R、AOは式(1)に対応する。
Figure 2019006720

[実施例2−1]
撹拌装置、窒素吹き込み管、熱電対および冷却管を取り付けた1リットル容四ツ口フラスコに、式(3)で表されるハイドロジェンジメチルポリシロキサン(1g当たりのSiH当量=1.08meq/g)80g(SiH当量;86meq)と化合物(A)37g(不飽和当量;104meq)を仕込み、触媒として塩化白金酸六水和物のイソプロピルアルコール溶液(1×10−3モル/リットル)を白金換算で100ppmとなるように仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら、90℃で反応を行った。サンプリングを行い、N/10水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を加えて水素ガスが発生しなくなるまで反応を継続し、FT−IR測定により、SiH基に由来する2100〜2300cm−1の吸収が消失したことを確認し、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物(I)を得た。
Figure 2019006720

(式(3)中、m=75、n=7、n/m=0.09である。)
[実施例2−2]
撹拌装置、窒素吹き込み管、熱電対および冷却管を取り付けた1リットル容四ツ口フラスコに、式(3)で表されるハイドロジェンジメチルポリシロキサン(1g当たりのSiH当量=1.08meq/g)65g(SiH当量;70meq)と化合物(B)52g(不飽和当量;85meq)を仕込み、触媒として塩化白金酸六水和物のイソプロピルアルコール溶液(1×10−3モル/リットル)を白金換算で100ppmとなるように仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら、90℃で反応を行った。サンプリングを行い、N/10水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を加えて水素ガスが発生しなくなるまで反応を継続し、FT−IR測定により、SiH基に由来する2100〜2300cm−1の吸収が消失したことを確認しポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物(II)を得た。
[実施例2−3]
撹拌装置、窒素吹き込み管、熱電対および冷却管を取り付けた1リットル容四ツ口フラスコに、式(3)で表されるハイドロジェンジメチルポリシロキサン(1g当たりのSiH当量=1.08meq/g)65g(SiH当量;70meq)と化合物(B)65g(不飽和当量;85meq)を仕込み、触媒として塩化白金酸六水和物のイソプロピルアルコール溶液(1×10−3モル/リットル)を白金換算で100ppmとなるように仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら、90℃で反応を行った。サンプリングを行い、N/10水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を加えて水素ガスが発生しなくなるまで反応を継続し、FT−IR測定により、SiH基に由来する2100〜2300cm−1の吸収が消失したことを確認しポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物(III)を得た。
[比較例2−1]
撹拌装置、窒素吹き込み管、熱電対および冷却管を取り付けた1リットル容四ツ口フラスコに、化合物(D)(1g当たりのSiH当量=1.08meq/g)80g(SiH当量;86meq)と化合物(Z)58g(不飽和当量;104meq)を仕込み、触媒として塩化白金酸六水和物のイソプロピルアルコール溶液(1×10−3モル/リットル)を白金換算で240ppmとなるように仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら、90℃で反応を行った。サンプリングを行い、N/10水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を加えて水素ガスが発生しなくなるまで反応を継続し、FT−IR測定により、SiH基に由来する2100〜2300cm−1の吸収が消失したことを確認し、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物(IV)を得た。
[乳化組成物の安定性評価]
下記に示す方法で乳化組成物を作成し、安定性評価を行った。
[実施例3−1〜3−6および比較例3−1〜3−2]
化合物(I)〜(IV)を試験管に精秤し、シリコーンオイル(KF−96−10cs、信越化学工業(株)製)、水を順に加え、室温にて十分に撹拌し、1ヶ月間室温にて静置後、状態を観察した。得られた結果を表2に示す。乳化物の配合比率は以下の表2の通りである。
Figure 2019006720


表2において、各数値は質量%を示す。評価基準は以下のとおりである。

「○」: 乳化した
「△」: 乳化後に一部が分離した
「×」: 乳化せずに二相に分離した
以上の結果より、化合物(I)、(II)、(III)を用いた実施例は、化合物(IV)を用いた比較例よりも、乳化安定性が良好である。
[臭気試験]
下記に示す方法で臭気評価を行った。
[実施例4−1〜4−6および比較例4−1〜4−2]
実施例3−1〜3−6および比較例3−1〜3−2にて調製した乳化物を、容量10mLのサンプル管に1g秤量し、密栓して室温条件下で静置し、48時間後、および30日後の臭気の官能試験をパネラー5名によって行った。臭気は以下のように判断した。結果を表3に示す。

「臭気なし」: 5名のパネラーが全て臭気なしと判定した
「わずかに臭気あり」:5名中1名が臭気ありと判定した
「やや臭気あり」: 5名中2名が臭気ありと判定した
「臭気あり」: 5名中3〜5名が臭気ありと判定した
Figure 2019006720

実施例のいずれにおいても全てのパネラーが臭気なしと判定し、比較例においては全てのパネラーが強い刺激臭ありと判定した。
[感触試験]
下記に示す方法で感触評価を行った。
実施例3−1〜3−6および比較例3−1〜3−2にて調製した乳化物の使用テストをパネラー5名によって行った。感触は以下のように評価した。結果を表4に示す。

「◎」: 5名のパネラーが全てべたつきなしと判定した
「○」: 5名中1名がべたつきありと判定した
「△」: 5名中2名がべたつきありと判定した
「×」: 5名中3〜5名がべたつきありと判定した
Figure 2019006720

実施例5−1から5−4のいずれにおいても全てのパネラーべたつきなしと判定し、実施例5−5および実施例5−6および比較例3−1〜3−2においては1名のパネラーがべたつきありと判定した。
[接触角評価試験]
下記に示す方法で接触角の評価を行った。
1mm厚のガラスへ実施例3および比較例3にて調製した乳化物(I)、(III)、(V)、(VII)を均一に塗り広げて作成した試験板と純水との接触角を接触角計DropMaster501(協和界面科学(株)製)を使用して測定した。接触角は試験板に着水してから1秒後の値を観測した。
Figure 2019006720

以上のように、本発明によるポリオキシアルキレン化合物、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、およびこれを含んでなる界面活性剤、乳化組成物は、低粘度シリコーンを基油とする長期安定かつ従来のポリエーテル変性シリコーンを用いた乳化物と比較して撥水性が高く、臭気の無い乳化物を調製できる。これにより、化粧品基材として使用した場合、安定かつ水分の付着により流れ落ちにくく悪臭の障害およびべたつきがない乳化組成物を提供することが可能となる。

Claims (3)

  1. 式(1)で表されることを特徴とする、シリコーン変性剤。

    Figure 2019006720

    (式(1)中、
    AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。
    aはメチレン基数を示し、a=2〜10である。
    bは、前記オキシアルキレン基AOの平均付加モル数を示し、b=3〜20である。
    は、水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基である。)
  2. 請求項1記載のシリコーン変性剤と、下記式(2)で表されるハイドロジェンオルガノポリシロキサンとの反応物からなることを特徴とする、界面活性剤。

    Figure 2019006720

    (式(2)中、
    mは1〜50、nは0〜50であり、n/mは0〜1である。
    は、炭素数1〜8の炭化水素基である。
    およびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜8の炭化水素基であり、n=0のときにはRとRとの少なくとも一つは水素原子である。)
  3. 下記成分(A)、成分(B)および成分(C)を含有することを特徴とする、乳化組成物。

    成分(A): 請求項2記載の界面活性剤
    成分(B): 25℃で液状の炭化水素油、25℃で液状のエステル油および25℃で液状のシリコーン油からなる群より選ばれた一種以上の油剤
    成分(C): 水
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