JP2017147921A - 自走式高架線点検装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡素な機構で鉄塔を乗り越えることができるコンパクトな自走式高架線点検装置を提供する。
【解決手段】自走式高架線点検装置2は、本体4、及び鉄塔を乗り越えるための乗り越え機構6を備える。乗り越え機構6は、一対のアーム8,10と、一対の嵌合片12とを含む。一方のアーム8の基端部は、第1の上下方向軸線Z1を中心として揺動自在かつ第1の幅方向軸線Y1を中心として旋回自在に本体4に連結されている。他方のアーム10の基端部は、第2の上下方向軸線Z2を中心として揺動自在かつ第1の幅方向軸線Y1を中心として旋回自在に本体4に連結されている。各嵌合片12は、第2の幅方向軸線Y2を中心として旋回自在に各アーム8,10の先端部に連結されている。乗り越え機構6は、更に、アーム揺動駆動源14と、アーム旋回駆動源16と、嵌合片旋回駆動源18とを含む。
【選択図】図1
【解決手段】自走式高架線点検装置2は、本体4、及び鉄塔を乗り越えるための乗り越え機構6を備える。乗り越え機構6は、一対のアーム8,10と、一対の嵌合片12とを含む。一方のアーム8の基端部は、第1の上下方向軸線Z1を中心として揺動自在かつ第1の幅方向軸線Y1を中心として旋回自在に本体4に連結されている。他方のアーム10の基端部は、第2の上下方向軸線Z2を中心として揺動自在かつ第1の幅方向軸線Y1を中心として旋回自在に本体4に連結されている。各嵌合片12は、第2の幅方向軸線Y2を中心として旋回自在に各アーム8,10の先端部に連結されている。乗り越え機構6は、更に、アーム揺動駆動源14と、アーム旋回駆動源16と、嵌合片旋回駆動源18とを含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、鉄塔を回避可能な自走式高架線点検装置に関する。
下記特許文献1には、鉄塔を回避可能な高架線移動装置が開示されている。この高架線移動装置は、カメラ等の点検監視機器が搭載される本体と、本体に相対移動可能に設けられたアームと、高架線を走行するための走行機構と、鉄塔を回避するための複数の機構とを備える。この複数の機構は、本体及びアームを昇降及び旋回させる上下旋回シャフト等の昇降旋回機構と、アームの両端部を折り畳み自在に連結する関節等の連結機構と、本体及びアームを相対移動させる相対移動機構と、アームが相対移動する際に本体のバランスを保つバランス機構と、本体及びアームを揺動させる揺動機構と、アームを高架線に掛けるフック機構とを含む。そしてこの高架線移動装置は、鉄塔に近づくと上記複数の機構を作動させ、鉄塔の手前(進行方向後側)に位置する高架線から鉄塔の奥(進行方向前側)に位置する高架線までアームを架設することによって鉄塔を迂回して延びる補助軌道を生成し、補助軌道上を本体が移動することで鉄塔を回避することができる。
上記特許文献1に開示された高架線移動装置では、鉄塔を回避するための機構が多く複雑であると共に、鉄塔手前の高架線から鉄塔奥の高架線まで鉄塔を迂回して延びるアームを有するのでアーム寸法が大きくなってしまうという問題がある。
上記事実に鑑みてなされた本発明の課題は、簡素な機構で鉄塔を乗り越えることができるコンパクトな自走式高架線点検装置を提供することである。
上記課題を解決するために本発明が提供するのは以下の自走式高架線点検装置である。すなわち、上方に向かって次第に縮径する角錐状に複数の枠材から形成された上端部を有する鉄塔に架設された高架線を点検するための自走式高架線点検装置であって、鉄塔間に架設された高架線を走行するための走行手段と高架線を点検するための点検手段とを含む本体、及び鉄塔を乗り越えるための乗り越え機構を備え、前記乗り越え機構は、幅方向に間隔をおいて前記本体に連結された一対のアームと、前記一対のアームの各々の先端部に連結され、かつ前記一対のアーム間に位置する一対の嵌合片とを含み、前記一対のアームの一方の基端部は、第1の上下方向軸線を中心として揺動自在かつ第1の幅方向軸線を中心として旋回自在に前記本体に連結され、前記一対のアームの他方の基端部は、第2の上下方向軸線を中心として揺動自在かつ前記第1の幅方向軸線を中心として旋回自在に前記本体に連結され、前記一対の嵌合片の各々は、第2の幅方向軸線を中心として旋回自在に前記一対のアームの各々の先端部に連結され、前記乗り越え機構は、更に、前記一対の嵌合片の各々の幅方向内側端部が相互に接して嵌合開口を規定する閉位置と前記一対の嵌合片が相互に離れた開位置との間で、前記第1の上下方向軸線を中心として前記一対のアームの一方を揺動させると共に、前記第2の上下方向軸線を中心として前記一対のアームの他方を揺動させるアーム揺動駆動源と、前記第1の幅方向軸線を中心として前記一対のアームの各々を旋回させるアーム旋回駆動源と、前記第2の幅方向軸線を中心として前記一対の嵌合片の各々を旋回させる嵌合片旋回駆動源とを含む自走式高架線点検装置である。
好ましくは、前記一対の嵌合片の各々は、前記嵌合開口の中心を通る第3の上下方向軸線を中心として回転自在に前記一対のアームの各々の先端部に連結され、前記乗り越え機構は、更に、前記第3の上下方向軸線を中心として前記一対の嵌合片の各々を回転させる嵌合片回転駆動源を含む。前記一対の嵌合片は前後方向軸線を対称軸線とする対称形状であり、前記嵌合開口は三角形又は四角形であるのが好適である。前記一対の嵌合片は、前記一対のアームの各々の先端部に着脱自在に連結されているのが好都合である。前記乗り越え機構は、更に、第3の幅方向軸線を中心として旋回自在に前記本体に連結された一対のバランサと、前記第3の幅方向軸線を中心として前記一対のバランサの各々を旋回させるバランサ旋回駆動源とを含み、前記アーム旋回駆動源が前記一対のアームの各々を旋回させるのに連動して、前記一対のバランサ駆動源が前記一対のバランサの各々を旋回させるのが好ましい。前記第1の幅方向軸線と前記第3の幅方向軸線とは同一であり、前記アーム旋回駆動源と前記バランサ旋回駆動源とは共通旋回駆動源から構成されているのが好適である。前記一対の嵌合片には、前記一対の嵌合片を前記閉位置に解除自在に拘束する拘束手段が付設されているのが好都合である。
本発明が提供する自走式高架線点検装置は、鉄塔に近づくとアーム揺動駆動源により各アームを揺動させて開位置とし、開位置の状態で更に走行して各嵌合片を鉄塔の両側に位置付ける。次いで本発明の自走式高架線点検装置は、アーム揺動駆動源により各アームを揺動させて閉位置とした後、アーム旋回駆動源により本体に対して各アームを旋回させると共に、嵌合片旋回駆動源により各アームに対して嵌合片を旋回させることにより嵌合片を降下させ、鉄塔の上端部に嵌合開口を嵌合させる。嵌合片が降下する際は、アーム旋回駆動源による本体に対する各アームの旋回方向と逆方向に、かつアーム旋回駆動源による本体に対する各アームの旋回角度と同角度に、嵌合片旋回駆動源により各アームに対して嵌合片が旋回されることによって、本体と嵌合片とが実質上水平に保持される。鉄塔の上端部に嵌合開口を嵌合した状態で嵌合片旋回駆動源が更に駆動すると、鉄塔の上端部に嵌合した各嵌合片を中心として各アームが旋回する。これによって本体は、鉄塔の上方を通過して鉄塔手前の高架線から鉄塔奥の高架線まで移動する。したがって、本発明の自走式高架線点検装置は簡素な機構で鉄塔を乗り越えることができる。
従来の高架線移動装置におけるアームは、鉄塔手前の高架線から鉄塔奥の高架線まで鉄塔を迂回して延びる寸法が必要であったが、本発明の自走式高架線点検装置のアームは、鉄塔手前の高架線から鉄塔の上端部までの寸法でよいので、従来よりもその寸法が短縮される。したがって、本発明の自走式高架線点検装置は従来の高架線移動装置と比較してコンパクトである。
まず、本発明に従って構成された自走式高架線点検装置の第1の実施形態について図1ないし図19を参照しつつ説明する。
図1において全体を符号2で示す自走式高架線点検装置(以下「装置2」という。)は、本体4及び乗り越え機構6を備える。本発明に従って構成された装置2では、乗り越え機構6が、一対のアーム8,10と、一対の嵌合片12と、アーム揺動駆動源14と、アーム旋回駆動源16と、嵌合片旋回駆動源18とを含むのが重要である。第1の実施形態では、乗り越え機構6は更に嵌合片回転駆動源20を含む。
図1及び図2を参照して説明する。本体4は、アルミニウム基合金等の金属材料から形成され得るハウジング22を有する。中空直方体状のハウジング22の下部には、前端から後端まで前後方向に延びる切欠きが形成されている。図2に示すとおりハウジング22には、鉄塔間に架設された高架線を走行するための走行手段24が内蔵されている。走行手段24は、前後方向に間隔をおいて切欠きに沿って配置された一対の車輪26と、各車輪26を駆動させる電動モータ28とを含む。電動モータ28の回転軸30は、電動モータ28の前面から前方に突出すると共に、電動モータ28の後面から後方に突出している。回転軸30の前端及び後端には、それぞれウォームギア32が固定されている。各車輪26には大ギア34が固定され、各大ギア34と各ウォームギア32との間には、それぞれ小ギア36が介在されている。そして、電動モータ28の動力は、各ウォームギア32、各小ギア36及び各大ギア34を介して、各車輪26に伝達される。
本体4は、高架線を点検するための点検手段38を含む。第1の実施形態では図3に示すとおり、点検手段38は、ハウジング22の下面に固定された広角ドームカメラ40及び測距用レーザスキャナ42を有する。広角ドームカメラ40、測距用レーザスキャナ42、上記電動モータ28及び後述の各電動モータには、ハウジング22に内蔵されたバッテリ(図示していない。)から電力が供給される。
図3及び図4を参照して説明する。アルミニウム基合金等の金属材料から形成され得る各アーム8,10は、幅方向に間隔をおいて本体4に連結されている。第1の実施形態では、各アーム8,10はハウジング22の各側面に連結されている。詳述すると、一方のアーム8の基端部は、ハウジング22の一方の側面から上下方向に間隔をおいて幅方向外方に突出する一対のブラケット44に継手45を介して連結されている。継手45はブラケット44間に位置する。そして一方のアーム8は、各ブラケット44及び継手45を通って上下方向に延びる第1の上下方向軸線Z1を中心として、本体4に対して揺動自在となっている。また一方のアーム8は、その基端部及び継手45を通って幅方向に延びる第1の幅方向軸線Y1を中心として、本体4に対して旋回自在となっている。
図3に示すとおり、他方のアーム10の基端部は、ハウジング22の他方の側面から上下方向に間隔をおいて幅方向外方に突出する一対のブラケット46に継手47を介して連結されている。継手47はブラケット46間に位置する。そして他方のアーム10は、各ブラケット46及び継手47を通って上下方向に延びる第2の上下方向軸線Z2を中心として、本体4に対して揺動自在となっている。また他方のアーム10は、その基端部及び継手47も通る第1の幅方向軸線Y1を中心として、本体4に対して旋回自在となっている。
図5を参照して説明する。アルミニウム基合金等の金属材料から形成され得る各嵌合片12は、全体として半環状であり、各嵌合片12の幅方向内側端部(周方向端部)が相互に接することにより嵌合開口48を規定する。各嵌合片12は、各アーム8,10の先端部に着脱自在に連結されているのが好都合である。これによって、鉄塔の規模や種類に応じた形状の嵌合開口を規定する嵌合片に交換可能となるからである。たとえば、鉄塔上端部の形状が三角錐状である場合は三角形の嵌合開口を規定する嵌合片が各アーム8,10に連結され、他方、鉄塔上端部の形状が四角錐状である場合は四角形(正方形や長方形等)の嵌合開口を規定する嵌合片が各アーム8,10に連結される。第1の実施形態では図5に示すとおり、各嵌合片12は前後方向に延びる前後方向軸線Xを対称軸線とする対称形状であり、嵌合開口48は四角形である。また図5に示すとおり、各嵌合片12の外周縁は半円状であり、各嵌合片12の幅方向内側端部が相互に接した場合の外周縁が円形であるのが好都合である。
各嵌合片12は、各アーム8,10の先端部に連結され、かつアーム8,10間に位置する。第1の実施形態では、各嵌合片12は、一対の連結片50を介して各アーム8,10に連結されている。各嵌合片12及び各連結片50は、各アーム8,10の先端部を通って幅方向に延びる第2の幅方向軸線Y2を中心として、各アーム8,10に対して旋回自在となっている。また嵌合片12は、嵌合開口48の径方向中心を通って上下方向に延びる第3の上下方向軸線Z3を中心として、各アーム8,10に対して回転自在であるのが好ましい。第1の実施形態では図5に示すとおり、各嵌合片12は、第3の上下方向軸線Z3を中心として各連結片50のガイド51に沿って回転自在となっている。
図1、図3及び図4を参照して説明する。第1の実施形態では、アーム揺動駆動源14は、ハウジング22のブラケット44,46に配置された一対の電動モータ52,54から構成されている。上側のブラケット44の上面に配置された一方の電動モータ52は、第1の上下方向軸線Z1を中心として本体4に対して一方のアーム8を揺動させる。上側のブラケット46の上面に配置された他方の電動モータ54は、第2の上下方向軸線Z2を中心として本体4に対して他方のアーム10を揺動させる。そして、各嵌合片12の幅方向内側端部が相互に接して嵌合開口48を規定する閉位置と、各嵌合片12が相互に離れた開位置との間で、各電動モータ52,54は協働して各アーム8,10を揺動させる。なお、アーム揺動駆動源14は、1個の電動モータから構成され、ギア等の動力伝達機構を介して各アーム8,10を揺動させるようにしてもよい。
第1の実施形態では、アーム旋回駆動源16は、各アーム8,10の基端部外面に配置された一対の電動モータ56から構成されている。各電動モータ56は、第1の幅方向軸線Y1を中心として本体4に対して各アーム8,10を旋回させる。なお、アーム旋回駆動源16は、1個の電動モータから構成され、ギア等の動力伝達機構を介して各アーム8,10を旋回させるようにしてもよい。
図1、図5及び図6を参照して説明する。第1の実施形態では、嵌合片旋回駆動源18は、各アーム8,10の先端部外面に配置された一対の電動モータ58から構成されている。各電動モータ58は、第2の幅方向軸線Y2を中心として各アーム8,10に対して各嵌合片12及び各連結片50を旋回させる。なお、嵌合片旋回駆動源18は、1個の電動モータから構成され、閉位置において各嵌合片12を連結させる連結機構を介して各嵌合片12及び各連結片50を旋回させるようにしてもよい。この連結機構については、図7に示すとおり、たとえば各嵌合片12の幅方向内側端部に形成された二組の対応する凸部59及び凹部61から構成され得る。
第1の実施形態では、嵌合片回転駆動源20は、一方の連結片50の上面に配置された電動モータ60から構成されている。図6に示すとおり、電動モータ60の回転軸62には、円筒形外周面を有するローラ64が固定されている。ローラ64の外周面は一方の嵌合片12の外周面に接しており、電動モータ60の動力はローラ64を介して一方の嵌合片12に伝達される。これによって、閉位置に各アーム8,10が揺動された状態において、第3の上下方向軸線Z3を中心として各連結片50のガイド51に沿って各嵌合片12が回転する。
図8ないし図19には、上方に向かって次第に縮径する四角錐状に複数の枠材から形成された四角錐状上端部を有する鉄塔66と、鉄塔66手前の架空地線68と、鉄塔66奥の架空地線70とが示されている。架空地線68,70は、その下方に架設される送電線(図示していない。)の避雷のために、鉄塔66の上端部に架設される。架空地線68,70や送電線等の高架線の点検の際、装置2は、各車輪26と架空地線68,70との間に生じる摩擦力により架空地線68,70を走行しながら、広角ドームカメラ40及び測距用レーザスキャナ42によって高架線の状態(たとえば落雷による溶損や樹木のからまりの有無等)を点検する。
図8及び図9に示すとおり、各嵌合片12を架空地線68の下方に位置付けて走行する装置2は、鉄塔66に近づくとアーム揺動駆動源14により開位置まで各アーム8,10を揺動させる。次いで装置2は、開位置の状態で更に走行して各嵌合片12を鉄塔66の両側に位置付けた後、アーム揺動駆動源14により閉位置まで各アーム8,10を揺動させる(図10)。
嵌合開口48の各辺と鉄塔66の四角錐状上端部の各面とが対向していない場合(図10)には、装置2は、嵌合片回転駆動源20により各嵌合片12を回転させ、嵌合開口48の各辺と鉄塔66の四角錐状上端部の各面とを対向させる(図11)。次いで装置2は、アーム旋回駆動源16により本体4に対して各アーム8,10を旋回させると共に、嵌合片旋回駆動源18により各アーム8,10に対して嵌合片12を旋回させることにより嵌合片12を降下させ、鉄塔66の四角錐状上端部に嵌合開口48を嵌合させる(図12)。嵌合片12が降下する際は、アーム旋回駆動源16による本体4に対する各アーム8,10の旋回方向と逆方向に、かつアーム旋回駆動源16による本体4に対する各アーム8,10の旋回角度と同角度に、嵌合片旋回駆動源18により各アーム8,10に対して嵌合片12が旋回されることによって、本体4と嵌合片12とが実質上水平に保持される。次いで装置2は、嵌合片旋回駆動源18を更に駆動させ、鉄塔66の四角錐状上端部に嵌合した嵌合片12に対して各アーム8,10を旋回させる。これによって本体4は、鉄塔66手前の架空地線68から鉄塔66の上方に移動する(図13)。本体4が架空地線68から鉄塔66の上方に移動する際、装置2は、アーム旋回駆動源16を適宜に駆動させることによって本体4の姿勢を制御する。
図8ないし図19に示す場合のように、鉄塔66手前の架空地線68と鉄塔66奥の架空地線70とが同一直線上にない場合には、装置2は、鉄塔66の上方において嵌合片回転駆動源20により嵌合片12に対して各アーム8,10を回転させ、架空地線70に本体4の向きを合わせる(図14)。次いで装置2は、嵌合片旋回駆動源18により嵌合片12に対して各アーム8,10を旋回させると共に、アーム旋回駆動源16により各アーム8,10に対して本体4を旋回させることで、本体4の姿勢を制御しつつ架空地線70に本体4を移動させる(図15)。
次いで装置2は、アーム旋回駆動源16により本体4に対して各アーム8,10を旋回させると共に、嵌合片旋回駆動源18により各アーム8,10に対して嵌合片12を旋回させることにより嵌合片12を上昇させ、鉄塔66の四角錐状上端部と嵌合開口48との嵌合を解除する(図16)。そして装置2は、嵌合片回転駆動源20により各アーム8,10に対して嵌合片12を適宜に回転させ(図17)、アーム揺動駆動源14により開位置まで各アーム8,10を揺動させ(図18)、開位置の状態で適宜の距離を走行した後、アーム揺動駆動源14により閉位置まで各アーム8,10を揺動させると共に、アーム旋回駆動源16により本体4に対して各アーム8,10を適宜に旋回させ、各嵌合片12を架空地線70の下方に位置付ける(図19)。以上のとおり、装置2は簡素な乗り越え機構6で鉄塔66を乗り越えることができる。
従来の高架線移動装置におけるアームは、鉄塔66手前の架空地線68から鉄塔66奥の架空地線70まで鉄塔66を迂回して延びる寸法が必要であったが、装置2の各アーム8,10は、鉄塔66手前の架空地線68から鉄塔66の上端部までの寸法でよいので、従来よりもその寸法が短縮される。したがって装置2は、従来の高架線移動装置と比較してコンパクトである。
図8及び図19に示すとおり、装置2は、架空地線68,70の下方に各嵌合片12を位置付け、各アーム8,10が閉位置の状態で架空地線68,70を装置2が走行している際、強風等により仮に本体4のバランスを失ったとしても、各アーム8,10が閉位置であるため、各アーム8,10又は各嵌合片12が架空地線68,70に掛かり、架空地線68,70からの落下が防止される。装置2の落下が防止される点は、乗り越え機構6により鉄塔66を乗り越える際も同様である(図10ないし図17)。
次に、本発明に従って構成された自走式高架線点検装置の第2の実施形態について図20ないし図28を参照しつつ説明する。
図20において全体を符号102で示す自走式高架線点検装置(以下「装置102」という。)は、本体104及び乗り越え機構106を備える。第2の実施形態における装置102では、乗り越え機構106が、一対のアーム108,110と、一対の嵌合片112と、アーム揺動駆動源114と、共通旋回駆動源116と、嵌合片旋回駆動源118と、嵌合片回転駆動源120と、一対のバランサ122,124とを含む。
図20に示すとおり、本体104は、アルミニウム基合金等の金属材料から形成され得るハウジング126を有する。中空直方体状のハウジング126の下部には、前端から後端まで前後方向に延びる切欠きが形成されている。ハウジング126には、鉄塔間に架設された高架線を走行するための走行手段が内蔵されている。走行手段については、一対の車輪及び電動モータ、並びに電動モータから各車輪に動力を伝達するための動力伝達機構(電動モータの回転軸、ウォームギア、大ギア及び小ギア)を含め、第1の実施形態と同様の構成でよいため説明を省略する。また、高架線を点検するための点検手段38も第1の実施形態と同様の構成(広角ドームカメラ40及び測距用レーザスキャナ42)でよいため、第1の実施形態と同一の符号を付し(図21参照。)、説明を省略する。
図20に示すとおり、アルミニウム基合金等の金属材料から形成され得る各アーム108,110は、幅方向に間隔をおいて本体104に連結されている。第2の実施形態では、一方のアーム108の基端部は、ハウジング126の一方の側面の外方に配置された一方の接続片128を介して本体104に連結されている。一方の接続片128は、ハウジング126の一方の側面に沿って延びる第1の接続部130と、第1の接続部130の先端に固定された幅方向断面がコ字型の第2の接続部132とを有する。図20に示すとおり、一方のアーム108の基端部は第2の接続部132に挟持されている。そして一方のアーム108は、第2の接続部132及び一方のアーム108の基端部を通って上下方向に延びる第1の上下方向軸線z1を中心として、本体104に対して揺動自在となっている。また一方のアーム108は、第1の接続部130を通って幅方向に延びる第1の幅方向軸線y1を中心として、本体104に対して旋回自在となっている。
図21を参照して説明する。他方のアーム110の基端部は、ハウジング126の他方の側面の外方に配置された他方の接続片134を介して本体104に連結されている。他方の接続片134は、ハウジング126の他方の側面に沿って延びる第1の接続部136と、第1の接続部136の先端に固定された幅方向断面がコ字型の第2の接続部138とを有する。図21に示すとおり、他方のアーム110の基端部は第2の接続部138に挟持されている。そして他方のアーム110は、第2の接続部138及び他方のアーム110の基端部を通って上下方向に延びる第2の上下方向軸線z2を中心として、本体104に対して揺動自在となっている。また他方のアーム110は、第1の接続部136も通る第1の幅方向軸線y1を中心として、本体104に対して旋回自在となっている。
アルミニウム基合金等の金属材料から形成され得る各バランサ122,124は、幅方向に間隔をおいて本体104に連結されている。第2の実施形態では図20に示すとおり、一方のバランサ122の基端部は、ハウジング126の一方の側面と一方の接続片128の第1の接続部130との間に配置され、ハウジング126の一方の側面及び第1の接続部130に連結されている。そして一方のバランサ122は、一方のバランサ122の基端部も通る第1の幅方向軸線y1を中心として、本体104に対して旋回自在となっている。
図21に示すとおり、他方のバランサ124の基端部は、ハウジング126の他方の側面と他方の接続片134の第1の接続部136との間に配置され、ハウジング126の他方の側面及び第1の接続部136に連結されている。そして他方のバランサ124は、他方のバランサ124の基端部も通る第1の幅方向軸線y1を中心として、本体104に対して旋回自在となっている。
図22を参照して説明する。アルミニウム基合金等の金属材料から形成され得る各嵌合片112は、全体として半環状であり、各嵌合片112の幅方向内側端部(周方向端部)が相互に接することにより嵌合開口140を規定する。各嵌合片112は、各アーム108,110の先端部に着脱自在に連結されているのが好都合である。これによって、鉄塔の規模や種類に応じた形状の嵌合開口を規定する嵌合片に交換可能となるからである。たとえば、鉄塔上端部の形状が三角錐状である場合は三角形の嵌合開口を規定する嵌合片が各アーム108,110に連結され、他方、鉄塔上端部の形状が四角錐状である場合は四角形(正方形や長方形等)の嵌合開口を規定する嵌合片が各アーム108,110に連結される。第2の実施形態では図22に示すとおり、各嵌合片112は前後方向に延びる前後方向軸線xを対称軸線とする対称形状であり、嵌合開口140は四角形である。また図22に示すとおり、各嵌合片112の外周縁は半円状であり、各嵌合片112の幅方向内側端部が相互に接した場合の外周縁が円形であるのが好都合である。
各嵌合片112は、各アーム108,110の先端部に連結され、かつアーム108,110間に位置する。第2の実施形態では第1の実施形態と同様に、各嵌合片112は、一対の連結片50を介して各アーム108,110に連結されている。各嵌合片112及び各連結片50は、各アーム108,110の先端部を通って幅方向に延びる第2の幅方向軸線y2を中心として、各アーム108,110に対して旋回自在となっている。また嵌合片112は、嵌合開口140の径方向中心を通って上下方向に延びる第3の上下方向軸線z3を中心として、各アーム108,110に対して回転自在であるのが好ましい。第2の実施形態でも第1の実施形態と同様に、各嵌合片112は、第3の上下方向軸線z3を中心として各連結片50のガイド51に沿って回転自在となっている。
図22及び図23を参照して説明する。第2の実施形態では、嵌合片112には、嵌合開口140を規定する閉位置に解除自在に嵌合片112を拘束する拘束手段142が付設されている。図23に示すとおり、拘束手段142は、一方の嵌合片112に連結された拘束片144と、他方の嵌合片112に形成されていて拘束片144に係合する被拘束部とを有する。第2の実施形態では、拘束片144の一端部には突起144aが形成され、拘束片144の中間部144bは一方の嵌合片112に揺動自在に連結されている。被拘束部は、拘束片144の突起144aに対応する凹所146から構成されている。拘束片144の他端部には鉄等の磁性体から形成される吸着片148が付設され、吸着片148に対面して嵌合片112には電磁石150が付設されている。電磁石150は、本体104のバッテリ(図示していない。)に電気的に接続されている。
拘束片144は、突起144aが凹所146に係合する係合位置にバネ(図示していない。)により付勢されている。また拘束片144は、電磁石150にバッテリから電圧が印加されると電磁石150の磁力により拘束片144の吸着片148が電磁石150に吸着することによって、突起144aが凹所146から離隔する離隔位置に位置付けられる。そして拘束手段142は、各嵌合片112の幅方向内側端部が相互に接して嵌合開口140を規定する閉位置に嵌合片112が位置付けられると、バネの付勢力により拘束片144を係合位置に位置付けることによって嵌合片112を閉位置に拘束する。また拘束手段142は、電磁石150が吸着片148を吸着することにより拘束片144を離隔位置に位置付けることによって嵌合片112の拘束を解除する。なお、第2の実施形態では、嵌合片112の一端側に上下一対の拘束手段142、及び嵌合片112の他端側に上下一対の拘束手段142が付設されているが、嵌合片112に付設される拘束手段142は1個以上であればよい。
図20及び図21を参照して説明する。第2の実施形態では、アーム揺動駆動源114は、一方の接続片128の第2の接続部132の上面に配置された一方の電動モータ152と、他方の接続片134の第2の接続部138の上面に配置された他方の電動モータ154とから構成されている。一方の電動モータ152は、第1の上下方向軸線z1を中心として本体104に対して一方のアーム108を揺動させる。他方の電動モータ154は、第2の上下方向軸線z2を中心として本体104に対して他方のアーム110を揺動させる。そして、各嵌合片112の幅方向内側端部が相互に接して嵌合開口140を規定する閉位置と、各嵌合片112が相互に離れた開位置との間で、各電動モータ152,154は協働して各アーム108,110を揺動させる。なお、アーム揺動駆動源114は、1個の電動モータから構成され、ギア等の動力伝達機構を介して各アーム108,110を揺動させるようにしてもよい。
第2の実施形態では図20及び図21に示すとおり、共通旋回駆動源116は、一方の接続片128の第1の接続部130の外面に配置された一方の電動モータ156と、他方の接続片134の第1の接続部136の外面に配置された他方の電動モータ157とから構成されている。一方の電動モータ156は、第1の幅方向軸線y1を中心として本体104に対して、一方のアーム108及び一方のバランサ122を同角度で旋回させる。また、他方の電動モータ157は、第1の幅方向軸線y1を中心として本体104に対して、他方のアーム110及び他方のバランサ124を同角度で旋回させる。本体104に対する各アーム108,110の旋回方向と、本体104に対する各バランサ122,124の旋回方向とは同一方向又は逆方向のいずれでもよい。たとえば各電動モータ156,157のロータ(図示していない。)が本体104に固定され、各電動モータ156,157のステータ(図示していない。)が各接続片128,134及び各バランサ122,124に固定されることにより、図24(a)に示すとおり、本体104に対する各アーム108,110の旋回方向と、本体104に対する各バランサ122,124の旋回方向とが同一方向となる。他方、たとえば各電動モータ156,157のロータ(図示していない。)が本体104に固定され、各電動モータ156,157のステータ(図示していない。)が各接続片128,134に固定され、各電動モータ156,157のステータと各バランサ122,124とがギアを介して連結されることにより、図24(b)に示すとおり、本体104に対する各アーム108,110の旋回方向と、本体104に対する各バランサ122,124の旋回方向とが逆方向となる。なお、共通旋回駆動源116は、1個の電動モータから構成され、ギア等の動力伝達機構を介して、各アーム108,110及び各バランサ122,124を旋回させるようにしてもよい。
図22を参照して説明する。第2の実施形態における嵌合片旋回駆動源118は、第1の実施形態と同様に、各アーム108,110の先端部外面に配置された一対の電動モータ158から構成され得る。各電動モータ158は、第2の幅方向軸線y2を中心として各アーム108,110に対して各嵌合片112及び各連結片50を旋回させる。なお、嵌合片旋回駆動源118は、1個の電動モータから構成され、閉位置において各嵌合片112を連結させる連結機構を介して各嵌合片112及び各連結片50を旋回させるようにしてもよい。この連結機構については、第1の実施形態の説明で述べた凸部59及び凹部61、又は上記の拘束手段142から構成され得る。
図22に示すとおり、第2の実施形態における嵌合片回転駆動源120は、第1の実施形態と同様に、一方の連結片50の上面に配置された電動モータ160から構成され得る。電動モータ160の回転軸162には、円筒形外周面を有するローラ164が固定されている。ローラ164の外周面は一方の嵌合片112の外周面に接しており、電動モータ160の動力はローラ164を介して一方の嵌合片112に伝達される。これによって、閉位置に各アーム108,110が揺動された状態において、第3の上下方向軸線z3を中心として各連結片50のガイド51に沿って各嵌合片112が回転する。
図25に示すとおり、各アーム108,110を前側に延ばすと共に各嵌合片112を架空地線68の下方に位置付けて走行する装置102は、各バランサ122,124を後側に延ばすことにより、装置102の重心位置を本体104の車輪間に位置付けることができる。これによって、各アーム108,110を前側に延ばした際に後側の車輪が架空地線68から離隔してしまうことが防止される。そして装置102は、鉄塔66に近づくと拘束手段142の電磁石150に電圧を印加して電磁石150に吸着片148を吸着させることにより、拘束片144を離隔位置に位置付けることによって拘束手段142による嵌合片112の拘束を解除する。アーム揺動駆動源114により開位置まで各アーム108,110を揺動させ、次いで開位置の状態で更に走行して各嵌合片112を鉄塔66の両側に位置付けた後、アーム揺動駆動源114により閉位置まで各アーム108,110を揺動させる。第2の実施形態では、各108,110を閉位置に位置付けられると、バネの付勢力によって拘束片144が係合位置に位置付けられるので、拘束手段142により嵌合片112が閉位置に拘束される。
嵌合開口140の各辺と鉄塔66の四角錐状上端部の各面とが対向していない場合に装置102は、嵌合片回転駆動源120により各嵌合片112を回転させ、嵌合開口140の各辺と鉄塔66の四角錐状上端部の各面とを対向させる。次いで装置102は、図26に示すとおり、共通旋回駆動源116により本体104に対して各アーム108,110及び各バランサ122,124を旋回させると共に、嵌合片旋回駆動源118により各アーム108,110に対して嵌合片112を旋回させることにより嵌合片112を降下させ、鉄塔66の四角錐状上端部に嵌合開口140を嵌合させる。嵌合片112が降下する際は、共通旋回駆動源116による本体104に対する各アーム108,110の旋回方向と逆方向に、かつ共通旋回駆動源116による本体104に対する各アーム108,110の旋回角度と同角度に、嵌合片旋回駆動源118により各アーム108,110に対して嵌合片112が旋回されることによって、本体104と嵌合片112とが実質上水平に保持される。次いで装置102は、嵌合片旋回駆動源118を更に駆動させ、鉄塔66の四角錐状上端部に嵌合した嵌合片112に対して各アーム108,110を旋回させる。これによって本体104は、図27に示すとおり、鉄塔66手前の架空地線68から鉄塔66の上方に移動する。本体104が架空地線68から鉄塔66の上方に移動する際、装置102は、共通旋回駆動源116を適宜に駆動させることによって本体104の姿勢を制御する。第2の実施形態では、拘束手段142により嵌合片112が閉位置に拘束されているので、架空地線68から鉄塔66の上方に本体104が移動する際に、装置102の重量が嵌合片112に作用して嵌合片112が降下しながら各アーム108,110が開位置に向かって揺動してしまうことが防止される。
図25ないし図28に示す場合のように、鉄塔66手前の架空地線68と鉄塔66奥の架空地線70とが同一直線上にない場合には、装置102は、鉄塔66の上方において嵌合片回転駆動源120により嵌合片112に対して各アーム108,110を回転させ、架空地線70に本体104の向きを合わせる。次いで装置102は、図28に示すとおり、嵌合片旋回駆動源118により嵌合片112に対して各アーム108,110を旋回させると共に、共通旋回駆動源116により各アーム108,110及び各バランサ122,124に対して本体104を旋回させることで、本体104の姿勢を制御しつつ架空地線70に本体104を移動させる。
次いで装置102は、拘束手段142の電磁石150に電圧を印加して電磁石150に吸着片148を吸着させることにより、拘束片144を離隔位置に位置付けることによって拘束手段142による嵌合片112の拘束を解除する。次いで装置102は、共通旋回駆動源116により本体104に対して各アーム108,110及び各バランサ122,124を旋回させると共に、嵌合片旋回駆動源118により各アーム108,110に対して嵌合片112を旋回させることにより嵌合片112を上昇させ、鉄塔66の四角錐状上端部と嵌合開口140との嵌合を解除する。そして装置102は、嵌合片回転駆動源120により各アーム108,110に対して嵌合片112を適宜に回転させ、アーム揺動駆動源114により開位置まで各アーム108,110を揺動させ、開位置の状態で適宜の距離を走行した後、アーム揺動駆動源114により閉位置まで各アーム108,110を揺動させると共に、共通旋回駆動源116により本体104に対して各アーム108,110及び各バランサ122,124を適宜に旋回させ、各嵌合片112を架空地線70の下方に位置付ける。以上のとおり、装置102は簡素な乗り越え機構106で鉄塔66を乗り越えることができる。
従来の高架線移動装置におけるアームは、鉄塔66手前の架空地線68から鉄塔66奥の架空地線70まで鉄塔66を迂回して延びる寸法が必要であったが、装置102の各アーム108,110は、鉄塔66手前の架空地線68から鉄塔66の上端部までの寸法でよいので、従来よりもその寸法が短縮される。したがって装置102は、従来の高架線移動装置と比較してコンパクトである。また第2の実施形態においても、装置102は、架空地線68,70の下方に各嵌合片112を位置付け、各アーム108,110が閉位置の状態で架空地線68,70を装置102が走行している際、強風等により仮に本体104のバランスを失ったとしても、各アーム108,110が閉位置であるため、各アーム108,110又は各嵌合片112が架空地線68,70に掛かり、架空地線68,70からの落下が防止される。装置102の落下が防止される点は、乗り越え機構106により鉄塔66を乗り越える際も同様である。
なお、第2の実施形態では、本体104に対する各アーム108,110の旋回中心軸と、本体104に対する各バランサ122,124の旋回中心軸とが同一の第1の幅方向軸線y1であり、かつ、本体104に対して各アーム108,110を旋回させるアーム旋回駆動源と、本体104に対して各バランサ122,124を旋回させるバランサ旋回駆動源とが共通旋回駆動源116から構成されている例を説明したが、本体104に対する各アーム108,110の旋回中心軸(第1の幅方向軸線y1)と、本体104に対する各バランサ122,124の旋回中心軸(第3の幅方向軸線y3)とが同一ではなく、アーム旋回駆動源とバランサ旋回駆動源とが別々の駆動源から構成されていてもよい。
2:自走式高架線点検装置
4:本体
6:乗り越え機構
8:アーム(一方)
10:アーム(他方)
12:嵌合片
14:アーム揺動駆動源
16:アーム旋回駆動源
18:嵌合片旋回駆動源
20:嵌合片回転駆動源
24:走行手段
38:点検手段
48:嵌合開口
X:前後方向軸線
Y1:第1の幅方向軸線
Y2:第2の幅方向軸線
Z1:第1の上下方向軸線
Z2:第2の上下方向軸線
Z3:第3の上下方向軸線
4:本体
6:乗り越え機構
8:アーム(一方)
10:アーム(他方)
12:嵌合片
14:アーム揺動駆動源
16:アーム旋回駆動源
18:嵌合片旋回駆動源
20:嵌合片回転駆動源
24:走行手段
38:点検手段
48:嵌合開口
X:前後方向軸線
Y1:第1の幅方向軸線
Y2:第2の幅方向軸線
Z1:第1の上下方向軸線
Z2:第2の上下方向軸線
Z3:第3の上下方向軸線
Claims (7)
- 上方に向かって次第に縮径する角錐状に複数の枠材から形成された上端部を有する鉄塔に架設された高架線を点検するための自走式高架線点検装置であって、
鉄塔間に架設された高架線を走行するための走行手段と高架線を点検するための点検手段とを含む本体、及び鉄塔を乗り越えるための乗り越え機構を備え、
前記乗り越え機構は、幅方向に間隔をおいて前記本体に連結された一対のアームと、前記一対のアームの各々の先端部に連結され、かつ前記一対のアーム間に位置する一対の嵌合片とを含み、
前記一対のアームの一方の基端部は、第1の上下方向軸線を中心として揺動自在かつ第1の幅方向軸線を中心として旋回自在に前記本体に連結され、
前記一対のアームの他方の基端部は、第2の上下方向軸線を中心として揺動自在かつ前記第1の幅方向軸線を中心として旋回自在に前記本体に連結され、
前記一対の嵌合片の各々は、第2の幅方向軸線を中心として旋回自在に前記一対のアームの各々の先端部に連結され、
前記乗り越え機構は、更に、前記一対の嵌合片の各々の幅方向内側端部が相互に接して嵌合開口を規定する閉位置と前記一対の嵌合片が相互に離れた開位置との間で、前記第1の上下方向軸線を中心として前記一対のアームの一方を揺動させると共に、前記第2の上下方向軸線を中心として前記一対のアームの他方を揺動させるアーム揺動駆動源と、前記第1の幅方向軸線を中心として前記一対のアームの各々を旋回させるアーム旋回駆動源と、前記第2の幅方向軸線を中心として前記一対の嵌合片の各々を旋回させる嵌合片旋回駆動源とを含む自走式高架線点検装置。 - 前記一対の嵌合片の各々は、前記嵌合開口の中心を通る第3の上下方向軸線を中心として回転自在に前記一対のアームの各々の先端部に連結され、
前記乗り越え機構は、更に、前記第3の上下方向軸線を中心として前記一対の嵌合片の各々を回転させる嵌合片回転駆動源を含む、請求項1記載の自走式高架線点検装置。 - 前記一対の嵌合片は前後方向軸線を対称軸線とする対称形状であり、前記嵌合開口は三角形又は四角形である、請求項1記載の自走式高架線点検装置。
- 前記一対の嵌合片は、前記一対のアームの各々の先端部に着脱自在に連結されている、請求項1記載の自走式高架線点検装置。
- 前記乗り越え機構は、更に、第3の幅方向軸線を中心として旋回自在に前記本体に連結された一対のバランサと、前記第3の幅方向軸線を中心として前記一対のバランサの各々を旋回させるバランサ旋回駆動源とを含み、
前記アーム旋回駆動源が前記一対のアームの各々を旋回させるのに連動して、前記一対のバランサ駆動源が前記一対のバランサの各々を旋回させる、請求項1記載の自走式高架線点検装置。 - 前記第1の幅方向軸線と前記第3の幅方向軸線とは同一であり、前記アーム旋回駆動源と前記バランサ旋回駆動源とは共通旋回駆動源から構成されている、請求項5記載の自走式高架線点検装置。
- 前記一対の嵌合片には、前記一対の嵌合片を前記閉位置に解除自在に拘束する拘束手段が付設されている、請求項1記載の自走式高架線点検装置。
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-
2016
- 2016-08-05 JP JP2016154662A patent/JP2017147921A/ja active Pending
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