JP2017147839A - 駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータの制御性が低下するのを抑制する。【解決手段】キャリア周波数fcが閾値fcref以下のときには(S140)、モータのトルク指令Tm*に基づいてd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を設定し(S150,S160)、この電圧指令Vd*,Vq*に基づいて各相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を設定し(S170)、d軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*をd軸,q軸の記憶用電圧指令Vdm,VqmとしてRAMに記憶する(S220)。一方、キャリア周波数fcが閾値fcrefよりも大きいときには(S140)、RAMに記憶されているd軸,q軸の記憶用電圧指令Vdm,Vqmをd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*に設定し(S180)、この電圧指令Vd*,Vq*に基づいて各相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を設定する(S190)。【選択図】図2
Description
本発明は、駆動装置に関し、詳しくは、モータとインバータとを備える駆動装置に関する。
従来、この種の駆動装置としては、誘導電動機の速度指令と実際の速度とを用いてd軸,q軸の電流指令を演算し、各相の実際の電流検出値を用いてd軸,q軸の電流を演算し、d軸,q軸の電流指令と電流との偏差を用いてd軸,q軸の電圧指令を演算し、d軸,q軸の電圧指令を3相−2相変換によって各相の電圧指令に変換し、各相の電圧指令と三角波キャリアとによって各相のPWM波形を演算し、各相のPWM波形を用いてインバータの各相のスイッチング素子を駆動するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上述の駆動装置において、三角波キャリアの周波数が大きい(1周期の時間が短い)ときには、各相の電圧指令の設定処理が各相のPWM波形の演算開始(各相の電圧指令と三角波キャリアとの比較開始)のタイミングまでに完了せずにインバータの各相のスイッチング素子を適切に制御できなくなることがある。このとき、モータの制御性が低下する可能性がある。
本発明の駆動装置は、モータの制御性が低下するのを抑制することを主目的とする。
本発明の駆動装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の駆動装置は、
モータと、
複数のスイッチング素子のスイッチングによって前記モータを駆動するインバータと、
データを記憶する記憶手段と、
d軸,q軸の電圧指令に基づいて各相の電圧指令を設定し、該各相の電圧指令と搬送波電圧とを用いて各相のPWM信号を設定して前記複数のスイッチング素子をスイッチング制御する制御手段と、
を備える駆動装置であって、
前記制御手段は、
前記搬送波電圧の周波数が閾値以下のときには、前記モータのトルク指令に基づいて前記d軸,q軸の電圧指令を設定すると共に該設定したd軸,q軸の電圧指令をd軸,q軸の記憶用電圧指令として前記記憶手段に記憶し、
前記搬送波電圧の周波数が前記閾値よりも大きいときには、前記記憶手段に記憶されているd軸,q軸の記憶用電圧指令をd軸,q軸の電圧指令に設定する、
ことを要旨とする。
モータと、
複数のスイッチング素子のスイッチングによって前記モータを駆動するインバータと、
データを記憶する記憶手段と、
d軸,q軸の電圧指令に基づいて各相の電圧指令を設定し、該各相の電圧指令と搬送波電圧とを用いて各相のPWM信号を設定して前記複数のスイッチング素子をスイッチング制御する制御手段と、
を備える駆動装置であって、
前記制御手段は、
前記搬送波電圧の周波数が閾値以下のときには、前記モータのトルク指令に基づいて前記d軸,q軸の電圧指令を設定すると共に該設定したd軸,q軸の電圧指令をd軸,q軸の記憶用電圧指令として前記記憶手段に記憶し、
前記搬送波電圧の周波数が前記閾値よりも大きいときには、前記記憶手段に記憶されているd軸,q軸の記憶用電圧指令をd軸,q軸の電圧指令に設定する、
ことを要旨とする。
この本発明の駆動装置では、搬送波電圧の周波数が閾値以下のときには、モータのトルク指令に基づいてd軸,q軸の電圧指令を設定すると共に設定したd軸,q軸の電圧指令をd軸,q軸の記憶用電圧指令として記記憶手段に記憶する。これにより、モータを精度よく制御することができる。一方、搬送波電圧の周波数が閾値よりも大きいときには、記憶手段に記憶されているd軸,q軸の記憶用電圧指令をd軸,q軸の電圧指令に設定する。d軸,q軸の記憶用電圧指令をd軸,q軸の電圧指令に設定するときには、目標トルクに基づいてd軸,q軸の電圧指令を設定するときに比して処理時間を短縮することができると考えられる。したがって、搬送波電圧の周波数が閾値よりも大きいときには、d軸,q軸の記憶用電圧指令をd軸,q軸の電圧指令に設定することにより、各相の電圧指令の設定処理がPWM信号の演算開始のタイミングまでに完了しない不都合が生じるのを抑制することができる。この結果、モータの制御性が低下するのを抑制することができる。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての駆動装置を搭載する電気自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例の電気自動車20は、図1に示すように、モータ32と、インバータ34と、バッテリ36と、電子制御ユニット50と、を備える。
モータ32は、例えば同期発電電動機として構成されており、回転子が駆動輪22a,22bにデファレンシャルギヤ24を介して連結された駆動軸26に接続されている。インバータ34は、モータ32と接続されると共に電力ライン38を介してバッテリ36と接続されている。このインバータ34は、6つのトランジスタ(スイッチング素子)T11〜T16と、6つのダイオードD11〜D16と、を有する。トランジスタT11〜T16は、それぞれ、電力ライン38の正極ラインと負極ラインとに対してソース側とシンク側になるように、2個ずつペアで配置されている。6つのダイオードD11〜D16は、それぞれ、トランジスタT11〜T16に逆方向に並列接続されている。トランジスタT11〜T16の対となるトランジスタ同士の接続点の各々には、モータ32の三相コイル(U相,V相,W相)の各々が接続されている。したがって、インバータ34に電圧が作用しているときに、電子制御ユニット50によって、対となるトランジスタT11〜T16のオン時間の割合が調節されることにより、三相コイルに回転磁界が形成され、モータ32が回転駆動される。
バッテリ36は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されており、上述したように、電力ライン38を介してインバータ34と接続されている。
電子制御ユニット50は、CPU52を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU52の他に、処理プログラムを記憶するROM54,データを一時的に記憶するRAM56,入出力ポートを備える。電子制御ユニット50には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。電子制御ユニット50に入力される信号としては、例えば、モータ32の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ(例えばレゾルバ)32aからの回転位置θm,モータ32の各相に流れる電流を検出する電流センサ32u,32vからの電流Iu,Ivなどを挙げることができる。また、イグニッションスイッチ60からのイグニッション信号,シフトポジションセンサ62からのシフトポジションSP,アクセルペダルポジションセンサ64からのアクセル開度Acc,ブレーキペダルポジションセンサ66からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ68からの車速Vなども挙げることができる。電子制御ユニット50からは、インバータ34のトランジスタT11〜T16へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。電子制御ユニット50は、回転位置検出センサ32aからのモータ32の回転子の回転位置θmに基づいてモータ32の電気角θeおよび回転数Nmを演算している。
こうして構成された実施例の電気自動車20では、まず、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて、駆動軸26に要求される要求トルクTp*を設定する。続いて、要求トルクTp*をモータ32のトルク指令Tm*に設定する。そして、モータ32のトルク指令Tm*を用いてインバータ34のトランジスタT11〜T16をパルス幅変調制御(PWM制御)によってスイッチング制御する。ここで、PWM制御は、モータ32の電圧指令と搬送波(三角波)電圧との比較によってトランジスタT11〜T16のオン時間の割合を調節する制御である。なお、搬送波電圧の周波数(キャリア周波数fc)は、実施例では、モータ32の回転数Nmが大きいときに小さいときよりも大きくなるように、具体的には、モータ32の回転数Nmが大きいほど大きくなるように設定するものとした。
次に、こうして構成された実施例の電気自動車20の動作、特に、インバータ34の制御に用いる各相(U相,V相,W相)の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を設定する際の動作について説明する。なお、各相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を設定すると、搬送波電圧の次周期で、各相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*と搬送波電圧との比較によって各相のPMW信号を生成すると共にこのPWM信号を用いてインバータ34のトランジスタT11〜T16をスイッチング制御する。
図2は、実施例の電子制御ユニット50によって実行される各相電圧指令設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、搬送波電圧が各周期の所定位相θcwに至ったときに実行される。なお、今回の本ルーチンの実行中に搬送波電圧が次周期の所定位相θcwに至ったときには、今回の本ルーチンの実行を強制終了して次回の本ルーチンの実行を開始する。
各相電圧指令設定ルーチンが実行されると、電子制御ユニット50のCPU52は、まず、モータ32の電気角θe,回転数Nm,U相,V相の電流Iu,Iv,トルク指令Tm*,搬送波電圧の周波数(キャリア周波数fc)を入力する(ステップS100)。ここで、電気角θeおよび回転数Nmは、回転位置検出センサ32aによって検出されたモータ32の回転子の回転位置θmに基づいて演算された値を入力するものとした。電流Iu,Ivは、電流センサ32u,32vによって検出された値を入力するものとした。トルク指令Tm*は、上述の駆動制御によって設定された値を入力するものとした。キャリア周波数fcは、モータ32の回転数Nmに応じて設定された値を入力するものとした。
続いて、モータ32の三相コイルの各相(U相,V相,W相)に流れる電流Iu,Iv,Iwの総和を値0として、モータ32の電気角θeを用いて、U相,V相の電流Iu,Ivをd軸,q軸の電流Id,Iqに座標変換(3相−2相変換)する(ステップS110)。
次に、モータ32の回転数Nmに基づいて電気角補償量Δθe1を設定すると共に(ステップS120)、ステップS100で入力したモータ32の電気角θeに電気角補償量Δθe1を加えて、モータ32の予測電気角θees1を計算する(ステップS130)。ここで、電気角補償量Δθe1は、ステップS100で入力した電気角θeと、各相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を設定するときの実際の電気角と、のずれ(前者に対する後者の進み量)を補償するための補償量であり、実施例では、モータ32の回転数Nmが大きいときに小さいときよりも大きくなるように、具体的には、モータ32の回転数Nmが大きいほど大きくなるように設定するものとした。
次に、キャリア周波数fcを閾値fcrefと比較する(ステップS140)。ここで、閾値fcrefは、後述のステップS150,S160の処理によってd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を設定すると、各相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*の設定処理が搬送波電圧の次周期におけるPWM信号の演算開始のタイミングまでに完了しない不都合を生じる可能性があるか否かを判断するための閾値であり、例えば、5.5kHz,6kHz,6.5kHzなどを用いることができる。以下、ステップS150,S160の処理によってd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を設定する手法を「第1設定手法」という。
キャリア周波数fcが閾値fcref以下のときには、第1設定手法によってd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を設定しても上述の不都合を生じないと判断し、モータ32のトルク指令Tm*に基づいて、d軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を設定する(ステップS150)。ここで、d軸,q軸の電流指令Id*,Iq*は、実施例では、モータ32のトルク指令Tm*とd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*との関係を予め定めて電流指令設定用マップとしてROM54に記憶しておき、モータ32のトルク指令Tm*が与えられると、このマップから対応するd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を導出して設定するものとした。
続いて、d軸,q軸の電流指令Id*,Iq*とd軸,q軸の電流Id,Iqとを用いて式(1)および式(2)によってd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を設定する(ステップS160)。ここで、式(1)および式(2)中、「kd1」,「kq1」は,比例項のゲインであり、「kd2」,「kq2」は、積分項のゲインである。
Vd*=kd1・(Id*-Id)+kd2∫(Id*-Id)dt (1)
Vq*=kq1・(Iq*-Iq)+kq2∫(Iq*-Iq)dt (2)
Vq*=kq1・(Iq*-Iq)+kq2∫(Iq*-Iq)dt (2)
そして、モータ32の予測電気角θees1を用いて、d軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を各相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に座標変換(2相−3相変換)する(ステップS170)。そして、d軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*をd軸,q軸の記憶用電圧指令Vdm,Vqmとして設定してRAM56に記憶して(ステップS220)、本ルーチンを終了する。このように、モータ32のトルク指令Tm*に基づいてd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を設定する(第1設定手法によって電圧指令Vd*,Vq*を設定する)ことにより、モータ32を精度よく制御することができる。
ステップS140でキャリア周波数fcが閾値fcrefよりも大きいときには、第1設定手法によってd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を設定すると上述の不都合を生じる可能性があると判断し、RAM56に記憶されているd軸,q軸の記憶用電圧指令Vdm,Vqmをd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*に設定する(ステップS180)。以下、ステップS180の処理によってd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を設定する手法を「第2設定手法」という。そして、モータ32の予測電気角θees1を用いて、d軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を各相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に座標変換(2相−3相変換)する(ステップS190)。
第2設定手法によってd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を設定する処理は、第1設定手法によってd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を設定する処理に比して処理時間を短縮することができると考えられる。したがって、キャリア周波数fcが閾値fcrefよりも大きいときには、第2設定手法によってd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を設定することにより、各相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*の設定処理が搬送波電圧の次周期におけるPWM信号の演算開始のタイミングまでに完了しない不都合が生じるのを抑制することができる。これにより、モータ32の制御性が低下するのを抑制することができる。
次に、上述のステップS150,S160の処理と同様に、モータ32のトルク指令Tm*に基づいてd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を設定すると共にd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*とd軸,q軸の電流Id,Iqとを用いてd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を設定する(ステップS200,S210)。即ち、第1設定手法によってd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を設定する。
そして、d軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*をd軸,q軸の記憶用電圧指令Vdm,Vqmとして設定してRAM56に記憶して(ステップS220)、本ルーチンを終了する。上述したように、実施例では、なお、今回の本ルーチンの実行中に搬送波電圧が次周期の所定位相θcwに至ったときには、今回の本ルーチンの実行を強制終了して次回の本ルーチンの実行を開始する。したがって、搬送波電圧が次周期の所定位相θcwに至る前にステップS220の処理を完了した(今回の本ルーチンを強制終了しなかった)ときには、d軸,q軸の記憶用電圧指令Vdm,Vqmを更新し、搬送波電圧が次周期の所定位相θcwに至る前にステップS220の処理を完了しなかった(今回の本ルーチンを強制終了した)ときには、d軸,q軸の記憶用電圧指令Vdm,Vqmを更新しないことになる。
以上説明した実施例の電気自動車20に搭載される駆動装置では、d軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*に基づいて各相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を設定し、その電圧指令Vu*,Vv*,Vw*と搬送波電圧とを用いて各相のPWM信号を設定してトランジスタT11〜T16をスイッチング制御する。この際において、キャリア周波数fcが閾値fcref以下のときには、モータ32のトルク指令Tm*に基づいてd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を設定する(第1設定手法によって電圧指令Vd*,Vq*を設定する)と共にこのd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*をd軸,q軸の記憶用電圧指令Vdm,VqmとしてRAM56に記憶する。これにより、モータ32を精度よく制御することができる。一方、キャリア周波数fcが閾値fcrefよりも大きいときには、RAM56に記憶されているd軸,q軸の記憶用電圧指令Vdm,Vqmをd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*に設定する(第2設定手法によって電圧指令Vd*,Vq*を設定する)。これにより、各相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*の設定処理が搬送波電圧の次周期におけるPWM信号の演算開始のタイミングまでに完了しない不都合が生じるのを抑制することができる。この結果、モータ32の制御性が低下するのを抑制することができる。
実施例の電気自動車20に搭載される駆動装置では、キャリア周波数fcが閾値fcrefよりも大きいときには、各相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を設定した後に、d軸,q軸の記憶用電圧指令Vdm,Vqmを更新できれば更新し、d軸,q軸の記憶用電圧指令Vdm,Vqmを更新できなければ更新しないものとした。しかし、キャリア周波数fcが閾値fcrefよりも大きいときには、各相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を設定した後に、常時、記憶用電圧指令Vdm,Vqmを更新しないものとしてもよい。
実施例の電気自動車20に搭載される駆動装置では、キャリア周波数fcが閾値fcref以下のときには、第1設定手法によって電圧指令Vd*,Vq*を設定し、キャリア周波数fcが閾値fcrefよりも大きいときには、第2設定手法によって電圧指令Vd*,Vq*を設定するものとした。しかし、第1設定手法から第2設定手法に切り替える際と第2設定手法から第1設定手法とを切り替える際とで閾値fcrefにヒステリシス(マージン)を持たせるものとしてもよい。ここで、ヒステリシスの程度としては、例えば、0.8kHz,1kHz,1.2kHzなどとすることができる。
実施例の電気自動車20に搭載される駆動装置では、キャリア周波数fcが閾値fcref以下のときには、第1設定手法によって電圧指令Vd*,Vq*を設定し、キャリア周波数fcが閾値fcrefよりも大きいときには、第2設定手法によって電圧指令Vd*,Vq*を設定するものとした。しかし、実施例で、モータ32の回転数Nmに基づいてキャリア周波数fcを設定することを考慮すると、キャリア周波数fcに代えてモータ32の回転数Nmを用いるものとしてもよいことが分かる。この場合、モータ32の回転数Nmが閾値Nmref以下のときには、キャリア周波数fcが閾値fc以下であると判断し、第1設定手法によって電圧指令Vd*,Vq*を設定し、モータ32の回転数Nmが閾値Nmrefよりも大きいときには、キャリア周波数fcが閾値fcよりも大きいと判断し、第2設定手法によって電圧指令Vd*,Vq*を設定するものとしてもよい。ここで、閾値Nmrefは、閾値fcrefに相当するモータ32の回転数Nmとして、例えば、8800rpm,9000rpm,9200rpmなどを用いることができる。また、第1設定手法から第2設定手法に切り替える際と第2設定手法から第1設定手法とを切り替える際とで閾値Nmrefにヒステリシス(マージン)を持たせるものとしてもよい。ヒステリシスの程度としては、例えば、900rpm,1000rpm,1100rpmなどとすることができる。
実施例の電気自動車20に搭載される駆動装置では、1つの電子制御ユニット50を備えるものとしたが、複数の電子制御ユニットを備えるものとしてもよい。この場合、例えば、第1制御ユニットで、d軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を設定して第2電子制御ユニットに出力し、第2電子制御ユニットで、d軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*に基づいて各相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を設定すると共にこの各相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を用いて各相のPMW信号を生成してインバータ34のトランジスタT11〜T16をスイッチング制御するものとしてもよい。また、第1電子制御ユニットで、図2の各相電圧指令設定ルーチンを実行して各相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を第2電子制御ユニットに出力し、第2電子制御ユニットで、各相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を用いて各相のPMW信号を生成してインバータ34のトランジスタT11〜T16をスイッチング制御するものとしてもよい。
実施例では、走行用のモータ32を備える電気自動車20に搭載される駆動装置の構成とした。しかし、走行用のモータの他にエンジンも備えるハイブリッド自動車に搭載される駆動装置の構成としてもよい。また、建設設備などの移動しない設備に搭載される駆動装置の構成としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、モータ32が「モータ」に相当し、インバータ34が「インバータ」に相当し、電子制御ユニット50のRAM56が「記憶手段」に相当し、電子制御ユニット50のCPU52が「制御手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、駆動装置の製造産業などに利用可能である。
20 電気自動車、22a,22b 駆動輪、24 デファレンシャルギヤ、26 駆動軸、32 モータ、32a 回転位置検出センサ、32u,32v 電流センサ、34 インバータ、36 バッテリ、38 電力ライン、50 電子制御ユニット、52 CPU、54 ROM、56 RAM、60 イグニッションスイッチ、62 シフトポジションセンサ、64 アクセルペダルポジションセンサ、66 ブレーキペダルポジションセンサ、68 車速センサ、D11〜D16 ダイオード、T11〜T16トランジスタ。
Claims (1)
- モータと、
複数のスイッチング素子のスイッチングによって前記モータを駆動するインバータと、
データを記憶する記憶手段と、
d軸,q軸の電圧指令に基づいて各相の電圧指令を設定し、該各相の電圧指令と搬送波電圧とを用いて各相のPWM信号を設定して前記複数のスイッチング素子をスイッチング制御する制御手段と、
を備える駆動装置であって、
前記制御手段は、
前記搬送波電圧の周波数が閾値以下のときには、前記モータのトルク指令に基づいて前記d軸,q軸の電圧指令を設定すると共に該設定したd軸,q軸の電圧指令をd軸,q軸の記憶用電圧指令として前記記憶手段に記憶し、
前記搬送波電圧の周波数が前記閾値よりも大きいときには、前記記憶手段に記憶されているd軸,q軸の記憶用電圧指令をd軸,q軸の電圧指令に設定する、
駆動装置。
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