JP2017147402A - 原子セルおよびその製造方法、量子干渉装置、原子発振器、電子機器、ならびに移動体 - Google Patents

原子セルおよびその製造方法、量子干渉装置、原子発振器、電子機器、ならびに移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】高い耐熱性を有することができる原子セルを提供する。【解決手段】内部にアルカリ金属が充填される原子セル100であって、極性基を有する化合物を含む材料により形成された内壁10aと、前記内壁10aをコーティングし、前記極性基と脱離反応する官能基と非極性基とを有する第1分子により形成された第1コーティング層22と、前記第1コーティング層22をコーティングし、非極性の第2分子により形成された第2コーティング層24と、を含み、前記第2分子は、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはポリメチルペンテンである、原子セル。【選択図】図2

Description

本発明は、原子セルおよびその製造方法、量子干渉装置、原子発振器、電子機器、ならびに移動体に関する。
長期的に高精度な発振特性を有する発振器として、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属の原子のエネルギー遷移に基づいて発振する原子発振器が知られている。
一般に、原子発振器の動作原理は、光およびマイクロ波による二重共鳴現象を利用した方式と、波長の異なる2種類の光による量子干渉効果(CPT:Coherent Population Trapping)を利用した方式と、に大別されるが、いずれの原子発振器も、アルカリ金属を封入したガスセル(原子セル)を備える。
例えば特許文献1には、ガスセルの内壁にOTS層を形成することにより、ガスセルの内壁表面の極性基の露出が軽減され、かつ、OTS層の上にパラフィン層を形成することにより、ガスセル内壁の非緩和特性を高くすることができ、このようなガスセルを原子発振器に用いることが記載されている。
特開2013−181941号公報
しかしながら、パラフィンは融点が低いため、特許文献1のようにパラフィン層が形成された原子セルは、耐熱性が問題となる。
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、高い耐熱性を有することができる原子セルを提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、高い耐熱性を有することができる原子セルの製造方法を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上記原子セルを含む、量子干渉装置、原子発振器、電子機器、移動体を提供することにある。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本適用例に係る原子セルは、
内部にアルカリ金属が充填される原子セルであって、
極性基を有する化合物を含む材料により形成された内壁と、
前記内壁をコーティングし、前記極性基と脱離反応する官能基と非極性基とを有する第1分子により形成された第1コーティング層と、
前記第1コーティング層をコーティングし、非極性の第2分子により形成された第2コーティング層と、
を含み、
前記第2分子は、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはポリメチルペンテンである。
このような原子セルでは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテンは、パラフィンと比べて融点が高いため、第2分子がパラフィンである場合に比べて、第2コーティング層の融点が高く、高い耐熱性を有することができる。
[適用例2]
本適用例に係る原子セルにおいて、
前記第1分子は、アルキルシラン、アルコール、またはポリイミドであってもよい。
このような原子セルでは、第1コーティング層の配向性を高くすることができ、さらに、第2コーティング層の配向性も高くすることができる。したがって、このような原子セルでは、第1分子の間や第2分子の間にアルカリ金属が入り込むことを抑制することができる。
[適用例3]
本適用例に係る原子セルにおいて、
前記アルキルシランは、オクタデシルトリメトキシシラン、またはオクタデシルトリクロロシランであってもよい。
このような原子セルでは、第1分子がオクタデシルトリメトキシシラン(ODS)である場合は、ODSのメトキシ基が内壁を形成する材料の極性基と脱離反応することができ、第1分子がオクタデシルトリクロロシラン(OTS)である場合は、OTSの塩素が内壁を形成する材料の極性基と脱離反応することができる。
[適用例4]
本適用例に係る原子セルにおいて、
前記第1分子は、オクタデシルトリメトキシシランであり、
前記第2分子は、ポリプロピレンであってもよい。
このような原子セルでは、例えば第1分子がOTSであり第2分子がポリエチレンである場合に比べて、取扱いが容易で、より高い耐熱性を有することができる。
[適用例5]
本適用例に係る原子セルの製造方法は、
内部にアルカリ金属が充填される原子セルの製造方法であって、
極性基を有する化合物を含む材料により形成された基材の内壁を、前記極性基と脱離反応する官能基と非極性基とを有する第1分子でコーティングすることによって第1コーティング層を形成する工程と、
前記第1コーティング層を、非極性の第2分子でコーティングすることによって第2コーティング層を形成する工程と、
を含み、
前記第2分子は、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはポリメチルペンテンである。
このような原子セルの製造方法では、高い耐熱性を有することができる原子セルを製造することができる。
[適用例6]
本適用例に係る量子干渉装置は、
本適用例に係る原子セルと、
前記アルカリ金属を励起する励起光を出射する光出射部と、
前記原子セルを透過した前記励起光を検出する光検出部と、
を含む。
このような量子干渉装置は、本適用例に係る原子セルを含むので、優れた周波数安定性を有することができる。
[適用例7]
本適用例に係る原子発振器は、
本適用例に係る原子セルと、
前記アルカリ金属を励起する励起光を出射する光出射部と、
前記原子セルを透過した前記励起光を検出する光検出部と、
を含む。
このような原子発振器は、本適用例に係る原子セルを含むので、優れた周波数安定性を有することができる。
[適用例8]
本適用例に係る電子機器は、
本適用例に係る原子セルを含む。
このような電子機器は、本適用例に係る原子セルを含むので、優れた信頼性を有することができる。
[適用例9]
本適用例に係る移動体は、
本適用例に係る原子セルを含む。
このような移動体は、本適用例に係る原子セルを含むので、優れた信頼性を有することができる。
本実施形態に係る原子セルを模式的に示す断面図。 本実施形態に係る原子セルを模式的に示す断面図。 本実施形態に係る原子セルを模式的に示す斜視図。 本実施形態に係る基材の内壁近傍の状態を説明するための図。 ODSと基材の内壁との反応を説明するための図。 ポリプロピレンとODSとの反応を説明するための図。 本実施形態に係る原子セルの製造方法を説明するためのフローチャート。 本実施形態に係る原子セルの製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態に係る原子セルの製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態に係る原子発振器の機能ブロック図。 本実施形態に係る原子発振器の原子セル内におけるアルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図。 本実施形態に係る原子発振器において、光出射部から出射される2つの光の周波数差と、光検出部で検出される検出強度と、の関係を示すグラフ。 本実施形態に係る電子機器を説明するための図。 本実施形態に係る移動体を説明するための図。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 原子セル
まず、本実施形態に係る原子セルについて、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る原子セル100を模式的に示す断面図である。図2は、本実施形態に係る原子セル100を模式的に示す断面図であって、図1に示す領域Aの拡大図である。図3は、本実施形態に係る原子セル100を模式的に示す斜視図である。
原子セル100は、図1〜図3に示すように、基材10と、コーティング層20と、を含む。コーティング層20は、第1コーティング層22と、第2コーティング層24と、を有している。原子セル100は、例えば、原子発振器に用いられる。
基材10は、胴部12と、胴部12を挟んで設けられた1対の窓部14,16と、を有している。胴部12には、円柱状の貫通孔13が形成されている。貫通孔13によって、原子セル100の内部空間Sが形成されている。なお、貫通孔13の断面形状は、円形に限定されず、例えば、四角形や五角形等の多角形、楕円等であってもよい。胴部12の材質は、例えば、ガラス、水晶、金属、樹脂、シリコン等である。
窓部14,16は、貫通孔13を塞ぐように、胴部12を挟んで設けられている。窓部14,16の形状は、例えば、板状である。胴部12および窓部14,16によって原子セル100の内部空間Sが形成されている。内部空間Sには、ガス状のアルカリ金属(金属原子)が封入されている。内部空間Sには、ガス状のアルカリ金属が充填されている。なお、内部空間Sに封入されているアルカリ金属は、一部が気体状(ガス状)で存在し、残部が余剰分として液体状または固体状で存在していてもよい。また、内部空間Sには、必要に応じて、アルゴンやネオン等の希ガス、窒素等の不活性ガスが緩衝ガスとしてアルカリ金属とともに封入されていてもよい。
窓部14,16には、内部空間Sと連通する貫通孔17が設けられている。貫通孔17は、封止材18によって封止されている。これにより、内部空間Sを気密に封止することができる。封止材18の材質は、例えば、銀ロウ、Au/Sn合金等の金属、バナジウム系(V−P−O)等の低融点ガラスである。なお、図示はしないが、貫通孔17は、窓部14,16のいずれか一方にのみ設けられていてもよい。
窓部14,16は、後述する原子発振器の光出射部から出射された励起光を透過する材料で形成されている。該励起光は、気体状のアルカリ金属を励起する。窓部14,16は、極性基を有する化合物を含む材料により形成される。具体的には、窓部14,16は、石英ガラスやホウケイ酸ガラス等の材料により形成される。これらの材料は、珪素および酸素を含み(例えば珪素および酸素を主成分とし)、表面の珪素に極性基である水酸基が結合されている(図4参照)。すなわち、窓部14,16は、極性基を有する化合物を含む材料により形成されている。なお、胴部12は、窓部14,16と同じ材料で形成されてもよい。
第1コーティング層22は、基材10の内壁10aの表面に設けられている。第1コーティング層22は、少なくとも窓部14,16の内壁に設けられていればよいが、図1に示すように、窓部14,16の内壁および胴部12の内壁に設けられていることが好ましい。さらに、図示はしないが、第1コーティング層22は、封止材18の内部空間S側の面に設けられていてもよい。第1コーティング層22は、内壁10aをコーティングして
いる。第1コーティング層22の厚さは、例えば、数nmである。
第1コーティング層22は、内壁10aを形成する材料の極性基(例えば水酸基)と脱離反応する官能基と、非極性基と、を有する第1分子により形成される。具体的には、第1コーティング層22は、第1分子の官能基を、内壁10aを形成する材料の水酸基と化学反応させることにより形成される。
第1コーティング層22を形成する第1分子は、アルキルシラン、アルコール、またはポリイミドである。第1分子がアルキルシランである場合、アルキルシランは、オクタデシルトリメトキシシラン(ODS:octadecyltrimethoxysilane、CH(CH17Si(OCH)、またはオクタデシルトリクロロシラン(OTS:octadecyltrichlorosilane、CH(CH17SiCl)である。ODSの化学式は、下記式(1)である。ODSの分解温度は、200℃程度である。OTSの化学式は、下記式(2)である。OTSの分解温度は、200℃程度である。
Figure 2017147402
第1コーティング層22を形成する第1分子としてODSを用いた場合、ODSは、内壁10aを形成する材料の水酸基と脱離反応するメトキシ基を有する。ODSは、例えば、シクロロヘキサン、ヘキサン、クロロホルム等の溶剤に分散した状態で、内壁10aの表面に塗布される。ODSが内壁10aを形成する材料の水酸基に到達すると、ODSのメトキシ基と水酸基の水素が脱離し、ODSの珪素と内壁10aを形成する材料の酸素とが結合する(図5参照)。これにより、第1コーティング層22が形成される。
なお、ODSの珪素と内壁10aの酸素との結合の態様は、ODSのそれぞれで異なってもよく例えば図5に示すように、ODSの2つの珪素と、内壁10aの珪素から脱離した酸素とが結合する場合もある。
第1コーティング層22を形成する第1分子としてOTSを用いた場合は、内壁10aを形成する材料の水酸基と塩素が脱離反応する。
第1コーティング層22を形成する第1分子の炭化水素(非極性基)は、図5に示すように、直鎖構造を有している。図示の例では、第1分子の各々を形成する炭素原子は、内壁10aの垂線と平行に延びている。これにより、第1コーティング層22は、高い配向性を有する。
なお、第1コーティング層22を形成する第1分子がアルコールの場合、第1分子は、例えば、デシルアルコール、オクダデシルアルコール等の直鎖アルコールである。
第2コーティング層24は、第1コーティング層22の表面に設けられている。第2コーティング層24は、第1コーティング層22をコーティングしている。第2コーティング層24は、非極性の第2分子により形成される。
第2コーティング層24を形成する第2分子は、ポリプロピレン(PP:polypropylene)、ポリエチレン(PE:polyethylene)、またはポリメチルペンテン(PMP:polymethylpentene)である。第2分子として用いられるポリプロピレンは、アイソタクチックポリプロピレンでもよいし、シンジオタクチックポリプロピレンでもよい。第1分子は、ODSであり、第2分子は、PPであってもよい。
PPの化学式は、下記式(3)である。PPの融点は、170℃程度である。PPの数平均分子量Mnは、5000程度であり、PPの重量平均分子量Mwは、12000程度である。PEの化学式は、下記式(4)である。PEの融点は、120℃程度である。PPおよびPEは、例えば、電子線照射によって架橋され、高い融点を有することができる。PEのMI(melt index)は、2.2g/10min(190℃/2.16kg)程度である。PMPの化学式は、下記式(5)である。PMPの融点は、230℃程度である。
Figure 2017147402
第2コーティング層24を形成する第2分子は、第1コーティング層22を形成する第1分子に物理吸着する。図6は、第1分子としてODSを用い、第2分子としてPPを用いた場合に、PPがODSに物理吸着した状態を示す図である。PPは、非極性分子であるが、分子量が大きいため、ODSの非極性基との間に強い分子間引力を生じる。そして、PPは、該分子間引力によってODSの非極性基に物理吸着する。これにより、第2コーティング層24が形成される。
第2コーティング層24を形成する第2分子を複数回に渡って堆積することにより、第2コーティング層24の厚さを調整することができる。第2コーティング層24の厚さは、例えば、数百nmである。第2コーティング層24により、内壁10aの露出を軽減することができる。これにより、コーティング層20は、内壁10aに対して高い被覆率を有する。さらに、第2コーティング層24は、第1コーティング層22の配向性の影響を受け、高い配向性を有する。第2コーティング層24は、アルカリ金属が内壁10aと衝突することによってアルカリ金属の電子スピン状態が緩和することを抑制することができる。すなわち、第2コーティング層24は、原子セル100のアルカリ金属に対する非緩和特性を高くすることができる。
原子セル100は、例えば、以下の特徴を有する。
原子セル100では、内壁10aをコーティングし、極性基と脱離反応する官能基と非極性基とを有する第1分子により形成された第1コーティング層22と、第1コーティング層22をコーティングし、非極性の第2分子により形成された第2コーティング層24と、を含み、第2分子は、PP、PE、またはPMPである。PP、PE、PMPは、パラフィンと比べて融点が高い(パラフィンの融点は80℃程度)。そのため、原子セル100では、第2分子がパラフィンである場合に比べて、第2コーティング層24の融点が高く、高い耐熱性を有することができる。さらに、原子セル100では、第2コーティング層24により、内壁10aが露出することを抑制することができる。したがって、原子セル100では、より高温(例えば100℃以上)の条件下でも、アルカリ金属は内壁10aと衝突せずに第2コーティング層24と衝突する可能性が高く、衝突によるアルカリ金属の量子的な状態に及ぼす影響を小さくすることができる。具体的には、原子セル100では、より高温の条件下でも、衝突によるアルカリ金属の電子スピン状態の緩和を軽減することができる。
原子セル100では、第1分子は、アルキルシラン、アルコール、またはポリイミドである。そのため、原子セル100では、第1コーティング層22の配向性を高くすることができる。すなわち、原子セル100では、第1コーティング層22を形成する第1分子の炭化水素(非極性基)の各々は、同じ方向に延びている。これにより、原子セル100では、第2コーティング層24の配向性も高くすることができる。したがって、原子セル100では、第1分子の間や第2分子の間にアルカリ金属が入り込むことを抑制することができる。さらに、仮に第2コーティング層24が融解したとしても、第1コーティング層22が配向しているため、ライプニングせずに、一度冷やすだけで第2コーティング層24の配向性を復活させることができる。
原子セル100では、第1分子は、ODSまたはOTSである。そのため、原子セル100では、第1分子がODSである場合は、ODSのメトキシ基が内壁10aを形成する材料の極性基と脱離反応することができ、第1分子がOTSである場合は、OTSの塩素が内壁10aを形成する材料の極性基と脱離反応することができる。
原子セル100では、第1分子は、ODSであり、第2分子は、PPである。例えば第1分子がOTSの場合は、内壁10aと脱離反応する際に取り扱いに注意が必要な塩化水素が発生する場合があるが、ODSでは、このような注意をする必要がなく、容易に取り扱うことができる。さらに、PPは、PEよりも融点が高い。したがって、第1分子をODSとし、第2分子をPPとすることで、原子セル100は、取扱いが容易で、より高い耐熱性を有することができる。
2. 原子セルの製造方法
次に、本実施形態に係る原子セルの製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図7は、本実施形態に係る原子セル100の製造方法を説明するための示すフローチャートである。図8および図9は、本実施形態に係る原子セル100の製造工程を模式的に示す断面図である。
図8に示すように、胴部12に窓部14,16を接合して、基材10を形成する(ステップS1)。胴部12と窓部14,16の接合方法としては、例えば、接着剤による接合方法、直接接合方法、陽極接合方法等を用いる。
図9に示すように、基材10の内壁10aを第1分子でコーティングすることによって第1コーティング層22を形成する(ステップS2)。第1コーティング層22は、例えば、塗布法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等により形成される。塗布法で第1コーティング層22を形成する場合は、第1分子を所定の溶剤に分散させ、該溶剤を、貫通孔17を通して内壁10aの表面に塗布した後、乾燥させる。CVD法で第1コーティング層22を形成する場合は、ガス状の第1分子を、貫通孔17を通して内壁10aの表面に堆積させる。
次に、第1コーティング層22を、第2分子でコーティングすることによって第2コーティング層24を形成する(ステップS3)。これにより、コーティング層20を形成することができる。第2コーティング層24は、例えば、塗布法、真空蒸着法等により形成される。塗布法で第2コーティング層24を形成する場合は、第2分子を所定の溶剤に分散させ、該溶剤を、貫通孔17を通して第1コーティング層22の表面に塗布した後、乾燥させる。真空蒸着法で第2コーティング層24を形成する場合は、ガス状の第2分子を、貫通孔17を通して第1コーティング層22の表面に堆積させる。
図1に示すように、ガス状のアルカリ金属を、貫通孔17を通して内部空間Sに送入する(ステップS4)。アルカリ金属の送入は、コーティング層22,24が融解しない条件(温度および圧力)下で行われる。
次に、貫通孔17を封止材18で封止する(ステップS5)。例えばボール状の封止材(図示せず)をレーザー等で溶融させることにより、貫通孔17を封止する封止材18を形成することができる。これにより、アルカリ金属が封入された内部空間Sを気密に封止することができる。
以上の工程により、原子セル100を製造することができる。
原子セル100の製造方法では、高い耐熱性を有することができる原子セル100を製造することができる。
3. 原子発振器
次に、本実施形態に係る原子発振器(量子干渉装置)について、図面を参照しながら説明する。本発明に係る量子干渉装置は、本発明に係る原子セルを含む。以下では、本発明に係る原子セルとして原子セル100を含む原子発振器について説明する。なお、本発明に係る量子干渉装置は、原子発振器の他、例えば、磁気センサー、量子メモリー等にも適用可能である。
図10は、本実施形態に係る原子発振器200の機能ブロック図である。図11は、本実施形態に係る原子発振器200の原子セル100内におけるアルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図である。図12は、本実施形態に係る原子発振器200において、光出射部から出射される2つの光の周波数差と、光検出部で検出される検出強度と、の関係を示すグラフである。
原子発振器200は、量子干渉効果を利用した原子発振器である。量子干渉効果を利用した原子発振器200は、二重共鳴効果を利用した原子発振器に比し、小型化を図ることができる。
原子発振器200は、図10に示すように、原子セル(ガスセル)100と、光出射部210と、光学部品220,222,224,226と、光検出部230と、ヒーター240と、温度センサー250と、磁場発生部260と、制御部270と、を有している。
まず、原子発振器200の原理を簡単に説明する。
原子発振器200では、原子セル100内に、ガス状のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属(金属原子)が封入されている。
アルカリ金属は、図11に示すように、3準位系のエネルギー準位を有しており、エネルギー準位の異なる2つの基底状態(基底状態1,2)と、励起状態と、の3つの状態をとり得る。ここで、基底状態1は、基底状態2よりも低いエネルギー状態である。
このようなガス状のアルカリ金属に対して周波数の異なる2種の共鳴光L1,L2をガス状のアルカリ金属に照射すると、共鳴光L1の周波数ωと共鳴光L2の周波数ωとの差(ω−ω)に応じて、共鳴光L1,L2のアルカリ金属における光吸収率(光透過率)が変化する。そして、共鳴光L1の周波数ωと共鳴光L2の周波数ωとの差(ω−ω)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数に一致したとき、基底状態1,2から励起状態への励起がそれぞれ停止する。このとき、共鳴光L1,L2は、いずれも、アルカリ金属に吸収されずに透過する。このような現象をCPT現象または電磁誘起透明化現象(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)と呼ぶ。
ここで、例えば、共鳴光L1の周波数ωを固定し、共鳴光L2の周波数ωを変化させていくと、共鳴光L1の周波数ωと共鳴光L2の周波数ωとの差(ω−ω)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数ωに一致したとき、光検出部230の検出強度は、図12に示すように、急峻に上昇する。このような急峻な信号をEIT信号と呼ぶ。EIT信号は、アルカリ金属の種類によって決まった固有値をもっている。したがって、EIT信号を基準として用いることにより、高精度な発振器を実現することができる。
以下、原子発振器200の各部を順次詳細に説明する。なお、原子セル100については、上述した「1. 原子セル」および「2. 原子セルの製造方法」で説明したとおりである。
[光出射部]
光出射部(光源)210は、原子セル100内のアルカリ金属を励起する励起光Lを出射する。具体的には、光出射部210は、励起光Lとして、上述したような周波数の異なる2種の光(共鳴光L1および共鳴光L2)を出射する。
共鳴光L1は、原子セル100内のアルカリ金属を上述した基底状態1から励起状態へ励起する。一方、共鳴光L2は、原子セル100内のアルカリ金属を上述した基底状態2から励起状態へ励起する。
光出射部210としては、上述したような励起光を出射し得るものであれば、特に限定
されないが、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)等の半導体レーザー等を用いる。
光出射部210は、後述する制御部270の励起光制御部272に接続され、光検出部230の検出結果に基づいて駆動制御される。光出射部210は、図示しない温度調節素子(発熱抵抗体、ペルチェ素子等)により、所定温度に温度調節される。
[光学部品]
光学部品220,222,224,226は、光出射部210と原子セル100との間における励起光Lの光路上に設けられている。図10に示す例では、光出射部210側から原子セル100側へ、第1光学部品220、第2光学部品222、第3光学部品224、第4光学部品226の順に配置されている。
第1光学部品220は、レンズである。第1光学部品220は、励起光Lを無駄なく原子セル100へ照射させることができる。第1光学部品220は、励起光Lを平行光とする機能を有する。そのため、励起光Lが原子セル100の内壁で反射するのを簡単に防止することができる。これにより、原子セル100内での励起光の共鳴を好適に生じさせ、その結果、原子発振器200の発振特性を高めることができる。
第2光学部品222は、偏光板である。第2光学部品222は、光出射部210からの励起光Lの偏光を所定方向に調整することができる。
第3光学部品224は、減光フィルター(NDフィルター)である。第3光学部品224は、原子セル100に入射する励起光Lの強度を調整(減少)させることができる。そのため、光出射部210の出力が大きい場合でも、原子セル100に入射する励起光を所望の光量とすることができる。
第4光学部品226は、λ/4波長板である。第4光学部品226は、光出射部210からの励起光Lを直線偏光から円偏光(右円偏光または左円偏光)に変換することができる。
[光検出部]
光検出部230は、原子セル100を透過した励起光L(共鳴光L1,L2)の強度を検出する。光検出部230としては、励起光Lを検出し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、太陽電池、フォトダイオード等の光検出器(受光素子)を用いる。光検出部230は、後述する制御部270の励起光制御部272に接続されている。
[ヒーター]
ヒーター(加熱部)240は、原子セル100(具体的には原子セル100内のアルカリ金属)を加熱する。これにより、原子セル100内のアルカリ金属を適切な濃度のガス状に維持することができる。ヒーター240は、通電(直流)により発熱するものであり、例えば、原子セル100の外表面上に設けられた2つの発熱抵抗体(図示せず)で構成されている。ヒーター240は、後述する制御部270の温度制御部274に電気的に接続され、通電される。
ここで、一方の発熱抵抗体は、原子セル100の窓部14(入射側窓部)に設けられ、他方の発熱抵抗体は、原子セル100の窓部16(出射側窓部)に設けられている。窓部14,16のそれぞれに発熱抵抗体を配置することにより、窓部14,16にアルカリ金属が結露するのを防止することができる。その結果、原子発振器200の特性(発振特性)を長期にわたり優れたものとすることができる。
このような発熱抵抗体は、励起光Lに対する透過性を有する材料、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、In、SnO、Sb含有SnO、Al含有ZnO等の酸化物等の透明電極材料で構成される。
発熱抵抗体は、例えば、プラズマCVD、熱CVDのようなCVD法、真空蒸着等の乾式メッキ法、ゾルゲル法等を用いて形成することができる。
なお、ヒーター240は、原子セル100を加熱することができるものであれば、上述した形態に限定されず、各種ヒーターを用いることができる。また、ヒーター240は、原子セル100に対して非接触であってもよい。また、ヒーター240に代えて、または、ヒーター240と併用して、ペルチェ素子を用いて、原子セル100を加熱してもよい。
[温度センサー]
温度センサー250は、ヒーター240または原子セル100の温度を検出する。そして、この温度センサー250の検出結果に基づいて、ヒーター240の発熱量が制御される。これにより、原子セル100内のアルカリ金属を所望の温度に維持することができる。なお、温度センサー250の設置位置は、特に限定されず、例えば、ヒーター240上であってもよいし、原子セル100の外表面上であってもよい。
温度センサー250としては、特に限定されず、サーミスタ、熱電対等の公知の各種温度センサーを用いることができる。温度センサー250は、図示しない配線を介して、後述する制御部270の温度制御部274に電気的に接続されている。
[磁場発生部]
磁場発生部260は、原子セル100内のアルカリ金属の縮退した複数のエネルギー準位をゼーマン分裂させる磁場を発生させる。磁場発生部260は、ゼーマン分裂により、アルカリ金属の縮退している異なるエネルギー準位間のギャップを拡げて、分解能を向上させることができる。その結果、原子発振器200の発振周波数の精度を高めることができる。
磁場発生部260は、例えば、原子セル100を挟むように配置されたヘルムホルツコイル、または、原子セル100を覆うように配置されたソレノイドコイルで構成されている。これにより、原子セル100内に一方向の均一な磁場を生じさせることができる。なお、磁場発生部260が発生する磁場は、定磁場(直流磁場)であるが、交流磁場が重畳されていてもよい。磁場発生部260は、後述する制御部270の磁場制御部276に電気的に接続され、通電制御される。
[制御部]
制御部270は、光出射部210、ヒーター240、および磁場発生部260を制御する。制御部270は、光出射部210の共鳴光L1,L2の周波数を制御する励起光制御部272と、原子セル100内のアルカリ金属の温度を制御する温度制御部274と、磁場発生部260からの磁場を制御する磁場制御部276と、を有している。
励起光制御部272は、光検出部230の検出結果に基づいて、光出射部210から出射される共鳴光L1,L2の周波数を制御する。具体的には、励起光制御部272は、光検出部230によって検出された(ω−ω)が上述したアルカリ金属固有の周波数ωとなるように、光出射部210から出射される共鳴光L1,L2の周波数を制御する。
さらに、励起光制御部272は、光出射部210から出射される共鳴光L1,L2の中心周波数を制御する。さらに、励起光制御部272は、図示しないが、電圧制御型水晶発振器(発振回路)を備えており、その電圧制御型水晶発振器の発振周波数を光検出部230の検知結果に基づいて同期・調整しながら原子発振器200の出力信号として出力する。
温度制御部274は、温度センサー250の検出結果に基づいて、ヒーター240への通電を制御する。これにより、原子セル100を所望の温度範囲内に維持することができる。
磁場制御部276は、磁場発生部260が発生する磁場が一定となるように、磁場発生部260への通電を制御する。
このような制御部270は、例えば、基板上に実装されたIC(Integrated
Circuit)チップに設けられている。
原子発振器200は、より高温の条件下でも、衝突によるアルカリ金属の電子スピン状態の緩和を軽減することができる原子セル100を含む。そのため、原子発振器200では、EIT信号の強度を大きくすることができ、かつ、EIT信号の線幅(EIT信号の半値幅)を小さくすることができる。これにより、原子発振器200は、優れた周波数安定性を有することができる。
4. 電子機器
次に、本実施形態に係る電子機器について、図面を参照しながら説明する。本発明に係る電子機器は、本発明に係る原子発振器を含む。以下では、本発明に係る電子発振器として原子発振器200を含む測位システムについて説明する。図13は、GPS(Global Positioning System)衛星を利用した測位システム300を説明するための図である。
測位システム300は、図13に示すように、GPS衛星310と、基地局装置320と、GPS受信装置330と、を含む。
GPS衛星310は、測位情報(GPS信号)を送信する。
基地局装置320は、例えば電子基準点(GPS連続観測局)に設置されたアンテナ322を介してGPS衛星310からの測位情報を高精度に受信する受信装置324と、受信装置324で受信した測位情報をアンテナ326を介して送信する送信装置328と、有している。受信装置324は、基準周波数発振源として原子発振器200を有している。受信装置324で受信された測位情報は、リアルタイムで送信装置328により送信される。
GPS受信装置330は、GPS衛星310からの測位情報をアンテナ332を介して受信する衛星受信部334と、基地局装置320からの測位情報をアンテナ336を介して受信する基地局受信部338と、を有している。
測位システム300では、優れた周波数安定性を有することができる原子発振器200を含む。そのため、測位システム300は、優れた信頼性を有することができる。
なお、本発明の原子発振器を含む電子機器は、測位システムに限定されず、例えば、携帯電話機、ディジタルスチルカメラ、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、パーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター、ラッ
プトップ型パーソナルコンピューター)、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、地上デジタル放送、携帯電話基地局等に適用することができる。
5. 移動体
次に、本実施形態に係る移動体について、図面を参照しながら説明する。本発明に係る移動体は、本発明に係る原子発振器を含む。以下では、本発明に係る原子発振器として原子発振器200を含む自動車について説明する。図14は、本実施形態に係る自動車400を説明するための図である。
自動車400は、図14に示すように、車体410と、4つの車輪420と、を有しており、車体410に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪420を回転させるように構成されている。自動車400には、原子発振器200が内蔵されている。
自動車400では、優れた周波数安定性を有することができる原子発振器200を含む。そのため、自動車400は、優れた信頼性を有することができる。
なお、本発明の原子発振器を含む移動体は、自動車に限定されず、例えば、ジェット機やヘリコプター等の航空機、船舶、ロケット、人工衛星等に適用することができる。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10…基材、10a…内壁、12…胴部、13…貫通孔、14,16…窓部、17…貫通孔、18…封止材、20…コーティング層、22…第1コーティング層、24…第2コーティング層、100…原子セル、200…原子発振器、210…光出射部、220…第1光学部品、222…第2光学部品、224…第3光学部品、226…第4光学部品、230…光検出部、240…ヒーター、250…温度センサー、260…磁場発生部、270…制御部、272…励起光制御部、274…温度制御部、276…磁場制御部、300…測位システム、310…GPS衛星、320…基地局装置、322…アンテナ、324…受信装置、326…アンテナ、328…送信装置、330…GPS受信装置、332…アンテナ、334…衛星受信部、336…アンテナ、338…基地局受信部、400…自動車、410…車体、420…車輪

Claims (9)

  1. 内部にアルカリ金属が充填される原子セルであって、
    極性基を有する化合物を含む材料により形成された内壁と、
    前記内壁をコーティングし、前記極性基と脱離反応する官能基と非極性基とを有する第1分子により形成された第1コーティング層と、
    前記第1コーティング層をコーティングし、非極性の第2分子により形成された第2コーティング層と、
    を含み、
    前記第2分子は、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはポリメチルペンテンである、原子セル。
  2. 請求項1において、
    前記第1分子は、アルキルシラン、アルコール、またはポリイミドである、原子セル。
  3. 請求項2において、
    前記アルキルシランは、オクタデシルトリメトキシシラン、またはオクタデシルトリクロロシランである、原子セル。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記第1分子は、オクタデシルトリメトキシシランであり、
    前記第2分子は、ポリプロピレンである、原子セル。
  5. 内部にアルカリ金属が充填される原子セルの製造方法であって、
    極性基を有する化合物を含む材料により形成された基材の内壁を、前記極性基と脱離反応する官能基と非極性基とを有する第1分子でコーティングすることによって第1コーティング層を形成する工程と、
    前記第1コーティング層を、非極性の第2分子でコーティングすることによって第2コーティング層を形成する工程と、
    を含み、
    前記第2分子は、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはポリメチルペンテンである、原子セルの製造方法。
  6. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の原子セルと、
    前記アルカリ金属を励起する励起光を出射する光出射部と、
    前記原子セルを透過した前記励起光を検出する光検出部と、
    を含む、量子干渉装置。
  7. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の原子セルと、
    前記アルカリ金属を励起する励起光を出射する光出射部と、
    前記原子セルを透過した前記励起光を検出する光検出部と、
    を含む、原子発振器。
  8. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の原子セルを含む、電子機器。
  9. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の原子セルを含む、移動体。
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