JP2023121985A - 原子セル、原子セルの製造方法および量子干渉装置 - Google Patents

原子セル、原子セルの製造方法および量子干渉装置 Download PDF

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Abstract

Figure 2023121985000001
【課題】アルカリ金属の電子スピン状態が緩和するのを抑制する効果が高い原子セルおよびその製造方法、ならびに前記原子セルを備える量子干渉装置を提供すること。
【解決手段】内部にアルカリ金属が充填される原子セルであって、基材と、前記基材の内壁に設けられ、第1分子に由来する第1コーティング層と、前記第1コーティング層に設けられ、前記第1分子と脱離反応する反応性基、および、非極性基を有する第2分子に由来する第2コーティング層と、前記第2コーティング層に設けられ、非極性の第3分子に由来する第3コーティング層と、を含み、前記第3コーティング層は、結晶化度が70%以上であることを特徴とする原子セル。
【選択図】図5

Description

本発明は、原子セル、原子セルの製造方法および量子干渉装置に関するものである。
原子発振器の動作原理は、光およびマイクロ波による二重共鳴現象を利用した方式と、波長の異なる2種類の光による量子干渉効果(CPT:Coherent Population Trapping)を利用した方式と、に大別されるが、いずれの原子発振器も、アルカリ金属を封入したガスセルを備える。ガスセルの内壁には、アルカリ金属の電子スピン状態が緩和するのを抑制するため、コーティング層が設けられている。
特許文献1には、内壁をコーティングする第1コーティング層と、第1コーティング層をコーティングする第2コーティング層と、第2コーティング層をコーティングする第3コーティング層と、を含む原子セルが開示されている。また、特許文献1には、第1コーティング層が、アルカリ金属と置換反応しない金属酸化物により形成されること、第2コーティング層が、金属酸化物と反応するアルキルシランにより形成されること、および、第3コーティング層が、第3分子であるポリプロピレン、ポリエチレンまたはポリメチルペンテンにより形成されること、が開示されている。
このような3層のコーティング層を含む原子セルによれば、アルカリ金属がコーティング層に入り込んだとしても、コーティング層の剥離を抑制することができる。これにより、アルカリ金属の電子スピン状態が緩和するのを抑制する効果が得られる。
特開2017-152676号公報
特許文献1に記載の原子セルは、第3分子に由来する構造の第3コーティング層を含んでいるが、この第3コーティング層は結晶性が高くない。このため、アルカリ金属の電子スピン状態が緩和するのを抑制する効果が十分ではないという課題がある。
本発明の適用例に係る原子セルは、
内部にアルカリ金属が充填される原子セルであって、
基材と、
前記基材の内壁に設けられ、第1分子に由来する第1コーティング層と、
前記第1コーティング層に設けられ、前記第1分子と脱離反応する反応性基、および、非極性基を有する第2分子に由来する第2コーティング層と、
前記第2コーティング層に設けられ、非極性の第3分子に由来する第3コーティング層と、
を含み、
前記第3コーティング層は、結晶化度が70%以上であることを特徴とする。
本発明の適用例に係る原子セルの製造方法は、
内部にアルカリ金属が充填される原子セルの製造方法であって、
基材の内壁に、第1分子を供給することにより、第1コーティング層を形成する工程と、
前記第1コーティング層に、前記第1コーティング層と脱離反応する反応性基、および、非極性基、を有する第2分子を供給することにより、第2コーティング層を形成する工程と、
前記第2コーティング層に、非極性の第3分子を供給することにより、第3コーティング層を形成する工程と、
を含み、
前記第3コーティング層は、結晶化度が70%以上であることを特徴とする。
本発明の適用例に係る量子干渉装置は、
本発明の適用例に係る原子セルと、
前記アルカリ金属を励起する励起光を出射する光出射部と、
前記原子セルを透過した前記励起光を検出する光検出部と、
を含むことを特徴とする。
実施形態に係る量子干渉装置である原子発振器を示す機能ブロック図である。 図1に示す原子発振器の原子セル内におけるアルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図である。 図1に示す原子発振器において、光出射部から出射される2つの光の周波数差と、光検出部で検出される検出強度と、の関係を示すグラフである。 図1に示す原子セルを模式的に示す断面図である。 図4に示す領域Aの拡大図である。 実施形態に係る原子セルを模式的に示す斜視図である。 図5のコーティング層を形成する前の基材の内壁を模式的に示す断面図である。 図7に示す内壁に形成された第1コーティング層および第2コーティング層を模式的に示す断面図である。 第2分子として長鎖アルキル基を含むシランカップリング剤を用い、第3分子としてパラフィンを用いた場合に、第3分子が第2分子に物理吸着している状態を示す模式図である。 図4に示す原子セルを製造する方法を説明するための工程図である。 図10に示す原子セルの製造方法を説明するための断面図である。 図10に示す原子セルの製造方法を説明するための断面図である。 原子発振器を備える、GPS(Global Positioning System)衛星を利用した測位システムを説明するための図である。 原子発振器を備える自動車を説明するための図である。
以下、本発明の原子セル、原子セルの製造方法および量子干渉装置の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
1.量子干渉装置
まず、実施形態に係る量子干渉装置である原子発振器200について説明する。なお、本発明に係る量子干渉装置は、原子発振器200の他、例えば、磁気センサー、量子メモリー、原子ジャイロスコープ等にも適用可能である。
図1は、実施形態に係る量子干渉装置である原子発振器200を示す機能ブロック図である。図2は、図1に示す原子発振器200の原子セル100内におけるアルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図である。図3は、図1に示す原子発振器200において、光出射部から出射される2つの光の周波数差と、光検出部で検出される検出強度と、の関係を示すグラフである。図4は、図1に示す原子セル100を模式的に示す断面図である。
1.1.原子発振器
原子発振器200は、量子干渉効果を利用した原子発振器である。量子干渉効果を利用した原子発振器200は、二重共鳴効果を利用した原子発振器に比べて、小型化を図ることができる。
原子発振器200は、図1に示すように、原子セル100と、光出射部210と、光学部品220、222、224、226と、光検出部230と、ヒーター240と、温度センサー250と、磁場発生部260と、制御部270と、を含む。
原子セル100内には、気体状態のアルカリ金属が封入されている。アルカリ金属としては、例えば、ルビジウム、セシウム、ナトリウム等が挙げられる。
アルカリ金属は、図2に示すように、3準位系のエネルギー準位を有しており、エネルギー準位の異なる2つの基底状態(基底状態1、2)と、励起状態と、の3つの状態をとり得る。ここで、基底状態1は、基底状態2よりも低いエネルギー状態である。
このような気体状態のアルカリ金属に対して周波数の異なる2種の共鳴光L1、L2を気体状態のアルカリ金属に照射すると、共鳴光L1の周波数ωと共鳴光L2の周波数ωとの差(ω-ω)に応じて、共鳴光L1、L2のアルカリ金属における光吸収率(光透過率)が変化する。そして、共鳴光L1の周波数ωと共鳴光L2の周波数ωとの差(ω-ω)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数に一致したとき、基底状態1、2から励起状態への励起がそれぞれ停止する。このとき、共鳴光L1、L2は、いずれも、アルカリ金属に吸収されずに透過する。このような現象をCPT現象または電磁誘起透明化現象(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)と呼ぶ。
ここで、例えば、共鳴光L1の周波数ωを固定し、共鳴光L2の周波数ωを変化させていくと、共鳴光L1の周波数ωと共鳴光L2の周波数ωとの差(ω-ω)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数ωに一致したとき、光検出部230の検出強度は、図3に示すように、急峻に上昇する。このような急峻な信号をEIT信号と呼ぶ。EIT信号は、アルカリ金属の種類によって決まった固有値をもっている。したがって、EIT信号を基準として用いることにより、高精度な原子発振器200を実現することができる。以下、原子発振器200の各部を順次説明する。
1.1.1.光出射部
光出射部210は、原子セル100内のアルカリ金属を励起する励起光Lを出射する。具体的には、光出射部210は、励起光Lとして、上述したような周波数の異なる2種の光(共鳴光L1および共鳴光L2)を出射する。
共鳴光L1は、原子セル100内のアルカリ金属を上述した基底状態1から励起状態へ励起する。一方、共鳴光L2は、原子セル100内のアルカリ金属を上述した基底状態2から励起状態へ励起する。
光出射部210としては、上述したような励起光を出射し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)等の半導体レーザー等を用いる。
光出射部210は、後述する制御部270の励起光制御部272に接続され、光検出部230の検出結果に基づいて駆動制御される。光出射部210は、図示しない温度調節素子、例えば発熱抵抗体、ペルチェ素子等により、所定温度に温度調節される。
1.1.2.光学部品
光学部品220、222、224、226は、光出射部210と原子セル100との間における励起光Lの光路上に設けられている。図1に示す例では、光出射部210から原子セル100に向かって、第1光学部品220、第2光学部品222、第3光学部品224および第4光学部品226がこの順に配置されている。
第1光学部品220は、コリメートレンズである。第1光学部品220は、励起光Lを無駄なく原子セル100へ照射させることができる。第1光学部品220は、励起光Lを平行光とする機能を有する。そのため、励起光Lが原子セル100の内壁で反射するのを簡単に防止することができる。これにより、原子セル100内での励起光の共鳴を好適に生じさせ、その結果、原子発振器200の発振特性を高めることができる。
第2光学部品222は、偏光板である。第2光学部品222は、光出射部210からの励起光Lの偏光を所定方向に調整することができる。
第3光学部品224は、減光フィルター(NDフィルター)である。第3光学部品224は、原子セル100に入射する励起光Lの強度を調整(減少)させることができる。そのため、光出射部210の出力が大きい場合でも、原子セル100に入射する励起光を所望の光量とすることができる。
第4光学部品226は、λ/4波長板である。第4光学部品226は、光出射部210からの励起光Lを直線偏光から円偏光(右円偏光または左円偏光)に変換することができる。
1.1.3.光検出部
光検出部230は、原子セル100を透過した励起光L(共鳴光L1,L2)の強度を検出する。光検出部230としては、励起光Lを検出し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、太陽電池、フォトダイオード等の光検出器(受光素子)を用いる。光検出部230は、後述する制御部270の励起光制御部272に接続されている。
1.1.4.ヒーター
ヒーター240は、原子セル100を加熱する。これにより、原子セル100内のアルカリ金属を適切な濃度の気体状態に維持することができる。ヒーター240は、通電により発熱するものであり、例えば、原子セル100の外表面上に設けられた図示しない2つの発熱抵抗体で構成されている。ヒーター240は、後述する制御部270の温度制御部274に電気的に接続される。
図4に示す原子セル100は、後述するように、励起光Lが透過する窓部14、16を有する。一方の発熱抵抗体は、入射側窓部である窓部14に設けられ、他方の発熱抵抗体は、出射側窓部である窓部16に設けられている。このような発熱抵抗体は、励起光Lに対する透過性を有する材料、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、In、SnO、Sb含有SnO、Al含有ZnO等の酸化物等の透明電極材料で構成される。
発熱抵抗体は、例えば、プラズマCVD、熱CVDのようなCVD法、真空蒸着等の乾式メッキ法、ゾルゲル法等を用いて形成することができる。
なお、ヒーター240は、原子セル100を加熱することができるものであれば、上述した形態に限定されず、各種ヒーターを用いることができる。また、ヒーター240は、原子セル100に対して非接触であってもよい。また、ヒーター240に代えて、または、ヒーター240と併用して、ペルチェ素子を用いて、原子セル100を加熱してもよい。
1.1.5.温度センサー
温度センサー250は、ヒーター240または原子セル100の温度を検出する。そして、この温度センサー250の検出結果に基づいて、ヒーター240の発熱量が制御される。これにより、原子セル100内のアルカリ金属を所望の温度に維持することができる。なお、温度センサー250の設置位置は、特に限定されず、例えば、ヒーター240上であってもよいし、原子セル100の外表面上であってもよい。
温度センサー250としては、特に限定されず、サーミスター、熱電対等の公知の各種温度センサーを用いることができる。温度センサー250は、図示しない配線を介して、後述する制御部270の温度制御部274に電気的に接続されている。
1.1.6.磁場発生部
磁場発生部260は、原子セル100内のアルカリ金属の縮退した複数のエネルギー準位をゼーマン分裂させる磁場を発生させる。これにより、アルカリ金属の縮退している異なるエネルギー準位間のギャップを拡げて、分解能を向上させることができる。その結果、原子発振器200の発振周波数の精度を高めることができる。
磁場発生部260は、例えば、原子セル100を挟むように配置されたヘルムホルツコイル、または、原子セル100を覆うように配置されたソレノイドコイルで構成されている。これにより、原子セル100内に一方向の均一な磁場を生じさせることができる。なお、磁場発生部260が発生する磁場は、定磁場(直流磁場)であるが、交流磁場が重畳されていてもよい。磁場発生部260は、後述する制御部270の磁場制御部276に電気的に接続され、通電制御される。
1.1.7.制御部
制御部270は、光出射部210、ヒーター240、および磁場発生部260の動作を制御する。制御部270は、光出射部210の共鳴光L1、L2の周波数を制御する励起光制御部272と、原子セル100内のアルカリ金属の温度を制御する温度制御部274と、磁場発生部260からの磁場を制御する磁場制御部276と、を有する。
励起光制御部272は、光検出部230の検出結果に基づいて、光出射部210から出射される共鳴光L1、L2の周波数を制御する。具体的には、励起光制御部272は、光検出部230によって検出された周波数ωと周波数ωとの差(ω-ω)が、上述したアルカリ金属固有の周波数ωとなるように、光出射部210から出射される共鳴光L1、L2の周波数を制御する。また、励起光制御部272は、光出射部210から出射される共鳴光L1、L2の中心周波数を制御する。さらに、励起光制御部272は、図示しないが、電圧制御型水晶発振器(発振回路)を備えており、その電圧制御型水晶発振器の発振周波数を光検出部230の検知結果に基づいて同期・調整しながら原子発振器200の出力信号として出力する。
温度制御部274は、温度センサー250の検出結果に基づいて、ヒーター240への通電を制御する。これにより、原子セル100の温度を所望の範囲内に維持することができる。
磁場制御部276は、磁場発生部260で発生する磁場が一定となるように、磁場発生部260への通電を制御する。
このような制御部270は、例えば、基板上に実装されたIC(Integrated Circuit)チップに設けられている。
2.原子セル
次に、実施形態に係る原子セル100について説明する。
図4は、実施形態に係る原子セル100を模式的に示す断面図である。図5は、図4に示す領域Aの拡大図である。図6は、実施形態に係る原子セル100を模式的に示す斜視図である。なお、本願の各図では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を設定している。各軸は、矢印で表され、先端側を「プラス側」、基端側を「マイナス側」とする。また、X軸のプラス側およびマイナス側の両方向を「X軸方向」という。Y軸方向およびZ軸方向もそれぞれ同様である。
図4に示す原子セル100は、基材10と、コーティング層20と、を含む。コーティング層20は、図5に示すように、第1コーティング層22と、第2コーティング層24と、第3コーティング層26と、を有する。
2.1.基材
基材10は、胴部12と、胴部12を挟んで設けられた一対の窓部14、16と、を有する。胴部12は、図4に示すように、Z軸方向に延在する軸を持つ円柱状の貫通孔13を有する。貫通孔13は、原子セル100の内部空間Sの内壁の一部を構成している。なお、貫通孔13の断面形状は、円形に限定されず、例えば、四角形や五角形等の多角形、楕円等であってもよい。胴部12の構成材料としては、例えば、ガラス、水晶、金属、樹脂、シリコン等が挙げられる。
窓部14、16は、貫通孔13を塞ぐように、胴部12を挟んで設けられている。窓部14、16は、X-Y面に沿って広がる板状をなしている。窓部14、16は、内部空間Sの内壁の他部を構成している。つまり、胴部12が有する貫通孔13、および窓部14、16により、内部空間Sの内壁が構成されている。内部空間Sには、気体状態のアルカリ金属が充填されている。なお、内部空間Sに充填されているアルカリ金属は、一部が気体で存在し、残部が余剰分として液体または固体で存在していてもよい。また、内部空間Sには、必要に応じて、アルゴンやネオン等の希ガス、窒素等の不活性ガスが緩衝ガスとして、アルカリ金属とともに封入されていてもよい。
窓部14、16は、内部空間Sと連通する貫通孔17を有する。貫通孔17は、封止材18によって封止されている。これにより、内部空間Sを気密に封止することができる。封止材18の構成材料としては、例えば、銀ロウ、Au/Sn合金のような金属材料、バナジウム系ガラスのような低融点ガラス等が挙げられる。なお、貫通孔17は、窓部14、16のいずれか一方にのみ設けられていてもよい。
窓部14、16の構成材料は、原子発振器200の光出射部210から出射された励起光Lを透過する材料である。励起光Lは、気体状のアルカリ金属を励起する。また、窓部14、16の構成材料は、極性基を有する化合物を含む。具体的には、窓部14、16の構成材料としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス等が挙げられる。極性基としては、例えば水酸基が挙げられる。
2.2.コーティング層
図7は、図5のコーティング層20を形成する前の基材10の内壁10aを模式的に示す断面図である。図8は、図7に示す内壁10aに形成された第1コーティング層22および第2コーティング層24を模式的に示す断面図である。
前述した極性基を有する化合物を含む材料で構成された内壁10aは、図7に示すように、例えば水酸基を有する。前述した窓部14、16の構成材料は、ケイ素と酸素とを含むため、このような水酸基を内壁10aに存在させやすく、コーティング層20の形成において有用である。
コーティング層20の膜厚は、特に限定されないが、10nm以上3000nm以下であるのが好ましく、50nm以上1000nm以下であるのがより好ましい。コーティング層20の膜厚が前記下限値を下回ると、コーティング層20の組成等によっては、アルカリ金属の電子スピン状態の緩和を十分に抑制することができないおそれがある。一方、コーティング層20の膜厚が前記上限値を上回ると、コーティング層20の組成等によっては、コーティング層20の長期安定性が低下するおそれがある。
なお、コーティング層20の膜厚は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型トンネル顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AFM)等の顕微鏡による観察結果に基づいて測定することができる。
2.2.1.第1コーティング層
第1コーティング層22は、基材10の内壁10aの表面に設けられている。第1コーティング層22は、内壁10aのうち、少なくとも窓部14、16の内壁に設けられていればよいが、図4に示すように、窓部14、16の内壁および胴部12の内壁に設けられていることが好ましい。また、図示はしないが、第1コーティング層22は、封止材18の内壁に設けられていてもよい。第1コーティング層22の厚さは、例えば、1nm以上1000nm以下であるのが好ましく、10nm以上100nm以下であるのがより好ましい。
第1コーティング層22は、金属酸化物である第1分子により形成される。つまり、第1コーティング層22は、第1分子に由来する化合物で構成されている。金属酸化物としては、任意の金属の酸化物が挙げられるが、特に、タンタル酸化物(TaO)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、ハフニウム酸化物(HfO)またはチタニウム酸化物(TiO)が好ましく用いられる。図8に示すように、第1分子の酸素は、内壁10aに存在する水酸基を置換し、第1分子の金属原子と、内壁10aに存在するケイ素と、を結合する。なお、図8では、金属原子の例としてタンタル原子を図示している。
上述した金属酸化物は、アルカリ金属とほとんど化学反応しない金属酸化物である。すなわち、第1分子の金属原子と、内壁10aの構成材料のケイ素と、を結合する第1分子の酸素は、アルカリ金属によって置換されない。これにより、コーティング層20が内壁10aから剥離する可能性を小さくすることができる。
2.2.2.第2コーティング層
第2コーティング層24は、第1コーティング層22の表面に設けられている(第1コーティング層22に積層されている)。第2コーティング層24の厚さは、例えば、1nm以上1000nm以下であるのが好ましく、5nm以上500nm以下であるのがより好ましく、10nm以上300nm以下であるのがさらに好ましい。
第2コーティング層24は、第1コーティング層22と脱離反応する反応性基と、および、非極性基、を有する第2分子により形成される。具体的には、第2コーティング層24は、第2分子の反応性基を、第1コーティング層22と化学反応させることにより形成される。つまり、第2コーティング層24は、第2分子に由来する化合物で構成されている。
第2コーティング層24を形成する第2分子としては、例えば、カップリング剤、金属アルコキシド、アルコール、ポリイミド等が挙げられる。
第2分子としては、各種カップリング剤が好ましく用いられ、シランカップリング剤がより好ましく用いられる。カップリング剤は、一般に、反応性基と官能基とを有し、被処理物に官能基を導入する目的で用いられる。第2分子として用いられるカップリング剤は、官能基として非極性基を有する。カップリング剤を用いることにより、第2コーティング層24に様々な非極性基を高密度に導入することができる。これにより、第2コーティング層24と第3コーティング層26との間で化学的な結合または物理的な吸着を生じさせることができ、第2コーティング層24と第3コーティング層26との間の剥離を特に抑制することができる。その結果、原子セル100の耐熱性を高めることができ、例えば直射日光が当たるような高温環境下でも、高価な放熱機構を用いることなく安定して動作する原子発振器200を実現することができる。
また、カップリング剤では、反応性基および非極性基が、分子鎖の互いに反対の端部に位置している。このため、反応性基を第1コーティング層22に結合させたとき、非極性基は、第1コーティング層22とは反対側に配向する確率が高くなる。これにより、第2コーティング層24の表面に第3分子を供給したとき、第3分子の配向性および密着性を容易に高めることができる。その結果、最終的に結晶化度および密着力が高い第3コーティング層26が得られる。
第2分子が例えばシランカップリング剤である場合、第2分子は、下記一般式(I)で表される。他のカップリング剤も、下記シランカップリング剤と同様である。
上記一般式(I)において、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルコキシ基もしくはハロゲン原子、またはアルキル基である。R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、反応性基であるアルコキシ基またはハロゲン原子である。R、RおよびRは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。nは、例えば1以上20以下の整数であり、好ましくは4以上18以下であり、より好ましくは6以上12以下である。なお、-(CH-結合を、本明細書ではスペーサーという。また、Xは、非極性基である。
反応性基が例えばアルコキシ基である場合、脱水反応や脱アルコール反応等の脱離反応により、アルコキシ基は第1分子に由来の酸素に置換される。その結果、第1分子に由来の酸素は、図8に示すように、例えば、第1分子に由来の金属原子、および、第2分子のケイ素原子、と結合する。また、反応性基が例えばハロゲン原子である場合、ハロゲン原子が第1分子に由来の酸素に置換される。
1分子中に存在する反応性基の数は、2または3であるのが好ましく、3であるのがより好ましい。反応性基の数が多いほど、第2分子が第1コーティング層22に結合するときの密着力が高くなる。これにより、第2コーティング層24がより剥離しにくくなる。
非極性基Xとしては、例えば、直鎖アルキル基、シクロアルキル基、ビニル基、アルケニル基、フェニル基等が挙げられる。このうち、カップリング剤が有する非極性基は、直鎖アルキル基、ビニル基またはフェニル基が好ましい。これらは、非極性の第3分子に由来する第3コーティング層26との間で特に強い分子間引力を生じさせる。これにより、第2コーティング層24と第3コーティング層26との密着力を特に高めることができる。
非極性基Xが長鎖アルキル基である場合、非極性基Xとスペーサーを長鎖アルキル基とみなすことができる。この場合、長鎖アルキル基の炭素数は、6以上24以下であるのが好ましく、10以上20以下であるのがより好ましい。これにより、第2コーティング層24の非極性化が特に顕著になり、第2コーティング層24は、第3分子に高い配向性を付与することができるので、第3コーティング層26の結晶性を特に高めることができる。その結果、原子セル100に充填されるアルカリ金属の電子スピン状態が緩和されるのを効果的に抑制することができる。図8に示す第2コーティング層24は、非極性基Xが長鎖アルキル基である例を図示したものである。
このような長鎖アルキル基を含むシランカップリング剤としては、例えば、オクタデシルトリメトキシシラン(ODS:octadecyltrimethoxysilane、CH(CH17Si(OCH)、またはオクタデシルトリクロロシラン(OTS:octadecyltrichlorosilane、CH(CH17SiCl)等が挙げられる。
非極性基Xが長鎖アルキル基である場合、第3コーティング層26を形成する第3分子は、第2コーティング層24を形成する第2分子に物理吸着する。図9は、第2分子として長鎖アルキル基を含むシランカップリング剤を用い、第3分子として例えばパラフィンを用いた場合に、第3分子が第2分子に物理吸着している状態を示す模式図である。パラフィンは、非極性分子であるものの、分子量が大きいため、第2分子の長鎖アルキル基との間に強い分子間引力を生じる。これにより、図9に示すように、第3分子であるパラフィンが、第2分子の長鎖アルキル基に物理吸着する。
非極性基Xがビニル基である場合も、第2コーティング層24の非極性化が特に顕著になる。これにより、第2コーティング層24は、第3分子に高い配向性を付与することができ、第3コーティング層26の結晶性を特に高めることができる。そして、第3コーティング層26を形成する第3分子は、第2コーティング層24を形成する第2分子に物理吸着する。
また、非極性基Xがビニル基である場合、例えばビニル基のグラフト反応により、第3コーティング層26を形成する第3分子の少なくとも一部では、第2コーティング層24を形成する第2分子に化学結合することもできる。第2分子と第3分子との間が化学的に結合していることで、第2コーティング層24と第3コーティング層26との密着力をさらに高めることができる。
なお、非極性基Xがビニル基である場合、スペーサーの炭素数は、2以上14以下であるのが好ましく、6以上12以下であるのがより好ましい。これにより、ビニル基の自由度が向上するため、ビニル基の反応性が特に高くなり、第3コーティング層26の結晶化度および密着力を特に高めることができる。
非極性基Xがフェニル基である場合も、第2コーティング層24の非極性化が特に顕著になる。これにより、第2コーティング層24は、第3分子に高い配向性を付与することができ、第3コーティング層26の結晶性を特に高めることができる。そして、第3コーティング層26を形成する第3分子は、第2コーティング層24を形成する第2分子に物理吸着する。
また、非極性基Xがフェニル基である場合、例えばCH/π相互作用やπ/π相互作用により、第3コーティング層26を形成する第3分子の少なくとも一部では、第2コーティング層24を形成する第2分子に化学結合することもできる。これにより、第2コーティング層24と第3コーティング層26との密着力をさらに高めることができる。
なお、非極性基Xがフェニル基である場合、スペーサーの炭素数は、2以上14以下であるのが好ましく、6以上12以下であるのがより好ましい。これにより、フェニル基の自由度が向上するため、フェニル基の反応性が特に高くなり、第3コーティング層26の結晶化度および密着力を特に高めることができる。
第2コーティング層24を形成する第2分子が金属アルコキシドの場合、第2分子としては、例えば、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤等が挙げられる。
第2コーティング層24を形成する第2分子がアルコールの場合、第2分子としては、例えば、デシルアルコール、オクタデシルアルコールのような直鎖アルコール等が挙げられる。
2.2.3.第3コーティング層
第3コーティング層26は、第2コーティング層24の表面に設けられている(第2コーティング層24に積層されている)。第3コーティング層26は、非極性の第3分子により形成される。つまり、第3コーティング層26は、第3分子に由来する化合物で構成されている。第3コーティング層26の厚さは、例えば、1nm以上1000nm以下であるのが好ましく、5nm以上500nm以下であるのがより好ましく、10nm以上300nm以下であるのがさらに好ましい。
第3コーティング層26は、第2コーティング層24の作用により、結晶化度が70%以上になっている。このような結晶化度を有する第3コーティング層26によれば、アルカリ金属原子を特に吸着しにくいコーティング層20を得ることができる。その結果、原子セル100に充填されているアルカリ金属の電子スピン状態が緩和するのを抑制する効果を十分に高めることができる。
また、第3コーティング層26の結晶化度は、70%以上であればよいが、好ましくは75%以上とされ、より好ましくは80%以上とされる。
第3コーティング層26の結晶化度は、X線回折法で取得した第3コーティング層26のX線回折スペクトルから求めることができる。具体的には、まず、コーティング層20について、X線回折法によりX線回折スペクトルを取得する。X線回折スペクトルには、第3コーティング層26に含まれる結晶成分に由来する回折ピークと、非晶質成分に由来するハローパターンと、が混在している。そこで、標準試料のデータやデータベースに基づき、回折ピークやハローパターンにプロファイルフィッティングを行う。これにより、回折ピークやハローパターンを分離することができ、結晶成分に由来する回折ピークの面積と、非晶質成分に由来するハローパターンの面積を、それぞれ求めることができる。そして、下記計算式により、結晶化度[%]を求める。
なお、X線回折法においてX線の入射角度によっては、X線回折スペクトルが第2コーティング層24や第1コーティング層22の影響を受けてしまう場合がある。このような場合は、コーティング層20の表面に対するX線の入射角度を小さくすることで、これらの影響を低減することができる。
第3コーティング層26を形成する第3分子としては、例えば、ポリプロピレン(PP:polypropylene)、ポリエチレン(PE:polyethylene)、ポリメチルペンテン(PMP:polymethylpentene)、パラフィン、ジアセチレン、ジエン等が挙げられる。これらは非極性の分子であるため、非極性基が外側に向かって配向している第2コーティング層24に対して配列しやすくなる。その結果、結晶化度の高い第3コーティング層26が得られる。また、第3分子が配列する方向は、内壁10aに対して交差する方向である。つまり、第3分子は、その長軸が内壁10aの表面と交差する方向に配列している。交差する方向に配列とは、第3分子の長軸の延在方向と、内壁10aの表面と、のなす角度が45°以上90°以下である状態を指す。また、この角度は、好ましくは60°以上90°以下とされる。
第3分子は、特に、パラフィンまたはジアセチレンであるのが好ましい。これらは、第2コーティング層24の作用により、第3分子としてPP、PE、PMP等を用いた場合に比べて、特に結晶性が高い第3コーティング層26の形成を可能にする。このため、これらの第3分子を用いることで、アルカリ金属原子を特に吸着しにくい第3コーティング層26を形成することができる。
本明細書では、炭素数が20以上のアルカンをパラフィンとする。パラフィンは、下記一般式(II)で表される。
2n+2 (II)
上記一般式(II)中、nは、20以上とされるが、25以上100以下であるのがより好ましい。
上記一般式(II)で表されるように、パラフィンは、非極性でかつ不活性な長鎖飽和炭化水素であるから、第2コーティング層24の非極性基に対して特に緻密に整列しやすい。したがって、第3分子としてパラフィンを用いることにより、アルカリ金属原子を特に吸着しにくい第3コーティング層26が得られる。このため、第3分子としてパラフィンを用いることにより、アルカリ金属の電子スピン状態が緩和するのを抑制する効果がより顕著になる。
また、第3コーティング層26がパラフィンに由来する場合、第3コーティング層26のX線回折スペクトルから、パラフィン(110)面のロッキングカーブを取得することができる。このロッキングカーブの半値幅は、10°以下であるのが好ましく、5°以下であるのがより好ましい。このとき、第3コーティング層26におけるパラフィンの配向の度合いが高いといえる。このため、上記を満たす第3コーティング層26は、アルカリ金属原子を特に吸着しにくいコーティング層20の実現に寄与する。
ジアセチレンは、下記一般式(III)で表される。
上記一般式(III)中、R4およびRは、それぞれアルキル基であるのが好ましい。R4およびRは、互いに同じアルキル基であっても、互いに異なるアルキル基であってもよい。アルキル基は、分枝状であってもよいが、コーティング層20の表面自由エネルギーをより小さくする観点から好ましくは直鎖状とされる。アルキル基の炭素数は、好ましくは6以上24以下とされ、より好ましくは8以上20以下とされ、さらに好ましくは10以上18以下とされる。炭素数をこの範囲内に設定することにより、第3コーティング層26の結晶化度を高めやすくなる。
ジアセチレンが含む三重結合は、加熱等のエネルギー付与により開裂して固相重合を生じる。これにより、ポリジアセチレン化合物が得られる。ポリジアセチレン化合物は、隣り合うジアセチレンモノマー同士が重合し、架橋してなる重合体である。ポリジアセチレン化合物において、ジアセチレンの置換基に由来する部位は、架橋部から延びる側鎖となる。この側鎖は、第2コーティング層24の非極性基に対して特に緻密に整列しやすい。これにより、架橋部に起因する優れた膜強度を有し、かつ、表面自由エネルギーが特に小さい第3コーティング層26が得られる。その結果、剥離しにくく、かつ、アルカリ金属の電子スピン状態が緩和するのを抑制する効果が特に顕著なコーティング層20を実現することができる。
また、ジアセチレンに由来する第3コーティング層26は、耐熱性にも優れる。つまり、固相重合によって膜化することで、高温下でも第2コーティング層24から剥離しにくい第3コーティング層26が得られる。これにより、高温下での耐性に優れる原子セル100および原子発振器200を実現することができる。
2.3.本実施形態が奏する効果
以上のように、本実施形態に係る原子セル100は、内部にアルカリ金属が充填され、基材10と、第1コーティング層22と、第2コーティング層24と、第3コーティング層26と、を含む。第1コーティング層22は、基材10の内壁10aに設けられ、第1分子に由来する。第2コーティング層24は、第1コーティング層22に設けられ、第1分子と脱離反応する反応性基、および、非極性基を有する第2分子に由来する。第3コーティング層26は、第2コーティング層24に設けられ、非極性の第3分子に由来する。そして、第3コーティング層26は、結晶化度が70%以上である。
このような構成によれば、第3コーティング層26の結晶化度が高いため、第3コーティング層26にはアルカリ金属原子が特に吸着しにくい。このため、内部に充填されているアルカリ金属の電子スピン状態が緩和するのを抑制する効果が十分に高い原子セル100を得ることができる。そして、このような原子セル100を用いることにより、例えば原子発振器200では、EIT信号の強度を大きくすることができ、かつ、EIT信号の線幅(EIT信号の半値幅)を小さくすることができる。その結果、優れた周波数安定性を有する原子発振器200が得られる。
また、前述したように、第3分子は、パラフィンまたはジアセチレンであるのが好ましい。パラフィンは、非極性でかつ不活性な長鎖飽和炭化水素であり、第2コーティング層24の非極性基に対して特に緻密に整列しやすい。このため、第3分子がパラフィンであれば、アルカリ金属原子を特に吸着しにくい第3コーティング層26が得られる。ジアセチレンは、固相重合により優れた膜強度の第3コーティング層26を形成し、かつ、第2コーティング層24の非極性基に対して特に緻密に整列しやすい。このため、第3分子がジアセチレンであれば、アルカリ金属原子が特に吸着しにくく、かつ、剥離しにくい第3コーティング層26が得られる。
また、前述したように、第1分子は、タンタル酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物またはチタン酸化物であるのが好ましい。これらの金属酸化物は、アルカリ金属とほとんど化学反応しないので、コーティング層20が内壁10aから剥離する可能性を小さくすることができる。
また、前述したように、第2分子は、カップリング剤であるのが好ましい。第2分子としてカップリング剤を用いることにより、第2コーティング層24に様々な非極性基を高密度に導入することができる。これにより、第2コーティング層24と第3コーティング層26との間の剥離を特に抑制することができる。また、カップリング剤の自己組織化を利用して、非極性基を第1コーティング層22とは反対側に配向させることができるので、第3分子を容易に整列させることができる。これにより、結晶化度が特に高い第3コーティング層26が得られる。
また、第2分子が有する非極性基は、直鎖アルキル基であるのが好ましい。これにより、第2コーティング層24の非極性化が特に顕著になる。その結果、第2コーティング層24は、第3分子に高い配向性を付与することができ、第3コーティング層26の結晶性を特に高めることができる。
また、第2分子が有する非極性基は、ビニル基であるのが好ましい。これにより、第2コーティング層24の非極性化が特に顕著になる。その結果、第2コーティング層24は、第3分子に高い配向性を付与することができ、第3コーティング層26の結晶性を特に高めることができる。また、ビニル基のグラフト反応により、第3コーティング層26を形成する第3分子は、第2コーティング層24を形成する第2分子に結合することができる。
また、第2分子が有する非極性基は、フェニル基であるのが好ましい。これにより、第2コーティング層24の非極性化が特に顕著になる。その結果、第2コーティング層24は、第3分子に高い配向性を付与することができ、第3コーティング層26の結晶性を特に高めることができる。また、フェニル基のCH/π相互作用やπ/π相互作用により、第3コーティング層26を形成する第3分子は、第2コーティング層24を形成する第2分子に結合することができる。
3.原子セルの製造方法
次に、原子セル100の製造方法について説明する。
図10は、図4に示す原子セル100を製造する方法を説明するための工程図である。図11および図12は、それぞれ図10に示す原子セル100の製造方法を説明するための断面図である。
図10に示す原子セル100の製造方法は、第1コーティング層形成工程S102と、第2コーティング層形成工程S104と、第3コーティング層形成工程S106と、アルカリ金属充填工程S108と、貫通孔封止工程S110と、を含む。以下、各工程について説明する。
3.1.第1コーティング層形成工程
第1コーティング層形成工程S102では、図11に示す基材10の内壁10aに第1分子を供給する。これにより、図12に示す第1コーティング層22を形成する。第1分子の供給方法としては、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)法、スパッター法、イオンプレーティング法、ゾルゲル法等が挙げられる。このうち、CVD法で第1コーティング層22を形成する場合は、気体状態の第1分子を、貫通孔17を通して内壁10aの表面に堆積させる。
3.2.第2コーティング層形成工程
第2コーティング層形成工程S104では、第1コーティング層22に第2分子を供給する。第2分子は、第1分子と脱離反応する反応性基、および、非極性基、を有する。これにより、図12に示す第2コーティング層24を形成する。第2分子の供給方法としては、例えば、塗布法、CVD法等が挙げられる。このうち、塗布法で第2コーティング層24を形成する場合は、第2分子を所定の分散媒に分散させ、得られた分散液を、貫通孔17を通して第1コーティング層22の表面に塗布した後、乾燥させる。また、CVD法で第2コーティング層24を形成する場合は、気体状態の第2分子を、貫通孔17を通して第1コーティング層22の表面に堆積させる。
3.3.第3コーティング層形成工程
第3コーティング層形成工程S106では、第2コーティング層24に第3分子を供給する。これにより、図12に示す第3コーティング層26を形成する。第3分子の供給方法としては、例えば、塗布法、真空蒸着法等が挙げられる。このうち、塗布法で第3コーティング層26を形成する場合は、第3分子を所定の分散媒に分散させ、得られた分散液を、貫通孔17を通して第2コーティング層24の表面に塗布した後、乾燥させる。また、真空蒸着法で第3コーティング層26を形成する場合は、気体状態の第3分子を、貫通孔17を通して第2コーティング層24の表面に堆積させる。以上のようにして、図12に示すコーティング層20が得られる。
なお、必要に応じて、供給された第3分子を、第3分子の融点以上の温度で加熱する。これにより、供給された第3分子が移動して配向し、自己組織化する。これにより、得られる第3コーティング層26の結晶化度をより高めることができる。例えば第3分子がパラフィンである場合、パラフィンの融点が80~100℃程度である。したがって、100℃超の温度で、好ましくは融点より10℃以上高い温度で、第3分子を加熱するのが好ましい。なお、上限値は、加熱時間等の別の条件によっても異なるが、第3分子が熱によって変性しない温度、例えば200℃程度に設定すればよい。
また、加熱時間は、加熱温度に応じて適宜設定され、また、配向の状況を確認しつつ設定されればよいが、一例として、30秒以上60分以下程度とされる。また、加熱雰囲気は、大気雰囲気であってもよいが、第3分子の酸化等を考慮して、不活性ガス雰囲気であるが好ましい。
一方、第3分子がジアセチレンである場合、第2コーティング層24に第3分子を供給した後、第3分子を100℃以上120℃以下の温度で加熱する加熱処理を行うことが好ましい。このような加熱処理により、第3分子を固相重合させることができ、結晶性が高い状態で容易にポリマー化を図ることができる。得られたポリジアセチレンは、結晶化度が特に高いものとなるため、特に高品質な第3コーティング層26が得られる。
なお、加熱温度が前記下限値を下回ると、第3分子の固相重合が十分に進行せず、第3コーティング層26の結晶化度を十分に高められないおそれがある。一方、加熱温度が前記上限値を上回ると、結晶化した第3分子が変性し、結晶化度が低下するおそれがある。
また、加熱処理の時間は、特に限定されないが、1分以上180分以下であるのが好ましく、5分以上120分以下であるのがより好ましい。
さらに、加熱処理の雰囲気は、特に限定されないが、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気のような不活性ガス雰囲気であるのが好ましい。これにより、第3コーティング層26の結晶化度をより高めることができる。
3.4.アルカリ金属充填工程
アルカリ金属充填工程S108では、気体状態のアルカリ金属を、貫通孔17を通して内部空間Sに充填する。アルカリ金属の充填は、コーティング層20が融解しない条件下で行われる。
3.5.貫通孔封止工程
貫通孔封止工程S110では、貫通孔17を封止材18で封止する。具体的には、ボール状の封止材用部材を貫通孔17に詰めた後、レーザー等で溶融させる。これにより貫通孔17を封止する封止材18を形成することができる。その結果、アルカリ金属が充填された内部空間Sを気密に封止することができる。
以上のようにして原子セル100を製造することができる。
3.6.本実施形態が奏する効果
以上のように、本実施形態に係る原子セル100の製造方法は、内部にアルカリ金属が充填される原子セルの製造方法であって、第1コーティング層形成工程S102と、第2コーティング層形成工程S104と、第3コーティング層形成工程S106と、を含む。第1コーティング層形成工程S102では、基材10の内壁10aに、第1分子を供給することにより、第1コーティング層22を形成する。第2コーティング層形成工程S104では、第1コーティング層22に、第1コーティング層22と脱離反応する反応性基、および、非極性基、を有する第2分子を供給することにより、第2コーティング層24を形成する。第3コーティング層形成工程S106では、第2コーティング層24に、非極性の第3分子を供給することにより、第3コーティング層26を形成する。第3コーティング層26は、結晶化度が70%以上である。
このような構成によれば、第3コーティング層26の結晶化度が高いため、第3コーティング層26にはアルカリ金属原子が特に吸着しにくい。このため、内部に充填されているアルカリ金属の電子スピン状態が緩和するのを抑制する効果が十分に高い原子セル100を製造することができる。
また、第2コーティング層24は、水の接触角が70°以上120°以下であるのが好ましく、80°以上120°以下であるのがより好ましい。第2コーティング層24の水の接触角が前記範囲内であることは、第2分子の非極性基がより緻密に、かつ、より高度に整列した状態で配向していることを裏付けている。したがって、第2コーティング層24の水の接触角が前記範囲内であれば、第3コーティング層26の結晶化度を特に高めることができる。
なお、水の接触角が前記下限値を下回ると、第3コーティング層26の結晶化度が低下するおそれがある。一方、水の接触角が前記上限値を上回る場合、第2コーティング層24を効率よく形成することが困難になり、形成難易度が高くなるおそれがある。
第2コーティング層24の水の接触角は、θ/2法により測定する。測定条件は、気温25℃、相対湿度50%±5%とする。水の滴下量は3μLとし、着滴後5秒後に測定する。接触角の測定装置としては、例えば、協和界面科学株式会社製、接触角測定装置、DropMaster500等が挙げられる。
また、第3分子がジアセチレンである場合、第3コーティング層形成工程S106は、第2コーティング層24に第3分子を供給した後、第3分子を100℃以上120℃以下の温度で加熱する加熱処理を含むことが好ましい。
このような第3コーティング層形成工程S106によれば、第3分子を固相重合させることができ、結晶性が高い状態で容易にポリマー化を図ることができる。得られたポリジアセチレンは、結晶化度が特に高いものとなるため、特に高品質な第3コーティング層26が得られる。
また、前述したように、原子発振器200(実施形態に係る量子干渉装置)は、原子セル100と、光出射部210と、光検出部230と、を含む。光出射部210は、アルカリ金属を励起する励起光Lを出射する。光検出部230は、原子セル100を透過した励起光Lを検出する。
このような構成によれば、原子セル100が有する効果を享受できる原子発振器200等の量子干渉装置が得られる。また、光検出部230において、より強度が大きく、かつ、線幅(EIT信号の半値幅)が小さいEIT信号を検出することができる。これにより、優れた周波数安定性を有する原子発振器200(量子干渉装置)が得られる。
4.電子機器
次に、原子発振器200を備える電子機器について説明する。以下では、電子機器として原子発振器200を備える測位システムについて説明する。図13は、原子発振器200を備える、GPS(Global Positioning System)衛星を利用した測位システム300を説明するための図である。
測位システム300は、図13に示すように、GPS衛星310と、基地局装置320と、GPS受信装置330と、を有する。
GPS衛星310は、測位情報(GPS信号)を送信する。
基地局装置320は、例えば電子基準点(GPS連続観測局)に設置されたアンテナ322を介してGPS衛星310からの測位情報を高精度に受信する受信装置324と、アンテナ326を介して受信装置324で受信した測位情報を送信する送信装置328と、有する。受信装置324は、基準周波数発振源として原子発振器200を有している。受信装置324で受信された測位情報は、リアルタイムで送信装置328により送信される。
GPS受信装置330は、アンテナ332を介してGPS衛星310からの測位情報を受信する衛星受信部334と、アンテナ336を介して基地局装置320からの測位情報を受信する基地局受信部338と、を有する。
以上のような測位システム300は、原子発振器200を備えるため、優れた精度および信頼性を有するものとなる。
なお、電子機器は、測位システムに限定されず、例えば、携帯電話機、ディジタルスチルカメラ、インクジェット式吐出装置、パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器、魚群探知機、各種測定機器、計器類、フライトシミュレーター、地上デジタル放送、携帯電話基地局等であってもよい。
5.移動体
次に、原子発振器200を備える移動体について説明する。以下では、移動体として原子発振器200を備える自動車について説明する。図14は、原子発振器200を備える自動車400を説明するための図である。
自動車400は、図14に示すように、車体410と、4つの車輪420と、を有しており、車体410に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪420を回転させるように構成されている。自動車400は、原子発振器200を備える。
自動車400は、原子発振器200を備えるため、優れた精度および信頼性を有するものとなる。
なお、移動体は、自動車に限定されず、例えば、ジェット機やヘリコプター等の航空機、船舶、ロケット、人工衛星等であってもよい。
以上、本発明の原子セル、原子セルの製造方法および量子干渉装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明の原子セルおよび量子干渉装置は、前記実施形態の各部の構成を、同様の機能を有する任意の構成に置換したものであってもよく、前記実施形態に任意の構成物が付加されたものであってもよい。
また、本発明の原子セルの製造方法は、前記実施形態に任意の目的の工程を追加したものであってもよい。
10…基材、10a…内壁、12…胴部、13…貫通孔、14…窓部、16…窓部、17…貫通孔、18…封止材、20…コーティング層、22…第1コーティング層、24…第2コーティング層、26…第3コーティング層、100…原子セル、200…原子発振器、210…光出射部、220…第1光学部品、222…第2光学部品、224…第3光学部品、226…第4光学部品、230…光検出部、240…ヒーター、250…温度センサー、260…磁場発生部、270…制御部、272…励起光制御部、274…温度制御部、276…磁場制御部、300…測位システム、310…GPS衛星、320…基地局装置、322…アンテナ、324…受信装置、326…アンテナ、328…送信装置、330…GPS受信装置、332…アンテナ、334…衛星受信部、336…アンテナ、338…基地局受信部、400…自動車、410…車体、420…車輪、L……励起光、L1…共鳴光、L2…共鳴光、S……内部空間、S102…第1コーティング層形成工程、S104…第2コーティング層形成工程、S106…第3コーティング層形成工程、S108…アルカリ金属充填工程、S110…貫通孔封止工程、ω…周波数、ω…周波数、ω…周波数

Claims (11)

  1. 内部にアルカリ金属が充填される原子セルであって、
    基材と、
    前記基材の内壁に設けられ、第1分子に由来する第1コーティング層と、
    前記第1コーティング層に設けられ、前記第1分子と脱離反応する反応性基、および、非極性基を有する第2分子に由来する第2コーティング層と、
    前記第2コーティング層に設けられ、非極性の第3分子に由来する第3コーティング層と、
    を含み、
    前記第3コーティング層は、結晶化度が70%以上であることを特徴とする原子セル。
  2. 前記第3分子は、パラフィンまたはジアセチレンである請求項1に記載の原子セル。
  3. 前記第1分子は、タンタル酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物またはチタン酸化物である請求項1または2に記載の原子セル。
  4. 前記第2分子は、カップリング剤である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の原子セル。
  5. 前記非極性基は、直鎖アルキル基である請求項4に記載の原子セル。
  6. 前記非極性基は、ビニル基である請求項4に記載の原子セル。
  7. 前記非極性基は、フェニル基である請求項4に記載の原子セル。
  8. 内部にアルカリ金属が充填される原子セルの製造方法であって、
    基材の内壁に、第1分子を供給することにより、第1コーティング層を形成する工程と、
    前記第1コーティング層に、前記第1コーティング層と脱離反応する反応性基、および、非極性基、を有する第2分子を供給することにより、第2コーティング層を形成する工程と、
    前記第2コーティング層に、非極性の第3分子を供給することにより、第3コーティング層を形成する工程と、
    を含み、
    前記第3コーティング層は、結晶化度が70%以上であることを特徴とする原子セルの製造方法。
  9. 前記第2コーティング層は、水の接触角が70°以上120°以下である請求項8に記載の原子セルの製造方法。
  10. 前記第3分子は、ジアセチレンであり、
    前記第3コーティング層を形成する工程は、前記第2コーティング層に前記第3分子を供給した後、前記第3分子を100℃以上120℃以下の温度で加熱する加熱処理を含む請求項8または9に記載の原子セルの製造方法。
  11. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の原子セルと、
    前記アルカリ金属を励起する励起光を出射する光出射部と、
    前記原子セルを透過した前記励起光を検出する光検出部と、
    を含むことを特徴とする量子干渉装置。
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