JP2017147382A - サーミスタ膜の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の抵抗値を有したサーミスタ膜を高精度に成膜することが可能なサーミスタ膜の製造装置を提供すること。【解決手段】基材の表面にサーミスタ膜を製造する装置1であって、基材2を支持する支持体3と、支持体に対向配置され支持体に支持された基材の表面にサーミスタ膜をスパッタリングにより成膜可能なスパッタリングターゲット4と、支持体の近傍に設置されスパッタリングターゲット側に向いたモニタ基板の表面に一対の対向電極が形成された抵抗モニタ部5と、一対の対向電極に接続された抵抗測定器6とを備えている。【選択図】図1
Description
本発明は、サーミスタ膜を非焼成で成膜可能なサーミスタ膜の製造装置に関する。
温度センサ等に使用されるサーミスタ材料は、高精度、高感度のために、高いB定数が求められている。
近年、基材上にサーミスタ材料を非焼成で形成したサーミスタセンサの開発が検討されており、特に樹脂フィルムに直接成膜できるサーミスタ材料の開発が望まれている。すなわち、フィルムを用いることで、フレキシブルなサーミスタセンサが得られることが期待される。
近年、基材上にサーミスタ材料を非焼成で形成したサーミスタセンサの開発が検討されており、特に樹脂フィルムに直接成膜できるサーミスタ材料の開発が望まれている。すなわち、フィルムを用いることで、フレキシブルなサーミスタセンサが得られることが期待される。
そこで、非焼成でフィルムに直接成膜できるサーミスタ材料として、例えば特許文献1に記載のサーミスタに用いられる金属窒化物材料であって、一般式:TixAlyNz(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相であるサーミスタ用金属窒化物材料が開発されている。
上記TiAlN等のサーミスタ用金属窒化物材料をスパッタリング法により成膜する場合、成膜条件(スパッタガス圧、ガス組成、出力等)を特定し、予め測定した成膜速度を基に、所定の膜厚となるのに必要な時間だけ成膜していた。しかしながら、スパッタリングターゲットを使用してエロージョンが生成されると、成膜速度が変化し、得られる膜厚も変化してしまうという問題があった。
従来、スパッタリングを行う際、水晶振動子を用いて膜厚を測定しながら成膜を行う技術が知られている(特許文献2,3)。すなわち、基板の近傍に水晶振動子を用いたモニタを設置して、スパッタ時に水晶振動子の周波数の変化によってモニタ上に成膜される膜の厚みを測定して、スパッタリングを制御している。
また、特許文献4には、半導体基板面に接触した複数の接触子と、これら接触子と接続された電気抵抗測定器とを備え、半導体基板面に成膜される膜の抵抗値を直接測定するスパッタリング装置が提案されている。
また、特許文献4には、半導体基板面に接触した複数の接触子と、これら接触子と接続された電気抵抗測定器とを備え、半導体基板面に成膜される膜の抵抗値を直接測定するスパッタリング装置が提案されている。
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、水晶振動子を用いた膜厚モニタで膜厚を制御しても、スパッタ時のエロージョンの進行と共に、元素によってスパッタリングターゲットからの放出粒子の角度や量が変わるために、膜の組成が変化してしまう場合がある。特に、TiAlN等のサーミスタ用金属窒化物材料をスパッタリング法により成膜する場合、膜厚が同じでも組成によってサーミスタ特性が変わってしまう問題があった。このため、従来の水晶振動子を用いた膜厚モニタで膜厚を測定しても、所望の抵抗値を有したサーミスタ膜を高精度に得ることが困難であった。また、特許文献4に記載された技術のように、基板表面に成膜される膜の電気抵抗を直接測定する場合、接触子が当接している部分には成膜することができないという不都合があった。
すなわち、水晶振動子を用いた膜厚モニタで膜厚を制御しても、スパッタ時のエロージョンの進行と共に、元素によってスパッタリングターゲットからの放出粒子の角度や量が変わるために、膜の組成が変化してしまう場合がある。特に、TiAlN等のサーミスタ用金属窒化物材料をスパッタリング法により成膜する場合、膜厚が同じでも組成によってサーミスタ特性が変わってしまう問題があった。このため、従来の水晶振動子を用いた膜厚モニタで膜厚を測定しても、所望の抵抗値を有したサーミスタ膜を高精度に得ることが困難であった。また、特許文献4に記載された技術のように、基板表面に成膜される膜の電気抵抗を直接測定する場合、接触子が当接している部分には成膜することができないという不都合があった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、所望の抵抗値を有したサーミスタ膜を高精度に成膜することが可能なサーミスタ膜の製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係るサーミスタ膜の製造装置は、基材の表面にサーミスタ膜を製造する装置であって、前記基材を支持する支持体と、前記支持体に対向配置され前記支持体に支持された前記基材の表面に前記サーミスタ膜をスパッタリングにより成膜可能なスパッタリングターゲットと、前記支持体の近傍に設置され前記スパッタリングターゲット側に向いたモニタ基板の表面に一対の対向電極が形成された抵抗モニタ部と、一対の前記対向電極に接続された抵抗測定器とを備えていることを特徴とする。
本発明のサーミスタ膜の製造装置では、支持体の近傍に設置されスパッタリングターゲット側に向いたモニタ基板の表面に一対の対向電極が形成された抵抗モニタ部と、一対の対向電極に接続された抵抗測定器とを備えているので、抵抗モニタ部のモニタ基板及び一対の対向電極上に成膜されるサーミスタ膜の抵抗を一対の対向電極によって直接測定することで、スパッタリングを制御し、基材上に所望の抵抗値のサーミスタ膜を高精度に成膜することができる。
第2の発明に係るサーミスタ膜の製造装置は、第1の発明において、前記基材と前記モニタ基板の少なくとも表面とが、同じ材料で形成されていることを特徴とする。
すなわち、このサーミスタ膜の製造装置では、基材とモニタ基板の少なくとも表面とが、同じ材料で形成されているので、同じ材料の上にサーミスタ膜が成膜されることになり、抵抗モニタ部のモニタ基板表面上に成膜されるサーミスタ膜と基材上に成膜されるサーミスタ膜との膜質を一致させることが可能になる。
すなわち、このサーミスタ膜の製造装置では、基材とモニタ基板の少なくとも表面とが、同じ材料で形成されているので、同じ材料の上にサーミスタ膜が成膜されることになり、抵抗モニタ部のモニタ基板表面上に成膜されるサーミスタ膜と基材上に成膜されるサーミスタ膜との膜質を一致させることが可能になる。
第3の発明に係るサーミスタ膜の製造装置は、第1又は第2の発明において、前記抵抗モニタ部が、一対の前記対向電極の温度を調整するモニタ温度調整機構を備えていることを特徴とする。
すなわち、このサーミスタ膜の製造装置では、抵抗モニタ部が、一対の対向電極の温度を調整するモニタ温度調整機構を備えているので、対向電極を一定温度に保持したり、基材の温度に合わせたりすることができ、さらに高精度な抵抗測定及び成膜が可能になる。
すなわち、このサーミスタ膜の製造装置では、抵抗モニタ部が、一対の対向電極の温度を調整するモニタ温度調整機構を備えているので、対向電極を一定温度に保持したり、基材の温度に合わせたりすることができ、さらに高精度な抵抗測定及び成膜が可能になる。
第4の発明に係るサーミスタ膜の製造装置は、第1から第3の発明のいずれかにおいて、一対の前記対向電極が、互いに対向してパターン形成され対向方向に延在した複数の櫛部を有した一対の櫛型電極であり、一方の前記対向電極の前記櫛部と他方の前記対向電極の前記櫛部とが、前記櫛部の延在方向に直交する方向に交互に並んで配され、前記対向電極の全長をLとし、隣接する前記櫛部の間隔をdとしたとき、L/dの異なる複数の前記抵抗モニタ部を備えていることを特徴とする。
すなわち、このサーミスタ膜の製造装置では、対向電極の全長をLとし、隣接する櫛部の間隔をdとしたとき、L/dの異なる複数の抵抗モニタ部を備えているので、サーミスタ膜の抵抗や膜厚によって最適なL/dとなる対向電極構造の抵抗モニタ部を選択して、より高精度に抵抗値を測定することができる。
すなわち、このサーミスタ膜の製造装置では、対向電極の全長をLとし、隣接する櫛部の間隔をdとしたとき、L/dの異なる複数の抵抗モニタ部を備えているので、サーミスタ膜の抵抗や膜厚によって最適なL/dとなる対向電極構造の抵抗モニタ部を選択して、より高精度に抵抗値を測定することができる。
第5の発明に係るサーミスタ膜の製造装置は、第2の発明において、前記基材と前記モニタ基板の少なくとも表面とが、それぞれ絶縁性フィルムで形成されていることを特徴とする。
すなわち、このサーミスタ膜の製造装置では、基材とモニタ基板の少なくとも表面とが、それぞれ絶縁性フィルムで形成されているので、絶縁性フィルムの上にサーミスタ膜を高精度に成膜したフレキシブルなフィルム型サーミスタセンサを作製することが可能になる。
すなわち、このサーミスタ膜の製造装置では、基材とモニタ基板の少なくとも表面とが、それぞれ絶縁性フィルムで形成されているので、絶縁性フィルムの上にサーミスタ膜を高精度に成膜したフレキシブルなフィルム型サーミスタセンサを作製することが可能になる。
第6の発明に係るサーミスタ膜の製造装置は、第1から第5の発明のいずれかにおいて、前記サーミスタ膜が、金属窒化膜であることを特徴とする。
すなわち、このサーミスタ膜の製造装置では、サーミスタ膜が、金属窒化膜であるので、組成によってサーミスタ特性が変化し易い金属窒化膜を高精度に成膜することが可能になる。
すなわち、このサーミスタ膜の製造装置では、サーミスタ膜が、金属窒化膜であるので、組成によってサーミスタ特性が変化し易い金属窒化膜を高精度に成膜することが可能になる。
以下、本発明に係るサーミスタ膜の製造装置の第1実施形態を、図1及び図2を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
本実施形態のサーミスタ膜の製造装置1は、図1及び図2に示すように、基材2の表面にサーミスタ膜を製造する装置であって、基材2を裏面側で支持する支持体3と、支持体3に対向配置され支持体3に支持された基材2の表面にサーミスタ膜をスパッタリングにより成膜可能なスパッタリングターゲット4と、支持体3の近傍に設置されスパッタリングターゲット4側に向いたモニタ基板5aの表面に一対の対向電極5bが形成された抵抗モニタ部5と、一対の対向電極5bに接続された抵抗測定器6とを備えている。
本実施形態の製造装置1は、サーミスタ膜として金属窒化膜を成膜するものである。
例えば、成膜されるサーミスタ用の金属窒化膜は、TiAlN膜である。特に、本実施形態で作製する金属窒化膜は、一般式:TixAlyNz(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相である。
例えば、成膜されるサーミスタ用の金属窒化膜は、TiAlN膜である。特に、本実施形態で作製する金属窒化膜は、一般式:TixAlyNz(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相である。
上記支持体3の内部には、冷温媒を流通させる配管(図示略)が配設されている。この配管は、銅管等で形成され、この配管内に冷温媒を流通させることで、支持体3の温度調整を行っている。
上記支持体3及び抵抗モニタ部5は、いずれもスパッタリング装置の真空槽7内にスパッタリングターゲット4と共に設置されている。
上記支持体3及び抵抗モニタ部5は、いずれもスパッタリング装置の真空槽7内にスパッタリングターゲット4と共に設置されている。
上記モニタ基板5aの少なくとも表面は、絶縁性材料で形成されている。特に、上記基材2と上記モニタ基板5aの少なくとも表面とは、同じ材料で形成されていることが好ましい。本実施形態では、モニタ基板5aが、金属板等の支持板8と、支持板8上に設けられた絶縁性材料の表面層9とで構成されている。上記表面層9は、絶縁性フィルムであって支持板8上に接着されている。すなわち、本実施形態では、上記基材2と上記モニタ基板5aの表面層9とが、それぞれ絶縁性フィルムで形成されている。
例えば、基材2及びモニタ基板5aの表面層9は、ポリイミド樹脂シートで帯状に形成されている。なお、絶縁性フィルムとしては、他にPET:ポリエチレンテレフタレート,PEN:ポリエチレンナフタレート等でも構わない。
例えば、基材2及びモニタ基板5aの表面層9は、ポリイミド樹脂シートで帯状に形成されている。なお、絶縁性フィルムとしては、他にPET:ポリエチレンテレフタレート,PEN:ポリエチレンナフタレート等でも構わない。
一対の上記対向電極5bは、例えばCr膜とAu膜との積層金属膜でパターン形成され、互いに対向してパターン形成され対向方向に延在した複数の櫛部5cを有した一対の櫛型電極である。
一方の対向電極5bの櫛部5cと他方の対向電極5bの櫛部5cとは、櫛部5cの延在方向に直交する方向に交互に並んで配されている。
また、対向電極5bは、先端部が櫛部5cに接続され基端部が基材2の端部に配されて延在した一対の直線延在部5dを有している。これら直線延在部5dの端部に抵抗測定器6が接続されている。すなわち、抵抗測定器6が、接続電極となる直線延在部5dを介して対向電極5bの櫛部5cに接続されている。
一方の対向電極5bの櫛部5cと他方の対向電極5bの櫛部5cとは、櫛部5cの延在方向に直交する方向に交互に並んで配されている。
また、対向電極5bは、先端部が櫛部5cに接続され基端部が基材2の端部に配されて延在した一対の直線延在部5dを有している。これら直線延在部5dの端部に抵抗測定器6が接続されている。すなわち、抵抗測定器6が、接続電極となる直線延在部5dを介して対向電極5bの櫛部5cに接続されている。
上記真空槽7には、Arガス+窒素ガスの混合ガスを導入するガス導入口(図示略)が設けられている。また、スパッタリングターゲット4の裏面側には、カソード電極(図示略)が配置されていると共に、支持体3がアノード電極とされている。すなわち、カソード電極側のスパッタリングターゲット4とアノード電極となる支持体3との間に電圧が印加され、支持体3上の基材2の表面に反応性スパッタが行われる。
本実施形態のサーミスタ膜の製造装置1を用いてサーミスタ膜を成膜するには、スパッタリング中に、モニタ基板5a及び対向電極5b上に成膜されたサーミスタ膜について、その抵抗値を抵抗モニタ部5及び抵抗測定器6で逐次測定し、所望の抵抗値となった時点でスパッタリングを終了する。これによって、基材2上にも所望の抵抗値となったサーミスタ膜が成膜される。
このように本実施形態のサーミスタ膜の製造装置1では、支持体3の近傍に設置されスパッタリングターゲット4側に向いたモニタ基板5aの表面に一対の対向電極5bが形成された抵抗モニタ部5と、一対の対向電極5bに接続された抵抗測定器6とを備えているので、抵抗モニタ部5のモニタ基板5a及び一対の対向電極5b上に成膜されるサーミスタ膜の抵抗を一対の対向電極5bによって直接測定することで、スパッタリングを制御し、基材2上に所望の抵抗値のサーミスタ膜を高精度に成膜することができる。特に、サーミスタ膜が、金属窒化膜であるので、組成によってサーミスタ特性が変化し易い金属窒化膜を高精度に成膜することが可能になる。
また、基材2とモニタ基板5aの少なくとも表面とが、同じ材料で形成されているので、同じ材料の上にサーミスタ膜が成膜されることになり、抵抗モニタ部5のモニタ基板5a上に成膜されるサーミスタ膜と基材2上に成膜されるサーミスタ膜との膜質を一致させることが可能になる。
特に、基材2とモニタ基板5aの少なくとも表面とが、それぞれ絶縁性フィルムで形成されているので、絶縁性フィルムの上にサーミスタ膜を高精度に成膜したフレキシブルなフィルム型サーミスタセンサを作製することが可能になる。
特に、基材2とモニタ基板5aの少なくとも表面とが、それぞれ絶縁性フィルムで形成されているので、絶縁性フィルムの上にサーミスタ膜を高精度に成膜したフレキシブルなフィルム型サーミスタセンサを作製することが可能になる。
次に、本発明に係るサーミスタ膜の製造装置の第2及び第3実施形態について、図3から図6を参照して以下に説明する。なお、以下の実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、抵抗モニタ部5の温度制御が行われていないのに対し、第2実施形態のサーミスタ膜の製造装置では、図3に示すように、抵抗モニタ部25が、一対の対向電極5bの温度を調整するモニタ温度調整機構27を備えている点である。
すなわち、第2実施形態では、モニタ温度調整機構27は、モニタ基板5aの支持板8内に冷温媒配管27aが設けられており、この冷温媒配管27aが一対の対向電極5bの直下に配されている。また、この冷温媒配管27aは、外部の冷温媒供給源27bと接続されている。この冷温媒供給源27bから、冷却水等の冷温媒が冷温媒配管27aに供給される。
このように第2実施形態のサーミスタ膜の製造装置では、抵抗モニタ部25が、一対の対向電極5bの温度を調整するモニタ温度調整機構27を備えているので、対向電極5bを一定温度に保持したり、モニタ基板5aの温度を基材2の温度に合わせたりすることができ、さらに高精度な抵抗測定及び成膜が可能になる。
このように第2実施形態のサーミスタ膜の製造装置では、抵抗モニタ部25が、一対の対向電極5bの温度を調整するモニタ温度調整機構27を備えているので、対向電極5bを一定温度に保持したり、モニタ基板5aの温度を基材2の温度に合わせたりすることができ、さらに高精度な抵抗測定及び成膜が可能になる。
次に、第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、抵抗モニタ部5が一つ設けられているのに対し、第3実施形態のサーミスタ膜の製造装置31では、図4及び図5に示すように、複数の抵抗モニタ部5A,5Bを備えている点である。
すなわち、第3実施形態では、図6に示すように、対向電極5bの全長をLとし、隣接する櫛部5cの間隔をdとしたとき、図5に示すように、L/dの異なる複数の抵抗モニタ部5A,5Bを備えている。なお、図6において分かり易くするため、対向電極5bの全長Lを太い破線で図示している。
すなわち、第3実施形態では、図6に示すように、対向電極5bの全長をLとし、隣接する櫛部5cの間隔をdとしたとき、図5に示すように、L/dの異なる複数の抵抗モニタ部5A,5Bを備えている。なお、図6において分かり易くするため、対向電極5bの全長Lを太い破線で図示している。
例えば、図5の(b)に示す抵抗モニタ部5Bは、図5の(a)に示す抵抗モニタ部5Aよりも、櫛部5cの本数が多く設定されており、対向電極5bの全長Lが抵抗モニタ部5Aよりも長くなっている。このため、抵抗モニタ部5Bは、抵抗モニタ部5AよりもL/dが大きくなっている。
例えば、L/dが大きい対向電極5bの抵抗モニタ部5Bは、高抵抗のサーミスタ膜の測定に適している。特に、成膜初期等の膜厚が小さい場合に高抵抗であることから、L/dが大きい対向電極5bの抵抗モニタ部5Bを選択して精度良く抵抗測定を行うことができる。また、膜厚が大きくなると抵抗が低下するため、膜厚が大きくなった際に、L/dが小さい対向電極5bの抵抗モニタ部5Aに抵抗測定を切り替えることで、膜厚に応じた高精度な抵抗測定が可能になる。これにより、成膜速度を均一にしたり、膜厚方向での結晶性を向上させるために意図的に成長速度を変化させる等の制御も可能になる。
このように第3実施形態のサーミスタ膜の製造装置31では、対向電極5bの全長をLとし、隣接する櫛部5cの間隔をdとしたとき、L/dの異なる複数の抵抗モニタ部5A,5Bを備えているので、サーミスタ膜の抵抗や膜厚によって最適なL/dとなる対向電極構造の抵抗モニタ部5A,5Bを選択して、より高精度に抵抗値を測定することができる。
なお、第3実施形態では、互いにL/dが異なる2種類の抵抗モニタ部5A,5Bを設置したが、互いにL/dが異なる3種類以上の抵抗モニタ部を設置しても構わない。すなわち、3種類以上の抵抗モニタ部のうち、L/dの大きな抵抗モニタ部から順に使用して成膜の諸条件を補正しながら成膜し、L/dの最も小さな抵抗モニタ部が所定の抵抗値となった時点で成膜終了と判断することで、より正確な成膜が可能になる。
なお、本発明の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1,31…サーミスタ膜の製造装置、2…基材、3…支持体、4…スパッタリングターゲット、5,5A,5B,25…抵抗モニタ部、5a…モニタ基板、5b…対向電極、5c…櫛部、5d…接続電極、6…抵抗測定器、7…真空槽、8…支持板、9…表面層、27…モニタ温度調整機構、27a…冷温媒配管、27b…冷温媒供給源
Claims (6)
- 基材の表面にサーミスタ膜を製造する装置であって、
前記基材を支持する支持体と、
前記支持体に対向配置され前記支持体に支持された前記基材の表面に前記サーミスタ膜をスパッタリングにより成膜可能なスパッタリングターゲットと、
前記支持体の近傍に設置され前記スパッタリングターゲット側に向いたモニタ基板の表面に一対の対向電極が形成された抵抗モニタ部と、
一対の前記対向電極に接続された抵抗測定器とを備えていることを特徴とするサーミスタ膜の製造装置。 - 請求項1に記載のサーミスタ膜の製造装置において、
前記基材と前記モニタ基板の少なくとも表面とが、同じ材料で形成されていることを特徴とするサーミスタ膜の製造装置。 - 請求項1又は2に記載のサーミスタ膜の製造装置において、
前記抵抗モニタ部が、一対の前記対向電極の温度を調整するモニタ温度調整機構を備えていることを特徴とするサーミスタ膜の製造装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のサーミスタ膜の製造装置において、
一対の前記対向電極が、互いに対向してパターン形成され対向方向に延在した複数の櫛部を有した一対の櫛型電極であり、
一方の前記対向電極の前記櫛部と他方の前記対向電極の前記櫛部とが、前記櫛部の延在方向に直交する方向に交互に配され、
前記対向電極の全長をLとし、隣接する前記櫛部の間隔をdとしたとき、L/dの異なる複数の前記抵抗モニタ部を備えていることを特徴とするサーミスタ膜の製造装置。 - 請求項2に記載のサーミスタ膜の製造装置において、
前記基材と前記モニタ基板の少なくとも表面とが、それぞれ絶縁性フィルムで形成されていることを特徴とするサーミスタ膜の製造装置。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載のサーミスタ膜の製造装置において、
前記サーミスタ膜が、金属窒化膜であることを特徴とするサーミスタ膜の製造装置。
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