JP6562215B2 - サーミスタ膜の製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、サーミスタ膜を非焼成で成膜可能なサーミスタ膜の製造装置に関する。
温度センサ等に使用されるサーミスタ材料は、高精度、高感度のために、高いB定数が求められている。
近年、基材上にサーミスタ材料を非焼成で形成したサーミスタセンサの開発が検討されており、特に樹脂フィルムに直接成膜できるサーミスタ材料の開発が望まれている。すなわち、フィルムを用いることで、フレキシブルなサーミスタセンサが得られることが期待される。
そこで、非焼成でフィルムに直接成膜できるサーミスタ材料として、例えば特許文献1に記載のサーミスタに用いられる金属窒化物材料であって、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相であるサーミスタ用金属窒化物材料が開発されている。
上記TiAlN等のサーミスタ用金属窒化物材料をスパッタリング法により成膜する場合、成膜条件(スパッタガス圧、ガス組成、出力等)を特定し、予め測定した成膜速度を基に、所定の膜厚となるのに必要な時間だけ成膜していた。しかしながら、スパッタリングターゲットを使用してエロージョンが生成されると、成膜速度が変化し、得られる膜厚も変化してしまうという問題があった。
従来、スパッタリングを行う際、水晶振動子を用いて膜厚を測定しながら成膜を行う技術が知られている(特許文献2,3)。すなわち、基板の近傍に水晶振動子を用いたモニタを設置して、スパッタ時に水晶振動子の周波数の変化によってモニタ上に成膜される膜の厚みを測定して、スパッタリングを制御している。
また、特許文献4には、半導体基板面に接触した複数の接触子と、これら接触子と接続された電気抵抗測定器とを備え、半導体基板面に成膜される膜の抵抗値を直接測定するスパッタリング装置が提案されている。このスパッタリング装置では、一対の接触子が基板の両端に離れて接触して成膜中に随時電気抵抗を測定している。
特開2013−179161号公報 特開平5−320901号公報 特開平8−325725号公報 特開平6−322539号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、水晶振動子を用いた膜厚モニタで膜厚を制御しても、スパッタ時のエロージョンの進行と共に、元素によってスパッタリングターゲットからの放出粒子の角度や量が変わるために、膜の組成が変化してしまう場合がある。特に、TiAlN等のサーミスタ用金属窒化物材料をスパッタリング法により成膜する場合、膜厚が同じでも組成によってサーミスタ特性が変わってしまう問題があった。このため、従来の水晶振動子を用いた膜厚モニタで膜厚を測定しても、所望の抵抗値を有したサーミスタ膜を高精度に得ることが困難であった。また、特許文献4に記載された技術では、電気抵抗率が高い金属窒化物膜などのサーミスタ膜について電気抵抗を直接測定する場合、間隔が広い一対の接触子を基板の両端に当接させても電気抵抗を高精度に測定することが困難であった。さらに、基板の成膜面において、部分的な領域における抵抗値を測定することも困難であった。特に、接触子の先端を膜に点接触させているため、高抵抗であるサーミスタ膜の抵抗値を高精度に測定することが困難であった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、所望の抵抗値を有したサーミスタ膜を高精度に成膜することが可能なサーミスタ膜の製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係るサーミスタ膜の製造装置は、基材の表面にサーミスタ膜を製造する装置であって、前記基材を支持する支持体と、前記支持体に対向配置され前記支持体に支持された前記基材の表面に前記サーミスタ膜をスパッタリングにより成膜可能なスパッタリングターゲットと、絶縁性の電極用基材の表面に一対の対向電極が形成された電極端子部と、一対の前記対向電極に接続された抵抗測定器と、前記電極端子部を移動可能で一対の前記対向電極を前記基材上に成膜された前記サーミスタ膜に面接触可能な電極端子移動機構とを備えていることを特徴とする。
本発明のサーミスタ膜の製造装置では、電極端子部を移動可能で一対の対向電極を基材上に成膜されたサーミスタ膜に面接触可能な電極端子移動機構を備えているので、可動式の電極端子部によって任意のタイミングで、かつ、成膜面の部分的な領域でサーミスタ膜に一対の対向電極を接触させることができ、一対の対向電極でサーミスタ膜の抵抗を随時、測定することができる。特に、一対の対向電極がサーミスタ膜に面接触するため、従来のように接触子の先端を点接触させる場合に比べて、安定して高精度な抵抗測定が可能になる。
したがって、成膜中のサーミスタ膜の部分的な領域で抵抗を直接測定することで、スパッタリングを制御し、基材上に所望の抵抗値のサーミスタ膜を高精度に成膜することができる。
第2の発明に係るサーミスタ膜の製造装置は、第1の発明において、前記電極端子移動機構が、一対の前記対向電極を前記サーミスタ膜に接触させる際の圧力を制御する機能を有していることを特徴とする。
すなわち、このサーミスタ膜の製造装置では、電極端子移動機構が、一対の対向電極をサーミスタ膜に接触させる際の圧力を制御する機能を有しているので、接触によってサーミスタ膜に損傷を与えないと共に抵抗測定に適切な圧力を設定することが可能になる。
第3の発明に係るサーミスタ膜の製造装置は、第1又は第2の発明において、前記電極端子部を出し入れ可能に収納する電極端子収納部を備え、前記電極端子収納部が、一対の前記対向電極を前記サーミスタ膜に当接させる際に前記電極端子部を外部に移動可能とされていることを特徴とする。
すなわち、このサーミスタ膜の製造装置では、電極端子収納部が、一対の対向電極をサーミスタ膜に当接させる際に電極端子部を外部に移動可能とされているので、抵抗測定を行わないときには電極端子収納部内に電極端子部を収納しておくことができ、スパッタ粒子が電極端子部に付着することを防止可能である。
第4の発明に係るサーミスタ膜の製造装置は、第1から第3の発明のいずれかにおいて、前記サーミスタ膜に当接する位置が互いに異なる複数の前記電極端子部を備えていることを特徴とする。
すなわち、このサーミスタ膜の製造装置では、サーミスタ膜に当接する位置が互いに異なる複数の電極端子部を備えているので、例えば基材の周縁部、中央付近、中間部などを別々に電極端子部で同時に測定することが可能になる。したがって、複数箇所の抵抗測定が可能になるので、基材の成膜面内のサーミスタ膜のばらつきをモニタすることができ、ばらつきが大きい場合には成膜条件(ガス流量制御等)を調整することで均一化することが可能になる。
第5の発明に係るサーミスタ膜の製造装置は、第1から第4の発明のいずれかにおいて、前記電極端子移動機構が、前記電極端子部を移動させて前記サーミスタ膜に当接する位置を変更可能であることを特徴とする。
すなわち、このサーミスタ膜の製造装置では、電極端子移動機構が、電極端子部を移動させてサーミスタ膜に当接する位置を変更可能であるので、例えば基材の周縁部、中央付近、中間部などを一つの電極端子部で測定することが可能になる。
第6の発明に係るサーミスタ膜の製造装置は、第1から第5の発明のいずれかにおいて、一対の前記対向電極が、互いに対向してパターン形成され対向方向に延在した複数の櫛部を有した一対の櫛型電極であり、一方の前記対向電極の前記櫛部と他方の前記対向電極の前記櫛部とが、前記櫛部の延在方向に直交する方向に交互に配され、前記対向電極の全長をLとし、隣接する前記櫛部の間隔をdとしたとき、L/dの異なる複数の前記電極端子部を備えていることを特徴とする。
すなわち、このサーミスタ膜の製造装置では、対向電極の全長をLとし、隣接する櫛部の間隔をdとしたとき、L/dの異なる複数の電極端子部を備えているので、サーミスタ膜の抵抗や膜厚によって最適なL/dとなる対向電極構造の電極端子部を選択して、より高精度に抵抗値を測定することができる。
第7の発明に係るサーミスタ膜の製造装置は、第1から第6の発明のいずれかにおいて、前記基材又は前記電極用基材の表面の少なくとも一方が、樹脂で形成されていることを特徴とする。
すなわち、このサーミスタ膜の製造装置では、基材又は電極用基材の表面の少なくとも一方が、樹脂で形成されているので、樹脂の弾性によって測定時に電極端子部の密着性が向上して安定した測定が可能になる。
第8の発明に係るサーミスタ膜の製造装置は、第1から第7の発明のいずれかにおいて、前記サーミスタ膜が、金属窒化膜であることを特徴とする。
すなわち、このサーミスタ膜の製造装置では、サーミスタ膜が、金属窒化膜であるので、組成によってサーミスタ特性が変化し易い金属窒化膜を高精度に成膜することが可能になる。
本発明に係るサーミスタ膜の製造装置の第1実施形態を示す概略的な断面図である。 第1実施形態において、電極端子部及び抵抗測定器を示す斜視図である。 第1実施形態において、非測定時(a)及び測定中(b)の状態を示す説明図である。 本発明に係るサーミスタ膜の製造装置の第2実施形態において、基材を支持した支持体と電極端子部とを示す概略的な要部の正面図である。 本発明に係るサーミスタ膜の製造装置の第3実施形態において、基材を支持した支持体と電極端子部との非測定時(a)及び測定時(b)の状態を示す概略的な要部の断面図である。 本発明に係るサーミスタ膜の製造装置の第4実施形態において、基材を支持した支持体と電極端子部とを示す概略的な要部の正面図である。 本発明に係るサーミスタ膜の製造装置の第5実施形態において、基材を支持した支持体と電極端子部とを示す概略的な要部の正面図である。 本発明に係るサーミスタ膜の製造装置の第6実施形態において、2種類の電極端子部を示す平面図である。 第6実施形態において、一対の対向電極を示す要部拡大図である。
以下、本発明に係るサーミスタ膜の製造装置の第1実施形態を、図1から図3を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
本実施形態のサーミスタ膜の製造装置1は、図1から図3に示すように、基材2の表面にサーミスタ膜を製造する装置であって、基材2を支持する支持体3と、支持体3に対向配置され支持体3に支持された基材2の表面にサーミスタ膜をスパッタリングにより成膜可能なスパッタリングターゲット4と、絶縁性の電極用基材5の表面に一対の対向電極6が形成された電極端子部7と、一対の対向電極6に接続された抵抗測定器8と、電極端子部7を移動可能で一対の対向電極6を基材2上に成膜されたサーミスタ膜に面接触可能な電極端子移動機構9とを備えている。
上記電極端子移動機構9は、一対の対向電極6をサーミスタ膜に接触させる際の圧力を制御する機能を有している。本実施形態の電極端子移動機構9は、電極端子部7が先端に固定されたロッド部9aと、ロッド部9aを進退可能なシリンダ部9bとを備えた油圧シリンダが採用され、シリンダ部9b内の油圧調整によって対向電極6の上記接触圧を調整可能である。これらロッド部9a及びシリンダ部9bは、先端側を支持体3に向け、支持体3の軸線に対して斜め方向に延在させて配置されている。
電極端子部7の先端面5aに形成された対向電極6を電極端子移動機構9によりサーミスタ膜に押し付ける際、その押し付け力(対向電極6における圧力範囲)は、例えば0.5〜10MPaに設定される。この押し付け力が低すぎると接触が悪く、サーミスタ膜の抵抗測定が難しいと共に、押し付け力が高すぎるとサーミスタ膜が損傷してしまうため、この圧力範囲内に設定することが好ましい。
なお、電極端子移動機構9として、モータ駆動等を用いた機構としても構わない。
上記電極端子部7は、図2に示すように、略四角柱形状とされていると共に、先端面5aが支持体3に対して平行に、かつ、電極用基材5の軸線に対して斜めに形成され、この先端面5aに一対の対向電極6が形成されている。すなわち、電極端子移動機構9によってロッド部9aがシリンダ部9bから伸ばされた際に、先端面5aが基材2上に成膜されたサーミスタ膜に面接触するように、支持体3の半径方向外側かつ支持体3の斜め下方にシリンダ部9bが配置されている。また、上記シリンダ部9bは、真空槽10の壁部に貫通状態に固定されている。
本実施形態の製造装置1は、サーミスタ膜として金属窒化膜を成膜するものである。
例えば、成膜されるサーミスタ用の金属窒化膜は、TiAlN膜である。特に、本実施形態で作製する金属窒化膜は、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相である。また、スパッタリングターゲット4は、TiAlが採用される。
上記支持体3及び電極端子部7は、いずれもスパッタリング装置の真空槽10内にスパッタリングターゲット4と共に設置されている。
上記真空槽10には、Arガス+窒素ガスの混合ガスをガス供給装置10aから導入するガス導入口10bが設けられている。また、スパッタリングターゲット4の裏面側には、スパッタ電源11に接続されたカソード電極11aが配置されていると共に、支持体3がアノード電極とされている。すなわち、カソード電極側のスパッタリングターゲット4とアノード電極となる支持体3との間に電圧が印加され、支持体3上の基材2の表面に反応性スパッタが行われる。
本実施形態では、上記基材2が絶縁性フィルムで形成されている。例えば、基材2は、ポリイミド樹脂シートで帯状に形成されている。なお、絶縁性フィルムとしては、他にPET:ポリエチレンテレフタレート,PEN:ポリエチレンナフタレート等でも構わない。
また、真空槽10には、真空ポンプ12が接続されており、真空ポンプ12によって内部が真空引きされる。
上記支持体3には、温度制御装置13に接続された冷媒配管(図示略)が内蔵され、温度制御装置13から送られる冷却水等の冷媒によって温度制御されている。
また、本実施形態のサーミスタ膜の製造装置1は、上記抵抗測定器8、電極端子移動機構9、スパッタ電源11、ガス供給装置10a及び温度制御装置13等に接続され、これらを制御可能な制御部Cを備えている。
上記電極用基材5の少なくとも表面は、絶縁性材料で形成されている。なお、対向電極6をサーミスタ膜に接触させる際の緩衝効果を得るために、電極用基材5として比較的柔軟なポリイミド樹脂等も採用可能である。例えば、電極用基材5の表面層に、一対の対向電極6を形成したポリイミド樹脂シートを貼り付けても構わない。
また、緩衝効果を得ると共に十分な接触効果を得るためには、基材2または電極用基材5の表面の少なくとも一方が、樹脂フィルム等の樹脂製の弾性素材であることが望ましい。
一対の上記対向電極6は、例えばCr膜とAu膜との積層金属膜でパターン形成され、互いに対向してパターン形成され対向方向に延在した複数の櫛部6aを有した一対の櫛型電極である。
一方の対向電極6の櫛部6aと他方の対向電極6の櫛部6aとは、櫛部6aの延在方向に直交する方向に交互に並んで配されている。
また、対向電極6は、先端部が櫛部6aに接続され基端部が電極用基材5の端部に配されて延在した一対の直線延在部6cを有している。これら直線延在部6cの端部に一対の接続線6dを介して抵抗測定器8が接続されている。一対の接続線6dは、ロッド部9a内に配されて抵抗測定器8に接続されている。このように、抵抗測定器8が、接続線6d及び直線延在部6cを介して対向電極6の櫛部6aに接続されている。
本実施形態のサーミスタ膜の製造装置1を用いてサーミスタ膜を成膜するには、スパッタリング中においてサーミスタ膜の抵抗測定を行わない状態では、図3の(a)に示すように、電極端子移動機構9により電極端子部7を基材2から遠ざけた位置に待避させ、抵抗測定を行う際には、スパッタリングターゲット4とアノード電極となる支持体3との間の電圧の印加を中止した後、図3の(b)に示すように、電極端子移動機構9によりロッド部9aを伸ばし、電極端子部7を基材2上のサーミスタ膜表面にまで移動し、一対の対向電極6をサーミスタ膜に接触させ、サーミスタ膜の抵抗を測定する。サーミスタ膜の抵抗測定後、再びスパッタリングを行う場合は、電極端子移動機構9によりロッド部9aを縮めた後に、スパッタリングターゲット4と支持体3との間に電圧を印加する。
このように、基材2上のサーミスタ膜について、その抵抗値を電極端子部7及び抵抗測定器8で随時測定し、この電気抵抗値を指標として成膜条件(ガス流量、スパッタ電力、支持体3の温度、T/S(ターゲット−基板間)距離等)を調整しながら成膜し、所望の抵抗値となった時点でスパッタリングを終了する。これによって、基材2上に所望の抵抗値となったサーミスタ膜が成膜される。
このように本実施形態のサーミスタ膜の製造装置1では、電極端子部7を移動可能で一対の対向電極6を基材2上に成膜されたサーミスタ膜に面接触可能な電極端子移動機構9を備えているので、可動式の電極端子部7によって任意のタイミングで、かつ、成膜面の部分的な領域でサーミスタ膜に一対の対向電極6を接触させることができ、一対の対向電極6でサーミスタ膜の抵抗を随時、測定することができる。
特に、一対の対向電極6がサーミスタ膜に面接触するため、従来のように接触子の先端を点接触させる場合に比べて、安定して高精度な抵抗測定が可能になる。
したがって、サーミスタ膜の部分的な領域で抵抗を直接測定することで、スパッタリングの成膜条件を制御し、基材2上に所望の抵抗値のサーミスタ膜を高精度に成膜することができる。
特に、サーミスタ膜が、金属窒化膜であるので、組成によってサーミスタ特性が変化し易い金属窒化膜を高精度に成膜することが可能になる。
また、電極端子移動機構9が、一対の対向電極6をサーミスタ膜に接触させる際の圧力を制御する機能を有しているので、接触によってサーミスタ膜に損傷を与えないと共に抵抗測定に適切な圧力を設定することが可能になる。
さらに、基材2又は電極用基材5の表面の少なくとも一方が、樹脂で形成されているので、樹脂の弾性によって測定時に電極端子部7の密着性が向上して安定した測定が可能になる。
次に、本発明に係るサーミスタ膜の製造装置の第2から第6実施形態について、図4から図9を参照して以下に説明する。なお、以下の各実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、略四角柱形状の電極端子部7が電極端子移動機構9によって支持体3の斜め下方から支持体3の軸線に対して斜め方向に移動されて一対の対向電極6をサーミスタ膜に接触させているが、第2実施形態のサーミスタ膜の製造装置では、図4に示すように、略コ字状形状の電極端子部27が電極端子移動機構29によって支持体3の軸線に直交する方向に移動されて一対の対向電極6をサーミスタ膜に接触させる点である。
すなわち、第2実施形態では、電極用基材25が開口部を支持体3の側面に対向させた略コ字状形状とされ、下部先端部の上面25aに一対の対向電極6が形成されている。また、支持体3の側面は、上部周縁が面取りされた傾斜面23aとされ、電極用基材25の上部先端部の下面25bは、傾斜面23aに沿った形状の傾斜面とされている。これによって、電極端子移動機構29によって電極端子部27が押し出されると、上部先端部の下面25bが傾斜面23aに係止されて、サーミスタ膜の抵抗測定時に電極端子部27の位置決めがなされる。
したがって、電極端子移動機構29は、支持体3にセットされた基材2の成膜面と平行な方向に電極端子部27を押し出してサーミスタ膜上に一対の対向電極6をスライドさせながら接触させることができる。これによって、第2実施形態のサーミスタ膜の製造装置では、一対の対向電極6のサーミスタ膜に対する押し付け力を一定に制御することができる。
次に、第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、電極端子部7が真空槽10内に露出して配置されているのに対し、第3実施形態のサーミスタ膜の製造装置31では、図5に示すように、電極端子部7を出し入れ可能に収納する電極端子収納部32を備え、電極端子収納部32が、一対の対向電極6をサーミスタ膜に当接させる際に電極端子部7を外部に移動可能とされている点である。
すなわち、第3実施形態では、先端開口部を開閉可能な蓋部32aを有した筒状の電極端子収納部32内に、電極端子部7が収納されている。上記蓋部32aは、バネ部材32bを介して電極端子部収納部32の先端開口部に取り付けられている。この蓋部32aは、図5の(a)に示すように、抵抗の非測定時にはバネ部材32bの付勢力によって電極端子収納部32の先端開口部を閉塞し、電極端子部7を完全に収納している。また、抵抗の測定時に電極端子部7が先端方向に押し出されると、電極端子部7の先端で蓋部32aが外側に押されることで、先端開口部が開き、電極端子部7が外部に押し出されて突出する。なお、図5では、制御部C、スパッタ電源11、ガス供給装置10a、温度制御装置13及び真空ポンプ12等の図示を省略している。
したがって、第3実施形態のサーミスタ膜の製造装置31では、電極端子収納部32が、一対の対向電極6をサーミスタ膜に当接させる際に電極端子部7を外部に移動可能とされているので、抵抗測定を行わないときには電極端子収納部32内に電極端子部7を収納しておくことができ、スパッタ粒子が電極端子部7に付着することを防止可能である。
次に、第4実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、1つの電極端子部7を備え、この電極端子部7が基材2上のサーミスタ膜の1カ所に当接して測定を行うのに対し、第4実施形態のサーミスタ膜の製造装置では、図6に示すように、サーミスタ膜に当接する位置が互いに異なる複数の電極端子部7を備えている点である。
すなわち、第4実施形態では、2つの電極端子部7を備え、例えば一方の電極端子部7は、基材2の周縁部のサーミスタ膜に当接するように配置されていると共に、他方の電極端子部7は、基材2の中央付近のサーミスタ膜に当接するように配置されている。
したがって、第4実施形態のサーミスタ膜の製造装置では、サーミスタ膜に当接する位置が互いに異なる複数の電極端子部7を備えているので、基材2の周縁部、中央付近、中間部などを別々に電極端子部7で同時に測定することが可能になる。したがって、複数箇所の抵抗測定が可能になるので、基材2の成膜面内のサーミスタ膜のばらつきをモニターすることができ、ばらつきが大きい場合には成膜条件(スパッタ電力、T/S距離等)を調整することで均一化することが可能になる。
次に、第5実施形態と第4実施形態との異なる点は、第4実施形態では、複数の電極端子部7を配置することで複数箇所の測定を可能にしているのに対し、第5実施形態のサーミスタ膜の製造装置では、図7に示すように、電極端子移動機構59が、一つの電極端子部7を移動させてサーミスタ膜に当接する位置を変更可能とされている点である。
すなわち、第5実施形態では、電極端子移動機構59が、電極端子部7をシリンダ部9b及びロッド部9aと共に基材2の半径方向に移動可能な平行方向移動機構69を備えている。
上記平行方向移動機構69は、シリンダ部9bの基端に先端が固定された平行移動用ロッド部69aと、平行移動用ロッド部69aを進退可能な平行移動用シリンダ部69bとを備えた油圧シリンダが採用される。この平行移動用シリンダ部69bは、真空槽10の壁部に固定されている。
したがって、第5実施形態のサーミスタ膜の製造装置では、平行方向移動機構69が、電極端子部7を移動させてサーミスタ膜に当接する位置を変更可能であるので、例えば基材の周縁部、中央付近、中間部などを一つの電極端子部7で測定することが可能になる。
次に、第6実施形態と第4実施形態との異なる点は、第4実施形態では、同一形状の一対の対向電極6を有した電極端子部7が複数設けられているのに対し、第6実施形態のサーミスタ膜の製造装置では、図8及び図9に示すように、互いに異なる形状の対向電極6を有した複数の電極端子部7A,7Bを備えている点である。
すなわち、第6実施形態では、図9に示すように、対向電極6の全長をLとし、隣接する櫛部6aの間隔をdとしたとき、図8に示すように、L/dの異なる複数の電極端子部7A,7Bを備えている。なお、図9において分かり易くするため、対向電極6の全長Lを太い破線で図示している。
例えば、図8の(b)に示す電極端子部7Bは、図8の(a)に示す電極端子部7Aよりも、櫛部6aの本数が多く設定されており、対向電極6の全長Lが電極端子部7Aよりも長くなっている。このため、電極端子部7Bは、電極端子部7AよりもL/dが大きくなっている。
例えば、L/dが大きい対向電極6の電極端子部7Bは、高抵抗のサーミスタ膜の測定に適している。特に、成膜初期等の膜厚が小さい場合に高抵抗であることから、L/dが大きい対向電極6の電極端子部7Bを選択して精度良く抵抗測定を行うことができる。また、膜厚が大きくなると抵抗が低下するため、膜厚が大きくなった際に、L/dが小さい対向電極6の電極端子部7Aに抵抗測定を切り替えることで、膜厚に応じた高精度な抵抗測定が可能になる。これにより、スパッタリング時間のみを制御して高精度に抵抗値を制御したり、膜厚方向での抵抗率を変える為に意図的にガス流量、スパッタ電力等の成膜条件を変化させる等の制御も可能になる。
このように第6実施形態のサーミスタ膜の製造装置では、対向電極6の全長をLとし、隣接する櫛部6aの間隔をdとしたとき、L/dの異なる複数の電極端子部7A,7Bを備えているので、サーミスタ膜の抵抗や膜厚によって最適なL/dとなる対向電極構造の電極端子部7A,7Bを選択して、より高精度に抵抗値を測定することができる。
なお、第6実施形態では、互いにL/dが異なる2種類の電極端子部7A,7Bを設置したが、互いにL/dが異なる3種類以上の電極端子部を設置しても構わない。すなわち、3種類以上の電極端子部のうち、L/dの大きな電極端子部から順に使用して成膜の諸条件を補正しながら成膜し、L/dの最も小さな電極端子部が所定の抵抗値となった時点で成膜終了と判断することで、より正確な成膜が可能になる。
なお、本発明の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1,31…サーミスタ膜の製造装置、2…基材、3…支持体、4…スパッタリングターゲット、5…電極用基材、6…対向電極、6a…櫛部、7,7A,7B,27…電極端子部、8…抵抗測定器、9,29,59…電極端子移動機構、32…電極端子収納部

Claims (8)

  1. 基材の表面にサーミスタ膜を製造する装置であって、
    前記基材を支持する支持体と、
    前記支持体に対向配置され前記支持体に支持された前記基材の表面に前記サーミスタ膜をスパッタリングにより成膜可能なスパッタリングターゲットと、
    絶縁性の電極用基材の表面に一対の対向電極が形成された電極端子部と、
    一対の前記対向電極に接続された抵抗測定器と、
    前記電極端子部を移動可能で一対の前記対向電極を前記基材上に成膜された前記サーミスタ膜に面接触可能な電極端子移動機構とを備えていることを特徴とするサーミスタ膜の製造装置。
  2. 請求項1に記載のサーミスタ膜の製造装置において、
    前記電極端子移動機構が、一対の前記対向電極を前記サーミスタ膜に接触させる際の圧力を制御する機能を有していることを特徴とするサーミスタ膜の製造装置。
  3. 請求項1又は2に記載のサーミスタ膜の製造装置において、
    前記電極端子部を出し入れ可能に収納する電極端子収納部を備え、
    前記電極端子収納部が、一対の前記対向電極を前記サーミスタ膜に当接させる際に前記電極端子部を外部に移動可能とされていることを特徴とするサーミスタ膜の製造装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のサーミスタ膜の製造装置において、
    前記サーミスタ膜に当接する位置が互いに異なる複数の前記電極端子部を備えていることを特徴とするサーミスタ膜の製造装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のサーミスタ膜の製造装置において、
    前記電極端子移動機構が、前記電極端子部を移動させて前記サーミスタ膜に当接する位置を変更可能であることを特徴とするサーミスタ膜の製造装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のサーミスタ膜の製造装置において、
    一対の前記対向電極が、互いに対向してパターン形成され対向方向に延在した複数の櫛部を有した一対の櫛型電極であり、
    一方の前記対向電極の前記櫛部と他方の前記対向電極の前記櫛部とが、前記櫛部の延在方向に直交する方向に交互に配され、
    前記対向電極の全長をLとし、隣接する前記櫛部の間隔をdとしたとき、L/dの異なる複数の前記電極端子部を備えていることを特徴とするサーミスタ膜の製造装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載のサーミスタ膜の製造装置において、
    前記基材又は前記電極用基材の表面の少なくとも一方が、樹脂で形成されていることを特徴とするサーミスタ膜の製造装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のサーミスタ膜の製造装置において、
    前記サーミスタ膜が、金属窒化膜であることを特徴とするサーミスタ膜の製造装置。
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