JP5196552B2 - 圧電素子 - Google Patents

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本発明は、圧電素子に関するものであり、特に高温にて利用可能な圧電素子に関する。
従来、加速度センサ、圧力センサ、アコースティック・エミッション(AE)センサなどに圧電体の有する圧電効果を利用した圧電素子が利用されている。圧電体(薄膜圧電体)は、通常、物理蒸着法(PVD法)、化学気相成長法(CVD法)、あるいはゾルゲル法などの成膜方法を用いて適切な基板上に形成される。成膜方法および使用される基板は、薄膜圧電体の種類および利用目的などに応じて決定される。
さらに成膜された圧電体に必要な電極を取り付けることによって圧電素子が形成される。図9は、従来の圧電素子を示す断面図である。図9の(a)に示すように、従来の圧電素子100では、基板101上に電極102aが形成されており、電極102aの上に薄膜圧電体103が形成され、さらにこの上に電極102bが形成された構成となっている。すなわち、薄膜圧電体103の上下面において一対の電極が形成された構成となっている。一方、同図の(b)は(a)と同様に従来の圧電素子110を示す断面図であるが、薄膜圧電体103の上面に電極102aおよび電極102bが一対として形成された構成となっている。
同図に示したように、薄膜圧電体103に対し一対の電極が形成される構成、もしくは、薄膜圧電体103の上面または下面の一方に一対の電極が形成される構成が一般的である。これらの構成の選択は、圧電素子の利用目的に応じて適宜なされる。
圧電素子(薄膜圧電体)の使用は、その利用目的によっては高温でなされる場合がある。この場合であって、高温で圧電体に強誘電体が用いられている場合、少なくとも強誘電体が有するキュリー温度によって使用可能温度が制限される。一方、ウルツ鉱型構造を有する化合物のように強誘電性を示さない化合物により構成される圧電体は、結晶の状態ならびに極性面が制御された状態でその物質を形成させてしまえば、原理的には、その結晶構造が維持されている限り圧電現象を発揮することができる。このため、概して、圧電体としての上記化合物は強誘電体と比較して、高温条件下にて利用され易い。
ウルツ鉱型構造を有する化合物としては、例えば、窒化アルミニウム(以下、「AlN」と略すことがある)を挙げることができる。これは、優れた耐熱性、電気的絶縁性および結晶安定性を有するので、これを薄膜圧電体に用いて圧電素子を構成することによって、優れた圧電素子を実現することができる。
従来の圧電素子として、例えば、引用文献1には、窒化アルミニウムが用いられた圧電薄膜共振子が開示されている。引用文献1の薄膜共振子によれば、電気結合係数が大きく、音響品質係数に優れた圧電薄膜共振子を提供することができる。
特開2004−312611号公報(平成16年11月4日公開)
しかしながら、上記従来の圧電素子は、高温領域での時定数が低いという問題点を有している。
優れた絶縁抵抗を有する窒化アルミニウムであっても、温度の上昇に伴い電気伝導性が増し、やがて半導体としての挙動を示すこととなるので、圧電素子として利用可能な上限温度が存在することになる。この上限温度は、圧電素子に対する要求仕様と、圧電体材料に固有の電気的物性値から派生する時定数とによって決定されるので、一定の利用条件下では、ある臨界温度が存在することになる。この臨界温度の存在は時定数の低下によって顕在化し、したがって、高温での圧電素子の利用を制限する深刻な問題である。また、圧電体の種類によらず、高温領域で用いられる圧電体に共通の問題である。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、高温領域にて使用可能な圧電素子を提供するために、高温領域において、時定数が向上した圧電素子を提供することにある。
本発明の圧電素子は、上記課題を解決するために、基板上に第1の電極、圧電体および第2の電極が、この順序で形成されている圧電素子であって、上記第1の電極および圧電体の間、並びに、上記第2の電極および圧電体の間のうち少なくとも一方の間に誘電体が積層されており、上記誘電体の静電容量は、圧電体の静電容量以下であり、上記誘電体の時定数は、圧電体の時定数よりも大きいことを特徴としている。
上記構成のように、圧電体に誘電体が積層されていることによって、圧電素子の電気的インピーダンスを向上させることができる。また、誘電体の静電容量が圧電体の静電容量以下であり、さらに誘電体の時定数が圧電体の時定数よりも大きいことによって、ある一定の温度で圧電素子に生じる位相の変化をより低周波側にシフトさせることができる。言い換えれば、従来構造の場合と同一の時定数を、より高温領域にて示す圧電素子を実現できる。すなわち、より高温にて使用可能な圧電素子を提供することができる。
また、本発明の圧電素子では、上記圧電体の厚さが、0.5μm以上、150μm以下であることが好ましい。
0.5μm以上の厚さを有していれば、実効的な圧電体として機能させることができ、また150μm以下の薄い圧電体であれば、温度差を生じる環境下で使用する場合に、電極材料など周辺材料との間での熱膨張係数の違いにより生じる熱ひずみをより効果的に緩和でき、その結果、熱ひずみに起因する圧電体の破壊を効果的に回避することができる。
また、本発明の圧電素子では、上記圧電体がウルツ鉱型の結晶構造を有することが好ましい。
圧電体がウルツ鉱型の結晶構造であれば、圧電体形成時にその結晶配向性と極性面とを制御すれば圧電性を発現するため、強誘電体を利用する場合のように加熱環境下での分極処理を必要とせず、また高温での使用時に極性が乱れ、圧電性が低下することもないため、高温で好ましく用いることができる。
また、本発明の圧電素子では、上記圧電体が窒化アルミニウムであり、上記誘電体が酸化アルミニウムまたは酸化シリコンの少なくとも何れかが主要成分であることが好ましい。
窒化アルミニウムは耐熱性に優れるため、圧電体としてより好ましく用いることができる。また、酸化アルミニウムおよび酸化シリコンは、その誘電体として好ましく用いることができ、また入手も容易であるため、これらの材料によれば、好適に圧電素子を提供することができる。
また、本発明の圧電素子では、上記圧電体の厚さが、0.5μm以上、90μm以下であり、上記誘電体が酸化アルミニウムであり、誘電体の厚さが10μm以上、100μm以下であることが好ましい。
酸化アルミニウムは結晶安定性に優れ、また体積抵抗率も高いので、誘電体として好ましい。また、誘電体の厚さが上記の範囲であれば、圧電素子の圧電効果によって生じる電界の作用が弱まることを、より回避することができるため、実質的な問題を生じることなく圧電素子からの出力信号を検出できる。
本発明の圧電素子は、以上のように、上記第1の電極および圧電体の間、並びに、上記第2の電極および圧電体の間のうち少なくとも一方の間に誘電体が積層されており、上記誘電体の静電容量は、圧電体の静電容量以下であり、上記誘電体の時定数は、圧電体の時定数よりも大きいものである。
それゆえ、圧電体および電極の間に上記の特性を有する誘電体を備えているので、高温領域における時定数が向上した圧電素子を提供できるという効果を奏する。
本発明の一実施形態について図1ないし図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図1は、本実施の形態に係る圧電素子10を示す断面図である。圧電素子10は、基板1上に電極(第1の電極)2aが形成され、さらに、薄膜圧電体(圧電体)3、誘電体4および電極(第2の電極)2bの順で各層が形成されている。
基板1は、電極2aおよび薄膜圧電体3などを支持するための土台となる部材である。基板1の材料としては特に限定されるものではなく、公知の材料を用いることができる。例えば、ケイ素、サファイア、炭化ケイ素、ガラス、窒化珪素などの絶縁体や半導体を用いることができる。また、いわゆる超合金などの耐熱合金、ステンレス、その他の金属材料や炭化チタン、窒化チタンなどの導電性化合物を用いても良い。これら金属や導電性化合物は電極として利用することも可能であるので、電極2aとしての機能を兼ねた基板として利用してもよい。
また、電極2aおよび電極2bについても公知の材料を用いて形成すればよく、特に限定されるものではない。例えば、白金、アルミニウム、ニッケル、鉄、金、銀、銅、クロム、およびこれらの合金を用いることができる。電極2aおよび電極2bを形成する方法としては、公知の方法を用いればよく、例えば、スパッタリング法や真空蒸着法などの物理蒸着(PVD)法、化学気相成長(CVD)法、メッキ法、スラリーコーティング法やディップ法などの塗布処理などを挙げることができる。
薄膜圧電体3の材料としては、アルミニウム、ガリウム、インジウム、スカンジウム、アルミニウム−ガリウム合金、アルミニウム−インジウム合金、アルミニウム-スカンジウム合金、ガリウム−インジウム合金、ガリウム−スカンジウム合金、インジウム−スカンジウム合金などの窒化物を用いることができる。この中でも、優れた耐熱性および結晶安定性を有することから、窒化アルミニウムが好ましく用いられる。
薄膜圧電体3の材料が有する結晶構造としては、高温領域で圧電素子として用いることができる結晶構造であれば特に限定されるものではないが、圧電性発現の観点からウルツ鉱型の結晶構造であることが好ましい。このため、ウルツ鉱型の結晶構造を有する窒化アルミニウムが、薄膜圧電体3の材料に非常に適している。
薄膜圧電体3の形成方法としては、公知の形成方法を用いることができ、例えば、スパッタリング法や真空蒸着法などのPVD技術や、CVD技術などを適宜用いることができる。また、成膜に用いる原料ガスの圧力や成膜時間等を調節することによって、得られる薄膜圧電体3の厚さを調節することができる。薄膜圧電体3の厚さは、圧電素子10の種類および利用目的などに応じて変更され得るが、例えば、0.5μm以上150μm以下とすることができ、好ましくは、2μm以上10μm以下とすることができる。
誘電体4は、薄膜圧電体3および電極2bの間に形成されている。誘電体4は、電極2aおよび薄膜圧電体3の間、並びに、電極2bおよび薄膜圧電体3の間のうち少なくとも一方の間に積層されていればよく、上記の構成に代えて、電極2bおよび薄膜圧電体3の間に積層してもよい。しかしながら、強誘電体ではない薄膜圧電体の形成には結晶配向性や極性面の制御が不可欠であり、そのためには圧電体を形成する下地材の平滑度の高いことが一般的に望まれるため、誘電体4が薄膜圧電体3および電極2bの間に形成されている構成によれば、良好な圧電体をより形成し易く、かつ誘電体の形成プロセスとして様々な手法を選択できるというメリットがある。
また、誘電体4は、電極2aおよび薄膜圧電体3の間、並びに、電極2bおよび薄膜圧電体3の間の両方に積層されている構成にもできる。
誘電体4はその静電容量が薄膜圧電体3の静電容量以下である。すなわち、両静電容量は同一の値であってもよい。さらに、誘電体4の静電容量は、薄膜圧電体3の静電容量の1/10以下であることがより好ましい。
また、誘電体4の時定数は、薄膜圧電体3の時定数よりも大きい値である。上記の条件を満たす材料であれば、誘電体4の材料として特に限定されることなく用いることができる。例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化シリコン、酸化マグネシウムなどの酸化物や極性面制御していない窒化アルミニウムを用いることができる。上記誘電体4の材料は、単独で用いてもよく、複数を併用することもできる。さらに、その多孔体を用いれば、静電容量をより小さくすることができるために効果的である。
上記酸化物や窒化物などを用いて誘電体4を形成するためには、セラミクスペーストなどを好ましく用いることができる。誘電体4において上記材料は主要成分として含有されていればよく、具体的には誘電体4全体の質量に対し、上記材料の合計質量割合が80%以上であればよい。
誘電体4の形成方法としては、セラミクスペーストの塗布、乾燥を含む工程による方法、さらに焼成工程を必要とする方法や、蒸着法、スパッタ法、ゾルゲル法などを挙げることができる。
誘電体4の厚さは、薄膜圧電体3の静電容量と誘電体4の静電容量とが同一または、誘電体4の静電容量の方が小さくなる観点から決定される。一例としては、1μm以上150μm以下とすることができ、好ましくは10μm以上100μm以下とすることができる。なお、誘電体4の厚さが上記の厚さである場合、薄膜圧電体3の厚さは0.5μm以上、90μm以下であることが好ましい。後述するように、これらの厚さが上記範囲であれば誘電体4の厚さを薄膜圧電体3の1.1倍以上とすることができ、誘電体4および薄膜圧電体3の静電容量を本発明に係る値とすることができる。
上記の図1に示す圧電素子10によれば、薄膜圧電体3が外部からの刺激に応じて、その表面に電荷を生じるとその発生電荷によって生じる電界は薄膜圧電体3の外部にまで作用する。そして、薄膜圧電体3の直上に積層された誘電体4の厚さが適切な一定の厚さ以下であれば、電極2bにまで上記電界の影響が及ぼされる。したがって、誘電体4を介して、圧電現象に応じた圧電信号を得ることが可能である。
この際、薄膜圧電体3より大きな時定数を有し、その静電容量が圧電体の静電容量よりも小さくなるように誘電体4が用いられていれば、積層構造を有する圧電素子10によって検出される電圧について、誘電損失による電圧低下の割合を、薄膜圧電体3による誘電損失による電圧低下の割合よりも小さく抑制することができる。その結果、従来の薄膜圧電体3のみが備えられる圧電素子よりも、高温まで利用できる圧電素子、すなわち高温用圧電素子を提供することができる。
なお、本発明における圧電素子は高温において使用可能であるため、使用可能な上限温度は高いことが望ましく、圧電素子に用いられている材料の融点以下とすることができる。例えば、薄膜圧電体として窒化アルミニウムが用いられる場合、原理的には2200℃を上限温度と考えることができるが、誘電層や基板の種類と圧電素子の使用条件(例えば利用する周波数帯域など)に応じて上限温度が設定されることになる。一方、使用可能な下限温度は特に存在しないが、少なくとも25℃以上において動作させることが可能である。
次に、本発明者らが本願発明を完成させるにあたり行なった検討について以下説明する。一般的に、圧電体を利用した加速センサ、圧力センサ、アコースティック・エミッション(以下、アコースティック・エミッションを「AE」と適宜略す)センサなどの各種センサでは、圧電現象により発生した電荷量または電圧が計測される。この中でもAEセンサでの測定のように、数10kHzから1MHz域の周波数成分を有する信号が計測されるためには、圧電体に生じた電圧がプリアンプによって増幅され、高い時間分解能を維持しつつ計測がなされる必要がある。
電気的等価回路モデルを考えると、圧電体は抵抗Rと静電容量Cとからなる並列要素としてみることができ、圧電体自体が時定数τ(=C・R)を有することとなる。つまり、圧電現象によって、時刻t=0に発生した電荷をqとすると、時刻tの時点で圧電体に生じている電圧V(t)は以下の(1)式で表される。
Figure 0005196552
また、ある一定のサンプリング間隔での電圧V(t)の計測を考える場合、時定数τの値が小さくなりすぎると、非常に短時間で電圧が低下してしまうために、正確な計測ができなくなる。具体的に説明すると、例えば、サンプリング間隔が100nsで電圧を計測する場合、時定数が10−6であったとすると、計測値は本来発生した電圧(すなわち、q/C)の90%にまで低下しているおそれがある。
一方、時定数が10−5であれば、発生電圧の少なくとも99%のレベルを確保することができる。このように時定数は、計測に必要とされる時間分解能のおよそ100倍以上の値を持たなければならず、それよりも小さな値をもつ場合には、計測された値の信頼性に極めて深刻な影響が及ぼされることとなる。
一例として、AEの計測によって取得された電圧波形の周波数解析を実施する場合を挙げる。検出された圧電信号(圧電波形)の詳細な解析のため、数10kHzから1MHz程度までの周波数成分のパワースペクトル分析を行なうことを想定すると、最大周波数成分(1MHz)の波動周期(1000ns)の1/10程度のサンプリングがなされることが望ましい。すなわち、上述した100nsでの計測が望ましく、この場合に時定数τは10−5以上の値であることが好ましい。
このような時定数による計測値の不確かさの解消には、サンプリング間隔を短縮することも有効ではある。例えば、時定数が10−6しかない場合、10nsでサンプリングすればよいことになる。しかし、通常、AEの計測には長時間に亘る膨大なデータの記録を必要とするため、データ数を最小限に留めることが重要である。さらに10倍ものデータ数の記録を要する手法は、必ずしも現実的な対処法とはいえない。したがって、圧電体の時定数はできる限り大きいことが好ましく、好ましくは10−6以上、さらに好ましくは10−5以上である。
以上の説明では、サンプリング間隔と検出電圧レベルとの関係を圧電体のみを対象として示したが、実際の計測ではケーブルおよび計測器などの特性も影響する。結局のところ、時定数は圧電体が発生させた電荷の放電による損失の時間依存性を表すパラメータであり、これが小さくなればなるほど速やかに放電が進行するため、サンプリング間隔の長い計測は困難になる。AEの計測の場合と比較してさらに変化速度の遅い信号(低周波数)の計測では、さらに大きな時定数が求められることとなる。
ところで、温度の上昇は圧電体自体のインピーダンスを低下させるが、これは上述の抵抗Rの低下に起因する。これは、温度の上昇と共に時定数が低下することを意味する。すなわち、ある一定のサンプリング間隔での計測に対し、計測可能な上限温度が存在することを意味している。この上限温度をより高温化させるためには、時定数がより大きくなるよう、圧電素子の構造を設計することが考えられる。
さらに、図1に示す圧電素子10の構造を採用することによって、誘電体4を備えていない従来の圧電素子よりもより高温にて利用可能な圧電素子を実現できることを、等価回路モデルを用い詳細に説明する。図2は従来の圧電素子(a)および本実施の形態に係る圧電素子(b)の等価回路モデルを示している。
まず、本発明に係る圧電素子(b)に関する、静電容量Cと抵抗Rとを含むCR並列回路で表される圧電体の複素インピーダンスZバーは、圧電体の有する静電容量Cおよび抵抗Rを用いると、複素平面上で次式のように表される。
Figure 0005196552
(2)式においてωは角周波数であり、後述する複数の数式においても同義である。上記のインピーダンスZバーを実空間で表すと、インピーダンスZと共に位相パラメータφが派生する。これらを以下の(3)式および(4)式にて示す。
Figure 0005196552
Figure 0005196552
上記複素インピーダンスZおよび位相パラメータφの両方は、インピーダンス測定によって決定される。上記圧電体が理想的なコンデンサ(抵抗成分が無限大)として振舞う場合には、位相パラメータφ=(-π/2)であるが、実際には、(-π/2)から{φ-(-π/2)}だけの位相のずれが生じてしまう。この位相のずれは圧電体の時定数の値に関連しており、これが上述の計測時の電圧低下をもたらす原因となる。この位相のずれを表すパラメータδと時定数τとの関係は、以下の(5)式にて示すことができる。
Figure 0005196552
(5)式において、所謂誘電損失を示すtanδは角周波数ωおよび時定数τの両方に依存して変化することが分かる。一定の角周波数ωを基準にすると、時定数τの低下はパラメータδおよびtanδの増大をもたらすこととなる。
次に、圧電体および電極の間に誘電体を挿入した場合について説明する。圧電体に関する値を、静電容量Cおよび抵抗Rとし、誘電体に関する値を静電容量Cおよび抵抗Rと表すと、全体の複素インピーダンスZバーは、両者を直列に結合することによって得られるため、以下の(6)式にて表される。
Figure 0005196552
さらに、位相に関するパラメータφおよびδは、以下の(7)式および(8)式によってそれぞれ表される。
Figure 0005196552
Figure 0005196552
ただし、上記 Z(Re) および Z(Im) は以下の式(6a)式および(6b)式によってそれぞれ表される。
Figure 0005196552
Figure 0005196552
(4)式および(7)式、または、(5)式および(8)式との関係から、二つの並列要素を直列接続した場合の全体の時定数は、角周波数ωにも依存する以下の(9)式で表されることが分かる。
Figure 0005196552
(9)式から、位相パラメータφの角周波数ωに係る依存性が得られれば時定数τを決定できることがわかる。
そこで、まず静電容量Cおよび抵抗Rを固定し、静電容量Cおよび抵抗Rを変化させた場合、インピーダンスZと位相パラメータφとがどのような周波数依存性を示し、特に単一の並列要素Cからなる場合(図2の従来型の圧電素子(a))と、CとCとが直列に結合している場合(図2の圧電素子(b))とに係る同一の角周波数ωに対する位相パラメータφの変化を比較するための計算を行った。計算に用いた各パラメータを表1に、また、上記各パラメータに基づく結果を図3〜図5に示す。図3〜図5は従来の圧電素子構造および高温用素子構造に係るインピーダンスおよび位相との周波数依存性を示すグラフである。これらの図において、(a)は周波数およびインピーダンスの関係を示すグラフであり、(b)は周波数および位相の関係を示すグラフである。なお、図3は表1のNo.1〜5に、図4は表1のNo.1,6〜9に、図5は表1のNo.1,10〜13に基づく結果を示している。
Figure 0005196552
図3の(a)に示されるように、誘電体層の静電容量Cが圧電体の静電容量Cよりも小さい場合(表1のNo.2〜5)、従来型の圧電素子に対応する場合(表1のNo.1)よりも静電容量Cがより小さいこと、および、抵抗成分が加算されることにより、インピーダンスは全周波数域において高くなる。
しかしながら、誘電体自体の時定数が圧電体の時定数よりも小さい場合(表1のNo.2,3)、図3の(b)に示されるように、表1のNo.1 に比較してより高周波域にて位相ずれ(−90°からのずれ)が生じ始める。
誘電体の時定数と圧電体の時定数とが共に同じ値である場合(表1のNo4)には位相変化は圧電体単体のみの場合(表1のNo.1)と同一である。このため、No.1とNo.4のグラフは重なって示されている。一方、誘電体自体の時定数が圧電体の時定数よりも大きい場合(表1のNo.5)には、同一の位相ずれを示す周波数の値はより低域に観測されるようになる。つまり、圧電体よりも時定数の大きな誘電体を用いることにより、ある一定の位相ずれが発生する点をより低周波側へシフトさせることができると理解できる。その結果、一定の精度を維持しつつより低周波数域の信号まで検出できるようになる。言い換えれば、周波数一定の場合、一定の精度以上で計測できる温度範囲をより高温まで向上させることが可能となる。
さらに、静電容量Cが静電容量Cよりも大きい場合(表1のNo.6〜10)、誘電体の時定数を大きくしても高周波側での (-π/2) からの位相のずれを劇的に抑制する効果は生じないことがわかる。すなわち、圧電体と電極との間に挿入する誘電体は、圧電体と同等またはそれよりも小さい静電容量を有し、かつ、時定数は圧電体よりも大きくなる誘電体を選択する必要がある。これらの条件を満たす例は表1のNo.5,12,13が該当する。また、誘電体の静電容量Cは、圧電体の静電容量Cよりもできる限り小さいことが望ましい。
例として、時定数τがτ≧10−5の値をω=6.3×10(即ち周波数f=10)において満足する条件を、(9)式において求めると、φ=-81°となる。これを満足させるパラメータ条件は、表1のNo.5 および No.13 の場合が該当し、これらは非常に好ましい条件といえる。
〔計測例〕
従来の圧電素子に係るAE計測の具体例として、スパッタリング法によって成膜した窒化アルミニウム薄膜を材料とした圧電体を備える圧電素子について、時定数の低下により高温での諸特性が低下する例を示す。
まず、単結晶ケイ素基板上に、上下面に測定用電極が形成されたAlN薄膜を形成することによって、圧電素子の試料を作製した。この試料に対し高温でのインピーダンス計測を実施した。計測方法としては、試料を所定の温度まで加熱した後、両電極間に1Hz〜1MHzの範囲内において周波数を変化させながら、交流電圧を印加した際の電流および位相を計測することによって、試料のインピーダンス特性を得た。図6の(a)は、上述の試料におけるAlN薄膜圧電体のインピーダンスの周波数に対する依存性を示すグラフであり、同図の(b)は温度および時定数の関係を示すグラフである。
この場合、上述したAE計測に好ましい条件であって、時定数がτ>10−5となる条件を満たす温度が、同図の(b)から730℃であることがわかる。すなわち、800℃にてAEを正確に計測するためには、時定数が小さすぎる可能性が示唆される。
さらに、上記試料を用い、図7に示す擬似AE検出実験装置によって高温での擬似AEの検出特性評価試験を行なった。同図はAE検出実験装置20を示す側面図である。AE検出実験装置20は、環状電気炉21の内部に、ステンレス製のウェーブガイド22が挿入された構成となっている。ウェーブガイド22は弾性波の伝達媒体として働くものである。ウェーブガイド22が備えるAEセンサ23a(エヌエフ回路設計ブロック社製、製品名:AE‐900S‐WB)は炉外に、圧電素子23bは環状電気炉21の中央部にそれぞれ配置されている。
圧電素子23bは、上述の窒化アルミニウム薄膜にて形成した圧電素子から構成されたものである。環状電気炉21の両端部は断熱用蓋部材24a,24bによって、遮熱されており、圧電素子23bの周囲を均一な高温状態に保持することが可能となっている。
炉外のAEセンサ23aは同軸ケーブルを介してファンクションジェネレータ25(エヌエフ回路設計ブロック社製WF1966)に接続され、圧電素子23bは耐熱シールドケーブルを介してプリアンプ26(エヌエフ回路設計ブロック社製9913)に接続されている。さらにファンクションジェネレータ25およびプリアンプ26はオシロスコープ27(YOKOGAWA DL1640L)に接続され、ファンクションジェネレータ25によってAEセンサ23aに印加した電圧、ならびにプリアンプ26により増幅された圧電素子23bによる検出電圧が表示、記録できるようになっている。また、図示していないが、圧電素子23bの直近には温度測定のための熱電対が配置されており、圧電素子23bの温度計測が可能となっている。
なお、冷却機28は、炉外のAEセンサ23aの温度が、仕様上の上限温度を超えることを防止するための機器であり、図中の矢印で示されるように冷媒(例えば、水)をウェーブガイド22の炉外部へ供給する役割を果している。
特性測定時には、図示しない熱電対によって圧電素子23bの温度を確認した上で、まずファンクションジェネレータ25から炉外のAEセンサ23aに包絡線正弦二乗波となる電圧信号を印加する。これにより、このAEセンサ23aの逆圧電効果によってステンレス製のウェーブガイド22の端部に波動が生じ、これがウェーブガイド22中を伝播して炉内の圧電素子23bにまで到達する。到達した弾性波(擬似AE波)に応じ、圧電効果によって電圧信号が発生するため、この電圧信号をプリアンプ26によって40dB増幅し、オシロスコープ27に取り込むとともに、取り込まれた電圧信号波形から最大振幅を読み取る。上記計測を、ファンクションジェネレータ25から炉外のAEセンサ23aに印加する包絡線正弦二乗波の周波数成分を数十kHzから1MHzの範囲内で変えながら実施する。
本計測例では、圧電素子23bの温度を室温(25℃)、400℃、600℃および700℃となるように管状炉の出力を設定し、各温度においてプリアンプ26を介して検出された電圧信号を計測したところ、いずれの温度においてもAEセンサ23aへの印加電圧の周波数成分を200kHzとする時に最大振幅値が得られた。そこで、この200kHzの周波数成分を持つ包絡線正弦二乗波電圧信号を印加した際に検出された、室温での最大振幅値に対する各温度での最大振幅値の比は、圧電素子23bの温度の上昇と共に増大し、400℃〜600℃の温度範囲では6倍にまで達していた。600℃以上の温度範囲ではこの振幅比は低下し、700℃では1.8倍、さらに800℃では0.3倍であった。つまり、室温での結果を基準に取った場合、800℃での信号強度は10dB低下しており、特に600℃から800℃までの約200℃の温度上昇によって最大振幅は約1/20倍、すなわち、26dBも低下したことになる。圧電体の材料としてAlNを用いているにも係わらず、700℃以上では振幅比の低下が顕著となり、AEセンサとして用いた上記従来の圧電素子の性能が低下していくことが顕著に示された。
これに対し、本発明の圧電素子に係るAE計測の具体例を以下に示す。(1)式〜(9)式を用いて上述したように、圧電体に誘電体を結合させることによって、圧電素子の時定数を向上させることが明らかとなったため、実際にその効果を検証した。具体例として、スパッタリング法によって形成した窒化アルミニウム薄膜圧電体上に、酸化物からなる誘電体層を、その上に形成するPt電極とともに焼成することによって作製した圧電素子について説明する。
薄膜圧電体および誘電体を、本実施例に係る圧電素子として採用することができるかを検証するため、まず、アルミナからなるセラミクスペースト(アレムコ社製セラマボンド503)のみをメーカーの推奨する工程に沿って焼成し誘電体とした試料を作製し、この試料を CB503 とする。
上記試料の高温での電気的特性を把握するためにインピーダンス測定を実施した。上記試料をCR並列回路とみなして、所定温度での静電容量Cおよび抵抗Rの値を計算し、測定時に用いた電極サイズと試料のサイズから比誘電率(ε)および体積抵抗率(ρ)を求めた。得られたこれらの値と時定数とを表2に示す(表2のCB503(誘電体))。さらに、計測例において用いた窒化アルミニウム薄膜圧電体についても同様にして得られた結果を表2に示した(表2の AlN)。
Figure 0005196552
表2から、430℃での両試料の時定数は同等であるが、それ以上の温度においては CB503 の方が大きな時定数を有することが分かる。つまり、この誘電体を用いて、図1に示す圧電素子を作製すれば、高温にて利用可能な圧電素子を作製できると考えられる。
表1等を用いて説明したように、圧電体と電極との間に形成される誘電体の静電容量は、圧電体の静電容量と同じまたはできる限り小さいことが好ましい。表2からわかるように、AlN薄膜の比誘電率は、誘電体である C503 の比誘電率の0.9倍〜1.5倍である。
したがって、表2に示した比誘電率の値を考慮すると、誘電体の厚さは AlN薄膜の1.1倍以上にしなければならないことがわかる。
一方、誘電体の厚さの増大、すなわち、電極までの距離が増加することは、圧電効果によって生じる電界の作用を弱めることとなる。このため、圧電素子としての機能を十分に発揮させるための臨界厚さが存在する。したがって、誘電体の厚さを、圧電素子10の誘電体4の厚さについて上述した範囲内に設定することが好ましい。
以上のような本発明者らの鋭意検討により本発明は完成されたものである。後述の実施例において、本発明に係る圧電素子が従来よりも高温での計測に用いることのできることを具体的に示す。なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔実施例1〕
本実施例では本発明に係る圧電素子を作製し、これを用いて擬似AE検出実験を実施した。図1に示す圧電素子10の構成を採用し、圧電素子10の作製は、誘電体4の厚さが70μmになるように調整し、薄膜圧電体3としての窒化アルミニウム薄膜と電極2bとしての白金電極との間に、誘電体4を形成することにより行なった。
さらに具体的に説明すると、電極2aを兼ねた基板1として厚さ200μmのインコネル601(大同特殊鋼株式会社製)からなる基板を、薄膜圧電体3として3μmのAlN薄膜を、誘電体4として、70μmのアルミナを主成分とする酸化物を用いた。誘電体4の上面には、白金からなる電極2bが形成されており、その厚さを80μmとした。誘電体としてはセラミクスペースト(アレムコ社製、製品名:セラマボンド503)を用い、メーカーの指示に従い乾燥、焼成の工程を実施した。なお、このセラマボンド503は、アルミナとアルミニウムリン酸塩とからなるペーストであり、焼成後にはアルミナを90%以上含む酸化物になる。
なお、上記圧電素子において、70μmの誘電体の静電容量は、薄膜圧電体3であるAlN薄膜の静電容量の約1/15に相当する。
上記圧電素子に対して、図7に示した擬似AE検出実験装置による評価実験を行った際に、ファンクションジェネレータ25による印加電圧と、圧電素子により圧電変換されプリアンプによって増幅された後の検出電圧の波形を記録した。図8は、この両者の電圧波形を示すグラフであり、各温度での波形を見易くするために、ベース電圧を意図的にずらして表示している。また、検出電圧の時間軸は各温度における印加電圧の時間軸と同一である。同図において示した300kHzの擬似AE波を発生させた際の検出電圧の最大振幅を比較すると、室温での最大振幅を基準にとりこれを1とした場合、これに対する各温度での最大振幅の比は、400℃で1.7倍、600℃で1.1倍、800℃で1.4倍、930℃でも2.7倍と振幅比が低下することを抑制することができた。すなわち、例えば、従来の圧電素子では、700℃程度から最大振幅の低下が観測されることに対し、本発明に係る圧電素子では、これを上回る930℃においても出力の低下が生じていない。その結果、930℃までの最大振幅の変動は、約2dBの範囲内にあり、極めて安定した圧電性に係る応答性を示すことが確認された。
したがって、本発明に係る圧電素子によれば、従来の圧電素子において問題となっていた高温における時定数の低下による出力信号の低下を抑制し、より高い温度領域において安定したAE計測が可能となる。
本発明によれば、高温領域にて使用可能な圧電素子を提供できるため、加速度センサ、圧力センサ、アコースティック・エミッション(AE)センサなどを用いる分野および圧電素子が部品として用いられる電気機器の分野において、本発明を利用することができる。
本実施の形態に係る圧電素子を示す断面図である。 (a)は従来の圧電素子に係る等価回路モデルを、(b)は本実施の形態に係る等価回路モデルを示す回路図である。 (a)は周波数およびインピーダンスの関係を示すグラフであり、(b)は周波数および位相の関係を示すグラフである。 (a)は周波数およびインピーダンスの関係を示すグラフであり、(b)は周波数および位相の関係を示すグラフである。 (a)は周波数およびインピーダンスの関係を示すグラフであり、(b)は周波数および位相の関係を示すグラフである。 (a)は周波数およびインピーダンスの関係を示すグラフであり、(b)は温度および位相の関係を示すグラフである。 擬似AE検出実験装置を示す側面図である。 擬似AE検出実験装置を用いた圧電素子の評価実験による検出電圧の波形を示すグラフである。 従来の圧電素子を示す断面図である。
符号の説明
1 基板
2a 電極(第1の電極)
2b 電極(第2の電極)
3 薄膜圧電体(圧電体)
4 誘電体
10 圧電素子
20 AE検出実験装置
21 環状電気炉
22 ウェーブガイド
23a AEセンサ
23b 圧電素子
24a・24b 断熱用蓋部材
25 ファンクションジェネレータ
26 プリアンプ
27 オシロスコープ
28 冷却機

Claims (4)

  1. 基板上に第1の電極、圧電体および第2の電極が、この順序で形成されている圧電素子であって、
    上記第1の電極および圧電体の間、並びに、上記第2の電極および圧電体の間のうち少なくとも一方の間に誘電体が積層されており、
    上記誘電体の静電容量は、圧電体の静電容量以下であり、
    上記誘電体の時定数は、圧電体の時定数よりも大きく、
    上記圧電体がウルツ鉱型の結晶構造を有することを特徴とする圧電素子。
  2. 上記圧電体の厚さが、0.5μm以上、150μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の圧電素子。
  3. 上記圧電体が窒化アルミニウムであり、
    上記誘電体が酸化アルミニウムまたは酸化シリコンの少なくとも何れかが主要成分であることを特徴とする請求項1または2に記載の圧電素子。
  4. 上記圧電体の厚さが、0.5μm以上、90μm以下であり、
    上記誘電体が酸化アルミニウムであり、誘電体の厚さが10μm以上、100μm以下であることを特徴とする請求項に記載の圧電素子。
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