JP2017145649A - 作業機械 - Google Patents
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Abstract
Description
1.作業機械
図1は本発明の第1実施形態に係る作業機械の全体構造を表す左側面図である。以降、運転席に着いたオペレータの前側(図1中左側)、後側(図1中右側)、左側(図1中紙面直交方向手前側)、右側(図1中紙面直交方向奥側)を作業機械の前、後、左、右とし、それぞれ単に前側、後側、左側、右側と記載する。また、後述する運転室については内部を透視して図示してある。
基礎構造体10は、架台11及びポスト12を含む。架台11は接地しており、ボルト(不図示)等で地面に強固に固定されている。架台11の位置や大きさは、取り鍋Wの図1に示す断面上のU字状の内壁面L1−L3のうち少なくとも底面L2及び後面L3に作業装置30の先端が届くように取り鍋Wの大きさによって高さや位置が設定されている。ポスト12は架台11の上部にボルト(不図示)等で強固に固定されている。
旋回体20は、旋回フレーム21、運転室22、カウンタウェイト23、動力室24等を備えている。
作業装置30は、作業腕31及びブレーカ32を含む。作業腕31は、ブーム33、アーム34、ブームシリンダ35(図5等参照)、アームシリンダ36及びアタッチメントシリンダ37を備えている。ブーム33は旋回体20の前部に上下方向に回動可能に連結され、アーム34はこのブーム33の先端に、ブレーカ32はこのアーム34の先端に、それぞれ回動可能に連結されている。ブームシリンダ35は旋回体20及びブーム33に、アームシリンダ36はブーム33及びアーム34に、それぞれ両端が連結されている。アタッチメントシリンダ37は、基端がアーム34の基部側に連結される一方、先端がリンク38,39を介してそれぞれアーム34の先端部及びブレーカ32に連結されている。ブームシリンダ35、アームシリンダ36及びアタッチメントシリンダ37はいずれも油圧シリンダであるが、電動シリンダを用いても良い。
図2は運転室22の内部の構造を模式的に表す透視左側面図、図3はその平面図である。図2及び図3に示したように、運転室22は、ボディ201、運転席202、操作レバー装置203L,203R及び204L,204R、操作盤205(図3参照)、コンソールボックス206L,206R、疑似窓システム300(図4参照)等を備えている。
2−1.モニタユニット
モニタユニット310は、モニタ311、保護カバー312及び表示制御装置314(図4参照)を含む。
カメラ320はモニタ311に映し出す映像を撮影するものであり、モニタ311の背面側の領域を運転室22側から見た映像が撮影できるように配置してある。カメラ320は旋回体20に取り付けられ、光軸を下に向けた姿勢(厳密には光軸が下方に向かって前側に傾斜した姿勢)で、例えば図1に示したように台座部26に、又は図2に示したように運転室22の下部に、ブラケット(不図示)を介して取り付けられている。カメラ320の光軸は、図1及び図2に示したように運転室22内の設定座標Oとモニタ311の例えば表示面の中心を通る線Xに合わせることが好ましいが、作業対象領域が撮影範囲(画角α)に収まっていれば厳密に線Xに光軸が合致している必要はない。本実施形態における設定座標Oは、運転席202に座って上体を前傾させて足元を見下ろしたオペレータの目の位置の想定座標である。設定座標Oの一例としては、運転席202を左右に等分する鉛直面内の座標であってヘッドレスト202dの水平方向の前側でシートクッション202bの前縁の鉛直方向の上側に位置する座標が挙げられる。作業対象領域とは、作業具(この例ではブレーカ32)の先端の届く範囲であって窓201e−201hを通した運転席202からの視界から外れた特定領域のことであり、本実施形態では前述した取り鍋Wの内壁面L2,L3等である。従って、モニタ311及びカメラ320は、作業対象領域と設定座標Oとの間に表示面と光軸を反対に向けて配置されていることになる。カメラ320のレンズの焦点距離や絞り値、撮像素子の大きさ等は、作業対象領域の全体が被写界深度に収まるように設定してある。
図4は疑似窓システムの模式図である。概略すると、オペレータの操作に伴って操作装置330から表示制御装置314に操作信号が出力され、操作信号に応じて表示制御装置314からモニタ311やカメラ320に指令信号が出力されてモニタ311やカメラ320が動作する。また、カメラ320から表示制御装置314には映像信号が入力され、映像信号及び操作信号に基づいた表示信号が表示制御装置314からモニタ311に出力され、カメラ320で撮影した映像がモニタ311に表示される。ここでは操作装置330について説明する。
表示制御装置314は、モニタ311に一体に取り付けられていても良いし、モニタ311とは離して配置されていても良い。電源スイッチ331aの操作に伴って操作装置330から操作信号が入力されると、表示制御装置314はモニタ311及びカメラ320に指令信号を出力してモニタ311及びカメラ320の電源を入り切りする。本実施形態はモニタ311とカメラ320を1つの電源スイッチ331aで入り切りする例であるが、モニタ311とカメラ320の電源スイッチを別々にしても良い。ズームインスイッチ331bの操作に伴って操作装置330から操作信号が入力されると、表示制御装置314はカメラ320に指令信号を出力し、カメラ320の焦点距離を伸ばしていく(ズームインしていく)。ズームアウトスイッチ331cの操作に伴って操作装置330から操作信号が入力されると、表示制御装置314はカメラ320に指令信号を出力し、カメラ320のレンズの焦点距離を縮めていく(ズームアウトしていく)。
作業機械100A及び取り鍋Wが図1のようにセットされたら、オペレータは運転室22に乗り込み、運転席202に着いて所定の手続きにより作業装置100が駆動できる状態とし、電源スイッチ331aを操作して疑似窓システム300を起動する。これによりカメラ320で撮影された映像(動画)がモニタ311に映し出され、作業対象領域の現在の様子をモニタ311で視認することができる。オペレータは、運転席202に座った状態で足元を見下ろし、モニタ311で作業対象領域を見ながら、操作レバー装置203L,203Rを操作して旋回体20を旋回させたり作業装置30を駆動したりし、取り鍋Wの内壁面の耐火煉瓦や付着金属をブレーカ32によって剥がしていく。このとき、例えば作業に慎重を要するような場合等、必要に応じて操作装置330を適宜操作してズーム機能や表示拡大、表示範囲の位置調整等を利用することもできる。
(1)作業性の向上
運転室22の内壁(本実施形態では床201i)に疑似窓としてモニタ311を設け、カメラ320で撮影した作業対象領域の様子をリアルタイムでモニタ311に映し出すことができる。作業対象領域は運転席202に座ったオペレータから見てモニタ311越しの位置にあり、その映像は運転席202に着いたオペレータの視線方向からカメラ320で捉えたものである。そのため、運転席202に座った状態では光学的な窓から作業対象領域(この例では例えば内壁面L2,L3)が見えない場合でも、オペレータは運転席202に座って作業対象領域の方向に視線を向けて、モニタ311を介してあたかも作業対象領域を直接見ているような感覚で違和感なく操作することができる。このように運転室22の前窓201eから視認できない作業対象領域を違和感なく、つまりは恰も直接見ているが如くモニタリングしながら操作することができる。また、運転席202に座って作業対象領域の方角に目を向けた自然な姿勢で操作することができるので、運転席202から立って身を乗り出すような無理な姿勢で操作する必要もない。従って、作業性を向上させることができる。
仮に運転室22の下方の作業対象領域(内壁面L2,L3等)を見下ろす覗き窓を設ける場合、床201iを開口させることになる分、運転室22のボディ201の剛性が低下し得る。本実施形態においては、覗き窓の開口させる必要がなく、モニタ311等を収容するスペースを床201iに設ける場合でもスペースはモニタ311で埋まる。従って、覗き窓を開口させる場合に比べてボディ201の構造強度を向上させることができる。
仮に覗き窓を開口させる場合には設置スペースに余裕があったとしてもボディ201の強度の観点から覗き窓の面積をあまり大きくすることができない。また格子等の補強又は保護のための部材を設ける必要があり、これが視界の邪魔になる。それに対し、本実施形態の場合、覗き窓を開口させる場合のようなボディ201の強度の低下がないため、設置スペースの余裕に応じて大きなモニタ311を設置することができる。視界を邪魔する構造物も必要ない。従って、図3等に示したように運転席202の座面よりも幅が広く床201iにおける運転席202の前側の領域を広く占める大型のモニタ311を設置することができ、上記基本表示の条件下でも覗き窓を設ける場合に比べて広い視野を確保する上で有利である。
本実施形態ではオペレータの足元にモニタ311が配置されるため、モニタ311に直接荷重が加わることが望ましくない場合には、運転中や乗降時等にモニタ311を踏まないようにオペレータに慎重な行動を強いることとなり、負担となり得る。そこで本実施形態ではモニタ311を保護カバー312で覆うことにより、モニタユニット310を踏んでも差し支えがなく、オペレータの負担を軽減することができる。
図1に示した取り鍋Wを対象として本体を必要以上に傷付けることなく耐火煉瓦や付着金属のみをブレーカ32ではつる作業には精度が要求される。本実施形態ではカメラ320のズーム機能やモニタ311の表示拡大機能により作業対象領域の特定の箇所を適宜大写しにすることができるので、作業精度向上への貢献が期待できる。大型のモニタ311に大写しにすることで、一層の効果が期待できる。
第1実施形態では取り鍋Wを解体する作業機械100Aの運転室22の床201iにモニタ311を設けた場合を例に挙げて説明したが、適用対象は取り鍋Wを解体する作業機械に限定されない。作業対象領域が運転室の下方にあり、運転席に座った状態では運転室の前窓から作業領域を見ることができない作業機械全般に対して同様に適用できる。以下に幾つかの適用例を変形例として例示する。
図5は本発明の第1実施形態の一変形例に係る作業機械の全体構造を表す左側面図である。この図において説明済みの要素に対応する要素については、既出図面と同符号を付して説明を省略する。
図6は本発明の第1実施形態の他の変形例に係る作業機械の全体構造を表す左側面図である。この図において説明済みの要素に対応する要素については、既出図面と同符号を付して説明を省略する。
図7は本発明の第1実施形態の更に他の変形例に係る作業機械の全体構造を表す左側面図である。この図において説明済みの要素に対応する要素については、既出図面と同符号を付して説明を省略する。
図9は本発明の第2実施形態に係る作業機械の全体構造を表す左側面図である。第1実施形態と同様、運転席に着いたオペレータの前側(図9中左側)、後側(図9中右側)、左側(図9中紙面直交方向手前側)、右側(図9中紙面直交方向奥側)を作業機械の前、後、左、右とし、それぞれ単に前側、後側、左側、右側と記載する。この図において説明済みの要素に対応する要素については、既出図面と同符号を付して説明を省略する。
以上、第1実施形態及びその変形例においては運転室22,22Aの床201iにモニタ311を設置した例を説明したが、床201iに対するモニタ311の設置態様は先に図2及び図3で説明した態様に限定されない。例えば透明な保護カバー312でモニタ311を覆う代わりに開閉扉や蓋でモニタ311を覆い、不使用時には開閉扉や蓋を閉めてモニタ311を保護する構成もある。保護カバー312が床201iと面一となる構成を例示したが、床201iを掘り下げず薄型のモニタを床201i上に設置した構成(床201iの上面よりモニタ311又は保護カバー312の上面が高くなった構成)でも良い。
Claims (7)
- 基礎構造体と、
運転席を収容した運転室を有し前記基礎構造体上に設けられた旋回体と、
前記旋回体に連結された作業腕と、
前記作業腕に装着された作業具とを備えた作業機械において、
表示面を前記運転室の内側に向けて前記運転室の内壁に設けた疑似窓であるモニタと、
前記モニタの背面側の領域を前記運転室側から撮影するように配置したカメラとを備え、
前記カメラで撮影した映像が前記モニタに表示されることを特徴とする作業機械。 - 請求項1の作業機械において、前記モニタが、前記運転室の床における前記運転席の前側に設けられていることを特徴とする作業機械。
- 請求項2の作業機械において、前記モニタを覆う保護カバーを備えたことを特徴とする作業機械。
- 請求項2の作業機械において、レバー及び前記レバーの操作に応じた操作信号を出力する操作信号出力装置を有する操作レバー装置が前記運転席の前側に備えられており、前記操作信号出力装置が前記モニタの下側に位置するように前記運転室の床下に配置されていることを特徴とする作業機械。
- 請求項1の作業機械において、前記モニタが、前記運転室の天井に設けられていることを特徴とする作業機械。
- 請求項1の作業機械において、前記モニタの幅は、前記運転席の座面の幅以上であることを特徴とする作業機械。
- 請求項1の作業機械において、前記モニタの表示面と内法寸法が同じ窓枠を前記モニタに置換した場合に前記運転室内の設定座標から前記窓枠を通して見える視野に前記モニタの表示が合うように、前記カメラのレンズの焦点距離、撮像素子の大きさ、前記モニタのサイズ及び視野率が設定してあることを特徴とする作業機械。
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