JP2017145257A - 少なくとも1種類のジヒドロキシフラバノールと、マンガン塩または亜鉛塩と、過酸化水素と、(重)炭酸塩と、アルカリ剤と、マグネシウム塩、モリブデン塩、またはカルシウム塩とを使用する染毛方法 - Google Patents
少なくとも1種類のジヒドロキシフラバノールと、マンガン塩または亜鉛塩と、過酸化水素と、(重)炭酸塩と、アルカリ剤と、マグネシウム塩、モリブデン塩、またはカルシウム塩とを使用する染毛方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】本発明は、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトケラチン繊維の染色方法に関し、前記繊維は、成分:a)1種類以上のジヒドロキシフラバノール誘導体と、b)1種類以上のマンガン塩または1種類以上の亜鉛塩と、c)過酸化水素または1種類以上の過酸化水素生成系と、d)1種類以上の(重)炭酸塩または1種類以上の(重)炭酸塩生成系と、e)重炭酸塩以外の1種類以上のアルカリ化剤と、f)マグネシウム塩、モリブデン塩、およびカルシウム塩から選択される1種類以上の金属塩と、を一緒にまたは別々に含有する1つ以上の化粧品組成物を用いて処理され:成分a)、b)、d)、e)、および/またはf)の少なくとも1つを含む少なくとも1つの組成物のpHはアルカリ性であり、すなわち7を超え、成分f)は、他の成分a)〜e)の少なくとも1つとともに塗布され、すなわち同時処理として塗布されるものと理解される。
【選択図】なし
Description
a)1種類以上のジヒドロキシフラバノール誘導体と、
b)1種類以上のマンガン塩または1種類以上の亜鉛塩と、
c)過酸化水素または1種類以上の過酸化水素生成系と、
d)1種類以上の(重)炭酸塩または1種類以上の(重)炭酸塩生成系と、
e)重炭酸塩以外の1種類以上のアルカリ化剤と、
f)マグネシウム塩、モリブデン塩、およびカルシウム塩から選択される1種類以上の金属塩と;
を一緒にまたは別々に含有する1つ以上の化粧品組成物を用いて1つ以上のステップで処理され:
成分a)、b)、d)、e)、および/またはf)の少なくとも1つを含む少なくとも1つの組成物のpHはアルカリ性であり、すなわち7を超え、
成分f)は、他の成分a)〜e)の少なくとも1つとの同時処理として塗布されるものと理解される。
化合物a)、b)、およびc)との混合物中に見られる、
あるいは化合物a)、b)、およびc)を含む化粧品組成物の塗布後に別個に塗布される、
あるいは成分a)およびb)を含む化粧品組成物の塗布後に、化合物c)とともに塗布される、
のいずれかである。
a)1種類以上のジヒドロキシフラバノール誘導体と、
b)1種類以上のマンガン塩または1種類以上の亜鉛塩と、
c)過酸化水素または1種類以上の過酸化水素生成系と、
d)1種類以上の(重)炭酸塩または1種類以上の(重)炭酸塩生成系と、
e)重炭酸塩以外の1種類以上のアルカリ化剤と、
f)マグネシウム塩、モリブデン塩、およびカルシウム塩から選択される1種類以上の金属塩と、を含むケラチン繊維を染色するための化粧品組成物であり、
組成物のpHはアルカリ性であり、すなわち7を超え、好ましくは8〜12の間であると理解される。これは特に8〜10.5の間である。
a)1種類以上のジヒドロキシフラバノール誘導体と、
b)1種類以上のマンガン塩または1種類以上の亜鉛塩と、
c)過酸化水素または1種類以上の過酸化水素生成系と、
d)1種類以上の(重)炭酸塩または1種類以上の(重)炭酸塩生成系と、
e)重炭酸塩以外の1種類以上のアルカリ化剤と、
f)マグネシウム塩、モリブデン塩、およびカルシウム塩から選択される1種類以上の金属塩と、を含む多区画装置に関し、
成分a)、b)、d)、e)、および/またはf)の少なくとも1つを含む少なくとも1つの組成物のpHはアルカリ性であり、すなわち7を超え、好ましくは8〜12の間であることが理解される。これは特に8〜10.5の間である。
「飽和または不飽和で縮合していてもよい環」は、置換されていてもよい。
ハロゲン原子;
ヒドロキシル基;
C1〜C2アルコキシ基;
C1〜C10アルコキシカルボニル基;
C2〜C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基;
アミノ基;
5または6員のヘテロシクロアルキル基;
(C1〜C4)アルキル基、優先的にはメチルで置換されていてもよい、場合により陽イオンである5または6員のヘテロアリール基、優先的にはイミダゾリウム;
1つまたは2つの同一または異なるC1〜C6アルキル基で置換されたアミノ基であって、少なくとも:
*1つのヒドロキシル基、
*1つまたは2つの置換されていてもよいC1〜C3アルキル基で置換されていてもよい1つのアミノ基であって、前記アルキル基は、それらが結合する窒素原子とともに、置換されていてもよく、窒素と同一または異なる少なくとも1つの別のヘテロ原子を場合により含む、飽和または不飽和の5〜7員の複素環を場合により形成する、1つのアミノ基、
*1つの第4級アンモニウム基−N+R’R’’R’’’M−(式中、R’、R’’、およびR’’’は、同一でも異なっていてもよく、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表し;M−は、対応する有機酸、無機酸、またはハロゲン化物の対イオンを表す)、
*または、(C1〜C4)アルキル基、優先的にはメチルで置換されていてもよい、場合により陽イオンである5または6員のヘテロアリール基、優先的にはイミダゾリウム、
を場合により有する、アミノ基;
アシルアミノ(−NR−COR’)基(式中、R基は、水素原子、または少なくとも1つのヒドロキシル基を場合により有するC1〜C4アルキル基であり、R’基は、C1〜C2アルキル基である);カルバモイル((R)2N−CO−)基(式中、R基は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、または少なくとも1つのヒドロキシル基を場合により有するC1〜C4アルキル基を表す);アルキルスルホニルアミノ(R’SO2−NR−)基(式中、R基は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、または少なくとも1つのヒドロキシル基を場合により有するC1〜C4アルキル基を表し、R’基は、C1〜C4アルキル基またはフェニル基を表す);アミノスルホニル((R)2N−SO2−)基(式中、R基は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、または少なくとも1つのヒドロキシル基を場合により有するC1〜C4アルキル基を表す);
酸または塩化された(好ましくはアルカリ金属、あるいは置換または非置換のアンモニウムで塩化された)形態のカルボキシル基;
シアノ基;
ニトロ基;
カルボキシル基またはグリコシルカルボニル基;
1つ以上のヒドロキシル基で置換されていてもよいフェニルカルボニルオキシ基;
グリコシルオキシ基;ならびに
1つ以上のヒドロキシル基で置換されていてもよいフェニル基、
から選択される、少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい。
ヒドロキシル基、C1〜C2アルコキシ基、(ポリ)ヒドロキシ(C2〜C4)アルコキシ基、アシルアミノ基、アミノ基であって、少なくとも1つのヒドロキシル基を場合により有する2つの同一または異なるC1〜C4アルキル基、あるいはそれらが結合する窒素原子とともに、飽和または不飽和で、置換されていてもよい5〜7員の、好ましくは5または6員の、窒素と同じまたは異なる別のヘテロ原子を場合により含む複素環を場合により形成するそのような2つの基で置換されたアミノ基から選択される1つ以上の基で置換されていてもよい、C1〜C10、好ましくはC1〜C8アルキル基;
ハロゲン原子;
ヒドロキシル基;
C1〜C2アルコキシ基;
C1〜C10アルコキシカルボニル基;
(ポリ)ヒドロキシ(C2〜C4)アルコキシ基;
アミノ基;
5または6員のヘテロシクロアルキル基;
(C1〜C4)アルキル基、優先的にはメチルで置換されていてもよい、場合により陽イオンである5または6員のヘテロアリール基、優先的にはイミダゾリウム;
1つまたは2つの同一または異なるC1〜C6アルキル基で置換されたアミノ基であって、少なくとも:
*1つのヒドロキシル基、
*1つまたは2つの置換されていてもよいC1〜C3アルキル基で置換されていてもよい1つのアミノ基であって、前記アルキル基は、それらが結合する窒素原子とともに、飽和または不飽和であり置換されていてもよく、窒素と同一または異なる少なくとも1つの別のヘテロ原子を場合により含む、5〜7員の複素環を場合により形成する、1つのアミノ基、
*1つの第4級アンモニウム基−N+R’R’’R’’’M−(式中、R’、R’’、およびR’’’は、同一でも異なっていてもよく、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表し;M−は、対応する有機酸、無機酸、またはハロゲン化物の対イオンを表す)、
*または(C1〜C4)アルキル基、優先的にはメチルで置換されていてもよい、場合により陽イオンである1つの5または6員のヘテロアリール基、優先的にはイミダゾリウム、を場合により有する、アミノ基;
アシルアミノ(−NR−COR’)基(式中、R基は、水素原子、または少なくとも1つのヒドロキシル基を場合により有するC1〜C4アルキル基であり、R’基は、C1〜C2アルキル基である);カルバモイル((R)2N−CO−)基(式中、R基は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、または少なくとも1つのヒドロキシル基を場合により有するC1〜C4アルキル基を表す);アルキルスルホニルアミノ(R’SO2−NR−)基(式中、R基は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、または少なくとも1つのヒドロキシル基を場合により有するC1〜C4アルキル基を表し、R’基は、C1〜C4アルキル基またはフェニル基を表す);アミノスルホニル((R)2N−SO2−)基(式中、R基は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、または少なくとも1つのヒドロキシル基を場合により有するC1〜C4アルキル基を表す)、
酸または塩化された(好ましくはアルカリ金属、あるいは置換または非置換のアンモニウムで塩化された)形態のカルボキシル基;
シアノ基;
ニトロ基;
ポリハロアルキル基、優先的にはトリフルオロメチル;
カルボキシル基またはグリコシルカルボニル基;
1つ以上のヒドロキシル基で置換されていてもよいフェニルカルボニルオキシ基;
グリコシルオキシ基;および
1つ以上のヒドロキシル基で置換されていてもよいフェニル基、
から選択される、少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい。
本発明によると、染色方法では、1種類以上のジヒドロキシフラバノール誘導体が使用される。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9は、同一または異なるものであって:
水素原子、
ハロゲン原子、
ヒドロキシル基、
(C1〜C6)アルキル基、
(C1〜C6)アルコキシ基、
(C1〜C6)アルキルチオ基、
カルボキシル基、
アルコキシカルボニル基、
置換されていてもよいアミノ基、
置換されていてもよい直鎖状または分枝状のアルケニル基、
置換されていてもよいシクロアルキル基、
アリール基、
置換アリール基、
1つ以上のケイ素原子を含有する基、
(ジ)((ヒドロキシ)(C1〜C6)アルキル)アミノ基、
−O−糖基、たとえば−O−グルコシド、
R−Z−C(X)−Y−基(式中、Rは、水素原子または(C1〜C6)アルキル基を表し、YおよびZは、同一でも異なっていてもよく、結合、酸素原子または硫黄原子、あるいは−N(R’)−基を表し、R’は、水素原子または(C1〜C6)アルキル基を表し、Yは、場合により(C1〜C6)アルキレン基をも表し、Xは、酸素原子または硫黄原子、あるいはN−R’’を表し、R’’は、水素原子または(C1〜C6)アルキル基を表す);
を表し、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9から選択される少なくとも2つの隣接する基はヒドロキシル基を表すものと理解される)。
ジヒドロキシフラバノール類、たとえばカテキンおよびエピカテキンガレート、プロアントシアニドール(proanthocyanidol)類または縮合型タンニン類と呼ばれるそれらのオリゴマーおよびポリマー、たとえばテアフラビン、テアフラビン3’−O−ガレート、テアフラビン3,3’−O−ジガレート、ならびにプロアントシアニジンA1、A2、B1、B2、B3、およびC1;
ならびに上記化合物の混合物
である。
本発明の特定の一実施形態によると、染色方法は、ジヒドロキシフラバノール誘導体a)以外の1種類以上のオルト−ジフェノール誘導体を使用することができる。
水素原子、
ハロゲン原子、
ヒドロキシル基、
カルボキシル基、
アルコキシカルボニル基、
置換されていてもよいアミノ基、
置換されていてもよい直鎖状または分枝状のアルキル基、
置換されていてもよい直鎖状または分枝状のアルケニル基、
置換されていてもよいシクロアルキル基、
アルコキシ基、
アルコキシアルキル基、
アリール基が置換されていてもよいアルコキシアリール基、
アリール基、
置換アリール基、
飽和または不飽和の複素環式基であって、カチオンまたはアニオン電荷を有してもよく、置換されていてもよく、および/または芳香環、好ましくはベンゼン環と縮合していてもよく、前記芳香環は、特に1つ以上のヒドロキシルまたはグリコシルオキシ基で置換されていてもよい、複素環式基、
1つ以上のケイ素原子を含有する基、
を表す、
あるいは、2つの隣接する炭素原子に結合した2つの置換基R1−R2、R2−R3、またはR3−R4が、それらが結合する炭素原子とともに、1つ以上のヘテロ原子を場合により有し、1つ以上のヘテロ原子を場合により有する1つ以上の飽和または不飽和の環と場合により縮合した、飽和または不飽和で芳香族または非芳香族の環を形成する。特に、R1〜R4が一緒になって1〜4個の環を形成する。
アントシアニジン類、たとえばシアニジン、デルフィニジンまたはペツニジン、
アントシアニン類またはアントシアン類、たとえばミルチリン、
オルト−ヒドロキシベンゾエート類、たとえば没食子酸塩、
オキシル化(たとえばグルコシル化)されていてもよいヒドロキシスチルベン類、たとえば3,3’,4,5’−テトラヒドロキシスチルベン、
3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンおよびその誘導体、
2,3−ジヒドロキシフェニルアラニンおよびその誘導体、
4,5−ジヒドロキシフェニルアラニンおよびその誘導体、
ジヒドロキシシンナメート類、たとえばコーヒー酸およびクロロゲン酸、
オルト−ポリヒドロキシクマリン類、
オルト−ポリヒドロキシイソクマリン類、
オルト−ポリヒドロキシクマロン類、
オルト−ポリヒドロキシイソクマロン類、
オルト−ポリヒドロキシカルコン類、
オルト−ポリヒドロキシクロモン類、
キノン類、
ヒドロキシキサントン類、
1,2−ジヒドロキシベンゼンおよびその誘導体、
1,2,4−トリヒドロキシベンゼンおよびその誘導体、
1,2,3−トリヒドロキシベンゼンおよびその誘導体、
2,4,5−トリヒドロキシトルエンおよびその誘導体、
プロアントシアニジン類、特にプロアントシアニジンA1、A2、B1、B2、B3、およびC1、
プロアントシアニン類、
タンニン酸、
エラグ酸、
ならびに上記化合物の混合物
である。
本発明による染色方法では、1種類以上のマンガン(Mn)塩または1種類以上の亜鉛(Zn)塩が使用される。マンガン塩または亜鉛塩は、染色方法の間に使用される1つ以上の化粧品組成物中に使用することができる。
本発明の状況においては、第3の構成要素は、過酸化水素または過酸化水素生成系であり、たとえば:
a)尿素過酸化水素;
b)特に、粉末形態の、過酸化水素を放出可能なポリマー錯体、たとえばポリビニルピロリドン/H2O2、ならびに米国特許第5,008,093号明細書、米国特許第3,376,110号明細書、および米国特許第5,183,901号明細書に記載の他のポリマー錯体;
c)好適な基質(たとえばグルコースオキシダーゼの場合のグルコース、またはウリカーゼの場合の尿酸)の存在下で過酸化水素を生成するオキシダーゼ類;
d)水中で過酸化水素を生成する金属過酸化物、たとえば過酸化カルシウムまたは過酸化マグネシウム;
e)過ホウ酸塩類;あるいは
f)過炭酸塩類
である。
本発明によると、染色方法では、1種類以上の(重)炭酸塩、または1種類以上の(重)炭酸塩生成系が使用される。
a)アルカリ金属の炭酸塩(Met+ 2CO3 2−)、アルカリ土類金属の炭酸塩(Met’2+CO3 2−)、アンモニウムの炭酸塩((R’’4N+)2CO3 2−)、またはホスホニウムの炭酸塩((R’’4P+)2CO3 2−)(式中、Met’はアルカリ土類金属を表し、Metはアルカリ金属を表し、R’’は、同一または異なるものであって、水素原子、または置換されていてもよい(C1〜C6)アルキル基、たとえばヒドロキシエチルを表す)、
b)以下の式:
R’+HCO3 −(式中、R’は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基R’’4N+−、またはホスホニウム基R’’4P+−を表し、R’’は、同一または異なるものであって、水素原子、または置換されていてもよい(C1〜C6)アルキル基、たとえばヒドロキシエチルを表し、R’が水素原子を表す場合、その炭酸水素塩は炭酸二水素塩(CO2,H2O)と呼ばれる);および
Met’2+(HCO3 −)2(式中、Met’はアルカリ土類金属を表す)
の炭酸水素塩とも呼ばれる重炭酸塩
から選択される。
本発明による染色方法において第5の成分として使用されるアルカリ化剤は、前述の定義の(重)炭酸塩d)とは異なる。これは、その物質が存在する組成物のpHを増加させることを可能にする物質である。アルカリ化剤は、ブレンステッド、ローリー、またはルイス塩基である。これは無機または有機であってよい。
Wは、特にヒドロキシル基またはC1〜C4アルキル基で置換されていてもよい、二価の(C1〜C8)アルキレン基、好ましくはプロピレン基であり;
Ra、Rb、Rc、およびRdは、同一または異なるものであって、水素原子またはC1〜C4アルキルまたはC1〜C4ヒドロキシアルキル基を表す)
の化合物から選択される。
本発明によると、本発明による染色方法では、さらに、マグネシウム塩、モリブデン塩、およびカルシウム塩から選択される1種類以上の金属塩が使用される。
a)Mo(V)、(IV)、および(III)の6つのハロゲンが6配位した酸化状態(II)〜(VI)の二元モリブデンハロゲン化物であって、モリブデン原子はハロゲンを介して結合し、たとえば[Mo6Hal8]4+クラスターを含有するハロゲン化Mo(II)がハロゲン原子に結合してMo6Hal12が得られる(ここで、Halは、同一または異なるものであって、ハロゲン原子を表し、特にHalはClを表す)二元モリブデンハロゲン化物;
b)モリブデン四ハロゲン化物(Hal’)4Mo(ここでHal’は、同一または異なるものであって、ハロゲン原子を表す)、特にMoCl4;
c)モリブデン硫黄誘導体であって:
二硫化モリブデン[1317−33−5]、硫化モリブデン(IV)MoS2;
セスキ硫化モリブデン[12033−33−9];三硫化二モリブデン(III)Mo2S3、から選択されるモリブデン硫黄誘導体;
d)酢酸モリブデン二量体[14221−06−8]。
本発明の一実施形態によると、本発明の方法に、好ましくは水が含まれる。これは、ケラチン繊維の水分、および/または前述の定義の化合物a)〜f)を含む組成物、または1種類以上の他の組成物に由来するものであってよい。
本発明による化粧品組成物は化粧品的に許容され、すなわちこれらは、水、または水と1種類以上の有機溶媒との混合物、または有機溶媒の混合物を一般に含む染色担体を含む。
言及できる有機溶媒の例としては、低級C1〜C4アルカノール類、たとえばエタノールおよびイソプロパノール;ポリオール類およびポリオールエーテル類、たとえば2−ブトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、またはヘキシレングリコール;ならびに芳香族アルコール類、たとえばベンジルアルコールまたはフェノキシエタノールが挙げられる。
本発明による染色方法の組成物は、染毛組成物に従来使用される種々の補助剤をも含有することができ、たとえば、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性、または両性イオン性の界面活性剤、あるいはそれらの混合物、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性、または両性イオン性のポリマー、あるいはそれらの混合物、無機または有機の増粘剤、特にアニオン性、カチオン性、非イオン性、および両性のポリマー結合性増粘剤、酸化防止剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、香料、緩衝剤、分散剤、調整剤、たとえば揮発性または不揮発で変性または未変性のシリコーン類、膜形成剤、セラミド類、防腐剤、および乳白剤を含有することができる。
前述の定義の成分a)〜f)を使用する染色方法は、1種類以上のさらなる直接染料をも使用することができる。これらの直接染料は、たとえば、直接染色に従来使用されるものから選択され、それらの中では、あらゆる一般に使用される芳香族および/または非芳香族の染料、たとえば中性、酸性、またはカチオン性のニトロベンゼン直接染料、中性、酸性、またはカチオン性のアゾ直接染料、オルト−ジフェノール類以外の天然直接染料、中性、酸性、またはカチオン性のキノン、特にアントラキノン直接染料、アジン、トリアリールメタン、インドアミン(indoamine)、メチン、スチリル、ポルフィリン、金属ポルフィリン、フタロシアニンおよびメチンシアニン直接染料、ならびに蛍光染料を挙げることができる。
本発明によると、成分a)、b)、d)、e)、および/またはf)の少なくとも1つを含む少なくとも1つの化粧品組成物のpHはアルカリ性であり、すなわち7を超え、好ましくは8〜12の間、特に8〜10の間である。
本発明の特定の一実施形態は、1つまたは2つのステップにおける染色方法に関する。
a)1種類以上のジヒドロキシフラバノール誘導体と、
b)1種類以上のマンガン塩または1種類以上の亜鉛塩と、
c)過酸化水素または1種類以上の過酸化水素生成系と、
d)1種類以上の(重)炭酸塩または1種類以上の(重)炭酸塩生成系と、
e)重炭酸塩以外の1種類以上のアルカリ化剤と、
f)マグネシウム塩、モリブデン塩、およびカルシウム塩から選択される1種類以上の金属塩と;
を含む水性染色組成物をケラチン繊維に塗布する1つのステップで行われる。
i)a)1種類以上のジヒドロキシフラバノール誘導体、b)マンガンのカルボン酸塩から選択される1種類以上のマンガン塩、およびc)過酸化水素を含む化粧品組成物と、
ii)d)重炭酸アンモニウム類から選択される1種類以上の(重)炭酸塩、およびe)アルカノールアミン類から選択される1種類以上のアルカリ化剤を含む化粧品組成物と、をケラチン繊維に塗布する2つのステップで行われ、
成分d)およびe)を含む組成物はアルカリ性pHを示し、すなわちpHが7を超え、特に8〜10の間であると理解される。
本発明の別の主題は、多区画染色装置またはキットである。好都合には、このキットは、成分a)1種類以上のジヒドロキシフラバノール誘導体、b)1種類以上のマンガン塩または1種類以上の亜鉛塩、c)過酸化水素または1種類以上の過酸化水素生成系、d)1種類以上の(重)炭酸塩または1種類以上の重炭酸塩生成系、e)(重)炭酸塩以外の1種類以上のアルカリ化剤、ならびにf)マグネシウム塩、モリブデン塩、またはカルシウム塩から選択される1種類以上の金属塩が分配された2〜7つの組成物を含有する2〜7つの区画を含み、前記組成物は水性または粉末状であってよく、特に前記組成物の少なくとも1つが水性である。
(I)第1の区画は:
a)1種類以上のジヒドロキシフラバノール誘導体を含む組成物を含有し、
(II)第2の区画は:
b)1種類以上のマンガン塩または1種類以上の亜鉛塩、
c)過酸化水素または1種類以上の過酸化水素生成系
を含む組成物を含有し、
(iii)第3の区画は:
d)1種類以上の(重)炭酸塩または1種類以上の(重)炭酸塩生成系と、
e)(重)炭酸塩以外の1種類以上のアルカリ化剤と、
を含む組成物を含有し、
(iv)a第4の区画は:
f)マグネシウム塩、モリブデン塩、およびカルシウム塩から選択される1種類以上の金属塩を含む組成物を含有する。
以下の実施例において、本発明による染色方法と、マグネシウム塩の使用を含まないことを除けば同一の染色方法との間で、色度C*を比較した。
各組成物A1、A2、A3、およびA4を、パーマがかかった90%の白髪を含む毛髪の房に、毛髪1グラム当たり12グラムの組成物の比率で塗布する。次に、組成物を房上で50℃の温度で30分間放置する。
本発明による染色方法と、マグネシウム塩を使用しない同じ方法との間で色度C*を比較する。
以下の実施例において、本発明による染色方法と、モリブデン塩の使用を含まないことを除けば同一の染色方法との間で、色度C*を比較した。
組成物A5を、パーマがかかった90%の白髪を含む毛髪の房に、毛髪1グラム当たり12グラムの組成物の比率で塗布する。次に、組成物を房上で50℃の温度で30分間放置する。
色度C*を式(III)に従って計算し、その値を以下の表に示している。
以下の実施例において、本発明による染色方法と、マグネシウム塩を含む組成物の使用を含まないことを除けば同一の染色方法との間で、色度C*を比較した。
各組成物A6、A7、およびA8を、パーマがかかった90%の白髪を含む毛髪の房に、毛髪1グラム当たり12グラムの組成物の比率で塗布する。次に、組成物を房上で50℃の温度で30分間放置する。
色度C*を式(III)に従って計算し、その値を以下の表に示している。
Claims (16)
- ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトケラチン繊維の染色方法であって、前記繊維は、下記成分:
a)1種類以上のジヒドロキシフラバノール誘導体と、
b)1種類以上のマンガン塩または1種類以上の亜鉛塩と、
c)過酸化水素または1種類以上の過酸化水素生成系と、
d)1種類以上の(重)炭酸塩または1種類以上の(重)炭酸塩生成系と、
e)重炭酸塩以外の1種類以上のアルカリ化剤と、
f)マグネシウム塩、モリブデン塩、およびカルシウム塩から選択される1種類以上の金属塩と;
を一緒にまたは別々に含有する1つ以上の化粧品組成物を用いて処理され:
前記成分a)、b)、d)、e)、および/またはf)の少なくとも1つを含む少なくとも1つの組成物のpHはアルカリ性であり、すなわち7を超え、
前記成分f)は、他の成分a)〜e)の少なくとも1つとの同時処理として塗布されるものと理解される、方法。 - 前記ジヒドロキシフラバノール誘導体が、天然ジヒドロキシフラバノール誘導体から選択されることを特徴とする請求項1に記載の染色方法。
- 前記ジヒドロキシフラバノール誘導体が、下記式(I)の化合物、ならびにそれらの有機塩または無機酸塩、それらの光学異性体、幾何異性体、および互変異性体、ならびに水和物などのそれらの溶媒和物を表すことを特徴とする請求項1または2に記載の染色方法:
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9は、同一または異なるものであって:
水素原子、
ハロゲン原子、
ヒドロキシル基、
(C1〜C6)アルキル基、
(C1〜C6)アルコキシ基、
(C1〜C6)アルキルチオ基、
カルボキシル基、
アルコキシカルボニル基、
置換されていてもよいアミノ基、
置換されていてもよい直鎖状または分枝状のアルケニル基、
置換されていてもよいシクロアルキル基、
アリール基、
置換アリール基、
1つ以上のケイ素原子を含有する基、
(ジ)((ヒドロキシ)(C1〜C6)アルキル)アミノ基、
−O−糖基、たとえば−O−グルコシド、
R−Z−C(X)−Y−基(式中、Rは、水素原子または(C1〜C6)アルキル基を表し、YおよびZは、同一でも異なっていてもよく、結合、酸素原子または硫黄原子、あるいは−N(R’)−基を表し、R’は、水素原子または(C1〜C6)アルキル基を表し、Yは、場合により(C1〜C6)アルキレン基をも表し、Xは、酸素原子または硫黄原子、あるいはN−R’’を表し、R’’は、水素原子または(C1〜C6)アルキル基を表す);
を表し、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9から選択される少なくとも2つの隣接する基はヒドロキシル基を表すものと理解される)。 - 前記ジヒドロキシフラバノール誘導体が:
ジヒドロキシフラバノール類、たとえばカテキンおよびエピカテキンガレート、プロアントシアニドール類または縮合型タンニン類と呼ばれるそれらのオリゴマーおよびポリマー、たとえばテアフラビン、テアフラビン3’−O−ガレート、テアフラビン3,3’−O−ジガレート、ならびにプロアントシアニジンA1、A2、B1、B2、B3、およびC1;
ならびに上記化合物の混合物、
から選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の染色方法。 - 前記天然ジヒドロキシフラバノール誘導体が、動物、細菌、菌類、藻類、植物、および果実の抽出物から選択されることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の染色方法。
- 前記マンガン塩が:
i)酸化マンガン、ならびに
ii)ハロゲン化物、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、および過塩素酸塩、カルボン酸塩、たとえばグルコン酸塩、ならびにそれらの混合物
から選択され、
前記亜鉛塩が、硫酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、塩化亜鉛、乳酸亜鉛、酢酸亜鉛、グリシン酸亜鉛、およびアスパラギン酸亜鉛から選択され;
特に、前記塩b)がマンガンのカルボン酸塩であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の染色方法。 - 前記成分c)が過酸化水素または尿素過酸化水素であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の染色方法。
- 前記(重)炭酸塩が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはアンモニウムの(重)炭酸塩であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の染色方法。
- 前記重炭酸塩以外のアルカリ剤が:
アンモニア水、
アルカノールアミン類、
オキシエチレン化エチレンジアミン類、
オキシプロピレン化エチレンジアミン類、
無機または有機の水酸化物類、
アルカリ金属ケイ酸塩類、
アミノ酸類、および
以下の式(III):
Wは、特にヒドロキシル基またはC1〜C4アルキル基で置換されていてもよい、二価の(C1〜C8)アルキレン基、好ましくはプロピレン基であり;
Ra、Rb、Rc、およびRdは、同一または異なるものであって、水素原子またはC1〜C4アルキルまたはC1〜C4ヒドロキシアルキル基を表す)
の化合物から選択され、
好ましくは、前記アルカリ剤は、アルカノールアミン類、特にモノエタノールアミンから選択されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の染色方法。 - 前記マグネシウム塩が、水酸化マグネシウム、ハロゲン化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、マグネシウムのカルボン酸塩、およびリン酸マグネシウムから選択され、
前記モリブデン塩が:
i)Mo(V)、(IV)、および(III)の6つのハロゲンが6配位した酸化状態(II)〜(VI)の二元モリブデンハロゲン化物であって、モリブデン原子はハロゲン結合を介して結合し、たとえば[Mo6Hal8]4+クラスターを含有するハロゲン化Mo(II)がハロゲン原子に結合してMo6Hal12が得られる(ここで、Halは、同一または異なるものであって、ハロゲン原子を表し、特にHalはClを表す)二元モリブデンハロゲン化物;
ii)モリブデン四ハロゲン化物(Hal’)4Mo(ここでHal’は、同一または異なるものであって、一つのハロゲン原子に対応する);
iii)モリブデン硫黄誘導体であって:
二硫化モリブデン[1317−33−5]、硫化モリブデン、(IV)MoS2;
セスキ硫化モリブデン[12033−33−9];三硫化二モリブデン(III)、Mo2S3、から選択されるモリブデン硫黄誘導体;
iv)酢酸モリブデン二量体[14221−06−8]、
から選択され、
前記カルシウム塩が、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、ハロゲン化カルシウム、カルボン酸カルシウム、リン酸カルシウム、ホウ酸カルシウム、および炭酸カルシウムから選択されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の染色方法。 - 請求項1〜10のいずれか一項に定義されるa)、b)、c)、d)、e)、およびf)を含む水性組成物を前記ケラチン繊維に塗布することを含む1つのステップで行われることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の染色方法。
- 第1のステップが、請求項1〜7および10のいずれか一項に定義された前記成分a)、b)、c)、およびf)を含む組成物を前記繊維に塗布することを含み、次に第2のステップにおいて、請求項8または9に定義された前記成分d)およびe)を含む組成物が前記繊維に塗布され、前記2つの組成物の少なくとも1つが水性であると理解されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の染色方法。
- 前記ケラチン繊維の機械的な拭き取りおよび/または乾燥および/またはすすぎが、請求項1、8、または9のいずれか一項に定義された前記成分d)および/またはe)を含む組成物の塗布を含むステップの前に行われる請求項1〜10および12のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項1〜10のいずれか一項に定義された前記化合物a)、b)、c)、d)、e)、およびf)を含有する、ケラチン繊維を染色するための化粧品組成物であって、前記組成物のpHがアルカリ性であり、すなわち7を超え、好ましくは8〜12の間であると理解される、化粧品組成物。
- 請求項1〜10のいずれか一項に定義された成分a)、b)、c)、d)、e)、およびf)が分配された2〜6つの組成物を含有する2〜6つの区画を含み、前記組成物が水性または粉末状であり、これらの組成物の少なくとも1つは水性であることを特徴とする多区画装置。
- 請求項1〜5のいずれか一項に定義された1種類以上のジヒドロキシフラバノール誘導体を使用して着色されたケラチン繊維、特に毛髪などのヒトケラチン繊維の色度を改善するための、請求項10に定義された1種類以上の金属塩の使用。
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