JP2017144773A - ハイブリッド自動車 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動軸に要求される制動力を適切に出力できるようにする。
【解決手段】Sポジションにシフト操作されてアクセルオフによる制動力が要求されると、負回転・負荷運転モードと負回転・燃料カットモードとを実行可能とする。そして、負回転・負荷運転モードを実行中にバッテリの入力制限Winが閾値(−W1)を超えると、閾値(−W2)以上となるまで駆動軸に出力する制動力を補正する。また、負回転・負荷運転モードを実行中にバッテリの入力制限Winが閾値(−W2)以上となると、負回転・負荷運転モードから負回転・燃料カットモードへ移行する。
【選択図】図10

Description

本発明は、エンジンと、第1モータと、遊星歯車機構と、第2モータと、二次電池とを備えるハイブリッド自動車に関する。
従来、この種のハイブリッド自動車としては、エンジンと、モータMG1,MG2と、動力分割装置と、バッテリとを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、モータMG2による回生制御の実行中に、エンジンの吸気バルブのリフト量と作用角とを小さくすることで、エンジンブレーキ力を増加させる。これにより、駆動軸に出力する制動力を確保しつつモータMG2から駆動軸に出力する回生制動力を低減させることができ、バッテリの過充電を抑制することができる。
特開2015−58828号公報
しかしながら、吸気バルブのリフト量や作用角を小さくするだけでは、得られる制動力には限界があるため、駆動軸に要求される制動力の大きさによっては、適切な制動力を出力できない場合がある。
本発明のハイブリッド自動車は、駆動軸に要求される制動力を適切に出力できるようにすることを主目的とする。
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド自動車は、
エンジンと、
第1モータと、
共線図上で第1回転要素,第2回転要素,第3回転要素の順に並び前記第1回転要素に前記第1モータの回転軸が接続され前記第2回転要素に前記エンジンの出力軸が接続され前記第3回転要素に車軸に連結された駆動軸が接続された遊星歯車機構と、
前記エンジンから前記第2回転要素に出力する動力の方向を正回転方向と負回転方向とに切り替える動力方向切替手段と、
前記駆動軸に動力を入出力可能な第2モータと、
前記第1モータおよび前記第2モータと電力をやり取り可能な二次電池と、
を備えるハイブリッド自動車であって、
前記駆動軸に所定制動力を超える制動力が要求され且つ前記二次電池の許容最大充電電力が所定電力を超えるときには、前記エンジンから前記第2回転要素へ負回転方向の動力が出力され該負回転方向の動力が制動力として前記駆動軸に伝達されると共に前記駆動軸に要求される要求制動力が該駆動軸に出力されるよう前記エンジンと前記動力方向切替手段と前記第1モータと前記第2モータとを制御する第1制動制御を実行し、前記第1制動制御の実行中に前記二次電池の許容最大充電電力が所定電力以下となったときには、前記エンジンへの燃料供給を停止させた状態で前記第1モータにより該エンジンをモータリングする第2制動制御に移行する制動制御手段と、
前記第1制動制御の実行中に前記二次電池の許容最大電力が前記所定電力に近づいたときには、前記駆動軸に出力する制動力を補正する制動力補正手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明のハイブリッド自動車では、駆動軸に所定制動力を超える制動力が要求され且つ二次電池の許容最大充電電力が所定電力を超えるときには、エンジンから第2回転要素へ出力される負回転方向の動力を制動力として駆動軸に伝達させる第1制動制御を実行する。これにより、二次電池の許容最大充電電力が所定電力を超えるときには、第1制動制御によって第2モータの定格トルクを超える制動力の要求に対応することができる。また、第1制動制御の実行中に二次電池の許容最大充電電力が所定電力以下となったときには、エンジンへの燃料供給を停止させた状態で第1モータによりエンジンをモータリングする第2制動制御に移行するものとし、第1制動制御の実行中に二次電池の許容最大電力が所定電力に近づいたときには、駆動軸に出力する制動力を補正する。これにより、第1制動制御から第2制動制御への移行をスムーズに行なうことができ、運転者に与える違和感を少なくすることができる。
こうした本発明のハイブリッド自動車において、前記制動力補正手段は、前記二次電池の許容最大電力が前記所定電力に近づくほど、前記駆動軸に出力する制動力が小さくなるよう補正するものとすることもできる。こうすれば、第1制動制御から第2制動制御へ移行する際の制動力の急激な変化を抑制して、運転者に与える違和感をより少なくすることができる。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 エンジン22の構成の概略を示す構成図である。 正回転方向に動力を出力する場合のエンジン22の動作の様子と負回転方向に動力を出力する場合のエンジン22の動作の様子とを示す説明図である。 エンジン22の負回転方向の負荷運転によってアクセルオフによる制動力を出力するときのプラネタリギヤ30の各回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図である。 エンジンブレーキによってアクセルオフによる制動力を出力するときのプラネタリギヤ30の各回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図である。 アクセルオフ時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 駆動力補正係数設定用マップの一例を示す説明図である。 駆動力補正ベース値設定用マップの一例を示す説明図である。 アクセルオフによる制動力により減速走行する場合におけるハイブリッド自動車20の運転状態の時間変化の様子を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車20Bの構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図であり、図2は、エンジン22の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図1に示すように、エンジン22と、プラネタリギヤ30と、モータMG1と、モータMG2と、インバータ41,42と、バッテリ50と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという)70と、を備える。
エンジン22は、吸気,圧縮,爆発(燃焼),排気の各行程を有する4サイクル機関として構成されており、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジン22は、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸気管125に吸入すると共に燃料噴射弁126からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128aを介して燃焼室129に吸入する。吸入した混合気は、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼され、エンジン22は、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、排気バルブ128bを介して排気管133へ送り出された後、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化触媒(三元触媒)を有する浄化装置134を介して外気へ排出される。
吸気バルブ128aおよび排気バルブ128bは、動弁機構137によって開閉駆動される。動弁機構137は、吸気カム138aと、排気カム138bと、吸気側可変バルブタイミング機構139aと、排気側可変バルブタイミング機構139bと、を備える。
吸気カム138aは、吸気カムシャフトに取り付けられ、吸気カムシャフトの回転により回転して吸気バルブ128a(吸気ポート)を開閉する。排気カム138bは、排気カムシャフトに取り付けられ、排気カムシャフトの回転により回転して排気バルブ128b(排気ポート)を開閉する。吸気カムシャフトおよび排気カムシャフトは、クランクシャフト26の回転が図示しないタイミングチェーンまたはタイミングベルトを介して伝達され、クランクシャフト26が2回転する間、1回転する。
吸気側可変バルブタイミング機構139aは、吸気カム138aの吸気カムシャフトに対する位相を変更したり、位相が異なる2種類のカムを切り替えたりすることにより、吸気バルブ128aの開閉タイミングを変更する。また、排気側可変バルブタイミング機構139bは、同様に、排気カム138bの排気カムシャフトに対する位相を変更したり、位相が異なる2種類のカムを切り替えたりすることにより、排気バルブ128bの開閉タイミングを変更する。なお、吸気側可変バルブタイミング機構139aおよび排気側可変バルブタイミング機構139bは、例えば、特開2005−2812号公報に記載された構成を採用することができる。
点火プラグ130は、イグナイタと一体化されたイグニッションコイルに駆動信号が出力されることにより、電気火花を発生させる。
本実施例のエンジン22は、吸気カム138aおよび排気カム138bの位相と点火プラグ130の点火時期とを変更することにより、正負両回転方向に動力を出力することができるようになっている。図3は、正回転方向に動力を出力する場合のエンジン22の動作の様子と負回転方向に動力を出力する場合のエンジン22の動作の様子とを示す説明図である。エンジン22は4サイクルエンジンであり、エンジン22が正回転する場合、図示するように、ピストン132は、吸気行程において下降し、圧縮行程において上昇し、爆発行程において下降し、排気行程において上昇する。そして、吸気バルブ128は、吸気行程の直前に開弁するよう開閉タイミングが設定され、排気バルブ128bは、排気工程の直前に開弁するよう開閉タイミングが設定され、点火プラグ130は、爆発行程の直前に点火するよう点火タイミングが設定される。一方、エンジン22が負回転すると、図示するように、ピストン132は、エンジン22が正回転する場合とは逆に上下動する。このため、エンジン22が負回転する場合には、エンジン22が正回転する場合の排気行程,爆発行程,圧縮行程,吸気行程がそれぞれ吸気行程,圧縮行程,爆発行程,排気行程となるように、吸気バルブ128の開閉タイミング,排気バルブ128bの開閉タイミングおよび点火プラグ130の点火タイミングを変更する。これにより、エンジン22が正回転方向および負回転方向のいずれの方向に回転する場合でも、最適な開閉タイミングおよび点火タイミングでエンジン22を負荷運転することができる。
エンジンECU24は、CPU24aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU24aの他に、処理プログラムを記憶するROM24bやデータを一時的に記憶するRAM24c,入出力ポート,通信ポートを備える。
エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。各種センサからの信号の一部として、以下のものを挙げることができる。
・クランクシャフト26の回転角としてのクランク角CAを検出するクランク角センサ140からのクランク角CA
・エンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温
・吸気カム138a(吸気カムシャフト)および排気カム138b(排気カムシャフト)の回転位置をそれぞれ検出するカムポジションセンサ144a,144bからのカムポジション
・スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルポジションセンサ146からのスロットルポジション
・エンジン22の負荷としての吸入空気量を検出するバキュームセンサ148からの吸入空気量
また、エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための種々の制御信号が出力ポートを介して出力されている。種々の制御信号の一部として、以下のものを挙げることができる。
・スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号
・燃料噴射弁126への駆動信号
・点火プラグ130(イグニッションコイル)への制御信号
・吸気側可変バルブタイミング機構138aおよび排気側可変バルブタイミング機構138bへの制御信号
エンジンECU24は、クランク角センサ140からの信号に基づいてエンジン22の回転数Neを演算している。
プラネタリギヤ30は、外歯歯車のサンギヤ31と、内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31およびリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34と、を有するシングルピニオン式の遊星歯車機構として構成されている。サンギヤ31には、モータMG1の回転子が接続されている。リングギヤ32には、駆動輪39a,39bにデファレンシャルギヤ38およびギヤ機構37を介して連結された駆動軸36が接続されている。キャリア34には、ダンパ28を介してエンジン22のクランクシャフト26が接続されている。
モータMG1は、例えば同期発電電動機として構成されている。このモータMG1は、上述したように、回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤ31に接続されている。モータMG2は、例えば同期発電電動機として構成されている。このモータMG2は、回転子が減速ギヤ35を介して駆動軸36に接続されている。インバータ41,42は、バッテリ50と共に電力ライン54に接続されている。モータMG1,MG2は、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40によって、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。
モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。各種センサからの信号の一部として、以下のものを挙げることができる。
・モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2
・モータMG1,MG2の各相に流れる電流を検出する電流センサからの相電流
モータECU40からは、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。
モータECU40は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。このモータECU40は、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御する。また、モータECU40は、必要に応じてモータMG1,MG2の駆動状態に関するデータをHVECU70に出力する。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を演算している。
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されている。このバッテリ50は、上述したように、インバータ41,42と共に電力ライン54に接続されている。このバッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理されている。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,データを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。
バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。各種センサからの信号の一部として、以下のものを挙げることができる。
・バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからの電池電圧Vb
・バッテリ50の出力端子に取り付けられた電流センサ51bからの電池電流Ib(バッテリ50から放電するときが正の値)
・バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからの電池温度Tb
バッテリECU52は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。このバッテリECU52は、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータをHVECU70に出力する。バッテリECU52は、電流センサ51bからの電池電流Ibの積算値に基づいて蓄電割合SOCを演算している。蓄電割合SOCは、バッテリ50の全容量に対するバッテリ50から放電可能な電力の容量の割合である。また、バッテリECU52は、蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50に充放電してもよい許容最大充放電電力(放電側が正の値)である入力制限Win,Woutも設定している。入力制限Winは、蓄電割合SOCが高くなるほど大きくなる(値0に近づく)よう設定され、電池温度Tbが適正温度領域から離れるほど大きくなる(値0に近づく)よう設定される。また、出力制限Woutは、蓄電割合SOCが低くなるほど小さくなるよう設定され、電池温度Tbが適正温度領域から離れるほど小さくなるよう設定される。
HVECU70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に、処理プログラムを記憶するROM74やデータを一時的に記憶するRAM76,入出力ポート,通信ポートを備える。
HVECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。各種センサからの信号の一部として、以下のものを挙げることができる。
・イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号
・シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP
・アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc
・ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP
・車速センサ88からの車速V
HVECU70は、上述したように、エンジンECU24,モータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されている。このHVECU70は、エンジンECU24,モータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTp*を計算し、この要求トルクTp*に対応する要求動力が駆動軸36に出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては以下の(1)〜(3)のものがある。(1)のトルク変換運転モードと(2)の充放電運転モードは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モード(ハイブリッドモード)という。
(1)トルク変換運転モード:要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてがプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されて駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する運転モード
(2)充放電運転モード:要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部がプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによりトルク変換されて要求動力が駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する運転モード
(3)モータ運転モード:エンジン22の運転を停止してモータMG2から要求動力に見合う動力を駆動軸36に出力するよう駆動制御する運転モード
また、実施例のハイブリッド自動車20では、シフトレバーのシフトポジションSPとして、駐車時に用いる駐車ポジション(Pポジション)、後進走行用のリバースポジション(Rポジション)、中立のニュートラルポジション(Nポジション)、前進走行用の通常のドライブポジション(Dポジション)が用意されている。加えて、アクセルオン時の駆動力の設定等はDポジションと同一であるが走行中のアクセルオフ時に作用させる制動力がDポジションより大きく設定されるブレーキポジション(Bポジション)、アップシフト指示ポジションおよびダウンシフト指示ポジションを有するシーケンシャルシフトポジション(Sポジション)も用意されている。ここで、Sポジションは、アクセルオン時の駆動力や走行中のアクセルオフ時の制動力を例えば4段階(S1〜S4)に変更するポジションである。このSポジションでは、アップシフト指示ポジションを操作してアップシフトする毎にアクセルオン時の駆動力と走行中のアクセルオフ時の制動力は小さくなり、ダウンシフト指示ポジションを操作してダウンシフトする毎にアクセルオン時の駆動力と走行中のアクセルオフ時の制動力は大きくなる。
走行中のアクセルオフにより制動力を出力するとき、エンジン22とモータMG1とモータMG2の制御は、エンジン22への燃料供給を停止すると共にモータMG1から出力するトルクを値0とし、必要な制動力の全てがモータMG2の回生制御によって賄われるよう行なう他、以下のようにしても行なうことができる。
図4は、エンジン22を負回転方向に負荷運転することによって走行中にアクセルオフによる制動力を出力するときのプラネタリギヤ30の各回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図である。なお、図中、左のS軸はモータMG1の回転数であるサンギヤの回転数を示し、中央のC軸はエンジン22の回転数であるキャリアの回転数を示し、右のR軸は駆動軸36の回転数であるリングギヤの回転数を示す。R軸上の太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクにより駆動軸36に作用するトルク(−Tm1/ρ)と、モータMG2から出力されるトルクTm2とを示す。図示するように、エンジン22が負回転方向に負荷運転すると共にモータMG1からの正のトルクの出力によってエンジントルクの反力を受け持つことにより、エンジントルクを制動力として駆動軸36に伝達することができる。このときのエンジン22の動作モードを、負回転・負荷運転モードという。また、エンジン22から駆動軸36に伝達されるトルクを直達トルクという。負回転・負荷運転モードは、モータMG2から駆動軸36に出力する制動力と上述した直達トルク(制動力)とにより、モータMG2の定格トルクを超える大きな制動力を駆動軸36に出力することができる。この場合、モータMG1は負の回転数で正のトルクTm1を出力するから発電し、モータMG2は回生制御により発電するから、両モータMG1,MG2で発電した電力はバッテリ50に充電されることとなる。
図5は、エンジンブレーキによって走行中にアクセルオフによる制動力を出力するときのプラネタリギヤ30の各回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図である。図示するように、エンジンブレーキによってアクセルオフによる制動力を出力する場合、エンジン22への燃料供給を停止すると共にモータMG1から負のトルクTm1を出力することによりエンジン22を負回転方向にモータリングする。この場合、モータMG1は、負の回転数で負のトルクTm1を出力するから電力を消費する。また、エンジン22のフリクション(エンジンブレーキ)は正のトルクとして作用するから、駆動軸36には正のトルク(直達トルク)が出力される。このエンジン22の動作モードを、負回転・燃料カットモードという。負回転・燃料カットモードでは、モータMG2は、要求トルクTp*(負のトルク)に、直達トルク(正のトルク)を相殺するための負のトルクを付加したトルクを出力する。これにより、負回転・燃料カットモードは、エンジン22のフリクション(エンジンブレーキ)を用いてモータMG1で電力消費しながら、モータMG2から駆動軸36に比較的大きな制動力を出力することができる。ここで、負回転・燃料カットモードでは、負回転・負荷運転モードに比して、駆動軸36に出力可能な最大制動力が小さくなるが、バッテリ50に充電される電力が小さくなるため、バッテリ50の蓄電割合SOCに余裕がなく、バッテリ50の入力制限Winの絶対値(最大許容充電電力)が小さくなったときに実行される。
なお、モータMG1はエンジン22を正回転方向にモータリングすることによっても駆動軸36に制動力を出力することができる。この場合、モータMG1は正の回転数で正のトルクを出力するから電力を消費する。また、エンジン22のフリクション(エンジンブレーキ)は負の方向に作用するから、駆動軸36には負のトルク(直達トルク)が出力される。このときのエンジン22の動作モードを、正回転・燃料カットモードという。正回転・燃料カットモードでは、モータMG2は、要求トルクTp*(負のトルク)から直達トルク(負のトルク)を減じたトルクを出力する。したがって、正回転・燃料カットモードでも、負回転・燃料カットモードと同様に、エンジン22のフリクション(エンジンブレーキ)を用いてモータMG1で電力消費しながら、モータMG2から駆動軸36に比較的大きな制動力を出力することができる。しかし、エンジン22は、負回転方向に回転する方が正回転方向に回転するよりもフリクション(消費エネルギ)が大きいのが一般的である。このため、負回転・燃料カットモードの方が正回転・燃料カットモードよりも、全体の消費エネルギを大きくすることができ、バッテリ50を過大な電力により充電することなく、より大きな制動力の出力に対応することができる。
次に、こうして構成された本実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、前進走行中にアクセルオフされた際の動作について説明する。図6は、HVECU70のCPU72により実行されるアクセルオフ時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、アクセルポジションセンサ84により検出されるアクセル開度Accが略0のときに、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
アクセルオフ時制御ルーチンが実行されると、HVECU70のCPU72は、まず、シフトポジションセンサ82からのシフトポジションSPや車速センサ88からの車速V、エンジン回転数Ne、モータ回転数Nm1,Nm2、モータMG2の制限トルクTm2lim、バッテリ50の入力制限Winなどのデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、エンジン回転数Neは、クランク角センサ140により検出される信号に基づいてエンジンECU24により演算されたものを通信により入力するものとした。また、モータ回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44によりそれぞれ検出されたモータMG1,MG2の回転位置θm1,θm2に基づいてモータECU40により演算されたものを通信により入力するものとした。また、モータMG2の制限トルクTm2limは、モータMG2の定格トルクから回転数Nm2に対応して設定されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、入出力制限Win,Woutは、蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリECU52により設定されたものを通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力した車速VとシフトポジションSPとに基づいて駆動軸36に要求される要求トルクTp*を設定する(ステップS110)。要求トルクTp*の設定は、車速VとシフトポジションSPと要求トルクTp*との関係を予め求めてマップとしてROM74に記憶しておき、車速VとシフトポジションSPとが与えられると、対応する要求トルクTp*をマップから導出することにより行われる。要求トルク設定用マップの一例を図7に示す。要求トルクTp*は、正の値が駆動力を示し、負の値が制動力を示す。図中のAのラインは、負回転・負荷運転モードで駆動軸36に出力可能な最大制動力を示し、図中のBのラインは、負回転・燃料カットモードで駆動軸36に出力可能な最大制動力を示す。要求トルクTp*は、図7に示すように、負回転・負荷運転モードで出力可能な最大制動力の範囲内でシフトポジションSPと車速Vとに基づいて設定される。
そして、入力したシフトポジションSPがBポジションまたはSポジション(S1〜S4)であるか否か(ステップS120)、要求トルクTp*の絶対値(制動力)が閾値Tref以上であるか否か(ステップS130)、をそれぞれ判定する。シフトポジションSPがBポジションおよびSポジションのいずれでもない、即ちDポジションやNポジションであると判定したり、要求トルクTp*が閾値Tref以上でない、即ち閾値Tref未満であると判定すると、他の制御を実行して(ステップS140)、アクセルオフ時制御ルーチンを終了する。例えば、シフトポジションSPがDポジションのときには、他の制御として、エンジン22の運転を停止してモータMG2から要求トルクTp*が駆動軸36に出力されるよう制御する上述したモータ運転モードが実行される。なお、シフトポジションSPがNポジションの場合には、要求トルクTp*は値0であるから、モータMG2からトルクが出力されず、惰性走行となる。一方、シフトポジションSPがBポジションまたはSポジションであり、且つ、要求トルクTp*の絶対値(制動力)が閾値Tref未満のときには、他の制御として、エンジン22への燃料供給を停止した状態でモータMG1からのトルクによりエンジン22を正回転方向にモータリングすると共に要求トルクTp*が駆動軸36に出力されるよう制御する上述した正回転・燃料カットモードが実行される。
ステップS120でシフトポジションSPがBポジションまたはSポジションであると判定し、且つ、ステップS130で要求トルクTp*の絶対値が閾値Tref以上であると判定すると、エンジン22の回転方向を判定する(ステップS150)。なお、本実施例では、クランク角センサ140は、エンジン22の回転方向を判断できないものが用いられている。このため、ステップS150の判定は、回転位置センサ43,44からの回転位置θm1,θm2に基づいて演算されるモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2とプラネタリギヤ30のギヤ比ρとに基づいてエンジン22の回転数を算出し、算出した回転数の正負を判定することで行なう。ステップS150の判定の結果、エンジン22の回転方向が負回転でなく(ステップS160の「NO」)、回転停止もしていない(ステップS170の「NO」)とき、即ちエンジン22が正回転しているときには、モータMG1のトルク指令Tm1*に停止用トルクTestopを設定することによりエンジン22の回転数を強制的に引き下げてエンジン22を回転停止させる(ステップS180)。
ステップS170でエンジン22が回転停止していると判定すると、動弁機構137が正回転用から負回転用へ切り替わるよう切替指令をエンジンECU24に送信し(ステップS190)。動弁機構137の切替が完了するまでの間、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定する(ステップS200,S210)。
ステップS200で動弁機構137の切替が完了したと判定すると、駆動力補正係数Kcを設定すると共に駆動力補正ベース値Khを算出する(ステップS220)。ここで、駆動力補正係数Kcの設定は、バッテリ50の入力制限Winと駆動力補正係数Kcとの関係を予め求めてマップとしてROM74に記憶しておき、入力制限Winが与えられると、マップから対応する駆動力補正係数Kcを導出することにより行なうものとした。駆動力補正係数設定用マップの一例を図8に示す。駆動力補正係数Kcは、図8に示すように、入力制限Winの絶対値(許容最大充電電力)が閾値W1以上のときには0%(補正なし)となり、入力制限Winの絶対値が閾値W1未満となると、小さくなるほど大きくなり、入力制限Winの絶対値が閾値W2以下となると100%(補正最大)となる。ここで、閾値W2は、負回転・負荷運転モードから負回転・燃料カットモードへの移行を判定するための閾値である。一方、駆動力補正ベース値Khは、負回転・負荷運転モードで出力可能な最大制動力TAの範囲内でシフトポジションSPと車速Vとに基づいてステップS110により設定された要求トルクTp*と、同一車速Vにおいて負回転・燃料カットモードで出力可能な最大制動力TBとの偏差(Tp*−TB)として算出することができる。負回転・燃料カットモードで出力可能な最大制動力TBは、車速Vと図9に例示するマップとに基づいて導出することができる。駆動力補正ベース値Khは、例えば、現在の車速が車速Vsの場合、図9に示すように、車速Vsに対応する最大制動力TBを、車速Vsに基づいて設定された要求トルクTp*から減じることにより算出される。
こうして駆動力補正係数Kcの設定および駆動力補正ベース値Khの算出を行なうと、駆動力補正係数Kcが値100(%)未満であるか否か、即ちバッテリ50の入力制限Winの絶対値(許容最大充電電力)が閾値W2よりも大きいか否かを判定する(ステップS230)。駆動力補正係数Kcが値100(%)未満であると判定すると、負回転・負荷運転モードを実行すると判断し、次式(1)に示すように、駆動力補正係数Kcを値100で割って駆動力補正ベース値Khを乗じたものを、ステップS110で設定した要求トルクTp*から減じることにより要求トルクTp*を補正する(ステップS240)。上述したように、入力制限Winの絶対値(許容最大充電電力)が閾値W1以上のときには駆動力補正係数Kcが値0(%)であるから、要求トルクTp*は補正されない。一方、入力制限Winの絶対値(許容最大充電電力)が閾値W1よりも小さく閾値W2よりも大きいときには、入力制限Winの絶対値(許容最大充電電力)が小さくなるにつれて、駆動力係数Kcは値0(%)から値100(%)に向けて徐々に大きくなり、駆動軸36に出力される制動力が徐々に小さくなるよう要求トルクTp*が補正される。なお、駆動力補正係数Kcが値100(%)の場合には、要求トルクTp*は負回転・燃料カットモードで出力可能な最大制動力TBとなる。
Tp*=Tp*-Kc/100・Kh …(1)
次に、負回転・負荷運転モードを実行するためのエンジン22の運転ポイントとしての目標トルクTe*と目標回転数Ne*とを設定する(ステップS250,S260)。そして、設定した目標回転数Ne*と駆動軸36の回転数(Nm2/Gr)とプラネタリギヤ30のギヤ比ρとに基づいて次式(2)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在のモータMG1の回転数Nm1との偏差に基づいて次式(3)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップS270)。なお、式(3)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(3)中の「k1」は比例項のゲインであり、「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/(Gr・ρ) …(2)
Tm1*=前回Tm1*+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt …(3)
モータMG1のトルク指令Tm1*を設定すると、次式(4)に示すように、トルク指令Tm1*をプラネタリギヤ30のギヤ比ρで割ったものを要求トルクTp*に加えて減速ギヤ35のギヤ比Grで割ることによりモータMG2から出力すべき仮のトルクである仮モータトルクTm2tmpを設定する(ステップS280)。また、次式(5)に示すように、バッテリ50の入力制限Winと設定したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2の制限トルクTm2minを設定する(ステップS290)。そして、次式(6)により仮モータトルクTm2tmpを制限トルクTm2min,Tm2limで制限した値をモータMG2のトルク指令Tm2*に設定する(ステップS300)。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、駆動軸36に出力する要求トルクTp*(制動力)を、バッテリ50の入力制限Winの範囲内およびモータMG2の定格トルクの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。
Tm2tmp=(Tp*+Tm1*/ρ)/Gr …(4)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 …(5)
Tm2*=max(Tm2tmp,Tm2min,Tm2lim) …(6)
こうしてエンジン22の目標トルクTe*や目標回転数Ne*、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、設定した目標トルクTe*と目標回転数Ne*についてはエンジンECU24に、設定したトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS310)、アクセルオフ時制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
このように、駆動力補正係数Kcが値100(%)未満であるとき、即ち、バッテリ50の入力制限Winの絶対値(許容最大充電電力)が閾値W2よりも大きいときには、負回転・負荷運転モードを実行して、駆動軸36への比較的大きな制動力の要求に対応する。しかし、上述したように、負回転・負荷運転モードでは、バッテリ50の蓄電割合SOCが比較的短時間のうちに上昇して、バッテリ50の入力制限Winの絶対値(許容最大充電電力)が小さくなる。
ステップS230で駆動力補正係数Kcが値100(%)以上、即ちバッテリ50の入力制限Winの絶対値(許容最大充電電力)が閾値W2以下となったと判定すると、負回転・負荷運転モードから負回転・燃料カットモードへ移行すると判断する。即ち、エンジン22への燃料供給が停止されるようエンジンECU24に燃料カット指令を送信し(ステップS320)、必要なエンジン22のフリクショントルクを出力するためのエンジン22の目標回転数Ne*を設定する(ステップS330)。エンジン22の目標回転数Ne*を設定すると、エンジン22を目標回転数Ne*と駆動軸36の回転数(Nm2/Gr)とに基づいてモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*でモータMG1を回転させるためのトルク指令Tm1*を設定する(ステップS340)。そして、上述したステップS280〜S310によりバッテリ50の入力制限WinおよびモータMG2の定格トルクの範囲内で要求トルクTp*が駆動軸36に出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、エンジン22の目標回転数Ne*やモータMG1,MG2のトルク指令Tm2*を対応するECUに送信して、アクセルオフ時制御ルーチンを終了する。
このように、駆動力補正係数Kcが値100(%)以上であるとき、即ちバッテリ50の入力制限Winの絶対値(許容最大充電電力)が閾値W2以下となると、バッテリ50への過大な電力による充電を回避するために、駆動軸36に比較的大きな制動力を出力可能な負回転・負荷運転モードから、駆動軸36に出力可能な制動力が小さくなる負回転・燃料カットモードへ移行する。ここで、負回転・負荷運転モードの実行中に入力制限Winの絶対値が閾値W1よりも小さくなると、閾値W2以下となるまで、駆動軸36に出力する制動力が小さくなるよう要求トルクTp*を補正することで、当該要求トルクTp*を負回転・燃料カットモードで出力可能な最大駆動力TBに近づける。これにより、動作モードの移行の際に、駆動軸36に出力される制動力が急変するのを抑制し、運転者に違和感を与えないようにすることができる。
図10は、走行中にアクセルオフによる制動力を出力する場合におけるハイブリッド自動車20の運転状態の時間変化を示す説明図である。図示するように、いま、アクセルオフによる走行中、時刻t1に運転者がDポジションからSポジションへシフトチェンジした場合を考える。この場合、エンジン22の運転を停止させ、動弁機構137を正回転用の状態から負回転用の状態へ変更した後、エンジン22を負回転で負荷運転する負回転・負荷運転モードを実行する。これにより、エンジン22からの負回転方向の動力を制動力として駆動軸36に伝達することができ、駆動軸36にモータMG2の定格トルクを超える制動力を出力して走行することができる。一方、負回転・負荷運転モードでは、バッテリ50の蓄電割合SOCが上昇し易くなり、バッテリ50の入力制限Winは大きく(入力制限Winの絶対値(許容最大充電電力)は小さく)なっていく。時刻t2に入力制限Winが閾値(−W1)を超えると(入力制限Winの絶対値が閾値W1未満となると)、入力制限Winが閾値(−W2)以上(入力制限Winの絶対値が閾値W2以下)となるまで、駆動軸36に出力される制動力が小さくなるよう要求トルクTp*が補正される。そして、時刻t3に、入力制限Winが閾値(−W2)以上(入力制限Winの絶対値が閾値W2以下)となると、エンジン22への燃料供給を停止して、エンジン22の動作モードを負回転・負荷運転モードから負回転・燃料カットモードへ移行する。負回転・負荷運転モードから負回転・燃料カットモードへ移行する際、エンジン22への燃料供給を停止するだけで、モータMG1の目標回転数Nm1*に基づくフィードバック制御によってモータMG1から出力されるトルクの正負は変更されるため、動作モードの移行をスムーズに行なうことができる。また、負回転・負荷運転モードの実行中に入力制限Winが閾値(−W1)を超えると、閾値(−W2)に達するまで、駆動軸36から出力する制動力が小さくなるよう要求トルクTp*が補正されるため、動作モードの移行の際に、駆動軸36に出力される制動力が急変するのを抑制し、運転者に違和感を与えないようにすることができる。ここで、比較例では、時刻t2に動作モードを、負回転・負荷運転モードから負回転・燃料カットモードへ移行する(図中、一点鎖線参照)。この場合、両動作モードで出力可能な最大制動力の差によって駆動軸36に出力される制動力が急変し、運転者に違和感を与える場合がある。
以上説明した本実施例のハイブリッド自動車20によれば、走行中のアクセルオフにより駆動軸36に制動力が要求されると、負回転・負荷運転モードと負回転・燃料カットモードとを実行可能なものである。そして、負回転・負荷運転モードを実行中にバッテリ50の入力制限Winの絶対値(許容最大充電電力)が閾値W1未満となると、閾値W2以下となるまで駆動軸36に出力する制動力を補正する。また、負回転・負荷運転モードを実行中にバッテリ50の入力制限Winの絶対値が閾値W2以下となると、負回転・負荷運転モードから負回転・燃料カットモードへ移行する。これにより、負回転・負荷運転モードによって駆動軸36へのモータMG2の定格トルクを超える制動力の出力に対応することができると共に、負回転・負荷運転モードから負回転・燃料カットモードへの移行に伴う制動力の急変を抑制し、運転者に違和感を与えないようにすることができる。
実施例では、シフトレバー81がBポジションまたはSポジションに操作されて要求トルクTp*の絶対値が閾値Tref以上である場合に、エンジン22を負回転方向に回転させるものとした(負回転・負荷運転モード、負回転・燃料カットモード)。しかし、シフトレバー81がDポジションにあるときでも、要求トルクTp*の絶対値が閾値Tref以上である場合には、同様の制御を実行するものとしてもよい。
実施例では、エンジン22を負回転方向に負荷運転することにより、負回転方向の動力を制動力として駆動軸36に出力するものとした。しかし、エンジン22を正回転方向に負荷運転すると共に前後進切替機構を用いてエンジン22から出力された動力の方向を切り替えるものとしてもよい。図11は、変形例のハイブリッド自動車20Bの構成の概略を示す構成図である。図示するように、変形例のハイブリッド自動車20Bは、エンジン22のクランクシャフト26とプラネタリギヤ30のキャリアとの間に、遊星歯車機構やクラッチ,ブレーキにより構成される前後進切替機構90を備える。この場合、負回転・負荷運転モードでは、前後進切替機構90を逆回転方向に切り替えて、エンジン22を正回転方向に負荷運転し、モータMG1から正のトルクを出力する。これにより、エンジン22から出力される正回転方向の動力が負回転方向の動力としてプラネタリギヤ30のキャリアに出力され、キャリアに出力された負回転方向の動力が制動力として駆動軸36に伝達される。また、負回転・燃料カットモードでは、エンジン22への燃料供給を停止し、モータMG1から負のトルクを出力する。これにより、エンジン22は正回転方向にモータリングされ、エンジン22のフリクショントルクが前後進切替機構90,プラネタリギヤ30を介して駆動軸36に伝達される。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG1が「第1モータ」に相当し、プラネタリギヤ30が「遊星歯車機構」に相当し、動弁機構137と点火プラグ30とエンジンECU24とが「動力方向切替手段」に相当し、モータMG2が「第2モータ」に相当し、バッテリ50が「二次電池」に相当し、図6のアクセルオフ時制御ルーチンを実行するHVECU70のCPU72が「制動制御手段」に相当し、アクセルオフ時制御ルーチンのステップS220〜S240の処理を実行するHVECU70が「制動力補正手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業に利用可能である。
20,20B ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、24a CPU、24b ROM、24c RAM、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 プラネタリギヤ、31 サンギヤ、32 リングギヤ、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、36 駆動軸、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 電流センサ、51c 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、90 前後進切替機構、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、125 吸気管、126 燃料噴射弁、128a 吸気バルブ、128b 排気バルブ、129 燃焼室、130 点火プラグ、132 ピストン、133 排気管、134 浄化装置、136 スロットルモータ、137 動弁機構、138a 吸気カム、138b 排気カム、139a 吸気側可変バルブタイミング機構、139b 排気側可変バルブタイミング機構、140 クランク角センサ、142 水温センサ、144a,144b カムポジションセンサ、146 スロットルポジションセンサ、148 バキュームセンサ、MG1,MG2 モータ。

Claims (1)

  1. エンジンと、
    第1モータと、
    共線図上で第1回転要素,第2回転要素,第3回転要素の順に並び前記第1回転要素に前記第1モータの回転軸が接続され前記第2回転要素に前記エンジンの出力軸が接続され前記第3回転要素に車軸に連結された駆動軸が接続された遊星歯車機構と、
    前記エンジンから前記第2回転要素に出力する動力の方向を正回転方向と負回転方向とに切り替える動力方向切替手段と、
    前記駆動軸に動力を入出力可能な第2モータと、
    前記第1モータおよび前記第2モータと電力をやり取り可能な二次電池と、
    を備えるハイブリッド自動車であって、
    前記駆動軸に所定制動力を超える制動力が要求され且つ前記二次電池の許容最大充電電力が所定電力を超えるときには、前記エンジンから前記第2回転要素へ負回転方向の動力が出力され該負回転方向の動力が制動力として前記駆動軸に伝達されると共に前記駆動軸に要求される要求制動力が該駆動軸に出力されるよう前記エンジンと前記動力方向切替手段と前記第1モータと前記第2モータとを制御する第1制動制御を実行し、前記第1制動制御の実行中に前記二次電池の許容最大充電電力が所定電力以下となったときには、前記エンジンへの燃料供給を停止させた状態で前記第1モータにより該エンジンをモータリングする第2制動制御に移行する制動制御手段と、
    前記第1制動制御の実行中に前記二次電池の許容最大電力が前記所定電力に近づいたときには、前記駆動軸に出力する制動力を補正する制動力補正手段と、
    を備えることを特徴とするハイブリッド自動車。
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