JP2017143071A - 扁平形電池 - Google Patents
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Abstract
とも一方の部材が振動等によって損傷を受けないように、前記少なくとも一方の部材を効
果的に補強可能な構成を得る。
【解決手段】扁平形電池(1)は、有底筒状の正極缶(10)と、正極缶(10)の開口
を覆う有底筒状の負極缶(20)と、正極缶(10)と負極缶(20)との間に形成され
る空間内に配置された正極材(41)及び負極材(42)と、正極材(41)を保持する
正極リング(44)と、正極材(41)のうち正極リング(44)によって覆われていな
い部分に配置され、当該部分を補強する網部材(51)とを備える。
【選択図】図1
Description
、正極材及び負極材を配置した扁平形電池が知られている。このような扁平形電池として
、例えば特許文献1に開示されるように、円柱状の正極ペレットの側面を正極リングによ
って保持する構成が知られている。
、正極缶の内側に溶着されている。
)によって保持する構成の場合、正極材のうち台座によって覆われている部分は、該台座
によって部分的に補強されている。しかしながら、正極材のうち台座によって覆われてい
ない部分は露出しているため、当該部分の強度はあまり高くない。そのため、特許文献1
の構成の扁平形電池を、大きな振動が加わる装置の電源として用いた場合には、装置に加
わる振動によって正極材の一部が損傷を受ける可能性がある。
うち少なくとも一方の部材が振動等によって損傷を受けないように、前記少なくとも一方
の部材を効果的に補強可能な構成を得ることにある。
う有底筒状の封口缶と、前記外装缶と前記封口缶との間に形成される空間内に配置された
正極材及び負極材と、前記正極材及び前記負極材のうち少なくとも一方の部材を保持する
台座と、前記少なくとも一方の部材のうち前記台座によって覆われていない部分に配置さ
れ、当該部分を補強する補強部材とを備える(第1の構成)。
材によって補強することができる。すなわち、前記少なくとも一方の部材は、台座によっ
て覆われてない部分が補強部材によって補強されるため、台座のみによって補強される従
来の構成に比べて、前記少なくとも一方の部材をより確実に補強することができる。
極材及び負極材のうち少なくとも一方の部材が大きな損傷を受けるのを防止できる。よっ
て、従来に比べて扁平形電池の耐振動性及び耐衝撃性を向上することができる。
。前記台座は、前記一方の部材の側面を覆うように配置されている。前記補強部材は、前
記一方の部材における前記軸線方向の端面に配置されている(第2の構成)。
。したがって、一方の部材の強度をより確実に向上することができる。
に、前記一方の部材内に配置されている(第3の構成)。これにより、一方の部材の軸線
方向の強度をより確実に向上することができる。
置するように配置されている(第4の構成)。このように、一方の部材における軸線方向
の両端面のうち補強部材が配置された一方の端面を、外装缶上に配置することで、一方の
部材と外装缶とをより確実に接触させることができる。すなわち、一方の部材において外
装缶上に位置する一方の端面に補強部材を設けることにより、該端面の剛性を向上できる
とともに該端面の形状をより確実に保持できる。したがって、一方の部材における前記一
方の端面と外装缶とをより確実に電気的に接触させることができる。
前記軸線方向に延びる筒状側壁部とを有する。前記封口缶は、前記外装缶の開口を覆った
状態で前記外装缶の内方に位置付けられる周壁部を有する。前記台座は、前記一方の部材
を保持する保持部と、前記軸線方向から見て前記封口缶の周壁部の開口端と重なるように
前記保持部から外方に延びるフランジ部とを有する。前記フランジ部は、前記封口缶の周
壁部の開口端と前記外装缶の底部の内面との間に挟み込まれている(第5の構成)。
外装缶及び封口缶に対して固定される。したがって、一方の部材が外装缶及び封口缶に対
して移動するのを抑制することができる。よって、大きな振動を受ける装置に電源として
扁平形電池を用いた場合に、該扁平形電池内の部材が大きな損傷を受けるのをより確実に
防止できる。
口缶の周壁部の開口端よりも外方に位置するような大きさに形成されている(第6の構成
)。
る。すなわち、台座のフランジ部は、軸線方向から見て、外周端が封口缶の周壁部の開口
端よりも外方に位置しているため、封口缶の周壁部の開口端と外装缶の底部の内面との間
により強固に挟み込まれる。
の内面との間には、シール部材が配置されている。前記フランジ部は、前記シール部材と
前記外装缶の底部の内面との間に挟み込まれる(第7の構成)。
ることにより、封口缶と外装缶との間をシール部材によってシールしつつ、台座のフラン
ジ部を封口缶の周壁部の開口端と外装缶の底部の内面との間に挟み込むことができる。し
たがって、容易に製造可能な構成によって、シール部材によるシール性能を確保しつつ、
台座を封口缶及び外装缶に対して固定することができる。
部材である(第8の構成)。これにより、例えば粉末状の材料を固めて一方の部材を形成
する場合に、網状の補強部材の目の中に粉末状の材料が入り込む。したがって、補強部材
と一方の部材とをより強固に一体化させることができる。
部材を保持する台座、及び、前記少なくとも一方の部材において台座によって覆われてい
ない部分に配置される補強部材を備える。これにより、少なくとも一方の部材の強度を向
上することができ、従来に比べて耐振動性及び耐衝撃性の高い扁平形電池が得られる。
分については同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、本発明の一実施形態である扁平形電池1の概略構成を示す断面図である。この
扁平形電池1は、有底円筒状の正極缶10(外装缶)と、該正極缶10の開口を覆う負極
缶20(封口缶)と、正極缶10の外周側と負極缶20の外周側との間に配置されるガス
ケット30と、正極缶10及び負極缶20の間に形成される空間内に収納される発電要素
40とを備える。扁平形電池1は、正極缶10と負極缶20とを組み合わせることによっ
て、全体が扁平なコイン状に形成される。なお、正極缶10及び負極缶20の間に形成さ
れる空間内には、発電要素40以外に、非水電解液(図示省略)も封入されている。
形成されている。正極缶10は、円形状の底部11と、その外周に該底部11と連続して
形成される円筒状の周壁部12(筒状側壁部)とを備える。周壁部12は、縦断面視で、
底部11に対して垂直に延びるように設けられている。正極缶10は、後述するように、
負極缶20との間にガスケット30を挟んだ状態で、周壁部12の開口端側が内側に折り
曲げられて、該負極缶20の外周部に対してかしめられている。図1における符号Pは、
扁平形電池1の軸線である。周壁部12は、扁平形電池1の軸線方向に延びている。
わち、本実施形態の正極缶10は、外周側に段差が形成されていない、平坦な底部11を
有する。
よって有底円筒状に形成されている。負極缶20は、円形状の平面部21と、その外周に
該平面部21と連続して形成される円筒状の周壁部22とを備える。この周壁部22も、
正極缶10と同様、縦断面視で、平面部21に対して垂直に延びるように設けられている
。すなわち、周壁部22も、扁平形電池1の軸線方向に延びている。
bを有する。すなわち、周壁部22には、基端部22aと拡径部22bとの間に段部22
cが形成されている。図1に示すように、この段部22cに対して、正極缶10の周壁部
12の開口端側が折り曲げられてかしめられている。これにより、正極缶10と負極缶2
0とが、それらの外周側で接続されている。
しており、PPSにオレフィン系エラストマーを含有した樹脂組成物からなる。ガスケッ
ト30は、正極缶10の周壁部12と負極缶20の周壁部22との間に挟みこまれるよう
に配置されている。また、ガスケット30は、負極缶20の周壁部22の開口端と正極缶
10の底部11との間に挟み込まれるように配置されている。具体的には、ガスケット3
0は、リング状のベース部31と、該ベース部31の外周縁から突出する外筒壁32と、
該ベース部31の内周縁から該外筒壁32と同じ方向に伸びる内筒壁33とを備える。本
実施形態では、ガスケット30は、ベース部31、外筒壁32及び内筒壁33が一体で形
成されている。
ランジ部44b上に位置するように配置されている。そして、ガスケット30のベース部
31及び正極リング44のフランジ部44bは、負極缶20の周壁部22の開口端と正極
缶10の底部11の外周部分との間に挟みこまれている。
なわち、ガスケット30は、負極缶20の拡径部22bが、ガスケット30の外筒壁32
と内筒壁33との間に位置づけられるように、負極缶20の拡径部22bに配置されてい
る。これにより、ガスケット30の外筒壁32は、正極缶10の周壁部12と負極缶20
の周壁部22との間に挟みこまれる。ガスケット30のベース部31及び外筒壁32は、
正極缶10と負極缶20との間に挟みこまれた状態で、該正極缶10と負極缶20との隙
間をシール可能な厚みを有する。
0を配置することにより、該正極缶10と負極缶20とをそれらの外周側で絶縁すること
ができる。また、正極缶10の周壁部12と負極缶20の周壁部22との間にガスケット
30を挟みこんだ状態で、該正極缶10の周壁部12を折り曲げて負極缶20の周壁部2
2にかしめることにより、該ガスケット30によって正極缶10の周壁部12と負極缶2
0の周壁部22との間を封止することができる。すなわち、ガスケット30は、正極缶1
0の周壁部12と負極缶20の段部22cとの間に挟みこまれる外筒壁32、及び、負極
缶20の周壁部22の開口端と正極缶10の底部11との間に挟みこまれるベース部31
が、それぞれ、シールとして機能する。
リング44のフランジ部44bを配置することで、該フランジ部44bをガスケット30
のベース部31と正極缶10の底部11とによって挟み込むことができる。これにより、
正極リング44のフランジ部44bを、正極缶10の底部11に溶接することなく、該正
極缶10に対して固定することができる。
いる。図1及び図2に示すように、正極リング44は、正極材41の側面に接する円筒状
の側壁部44a(保持部)と、該側壁部44aの一端側から外方に向かって延びる円環状
のフランジ部44bとを有する。本実施形態では、側壁部44a及びフランジ部44bは
一体形成されている。すなわち、正極リング44は、概略ハット状に形成されている。
同等かそれよりも小さい内径を有する。すなわち、円柱状の正極材41は、側壁部44a
の内面によって保持される。
亘って外方に延びている。すなわち、図2に示すように、フランジ部44bは、円環状に
形成されている。図1及び図2に示すように、フランジ部44bは、扁平形電池1の軸線
方向から見て、外周端が負極缶20の拡径部22bの開口端(周壁部22の開口端)より
も外方に位置するような大きさを有する。本実施形態の場合、フランジ部44bは、正極
缶10の底部11の内面と同等の外径、もしくは、負極缶20の拡径部22bの開口端の
外径と正極缶10の底部11における内面の直径との間の外径を有する。
、外周端が負極缶20の拡径部22bの開口端よりも外方に位置するような大きさにする
ことで、フランジ部44bを負極缶20の周壁部22と正極缶10の底部11との間に挟
み込むことができる。これにより、正極缶10及び負極缶20に対する正極リング44の
移動を抑制することができる。また、フランジ部44bは、扁平形電池1の軸線方向から
見て、外周端が正極缶10の底部11の内面の最外周よりも内側に位置する。これにより
、フランジ部44bと底部11との接触以外にも、ガスケット30と正極缶10の底部1
1との接触を確保することができる。よって、封止性能が損なわれるのを防止できる。
部が正極缶10の底部11の内面の最外周に位置している場合(周壁部12と接している
場合)に、側壁部44aを挟んで反対側の部分が負極缶20の拡径部22bの開口端と重
なるような大きさであるのがより好ましい。これにより、正極缶10の底部11上で正極
リング44の位置がずれた場合でも、該正極リング44のフランジ部44bを負極缶20
の拡径部22bの開口端と正極缶10の底部11の内面との間に挟み込むことができる。
したがって、正極リング44を正極缶10及び負極缶20に対してより確実に固定するこ
とができる。
ット30のベース部31と正極缶10の底部11との間に配置されている。すなわち、フ
ランジ部44bは、ガスケット30を介して、負極缶20の周壁部22の開口端と正極缶
10の底部11の内面との間に挟み込まれている。
リチウムまたはリチウム合金を円盤状に形成した負極材42と、不織布製のセパレータ4
3とを備えている。
るように配置されている。すなわち、正極材41及び負極材42は、それらの厚み方向に
積層されている。また、正極材41は、正極缶10の内方に位置付けられている一方、負
極材42は、負極缶20の内方に位置付けられている。正極材41と負極材42との間に
はセパレータ43が配置されている。
リング44によって保持されている。すなわち、略円柱状の正極材41の側面は、正極リ
ング44によって覆われている。
より得られる。すなわち、略円柱状の正極材41は、次のように形成される。
共重合体及びヒドロキシプロピルセルロースを混合して正極合剤を調整する。
された部材を加熱することにより、正極材41が正極リング44内に円柱状に形成される
。なお、上述の限りではなく、正極リング44内に正極材41をペレット状に成形可能な
方法であれば、どのような方法でもよい。
れている。すなわち、網部材51は、粉末状の正極合剤と一体化するように、正極リング
44内に粉末状の正極合剤とともに配置された状態で加圧される。本実施形態では、網部
材51を補強部材として用いているが、この限りではなく、板状の部材等、正極材41を
補強可能な他の部材を補強部材として用いてもよい。
り得られるため、脆くて壊れやすい。そのため、正極材41を上述のように正極リング4
4内に形成することで、該正極リング44によって正極材41の側面を補強することがで
きる。また、上述のように正極材41の内部に網部材51を配置することにより、該網部
材51によっても正極材41を補強することができる。正極材41の補強構造については
後述する。
成される。このセパレータ43は、扁平形電池1内で非水電解液によって含浸されている
。なお、セパレータ43の厚みは、例えば、約0.3〜0.4mm程度である。
にLiClO4を溶解した溶液である。
次に、正極材41の補強構造について図1を用いて説明する。
いる。これにより、正極材41の側面を、正極リング44によって補強することができる
。したがって、正極材41の側面が、扁平形電池1に入力された振動や衝撃等によって、
損傷を受けるのを防止できる。
されている。網部材51は、正極材41の軸線方向の両端部のうち、正極缶10の底部1
1上に位置する一方の端部に配置されている。網部材51は、軸線Pに対して交差する方
向に拡がるように、すなわち、略円柱状の正極材41の端面に略平行になるように、正極
材41内に配置されている。なお、網部材51は、正極材41の内部に、粉末状の正極合
剤と一体化するように埋設されている。すなわち、正極材41内に網部材51を配置する
ことで、正極材41を成形する際に、網部材51の網目内に粉末状の正極合剤が入り込ん
で、網部材51と正極合剤とが容易に一体化される。
正極材41において正極リング44によって覆われていない部分、すなわち正極材41に
おける軸線方向の一方の端部の強度を向上することができる。また、網部材51を正極材
41の内部に配置して正極合剤と一体化することにより、正極材41をより確実に補強す
ることができる。さらに、網部材51は、正極材41の端面に対して略平行に配置される
ため、正極材41の軸線方向の強度を向上することができる。
に位置する一方の端部に配置することで、正極材41と正極缶10の底部11とをより確
実に接触させることができる。すなわち、正極材41の一方の端部に網部材51を配置す
ることにより、該一方の端部の剛性を向上できるとともに、該一方の端部の形状をより確
実に保持することができる。
41の外径よりも小さい外径を有する。すなわち、網部材51の外径は、正極リング44
の側壁部44aの内径よりも小さい。これにより、網部材51は、正極リング44の側壁
部44aの内方に位置付けられる。
の強度をより向上することができる。すなわち、側壁部44aによって正極材41の側面
を補強しつつ、網部材51によって正極材41の軸線方向の強度を向上することができる
。
。
態で、正極材41を丸棒によって押圧した際の荷重の最大値を測定した。具体的には、正
極材41を、載置台に形成された穴部の上方に位置付けるように該穴部の周縁部上に配置
した状態で、穴部よりも小さい外径を有する丸棒によって正極材41を下方に押圧した。
そして、正極材41が破損する際に正極材41に生じる応力の最大値(最大応力)を測定
した。なお、正極材41の外径は15mmであり、穴部の外径は16mm、丸棒の外径は
9.8mmであった。また、正極材41の厚みは1.75mmであった。正極材41は、
二酸化マンガンに、黒鉛、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体
及びヒドロキシプロピルセルロースを混合して調整された正極合剤を、正極リング44内
に加圧成形した後、250度で12時間焼成することにより得た。
に網部材51が配置された正極材(網部材あり)と、両端部に網部材51が配置された正
極材(両端部に網部材あり)の3種類を用意した。なお、正極材41内に配置された網部
材51は、正極材41(成形体)の外径に対して約96%の外径を有する。
る最大応力は約130kPaであり、網部材ありの場合には正極材41が破損する際に生
じる最大応力は約240kPaであった。これにより、網部材ありの場合の正極材41は
、網部材なしの場合の正極材に比べて、約2倍の強度を有することが分かった。また、両
端部に網部材ありの場合に、正極材41が破損する際に生じる最大応力は約300kPa
であった。これにより、正極材41の両端部に網部材を配置することで、正極材41の強
度をさらに向上できることが分かった。
極材41に作用している荷重)も、上述の最大応力と同様に、丸棒を用いて測定した。な
お、正極材41は、内部に網部材51が配置された正極材(網部材あり)と、正極合剤の
みからなる正極材(網部材なし)とを用意した。また、網部材ありの正極材41は、網部
材51の外径を変えることにより、正極材41の密度を変化させた。
4から、成形体の密度が大きくなるほど、破壊荷重が大きくなることが分かる。また、網
ありの場合には、網なしの場合に比べて破壊荷重が大きい。この傾向は、成形体の密度が
大きくなるほど、すなわち、網部材51の外径が大きくなるほど顕著になる。よって、網
部材51の外径は、正極材41内に配置可能な範囲で、できるだけ大きい方が好ましい。
なお、図4において、網部材ありの場合と網部材なしの場合とで破壊荷重が同等の部分は
、丸棒の外径よりも網部材の外径が小さい場合の計測結果である。
次に、上述のような構成を有する扁平形電池1の製造方法について説明する。
。また、正極材41及び負極材42をそれぞれ形成する。正極材41は、二酸化マンガン
に、黒鉛、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体及びヒドロキシ
プロピルセルロースを混合して得られる粉末状の正極合剤を、プレス成形によって得られ
た正極リング44内に充填して加圧成形した後、焼成することにより得られる。なお、正
極リング44内に粉末状の正極合剤を充填する際、途中で網部材51を正極リング44内
に配置し、その上に粉末状の正極合剤をさらに充填する。これにより、正極リング44が
正極材41の内部に埋設される。なお、負極材42は、金属リチウムまたはリチウム合金
を円盤状に形成することによって得られる。
もに、該正極材41上に、セパレータ43及び負極材42の順に積層する。一方、負極缶
20の周壁部22に、ガスケット30を装着する。
材42が収納された正極缶10に対し、その開口を覆うように配置する。負極缶20は、
周壁部22が正極缶10の内方に位置付けられるように、該正極缶10に対して組み合わ
される。正極缶10と負極缶20とを組み合わせた状態で、正極缶10の周壁部12の開
口端側を、負極缶20の周壁部22に対してかしめる。
以上の構成では、略円柱状の正極材41は、その側面を正極リング44によって保持さ
れている。これにより、正極材41の側面の強度を向上することができる。また、正極材
41には、軸線方向の端部に網部材51が配置されている。これにより、正極材41の軸
線方向の強度を向上することができる。したがって、正極リング44及び網部材51によ
って、正極材41の耐振動性及び耐衝撃性を向上することができる。よって、振動等によ
って正極材41の一部が欠落して内部短絡を生じるのをより確実に防止できる。
する一方の端部に配置されている。これにより、正極材41の一方の端部の強度を向上で
きるとともに、該一方の端部の変形を抑制できる。したがって、正極材41と正極缶10
の底部11とをより確実に接触させることができる。
網部材51の網目の中に粉末状の正極合剤が入りこんで、網部材51と正極合剤とがより
強固に一体化される。これにより、正極材41の強度をより確実に向上することができる
。
10の底部11と負極缶20の周壁部22との間に挟み込まれるフランジ部44bとを有
する。これにより、正極リング44を正極缶10及び負極缶20に対して固定することが
できる。したがって、扁平形電池1に振動が入力された際に、該扁平形電池1内で正極材
41が移動して衝撃を受けるのを防止できる。また、正極缶10に対する正極リング44
の移動を抑制することにより、正極材41と負極材42との間に位置するセパレータ43
が損傷を受けたり、正極材41と正極缶10との電気的な接触が不安定になったりするの
を防止できる。
から見て、外周端が負極缶20の拡径部22bの開口端(周壁部22の開口端)よりも外
方に位置している。これにより、正極リング44のフランジ部44bを、負極缶20の周
壁部22の開口端と正極缶10の底部11の内面との間でより確実に挟み込むことができ
る。したがって、正極リング44を、正極缶10及び負極缶20に対してより確実に固定
することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するため
の例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣
旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
かしながら、正極リング44によって覆われていない部分であれば、網部材51を、正極
材41の内部または表面のどこに配置してもよい。例えば、網部材51を、正極材41内
の軸線方向の中央部分に配置してもよい。また、網部材51の一部は、正極材41のうち
正極リング44によって覆われている部分に配置されていてもよい。さらに、前記実施形
態では、網部材51は、正極材41内に、前記軸線方向と交差するように配置されている
が、正極材41を補強可能な配置であれば、網部材51をどのように配置してもよい。
の端部が、正極缶10の底部11上に位置している。しかしながら、正極材41の軸線方
向の両端部のうち、網部材51が位置しない他方の端部が、正極缶10の底部11上に位
置するように、正極材41が配置されていてもよい。
ら見て、外周端が負極缶20の拡径部22bの開口端よりも外方に位置するような大きさ
である。しかしながら、正極リング44のフランジ部44bは、扁平形電池1の軸線方向
から見て、外周端が負極缶20の拡径部22bの内周面よりも外方に位置するような大き
さであってもよい。
亘って円環状に形成されている。しかしながら、フランジ部を側壁部44aの一部のみに
設けてもよい。ただし、図3の関係を有する場合には、側壁部44aを挟んで対向する部
分にフランジ部を設ける必要がある。また、フランジ部の形状は、円環状以外の形状であ
ってもよい。同様に、側壁部44aの形状も円筒状以外の形状であってもよい。
44bを有する。しかしながら、正極リングは、側壁部44aから径方向外方に延びるフ
ランジ部を備えていなくてもよい。また、フランジ部は、側壁部44aから径方向内方に
延びていてもよい。
リング44は正極材41だけでなく負極材42も保持するように構成されていてもよい。
この場合には、負極材42に網部材を設けてもよい。
側に位置するように、概略円筒状に形成されている。しかしながら、負極缶の周壁部の開
口側を折り曲げて、その折曲部分と正極缶10の底部11との間でガスケット30を挟み
込んでもよい。
、逆に正極缶が封口缶で、負極缶が外装缶であってもよい。この場合には、正極材と負極
材の配置も逆になるため、負極材を保持する負極リングが外装缶である負極缶に固定され
る。
であれば、四角柱など、他の形状であってもよい。
能である。
20:負極缶(封口缶)、22:周壁部、30:ガスケット(シール部材)、41:正極
材、42:負極材、44:正極リング(台座)、44a:側壁部(保持部)、44b:フ
ランジ部、51:網部材(補強部材)、P:軸線
Claims (8)
- 有底筒状の外装缶と、
前記外装缶の開口を覆う有底筒状の封口缶と、
前記外装缶と前記封口缶との間に形成される空間内に配置された正極材及び負極材と、
前記正極材及び前記負極材のうち少なくとも一方の部材を保持する台座と、
前記少なくとも一方の部材において前記台座によって覆われていない部分に配置され、
当該部分を補強する補強部材とを備える、扁平形電池。 - 請求項1に記載の扁平形電池において、
前記一方の部材は、軸線方向に延びる柱状に形成されていて、
前記台座は、前記一方の部材の側面を覆うように配置されていて、
前記補強部材は、前記一方の部材における前記軸線方向の端面に配置されている、扁平
形電池。 - 請求項2に記載の扁平形電池において、
前記補強部材は、前記軸線方向と交差する方向に拡がるように、前記一方の部材内に配
置されている、扁平形電池。 - 請求項2または3に記載の扁平形電池において、
前記一方の部材は、前記外装缶上に前記端面が位置するように配置されている、扁平形
電池。 - 請求項1から4のいずれか一つに記載の扁平形電池において、
前記外装缶は、底部と、前記軸線方向に延びる筒状側壁部とを有し、
前記封口缶は、前記外装缶の開口を覆った状態で前記外装缶の内方に位置付けられる周
壁部を有し、
前記台座は、前記一方の部材を保持する保持部と、前記軸線方向から見て前記封口缶の
周壁部の開口端と重なるように前記保持部から外方に延びるフランジ部とを有し、
前記フランジ部は、前記封口缶の周壁部の開口端と前記外装缶の底部の内面との間に挟
み込まれている、扁平形電池。 - 請求項5に記載の扁平形電池において、
前記フランジ部は、前記軸線方向から見て、外周端が前記封口缶の周壁部の開口端より
も外方に位置するような大きさに形成されている、扁平形電池。 - 請求項5または6に記載の扁平形電池において、
前記封口缶の周壁部の開口端と前記外装缶の底部の内面との間には、シール部材が配置
されていて、
前記フランジ部は、前記シール部材と前記外装缶の底部の内面との間に挟み込まれる、
扁平形電池。 - 請求項1から7のいずれか一つに記載の扁平形電池において、
前記補強部材は、網状の部材である、扁平形電池。
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