JP6322156B2 - 扁平形電池、扁平形電池の製造方法及びタイヤパンク検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、コイン形電池等の扁平形電池、扁平形電池の製造方法及び扁平形電池を備えたタイヤパンク検出装置に関する。
従来より、有底筒状の外装缶と、該外装缶の開口を覆うように配置され、外周側で該外装缶に接続される封口缶とを備えた扁平形電池が知られている。このような扁平形電池として、例えば特許文献1に開示されるように、電池ケース(外装缶)と封口板(封口缶)との間に、成形された正極合剤ペレット及び金属リチウムが配置された構成が知られている。
特許文献1に開示されている構成では、正極合剤ペレットと金属リチウムとの間にポリプロピレンの不織布であるセパレータが配置されている。このセパレータは、一部が、正極合剤ペレットと金属リチウムとの間に挟まれることなく、平面視で正極合剤ペレット及び金属リチウムの少なくとも一方よりも外方に突出している。
一方、特許文献2には、正極と負極との間に、10kgf/cmで加圧された際の圧縮率が加圧前の厚さに対して40%以下で且つ圧縮状態での厚さが0.10mm以上であるポリオレフィン系樹脂繊維の不織布からなるセパレータが配置されたアルカリ二次電池が開示されている。これにより、セパレータの電解液の保持性能を向上させることができ、短絡を防止することができる。
特開2000−58077号公報 特開2000−195486号公報
ところで、上述の特許文献1の構成を有する電池を、例えば車両のタイヤのパンクセンサなど、大きな遠心力(例えば50kgf/cm)が作用する機器の電池として用いた場合、正極合剤ペレット(以下、正極材)及び金属リチウム(以下、負極材)だけでなく、セパレータにも大きな力が作用する。そのため、遠心力によって正極材と負極材との間隔(以下、極間距離という)が狭くなり、正極材と負極材との間に十分な量の電解液を保持できなくなる場合がある。また、合剤である正極材から一部が脱落した場合に、その欠片がセパレータを突き抜けて、負極材との間で短絡が生じる可能性がある。そのため、より高い強度を有するセパレータを用いるとともに、大きな遠心力が作用した場合でも、正極材と負極材との極間距離を所定以上に保つ必要がある。
また、特許文献2に開示されている構成のように、セパレータを予め圧縮して正極と負極との間に配置することにより、ある程度の耐振動性を得ることは可能である。しかしながら、特許文献2に開示されているポリオレフィン系樹脂繊維のような柔軟性の高い樹脂をセパレータに用いた場合、セパレータは、遠心力によって正極材と負極材との間に挟みこまれて圧縮されるため、電解液の保持性能が低下する。
本発明の目的は、正極材と負極材との間にセパレータが配置された扁平形電池において、遠心力が作用する機器の電池として用いた場合でも、電池としての機能を確保可能な構成を得ることにある。
本発明の一実施形態に係る扁平形電池は、有底筒状の外装缶と、前記外装缶の開口を覆う有底筒状の封口缶と、前記外装缶と前記封口缶との間に形成される空間内に配置された正極材及び負極材と、前記正極材と前記負極材との間に位置し、アラミド繊維によって構成された不織布を含むセパレータと、前記セパレータの空孔内に保持される電解液とを備える。前記セパレータは、前記正極材と前記負極材との間に挟みこまれて圧縮された部分の厚みが、圧縮されていない状態の厚みに対して50%以上95%以下である。前記正極材と前記負極材との極間距離は、50μm以上500μm以下である(第1の構成)。
以上のように、アラミド繊維によって構成された不織布を用いてセパレータを構成することにより、セパレータ自体の強度を向上することができる。これにより、従来のセパレータに比べて、正極材と負極材との極間距離が遠心力によって変化するのを抑制することができる。
さらに、正極材と負極材との極間距離が50μm以上500μm以下となるように、セパレータによって前記極間距離を形成するため、正極材と負極材との間で内部短絡が生じるのを防止できる。ここで、合剤である正極材から一部が脱落した場合、その欠片の大きさは、一般的に、50μmよりも小さい。そのため、上述のように、セパレータによって、正極材と負極材との極間距離を50μm以上とすることで、前記欠片がセパレータの空隙にある程度入り込んだとしても、正極材と負極材との間で短絡が生じるのを防止できる。一方、正極材と負極材との極間距離を500μm以下とすることで、電池の容量や負荷特性が低下するのを防止できる。さらに、上述の構成により、正極材と負極材との極間距離を十分に大きくすることができるため、反応に必要な量の電解液を、正極材と負極材との間に位置するセパレータの空隙内に保持することができる。
したがって、上述の構成により、扁平形電池に遠心力が作用した場合でも、セパレータによって電池としての機能を十分に確保することができる。
ポリプロピレンなどのポリオレフィンを用いた一般的なセパレータの場合、正極材と負極材との間に挟みこまれた状態での厚みが上述の範囲になるようにセパレータを圧縮しても、セパレータの弾性復元力は小さい。したがって、ポリオレフィンを用いたセパレータが正極材及び負極材を外装缶及び封口缶に押し付ける力が弱いため、正極材及び負極材に大きな力が作用したときに、正極材及び負極材が位置ずれを生じる可能性がある。
一方、アラミド繊維で構成された不織布をセパレータに用いる場合、正極材と負極材との間に挟みこまれて圧縮された部分のセパレータの厚みが、圧縮されていない状態の厚みの50%以上95%以下となるように電池を組み立てることにより、セパレータの大きな復元力によって正極材及び負極材を外装缶及び封口缶に押し付けることができる。これにより、電池内で正極材及び負極材を保持することができるため、正極材及び負極材に大きな力が作用した場合でも、位置ずれなどによる不良の発生を防止できる。また、上述のように、アラミド繊維で構成された不織布をセパレータに用いることにより、扁平形電池の厚み方向に遠心力が作用した場合でも、従来の一般的なセパレータに比べて厚みの減少が小さくなり、セパレータの電解液の保持能力を向上させることができる。
なお、正極材と負極材との間に挟みこまれて圧縮された部分のセパレータの厚みが、圧縮されていない状態の厚みの50%よりも小さくなるように電池を組み立てる場合、電池組み立て時にセパレータに加える圧縮力を大きくする必要があるため、組み立てが難しくなるとともに、圧縮によってセパレータの空隙率が低下してセパレータの電解液の保持量が低下するため、好ましくない。一方、正極材と負極材との間に挟みこまれて圧縮された部分のセパレータの厚みが、圧縮されていない状態の厚みの95%よりも大きくなるように電池を組み立てた場合には、正極材及び負極材を外装缶及び封口缶に押し付ける力が低下して、正極材及び負極材が位置ずれを生じる可能性がある。
前記第1の構成において、前記セパレータは、目付けが70g/mよりも大きい(第2の構成)。これにより、電池に遠心力が作用した場合でも、その遠心力に耐えられるようなセパレータの強度を確保することができる。
前記第1または第2の構成において、前記扁平形電池は、車両のタイヤのパンクを検出するタイヤパンク検出装置の電源として用いられる(第3の構成)。前記扁平形電池は、遠心力が作用している条件下でも内部短絡を生じることなく検出装置に安定して電力を供給することができる。よって、前記扁平形電池は、車両のタイヤのパンクを検出するタイヤパンク検出装置の電源として特に有用である。
本発明の一実施形態に係る扁平形電池の製造方法は、有底筒状の外装缶と、前記外装缶の開口を覆う有底筒状の封口缶と、前記外装缶と前記封口缶との間に形成される空間内に配置された正極材及び負極材と、前記正極材と前記負極材との間に位置し、アラミド繊維によって構成された不織布を含むセパレータと、前記セパレータの空孔内に保持される電解液とを備えた扁平形電池の製造方法である。この扁平形電池の製造方法は、前記セパレータを前記正極材と前記負極材との間に挟みこんだ状態で、前記外装缶内に配置し、前記外装缶の開口を前記封口缶によって覆う工程と、前記セパレータを、前記正極材と前記負極材との間に挟みこまれる部分の厚みが、圧縮されていない状態の厚みに対して50%以上95%以下となるように、且つ、前記正極材と前記負極材との極間距離が50μm以上500μm以下となるように、前記外装缶に対して前記封口缶を押圧した状態で、前記外装缶と前記封口缶とを固定する工程とを有する(第1の方法)。
これにより、上述の第1の構成を有する扁平形電池が得られる。すなわち、遠心力が作用した場合でも、セパレータによって電池としての機能を十分に確保することができる扁平形電池が得られる。
本発明の一実施形態に係るタイヤパンク検出装置は、車両のタイヤのパンクを検出するためのタイヤパンク検出装置である。このタイヤパンク検出装置は、第1の構成から第3の構成のいずれか一つに記載の扁平形電池を電源として用いる(第4の構成)。
これにより、遠心力が作用した場合でも正常に機能するタイヤパンク検出装置が得られる。
本発明の一実施形態に係る扁平形電池では、アラミド繊維によって構成された不織布を用いてセパレータを構成するとともに、正極材と負極材との極間距離が50μm以上500μm以下になるように、前記極間距離をセパレータによって形成する。しかも、前記セパレータは、前記正極材と前記負極材との間に挟みこまれて圧縮された部分の厚みが、元の厚み(圧縮されていない状態での厚み)の50%以上95%以下となるように圧縮される。これにより、扁平形電池に遠心力が作用している状態でも、扁平形電池の電池としての機能を確保することができる。
図1は、実施形態に係る扁平形電池の概略構成を示す断面図である。 図2は、タイヤのパンクを検出するパンク検出センサの配置を示す図である。 図3は、セパレータにおいて正極材と負極材との間に挟みこまれた部分の厚みと、正極材と負極材との間に挟みこまれていない部分の厚みとを比較して示す図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中の同一または相当部分については同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
(全体構成)
図1は、本発明の一実施形態である扁平形電池1の概略構成を示す断面図である。この扁平形電池1は、有底円筒状の正極缶10(外装缶)と、該正極缶10の開口を覆う負極缶20(封口缶)と、正極缶10の外周側と負極缶20の外周側との間に配置されるガスケット30と、正極缶10及び負極缶20の間に形成される空間S内に収納される発電要素40とを備える。扁平形電池1は、正極缶10と負極缶20とを組み合わせることによって、全体が扁平なコイン状に形成される。なお、正極缶10及び負極缶20の間に形成される空間S内には、発電要素40以外に、非水電解液(図示省略、以下、電解液という)も封入されている。
なお、本実施形態の扁平形電池1は、図2に示すように、例えば、自動車などの車両のタイヤ102の内周側に配置されるパンク検出センサ101(タイヤパンク検出装置)の電池として用いられる。このパンク検出センサ101は、例えば、タイヤ102の空気圧の測定結果に基づいて、該タイヤ102のパンクを検出する。図2において、符号103は、タイヤ102が取り付けられるホイールである。
正極缶10は、ステンレスなどの金属材料からなり、プレス成形によって有底円筒状に形成されている。図1に示すように、正極缶10は、円形状の底部11と、その外周に該底部11と連続して形成される円筒状の周壁部12とを備える。周壁部12は、縦断面視で、底部11に対して垂直に延びるように設けられている。正極缶10は、後述するように、負極缶20との間にガスケット30を挟んだ状態で、周壁部12の開口端側が内側に折り曲げられて、該負極缶20の外周部に対してかしめられている。図1における符号Pは、扁平形電池1の軸線である。周壁部12は、扁平形電池1の軸線方向に延びている。
正極缶10の底部11は、その内面が平坦になるように平板状に形成されている。すなわち、本実施形態の正極缶10は、外周側に段差が形成されていない、平坦な底部11を有する。
負極缶20も、正極缶10と同様、ステンレスなどの金属材料からなり、プレス成形によって有底円筒状に形成されている。負極缶20は、円形状の平面部21と、その外周に該平面部21と連続して形成される円筒状の周壁部22とを備える。この周壁部22も、正極缶10と同様、縦断面視で、平面部21に対して垂直に延びるように設けられている。すなわち、周壁部22も、扁平形電池1の軸線方向に延びている。
周壁部22は、該周壁部22の基端部22aに対して径が段状に大きくなる拡径部22bを有する。すなわち、周壁部22には、基端部22aと拡径部22bとの間に段部22cが形成されている。図1に示すように、この段部22cに対して、正極缶10の周壁部12の開口端側が折り曲げられてかしめられている。これにより、正極缶10と負極缶20とが、それらの外周側で接続されている。
ガスケット30(シール部材)は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)を主成分としており、PPSにオレフィン系エラストマーを含有した樹脂組成物からなる。ガスケット30は、正極缶10の周壁部12と負極缶20の周壁部22との間に挟みこまれるように配置されている。また、ガスケット30は、負極缶20の周壁部22の開口端と正極缶10の底部11との間に挟み込まれるように配置されている。具体的には、ガスケット30は、リング状のベース部31と、該ベース部31の外周縁から突出する外筒壁32と、該ベース部31の内周縁から該外筒壁32と同じ方向に伸びる内筒壁33とを備える。本実施形態では、ガスケット30は、ベース部31、外筒壁32及び内筒壁33が一体で形成されている。
ガスケット30は、図1に示すように、ベース部31が、後述する正極リング44のフランジ部44b上に位置するように配置されている。そして、ガスケット30のベース部31及び正極リング44のフランジ部44bは、負極缶20の周壁部22の開口端と正極缶10の底部11の外周部分との間に挟みこまれている。
また、ガスケット30は、負極缶20の拡径部22bを覆うように配置されている。すなわち、ガスケット30は、負極缶20の拡径部22bが、ガスケット30の外筒壁32と内筒壁33との間に位置づけられるように、負極缶20の拡径部22bに配置されている。これにより、ガスケット30の外筒壁32は、正極缶10の周壁部12と負極缶20の周壁部22との間に挟みこまれる。ガスケット30のベース部31及び外筒壁32は、正極缶10と負極缶20との間に挟みこまれた状態で、該正極缶10と負極缶20との隙間をシール可能な厚みを有する。
このように、正極缶10の周壁部12と負極缶20の周壁部22との間にガスケット30を配置することにより、該正極缶10と負極缶20とをそれらの外周側で絶縁することができる。また、正極缶10の周壁部12と負極缶20の周壁部22との間にガスケット30を挟みこんだ状態で、該正極缶10の周壁部12を折り曲げて負極缶20の周壁部22にかしめることにより、該ガスケット30によって正極缶10の周壁部12と負極缶20の周壁部22との間を封止することができる。すなわち、ガスケット30は、正極缶10の周壁部12と負極缶20の段部22cとの間に挟みこまれる外筒壁32、及び、負極缶20の周壁部22の開口端と正極缶10の底部11との間に挟みこまれるベース部31が、それぞれ、シールとして機能する。
また、ガスケット30のベース部31と正極缶10の底部11との間に、後述する正極リング44のフランジ部44bを配置することで、該フランジ部44bをガスケット30のベース部31と正極缶10の底部11とによって挟み込むことができる。これにより、正極リング44のフランジ部44bを、正極缶10の底部11に溶接することなく、該正極缶10に対して固定することができる。
正極リング44は、所定の剛性及び導電性を有するステンレス鋼等によって構成されている。図1に示すように、正極リング44は、正極材41の側面に接する円筒状の側壁部44aと、該側壁部44aの一端側から外方に向かって延びる円環状のフランジ部44bとを有する。本実施形態では、側壁部44a及びフランジ部44bは一体形成されている。すなわち、正極リング44は、概略ハット状に形成されている。
側壁部44aは、円柱状の正極材41を内部で保持可能なように、正極材41の外径と同等かそれよりも小さい内径を有する。すなわち、円柱状の正極材41は、側壁部44aの内面によって保持される。
フランジ部44bは、円筒状の側壁部44aの一方の端部から該側壁部44aの全周に亘って外方に延びている。すなわち、フランジ部44bは、円環状に形成されている。図1に示すように、フランジ部44bは、扁平形電池1の軸線方向から見て、外周端が負極缶20の拡径部22bの開口端(周壁部22の開口端)よりも外方に位置するような大きさを有する。本実施形態の場合、フランジ部44bは、正極缶10の底部11の内面と同等の外径、もしくは、負極缶20の拡径部22bの開口端の外径と正極缶10の底部11における内面の直径との間の外径を有する。
このように、正極リング44のフランジ部44bを、扁平形電池1の軸線方向から見て、外周端が負極缶20の拡径部22bの開口端よりも外方に位置するような大きさにすることで、フランジ部44bを負極缶20の周壁部22と正極缶10の底部11との間に挟み込むことができる。これにより、正極缶10及び負極缶20に対する正極リング44の移動を抑制することができる。また、フランジ部44bは、扁平形電池1の軸線方向から見て、外周端が正極缶10の底部11の内面の最外周よりも内側に位置する。
発電要素40は、正極活物質等を略円柱状に成形した正極材41と、負極活物質の金属リチウムまたはリチウム合金を円盤状に形成した負極材42と、不織布製のセパレータ43とを備えている。
図1に示すように、正極材41及び負極材42は、扁平形電池1の軸線方向に積層されるように配置されている。すなわち、正極材41及び負極材42は、それらの厚み方向に積層されている。また、正極材41は、正極缶10の内方に位置付けられている一方、負極材42は、負極缶20の内方に位置付けられている。正極材41と負極材42との間にはセパレータ43が配置されている。
正極材41は、正極活物質として二酸化マンガンを含有している。上述のように、正極材41は、正極リング44によって保持されている。すなわち、略円柱状の正極材41の側面は、正極リング44によって覆われている。
正極材41は、粉末状の正極合剤を加圧成形した後、焼成することにより得られる。すなわち、略円柱状の正極材41は、次のように形成される。
まず、二酸化マンガンに、黒鉛、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体及びヒドロキシプロピルセルロースを混合して正極合剤を調整する。
前記正極合剤からなる粉末を正極リング44内に充填した状態で加圧成形した後、成形された部材を加熱することにより、正極材41が正極リング44内に円柱状に形成される。上述のように、正極材41は、粉末状の正極合剤を加圧成形した後、焼成することにより得られるため、脆くて壊れやすい。そのため、正極材41を上述のように正極リング44内に形成することで、該正極リング44によって正極材41の側面を補強することができる。なお、上述の限りではなく、正極リング44内に正極材41をペレット状に成形可能な方法であれば、どのような方法でもよい。
正極材41の内部には、補強部材としての網部材51が配置されている。すなわち、網部材51は、粉末状の正極合剤と一体化するように、正極リング44内に粉末状の正極合剤とともに配置された状態で加圧される。本実施形態では、網部材51を補強部材として用いているが、この限りではなく、板状の部材等、正極材41を補強可能な他の部材を補強部材として用いてもよい。
網部材51は、ステンレス鋼材からなる略円形状の部材である。網部材51は、正極材41の外径よりも小さい外径を有する。すなわち、網部材51の外径は、正極リング44の側壁部44aの内径よりも小さい。これにより、網部材51は、正極リング44の側壁部44aの内方に位置付けられる。
網部材51は、正極材41の軸線方向の両端部のうち、正極缶10の底部11上に位置する一方の端部に配置されている。網部材51は、軸線Pに対して交差する方向に拡がるように、すなわち、略円柱状の正極材41の端面に略平行になるように、正極材41内に配置されている。
上述のように、網部材51を、正極材41の軸線方向の一方の端部に配置することで、正極材41において正極リング44によって覆われていない部分、すなわち正極材41における軸線方向の一方の端部の強度を向上することができる。しかも、網部材51は、正極材41の端面に対して略平行に配置されているため、正極材41の軸線方向の強度を向上することができる。
また、網部材51を、正極材41の軸線方向の両端部のうち、正極缶10の底部11上に位置する一方の端部に配置することで、正極材41と正極缶10の底部11とをより確実に接触させることができる。
セパレータ43は、後述するようにアラミド繊維を素材とする不織布を用いて構成される。このセパレータ43は、扁平形電池1内で電解液によって含浸されている。なお、セパレータ43の詳しい構成については後述する。
電解液として、例えば、プロピレンカーボネイトと1,2−ジメトキシエタンとを混合した溶液にLiClOを溶解した溶液が用いられる。
(セパレータ)
セパレータ43は、例えば、アラミド繊維の不織布を2枚貼り合わせることにより形成される。セパレータ43に用いられるアラミド繊維の不織布は、十分な強度を確保するために、目付けが70g/m以上であるのが好ましい。
なお、セパレータ43に用いられるアラミド繊維は、パラフェニレンテレフタルアミド、パラフェニレン−3,4’オキシジフェニレン−テレフタルアミド、メタフェニレンテレフタルアミド、メタフェニレンイソフタルアミドなどが好ましい。また、アラミド繊維の不織布は、セパレータの強度が損なわれなければ、アラミド繊維以外の繊維が、例えば10重量%程度混合されているものを使用することも可能である。
上述の構成のセパレータ43によって形成される、正極材41と負極材42との極間距離は、50μm以上とする。これにより、正極材41の正極合剤を構成する二酸化マンガンの粒径よりも前記極間距離を大きくすることができるとともに、正極材41から一部が脱落した場合に、欠片がセパレータの空隙にある程度入り込んだとしても、正極材と負極材との間で短絡が生じるのを防止することができる。一般的に、正極材41から脱落する欠片の直径は、50μmよりも小さいからである。
また、正極材41と負極材42との極間距離は、短絡防止の観点から、100μm以上が好ましく、150μm以下がより好ましい。また、電池の容量を大きくして負荷特性を高めるためには、極間距離は400μm以下とするのが好ましく、300μm以下とするのがより好ましい。
また、セパレータ43は、図4に示すように、正極材41と負極材42との間に挟みこまれて扁平形電池1を構成した状態での厚みX(以下、圧縮後の厚みという)が、正極材41と負極材42との間に挟みこまれていない状態での厚みY、すなわち圧縮されていない状態での厚み(以下、圧縮前の厚みという)に対して、50%以上95%以下となるように、セパレータ43が圧縮された状態で電池が組み立てられる。なお、セパレータ43の空隙率をより好ましい値とするためには、セパレータ43の圧縮後の厚みは、圧縮前の厚みの70%以上が好ましい。一方、セパレータ43の押圧力を高めるためには、セパレータ43の圧縮後の厚みは、圧縮前の厚みの90%以下が好ましい。
この場合、電池が組み立てられた状態で、正極材41と負極材42との極間距離が、50μm以上500μm以下となり、且つ、正極材41と負極材42との間に挟みこまれて圧縮されたセパレータ43の厚みが、圧縮前の厚みの50%以上95%以下となるように、電池組み立て前の正極材41、負極材42およびセパレータ43の厚みを調整すればよい。例えば、セパレータ43としては、圧縮前の厚みが約0.05mmから1mm程度のものを用いればよい。
(扁平形電池の製造方法)
次に、上述のような構成を有する扁平形電池1の製造方法について説明する。
まず、有底円筒状の正極缶10及び負極缶20をそれぞれプレス成形によって形成する。また、正極材41及び負極材42をそれぞれ形成する。正極材41は、二酸化マンガンに、黒鉛、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体及びヒドロキシプロピルセルロースを混合して得られる粉末状の正極合剤を、プレス成形によって得られた正極リング44内に充填して加圧成形した後、焼成することにより得られる。なお、正極リング44内に粉末状の正極合剤を充填する際、途中で網部材51を正極リング44内に配置し、その上に粉末状の正極合剤をさらに充填する。これにより、網部材51が正極材41の内部に埋設される。なお、負極材42は、金属リチウムまたはリチウム合金を円盤状に形成することによって得られる。
正極缶10の内方に、略円柱状の正極材41を保持した正極リング44を配置するとともに、該正極材41上に、セパレータ43及び負極材42の順に積層する。一方、負極缶20の周壁部22に、ガスケット30を装着する。
ガスケット30が装着された負極缶20を、正極リング44、セパレータ43及び負極材42が収納された正極缶10に対し、その開口を覆うように配置する。負極缶20は、周壁部22が正極缶10の内方に位置付けられるように、該正極缶10に対して組み合わされる。正極缶10と負極缶20とを組み合わせた状態で、正極缶10の周壁部12の開口端側を、負極缶20の周壁部22に対してかしめる。
なお、セパレータ43は、正極材41と負極材42との間に挟みこまれる部分の厚みが、圧縮されていない状態の厚みに対して50%以上95%以下となるように、且つ、正極材41と負極材42との極間距離が50μm以上500μm以下となるように、正極缶10に対して負極間20を押圧した状態で、正極缶10と負極缶20とが固定される。
これにより、図1に示すような扁平形電池1が得られる。
(実施形態の効果)
以上の構成では、セパレータ43を、アラミド繊維によって構成するとともに、正極材41と負極材42との極間距離が50μm以上となるように正極材41と負極材42との間に配置する。これにより、扁平形電池1を、大きな遠心力が作用するタイヤのパンクセンサの電池として用いた場合に、内部短絡及びセパレータ43の破損が生じるのを防止できる。
すなわち、セパレータ43をアラミド樹脂によって構成することにより、セパレータ43の強度を向上できるとともに、セパレータ43によって正極材41と負極材42との極間距離を確保することができる。しかも、セパレータ43を、前記極間距離が50μm以上になるように構成することで、正極材41から一部が脱落した場合にその欠片がセパレータ43を貫通して負極材42と短絡を生じるのを防止できる。また、正極材41と負極材42との極間距離を500μm以下とすることにより、電池の容量や負荷特性が低下するのを防止できる。
さらに、セパレータ43を、圧縮後の厚みが圧縮前の厚みに対して、50%以上95%以下の範囲となるように圧縮することで、正極材及び負極材に大きな力が作用した場合でも、電池内で正極材及び負極材を保持することができる。これにより、正極材及び負極材の位置ずれなどが生じて、扁平形電池1で内部短絡が生じるのをより確実に防止できる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
前記実施形態では、アラミド繊維を用いてセパレータ43を構成している。しかしながら、従来のポリプロピレンよりも硬い樹脂であれば、どのような樹脂を用いてセパレータ43を構成してもよい。
前記実施形態では、アラミド繊維の不織布を2枚、張り合わせることによってセパレータ43を構成している。しかしながら、この限りではなく、3枚以上の不織布を張り合わせてセパレータを構成してもよい。
前記実施形態では、正極リング44のフランジ部44bが、側壁部44aの外周全周に亘って円環状に形成されている。しかしながら、フランジ部を側壁部44aの一部のみに設けてもよい。また、フランジ部の形状は、円環状以外の形状であってもよい。同様に、側壁部44aの形状も円筒状以外の形状であってもよい。
前記実施形態では、正極リング44は側壁部44aから径方向外方に延びるフランジ部44bを有する。しかしながら、正極リングは、側壁部44aから径方向外方に延びるフランジ部を備えていなくてもよい。また、フランジ部は、側壁部44aから径方向内方に延びていてもよい。
前記実施形態では、負極缶20の周壁部22は、開口側の端面が正極缶10の底部11側に位置するように、概略円筒状に形成されている。しかしながら、負極缶の周壁部の開口側を折り曲げて、その折曲部分と正極缶10の底部11との間でガスケット30を挟み込んでもよい。
前記実施形態では、正極缶10を外装缶としていて、負極缶20を封口缶としているが、逆に正極缶が封口缶で、負極缶が外装缶であってもよい。
前記実施形態では、扁平形電池1はコイン状である。しかしながら、扁平形電池1は、四角柱など、他の形状であってもよい。
本発明による扁平形電池は、遠心力を受ける環境下で使用される機器の電池として利用可能である。
1 扁平形電池
10 正極缶(外装缶)
20 負極缶(封口缶)
41 正極材
42 負極材
43 セパレータ
101 パンク検出センサ(検出装置)
102 タイヤ
S 空間

Claims (5)

  1. 有底筒状の外装缶と、
    前記外装缶の開口を覆う有底筒状の封口缶と、
    前記外装缶と前記封口缶との間に形成される空間内に配置された正極材及び負極材と、
    前記正極材と前記負極材との間に位置し、アラミド繊維によって構成された不織布を含むセパレータと、
    前記セパレータの空孔内に保持される電解液とを備え、
    前記セパレータは、前記正極材と前記負極材との間に挟みこまれて圧縮された部分の厚みが、圧縮されていない状態の厚みに対して50%以上95%以下であり、
    前記正極材と前記負極材との極間距離は、50μm以上500μm以下である、扁平形電池。
  2. 請求項1に記載の扁平形電池において、
    前記セパレータは、目付けが70g/mよりも大きい、扁平形電池。
  3. 請求項1または2に記載の扁平形電池において、
    車両のタイヤのパンクを検出するタイヤパンク検出装置の電源として用いられる、扁平形電池。
  4. 有底筒状の外装缶と、
    前記外装缶の開口を覆う有底筒状の封口缶と、
    前記外装缶と前記封口缶との間に形成される空間内に配置された正極材及び負極材と、
    前記正極材と前記負極材との間に位置し、アラミド繊維によって構成された不織布を含むセパレータと、
    前記セパレータの空孔内に保持される電解液とを備えた扁平形電池の製造方法であって、
    前記セパレータを前記正極材と前記負極材との間に挟みこんだ状態で、前記外装缶内に配置し、前記外装缶の開口を前記封口缶によって覆う工程と、
    前記セパレータを、前記正極材と前記負極材との間に挟みこまれる部分の厚みが、圧縮されていない状態の厚みに対して50%以上95%以下となるように、且つ、前記正極材と前記負極材との極間距離が50μm以上500μm以下となるように、前記外装缶に対して前記封口缶を押圧した状態で、前記外装缶と前記封口缶とを固定する工程とを有する、扁平形電池の製造方法。
  5. 車両のタイヤのパンクを検出するためのタイヤパンク検出装置であって、
    請求項1から3のいずれか一つに記載の扁平形電池を電源として用いる、タイヤパンク検出装置。
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