JP2017142361A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示される映像の画質をより向上させた表示装置を提供する。【解決手段】表示装置1は、映像光を投射する映像源10と、映像光を導光方向に全反射する第1全反射面121が形成された第1導光層201、第1全反射面121と対向する位置に設けられ、映像光を導光方向に全反射する第2全反射面122及び映像源10から投射された映像光を第1全反射面121に入射させる入射面120が形成された第2導光層202を有する導光板20とを備え、映像源10は、投射した映像光が第1全反射面121の垂線に対して臨界角以上の角度θ1で入射するように配置され、入射面120の第1全反射面121に対する傾斜角度θ2は(90°−θ1)未満であり、第1導光層201の層厚をth1、第2導光層202の層厚をth2、第1全反射面121の垂線方向における入射面120の幅をWとした場合に、W>tanθ1×(2×th1+th2)を満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、導光板を備えた表示装置に関する。
従来、LCD(Liquid Crystal Display)等の映像源で表示された映像光を、光学系を介して観察者に観察させる頭部装着型の表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この頭部装着型の表示装置は、映像源で表示された映像光を、導光板によって観察者の眼に対応する位置まで導光して、観察者側へ反射させている。これにより、観察者は、導光板の端部(眼に対応する位置)において、映像光により形成された映像を観察することができる。
上述した頭部装着型の表示装置においては、表示される映像の画質をより向上させることが求められている。
特表2011−509417号公報
本発明の課題は、表示される映像の画質をより向上させた表示装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されない。
・第1の発明は、映像光を投射する映像源(10)と、映像光を導光方向に全反射する第1全反射面(121)が形成された第1導光層(201)、前記第1全反射面と対向する位置に設けられ、映像光を導光方向に全反射する第2全反射面(122)及び前記映像源から投射された映像光を前記第1全反射面に入射させる入射面(120)が形成された第2導光層(202)を有する導光板(20)とを備えた表示装置(1)であって、前記映像源は、投射した映像光が前記第1全反射面の垂線に対して臨界角以上の角度θ1で入射するように配置され、前記入射面の前記第1全反射面に対する傾斜角度θ2は、(90°−θ1)未満であり、前記第1導光層の層厚をth1、前記第2導光層の層厚をth2、前記第1全反射面の垂線方向における前記入射面の幅をWとした場合に、W>tanθ1×(2×th1+th2)を満たすことを特徴とする表示装置である。
・第2の発明は、第1の発明の表示装置(1)において、前記導光板(20)は、第1傾斜面(30a)及び第2傾斜面(30b)を有する単位光学形状部(30)が複数配列された第1光学形状層(22)と、前記第1光学形状層の前記単位光学形状部が設けられた側の面に積層される第2光学形状層(23)と、前記第1傾斜面の少なくとも一部に形成され、入射した光の一部を反射し、その他を透過する反射層(25)と、を備えることを特徴とする表示装置である。
本発明によれば、表示される映像の画質をより向上させた表示装置を提供することができる。
実施形態の頭部装着型の表示装置1を説明する図である。 実施形態の導光板20の詳細を説明する図である。 実施形態の導光板20の製造方法を説明する図である。 実施形態の導光板20の製造方法を説明する図である。 比較例及び実施形態の導光板における映像光の光路を説明する図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするため、適宜に誇張している。例えば、図1に示す導光板20と図5(b)に示す導光板20は実質的に同じであるが、同じ部分の角度を異なる角度で図示している。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜に選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
図1は、本実施形態の頭部装着型の表示装置1を説明する図である。図1は、使用状態の表示装置1を鉛直方向の上方から見た図である。
なお、以下の説明においては、理解を容易にするために、観察者が頭部に表示装置1を装着した状態における鉛直方向をZ方向とし、水平方向をX方向及びY方向とする。また、この水平方向のうち、導光板20に入光した映像光の導光方向(導光板20の左右方向)をX方向とし、それに直交する方向(導光板20の厚み方向)をY方向とする。また、Y方向のうち、−Y側を観察者側とし、+Y側を背面側とする。
表示装置1は、観察者が頭部に装着し、観察者の眼前に映像を表示する、いわゆるヘッドマウントディスプレイである。本実施形態の表示装置1は、例えば、メガネフレーム(不図示)の内側に配置される。
表示装置1は、映像源10と、導光板20と、を備える。表示装置1は、観察者がメガネフレームを頭部に装着することによって、映像源10に表示された映像を、導光板20を介して観察者に視認させることができる。具体的には、表示装置1は、映像源10で形成された映像光を導光板20へ入光させ、導光板20内において+X方向に導光する。そして、表示装置1は、導光方向に直交する−Y方向に反射して、表示装置1を頭部に装着した観察者の眼Eの前に映像を表示する。
また、表示装置1は、導光板20に入光した外界から光の一部を観察者側に透過させて、映像と外界の光とを重ねて見せる、いわゆるシースルー機能を備えている。
映像源10は、ディスプレイ11と、投射光学系12と、を備える。
ディスプレイ11は、映像光を表示するマイクロディスプレイであり、例えば、透過型の液晶表示デバイス、反射型の液晶表示デバイス、有機EL等が使用される。具体的には、ディスプレイ11として、例えば、対角が1インチ以下のマイクロディスプレイが使用される。
投射光学系12は、映像源10から出射された映像光を導光板20に向けて投射する複数のレンズ群から構成される光学系である。図1では、投射光学系12を構成する複数のレンズ群を1枚のレンズとして模式的に図示している。
映像源10は、投射した映像光Lが第1全反射面121(後述)の垂線PHに対して臨界角以上の角度θ1で入射するように配置されている。ここで、第1全反射面121の垂線に対して臨界角以上となる角度θ1とは、第1全反射面121に入射した映像光Lが導光方向(X方向)に全反射する角度である。図1に示すように、映像源10から投射された映像光Lは、入射面120(後述)と空気との境界面で屈折した入射角において、第1全反射面121の垂線PHに対して臨界角以上の角度θ1となる。
なお、図1では、映像源10から入光する映像光Lを1本の光線として図示しているが、映像光Lは、縦横に所定の大きさを有する画像として投射される。また、以下の説明においては、映像光L1、L2(後述)を総称して映像光Lともいう。
導光板20は、光を導光する略平板状の透明な光学部材である。本実施形態の導光板20は、鉛直方向(Z方向)から見た形状が略台形形状に形成されている。導光板20は、第1導光層201と、第2導光層202と、を備える。第1導光層201は、第1全反射面121が形成された層である。第2導光層202は、入射面120及び第2全反射面122が形成された層である。以下、入射面120、第1全反射面121、第2全反射面122の順に説明する。
入射面120は、映像光Lを第1全反射面121側に入射させる面である。入射面120は、導光板20の−X側の端部において、第1全反射面121に対して角度θ2で傾斜している。角度θ2は、上述した映像光Lが第1全反射面121の垂線PHに対して臨界角以上となる角度θ1において、(90°−θ1)未満となるように設定される。また、入射面120は、第1導光層201の層厚をth1、第2導光層202の層厚をth2、第1全反射面121の垂線PH方向における入射面120の幅をW(後述のW2)とした場合に、W>tanθ1×(2×th1+th2)を満たすように設定される。入射面120の角度θ2及び幅Wを上記のように設定した場合の作用については、後述する。
第1全反射面121は、導光板20を形成する面のうちXZ平面に平行であって、背面側(+Y側)に位置する面である。第1全反射面121は、入射面120から入射した映像光Lを第2全反射面122側に向けて全反射させる。
第2全反射面122は、導光板20を形成する面のうち、XZ平面に平行であって、観察者側(−Y側)に位置する面である。第2全反射面122と第1全反射面121は、導光板20の厚み方向(Y方向)において平行に形成されている。第2全反射面122は、第1全反射面121において全反射した映像光Lを、第1全反射面121側に向けて全反射させる。また、第2全反射面122は、+X側の端部が、単位光学形状部30及び出光側単位光学形状部31(後述)において反射した映像光Lを導光板20外へ出光する出光面となる。
上記構成において、映像源10から投射され、入射面120に入光した映像光Lは、第1全反射面121で全反射する角度θ1で導光される。第1全反射面121及び第2全反射面122は、導光板20の厚み方向(Y方向)において平行であるため、映像光Lは、第1全反射面121及び第2全反射面122の間で全反射を繰り返しながら、導光板20内の+X方向(導光方向)に導光される。なお、導光板20に入光した映像光Lの光路については、後述する。
次に、導光板20の層構成について説明する。
図2は、本実施形態の導光板20の詳細を説明する図である。図2は、図1のa部の詳細を示している。
図2に示すように、導光板20は、観察者側(−Y側)から順に、基材部26、接合層24、第2光学形状層23、第1光学形状層22及び基材部21が積層されている。
基材部21及び基材部26は、導光板20の基礎となる平板状の部材であり、例えば、光透過性の高いアクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂等から形成されている。
基材部21は、導光板20の最も背面側に設けられた層であり、その背面側(+Y側)の面が第1全反射面121となる。基材部21は、第1光学形状層22の基礎となる基材であり、その厚みs1は、後述する単位光学形状部30の深さd1及びd2に合わせて、10μm≦s1≦100μmの範囲で形成されることが望ましい。基材部21の背面側の面は、入射する光の拡散を抑制する観点から平滑(例えば、60度の光沢度で90以上)に形成されるのが望ましい。
基材部26は、導光板20の最も観察者側に設けられた層であり、その観察者側(−Y側)の面が、第2全反射面122となる。基材部26は、第2光学形状層23の背面側に接合層24を介して接合される。基材部26は、導光板20の全体の厚みを調整するとともに、導光板20に所定の剛性を持たせる基材である。また、基材部26の−X側の端部には、入射面120(図1参照)が形成される。
基材部26の厚みs2は、2mm≦s2≦3mmの範囲で形成されることが好ましい。厚みs2が2mm未満である場合、導光板20の剛性が低下したり、導光板20の出光面に表示される画面が小さくなりすぎたりするため望ましくない。また、厚みs2が3mmを超える場合、導光板20の重量が増し、表示装置1を装着する観察者の負荷となるため望ましくない。
基材部26の観察者側の面は、光の拡散を抑制する観点から平滑(例えば、60度の光沢度で90以上)に形成されるのが望ましい。
第1光学形状層22は、基材部21の観察者側(−Y側)の面に設けられる層である。第1光学形状層22としては、光透過性の高いウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリチオール系、ブタジエンアクリレート系等の紫外線硬化樹脂が用いられる。第1光学形状層22の屈折率は、上述の基材部21、基材部26と同等の屈折率であることが望ましい。なお、本実施形態では、導光板20を形成する樹脂として、紫外線硬化樹脂を例に挙げて説明するが、これに限定されない。導光板20を形成する樹脂は、例えば、電子線硬化樹脂であってもよい。
第1光学形状層22は、図1及び図2に示すように、その観察者側(−Y側)の面であって、+X側の端部近傍に、単位光学形状部30が複数設けられている。
単位光学形状部30は、鉛直方向(Z方向)に延在し、映像光Lの導光方向(X方向)に沿って複数配列されている。また、単位光学形状部30は、映像光Lが出光する方向(導光板20の厚み方向、Y方向)に平行、且つ、単位光学形状部30の配列方向(X方向)に平行な断面(XY面)における形状が三角形状(プリズム形状)に形成されている。単位光学形状部30は、第1傾斜面30aと、第2傾斜面30bと、から構成される。
第1傾斜面30aは、第2全反射面122で全反射した映像光Lが直接入射する面である。第1傾斜面30aは、出光面(第2全反射面122、第2光学形状層23の観察者側の面)に対して傾斜しており、その+X側の端部が、−X側の端部よりも観察者(出光)側(−Y側)に位置している。
また、第1傾斜面30a上の全面、即ち、第1傾斜面30a及び第3傾斜面31a(後述)間の全体には、反射層25が形成されている。
第2傾斜面30bは、第2全反射面122で全反射した映像光Lが直接入射しない面である。第2傾斜面30bは、第1傾斜面30aよりも映像光Lの進行する側(+X側)に、第1傾斜面30aと対向して設けられている。第2傾斜面30bは、出光面(第2全反射面122、第2光学形状層23の観察者側の面)に対して傾斜しており、その+X側の端部が、−X側の端部よりも背面側(+Y側)に位置している。
第2光学形状層23は、第1光学形状層22の単位光学形状部30側(観察者側)の面に設けられた層である。第2光学形状層23は、第1光学形状層22の観察者側(−Y側)の面を平坦にするために設けられている。第2光学形状層23としては、先に説明した第1光学形状層22と同じ紫外線硬化樹脂が用いられる。第2光学形状層23の屈折率は、第1光学形状層22と同等であることが望ましい。
第2光学形状層23の観察者側の面は、接合層24を介して基材部26に接合される面である。また、この面は、第2光学形状層23から基材部26へ通過する光の出光面となる。第2光学形状層23の出光面は、導光板20の第2全反射面122(出光面、XZ平面)と平行である。
第2光学形状層23は、第1光学形状層22と対向する面(背面、+Y側の面)に上述の単位光学形状部30と対応する形状の出光側単位光学形状部31が形成されている。
出光側単位光学形状部31は、鉛直方向(Z方向)に延在し、映像光Lの導光方向(X方向)に沿って複数配列されている。出光側単位光学形状部31は、映像光Lが出光する方向(導光板20の厚み方向、Y方向)に平行、且つ、出光側単位光学形状部31の配列方向(X方向)に平行な断面(XY面)における形状が三角形状(プリズム形状)に形成されている。出光側単位光学形状部31は、第3傾斜面31aと、第4傾斜面31bと、から構成される。
本実施形態において、出光側単位光学形状部31及び単位光学形状部30は、上記断面において、同様の形状に形成されている。
第3傾斜面31aは、第2全反射面122で全反射した映像光Lが直接入射する面である。第3傾斜面31aは、出光面(第2全反射面122、第2光学形状層23の観察者側の面)に対して傾斜しており、その+X側の端部が、−X側の端部よりも観察者(出光)側(−Y側)に位置している。第3傾斜面31aは、単位光学形状部30の第1傾斜面30aに対向しており、その第1傾斜面30aと平行な面である。上述したように、第3傾斜面31a及び第1傾斜面30a間には、反射層25が設けられている。
第4傾斜面31bは、第2全反射面122で全反射した映像光Lが直接入射しない面である。第4傾斜面31bは、第3傾斜面31aよりも映像源側(−X側)に、第3傾斜面と対向して設けられている。第4傾斜面31bは、出光面(第2全反射面122、第2光学形状層23の観察者側の面)に対して傾斜しており、その+X側の端部が、−X側の端部よりも背面側(+Y側)に位置している。第4傾斜面31bは、単位光学形状部30の第2傾斜面30bに対向しており、第2傾斜面30bと平行な面である。第4傾斜面31bは、上述した第2傾斜面30bに密着している。
ここで、第1傾斜面30a及び第3傾斜面31aが、第1全反射面121(出光面)に平行な面(XZ平面)と交差する角度は、αである。第2傾斜面30b及び第4傾斜面31bが、第2全反射面122(出光面)に平行な面(XZ平面)と交差する角度は、βである。単位光学形状部30及び出光側単位光学形状部31の配列ピッチは、Pである。単位光学形状部30の高さ(導光板20の厚み方向(Y方向)における単位光学形状部30の頂部t1から単位光学形状部30間の谷部v1までの寸法)は、h1である。出光側単位光学形状部31の高さ(導光板20の厚み方向(Y方向)における出光側単位光学形状部31の頂部t2から出光側単位光学形状部31間の谷部v2までの寸法)は、h2である。本実施形態において、h1=h2である。
なお、本実施形態では、配列ピッチPが第1傾斜面30a及び第3傾斜面31aの配列方向(X方向)における幅寸法と同等である例について説明するが、これに限らず、各傾斜面の幅寸法よりも大きくなるようにしてもよい。
本実施形態の単位光学形状部30及び出光側単位光学形状部31は、配列ピッチP等が一定で、角度αが映像光Lの進行する側(+X側)へ向かうにつれて次第に大きくなり、また、それに伴い高さh1、h2も大きくなる例について説明するが、これに限定されない。例えば、配列ピッチP、角度α、角度β、高さh1、h2が一定に形成されるようにしてもよい。
接合層24は、基材部26及び第2光学形状層23を接合する粘着剤である。接合層24は、基材部26及び第2光学形状層23間を透過する映像光Lが屈折しないような材料であることが好ましい。そのため、上述した層と同等の屈折率を有する材料、例えば、光透過性の高いウレタンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤等により形成されている。
反射層25は、入射した光の一部を反射し、その他を透過する半透過型の反射層、いわゆるハーフミラーである。反射層25の反射率と透過率の割合は、適宜に設定できるが、映像光Lを良好に反射させるとともに、外界の光を良好に透過させる観点から、透過率が40〜60%の範囲であることが望ましい。本実施形態の反射層25は、反射率及び透過率がともに50%のハーフミラー状に形成されている。
反射層25は、第1傾斜面30aの面上、即ち第1傾斜面30a及び第3傾斜面31a間に光反射性の高い金属、例えば、アルミニウム、銀、ニッケル等により形成されている。本実施形態において、反射層25は、アルミニウムを蒸着することにより形成されている。また、これに限らず反射層25は、光反射性の高い金属をスパッタリングしたり、金属箔を転写したり、金属薄膜を含有した塗料を塗布したりする等により形成されてもよい。また、反射層25として、酸化チタン、酸化シリコン、ニオブ、タンタル、フッ化マグネシウム等を複数積層した誘電体多層膜を形成してもよい。誘電体多層膜は、屈折率の高い誘電体膜と屈折率の低い誘電体膜とを交互に積層した膜である。
本実施形態の反射層25は、アルミニウムの蒸着によって約100Åの厚みに形成されているが、光の反射率及び透過率を上述の好ましい範囲に設定できれば、その材料等に応じて厚さを自由に設定できる。
ここで、単位光学形状部30及び出光側単位光学形状部31において、映像光Lを効率良く反射して導光板20から出光させるためのパラメータについて例示する。
単位光学形状部30において、第1傾斜面30a及び第3傾斜面31aの角度αは、25°≦α≦40°の範囲に形成されることが望ましい。
出光側単位光学形状部31において、第2傾斜面30b及び第4傾斜面31bの角度βは、80°≦β≦90°の範囲に形成されることが望ましい。
単位光学形状部30の高さh1及び出光側単位光学形状部31の高さh2は、それぞれ、20μm≦h1≦700μm、20μm≦h2≦700μmの範囲に形成することが望ましい。
単位光学形状部30の配列ピッチPは、50μm≦P≦1000μmの範囲で形成することが望ましい。
次に、本実施形態の導光板20から出光する映像光L及び外界の光Gの光路について説明する。
図1に示すように、映像源10から投射された映像光Lは、投射光学系12を介して導光板20の入射面120へ入光する。入射面120に入光した映像光Lは、入射面120と空気との境界面で屈折し、第1全反射面121へ入射する。その映像光Lは、第1全反射面121に入射して第2全反射面122側へ全反射した後、第2全反射面122に入射して単位光学形状部30側へ全反射する。このように、映像光Lは、第1全反射面121及び第2全反射面122間において全反射を繰り返すことにより、導光板20の−X側から+X側に向けて導光される。そして、映像光Lは、単位光学形状部30において、第1光学形状層22及び第2光学形状層23間に設けられた反射層25に入射する。
なお、図1では、説明を容易にするため、映像光Lが第1全反射面121及び第2全反射面122においてそれぞれ1回全反射する例を示している。これに限らず、映像光Lが各面でより多く全反射を繰り返す構成であってもよい。
反射層25に入射した映像光のうち、一部の映像光Lは、図2に示すように、反射層25において第1全反射面121に対してほぼ垂直な方向(−Y方向)に反射して、第2全反射面122から観察者の眼Eに向けて出光する。また、他の映像光は、反射層25を透過して第1光学形状層22内に入射するが、そのほとんどが導光板20の背面側から出光する。
外界の光Gは、図1に示すように、導光板20の背面側(+Y側)の第1全反射面121から導光板20内に入光する。導光板20内に入光した外界の光Gのうち一部の光は、反射層25に入射する。その一部の光G1は、図2に示すように、反射層25を透過して、第2全反射面122(出光面)から観察者の眼Eに向けて出光する。また、他の光は、反射層25と第1光学形状層22との界面で背面側(+Y側)に反射する。
次に、本実施形態の導光板20の製造方法について説明する。
図3及び図4は、本実施形態の導光板20の製造方法を説明する図である。このうち、図3の各分図(a)〜(e)は、基材部21と接合された第1光学形状層22を製造する過程を説明する図である。また、図4の各分図(f)〜(h)は、基材部21と接合された第1光学形状層22を基にして導光板20を製造する過程を説明する図である。なお、図3及び図4では、部材の断面を示すハッチングを適宜に省略する。
まず、図3(a)に示すように、製造する導光板20の第1光学形状層22の形状に対応した賦形面100aを有する成形型100を用意し、賦形面100aが上方(重力方向の天側)を向くように配置する。成形型100は、金型でもよいし、樹脂型でもよい。
次に、図3(b)に示すように、賦形面100a上に紫外線硬化樹脂22aを均一に形成する。ここでは、例えば、紫外線硬化樹脂22aを、賦形面100a上の一辺に沿って点状又は線状に塗布し、ローラ等(不図示)で引き延ばすことにより、賦形面100a上に均一に形成することができる。
次に、図3(c)に示すように、賦形面100a上に塗布された紫外線硬化樹脂22aの上に、基材部21を貼り付ける。
次に、図3(d)に示すように、紫外線照射部(不図示)から、未硬化の紫外線硬化樹脂22aに対して紫外線UVを照射する。これにより、紫外線硬化樹脂22aが硬化して第1光学形状層22となる。本実施形態において、紫外線UVは、基材部21を介して紫外線硬化樹脂22aに照射される。
紫外線硬化樹脂22aが硬化した後、図3(e)に示すように、第1光学形状層22を成形型100から剥離することにより、基材部21と接合された第1光学形状層22を得ることができる。
次に、図4(f)に示すように、単位光学形状部30の表面に蒸着金属を付着させて、反射層25を形成する。なお、この工程では、第1光学形状層22の単位光学形状部30が下方を向くように配置して、単位光学形状部30の表面に蒸着金属を付着させる。
また、図4(f)では、第1光学形状層22のすべての領域に反射層25が形成されているが、反射層25は、映像光の出光側となる領域のみに形成され、映像光が導光される領域には形成されない。反射層25が形成されない領域は、第2光学形状層23(後述)と直接に接合される。映像光の出光側となる領域のみに反射層25を形成するには、反射層25を形成する領域と同じ大きさの開口を有するステンシルマスク(不図示)を、第1光学形状層22を覆うように配置して、蒸着金属をマスキング蒸着すればよい。
次に、図4(g)に示すように、第1光学形状層22の単位光学形状部30が設けられた側の面に、第2光学形状層23を形成する。ここでは、例えば、紫外線硬化樹脂を、第1光学形状層22の一辺に沿って点状又は線状に塗布し、ローラ等(不図示)で引き延ばすことにより、均一に形成できる。図示を省略するが、この後、第1光学形状層22上に形成した紫外線硬化樹脂に対して紫外線を照射することにより、紫外線硬化樹脂が硬化して第2光学形状層23となる。
次に、図4(h)に示すように、第2光学形状層23側の面に接合層24を形成して、基材部26を貼り付ける。
そして、接合層24を介して基材部26が貼付された積層体の−X側(単位光学形状部30が形成される側とは反対側)の観察者側(−Y側)の角部を加工して入射面120を形成する。以上の工程を経ることにより、導光板20が完成する。
次に、本実施形態の導光板20及び比較例の導光板20Cについて説明する。
図5は、比較例及び実施形態の導光板における映像光の光路を説明する図である。図5(a)は、比較例の導光板20Cにおける映像光の光路を説明する図である。図5(b)は、本実施形態の導光板20における映像光の光路を説明する図である。なお、図5(a)では、上述した実施形態(図1)と同じ構成要素に同一符号を付し、その符号に続いて「c」を付している。また、図5に示す各図では、説明に必要な部分にのみ符号を付している。
図5(a)に示す比較例の導光板20Cは、従来の一般的な導光板の構成を示している。比較例の導光板20Cにおいて、入射面120cの第1全反射面121cに対する角度θ2´は、映像光Lが第1全反射面121cの垂線PHに対して臨界角以上となる角度θ1´において、(90°−θ1´)以上となるように設定されている。角度θ1´は、映像源10(不図示)から投射された映像光L(L1、L2)が、入射面120cと空気との境界面で屈折した入射角において、第1全反射面121cの垂線PHに対して臨界角以上となる角度である。ここでは、実施形態の導光板20との条件を同じとするため、角度θ1´=θ1とする。即ち、比較例における映像源10は、入射面120c(角度θ2´)で屈折した映像光Lが第1全反射面121cの垂線PHに対して臨界角以上の角度θ1´で入射するように配置されている。
また、比較例の導光板20Cにおいて、入射面120cは、第1導光層201cの層厚をth1、第2導光層202cの層厚をth2、第1全反射面121cの垂線PH方向における入射面120cの幅をW1とした場合に、W1>tanθ1´×(2×th1+th2)となるように設定されている。
なお、図5(a)では、第1全反射面121c及び第2全反射面122cのX方向(導光方向)において、映像光Lの有る範囲を領域E1、映像光Lの無い範囲を領域E2でそれぞれ表している。
比較例の導光板20Cにおいて、最も−X側から入光する映像光L1と、最も+X側から入光する映像光L2は、第1全反射面121c及び第2全反射面122cの間で全反射を繰り返しながら、導光板20C内の+X方向(導光方向)に導光される。
図5(a)に示すように、入射面120cの角度θ2´を(90°−θ1´)以上とし、入射面120cの幅W1を、W1>tanθ1´×(2×th1+th2)とした比較例の導光板20Cでは、入射面120cに最も−X側から入光する映像光L1が、第2全反射面122cの最も−X側の端部から+X側に離れた位置に入射する。そのため、比較例の導光板20Cでは、第2全反射面122cの最も−X側の端部と映像光L1が入射する位置との間に、映像光Lの入射しない領域E2が形成される。この領域E2は、映像光L1及びL2の導光方向に沿って、第1全反射面121c及び第2全反射面122cに交互に形成される。そして、領域E1及びE2を含む映像光Lは、第1光学形状層22に形成された反射層25で−Y側に反射して、観察者の眼Eに向けて出光する(図2参照)。このとき、領域E2は、映像中において、鉛直方向(Z方向)に延在する暗線として観察者に観察される。このような暗線は、映像の画質を低下させる要因となる。
一方、図5(b)に示すように、入射面120の角度θ2を(90°−θ1)未満とし、入射面120の幅W2(前述のW)を、W2>tanθ1×(2×th1+th2)とした実施形態の導光板20では、入射面120に最も−X側から入光する映像光L1が、第2全反射面122の最も−X側の端部に入射する。そのため、実施形態の導光板20では、映像光Lが入射しない領域E2が形成されることがない。即ち、第1全反射面121c及び第2全反射面122cでは、そのすべてにおいて、映像光Lの有る領域E1が形成される。そのため、映像光L1が第1光学形状層22に形成された反射層25で−Y側に反射して、観察者の眼Eに向けて出光したときに、映像中に領域E2による暗線が生じることがない。したがって、入射面120の角度θ2を(90°−θ1)未満とし、入射面120の幅W2を、W2>tanθ1×(2×th1+th2)とした本実施形態の導光板20においては、表示する映像の画質をより向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述の実施形態及び後述する変形形態は、適宜に組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
(1)上述の実施形態では、単位光学形状部30の厚み方向の断面が三角形状(プリズム形状)に形成される例について説明したが、これに限定されない。単位光学形状部30の厚み方向の断面は、多角形、半球形、レンズ形等によるプリズム形状であってもよい。また、プリズム形状は、断面が奥行方向に延在していてもよいし、ディンプル形、ピラミッド形(三角錐、四角錐等)であってもよい。
(2)上述の実施形態では、反射層25を、第1傾斜面30a上の全面、即ち第1傾斜面30a及び第3傾斜面31a間の全体に設けた例を示したが、これに限定されない。反射層25を、第1傾斜面30a上の一部に設けてもよい。例えば、反射層25は、第1傾斜面30aの+X側の領域、即ち映像光の反射に寄与する領域にのみ設けてもよい。
(3)上述の実施形態において、導光板20の背面(基材部21の背面)及び導光板20の観察者側の面(基材部26の観察者側の面)のいずれか又はその両方の面に、傷つき防止を目的としたハードコート処理を施してもよい。このハードコート処理として、例えば、導光板20の背面及び観察者側の面のいずれか又は両方の面に、ハードコート機能を有する紫外線硬化型樹脂(例えば、ウレタンアクリレート)を塗布してハードコート層を形成してもよい。
(4)上述の実施形態では、導光板20において、第1全反射面121と映像光が出光する出光面とが相違する面として形成される構成を示したが、これに限定されない。導光板20において、第1全反射面121と映像光が出光する面とが同一面内に形成される構成としてもよい。
1 表示装置
10 映像源
20 導光板
22 第1光学形状層
23 第2光学形状層
25 反射層
30 単位光学形状部
30a 第1傾斜面
30b 第2傾斜面
120 入射面
121 第1全反射面
122 第2全反射面
201 第1導光層
202 第2導光層

Claims (2)

  1. 映像光を投射する映像源と、
    映像光を導光方向に全反射する第1全反射面が形成された第1導光層、前記第1全反射面と対向する位置に設けられ、映像光を導光方向に全反射する第2全反射面及び前記映像源から投射された映像光を前記第1全反射面に入射させる入射面が形成された第2導光層を有する導光板と、
    を備えた表示装置であって、
    前記映像源は、投射した映像光が前記第1全反射面の垂線に対して臨界角以上の角度θ1で入射するように配置され、
    前記入射面の前記第1全反射面に対する傾斜角度θ2は、(90°−θ1)未満であり、
    前記第1導光層の層厚をth1、前記第2導光層の層厚をth2、前記第1全反射面の垂線方向における前記入射面の幅をWとした場合に、W>tanθ1×(2×th1+th2)を満たすこと、
    を特徴とする表示装置。
  2. 請求項1に記載の表示装置において、
    前記導光板は、
    第1傾斜面及び第2傾斜面を有する単位光学形状部が複数配列された第1光学形状層と、
    前記第1光学形状層の前記単位光学形状部が設けられた側の面に積層される第2光学形状層と、
    前記第1傾斜面の少なくとも一部に形成され、入射した光の一部を反射し、その他を透過する反射層と、
    を備えることを特徴とする表示装置。
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