JP2017141560A - 軸力伝達構造 - Google Patents

軸力伝達構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2017141560A
JP2017141560A JP2016021906A JP2016021906A JP2017141560A JP 2017141560 A JP2017141560 A JP 2017141560A JP 2016021906 A JP2016021906 A JP 2016021906A JP 2016021906 A JP2016021906 A JP 2016021906A JP 2017141560 A JP2017141560 A JP 2017141560A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
axial force
brace
force transmission
wooden
divided
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016021906A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6688623B2 (ja
Inventor
充広 上角
Mitsuhiro Uekado
充広 上角
宇佐美 徹
Toru Usami
徹 宇佐美
寿博 楠
Toshihiro Kusunoki
楠  寿博
靖彦 山下
Yasuhiko Yamashita
靖彦 山下
大野 正人
Masato Ono
正人 大野
雄一郎 奥野
Yuichiro Okuno
雄一郎 奥野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takenaka Komuten Co Ltd
Original Assignee
Takenaka Komuten Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takenaka Komuten Co Ltd filed Critical Takenaka Komuten Co Ltd
Priority to JP2016021906A priority Critical patent/JP6688623B2/ja
Publication of JP2017141560A publication Critical patent/JP2017141560A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6688623B2 publication Critical patent/JP6688623B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Joining Of Building Structures In Genera (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Abstract

【課題】交差部が損傷し難い軸力伝達構造を提供する。【解決手段】軸力伝達構造は、木製の通し部材(中材44)と、通し部材を挟んで対向して配置された木製の分割部材64、66と、通し部材に形成された貫通孔44Bと、貫通孔44Bに挿入され、分割部材64の軸力を分割部材66へ軸力として伝達する軸力伝達部材(丸鋼70)と、を備えている。【選択図】図3

Description

本発明は、軸力伝達構造に関する。
下記特許文献1には、木製のブレースを合決り(相欠き)で交差させ、この交差部を釘やボルト・ナットで固定した耐震補強構造が示されている。
特開2000−220303号公報(図5)
しかし、上記特許文献1の耐震補強構造では、一方のブレースの軸力が、他方のブレースに圧縮力として作用するので、交差部が損傷し易い。
本発明は、上記事実を考慮して、交差部が損傷し難い軸力伝達構造を提供することを目的とする。
請求項1の軸力伝達構造は、木製の通し部材と、前記通し部材を挟んで対向して配置された木製の分割部材と、前記通し部材に形成された貫通孔と、前記貫通孔に挿入され、一方の前記分割部材の軸力を他方の前記分割部材へ軸力として伝達する軸力伝達部材と、を備える。
請求項1に記載の軸力伝達構造によると、通し部材と分割部材との交差部において、分割部材の軸力は軸力伝達部材によって伝達される。このため、通し部材には分割部材の軸力が作用しない構造となっており、交差部が損傷し難い。
これに対して、例えば2つの部材を相欠きして交差させた構造では、一方の部材の軸力が、他方の部材の側面に圧縮力として作用するので、交差部が損傷し易い。
したがって、請求項1に記載の軸力伝達構造は、2つの部材を相欠きして接合した構造と比較して、交差部の耐力を確保することができる。
請求項2の軸力伝達構造は、請求項1に記載の軸力伝達構造において、前記通し部材と前記分割部材はブレース部材とされている。
請求項2の軸力伝達構造によると、架構が変形して、通し部材又は分割部材に圧縮力が作用した際に、圧縮力が通し部材又は分割部材の許容圧縮応力に達する前に、交差部が先行して破壊することが抑制される。このため、通し部材と分割部材が圧縮強度を十分に発揮することができる。したがって、通し部材及び分割部材を圧縮ブレースとして有効に機能させることができる。
また、木製のブレース部材は、繊維方向の強度は大きいが、繊維方向と交差する方向からの力に対しては脆弱である。木製のブレース部材とされた通し部材と分割部材の交差部において、分割部材の軸力を軸力伝達部材を介して伝達することで、通し部材は繊維方向と交差する方向から圧縮力を受けにくい。したがって、軸力伝達構造の耐力が確保される。
請求項3の軸力伝達構造は、請求項1又は請求項2に記載の軸力伝達構造において、前記分割部材の端面に配置された鋼板を備え、前記軸力伝達部材は前記貫通孔を貫通して前記鋼板に接合された丸鋼とされている。
請求項3の軸力伝達構造によると、分割部材の端面に鋼板を配置することで、丸鋼を介して伝達された軸力が、分割部材へ均一に分散される。また、丸鋼は平板鋼に比べて弱軸方向がないので座屈し難く、ブレース部材の交差部の耐力を確保できる。
本発明に係る軸力伝達構造によれば、交差部が損傷し難い、という優れた効果を得ることができる。
本発明の第1実施形態に係る軸力伝達構造が適用されたブレース及び柱梁架構を示した立面図である。 本発明の第1実施形態に係る軸力伝達構造が適用された通しブレースの構成を示した分解断面図である。 本発明の第1実施形態に係る軸力伝達構造が適用された通しブレースと分割ブレースとの交差部の構成を示した分解斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る軸力伝達構造が適用されたブレースを柱梁架構に取付ける手順を示した立面図であり、(A)は柱梁接合部にブレース本体を接合する第1連結部と上部材とを取付けた状態を示し、(B)は通しブレースの上部材に交差部ユニットを取付けた状態を示し、(C)は分割ブレースの上部材と交差部ユニットとの間に分割部材を取付けた状態を示し、(D)は通しブレースの下部材及び下部材に軸圧縮力を与える押圧部材を交差部ユニットに取付けた状態を示し、(E)は分割ブレースの分割部材、下部材及び下部材に軸圧縮力を与える押圧部材を交差部ユニットに取付けた状態を示している。 本発明の第1実施形態に係る軸力伝達構造が適用されたブレースの押圧部材を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る軸力伝達構造が適用された柱梁架構の柱梁接合部を示した断面図であり、(A)は連結ピンによって木製柱と木製梁とが連結された状態を示す立断面図であり、(B)は木製梁の貫通孔に丸鋼が通された状態を示す立断面図であり、(C)は丸鋼の配置を示す平断面図である。 本発明の変形例に係る軸力伝達構造を示した分解部分断面図であり、(A)は接合用部材の繊維方向が、一方のブレースの上部材及び下部材の軸方向と略同一とされている場合を示し、(B)は接合用部材の繊維方向が、上部材及び下部材の軸方向と異なる場合を示している。
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態の軸力伝達構造は、鉄筋コンクリート製の柱12及び柱12に架け渡された梁14により形成された柱梁架構10の柱梁接合部間に設置された木製のブレース20に適用される。
(ブレース)
ブレース20は柱梁架構10を耐震補強する耐震補強材であり、柱梁接合部15、16間に斜めに配置された通しブレース22と、柱梁接合部17、18間に斜めに配置され、通しブレース22との交差部で分割された分割ブレース24と、を含んで構成されている。
(通しブレース)
図2の分解図に示すように、通しブレース22は、第1連結部30と、上部材42と、中部材44と、下部材46と、第2連結部50と、を備えている。上部材42、中部材44、下部材46は繊維方向が軸方向L1に略一致する集成材で形成されている。なお、この集成材は丸太から切り出した無垢材などとすることができる。
第1連結部30は、上部材42の端部に接して設けられる木製の接合部材32と、この接合部材32を柱梁接合部15(図1参照)に接着固定する接着剤によって形成された接着層34とを有して構成されている。接合部材32は、接着層34を介して柱梁接合部15に一体に接着固定できるように、先端部が略直角に形成されている。
なお、本実施形態においては上部材42と柱梁接合部15の間に第1連結部30が設けられているが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば第1連結部30を設けずに、上部材42の端部を、直接柱梁接合部15に接合してもよい。
接合部材32と上部材42が接する端面の中心部にはそれぞれ挿入孔32A、42Aが形成されており、挿入孔32A、42Aに鋼製の連結ピン48が挿入されて、接合部材32と上部材42が位置決め及び連結されている。
なお、本実施形態においては接合部材32と上部材42が接する端面の中心部にそれぞれ1箇所ずつ挿入孔32A、42Aが形成されているが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば挿入孔32A、42Aを、接合部材32と上部材42が接する端面の中心部にそれぞれ2箇所以上形成し、連結ピン48を2本以上挿入してもよい。このようにすることで、連結ピン48を中心に接合部材32と上部材42とが相対的に回転することを抑制できる。本実施形態において連結ピン48が適用される箇所については、全て同様に挿入孔を複数形成し、連結ピン48を2本以上挿入することができる。
同様に、上部材42と中部材44が接する端面の中心部にはそれぞれ挿入孔42A、44Aが形成され、連結ピン48が挿入されて位置決め及び連結されている。また、中部材44と下部材46が接する端面の中心部にもそれぞれ挿入孔44A、46Aが形成され、連結ピン48が挿入されて位置決め及び連結されている。
第2連結部50は、下部材46の端面にラグスクリュー51で固定された鋼板からなるベース部材52と、圧縮コイルばね54を備えた押圧部材56と、押圧部材56を柱梁接合部16(図1参照)に固定するモルタル製の連結ブロック58と、を備えている。押圧部材56は、鋼製の固定プレート56Aと、固定プレート56Aの中心部に開口し下部材46と逆側に突出して設けられた鋼製の筒状有底部材56Bとを有している。筒状有底部材56Bには圧縮コイルばね54が挿入され、自由状態で筒状有底部材56Bから端部が突出している。
(分割ブレース)
図1に示すように、分割ブレース24は、第1連結部31と、上部材62と、分割部材64、66と、下部材68と、第2連結部53と、を備えている。上部材62、分割部材64、66及び下部材68は繊維方向が軸方向L2に略一致する集成材で形成されている。第1連結部31と第2連結部53の構成はそれぞれ第1連結部30と第2連結部50の構成と等しい。分割ブレース24と通しブレース22との交差部の構成については後述する。
なお、本実施形態において分割ブレース24は、第1連結部31と第2連結部53以外の部分は4分割された構造(上部材62、分割部材64、66及び下部材68)とされているが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えばブレースが長くなれば、6分割された構造や8分割された構造としてもよい。
第1連結部31と上部材62が接する端面の中心部にはそれぞれ挿入孔31A、62Aが形成されており、挿入孔31A、62Aに連結ピン48が挿入されて、第1連結部31と上部材62が位置決め及び連結されている。
同様に、上部材62と分割部材64が接する端面の中心部にはそれぞれ挿入孔62A、64Aが形成され、連結ピン48が挿入されて位置決め及び連結されている。また、分割部材66と下部材68が接する端面にはそれぞれ挿入孔66A、68Aが形成され、連結ピン48が挿入されて位置決め及び連結されている。
(交差部)
図3には、分割ブレース24の軸方向を紙面の上下方向として配置した、通しブレース22と分割ブレース24の交差部の分解図が示されている。通しブレース22と分割ブレース24の交差部においては、通しブレース22の中部材44が通し部材とされ、分割ブレース24の分割部材64、66が中部材44を挟んで対向して配置されている。
中部材44の側面には分割ブレース24の軸方向に沿って貫通孔44Bが4本形成され、貫通孔44Bにはそれぞれ軸力伝達部材としての丸鋼70が通されている。丸鋼70の両端面70Bは貫通孔44Bから突出しており、この突出部分は中部材44の両側面に配置された楔型の埋め木部材72の貫通孔72Bを貫通している。
丸鋼70の端面70Bと埋め木部材72の端面72Cとは面一とされ、端面70Bに接するように鋼板74が配置されている。鋼板74、埋め木部材72の中心部にはそれぞれ貫通孔74A、72Aが形成され、中部材44の側面、分割部材64、66の端面の中心部には、それぞれ挿入孔44C、64A、66Aが形成されている。挿入孔64A、貫通孔74A、72A、挿入孔44Cに連結ピン48が挿入されて、分割部材64、鋼板74、埋め木部材72、中部材44が位置決め及び連結される。
同様に、挿入孔66A、貫通孔74A、72A、挿入孔44Cに連結ピン48が挿入されて、分割部材66、鋼板74、埋め木部材72、中部材44が位置決め及び連結される。
なお、第1実施形態において、鋼板74の断面形状は分割部材64、66の断面形状と略同一とされているが本発明の実施形態はこれに限られない。例えば分割部材64、66よりも小さな断面形状としてもよい。このようにすれば、鋼板74の周囲を分割部材64、66と同様の木材で被覆してブレース20の意匠性を高めることができる。
(ブレースの組付け方法)
第1実施形態の軸力伝達構造が適用されたブレース20を柱梁架構10に取付ける際には、取付けに先立ち、ブレース20の構成部材を組み付ける。まず、図2の分解図に示される通しブレース22の下部材46に押圧部材56を接合する。具体的には、ラグスクリュー51によって下部材46の端面にベース部材52を固定する。
次に、圧縮コイルばね54の先端部が押圧部材56の固定プレート56Aから突出するようにして、筒状有底部材56B内に圧縮コイルばね54を収容する。
次に、ベース部材52と押圧部材56の間に圧縮コイルばね54を挟み込むようにして、ベース部材52に対向させて押圧部材56を配置し、この状態で、ベース部材52に形成された貫通孔52Aにボルト部材59を貫通させ、このボルト部材59の端部を固定プレート56Aに設けられた袋ナット57の雌ねじ部に捩じ込む。ボルト部材59を袋ナット57の雌ねじ部に捩じ込み締め付けることによって、圧縮コイルばね54が圧縮され、ベース部材52に押圧部材56の固定プレート56Aが密着する。
以上の工程により、通しブレース22の下部材46に押圧部材56が接合される。また、同様の工程により、分割ブレース24の下部材68にも押圧部材56が接合される(図1参照)。
また、図3の紙面上側に示すように、中部材44の貫通孔44B、埋め木部材72の貫通孔72Bに丸鋼70を挿入し、鋼板74の貫通孔74A、埋め木部材72の貫通孔72A、中部材44の挿入孔44Cに連結ピン48を挿入し、中部材44と埋め木部材72と鋼板74とを組み付ける。
同様に図3の紙面下側に示すように、鋼板74の貫通孔74A、埋め木部材72の貫通孔72A、中部材44の挿入孔44Cに連結ピン48を挿入し、中部材44と埋め木部材72と鋼板74とを組み付ける。
以上の工程により、通しブレース22の中部材44、丸鋼70、埋め木部材72及び鋼板74が組み付けられた交差部ユニット80が形成される。
(ブレースの取付け方法)
ブレース20を柱梁架構10に取付ける際には、図4(A)に示すように、エポキシ樹脂接着剤等の接着剤を接合部材32の先端面に塗布し、この接着剤により形成された接着層34によって接合部材32を柱梁接合部15に接着固定し、第1連結部30を形成する。そして、上部材42の端面に形成された挿入孔42Aと接合部材32の端面に形成された挿入孔32Aに、連結ピン48を挿入して、上部材42と第1連結部30とを連結する。
同様に、柱梁接合部17にも、接着層34によって接合部材32を接着固定し、第1連結部31を形成する。そして、上部材62の端面に形成された挿入孔62Aと第1連結部31の端面に形成された挿入孔31Aに、連結ピン48を挿入して、上部材62と第1連結部31とを連結する。
なお、挿入孔31A、32A、42A、62A及び連結ピン48には接着剤は塗布しない。また、接合部材32と上部材42、62との接合面にも接着剤は塗布しない。すなわち上部材42、62は、接合部材32に対して固定されておらず、図4(A)に示した状態では、図示しない架台などに載置されて仮固定される。本実施形態においては、連結ピン48を用いて連結される部材同士はいずれも接着されていない。
次に、図4(B)に示すように、中部材44と埋め木部材72と鋼板74とが組み付けられた交差部ユニット80を上部材62、42に取付ける。具体的には、まず、上部材42の端面に形成された挿入孔42Aと中部材44の端面に形成された挿入孔44Aに、連結ピン48を挿入して、上部材42と中部材44とを連結する。
次に、図4(C)に示すように、上部材62と交差部ユニット80の間に、分割部材64を連結する。具体的には、上部材62の端面に形成された挿入孔62Aと分割部材64の端面に形成された挿入孔64Aに、連結ピン48を挿入して、上部材62と分割部材64とを連結する。また、交差部ユニット80における鋼板74の貫通孔74A、埋め木部材72の貫通孔72A、中部材44の挿入孔44Cに挿入された連結ピン48(図3参照)を、分割部材64の端面に形成された挿入孔64Aに挿入して、交差部ユニット80と分割部材64とを連結する。
次に、図4(D)に示すように、押圧部材56が接合された下部材46を交差部ユニット80に取付ける。具体的には、中部材44の端面に形成された挿入孔44Aと下部材46の端面に形成された挿入孔46Aに、連結ピン48を挿入して、中部材44と下部材46とを連結する。
次に、図4(E)に示すように、交差部ユニット80における鋼板74の貫通孔74A、埋め木部材72の貫通孔72A、中部材44の挿入孔44Cに挿入された連結ピン48(図3参照)を、分割部材66の端面に形成された挿入孔66Aに挿入して、交差部ユニット80と分割部材66とを連結する。さらに、分割部材66の端面に形成された挿入孔66Aと下部材68の端面に形成された挿入孔68Aに、連結ピン48を挿入して、分割部材66と下部材68とを連結する。
次に、柱梁接合部16、18に図示しない型枠を組み立て柱梁接合部16、18と押圧部材56の間にモルタルを充填する。このモルタルを硬化させて連結ブロック58を形成することにより柱梁接合部16、18に押圧部材56を固定する。これにより、図1に示す第2連結部50、53が形成される。
次に、図5に示すように、下部材68に接合された押圧部材56のボルト部材59を緩めて、ベース部材52と押圧部材56から取り外す。これにより、圧縮コイルばね54の反発力により下部材68へ軸圧縮力が付与されて、図1に示した分割ブレース24全体に軸圧縮力が作用する。なお、このとき分割部材64と分割部材66との間では、丸鋼70、鋼板74を介して軸圧縮力が伝達される。なお、図5に示すようにベース部材52は押圧部材56の端部に形成された枠部材56Cに収容されている。枠部材56Cの高さは、分割ブレース24に引張力が作用し圧縮コイルばね54が伸びて、ベース部材52と押圧部材56が設計により想定された最大距離だけ離れた場合において、ベース部材52が枠部材56C内に収容されている高さとされている。
同様に、下部材46に接合された押圧部材56のボルト部材59(図2参照)を緩めて取り外す。これにより、図1に示した通しブレース22全体に軸圧縮力が作用する。
以上の工程により、第1実施形態のブレース20が柱梁架構10に取り付けられる。
(作用及び効果)
第1実施形態の軸力伝達構造によると、圧縮コイルばね54の反発力により、通しブレース22及び分割ブレース24には常時圧縮力が加わっている。このため、連結ピン48で連結される部材同士は互いに接着しなくてもバラバラになることが抑制される。
また、通しブレース22又は分割ブレース24に引張力が作用した場合も、図5に示すように、圧縮コイルばね54が伸びつつベース部材52を押圧し続けるので、通しブレース22又は分割ブレース24に圧縮力が加わった状態を維持できる。さらに、ベース部材52は枠部材56C内に収容されているので、ベース部材52が柱梁架構10の面外方向(例えば図1における紙面手前方向や奥方向)へ飛び出すことが抑制される。このため、ブレース22は崩壊しにくい。
また、丸鋼70と分割部材64、66との間には、鋼板74が配置されている。このため、丸鋼70に作用する軸圧縮力を分散して分割部材64、66へ伝達することができる。このため、例えば鋼板74がない場合と比較して、分割部材64、66へ軸力が均一に加わるので、分割部材64、66には局部的な破壊が生じにくい。
なお、本実施形態においては鋼板74を用いているが、分割部材64、66に局部的な破壊が生じなければ、これを省略して丸鋼70と分割部材64、66とが直接接する構造とすることもできる。鋼板74を省略すると構造が単純化されるので、施工性が向上する。
また、通しブレース22は上部材42、中部材44、下部材46を組み合わせて構成され、分割ブレース24は上部材62、分割部材64、66、下部材68を備えて構成される。すなわちブレース22、24は複数の部材を繋いで形成される。このため、ブレース22、24の全体長さが長い場合、あるいは断面寸法が大きい場合などに、部材1本あたりの長さを短く、かつ重量を小さくすることができる。したがって、クレーンなどを用いずに既存のエレベーター等を用いて運搬することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る軸力伝達構造について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を用いることとして、説明を省略する。
図6(A)〜(C)に示すように、第2実施形態に係る軸力伝達構造は、木製柱82と木製梁84の接合部に適用される。なお、図6(A)は図6(C)におけるA−A線断面図であり、図6(B)は図6(C)におけるB−B線断面図である。
図6(A)に示すように、木製柱82と木製梁84の接合部においては木製梁84が通し材とされ、木製柱82が上下から木製梁84を挟んで対向して配置されている。木製柱82、木製梁84はそれぞれ繊維方向が軸方向L3、L4に略一致する集成材で形成されている。
図6(B)に示すように、木製梁84には、木製柱82の軸方向に沿って貫通孔84Bが4本形成され、貫通孔84Bにはそれぞれ丸鋼70が通されている。
丸鋼70の端面70Bと木製梁84の上面84C、下面84Dとは面一とされ、端面70Bに接するように鋼板74が配置されている。木製柱82は、鋼板74を介して木製梁84に連結されている。
図6(A)に示すように、鋼板74の中心部には貫通孔74Aが形成され、木製柱82の端面82B、木製梁84の上面84C、下面84Dには、それぞれ挿入孔82A、84A、84Aが形成されている。挿入孔82A、84A、貫通孔74Aに連結ピン48が挿入されて、木製柱82、鋼板74、木製梁84が位置決めされ、木製柱82と木製梁84の横方向の相対移動が抑制される。
(効果)
第2実施形態の軸力伝達構造は、木製柱82と木製梁84の接合部に適用され、木製柱82に作用する軸圧縮力は、丸鋼70を介して伝達される。このため、木製梁84は軸方向(繊維方向)に直交する方向から圧縮力を受けない。したがって、木製梁84の圧縮変形が抑制され、木製柱82と木製梁84の接合部の耐力を確保することができる。
また、木製梁84が通し部材とされているため、木製梁84は木製柱82と木製梁84の接合部において分割されている場合と比較して、固定度が高い。このため木製梁84が木製柱82との接合部で負担する曲げモーメントを大きくすることができるので、木製梁84の中央部の撓みを小さくすることができる。
なお、第2実施形態においては、木製柱82と木製梁84との相対移動抑制のために連結ピン48を用いているが、連結ピン48は必ずしも用いる必要はない。例えば木製柱82と木製梁84とを設計位置に配置後、木製柱82と木製梁84の接合部を金物とビスを用いて外側から固定してもよい。
あるいは、連結ピン48は複数用いてもよい。この場合、例えば図6(C)の紙面上下方向及び左右方向に隣接する丸鋼70の間にそれぞれ連結ピン48を設けることで、木製柱82が連結ピン48を中心に回転することを抑制できる。
(変形例)
次に、上述した実施形態の変形例について説明する。第1実施形態では、図3に示すように、丸鋼が通される貫通孔44Bは4本形成されているものとしたが本発明の実施形態はこれに限られない。軸圧縮力を分割部材64、66に伝達することができれば、丸鋼70が通される貫通孔44Bは3本以下であってもよいし、1本当たりの断面積を小さくして、4本以上形成してもよい。第2実施形態における貫通孔84Bについても同様である。また、軸力伝達部材は丸鋼70に限定されず、例えば角棒鋼であってもよいし、内部が空洞とされたパイプなどでもよい。さらには、材質も鋼材に限られず各種金属や樹脂など、圧縮強度が木材よりも高いものとすることができる。
また、第1実施形態では図2に示すように、第2連結部50に圧縮コイルばね54を備えた押圧部材56を用いたが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば押圧部材56を用いず、連結ブロック58に雌ネジアンカー等を埋設し、ベース部材52を連結ブロック58にボルト固定してもよい。このような構成とされた通しブレースに引張力が作用しても、連結ピン48が挿入孔32A、42A、44A、46Aから脱落しない限り、通しブレースは崩落しない。
また、第1実施形態では、図1に示すように通しブレース22は上部材42、中部材44及び下部材46を組み合わせて構成され、分割ブレース24は上部材62、分割部材64、66及び下部材68を備えて構成されるものとしたが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば通しブレース22は1本の部材で構成してもよいし、分割ブレース24は、上部材62と分割部材64を組み合わせて1本の部材とし、下部材68と分割部材66を組み合わせて1本の部材としてもよい。このように、部材の点数を少なくすることで、施工性が向上する。
また、第1実施形態では、通しブレース22、分割ブレース24の交差部において、通しブレース22を構成する長尺の中部材44を通し部材として構成したが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば図7(A)に示すように、中部材44の軸方向の寸法を小さくしてブロック状に構成し、さらに埋め木部材72(図1参照)を一体化させた接合用部材440を通し部材としてもよい。このとき、上部材42、下部材46、分割部材64、66は、それぞれ連結ピン48を用いて接合用部材440に位置決めされる。すなわち、本発明の軸力伝達構造が適用されるのは、ブレースや柱梁などの長尺部材に限られず、ブレースや柱梁が接合されるブロック状の接合部材などとすることができる。
なお、この変形例において接合用部材440の繊維方向は、上部材42及び下部材46の軸方向L5と略同一とされている。接合用部材440の繊維方向が上部材42及び下部材46の軸方向L5と異なる場合は、例えば図7(B)に示すように、接合用部材440には上部材42及び下部材46の軸方向L5に沿った方向にも丸鋼70を配置すれば、接合用部材440の破壊を抑制することができる。
44 中部材(通し部材)
44B 貫通孔
64、66 分割部材
70 丸鋼(軸力伝達部材)
74 鋼板
82 木製柱(分割部材)
84 木製梁(通し部材)
84B 貫通孔

Claims (3)

  1. 木製の通し部材と、
    前記通し部材を挟んで対向して配置された木製の分割部材と、
    前記通し部材に形成された貫通孔と、
    前記貫通孔に挿入され、一方の前記分割部材の軸力を他方の前記分割部材へ軸力として伝達する軸力伝達部材と、
    を備えた軸力伝達構造。
  2. 前記通し部材と前記分割部材はブレース部材とされた、請求項1に記載の軸力伝達構造。
  3. 前記分割部材の端面に配置された鋼板を備え、
    前記軸力伝達部材は前記貫通孔を貫通して前記鋼板に接合された丸鋼とされた、
    請求項1又は2に記載の軸力伝達構造。
JP2016021906A 2016-02-08 2016-02-08 軸力伝達構造 Active JP6688623B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016021906A JP6688623B2 (ja) 2016-02-08 2016-02-08 軸力伝達構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016021906A JP6688623B2 (ja) 2016-02-08 2016-02-08 軸力伝達構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017141560A true JP2017141560A (ja) 2017-08-17
JP6688623B2 JP6688623B2 (ja) 2020-04-28

Family

ID=59628343

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016021906A Active JP6688623B2 (ja) 2016-02-08 2016-02-08 軸力伝達構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6688623B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004156427A (ja) * 2002-09-09 2004-06-03 Hara Komuten:Kk 建材の結合具
US20080213040A1 (en) * 2005-04-01 2008-09-04 Induo Gesellschaft Zurverwetung Von Schultzrechten Mbh & Co. Kg Shear Connector for Connecting at Least Two Components and System of Interconnected Components
JP2014148783A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Takenaka Komuten Co Ltd 耐震架構構造

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004156427A (ja) * 2002-09-09 2004-06-03 Hara Komuten:Kk 建材の結合具
US20080213040A1 (en) * 2005-04-01 2008-09-04 Induo Gesellschaft Zurverwetung Von Schultzrechten Mbh & Co. Kg Shear Connector for Connecting at Least Two Components and System of Interconnected Components
JP2014148783A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Takenaka Komuten Co Ltd 耐震架構構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP6688623B2 (ja) 2020-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4805619B2 (ja) ダンパーシステム
JP6377413B2 (ja) 柱と梁との接合構造及び方法
JP4494129B2 (ja) 木質構造材による柱梁架構の接合工法及び接合構造
JP2006037648A (ja) 柱と梁との接合構造
JP2008255658A (ja) 木質ラーメン構造における接合構造
JP4377927B2 (ja) 木質建築部材の接合構造体
JP6322429B2 (ja) ブレース、及びブレースの取り付け方法
JP3757292B2 (ja) 木質部材の接合部及び接合用木質部材
JP7243007B2 (ja) 木質梁接合構造
JP6934285B2 (ja) 木質柱梁接合構造
JP5658966B2 (ja) 複合梁、複合梁の接合構造、及び複合梁の接合方法
JP2017141560A (ja) 軸力伝達構造
KR200387927Y1 (ko) 개량형 cft 프리캐스트 콘크리트 기둥과 철골보의 강접합구조
JP2016216899A (ja) 耐震壁構造
JP7163560B2 (ja) ブレースの接合構造
JP2017155464A (ja) 柱梁接合構造
JP3635043B2 (ja) 木造建築物の免震構造
JP6876384B2 (ja) 柱梁の接合部構造
JPH09184241A (ja) 構造物の補強板構造および継手部材並びにその製造装置
JP3220663B2 (ja) 木造建物の軸組装置
JP6312130B2 (ja) 柱梁構造及び梁端部材
JP5432977B2 (ja) プレキャスト部材の接合構造
JP7360924B2 (ja) 木質の柱と木質の梁との接合構造及びその構築方法
JP2022192021A (ja) 柱梁接合構造
JP4379732B2 (ja) 建物の耐震補強工法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191008

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200331

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200406

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6688623

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150