JP2017141037A - 食品収納用の合掌袋およびその製造方法 - Google Patents

食品収納用の合掌袋およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電子レンジでの加熱時に、破袋が起こらず、上部や背部等の所望する位置から開口する上、安価に製造することができ、かつ、自動包装機適性に優れた電子レンジ加熱対応型の食品収納用の合掌袋を提供する。
【解決手段】合掌袋Pは、2つの防曇剤含有延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムを積層したラミネートフィルムによって、幅×高さ=150mm×220mmの大きさの矩形状に形成されている。そして、上部および背部には、エチレン−塩化ビニル系ホットメルト剤によって、それぞれ、約15mm幅、約10mmの幅ヒートシール部分α,βが形成されており、底部には、ラミネートフィルムの熱融着層を融着させることによって、約15mmのヒートシール部分γが形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、食品を収納した状態でそのまま電子レンジに投入して加熱調理可能な食品収納用の合掌袋およびその製造方法に関するものである。
調理済あるいは半調理済の食品等が合成樹脂製の包装袋に収納されており、食する際に電子レンジによって加熱調理できるようにした包装食品が数多く市販されている。ところが、そのような食品を収納した包装袋においては、電子レンジでの加熱時に、食品から発生する蒸気や内部空気の熱膨張によって内圧が上昇して突然に破袋し、収納された食品を飛散させて電子レンジ内を汚してしまう事態が起こり得る。
そのような不具合を解消するための電子レンジ用の包装袋として、特許文献1の如く、袋の周縁の熱融着部分(ヒートシール部分)の一部を、ポリプロピレンとポリエチレンの混合樹脂からなるフィルムと無延伸ポリプロピレンフィルムとで形成することによって、電子レンジでの加熱調理時に内圧が所定の圧力に達したときに、当該熱融着部分の一部が容易に開封するように構成したものが知られている。また、特許文献2の如く、背部の熱融着部分の幅を上部および底部の熱融着部分の幅よりも狭くして、電子レンジでの加熱調理時に背部から開口するように設計した食品包装用の合掌袋も知られている。
実公平2−15789号公報 特開平11−79259号公報
しかしながら、特許文献1の如き包装袋は、製造時に表裏両面の素材を変えなければならないため、安価に製造することが困難である上、内容物を収納して密封する際に、自動包装機を使用し難い(自動包装機適性に劣る)、という問題がある。一方、特許文献2の如き合掌袋は、電子レンジでの加熱調理時に、理論的には背部の熱融着部分から開口するはずであるものの、加熱斑等に起因して不用意に上部や底部から開口してしまい、その後の取り扱いが困難となる事態が生じ得る。
本発明の目的は、上記従来の食品収納袋が有する問題点を解消し、電子レンジでの加熱時に、破袋が起こらず、上部や背部等の所望する位置から開口する上、安価に製造することができ、かつ、自動包装機適性に優れた電子レンジ加熱対応型の食品収納用の合掌袋を提供することにある。
本発明の内、請求項1に記載された発明は、環状に折り畳まれた合成樹脂フィルムの上部、底部および背部をヒートシールしてなる食品収納用の合掌袋であって、底部の少なくとも一部のヒートシール強度が、上部および背部のヒートシール強度よりも高いことを特徴とするものである。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、底部のヒートシールされた融着層を構成する樹脂と、上部および背部のヒートシールされた融着層を構成する樹脂とが異なるものであることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1、または請求項2に記載された発明において、底部のヒートシール強度が500gf/15mm以上2000gf/15mm未満であり、上部および背部のヒートシール強度が150gf/15mm以上800gf/15mm未満であることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、請求項1〜3のいずれかに記載された発明において、前記合成樹脂フィルムが、防曇剤を含有したものであることを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明は、環状に折り畳まれた合成樹脂フィルムの上部、底部および背部をヒートシールしてなる食品収納用の合掌袋の製造方法であって、
a.合成樹脂フィルムのヒートシール層の一部に、そのヒートシール層よりも融点の低い樹脂をコーティングすることによって低融点樹脂層を形成するコーティング工程と、
b.前記低融点樹脂層同士を接合させてヒートシールすることによって上部および背部のヒートシール部を形成する第一のヒートシール工程と、
c.合成樹脂フィルムのヒートシール層同士を接合させてヒートシールすることによって底部のヒートシール部を形成する第二のヒートシール工程と
を有することを特徴とするものである。
請求項1に記載の食品収納用の合掌袋(以下、単に合掌袋という)は、底部のヒートシール強度が上部および背部のヒートシール強度よりも高いので、食品を収納した状態で電子レンジで加熱する場合に、上部あるいは背部が開口するため、不用意な破袋を防止することができる上、飽和した水蒸気を効率的に排出して収納された食品をふっくらと温めることができる。また、底部のヒートシール部分が開口したりしないので、加熱した後の取り扱いが容易なものとなる。加えて、表裏を構成する樹脂が同一であるため、自動包装機適性に優れている。
請求項2に記載の合掌袋は、底部のヒートシール部分を構成する樹脂と上部および背部のヒートシール部分を構成する樹脂とが異なるものであるため、上部あるいは背部が開口することなく底部が開口する事態を高い精度で防止することができる。
請求項3に記載の合掌袋は、底部、上部および背部のヒートシール強度が特定の範囲になるように調整されているので、電子レンジで調理する際に、内圧の上昇による破袋や、底部が開口する事態を確実に防止することができる。
請求項4に記載の合掌袋は、良好な防曇性を発現することができ、青果物等を収納した状態で店舗に陳列する場合に、結露等によって収納物が見えにくくなる事態が生じない。
請求項4に記載の合掌袋の製造方法によれば、電子レンジによる調理の際の不用意な破袋が起こらず調理後の取り扱いが容易で自動包装機適性に優れた食品収納用の合掌袋を、安価かつ容易に製造することができる。
合掌袋を製造する様子を示す説明図(斜視図)である(dはcにおけるA−A線端面図である)。 製造された合掌袋を示す説明図(斜視図)である。
本発明に係る合掌袋は、合成樹脂フィルムによって形成された袋体の上部、底部および背部をヒートシールしてなるものである。合掌袋を形成するための合成樹脂フィルムは、基材層(ベースフィルム層)と熱融着層(ヒートシール層)とを有しており、ヒートシールまたは溶断シールが可能なものであれば特に限定されず、ポリエチレンおよびC4〜C8のコモノマーを有する線状ポリエチレン、ポリプロピレンおよびプロピレンを65重量%以上含有するポリプロピレン共重合体または混合重合体、エチレン酢酸ビニール共重合体のようなエチレン共重合体やアルファーオレフィン共重合体、ポリエチレンテレフタレートおよびエチレンテレフタレート残基を65モル%以上含有するポリエステル共重合体または混合重合体、ポリアミドおよびその共重合体ならびに混合重合体等からなるフィルムを基材層とするものを好適に用いることができる。その中でも、ポリプロピレン系樹脂を基材層とする合成樹脂フィルムを用いると、青果物を収納したときの鮮度保持効果が良好なものとなる上、安価に製造することが可能となるので好ましく、結晶性ポリプロピレン系樹脂を基材層とする合成樹脂フィルムを用いるとより好ましい。
また、本発明に係る合掌袋の製造の際には、基材層を構成する合成樹脂中に防曇剤を含有させるのが好ましい。かかる防曇剤としては、非イオン系の界面活性剤を用いることが可能であり、フィルム表面へブリードアウトして防曇性と併せて帯電防止性を発揮するものを用いるのが好ましい。そのような防曇剤としては、多価アルコールの脂肪酸エステル類、高級脂肪酸のアミン類、高級脂肪酸のアマイド類、高級脂肪酸のアミンやアマイドのエチレンオキサイド付加物等の非イオン系の界面活性剤を挙げることができる。そして、それらの防曇剤の中でも、ポリオキシエチレンアルキルアミン型、ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸エステル型、脂肪酸グリセリンエステル型を併用するのが好ましい。
また、合成樹脂フィルムとしては、基材層と熱融着層とを有する2層の積層フィルムを使用することも可能であるが、それらの基材層、熱融着層の間に中間層を設けた3層以上の積層フィルムを用いることも可能である。さらに、そのような積層フィルムを用いる場合には、添加する防曇剤は、熱融着層の表面際に選択的に存在させるのが好ましい。したがって、熱融着層に隣接する層または熱融着層の反対側の層から熱融着層に向かって、各層に配合する防曇剤の全層に対する添加濃度を次第に薄くなるように添加することが好ましい。そのようにすることで、添加した防曇剤が、濃度の濃い層から濃度の薄い層へと移行して熱融着層表面に発現する、という効果を得ることができる。
また、熱融着層を構成する樹脂としては、密封性、自動包装機適性、易剥離性、耐油性、耐熱性の点から、融点が150℃以下の熱可塑性樹脂であって、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、デセン等の炭素数が2〜10のα―オレフィン系モノマーから選ばれた2種以上を重合して得られたランダム共重合体が好ましく、また、この共重合体は単独または混合して使用することができる。さらにまた、熱融着層を形成する熱可塑性樹脂の融点は150℃以下、好ましくは60〜150℃にすることが望ましい。このようにすることにより、十分なヒートシール強度を与えることができる。熱融着層を形成する熱可塑性樹脂の融点が60℃未満では、ヒートシール部の耐熱性が乏しく、150℃を超えると袋形成の際にフィルムが収縮して、シール部に皺が入るなどして、密封性を損なう場合があり、好ましくない。
また、本発明に係る合掌袋を構成する合成樹脂フィルムとしては、熱融着層を有する樹脂フィルムと基材層を構成する樹脂フィルム(単層のものあるいは2層以上のもの)とをドライラミネート等の方法によって積層一体化したものを好適に用いることができる。そして、そのようにドライラミネートする際に用いる接着剤としては、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸のエチル、ブチル、2−エチルへキシルエステル等のホモポリマーもしくはこれらとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマーとの共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル酸系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等からなる無機系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケート、低融点ガラス等からなる無機系接着剤、その他の接着剤を使用することができる。
なお、上記した接着剤の組成系は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でも良く、その性状、反応機構も、特に限定されない。また、接着剤の使用量も、特に限定されないが、0.1〜10g/m(乾燥状態)であると好ましい。加えて、ラミネートは、ロールコート、グラビアコート、キスコートその他のコート法や印刷法によって行うことができる。
また、合掌袋を構成する合成樹脂フィルムの厚みは、特に限定されるものではないが、5〜150μmの範囲とするのが好ましい、この範囲を超えると、フィルムの製膜が困難であったり、取り扱いが困難となったりするので好ましくない。また、積層フィルムにする際の各層の厚みに関しても、特に限定されないが、好ましい層構成である3層構成において例示すると、基材層は全層厚みの20〜90%、熱融着層は0.85〜15%、中間層は10〜80%の範囲で設定することが好ましい。基材層の比率が低いと、腰がなく扱いにくいフィルムとなる上、防曇剤が接着剤に引き寄せられるのを防止する効果が薄れる場合があって好ましくなく、また、熱融着層の比率が高いと、腰がなくなる上に、滑り性、耐ブロッキング性が悪くなるなどの問題が発生する場合があるので好ましくない。逆に、基材層の比率が高くて、熱融着層の比率が高いと、シール時に十分な粘りと強度が出ない場合があるので好ましくない。一方、中間層に関しては、特に制限はなく、本発明の特性を阻害しない範囲で任意に設定できる。
加えて、合成樹脂フィルムを形成する樹脂には、必要に応じて各層の特性を阻害しない範囲で、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、滑剤、核剤、難燃剤、顔料、染料、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、マイカ、タルク、クレー、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、抗菌剤、自然分解性を付与する添加剤等を添加することができる。さらに、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム類、炭化水素樹脂、石油樹脂等を合成樹脂フィルムの特性を害さない範囲で配合してもよい。
また、本発明に係る合掌袋は、上記した合成樹脂フィルムを2二つ折りにして周囲(最終的に底部、上部および背部となる部分)をヒートシールする方法等によって形成することができる。その際に、底部の少なくとも一部のヒートシール強度が、上部および背部のヒートシール強度よりも高くなるように調整する必要がある。底部の(底部の少なくとも一部の)ヒートシール強度は、上部および背部のヒートシール強度より、150gf/15mm以上高いと好ましく、300gf/15mm以上高いとより好ましい。なお、底部の(底部の少なくとも一部の)ヒートシール強度と、上部および背部のヒートシール強度との差は大きい方が好ましいが、その最大差は、底部のヒートシール強度、上部および背部の好ましいヒートシール強度から制限される(特定される)。本発明に係る合掌袋は、底部全体のヒートシール強度が、上部および背部のヒートシール強度よりも高いとより好ましい。しかしながら、本発明に係る合掌袋を長尺状のフィルムから連続的に製造する場合には、上部と底部とが隣り合うように製造される方法も採用できるため、その関係で、底部の一部に、上部のヒートシール強度と同程度の部分が形成されていても構わない。
さらに、底部のヒートシール強度の数値範囲、および、上部・背部のヒートシール強度の数値範囲は、特に限定されないが、底部のヒートシール強度が500gf/15mm以上2000gf/15mm未満であり、上部および背部のヒートシール強度が150gf/15mm以上800gf/15mm未満であると、電子レンジでの調理時における内圧の上昇による破袋や、底部が開口する事態を確実に防止することができるので好ましい。さらに、底部のヒートシール強度は、600gf/15mm以上1950gf/15mm未満であるとより好ましく、650gf/15mm以上1900gf/15mm未満であると特に好ましい。一方、上部および背部のヒートシール強度は、170gf/15mm以上750gf/15mm未満であるとより好ましく、180gf/15mm以上700gf/15mm未満であると特に好ましい。
また、上記の如く、合掌袋の底部のヒートシール強度が上部および背部のヒートシール強度よりも高くなるように調整する方法としては、底部のヒートシール温度を上部および背部のヒートシール温度と異ならせる方法等を採用することも可能であるが、底部のヒートシール層を構成する樹脂と、上部および背部のヒートシール層を構成する樹脂とを異ならせる方法を好適に用いることができる。たとえば、合成樹脂フィルムとして、上記の如く、ポリプロピレン系樹脂を用いる場合には、上部および背部のヒートシール部分を、ポリプロピレン系樹脂よりも融点の低い樹脂によって形成する方法を採用することができる。そして、そのように上部および背部のヒートシール部分を、ポリプロピレン系樹脂よりも融点の低い樹脂によって形成する場合には、エチレン系樹脂、塩化ビニル、酢酸ビニル共重合体(EVA)、アクリル樹脂、ニトロセルロース、塩素化ポリプロピレン(塩素化PP)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、あるいはホットメルト等から選ばれる熱可塑性接着剤等を用いることができ、その中でも、エチレン−塩化ビニル系樹脂(エチレン−塩化ビニル系ホットメルト剤)を好適に用いることができる。
さらに、上記の如く、合掌袋の底部のヒートシール温度を上部および背部のヒートシール温度と異ならせる場合には、最終的に合掌袋の上部および背部のヒートシール部分となる部分に、合成樹脂フィルムを構成する樹脂とは異なる樹脂(たとえば、合成樹脂フィルムを構成する樹脂よりも融点の低い樹脂)をコーティングした合成樹脂フィルムを用いて製袋する方法等を好適に用いることができる。
本発明に係る合掌袋および/または合成樹脂フィルムは、ナノレベル、ミクロン(μm)レベルの大きさの通気孔を設けて青果物の鮮度保持包装用として用いることもでき、内容物である食品を活性化させる放射エネルギーを付与または強める加工を施すこともできる。
以下、実施例・比較例によって本発明に係る合掌袋およびその製造方法について詳細に説明するが、本発明の合掌袋は、かかる実施例の態様に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することが可能である。また、実施例および比較例における物性、特性の評価方法は以下の通りである。
<ヒートシール強度>
実施例および比較例において合掌袋の形成用に用いたロール状のフィルム(ラミネートフィルム)から、長手方向の長さ=500mm×幅方向(長手方向と直角する方向)の長さ=50mmの大きさのストリップ状の試験片を切り出し、熱融着層が内側となるように幅方向に沿って二つ折りにすることによって、250mm×50mmの大きさの長方形状の試験片を準備した。しかる後、熱傾斜試験機(東洋精機製HG−100 5点温度水準タイプ)を用いて、圧力98KPa、所定の温度(130℃および140℃)で1秒間の圧着時間にてヒートシールした。そして、そのヒートシールした試験片の中央部を15mm幅にカットした後、東洋ボールドウィン株式会社製「テンシロン」(STM−T−50BP)を用いて、距離20mmのチャック間に、低温でシールした側を上にして試験片を把持させて、200mm/分の速度(チャート速度200mm/分)で剥離した際の強度を測定し、その測定値をヒートシール強度(N/15mm)とした。
<開封特性>
実施例・比較例で得られた合掌袋(幅×高さ=150mm×220mm)に、開口した底部(後述する上部ヒートシール部形成用のコーティング部bと対向する部分)からブロッコリー100gを収納した後、その底部際に約145℃の温度の金属片を約1秒間押し付けて、底部際を左右全幅に亘って上下幅が約15mmとなるようにヒートシールすることによって合掌袋を密封した。しかる後、その合掌袋を冷凍庫に入れて、−5℃の雰囲気下で24時間保管し、収納されたブロッコリーを冷凍させた後に、その合掌袋を、600kwの電子レンジの中に入れ、1分40秒間加熱した。そして、加熱後の合掌袋の開封状態を、目視によって下記の3段階で官能評価した。
○:合掌袋が上部あるいは背部から開口し、底部のヒートシール部分の剥離がまったく認められない。
△:合掌袋が上部あるいは背部から開口しているが、底部のヒートシール部分の剥離がわずかに認められる。
×:合掌袋が破裂してヒートシール部分の剥離が認められる。
<防曇性>
実施例・比較例で得られた合掌袋を構成するフィルムを用いて、次の手順にて防曇性を測定した。
(1)500mLの上部開口容器に50℃の温水を300mL入れる。
(2)フィルムの防曇性測定面を内側にしてフィルムで容器開口部を密閉する。
(3)5℃の冷室中に放置する。
(4)5℃の冷室に放置30分後、冷室から取り出し、フィルム測定面の露付着状況を6段階で評価する。
・評価6級:全面露なし(付着面積ゼロ)
・評価5級:若干の露付着(付着面積1/5まで)
・評価4級:多少の露付着(付着面積1/4まで)
・評価3級:約1/2の露付着(付着面積2/4まで)
・評価2級:ほとんど露付着(付着面積3/4まで)
・評価1級:全面露付着(付着面積3/4以上)
[実施例1]
<ラミネートフィルムの作製>
下記のフィルムAとフィルムB(いずれも一定幅の長尺なロール状)とを、株式会社オリエント総業製のドライラミネータを用いて、DIC株式会社製エーテル系接着剤(ディックドライLX401A:ポリエーテルポリウレタン系接着剤)を使用して、常温下でドライラミネートすることによって、厚さ約45μmで、幅約320mmの長尺なラミネートフィルムを得た。なお、当該ラミネートフィルムにおいては、フィルムAが基材層となり、フィルムBが熱融着層となる。
・フィルムA:東洋紡績株式会社製 防曇剤含有延伸ポリプロピレン系樹脂(OPP)フィルム P5767(厚み=25μm)
*含有防曇剤:1.0重量%
・フィルムB:東洋紡績株式会社製 防曇剤含有延伸ポリプロピレン系樹脂(OPP)フィルム P5562(厚み=20μm)
*含有防曇剤:0.8重量%
<合掌袋の製造>
しかる後、上記した長尺なラミネートフィルムを用いて合掌袋を製造した。図1は、その製造工程を示したものであり、合掌袋を製造する際には、まず、ラミネートフィルムFの表面(熱融着層面)に、エチレン−塩化ビニル系樹脂(エチレン−塩化ビニル系ホットメルト剤)を、塗工面が所定の形状となるようにコーティングした。すなわち、幅方向の両端際に、約10mm幅の背部ヒートシール部形成用のコーティング部aを形成するとともに、それ以外の部分に、約15mm幅の上部ヒートシール部形成用のコーティング部bを等間隔(220mm間隔)で形成した(図1(a)の状態)。なお、当該コーティングは、東洋インキ株式会社製エチレン−塩化ビニル系樹脂のPPシールS−CおよびQ160 PP シールCと希釈溶剤S428ヨーザイNを1:1:1の割合で混合した溶液を用いて行い、塗布量(固形分)が3.5g/mとなるように調整した。
さらに、そのようにコーティングを施したラミネートフィルムFを長手方向に二つ折りして(コーティング部分a,bの表面がお互いに当接するように二つ折りして)、当該コーティング部分a,bに約135℃の温度の金属片を約1秒間押し付けることによって、コーティング部分a,bをヒートシールした(図1(b)の状態)。しかる後、そのヒートシール後のラミネートフィルムFを、背部ヒートシール部形成用のコーティング部aが幅方向の中央になるように、ラミネートフィルムFの折り位置を変更した後に、上部ヒートシール部形成用のコーティング部bの直後(図1(c)の破線の位置)で裁断することによって、実施例1の合掌袋を得た(図1(c)の状態)。そして、その実施例1の合掌袋を、上記した方法で評価した。評価結果を合掌袋の特性とともに表1に示す。
また、図2は、上記の如く得られた実施例1の合掌袋を示したものであり、合掌袋Pは、2つの防曇剤含有延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムを積層したラミネートフィルムによって、幅×高さ=150mm×220mmの大きさの矩形状に形成されている。そして、上部および背部には、エチレン−塩化ビニル系ホットメルト剤によって、それぞれ、約15mm幅、約10mmの幅ヒートシール部分α,βが形成されており、底部には、ラミネートフィルムの熱融着層を融着させることによって、約15mmのヒートシール部分γが形成されている。
[比較例1]
実施例1と同様な方法で得られたラミネートフィルムから合掌袋を製造する際に、ベースフィルムにエチレン−塩化ビニル系樹脂のコーティングを施さなかった。また、合掌袋の上部および背部(すなわち、実施例1の合掌袋の製造時におけるコーティング部分a,bに相当する部分)のヒートシール温度を約145℃に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして、比較例1の合掌袋を形成した。そして、その比較例1の合掌袋を、上記した方法で評価した。評価結果を合掌袋の特性とともに表1に示す。
Figure 2017141037
表1から、底部のヒートシール強度が上部および背部のヒートシール強度より高い実施例1の合掌袋は、食品を収納して冷凍させた後に電子レンジで加熱した場合には、上部あるいは背部から開口し、底部のヒートシール部分の剥離が見られないことが分かる。また、実施例1の合掌袋は、良好な防曇性を示すことも分かる。また、加熱後の熱い状態で食品を電子レンジから取り出した後の熱い状態でも、上部を容易に開封できて、袋の中の食品を容易に取り出すことができるものである。これに対して、底部のヒートシール強度が上部および背部のヒートシール強度とほとんど変わらない比較例1の合掌袋は、食品を収納して冷凍させた後に電子レンジで加熱した場合には、食品から出る蒸気が袋の中にこもり、容易に抜けず、最後は袋が破裂する形でヒートシール部分の剥離が生じることが分かる。
本発明に係る合掌袋は、上記の如く優れた効果を奏するものであるため、食品を収納させた状態でそのまま電子レンジで加熱可能な食品収納用袋として好適に用いることができる。
P・・合掌袋
α・・上部ヒートシール部
β・・下部ヒートシール部
γ・・底部ヒートシール部

Claims (5)

  1. 環状に折り畳まれた合成樹脂フィルムの上部、底部および背部をヒートシールしてなる食品収納用の合掌袋であって、
    底部の少なくとも一部のヒートシール強度が、上部および背部のヒートシール強度よりも高いことを特徴とする食品収納用の合掌袋。
  2. 底部のヒートシールされた融着層を構成する樹脂と、上部および背部のヒートシールされた融着層を構成する樹脂とが異なるものであることを特徴とする請求項1に記載の食品収納用の合掌袋。
  3. 底部のヒートシール強度が500gf/15mm以上2000gf/15mm未満であり、上部および背部のヒートシール強度が150gf/15mm以上800gf/15mm未満であることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の食品収納用の合掌袋。
  4. 前記合成樹脂フィルムが、防曇剤を含有したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の食品収納用の合掌袋。
  5. 環状に折り畳まれた合成樹脂フィルムの上部、底部および背部をヒートシールしてなる食品収納用の合掌袋の製造方法であって、
    a.合成樹脂フィルムのヒートシール層の一部に、そのヒートシール層よりも融点の低い樹脂をコーティングすることによって低融点樹脂層を形成するコーティング工程と、
    b.前記低融点樹脂層同士を接合させてヒートシールすることによって上部および背部のヒートシール部を形成する第一のヒートシール工程と、
    c.合成樹脂フィルムのヒートシール層同士を接合させてヒートシールすることによって底部のヒートシール部を形成する第二のヒートシール工程と
    を有することを特徴とする食品収納用の合掌袋の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110524953A (zh) * 2019-09-04 2019-12-03 福建省泉州喜多多食品有限公司 一种饮料包装盒的生产工艺及其封边机

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