JP7033427B2 - スキンパック用多層フィルム及びスキンパック包装体 - Google Patents
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Description
しかしながら、鋭利な骨等が含まれる水産加工品を収容する場合や低温下で保存する場合には、フィルムの穴開き(ピンホール)に対する抵抗力(以下、「突き刺し強度」ともいう。)に劣る場合がある。また、底材(トレー)がポリプロピレン(PP)樹脂の場合には、フィルムとトレーとの接着性に劣る問題があった。さらに、環境問題から包材の脱塩素化も求められている。
また、突き刺し強度及び内容物密着性に優れるスキンパック蓋材用共押出多層フィルムとして、外層にアイオノマー樹脂(IO)層、中間層にエチレン-酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)層、最内層に酢酸ビニル含有率が8モル%以上20モル%以下のエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)またはホットメルト樹脂(HM)層を配し、フィルム総厚に対するアイオノマー樹脂(IO)層厚比が40%以上70%以下であり、エチレン-酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)層厚比が10%以下であるスキンパック蓋材用共押出多層フィルムが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、突き刺し強度に優れ、かつ、様々な材質の底材に対するヒートシール性及び被包装物に対する密着性に優れるスキンパック用多層フィルム並びにスキンパック包装体を提供する。
<1> アイオノマー樹脂を含有する層と、
エチレン・不飽和エステル共重合体樹脂を樹脂成分の全質量に対して10質量%~95質量%含む最表層と、を有するスキンパック用多層フィルム。
<2> 前記エチレン・不飽和エステル共重合体樹脂は、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂である<1>に記載のスキンパック用多層フィルム。
<3> 前記最表層は、エチレン・α-オレフィン共重合体樹脂、スチレン系エラストマー樹脂及びポリエチレン樹脂から選ばれる少なくとも1種を樹脂成分の全質量に対して5質量%~70質量%含む、<1>又は<2>に記載のスキンパック用多層フィルム。
<4> スキンパック用多層フィルムの厚みが、40μm~300μmである<1>~<3>のいずれか1つに記載のスキンパック用多層フィルム。
<5> 底材と、前記底材上に配置された被包装物と、<1>~<4>のいずれか1つに記載のスキンパック用多層フィルムと、を備えたスキンパック包装体。
なお、本発明において、数値範囲における「~」は、「~」の前後の数値を含むことを意味する。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合は、特に断らない限り、組成物中に存在する該複数の物質の構成単位を意味する。
本発明のスキンパック用多層フィルム(以下、単に「多層フィルム」ともいう。)は、アイオノマー樹脂を含有する層(以下、単に「アイオノマー樹脂層」ともいう。)と、エチレン・不飽和エステル共重合体樹脂を樹脂成分の全質量に対して10質量%~95質量%含む最表層(以下、「ホットメルト層」ともいう。)と、を有する。
多層フィルムは、上記構成を有することで、突き刺し強度に優れ、かつ、様々な材質の底材に対するヒートシール性及び被包装物に対する密着性に優れる。この理由は、明らかではないが、以下のように推測される。
本発明の多層フィルムは、アイオノマー樹脂を含有する層(アイオノマー樹脂層)を少なくとも1層有する。
多層フィルムがアイオノマー樹脂層を有することで、被包装物に対する密着性及び突き刺し強度に優れる。
工業的に入手可能な観点から、エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体としては、ランダム共重合体であることが好ましい。
これらの中でも、不飽和カルボン酸に由来する構成単位としては、(メタ)アクリル酸であることが好ましい。
他の構成単位としては、例えば、不飽和カルボン酸エステル、不飽和炭化水素(例えば、プロピレン、ブテン、1,3-ブタジエン、ペンテン、1,3-ペンタジエン、1-ヘキセン等)、ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等)、ビニル硫酸、ビニル硝酸等の酸化物、ハロゲン化合物(例えば、塩化ビニル、フッ化ビニル等)、ビニル基含有の1級及び2級アミン化合物、一酸化炭素、二酸化硫黄等に由来する構成単位が挙げられる。
これらの中でも、他の構成単位としては、不飽和カルボン酸エステルに由来する構成単位であることが好ましい。
不飽和カルボン酸アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソオクチル等のアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル等のメタクリル酸アルキルエステル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル等のマレイン酸アルキルエステル等のアルキルエステルの炭素数が1~12である不飽和カルボン酸アルキルエステルが挙げられる。
金属イオンとしては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属イオン、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属イオン、亜鉛等の遷移金属イオン、アルミニウム等の各種金属イオンなどが挙げられる。
工業化製品を容易に入手可能な点から、金属イオンとしては、亜鉛イオン、マグネシウムイオン及びナトリウムイオンから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、亜鉛イオン及びマグネシウムイオンの少なくとも一方であることがより好ましく、亜鉛イオンであることが更に好ましい。
金属イオンは、1種を単独で用いてもよく、又は、2種以上を併用してもよい。
中和度が90モル%以下であると、イオン凝集を適度に抑制でき、かつ、流動性の低下をより抑制でき、成形加工性をより好適に維持できる。
中和度が5モル%以上であると、アイオノマー樹脂としての性能をより効果的に発揮することが可能である。
なお、本明細書において「中和度」とは、エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(ベースポリマー)が有する酸性基、特にカルボキシ基のモル数に対する、金属イオンの配合比率(モル%)を示す。
なお、アイオノマー樹脂のMFRは、JIS K7210(1999年)に準拠した方法により190℃、荷重2160gにて測定することができる。
その他の樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
また、アイオノマー樹脂層/多層フィルムの比率としては、90%以下であることが好ましく、80%以下であることがより好ましい。
アイオノマー樹脂層/多層フィルムの比率が40%以上であると、より良好な突き刺し強度及び被包装物に対する高い密着性が更に得られる傾向がある。また、アイオノマー樹脂層/多層フィルムの比率が90%以下であると、ヒートシール可能なホットメルト層の厚みを確保することができる。
本明細書において、多層フィルム、アイオノマー樹脂層等の厚みとは、特に断らない限り、多層フィルム、アイオノマー樹脂層等の層状物の面方向と直交する方向の断面における厚みを指す。
厚みは、多層フィルムを構成する各層(アイオノマー樹脂層、後述のホットメルト層等)のそれぞれ断面を電子顕微鏡により観察して求めることができる。
本発明の多層フィルムは、エチレン・不飽和エステル共重合体樹脂を樹脂成分の全質量に対して10質量%~95質量%含む最表層(ホットメルト層)を有する。
多層フィルムのホットメルト層が、エチレン・不飽和エステル共重合体樹脂を樹脂成分の全質量に対して10質量%~95質量%含むことで、底材(トレー)に対して優れたヒートシール性を発揮し、かつ、被包装物に対する優れた密着性を向上させることが可能である。
これらの中でも、不飽和エステルとしては、酢酸ビニル及び(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも一方であることが好ましい。
エチレン・不飽和エステル共重合体樹脂は、1種単独で使用してもよく、又は、2種以上を併用してもよい。
不飽和エステルの含有率が1質量%以上であると、シール強度がより得られやすく、またシール強度の安定性もより向上しやすい。また、不飽和エステルの含有率が40質量%以下であると、シール強度、シール強度の安定性及び耐ブロッキング性により優れる傾向がある。
なお、エチレン・不飽和エステル共重合体樹脂のMFRは、JIS K7210(1999年)に準拠した方法により190℃、荷重2160gにて測定することができる。
エチレン・不飽和エステル共重合体樹脂の含有率が、10質量%以上であると、より良好なヒートシール性及び柔軟性を得ることができる。また、エチレン・不飽和エステル共重合体樹脂の含有率が95質量%以下であると、生産性がよく、また、滑り性、包装機適性に優れる傾向がある。
上記観点から、エチレン・不飽和エステル共重合体樹脂の含有率としては、20質量%~90質量%であることが好ましく、30質量%~90質量%であることがより好ましい。
その他の樹脂としては、エチレン・α-オレフィン共重合体樹脂、エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)共重合樹脂等のスチレン系エラストマー樹脂、ポリエチレン樹脂等が挙げられる。その他の樹脂は、1種単独であってもよく、又は、2種以上であってもよい。
ホットメルト層がその他の樹脂を含む場合、その他の樹脂としては、エチレン・α-オレフィン共重合体樹脂、スチレン系エラストマー樹脂及びポリエチレン樹脂から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、エチレン・α-オレフィン共重合体樹脂であることがより好ましい。
これらの中でも、α-オレフィンとしては、炭素数4以上のα-オレフィンが好ましく、1-ブテンがより好ましい。
エチレン・α-オレフィン共重合体樹脂が低結晶性共重合体であると、各種の基材に対して安定した接着性がより得られやすい傾向がある。
使用する触媒又はα-オレフィンの種類によっても若干異なるが、上記結晶化度を有する低結晶性共重合体とするには、通常、α-オレフィンが7モル%~20モル%、特に8モル%~16モル%程度の割合が重合するようにすればよい。
なお、スチレン重合体ブロックとは、ポリスチレンの部位を指し、アルキレン共重合体ブロックとは、2以上のアルケンが共重合したアルキレン共重合体の部位を指す。
例えば、SEBSは、スチレンとブタジエンとからなるポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレンブロック共重合体の二重結合部分を水素添加したポリマー(ポリスチレン-ポリ(エチレン-ブチレン)-ポリスチレン)を指す。SEPSは、スチレンとイソプレンとからなるポリスチレン-ポリイソプレン-ポリスチレンブロック共重合体の二重結合部分を水素添加したポリマー(ポリスチレン-ポリ(エチレン-プロピレン)-ポリスチレン)を指す。
A-B-A型ブロック共重合体のMFRは、JIS K7210-1999に準拠した方法により230℃、荷重5000gにて測定した値である。
粘着付与剤としては、ロジン類、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、芳香族炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、低分子量スチレン系樹脂、イソプレン系樹脂、アルキルフェノール樹脂等が好適に使用することができる。
粘着付与剤は、1種単独で使用してもよく、又は、2種類以上を併用して用いてもよい。
色調、臭気、食品衛生性等を重視する場合には、粘着付与剤としては、水素添加の芳香族炭化水素樹脂又は水添テルペン樹脂であることが好ましい。
ワックスは、1種単独で使用してもよく、又は2種以上を併用してもよい。
ワックスの含有率としては、ホットメルト層の樹脂成分の全質量に対して、0質量%~15質量%であることが好ましく、より好ましくは0質量%~10質量%である。
ホットメルト層/多層フィルムの比率が、3%以上であるとより良好なヒートシール性が得られ傾向がある。また、ホットメルト層/多層フィルムの比率が40%以下であると、アイオノマー樹脂層の厚みとのバランスにより、フィルム強度を確保することが可能となる。
本発明の多層フィルムは、アイオノマー樹脂層及びホットメルト層以外の層(以下、「その他の層」を含んでいてもよい。
その他の層としては、例えば、酸素バリアー性を付与する目的で、エチレン-酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)を含有する層(以下、「EVOH層」ともいう。)を加えることができる。
エチレン含有率としては、製膜安定性の観点から、エチレン-酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)の全構成単位に対して、27モル%~47モル%であることが好ましく、32モル%~44モル%であることがより好ましい。
本発明の多層フィルムの厚みに対するEVOH層の厚み(EVOH層/多層フィルム)の比率は、多層フィルムの厚みに対して2%~15%であることが好ましい。EVOH層/多層フィルムの比率が2%以上であると、十分な酸素バリアー性がより得られやすい傾向がある。また、EVOH層/多層フィルムの比率が15%以下であると、良好な被包装物に対する密着性がさらに保持されやすい。
本発明の多層フィルムは、アイオノマー樹脂層、ホットメルト層及びその他の層に加えて、必要に応じて、接着樹脂層を有していてもよい。
本発明の多層フィルムが、接着樹脂層を有することで、アイオノマー樹脂層、ホットメルト層及びその他の層のそれぞれの間を、接着樹脂層で接着することが可能である。
接着樹脂としては、不飽和カルボン酸又はその誘導体等のモノマーとエチレンとの共重合体、及び前記モノマーで変性したポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
これらの中でも、接着樹脂としては、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸等が挙げられる。不飽和カルボン酸の誘導体としては、不飽和カルボン酸のエステル、無水化物等が挙げられる。
本発明の多層フィルムは、本発明の効果が得られる範囲において、成形加工性、生産性等の諸性質を改良又は調整する目的で、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、難燃剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、溶融粘度改良剤、架橋剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤などの添加剤を適宜添加できる。
添加剤の配合率としては、無機質添加剤の場合は、最外層に、0.1質量%~3質量%程度、無機質添加剤以外の場合には、0.01質量%~1質量%程度の範囲が適当である。
上記観点から、多層フィルムの厚みとしては、50μm~250μmがより好ましい。
中でも、多層フィルムは、被包装物として、ベーコン、ソーセージ、ハム、食肉、チーズ等の複雑な形状を有する食品のスキンパック包装に好適に用いることができる。
本発明の多層フィルムは、食品の加工、包装、保管及び販売において、食品安全衛生及び費用抑制に効率に大きく貢献できる。
本発明のスキンパック包装体は、底材と、前記底材上に配置された被包装物と、本発明のスキンパック用多層フィルムと、を備える。
本発明のスキンパック包装体は、本発明のスキンパック用多層フィルムを備えるので、突き刺し強度に優れ、さらに、底材に対しても優れたヒートシール性を発揮し、また、複雑な形状の被包装物に対しても密着性に優れた包装体である。
また、底材は、平板状底材フィルムを所望の形状に成形した成形体を使用してもよい。
以下の樹脂を表1に示す配合割合で仕込み量が10kgとなるように混合した。混合した樹脂を、押出機(65mmφ、L/D=28、先端ダルメージフライトスクリュー)に投入し、加工温度160℃にて溶融混練して樹脂組成物を得た。
・EVA2:エチレン・酢酸ビニル共重合体(エチレンに由来する構成単位の含有率90質量%、酢酸ビニルに由来する構成単位の含有率10質量%、MFR(190℃ ,2160g荷重)9g/10分)
・EVA3:エチレン・酢酸ビニル共重合体(エチレンに由来する構成単位の含有率90質量%、酢酸ビニルに由来する構成単位の含有率10質量%、MFR(190℃ ,2160g荷重)3g/10分)
・EVA4:エチレン・酢酸ビニル共重合体(エチレンに由来する構成単位の含有率81質量%、酢酸ビニルに由来する構成単位の含有率19質量%、MFR(190℃ ,2160g荷重)15g/10分)
・EVA5:エチレン・酢酸ビニル共重合体(エチレンに由来する構成単位の含有率81質量%、酢酸ビニルに由来する構成単位の含有率19質量%、MFR(190℃ ,2160g荷重)2.5g/10分)
・EVA6:エチレン・酢酸ビニル共重合体(エチレンに由来する構成単位の含有率72質量%、酢酸ビニルに由来する構成単位の含有率28質量%、MFR(190℃ ,2160g荷重)15g/10分)
・EMA:エチレン・メチルアクリレート共重合体(エチレンに由来する構成単位の含有率80質量%、メチルアクリレートに由来する構成単位の含有率20質量%、MFR(190℃、2160g荷重)8g/10分)
・PE2:エチレン・1-ヘキセン共重合体(商品名:エボリューSP0540、MFR(190℃、2160g荷重)3.7g/10分、(株)プライムポリマー製)
・PE3:エチレン・1-ヘキセン共重合体(商品名:エボリューSP1520、MFR(190℃、2160g荷重)1.8g/10分、(株)プライムポリマー製)
・アイオノマー樹脂:MFR(190℃、2160g荷重)1.3g/10分、ハイミラン1601、三井・デュポンポリケミカル(株)製
・A-B-A型ブロック共重合体(商品名:クレイトンG1657(MFR(230℃ ,5000g荷重)22g/10分、密度900kg/m3、クレイトンジャパン(株)製)
・PEwax:ポリエチレンワックス(商品名:ハイワックス320MP、三井化学(株)製)
・粘着付与剤1:環球法軟化点115℃の脂環族系炭化水素樹脂(商品名:アルコン AM-1、荒川化学工業(株)製)
・粘着付与剤2:環球法軟化点100℃の脂環族系炭化水素樹脂(商品名:アルコン P100、荒川化学工業(株)製)
上記で得られた樹脂組成物と、アイオノマー樹脂(商品名:ハイミラン1601、三井・デュポンポリケミカル(株)製)と、をアイオノマー樹脂の加工温度230℃、樹脂組成物の加工温度210℃、2種2層(アイオノマー樹脂と樹脂組成物(ホットメルト層)との厚みの比50μm:10μm)、加工速度20m/分の条件で共押し出し、その後、キャストロール上で冷却して製膜することで(キャスト成形法)、厚み60μmの多層フィルムを得た。
-ヒートシール性(対PP接着強度)-
上記得られた多層フィルムを、厚み0.3mmのポリプロピレン(PP)シート上に重ね合わせて、テフロン(登録商標)フィルム(厚み50μm)を介して、押圧力0.2MPa、加熱温度120℃、加熱時間1.0秒の条件でヒートシールして積層体を作製した後、室温で24時間放置した。
その後、PPシートと多層フィルムとの積層体から、15mm幅の短冊の試験片を切り出し、試験片の一方の面と他方の面とをそれぞれ反対方向に引張り(長軸方向に180°方向に剥離)、このときの最大応力を測定した。
この最大応力(N/15mm)は、PPシートに対する多層フィルムの接着強度(N/15mm)とし、表1に結果を示す。
また、ヒートシールの加熱温度条件を表1に記載の温度に変えた以外は、上記条件と同じように測定して、それぞれの最大応力を測定した。測定結果を表1に示す。
上記で得られた多層フィルムを、JIS Z1707:1997の突き刺し強さ試験に準拠して、精密万能試験機((株)島津製作所製、製品名;オートグラフAG-X)にて突き刺し強度の測定を行った。
突き刺し強度が60N/mm以上であれば突き刺し強度に優れると判断した。評価結果を表1に示す。
被包装物として木製の角材(長さ10cm、幅5cm、高さ5cm)を底材(PPシート)上に置き、真空包装機((株)古川製作所製、製品名;ハイマン)を用いて、140℃×30秒の条件で、上記で作製した多層フィルムで被包装物を包装し、以下の評価基準に従って密着性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
A:多層フィルムが被包装物に形状に沿って密着し、かつ、PPシートに対して良好に接着していた。
B:多層フィルムが被包装物に形状に沿って密着していない、多層フィルムがPPシートに接着していない、又は、フィルムに穴あきが見られる。
実施例1において、表1に示す配合割合に変更した以外は、同様にして実施例2~実施例5の樹脂組成物を調製した後、多層フィルムを作製し、実施例1と同様に各種評価を実施した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、表1に示す配合割合に変更した以外は、同様にして比較例1~比較例3の樹脂組成物を調製した後、アイオノマー樹脂と共押し出しせず、厚みが60μmになるように単層フィルムを作製した。単層フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして各種評価を行った。その結果を表1に示す。
エチレン・不飽和エステル共重合体樹脂の代わりに、エチレン・α-オレフィン共重合体樹脂を含む最表層(ホットメルト層)と、を有する比較例2の単層フィルムは、ヒートシールの温度条件がいずれの温度であっても、PPシートに対するヒートシール性が劣っていた。また、被包装物を包装した際の密着性に劣っていた。
アイオノマー樹脂のみを含む比較例3の単層フィルムは、ヒートシールの温度条件がいずれの温度であっても、PPシートに対するヒートシール性が劣っていた。また、被包装物を包装した際に底材であるPPシートとの密着性に劣っていた。
Claims (4)
- アイオノマー樹脂を含有する層と、
最表層が含む樹脂成分の合計含有率を100質量%としたときに、エチレン・不飽和エステル共重合体樹脂を樹脂成分の全質量に対して40質量%~90質量%、エチレン・α-オレフィン共重合体樹脂、スチレン系エラストマー樹脂及びポリエチレン樹脂から選ばれる少なくとも1種を樹脂成分の全質量に対して5質量%~40質量%、並びに、脂環族系炭化水素樹脂である粘着付与剤を樹脂成分の全質量に対して1質量%~35質量%含み、加熱処理されることでシール性が発現する最表層と、
を有し、
前記不飽和エステルに由来する構成単位の含有率が、前記エチレン・不飽和エステル共重合体樹脂の全構成単位に対して6質量%~11.3質量%である、
スキンパック用多層フィルム。 - 前記エチレン・不飽和エステル共重合体樹脂は、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂である請求項1に記載のスキンパック用多層フィルム。
- スキンパック用多層フィルムの厚みが、40μm~300μmである請求項1又は請求項2に記載のスキンパック用多層フィルム。
- ポリプロピレン(PP)シートである底材と、前記底材上に配置された被包装物と、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のスキンパック用多層フィルムと、を備えたスキンパック包装体。
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