JP2017139981A - 微生物検出用培地 - Google Patents

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Abstract

【課題】標的微生物が有する酵素によって分解される酵素基質を分解可能な酵素が検体中に本来的に存在しても、培地自体の染色を抑制することができ、高い精度で標的微生物を染色されたコロニーとして検出することができる方法及びそのための酵素基質培地を提供する。
【解決手段】ゲル化剤及び酵素基質を含有する第一の層と、ゲル化剤を含有し、前記酵素基質を含有せず、前記第一の層に隣接して積層する第二の層とを含み、前記酵素基質は、色素化合物を遊離し得る化合物である、微生物検出用培地。
【選択図】図1

Description

本発明は、微生物を有色又は蛍光のコロニーとして検出するための培地に関する。
特定の微生物を検出する場合、抗生物質や界面活性剤等の選択剤を含有する培地や、特定のpHに調整した培地や、特定のブドウ糖濃度に調整した培地など、標的微生物に合わせた選択培地を用いるのが一般的である。
また、標的微生物が特異的に保有する酵素によって分解する基質化合物を培地に含有させ、培地上で発育した標的微生物を、前記酵素による分解を受けて該基質から遊離する色素化合物によって染色されたコロニーとして検出する方法(酵素基質法)も利用されている。かかる方法に用いられる培地は「酵素基質培地」と呼ばれ、有色又は蛍光の色素化合物が結合している基質化合物が種々開発されており、飲食品や臨床の分野において多種多様な菌種に対する酵素基質培地が提案されている(特許文献1等)。
酵素基質培地が含有する酵素基質は、標的微生物が保有する酵素によって分解されるものであるが、チーズ等の発酵食品の検体や生肉等の組織を多く含む検体にも、酵素基質培地中の酵素基質を分解可能な酵素が含まれている場合がある。そのような検体を被験試料として供した場合は、検体中に本来的に存在する酵素により酵素基質が分解され、標的微生物の存否にかかわらず培地全面が色素化合物で染色されてしまうため、標的微生物のコロニーを判別することが困難になるという問題が生じる。
例えば、大腸菌群はβ−ガラクトシダーゼを特異的に保有することが知られており、大腸菌群を酵素基質法で検出する場合は、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−β−D−ガラクトピラノシド(X−GAL)等の色素化合物をβ−ガラクトシダーゼによる分解で遊離しうる酵素基質を含有する培地が用いられる。しかしながら、この酵素基質培地を用いてチーズ等の発酵食品検体から大腸菌群を検出しようとする場合、検体中に本来的に存在する乳酸菌由来のβ−ガラクトシダーゼが多量に存在するため、検体を供試された培地中の酵素基質が分解を受けて、培地全体が色素化合物により染色されてしまうため、大腸菌群の染色されたコロニーの判別が困難になる。
近年、迅速な培養検査のために、保存時は乾燥状態であるが供試の際に検体に含まれる水分でゲル化剤を膨潤させて使用する、シート状等の簡易培地が種々開発されている(特許文献2〜5等)。上述の酵素基質法における問題は、これらの簡易培地を用いる場合には、検体に本来的に存在する酵素が培地内部にまで入り込みやすいために、通常の寒天培地を用いる場合以上に顕著となる。
特表2002−537852号公報 国際公開97/24432号公報 特表平10−501129号公報 特開平9−19282号公報 特開2015−204845号公報
このような状況を鑑みて、本発明は、標的微生物が有する酵素によって分解される酵素基質を分解可能な酵素が検体中に本来的に存在しても、培地自体の染色を抑制することが
でき、その結果として高い精度で標的微生物を染色されたコロニーとして検出することができる方法及びそのための酵素基質培地を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究の末、酵素基質培地の上に酵素基質を含有しない培地を積層することにより、供試する検体中に本来的に存在する酵素が酵素基質に接触するのを妨げることができ、その結果として培地自体の染色を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]ゲル化剤及び酵素基質を含有する第一の層と、
ゲル化剤を含有し、前記酵素基質を含有せず、前記第一の層に隣接して積層する第二の層とを含み、
前記酵素基質は、色素化合物を遊離し得る化合物である、微生物検出用培地。
ここで、[1]の発明としては以下の態様が好ましい。
[1−1]前記第二の層が、検体中の酵素を前記第一の層に存在する酵素基質との物理的な接触を阻害又は遅らせる、[1]に記載の培地。
[1−2]前記酵素基質が、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−β−D−ガラクトピラノシド等のインドキシル系色素化合物を遊離し得る酵素基質、又は4−メチルルチウンベリフェリル−β−D−ガラクトピラノシド等の蛍光化合物を遊離し得る酵素基質である、[1]に記載の培地。
[2]前記ゲル化剤が、寒天、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、ポリビニルアルコール、アルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、及びヒドロキシアルキルセルロースからなる群から選択される一種又は二種以上を含む、[1]に記載の培地。
[3][1]又は[2]に記載の培地と、
多孔質材料を含有し、前記第二の層の前記第一の層が隣接する側と反対側に隣接して積層する第三の層とを含む、微生物検出用器材。
[4][1]又は[2]に記載の培地の前記第二の層に検体を接種する工程、前記検体に含まれる微生物を培養する工程、及び前記微生物の染色されたコロニーを検出する工程を含み、
前記酵素基質は前記微生物が有する酵素によって分解される基質である、微生物の検出方法。
[5][1]又は[2]に記載の培地の前記第二の層に検体を接種する工程、及び前記検体に含まれる微生物を培養する工程を含み、
前記酵素基質は、前記微生物が有する酵素及び前記検体中に含まれる酵素によって分解される基質である、培地の染色を抑制する方法。
本発明の培地を用いれば、標的微生物が有する酵素によって分解される酵素基質を分解可能な酵素が検体中に本来的に存在しても、培地自体の染色を抑制することができ、その結果として高い精度で標的微生物を染色されたコロニーとして検出することができる。特に、使用前は乾燥状態である簡易培地の形態とした場合に有用であり、標的微生物の迅速かつ簡便な検出を実現する。
比較例1及び実施例1の培地上のコロニー(K. oxytoca)の写真。 比較例1及び実施例1の培地上のコロニー(E. coli)の写真。
本発明の培地は、第一の層と第二の層とを含むことを特徴とする。
また、第一の層は、ゲル化剤及び酵素基質を含有する。一方、第二の層は、ゲル化剤を含有し、前記酵素基質を含有しない。
第二の層は、第一の層に隣接して積層する。ここで、積層とは、第二の層が第一の層の少なくとも一部を覆えば足りるが、第二の層が第一の層の全てを覆うことが好ましい。第一の層と第二の層が互いに隣接して積層することにより、後述の本発明の方法のように第二の層の側から検体を供試した場合に、該検体中の酵素が第一の層に含有される酵素基質に接触するのを妨げ(阻害し又は遅らせ)、培地自体の染色を抑制できるため、その結果として標的微生物を染色されたコロニーとして明瞭に判別することが可能となる。なお、本明細書において「検体中の酵素」「検体中に含まれる酵素」とは、検体が本来的に有する酵素を指し、標的微生物が有する酵素とは区別される。
本発明におけるゲル化剤は、含水により膨潤・ゲル化する物質を指し、培地を成型するためのマトリックスの役割を担う。すなわち、本発明の培地は、通常は固体(ゲル状を含む)である。
ゲル化剤は、通常は高分子化合物であり、増粘性多糖類や吸水性ポリマー等、一般に微生物培養用の固体培地に用いられるものでよい。例えば、寒天、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、ポリビニルアルコール、メチルセルロースやエチルセルロース等のアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロースやカルボキシエチルセルロース等のカルボキシアルキルセルロース、及びヒドロキシメチルセルロースやヒドロキシエチルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロースが挙げられ、これらから一種又は二種以上を組み合わせた混合物を使用することができる。またこれらの高分子化合物の大きさ(平均分子量、重合度等)は、微生物培養用の固体培地に用いられるときの一般的な範囲のものを用いればよい。例えば、重量平均分子量が好ましくは5000〜200000、また鹸化度が好ましくは75〜99%、より好ましくは85〜90%のポリビニルアルコールを用いることができる。
また、第一の層と第二の層とに含有されるゲル化剤の種類は、同一でも異なっていてもよいが、同一種類であることが二層のなじみ(親和性)の観点から好ましい。
第一の層及び第二の層におけるゲル化剤の使用時(微生物の生育時、以降同じ)の濃度は、微生物培養用の固体培地に用いられるときの一般的な範囲とすればよい。例えば、重量平均分子量が5000〜200000で鹸化度が75〜99%のポリビニルアルコールを用いる場合は、使用時の濃度として140〜300g/Lが好ましく、160〜260g/Lがより好ましい。また例えば、重量平均分子量が1万〜100万の寒天を用いる場合は、使用時の濃度として5〜30g/Lが好ましく、10〜20g/Lがより好ましい。このような含有量とすることにより、培地を取扱いやすく成型できる。
第一の層と第二の層とでは、ゲル化剤の使用時の濃度は、同一でも異なっていてもよいが、同一又は近似の範囲であることが二層のなじみ(親和性)の観点から好ましい。
第二の層におけるゲル化剤の量は、培地に供試される検体中の酵素が第一の層に含有される酵素基質に接触するのを妨げることができる量であれば、特に限定されない。例えば、重量平均分子量が5000〜200000で鹸化度が75〜99%のポリビニルアルコールを用いる場合は、0.5〜5g/mが好ましく、0.5〜2g/mがより好ましい。また例えば、重量平均分子量が1万〜100万の寒天を用いる場合は、15〜75g/mが好ましく、15〜30g/mがより好ましい。
また、第二の層の使用時の厚みは、培地に供試される検体中の酵素が第一の層に含有される酵素基質に接触するのを妨げることができる厚みであれば、特に限定されない。例えば、後述のシート状等の乾燥簡易培地では使用時に0.001〜0.1mmが好ましく、0.01〜0.1mmがより好ましく、寒天培地の形態では0.1〜5mmが好ましく、
0.5〜2mmがより好ましい。
本発明における酵素基質は、分解されることにより色素化合物を遊離し得る化合物である。
ここで色素化合物とは、可視光下で有色のもの及び蛍光発色するものの何れでもよい。可視光下で有色の化合物として遊離され得る官能基としては、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル基等が挙げられ、遊離した5−ブロモ−4−クロロ−3−インドールは酸化縮合して5,5’−ジブロモ−4,4’−ジクロロ−インディゴとなり、青色を呈する。蛍光発色する化合物として遊離され得る官能基としては、4−メルチウンベリフェリル基等が挙げられ、遊離した4−メルチウンベリフェロンは紫外線照射下で蛍光を発する。
また、本発明における酵素基質は、通常は、本培地を用いて検出しようとする標的微生物が有する酵素によって分解される基質である。通常、酵素基質は、前記酵素による切断部位を介して認識部位に色素化合物が結合している。該酵素によって第一の層に含有される酵素基質が分解されることにより、色素化合物が遊離し、生育した標的微生物が有色又は蛍光で染色されたコロニーとして検出されるため、培地上で容易に判別される。
また、本発明における酵素基質は、本培地に供試する検体中に含まれる酵素によって分解される基質であってもよい。前述したように、本発明の培地の第一の層には酵素基質が含有され第二の層には酵素基質は含有されず、検体中の酵素が第一の層に含有される酵素基質に接触するのを、第二の層が妨げるため、検体中に該酵素基質を分解可能な酵素が含まれている場合であっても、培地自体が染色されることなく、標的微生物の染色コロニーを明瞭に判別することができる。
酵素基質の例を挙げると、標的微生物が大腸菌群の場合は、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−β−D−ガラクトピラノシド(X−GAL)や5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−β−D−グルクロン酸等を、黄色ブドウ球菌の場合は、リン酸5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル(X−phos)等を、腸球菌等の場合は、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−β−D−グルコピラノシド(X−GLUC)等を、真菌の場合は、酢酸5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシルや酪酸5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル等を、それぞれ好ましく用いることができる。
これらの酵素基質の第一の層中の使用時の濃度は、微生物培養用の固体培地に用いられるときの一般的な範囲とすればよい。例えば、使用時の濃度として好ましくは0.01〜1.0g/L、より好ましくは0.2〜0.6g/Lである。
本発明の培地における第一の層及び第二の層はそれぞれ、上記成分の他に、選択物質、抗菌性物質、栄養成分、無機塩類、糖類、増粘剤、pH調整剤、等を任意に含有してもよい。また、第一の層と第二の層とで組成は、発色酵素基質の存否を除いて同一でもよいし、異なっていてもよい。
選択物質としては、例えば、抗生物質や、ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)、Tween80、コール酸ナトリウム等の胆汁酸塩等の界面活性剤が挙げられる。特に、界面活性剤を第二の層に含有させることは、検体に含まれる酵素を変性させたり、グラム陽性菌の生育を抑制したりする観点から、合理的である。
抗菌性物質としては、例えば、ポリリジン、プロタミン硫酸塩、グリシン、ソルビン酸等が挙げられる。
栄養成分としては、例えば、ペプトン、獣肉エキス、酵母エキス、魚肉エキスが好ましい。
無機塩類としては、例えば、塩化ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の無機酸金属塩、ピルビン酸ナトリウム、クエン酸鉄アンモニウム、クエン酸ナトリウム等の有機酸金属塩が挙げられる。
糖類としては、例えば、グルコース、ラクトース、スクロース、キシロース、セロビオース、マルトースが挙げられる。
増粘剤としては、例えば、デンプン及びその誘導体、ヒアルロン酸、アクリル酸誘導体、ポリエーテル、コラーゲン等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが挙げられる。
本発明の培地は、標的微生物の生育の観点から、使用時のpHが6.0〜8.0であることが好ましく、6.5〜7.5であることがより好ましい。
本発明の培地の形態は特に限定されず、シャーレ等の容器に流し固めた形態の他に、シート状の乾燥簡易培地にすることもできる。
シート状の乾燥簡易培地としては、例えば国際公開97/24432号公報に記載の、多孔質材料を含有する層とゲル化剤を含有する層とを積層して含む構成のシート形態のものが挙げられる。この場合、ゲル化剤を含有する層を本発明の培地とし、多孔質材料を含有する層を本発明の培地の第二の層の第一の層が隣接する側と反対側に隣接する第三の層として、これらを含む微生物検出用器材とすればよい。すなわち、本発明に係る微生物検出用器材は、第一の層、第二の層、及び第三の層の順で隣接して積層する構成を含む。この器材を後述の本発明の方法に用いる場合は、検体は第三の層の側から添加して、第二の層の側に供試されるようにすればよい。
第三の層に含有される多孔質材料は、例えば、合成繊維、半合成繊維、天然繊維、及び無機繊維等で形成された編織布、不織布、多孔質フィルム、スポンジ等が挙げられる。多孔質セラミックスを用いてもよい。合成繊維としては、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体、親水化処理されてもよいポリエステル、親水化処理されてもよいポリオレフィン、ポリウレタン等が挙げられる。半合成繊維としては、レーヨン等が挙げられる。天然繊維としては、羊毛、絹、綿、セルロース、パルプ等が好ましい。
特に、目付、通気度の調整が容易な編織物や不織布等が好ましく、また比較的容易に細繊維が得られるメルトブロー製法で作製したナイロンメルトブロー不織布や、分割繊維から製造した極細繊維不織布が、さらに好ましい。
また、多孔質材料の目付は、50〜90g/m が好ましく、55〜80g/m がさらに好ましい。目付がこの範囲であれば、微生物培養器材の水分保持能を十分に確保しやすく、液体試料(検体)が第三の層からあふれることもなく、第三の層と第二の層とが十分に一体化しやすくなる。
また、多孔質材料の通気度は7〜24cm/sec(70〜240L/(m・sec))が好ましく、8〜20cm/secがより好ましく、10〜18cm/secがさらに好ましい。通気度がこの範囲にあれば、液体試料(検体)を添加した際に、第二の層及び第一の層に均一にその水分が行き渡りやすく、均一に微生物を培養しやすくなる。また、第二の層及び第一の層に含まれるゲル化剤が溶解・膨潤した際の固定性を十分に確保しやすくなる。なお通気度は、JIS規格L1096 8.26で定められるフラジール形法による。
本発明の培地は、検体中の微生物を検出する方法に好適に利用できる。かかる方法は、本発明の培地の第二の層に検体を接種する工程、前記検体に含まれる微生物を培養する工程、及び前記微生物の染色されたコロニーを検出する工程を含む。ここで、本発明の培地の第一の層に含有される酵素基質は、標的微生物が有する酵素によって分解される基質である。培養工程における条件としては、特に限定されないが、35±2℃で24〜48時間が好ましい。
本発明の培地は、培地自体の染色は抑制し、標的微生物の生育コロニーは染色するため
、高い精度で標的微生物を染色されたコロニーとして検出することができる。
したがって、別の角度から本発明の培地をとらえると、本発明の培地は、培地の染色を抑制する方法にも好適に利用できる。かかる方法は、本発明の培地の第二の層に検体を接種する工程、前記検体に含まれる微生物を培養する工程、及び前記微生物の染色されたコロニーを検出する工程を含む。ここで、本発明の培地の第一の層に含有される酵素基質は、標的微生物が有する酵素及び前記検体中に含まれる酵素によって分解される基質である。なお、標的微生物が有する酵素と検体中に含まれる酵素とは、同一であっても異なってもよい。
表1に、標的微生物とその保有する酵素、酵素基質、及び酵素基質を分解し得る酵素を含む検体の例を示すが、本発明の方法を適用し得る組み合わせはこれらに限定されない。
Figure 2017139981
本発明の培地に適用される検体としては、肉類、魚介類、野菜・果物等の生鮮食料品、
チーズ、乳酸菌飲料、発酵食品等の加工飲食品の他にも、便などの臨床検体、飲料水、淡水、海水、調理場、病院などのふき取り検体等が挙げられる。また、これらの検体を予めトリプトソイブイヨン等で培養した培養液や更にこれを増菌用培地で培養した培養液も用いることができる。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<試験例1>
(1)培地の作製
表2に示す組成で1m分の各成分を0.5リットルの精製水に加え、無水炭酸ナトリウムでpH7.0に調整し、95℃で1分間加温溶解したものを、20μm厚1×1mポリエステルフィルム上に全量を均一に塗布し、65℃で完全に乾燥させた。これを比較例1の培地とした。本発明の培地(実施例1及び2)についてはさらにその上に、表3に示す組成で1m分の各成分を0.5リットルの精製水に加え、95℃で1分間加温溶解したもの全量を均一に塗布し、65℃で完全に乾燥させた。実施例1及び2並びに比較例1の培地とも、その後、前記塗布した側にナイロンメルトブローン不織布(90g/m)を張り合わせた。さらに、前記不織布に100μm厚の70×80mmポリエステルフィルムを接着し、45mm四方に裁断してシート状の簡易培地をそれぞれ作製した。シート状簡易培地の詳細な製造方法は、国際公開97/24432号公報を参照した。
Figure 2017139981
Figure 2017139981
(2)菌株の供試
Klebsiella oxytoca JCM 1665及びEscherichia coli NBRC 102203を、それぞれトリプ
トソイ寒天培地で24時間前培養したものを、供試菌とした。滅菌綿棒を用いて、各供試菌株をマクファーランド比濁#1相当(約3.0×10CFUg/mL)になるように滅菌生理食塩水に懸濁し、菌原液とした。各菌原液に対して滅菌生理食塩水で10倍段階希釈を繰り返し行って、10−6CFUg/mL希釈液を作製した。別途、20gのチェダーチーズを90mLの滅菌生理食塩水と混合し、ストマッキング処理を行って、乳剤を作製した。なお、このチェダーチーズの量は、一般的に行われる試験の倍量である。前記乳剤10mLに、供試菌の10−6CFUg/mL希釈液1mLを加え、被験試料とした。100μm厚のポリエステルフィルムを剥離して、実施例1及び2並びに比較例1の培地にそれぞれ、被験試料を1mLずつ不織布側から接種し、35℃で24時間培養した後、培地と供試菌コロニーの染色状況を観察した。
結果を表4及び図1〜2に示す。
Figure 2017139981
比較例1の培地では、チェダーチーズ由来の酵素によりX−GALが分解され、培地全面が染色されたため、青色又は紺色コロニーとして生育しているはずの供試菌を判別することが全くできなかった(図1左及び図2左)。一方、実施例1では、培地自体は染色されずに、生育した供試菌が形成した青色コロニーを明瞭に判別することができた(図1右及び図2右)。第二の層を倍量とした実施例2においても、同様の結果となった。
本試験例においては、被験試料を第二の層の側から培地に接種しているため、供試の際には供試菌(標的微生物)を第一の層には直接接触させていないにも関わらず、標的微生物は第一の層中の酵素基質を分解して青色コロニーを形成し、第一の層が酵素基質培地としての機能を果たしたことは、従来の知見からは予測できない結果であった。
<試験例2>
(1)培地の作製
第一の層として、X−GAL寒天培地(日水製薬製)を添付文書に従い調製し、直径90mmの滅菌プラスティックシャーレに約5mmの厚さで分注、固化させた。第二の層として、定法に従って調製したNutrient Agar(普通寒天培地、メルク社製)又は15g/
Lで溶解し滅菌した寒天を、先に調製した第一の層の上に1mm、2mm又は5mmの厚さで積層し、本発明の培地(実施例3〜8)を作製した。また、比較例2として第二の層を積層しない培地も作成した。
(2)菌株の供試
試験例1と同様に大腸菌群の菌原液とチェダーチーズの乳剤とを混合した被験試料を調製した。実施例3〜8及び比較例2の培地にそれぞれ、被験試料を500μLずつ第二の層の側から塗抹し、被験試料が完全に培地に吸収されてから35℃で24時間培養した後、培地と供試菌コロニーの染色状況を観察した。
結果を表5に示す。
Figure 2017139981
比較例2の培地では、チェダーチーズ由来の酵素によりX−GALが分解され、培地全面が染色されたため、青色コロニーとして生育しているはずの供試菌を判別することが全くできなかった。一方、実施例3〜8の培地では、第二の層が栄養成分を含むか否かを問わず、培地自体は染色されずに、生育した供試菌が形成した青色コロニーを明瞭に判別することができた。第二の層の厚さを5mmとしても、標的微生物は第一の層中の酵素基質を分解して青色コロニーを形成し、第一の層が酵素基質培地としての機能を果たしたことは、従来の知見からは予測できない結果であった。
本発明により、標的微生物が有する酵素によって分解される酵素基質を分解可能な酵素が検体中に本来的に存在しても、培地自体の染色が抑制される培地が提供される。そして、本発明の培地を用いることにより、高い精度で標的微生物を染色されたコロニーとして検出できる方法も提供されるため有用である。さらに、本発明は使用前に乾燥状態である簡易培地の形態で特にその効果が発揮されるため、標的微生物の迅速かつ簡便な検出を実現するため有用である。

Claims (5)

  1. ゲル化剤及び酵素基質を含有する第一の層と、
    ゲル化剤を含有し、前記酵素基質を含有せず、前記第一の層に隣接して積層する第二の層とを含み、
    前記酵素基質は、色素化合物を遊離し得る化合物である、微生物検出用培地。
  2. 前記ゲル化剤が、寒天、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、ポリビニルアルコール、アルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、及びヒドロキシアルキルセルロースからなる群から選択される一種又は二種以上を含む、請求項1に記載の培地。
  3. 請求項1又は2に記載の培地と、
    多孔質材料を含有し、前記第二の層の前記第一の層が隣接する側と反対側に隣接して積層する第三の層とを含む、微生物検出用器材。
  4. 請求項1又は2に記載の培地の前記第二の層に検体を接種する工程、前記検体に含まれる微生物を培養する工程、及び前記微生物の染色されたコロニーを検出する工程を含み、
    前記酵素基質は前記微生物が有する酵素によって分解される基質である、微生物の検出方法。
  5. 請求項1又は2に記載の培地の前記第二の層に検体を接種する工程、及び前記検体に含まれる微生物を培養する工程を含み、
    前記酵素基質は、前記微生物が有する酵素及び前記検体中に含まれる酵素によって分解される基質である、培地の染色を抑制する方法。
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