JP2005287452A - 微生物の培養・検出法および微生物検出用発色試薬。 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】微生物を含有する懸濁液に半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩と水溶性多価アルコールを加え、この懸濁液を培地に添加して培養を行うことを特徴とする微生物の培養方法および該テトラゾリウム塩と該水溶性多価アルコールを含む微生物検出用発色試薬。
【選択図】なし
Description
(1)微生物を含有する懸濁液に半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩と水溶性多価アルコールを加え、この懸濁液を培地に添加して培養を行うことを特徴とする微生物の培養方法。
(2)水溶性多価アルコールが、半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩に対して還元性を有さないものである上記(1)項に記載の微生物の培養方法。
(3)試料懸濁液に半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩と水溶性多価アルコールを加え、この試料懸濁液を培地に添加して培養を行うことを特徴とする微生物の検出方法。
(4)水溶性多価アルコールが、半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩に対して還元性を有さないものである上記(3)項に記載の微生物の検出方法。
(5)半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩と水溶性多価アルコールを含む微生物検出用発色試薬。
(6)水溶性多価アルコールが、半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩に対して還元性を有さないものである上記(5)項に記載の微生物検出用発色試薬。
水250mlに鹸化度89%、分子量83000のポリビニルアルコール30gを加え加熱溶解後、得られた水溶液を厚さ20μmでサイズ0.5m×1mのポリエステルフィルム上に塗布し、120℃で5分間乾燥して最初の水溶性高分子化合物層を形成させた。前記のポリビニルアルコール15g、ペプトン2.3g、肉エキス1.0g、酵母エキス0.6g、炭酸ナトリウム0.075gおよびグルコース0.4gを水250mlに溶解し、得られた水溶液を最初の層の上に塗布して110℃で7分間乾燥し、第2の水溶性高分子化合物層を形成させた。この層の上に、前記のポリビニルアルコール5g、ペプトン0.8g、肉エキス0.3g、酵母エキス0.2g、炭酸ナトリウム0.025gおよび塩化2,3,5−トリフェニルテトラゾリム20mgを水100mlに溶解して得た水溶液を塗布し、その上に目付65g/m2、通気度110L/(m2・sec)のナイロンメルトブロー不織布を張り合わせ100℃で30秒間乾燥した。ペプトン15gおよびリン酸二ナトリウム40gを水1Lに溶解し、60メッシュ四角錐グラビアロールを用いて不織布上に塗布し、100℃で20秒間乾燥した。このようにして得られた培地積層物を45mm×45mmの正方形に切断し、白色ポリエステル粘着シート(基板)上に接着した後、ポリプロピレンフィルムでカバーし、エチレンオキサイドガス滅菌を行ったものである。なお、「サニ太くん」一般生菌用には、E1/2が490mvの塩化2,3,5−トリフェニルテトラゾリムが予め添加されているが、E1/2の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩を使用することの妨げにはならない。
水0.3Lに鹸化度89%、分子量83000のポリビニルアルコール35gを加え加熱溶解後、厚み20μmで0.5m×1mのポリエステルフィルム上にすべて塗布し、120℃で6分間乾燥した。得られた最初の水溶性高分子化合物層の上に、前記のポリビニルアルコール15g、酵母エキス1.2g、グルコース4.5g、およびクロラムフェニコール0.375gを水0.25Lに溶解して得た溶液をすべて塗布し、110℃で7分間乾燥して第2の水溶性高分子化合物層を形成させた。この第2の層の上に、前記のポリビニルアルコール5g、酵母エキス0.4g、グルコース1.5g、クロラムフェニコール0.125gおよび酢酸5−ブロモインドキシル0.03gを水0.1Lに溶解して得た溶液をすべて塗布し、その上に目付65g/m2、通気度110L/(m2・sec)のナイロンメルトブロー不織布を貼り合わせて、100℃で30秒間乾燥した。ペプトン20gを水1Lに溶解し、60メッシュ四角錐グラビアロールを用いて不織布上に塗布し、100℃で20秒間乾燥した。このようにして得られた培地積層物を45mm×45mmの正方形に切断し、白色ポリエステル粘着シート(基板)上に接着した後、ポリプロピレンフィルムでカバーし、エチレンオキサイドガス滅菌を行ったものである。
普通ブイヨンで培養した枯草菌(Bacillus subtilis IFO3134)、エンテロバクターエロゲネス(Enterobacter aerogenes IFO13534)、クレブシエラニューモニアエ(Klebsiella pneumoniae JCM1662)、シトロバクターフレンディー(Citrobacter freundii IFO12681)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus JCM2874)を滅菌リン酸緩衝生理食塩水で10〜1000cfu/mLとなるように希釈した。希釈した菌懸濁液10mLに、Tween80とMTTの水溶液(2重量%Tween80水溶液にMTTを濃度5mg/mLとなるよう溶解した水溶液)100μLを加え撹拌した。この溶液1mLずつを「サニ太くん」一般生菌用(商品名、チッソ(株)製)に加え、35℃で培養した。
枯草菌は培養約5時間後に、黄色ブドウ球菌は約7時間後に、他の細菌は約6時間後に、青紫色に発色したコロニーが確認できた。上記菌懸濁液に何も加えず「サニ太くん」一般生菌用で培養した場合は赤色のコロニーが確認できるまで枯草菌の場合13時間、黄色ブドウ球菌では22時間、他の細菌では18時間かかった。
実施例1の培地を3M社製「ペトリフィルム」、サン化学製「サンコリ」一般生菌用(両者とも市販されているシート状培地である)に変えて行った。背景の色が「サニ太くん」一般生菌用に比べると濃いため、約1時間程度、時間は遅くなったが、同様に青紫色に発色したコロニーが確認できた。
普通ブイヨンで培養した枯草菌(Bacillus subtilis IFO3134)、エンテロバクターエロゲネス(Enterobacter aerogenes IFO13534)、クレブシエラニューモニアエ(Klebsiella pneumoniae JCM1662)、シトロバクターフレンディー(Citrobacter freundii IFO12681)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus JCM2874)を滅菌リン酸緩衝生理食塩水で10〜1000cfu/mLとなるように希釈した。希釈した菌懸濁液10mLに、Tween80とMTTの水溶液(2重量%Tween80水溶液にMTTを濃度5mg/mLとなるよう溶解した水溶液)1mLを加え撹拌した。この溶液1mLずつをシャーレに加えた。あらかじめ溶解滅菌し、約45℃に保っておいたSCD寒天培地を分注、混釈して、35℃で培養した。
混釈時に培地全体の着色が認められたが、枯草菌は培養約6時間後に、黄色ブドウ球菌は約8時間後に、他の細菌は約7時間後に、青紫色に発色したコロニーが確認できた。
普通ブイヨンで培養した枯草菌(Bacillus subtilis IFO3134)、エンテロバクターエロゲネス(Enterobacter aerogenes IFO13534)、クレブシエラニューモニアエ(Klebsiella pneumoniae JCM1662)、シトロバクターフレンディー(Citrobacter freundii IFO12681)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus JCM2874)を滅菌リン酸緩衝生理食塩水で10〜1000cfu/mLとなるように希釈した。希釈した菌懸濁液10mLに濃度5mg/mLのMTT水溶液100μLを加え、撹拌後1mLずつを「サニ太くん」一般生菌用(チッソ(株)製)に加え、35℃で培養した。
実施例1に比べると発色が確認できるまでの時間がやや長くなる傾向にあったが、実施例1と同様な結果であった。
豚肉、牛肉、各種野菜類に9倍量の滅菌リン酸緩衝生理食塩水を加え、90秒間ストマッカー処理した。懸濁液およびこれを滅菌リン酸緩衝生理食塩水で適宜希釈した希釈懸濁液9〜10mLに、Tween80とMTTの水溶液(2重量%Tween80水溶液にMTTを濃度5mg/mLとなるよう溶解した水溶液)50μLを加え撹拌した。この溶液1mLずつを「サニ太くん」一般生菌用に加え、35℃で培養した。
9〜14時間の培養で、MTT溶液を加えず24時間培養したときとほぼ同等な集落数が認められた。
実施例1のMTTの代わりにINT、ニトロブルーテトラゾリウムブルー、テトラゾリウムブルーを、2%Tween80の代わりに0.1〜5%のPolyoxyethylene(20)sorbitan monolaurate、Polyoxyethylene(20)sorbitan monopalmitate、Polyoxyethylene(20)sorbitan monostearate、0.5〜10%のエチレングリコール、グリセロール、エリスリトール、マンニトール、ソルビトールを用いて、実施例1と同様に行った。
界面活性剤、エチレングリコール、グリセロール、糖アルコールはどれも同様な結果を示し、MTTに比べ、ニトロブルーテトラゾリウムブルー、テトラゾリウムブルーは約30〜60分、INTは1〜2時間遅くなったが、発色した集落が確認された。
普通ブイヨンで培養した黒麹かび(Aspergillus niger IFO4091)、キャンディダトロピカリス(Candida tropicalis IFO589)、ピキアアネモラ(Pichia anemola IFO142)、ロドトルーラグルチニス(Rhodotorula glutinis IFO389)、ヤローウィアリポリチカ(Yarrwia lipolytica IFO746)を滅菌水で10〜1000cfu/mLとなるように希釈した。希釈した菌懸濁液10mLに、Tween80とMTTの水溶液(2重量%Tween80水溶液にMTTを濃度5mg/mLとなるよう溶解した水溶液)100μLを加え撹拌した。この溶液1mLずつを「サニ太くん」真菌用(チッソ(株)製)に加え、25℃で培養した。
20時間後に観察したとき、青紫色に発色した集落が確認できた。
Claims (6)
- 微生物を含有する懸濁液に半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩と水溶性多価アルコールを加え、この懸濁液を培地に添加して培養を行うことを特徴とする微生物の培養方法。
- 水溶性多価アルコールが、半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩に対して還元性を有さないものである請求項1に記載の微生物の培養方法。
- 試料懸濁液に半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩と水溶性多価アルコールを加え、この試料懸濁液を培地に添加して培養を行うことを特徴とする微生物の検出方法。
- 水溶性多価アルコールが、半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩に対して還元性を有さないものである請求項3に記載の微生物の検出方法。
- 半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩と水溶性多価アルコールを含む微生物検出用発色試薬。
- 水溶性多価アルコールが、半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩に対して還元性を有さないものである請求項5に記載の微生物検出用発色試薬。
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