JP2005287452A - 微生物の培養・検出法および微生物検出用発色試薬。 - Google Patents

微生物の培養・検出法および微生物検出用発色試薬。 Download PDF

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Abstract

【課題】高価な機器や顕微鏡を必要とすることなく、液体だけでなく、固体または固体を含む試料にも応用でき、培養後の追加操作なしにできる迅速な微生物の培養・検出手段およびそれに用いる発色試薬を提供する。
【解決手段】微生物を含有する懸濁液に半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩と水溶性多価アルコールを加え、この懸濁液を培地に添加して培養を行うことを特徴とする微生物の培養方法および該テトラゾリウム塩と該水溶性多価アルコールを含む微生物検出用発色試薬。
【選択図】なし

Description

本発明は微生物を培養・検出する方法に関する。さらに詳しくは食品や化粧品、環境中の微生物汚染を検出判定する方法に関する。
従来の微生物検査方法は、食品検査における一般生菌数の測定を例として説明すると、まず、粉末寒天培地を溶解、滅菌した後、約45℃に保っておく。その寒天培地の一定量を、あらかじめ食品の懸濁液などの検査試料1mLを入れた滅菌ペトリ皿などに分注し、混釈後、寒天を固化し、35℃で2日間培養後、生じた微生物のコロニー数を計数する。このように従来の一般生菌検査方法は、前もって、培地を調製、滅菌した後、寒天培地が固化しない温度に保っておく必要があるなど、非常に手間と時間がかかる方法である。また、通常結果を得るためには24〜48時間以上、真菌の検査では5〜7日間の時間を要する。
一方、培地調製の手間を省いた生培地、スタンプタイプ(特許文献1)、フィルタータイプ、フィルム(シート)タイプ(特許文献2、特許文献3、特許文献4)、試験紙タイプなど、それぞれの目的にあわせ使いやすいように作られた簡易培地が提案されているが、検査時間は寒天培地と変わらず、24〜48時間以上を要する。
検査時間を短縮した例として、特許文献5に、濾過膜上に捕集した菌を短時間培養して界面活性剤や有機溶媒などで菌由来のアデノシン−三リン酸を細胞より抽出し、ルシフェラーゼの存在下にルシフェリンと反応させて発光させ、その発光輝点をイメージアナライザーで検出して生菌数を測定する方法が記載されている。上記以外にも、捕集した微生物を所定の時間培養して、発光色素で処理して、放射された蛍光を自動検出する方法、微小な光点を検出するためにスキャナーを使用する方法、或いはまた落射蛍光顕微鏡を使用する方法が提案されている。これらは高額な機器を必要とし、通常は液体試料の検査に応用できるだけである。高額な機器を必要としない方法として、特許文献6に、微生物を合成高分子製多孔質濾過膜上に捕集し、寒天培地上で短時間培養して形成された該微生物由来のコロニーに塩基性染料の有機溶媒溶液を添加して染色した後、該有機溶媒を揮散して顕微鏡下で該染色微小コロニーの数を計測する方法が記載されている。これは液体試料では有効な方法であるが、固体試料および固体を含む試料の検査は困難である。
特開平4−117299 特公平2−49705 特開平3−15379 特開2000−58999 特開平4−30798 特開平9−37794
高価な機器や顕微鏡を必要とすることなく、液体だけでなく、固体または固体を含む試料にも応用でき、培養後の追加操作なしにできる迅速な微生物の検出手段を提供することである。
本発明は、以下の構成を有する。
(1)微生物を含有する懸濁液に半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩と水溶性多価アルコールを加え、この懸濁液を培地に添加して培養を行うことを特徴とする微生物の培養方法。
(2)水溶性多価アルコールが、半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩に対して還元性を有さないものである上記(1)項に記載の微生物の培養方法。
(3)試料懸濁液に半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩と水溶性多価アルコールを加え、この試料懸濁液を培地に添加して培養を行うことを特徴とする微生物の検出方法。
(4)水溶性多価アルコールが、半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩に対して還元性を有さないものである上記(3)項に記載の微生物の検出方法。
(5)半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩と水溶性多価アルコールを含む微生物検出用発色試薬。
(6)水溶性多価アルコールが、半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩に対して還元性を有さないものである上記(5)項に記載の微生物検出用発色試薬。
本発明により高価な機器や顕微鏡を必要とすることなく、また液体試料だけでなく、固体または固体を含む試料にも培養後の追加操作なしに応用できる迅速な微生物の検出手段を提供することが可能となる。
微生物を培養して集落が見えるようになるまでは通常少なくとも20時間はかかる。特公平2−49705(特許文献2)、特開平3−15379(特許文献3)、特開2000−58999(特許文献4)に記載されているフィルムまたはシート状培地は微生物の生育を見やすくするように発色基質が加えられているが、それでも、20時間以内に微生物の生育を観察することはできない。
テトラゾリウム塩などの還元系発色試薬は微生物の脱水素酵素によって容易に還元され、発色する。テトラゾリウム塩は、酸化還元電位の低いものほど還元が容易で発色しやすいが、酸化還元電位が低くなると微生物に対する生育阻害も強くなり、培地中にはじめから加えておく、または、微生物を含む懸濁液に加えると微生物は生育しないか生育が遅れることがある。しかし、水溶性多価アルコールを同時に加えると生育阻害は緩和されることがわかった。MTTなどの還元されやすい(酸化還元電位の低い)テトラゾリウム塩と水溶性多価アルコールの溶液を添加した微生物を含む懸濁液を、シート状培地あるいはフィルム状培地、寒天培地、試験紙等の培地で培養すると7〜14時間程度で微生物の生育を発色によって確認することができる。
食品などに滅菌生理食塩水または滅菌水を加えホモジナイズした懸濁液または食品製造環境などをガーゼまたは綿棒などで拭き取り、滅菌生理食塩水または滅菌水に懸濁した懸濁液などを適宜希釈する。この懸濁液(または希釈懸濁液)に酸化還元電位の低いテトラゾリウム塩と水溶性多価アルコールの水溶液を加える。撹拌後、懸濁液または希釈懸濁液の一定量をシート状培地あるいはフィルム状培地、寒天培地、試験紙等の培地に加え、培養する。培養5時間後から、微生物の集落が見え始め、9〜14時間程度の培養により、希釈懸濁液に酸化還元電位の低いテトラゾリウム塩と水溶性多価アルコールの水溶液を加えないときの24〜48時間培養したときに匹敵する微生物の集落数が確認できる。(また、真菌用では30時間程度の培養で、希釈懸濁液に酸化還元電位の低いテトラゾリウム塩と水溶性多価アルコールの水溶液を加えないときの3〜7日間培養したときに匹敵する微生物の集落数が確認できる。)
本発明に用いるテトラゾリウム塩としては比較的酸化還元電位の低い還元されやすいものが好ましい。酸化還元電位を表す値として、ポーラログラフィーにおける「半波電位(E1/2)」が用いられている。ポーラログラフィーにおける半波電位(E1/2)の測定法は、例えば日本化学会編「第4版実験化学講座」(丸善刊)、第9巻297〜9頁、「6・4・4 ポーラログラフィー」に詳しく記載されており、各種テトラゾリウム塩の半波電位についてはE.Seidler, Progress in Histochemistry and Cytochemistry (1991), 24(1),第21〜3頁(特に第22頁の「Table 5」)やF.P.Altman,Tetrazolium Salts and Formazans,(1976),Gustav Fischer Verlag刊,第23〜5頁(特に第24頁の「Table 7」)に記載されている。本発明では、この半波電位(E1/2)の絶対値を基準にテトラゾリウム塩を選ぶ。半波電位(E1/2)は、文献によって正負が逆に表されていることがあるので、絶対値を基準とする。本発明において、テトラゾリウム塩のE1/2の絶対値は250mv以下のものが好ましく、200mv以下ならばさらに好ましい。
そのようなテトラゾリウム塩として、MTT(3−(4,5−Dimethyl−2−thiazoyl)−2,5−diphenyl−2H tetrazolium bromide、E1/2=110mv)、INT(2−(4−Iodophenyl)−3−(4−nitrophenyl)−5−phenyl−2H tetrazolium chrolide、E1/2=90mv)、ニトロブルーテトラゾリウムブルー(3,3’[3,3’Dimethoxy−(1,1’−biphenyl)−4,4’−diyl]−bis[2−(4−nitrophenyl)−5−phenyl−2H tetrazolium chrolide])、テトラゾリウムブルー(3,3’[3,3’Dimethoxy−(1,1’−biphenyl)−4,4’−diyl]−bis(2,5−diphenyl−2H tetrazolium chrolide)などを挙げることができる。MTT、ニトロブルーテトラゾリウムブルーなど還元されて生じた色素ホルマザンのモル吸光係数の高いものは、より早く発色が確認できるので特に好ましい。
水溶性多価アルコールとしては、2つ以上の水酸基を持ち、微生物の生育を著しく阻害するものでなければどのようなものでもよいが、半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩に対して還元性を有さないものが好ましい。水溶性多価アルコールとして該テトラゾリウム塩に対して還元性を有さないものを選択することにより、培養を行う前にテトラゾリウム塩がホルマザンに還元され発色してしまうことを防止することができる。したがって、該テトラゾリウム塩に対して還元性を有さない水溶性多価アルコールとは、該テトラゾリウム塩と共存させた場合に発色反応を起こさないもののことである。
そのような好ましい水溶性多価アルコールとしては、エチレングリコール、グリセロール、ポリエチレングリコールなど2以上の水酸基をもつ水溶性アルコール、ソルビトール、マンニトール、エリスリトールなどの糖アルコール、水酸基を有するノニオン系界面活性剤、水溶性ポリビニルアルコールなどを挙げることができる。ノニオン系界面活性剤としては、Polyoxyethylene(20)sorbitan monooleate(Tween80)、Polyoxyethylene(20)sorbitan monolaurate(Tween20)、Polyoxyethylene(20)sorbitan monopalmitate(Tween40)、Polyoxyethylene(20)sorbitan monostearate(Tween60)、Polyoxyethylene(20)sorbitan trioleateなどが好ましく使える。
半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩は、菌懸濁液に対して1〜500μg/ml程度の濃度になるよう加えることが適切である。また、水溶性多価アルコールは菌懸濁液に対して0.005〜10重量%程度、好ましくは0.02〜5重量%の濃度になるよう加えることが適切である。上述した半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩と水溶性多価アルコールの混合物およびその水溶液は、それ自体で微生物検出用発色試薬として使用することができる。
本発明に使用する培地としては、一般の寒天培地でも良いが、微生物の培養・検出を簡便にしたシート状培地が一層好ましい。このようなシート状培地として、例えばチッソ(株)製シート状培地「サニ太くん」(商品名、ポリビニルアルコールシートと不織布を積層した微生物検査用シート状培地)、3M社製「ペトリフィルム」(商品名)、サン化学製「サンコリ」(商品名)等が市販されている。なお、使用する培地がチッソ(株)「サニ太くん」のように水溶性ポリビニルアルコールを含有するものであるときには、それ自体が水溶性多価アルコールとして作用するため、あらかじめ試料懸濁液に多価アルコールを加えることなく微生物の培養・検出を行うことができるので好ましい。そのような培地を使用する場合でも、ポリビニルアルコール以外の多価アルコール、例えばノニオン系界面活性剤を併用することにより、さらに好ましい効果を得ることができる。
培地の栄養成分には、半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩に対して還元性を有する成分、例えばグルコース等が含まれる場合もある。そのような場合には、培養を開始するまではテトラゾリウム塩を加えた試料懸濁液と培地を分けて取り扱うとよい。一般に、微生物の培養を行う条件では、グルコース等が含まれていても微生物の集落成長による発色が確認できなくなるほどのバックグラウンドの発色は起こらないからである。
次に実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中に使用したチッソ(株)製シート状培地「サニ太くん」(商品名)は、以下のような構成のシート状培地である。
「サニ太くん」一般生菌用
水250mlに鹸化度89%、分子量83000のポリビニルアルコール30gを加え加熱溶解後、得られた水溶液を厚さ20μmでサイズ0.5m×1mのポリエステルフィルム上に塗布し、120℃で5分間乾燥して最初の水溶性高分子化合物層を形成させた。前記のポリビニルアルコール15g、ペプトン2.3g、肉エキス1.0g、酵母エキス0.6g、炭酸ナトリウム0.075gおよびグルコース0.4gを水250mlに溶解し、得られた水溶液を最初の層の上に塗布して110℃で7分間乾燥し、第2の水溶性高分子化合物層を形成させた。この層の上に、前記のポリビニルアルコール5g、ペプトン0.8g、肉エキス0.3g、酵母エキス0.2g、炭酸ナトリウム0.025gおよび塩化2,3,5−トリフェニルテトラゾリム20mgを水100mlに溶解して得た水溶液を塗布し、その上に目付65g/m2、通気度110L/(m2・sec)のナイロンメルトブロー不織布を張り合わせ100℃で30秒間乾燥した。ペプトン15gおよびリン酸二ナトリウム40gを水1Lに溶解し、60メッシュ四角錐グラビアロールを用いて不織布上に塗布し、100℃で20秒間乾燥した。このようにして得られた培地積層物を45mm×45mmの正方形に切断し、白色ポリエステル粘着シート(基板)上に接着した後、ポリプロピレンフィルムでカバーし、エチレンオキサイドガス滅菌を行ったものである。なお、「サニ太くん」一般生菌用には、E1/2が490mvの塩化2,3,5−トリフェニルテトラゾリムが予め添加されているが、E1/2の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩を使用することの妨げにはならない。
「サニ太くん」真菌用
水0.3Lに鹸化度89%、分子量83000のポリビニルアルコール35gを加え加熱溶解後、厚み20μmで0.5m×1mのポリエステルフィルム上にすべて塗布し、120℃で6分間乾燥した。得られた最初の水溶性高分子化合物層の上に、前記のポリビニルアルコール15g、酵母エキス1.2g、グルコース4.5g、およびクロラムフェニコール0.375gを水0.25Lに溶解して得た溶液をすべて塗布し、110℃で7分間乾燥して第2の水溶性高分子化合物層を形成させた。この第2の層の上に、前記のポリビニルアルコール5g、酵母エキス0.4g、グルコース1.5g、クロラムフェニコール0.125gおよび酢酸5−ブロモインドキシル0.03gを水0.1Lに溶解して得た溶液をすべて塗布し、その上に目付65g/m2、通気度110L/(m2・sec)のナイロンメルトブロー不織布を貼り合わせて、100℃で30秒間乾燥した。ペプトン20gを水1Lに溶解し、60メッシュ四角錐グラビアロールを用いて不織布上に塗布し、100℃で20秒間乾燥した。このようにして得られた培地積層物を45mm×45mmの正方形に切断し、白色ポリエステル粘着シート(基板)上に接着した後、ポリプロピレンフィルムでカバーし、エチレンオキサイドガス滅菌を行ったものである。
実施例1
普通ブイヨンで培養した枯草菌(Bacillus subtilis IFO3134)、エンテロバクターエロゲネス(Enterobacter aerogenes IFO13534)、クレブシエラニューモニアエ(Klebsiella pneumoniae JCM1662)、シトロバクターフレンディー(Citrobacter freundii IFO12681)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus JCM2874)を滅菌リン酸緩衝生理食塩水で10〜1000cfu/mLとなるように希釈した。希釈した菌懸濁液10mLに、Tween80とMTTの水溶液(2重量%Tween80水溶液にMTTを濃度5mg/mLとなるよう溶解した水溶液)100μLを加え撹拌した。この溶液1mLずつを「サニ太くん」一般生菌用(商品名、チッソ(株)製)に加え、35℃で培養した。
枯草菌は培養約5時間後に、黄色ブドウ球菌は約7時間後に、他の細菌は約6時間後に、青紫色に発色したコロニーが確認できた。上記菌懸濁液に何も加えず「サニ太くん」一般生菌用で培養した場合は赤色のコロニーが確認できるまで枯草菌の場合13時間、黄色ブドウ球菌では22時間、他の細菌では18時間かかった。
実施例2
実施例1の培地を3M社製「ペトリフィルム」、サン化学製「サンコリ」一般生菌用(両者とも市販されているシート状培地である)に変えて行った。背景の色が「サニ太くん」一般生菌用に比べると濃いため、約1時間程度、時間は遅くなったが、同様に青紫色に発色したコロニーが確認できた。
実施例3
普通ブイヨンで培養した枯草菌(Bacillus subtilis IFO3134)、エンテロバクターエロゲネス(Enterobacter aerogenes IFO13534)、クレブシエラニューモニアエ(Klebsiella pneumoniae JCM1662)、シトロバクターフレンディー(Citrobacter freundii IFO12681)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus JCM2874)を滅菌リン酸緩衝生理食塩水で10〜1000cfu/mLとなるように希釈した。希釈した菌懸濁液10mLに、Tween80とMTTの水溶液(2重量%Tween80水溶液にMTTを濃度5mg/mLとなるよう溶解した水溶液)1mLを加え撹拌した。この溶液1mLずつをシャーレに加えた。あらかじめ溶解滅菌し、約45℃に保っておいたSCD寒天培地を分注、混釈して、35℃で培養した。
混釈時に培地全体の着色が認められたが、枯草菌は培養約6時間後に、黄色ブドウ球菌は約8時間後に、他の細菌は約7時間後に、青紫色に発色したコロニーが確認できた。
実施例4
普通ブイヨンで培養した枯草菌(Bacillus subtilis IFO3134)、エンテロバクターエロゲネス(Enterobacter aerogenes IFO13534)、クレブシエラニューモニアエ(Klebsiella pneumoniae JCM1662)、シトロバクターフレンディー(Citrobacter freundii IFO12681)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus JCM2874)を滅菌リン酸緩衝生理食塩水で10〜1000cfu/mLとなるように希釈した。希釈した菌懸濁液10mLに濃度5mg/mLのMTT水溶液100μLを加え、撹拌後1mLずつを「サニ太くん」一般生菌用(チッソ(株)製)に加え、35℃で培養した。
実施例1に比べると発色が確認できるまでの時間がやや長くなる傾向にあったが、実施例1と同様な結果であった。
実施例5
豚肉、牛肉、各種野菜類に9倍量の滅菌リン酸緩衝生理食塩水を加え、90秒間ストマッカー処理した。懸濁液およびこれを滅菌リン酸緩衝生理食塩水で適宜希釈した希釈懸濁液9〜10mLに、Tween80とMTTの水溶液(2重量%Tween80水溶液にMTTを濃度5mg/mLとなるよう溶解した水溶液)50μLを加え撹拌した。この溶液1mLずつを「サニ太くん」一般生菌用に加え、35℃で培養した。
9〜14時間の培養で、MTT溶液を加えず24時間培養したときとほぼ同等な集落数が認められた。
実施例6
実施例1のMTTの代わりにINT、ニトロブルーテトラゾリウムブルー、テトラゾリウムブルーを、2%Tween80の代わりに0.1〜5%のPolyoxyethylene(20)sorbitan monolaurate、Polyoxyethylene(20)sorbitan monopalmitate、Polyoxyethylene(20)sorbitan monostearate、0.5〜10%のエチレングリコール、グリセロール、エリスリトール、マンニトール、ソルビトールを用いて、実施例1と同様に行った。
界面活性剤、エチレングリコール、グリセロール、糖アルコールはどれも同様な結果を示し、MTTに比べ、ニトロブルーテトラゾリウムブルー、テトラゾリウムブルーは約30〜60分、INTは1〜2時間遅くなったが、発色した集落が確認された。
実施例7
普通ブイヨンで培養した黒麹かび(Aspergillus niger IFO4091)、キャンディダトロピカリス(Candida tropicalis IFO589)、ピキアアネモラ(Pichia anemola IFO142)、ロドトルーラグルチニス(Rhodotorula glutinis IFO389)、ヤローウィアリポリチカ(Yarrwia lipolytica IFO746)を滅菌水で10〜1000cfu/mLとなるように希釈した。希釈した菌懸濁液10mLに、Tween80とMTTの水溶液(2重量%Tween80水溶液にMTTを濃度5mg/mLとなるよう溶解した水溶液)100μLを加え撹拌した。この溶液1mLずつを「サニ太くん」真菌用(チッソ(株)製)に加え、25℃で培養した。
20時間後に観察したとき、青紫色に発色した集落が確認できた。
本発明によれば、高価な機器や顕微鏡を必要とすることなく、かつ、液体試料だけでなく、固体または固体を含む試料にも適用できる迅速かつ安価な微生物の検出方法および微生物検出用試薬が提供される。本発明では、例えば食品、化粧品、環境中の微生物汚染を迅速かつ安価に検出することができる。

Claims (6)

  1. 微生物を含有する懸濁液に半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩と水溶性多価アルコールを加え、この懸濁液を培地に添加して培養を行うことを特徴とする微生物の培養方法。
  2. 水溶性多価アルコールが、半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩に対して還元性を有さないものである請求項1に記載の微生物の培養方法。
  3. 試料懸濁液に半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩と水溶性多価アルコールを加え、この試料懸濁液を培地に添加して培養を行うことを特徴とする微生物の検出方法。
  4. 水溶性多価アルコールが、半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩に対して還元性を有さないものである請求項3に記載の微生物の検出方法。
  5. 半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩と水溶性多価アルコールを含む微生物検出用発色試薬。
  6. 水溶性多価アルコールが、半波電位の絶対値が250mv以下のテトラゾリウム塩に対して還元性を有さないものである請求項5に記載の微生物検出用発色試薬。
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