JP2017139707A - 圧電薄膜共振器、フィルタおよびデュプレクサ - Google Patents

圧電薄膜共振器、フィルタおよびデュプレクサ Download PDF

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Abstract

【課題】圧電薄膜共振器の特性を向上させ、かつスプリアスを抑制すること。【解決手段】基板10と、前記基板上に設けられた下部電極12と、上面に内側の膜厚が外側の膜厚より大きくなるような段差25を有し、前記下部電極上に設けられた圧電膜14と、前記圧電膜を挟み前記下部電極と上部電極とが対向する共振領域50であって平面視において前記段差を含む共振領域が設けられるように、前記圧電膜上に設けられた上部電極16と、前記圧電膜内、前記圧電膜と前記下部電極との間、または前記圧電膜と前記上部電極との間において、前記共振領域内の外周領域の少なくとも一部に設けられ、前記共振領域の中央領域には設けられていない挿入膜28と、を具備する圧電薄膜共振器。【選択図】図1

Description

本発明は、圧電薄膜共振器、フィルタおよびデュプレクサに関し、圧電膜の上面に設けられた段差と挿入膜を有する圧電薄膜共振器、フィルタおよびデュプレクサに関する。
圧電薄膜共振器を用いた弾性波デバイスは、例えば携帯電話等の無線機器のフィルタおよびデュプレクサとして用いられている。圧電薄膜共振器は、圧電膜を挟み下部電極と上部電極が対向する構造を有している。圧電膜を挟み下部電極と上部電極が対向する領域が共振領域である。
無線システムの急速な普及にともない、多くの周波数帯が使用されている。その結果、フィルタやデュプレクサのスカート特性を急峻化する要求が強まっている。スカート特性を急峻化する対策の一つに圧電薄膜共振器のQ値を高めることがある。
特許文献1には、上部電極および下部電極の一方の表面に環帯を備えることが記載されている。特許文献2には、圧電膜内にブリッジと呼ばれる環帯を備えることが記載されている。特許文献3には、上部電極の上面に環状の凹みを備えることが記載されている。
特開2006−109472号公報 米国特許第9048812号明細書 特表2003−5059061号公報
特許文献1および2の圧電薄膜共振器では、共振領域からの弾性波エネルギーの漏洩を抑制し、Q値を向上させることができる。特許文献2の圧電薄膜共振器では、スプリアスを抑制することができる。しかしながら、圧電薄膜共振器の特性を向上させること、かつスプリアスを抑制することは十分ではない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、圧電薄膜共振器の特性を向上させ、かつスプリアスを抑制することを目的とする。
本発明は、基板と、前記基板上に設けられた下部電極と、上面に内側の膜厚が外側の膜厚より大きくなるような段差を有し、前記下部電極上に設けられた圧電膜と、前記圧電膜を挟み前記下部電極と上部電極とが対向する共振領域であって平面視において前記段差を含む共振領域が設けられるように、前記圧電膜上に設けられた上部電極と、前記圧電膜内、前記圧電膜と前記下部電極との間、または前記圧電膜と前記上部電極との間において、前記共振領域内の外周領域の少なくとも一部に設けられ、前記共振領域の中央領域には設けられていない挿入膜と、を具備する圧電薄膜共振器である。
上記構成において、前記段差の側面は、傾斜している構成とすることができる。
上記構成において、前記挿入膜は、平面視において前記段差の内側に重ならない構成とすることができる。
上記構成において、前記挿入膜は、平面視において前記段差および前記段差の内側に重ならない構成とすることができる。
上記構成において、前記上部電極は、前記段差の側面に接している構成とすることができる。
上記構成において、前記外周領域における前記圧電膜は下部圧電膜と上部圧電膜を含み、前記挿入膜は、前記下部圧電膜と上部圧電膜との間に設けられている構成とすることができる。
上記構成において、前記挿入膜は、前記圧電膜と前記上部電極との間に設けられている構成とすることができる。
上記構成において、前記挿入膜は、前記段差の側面に接し、前記上部電極は前記段差の側面の側方に設けられている構成とすることができる。
上記構成において、前記挿入膜の音響インピーダンスは前記圧電膜より小さい構成とすることができる。
上記構成において、前記共振領域内の前記下部電極下に空気層が設けられている構成とすることができる。
上記構成において、前記共振領域内の前記下部電極下に、前記圧電膜内を伝搬する弾性波を反射する音響反射膜が設けられている構成とすることができる。
本発明は、上記圧電薄膜共振器を含むフィルタである。
本発明は、上記フィルタを含むデュプレクサである。
本発明によれば、圧電薄膜共振器の特性を向上させ、かつスプリアスを抑制することができる。
図1(a)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の平面図、図1(b)は、挿入膜および空隙の平面図、図1(c)および図1(d)は、図1(a)のA−A断面図である。 図2(a)は、実施例1における共振領域付近の平面図、図2(b)および図2(c)は、実施例1における共振領域付近のA−A断面図である。 図3(a)から図3(c)は、実施例1の直列共振器の製造方法を示す断面図(その1)である。 図4(a)から図4(c)は、実施例1の直列共振器の製造方法を示す断面図(その2)である。 図5(a)から図5(c)は、実施例1の変形例1から3における共振領域付近の断面図である。 図6(a)から図6(b)は、実施例1の変形例4および5における共振領域付近の断面図である。 図7(a)および図7(b)は、実施例1の変形例6および7における共振領域近傍の断面図である。 図8(a)から図8(c)は、比較例のサンプルAからCの断面図である。 図9(a)から図9(c)は、比較例のサンプルDからFの断面図である。 図10(a)および図10(b)は、実施例1のサンプルGおよびHの断面図である。 図11(a)および図11(b)は、実施例1のサンプルIおよびJの断面図である。 図12は、スプリアスの大きさの定義を示す図である。 図13は、各サンプルの圧電膜の膜厚T1、挿入幅W1、スプリアスの大きさおよび反共振周波数のQ値を示す図である。 図14(a)は、実施例2に係るフィルタの回路図であり、図14(b)は、実施例2の変形例に係るデュプレクサの回路図である。
以下図面を参照し、本発明の実施例について説明する。
図1(a)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の平面図、図1(b)は、挿入膜および空隙の平面図、図1(c)および図1(d)は、図1(a)のA−A断面図である。図1(c)は、例えばラダー型フィルタの直列共振器を、図1(d)は例えばラダー型フィルタの並列共振器を示している。
図2(a)は、実施例1における共振領域付近の平面図、図2(b)および図2(b)は、実施例1における共振領域付近のA−A断面図である。図2(a)では、段差領域60、薄膜領域62および厚膜領域64を示している。図2(b)および図2(c)は、例えばそれぞれ直列共振器および並列共振器を示している。空隙30はドーム状であるが、図2(b)および図2(c)では、空隙30の上面を簡略化して平面で図示している。以降の図も同様である。
図1(a)から図1(c)および図2(b)を参照し、直列共振器Sの構造について説明する。シリコン(Si)基板である基板10上に、下部電極12が設けられている。基板10の平坦主面と下部電極12との間にドーム状の膨らみを有する空隙30が形成されている。ドーム状の膨らみとは、例えば空隙30の周辺では空隙30の高さが小さく、空隙30の内部ほど空隙30の高さが大きくなるような形状の膨らみである。下部電極12は下層12aと上層12bとを含んでいる。下層12aは例えばCr(クロム)膜であり、上層12bは例えばRu(ルテニウム)膜である。
下部電極12上に、(002)方向を主軸とする窒化アルミニウム(AlN)を主成分とする圧電膜14が設けられている。圧電膜14は、下部圧電膜14aおよび上部圧電膜14bを備えている。圧電膜14の上面に凸部58が形成されている。薄膜領域62内の上部圧電膜14bの膜厚は、厚膜領域64内の上部圧電膜14bの膜厚より小さい。段差領域60において、上部圧電膜14bの上面に傾斜した段差25が形成されている。下部圧電膜14aと上部圧電膜14bとの間に挿入膜28が設けられている。
圧電膜14を挟み下部電極12と対向する領域(共振領域50)を有するように圧電膜14上に上部電極16が設けられている。共振領域50は、楕円形状を有し、厚み縦振動モードの弾性波が共振する領域である。上部電極16は下層16aおよび上層16bを含んでいる。下層16aは例えばRu膜であり、上層16bは例えばCr膜である。
上部電極16上には周波数調整膜24として酸化シリコン膜が形成されている。共振領域50内の積層膜18は、下部電極12、圧電膜14、上部電極16および周波数調整膜24を含む。周波数調整膜24はパッシベーション膜として機能してもよい。
図1(a)のように、下部電極12には犠牲層をエッチングするための導入路33が形成されている。犠牲層は空隙30を形成するための層である。導入路33の先端付近は圧電膜14で覆われておらず、下部電極12は導入路33の先端に孔部35を有する。図1(b)のように、挿入膜28には、孔部35に対応する孔部34が設けられている。
図1(d)および図2(c)を参照し、並列共振器Pの構造について説明する。並列共振器Pは直列共振器Sと比較し、上部電極16の下層16aと上層16bとの間に、Ti(チタン)層からなる質量負荷膜20が設けられている。よって、積層膜18は直列共振器Sの積層膜に加え、中央領域54内の全面に形成された質量負荷膜20を含む。その他の構成は直列共振器Sの図1(c)および図2(b)と同じであり説明を省略する。
直列共振器Sと並列共振器Pとの共振周波数の差は、質量負荷膜20の膜厚を用い調整する。直列共振器Sと並列共振器Pとの両方の共振周波数の調整は、周波数調整膜24の膜厚を調整することにより行なう。
2GHzの共振周波数を有する圧電薄膜共振器の場合、下部電極12の下層12aを膜厚が100nmのCr膜、上層12bを膜厚が200nmのRu膜とする。圧電膜14をAlN膜とする。圧電膜14の膜厚は、厚膜領域64で1100nm、薄膜領域62で600nmである。挿入膜28を膜厚が125nmのSiO(酸化シリコン)膜とする。挿入膜28は、圧電膜14の膜厚方向の中心に設けられている。上部電極16の下層16aを膜厚が230nmのRu膜、上層16bを膜厚が50nmのCr膜とする。周波数調整膜24を膜厚が50nmの酸化シリコン膜とする。質量負荷膜20を膜厚が120nmのTi膜とする。各層の膜厚は、所望の共振特性を得るため適宜設定することができる。
図1(b)に示すように、挿入膜28は、共振領域50内の外周領域52に設けられ中央領域54に設けられていない。外周領域52は、共振領域50内の領域であって、共振領域50の外周を含み外周に沿った領域である。外周領域52は、例えば帯状およびリング状である。中央領域54は、共振領域50内の領域であって、共振領域50の中央を含む領域である。中央は幾何学的な中心でなくてもよい。
特許文献2に記載されているように、挿入膜28のヤング率は圧電膜14より小さいことが好ましい。密度がほぼ同じであれば、ヤング率は音響インピーダンスと相関することから、挿入膜28の音響インピーダンスは圧電膜14より小さいことが好ましい。これにより、Q値を向上できる。また、挿入膜28を金属膜とすることにより実効的電気機械結合係数を向上できる。さらに、挿入膜28の音響インピーダンスを圧電膜14より小さくするため、圧電膜14が窒化アルミニウムを主成分とする場合、挿入膜28は、Al膜、Au(金)膜、Cu(銅)膜、Ti膜、Pt(白金)膜、Ta(タンタル)膜、Cr膜または酸化シリコン膜であることが好ましい。特に、ヤング率の観点から挿入膜28は、Al膜または酸化シリコン膜であることが好ましい。
図2(a)から図2(c)に示すように、共振領域50内の外周近傍に薄膜領域62が設けられ。共振領域50の中央付近に厚膜領域64が設けられている。厚膜領域64は挿入膜28が形成されていない中央領域54と一致している。厚膜領域64と中央領域54とは一致していなくてもよい。薄膜領域62は、共振領域50内の領域であって、共振領域50の外周を含み外周に沿った領域である。共振領域50以外の領域も薄膜領域62である。薄膜領域62は、例えば帯状およびリング状である。段差領域60は、薄膜領域62と厚膜領域64との間の領域である。
基板10としては、Si基板以外に、石英基板、ガラス基板、セラミック基板またはGaAs基板等を用いることができる。下部電極12および上部電極16としては、RuおよびCr以外にもAl、Ti、Cu、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Ta、Pt、Rh(ロジウム)またはIr(イリジウム)等の単層膜またはこれらの積層膜を用いることができる。例えば、上部電極16の下層16aをRu、上層16bをMoとしてもよい。
圧電膜14は、窒化アルミニウム以外にも、ZnO(酸化亜鉛)、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、PbTiO3(チタン酸鉛)等を用いることができる。また、例えば、圧電膜14は、窒化アルミニウムを主成分とし、共振特性の向上または圧電性の向上のため他の元素を含んでもよい。例えば、添加元素として、Sc(スカンジウム)、2価の元素と4価の元素との2つの元素、または2価と5価との2つの元素を用いることにより、圧電膜14の圧電性が向上する。このため、圧電薄膜共振器の実効的電気機械結合係数を向上できる。2価の元素は、例えばCa(カルシウム)、Mg(マグネシウム)、Sr(ストロンチウム)またはZn(亜鉛)である。4価の元素は、例えばTi、Zr(ジルコニウム)またはHf(ハフニウム)である。5価の元素は、例えばTa、Nb(ニオブ)またはV(バナジウム)である。さらに、圧電膜14は、窒化アルミニウムを主成分とし、B(ボロン)を含んでもよい。
周波数調整膜24としては、酸化シリコン膜以外にも窒化シリコン膜または窒化アルミニウム等を用いることができる。質量負荷膜20としては、Ti以外にも、Ru、Cr、Al、Cu、Mo、W、Ta、Pt、RhもしくはIr等の単層膜を用いることができる。また、例えば窒化シリコンまたは酸化シリコン等の窒化金属または酸化金属からなる絶縁膜を用いることもできる。質量負荷膜20は、上部電極16の層間(下層16aと上層16bとの間)以外にも、下部電極12の下、下部電極12の層間、上部電極16の上、下部電極12と圧電膜14との間または圧電膜14と上部電極16との間に形成することができる。質量負荷膜20は、共振領域50を含むように形成されていれば、共振領域50より大きくてもよい。
図3(a)から図4(c)は、実施例1の直列共振器の製造方法を示す断面図である。図3(a)に示すように、平坦主面を有する基板10上に空隙を形成するための犠牲層38を形成する。犠牲層38の膜厚は、例えば10〜100nmであり、MgO(酸化マグネシウム)、ZnO、Ge(ゲルマニウム)またはSiO(酸化シリコン)等のエッチング液またはエッチングガスに容易に溶解できる材料から選択される。その後、犠牲層38を、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い所望の形状にパターニングする。犠牲層38の形状は、空隙30の平面形状に相当する形状であり、例えば共振領域50となる領域を含む。次に、犠牲層38および基板10上に下部電極12として下層12aおよび上層12bを形成する。犠牲層38および下部電極12は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用い成膜される。その後、下部電極12を、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い所望の形状にパターニングする。下部電極12は、リフトオフ法により形成してもよい。
図3(b)に示すように、下部電極12および基板10上に下部圧電膜14aを、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜する。下部圧電膜14a上に挿入膜28を、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜する。その後、挿入膜28を、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い所望の形状にパターニングする。挿入膜28は、リフトオフ法により形成してもよい。
図3(c)に示すように、上部圧電膜14bを例えばスパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜する。下部圧電膜14aおよび上部圧電膜14bから圧電膜14が形成される。
図4(a)に示すように、薄膜領域62に相当する領域の上部圧電膜14bをフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いエッチングすることで薄膜化する。エンチングされない領域は厚膜領域64となる。段差領域60となる領域に段差25が形成される。これにより凸部58が形成される。
図4(b)に示すように、上部電極16を、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い所望の形状にパターニングする。上部電極16は、リフトオフ法により形成してもよい。段差25が傾斜しているため、上部電極16が段差25により断線することを抑制できる。
なお、図1(d)および図2(c)に示す並列共振器においては、上部電極16の下層16aを形成した後に、質量負荷膜20を、例えばスパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜する。質量負荷膜20をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い所望の形状にパターニングする。その後、上部電極16の上層16bを形成する。
周波数調整膜24を例えばスパッタリング法またはCVD法を用い形成する。フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い周波数調整膜24を所望の形状にパターニングする。
図4(c)に示すように、孔部35および導入路33(図1(a)参照)を介し、犠牲層38のエッチング液を下部電極12の下の犠牲層38に導入する。これにより、犠牲層38が除去される。犠牲層38をエッチングする媒体としては、犠牲層38以外の共振器を構成する材料をエッチングしない媒体であることが好ましい。特に、エッチング媒体は、エッチング媒体が接触する下部電極12がエッチングされない媒体であることが好ましい。積層膜18(図1(c)、図1(d)参照)の応力を圧縮応力となるように設定しておく。これにより、犠牲層38が除去されると、積層膜18が基板10の反対側に基板10から離れるように膨れる。下部電極12と基板10との間にドーム状の膨らみを有する空隙30が形成される。以上により、図1(a)および図1(c)に示した直列共振器S、および図1(a)および図1(d)に示した並列共振器Pが作製される。
実施例1においては、圧電膜14は、上面の共振領域50内に段差25を有する。段差25の外側かつ共振領域50内の圧電膜14の膜厚は段差25の内側の圧電膜14の膜厚より小さい。段差25の側面に上部電極16が設けられている。このように、挿入膜28に加え、共振領域50内に段差を有する。挿入膜28により、圧電薄膜共振器の特性を向上させることができる。さらに、挿入膜28と段差25との相乗効果により、スプリアスを抑制することができる。
図5(a)から図6(b)は、実施例1の変形例1から5における共振領域付近の断面図である。図5(a)に示すように、薄膜領域62および段差領域60において、挿入膜28は圧電膜14と上部電極16との間に挿入されている。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。
図5(b)に示すように、薄膜領域62において、挿入膜28は圧電膜14と上部電極16との間に挿入されている。段差領域60において、挿入膜28は下部圧電膜14aと上部圧電膜14bとの間に挿入されている。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。
図5(c)に示すように、薄膜領域62において、挿入膜28は圧電膜14と上部電極16との間に挿入されている。段差領域60には、挿入膜28は形成されていない。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。
図6(a)に示すように、下部圧電膜14aの上面に段差が形成されている。段差領域60において、挿入膜28は段差25の側面に沿って形成されている。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。
図6(b)に示すように、段差領域60において、挿入膜28は形成されていない。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。
実施例1の変形例6および7は、空隙の構成を変えた例である。図7(a)および図7(b)は、実施例1の変形例6および7における共振領域近傍の断面図である。図7(a)に示すように、基板10の上面に窪みが形成されている。下部電極12は、基板10上に平坦に形成されている。これにより、空隙30が、基板10の窪みに形成されている。空隙30は共振領域50を含むように形成されている。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。空隙30は、基板10を貫通するように形成されていてもよい。なお、下部電極12の下面に絶縁膜が接して形成されていてもよい。すなわち、空隙30は、基板10と下部電極12に接する絶縁膜との間に形成されていてもよい。絶縁膜としては、例えば窒化アルミニウム膜を用いることができる。
図7(b)に示すように、共振領域50の下部電極12下に音響反射膜31が形成されている。音響反射膜31は、音響インピーダンスの低い膜30aと音響インピーダンスの高い膜30bとが交互に設けられている。膜30aおよび30bの膜厚は例えばそれぞれλ/4(λは弾性波の波長)である。膜30aと膜30bの積層数は任意に設定できる。例えば、音響反射膜31は、基板10中に音響インピーダンスの異なる膜が一層設けられている構成でもよい。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。
実施例1およびその変形例1から5において、実施例1の変形例6と同様に空隙30を形成してもよく、実施例1の変形例7と同様に空隙30の代わりに音響反射膜31を形成してもよい。
実施例1およびその変形例1から6のように、圧電薄膜共振器は、共振領域50において空隙30が基板10と下部電極12との間に形成されているFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)でもよい。また、実施例1の変形例7のように、圧電薄膜共振器は、共振領域50において下部電極12下に圧電膜14を伝搬する弾性波を反射する音響反射膜31を備えるSMR(Solidly Mounted Resonator)でもよい。
実施例1およびその変形例において、挿入膜28は、圧電膜14と下部電極12との間に挿入されていてもよい。空隙30または音響反射膜31は、厚膜領域64または中央領域54より大きくかつ厚膜領域64または中央領域54を含むように形成されていればよい。共振領域50の中心を囲む段差25の少なくとも一部が共振領域50内に設けられていればよい。共振領域50が楕円形状の例を説明したが、他の形状でもよい。例えば、共振領域50は、四角形または五角形等の多角形でもよい。
実施例1およびその変形例において、挿入膜28と段差25が共振特性およびスプリアスに及ぼす影響について、2次元の有限要素法を用いシミュレーションした。シミュレーションは、共振領域50の中心を鏡面条件として行なった。
シミュレーションに用いた各材料および膜厚は以下である。
下部電極12の下層12a:膜厚が100nmのCr膜
下部電極12の上層12b:膜厚が200nmのRu膜
圧電膜14:膜厚T0が1260nmのAlN膜
下部圧電膜14a:膜厚が630nmのAlN膜
挿入膜28:膜厚が125nmの酸化シリコン膜
上部電極16:膜厚が230nmのRu膜
段差25の端面の角度θ:70°
共振領域50の幅W0:42μm
幅W2:2μm
シミュレーションは、比較例のサンプルとしてサンプルAからF、実施例のサンプルとしてサンプルGからJについて行なった。サンプルAからCは挿入膜28が設けられていない例であり、サンプルDからJは挿入膜28が設けられている例である。
図8(a)から図8(c)は、比較例のサンプルAからCの断面図である。図8(a)に示すように、サンプルAでは、圧電膜14の上面に段差25は形成されていない。挿入膜28は設けられていない。圧電膜14の膜厚はT0およびT1で一定である。図の右端が共振領域50の中心であり、共振領域50の幅はW0である。共振領域50の右端が共振領域50の中心線に相当する。このため、実際の共振領域50の幅はW0×2に相当する。以下のサンプルも同様である。
図8(b)に示すように、サンプルBでは、圧電膜14の上面に段差25が形成されている。挿入膜28は設けられていない。薄膜領域62と段差領域60の合計の幅はW2=2μmである。段差25の側面と圧電膜14の上面のなす角度はθ=70°である。薄膜領域62における圧電膜14の膜厚はT1で一定である。
図8(c)に示すように、サンプルCでは、サンプルBにおける薄膜領域62と段差領域60に相当する領域に上部電極16が形成されていない。このため、共振領域50は厚膜領域64と同じになる。その他の構成はサンプルBと同じであり、説明を省略する。
図9(a)から図9(c)は、比較例のサンプルDからFの断面図である。図9(a)に示すように、サンプルDは、サンプルAの圧電膜14の挿入膜28が挿入された構成である。共振領域50の外周領域52内の圧電膜14内に挿入膜28が設けられている。挿入膜28の挿入幅(外周領域52の幅)はW1である。外周領域52における圧電膜14の膜厚T1は、下部圧電膜14aの膜厚T3+上部圧電膜14bの膜厚T2である。外周領域52と中央領域54との間の圧電膜14の上面には、挿入膜28の膜厚に相当する段差が形成されている。このため、T1=T0となる。その他の構成はサンプルAと同じであり説明を省略する。
図9(b)に示すように、サンプルEは、サンプルCの圧電膜14に挿入膜28が挿入された構成である。挿入膜28は、サンプルCにおける薄膜領域62と段差領域60に相当する領域に設けられているが、厚膜領域64に設けられていない。よって、共振領域50には挿入膜28は設けられていない。薄膜領域62に相当する領域の圧電膜14の膜厚T1は、下部圧電膜14aの膜厚T3+上部圧電膜14bの膜厚T2である。その他の構成はサンプルCと同じであり説明を省略する。
図9(c)に示すように、サンプルFでは、外周領域52における上部圧電膜14bの膜厚が挿入膜28の膜厚分薄いため、圧電膜14の上面が平坦である。このため、薄膜領域62における圧電膜14の膜厚T1はT0より挿入膜28の膜厚分小さい。その他の構成はサンプルDと同じであり、説明を省略する。
図10(a)および図10(b)は、実施例1のサンプルGおよびHの断面図である。図10(a)に示すように、サンプルGでは、圧電膜14の上面に段差25が設けられている。薄膜領域62の上面および段差領域60の圧電膜14の側面に接し挿入膜28が設けられている。よって、挿入幅W1は、薄膜領域62と段差領域60の幅の合計である。厚膜領域64には挿入膜28は設けられていない。段差25の側面と薄膜領域62の上面とのなす角はθ=70°である。
図10(b)に示すように、サンプルHでは、挿入膜28は段差領域60には設けられていない。よって、挿入幅W1は薄膜領域62の幅である。その他の構成はサンプルGと同じであり、説明を省略する。
図11(a)および図11(b)は、実施例1のサンプルIおよびJの断面図である。図11(a)に示すように、サンプルIでは、圧電膜14に挿入膜28が挿入されている。段差領域60における挿入膜28は傾斜していない。薄膜領域62における圧電膜14の膜厚T1は、下部圧電膜14aの膜厚T3+上部圧電膜14bの膜厚T2である。その他の構成はサンプルGと同じであり説明を省略する。
図11(b)に示すように、サンプルJでは、挿入膜28は段差領域60には設けられていない。よって、挿入幅W1は薄膜領域62の幅である。その他の構成はサンプルIと同じであり、説明を省略する。
図12は、スプリアスの大きさの定義を示す図である。図12に示すように、各サンプルについて圧電薄膜共振器の通過特性をシミュレーションした。スプリアスの大きさは、共振周波数より低い周波数において最もスプリアスの大きな箇所の減衰量と定義する。
図13は、各サンプルの圧電膜の膜厚T1、挿入幅W1、スプリアスの大きさおよび反共振周波数のQ値を示す図である。図13に示すように、サンプルAでは、Q値は700程度、スプリアスは−1程度である。サンプルBのように、共振領域50内に段差25を形成してもQ値は変化しない。スプリアスは若干減少する。サンプルCのように、共振領域50外に段差25を形成すると、Q値は増加する。スプリアスは変わらない。
サンプルDおよびFのように外周領域52に挿入膜28を設けると、サンプルAに比べQ値は2倍以上と飛躍的に向上する。しかし、スプリアスはサンプルAより劣化する。サンプルEのように段差25を共振領域50外に設けると、Q値はサンプルAよりは高くなるがサンプルCと同程度である。スプリアスはサンプルDおよびFと同程度である。
サンプルGからJのように、共振領域50内に挿入膜28を設け、かつ段差25を設けると、ほとんどのサンプルでQ値はサンプルAの3倍以上となる。また、サンプルGからJのほとんどのサンプルで段差25を有さず挿入膜28を設けたサンプルDおよびFよりQ値が向上する。サンプルGからJのほとんどのサンプルでスプリアスはサンプルAのおおよそ半分以下となる。サンプルGからJのほとんどのサンプルで共振領域50内に段差25を有し挿入膜28が設けられていないサンプルBよりスプリアスが抑制される。このように、サンプルGからJは、サンプルBとサンプルDおよびFとから予想される以上にQ値が向上しかつスプリアスが抑制される。
比較例に係るサンプルAからFでは、Q値とスプリアスはトレードオフの関係にあり、実施例に係るサンプルGからJでもQ値とスプリアスはトレードオフの関係にある。しかし、サンプルGからJでは、サンプルAからFと同程度のQ値であればスプリアスを大幅に改善できる。また、サンプルGからJでは、サンプルAからFと同程度のスプリアスであれば、Q値を大幅に向上できる。また、サンプルGからJにおいて、サンプルAに対しQ値を約3倍かつスプリアスを半分以下とすることもできる。
このようにサンプルGからIでQ値が向上しかつスプリアスを抑制できる理由は明確ではないが、共振領域50から横方向にもれる弾性波が挿入膜28および段差25で反射されるため、共振領域50から弾性波エネルギーが漏洩せず、Q値が向上するものと考えられる。また、挿入膜28および段差25の側面で横方向に伝搬する弾性波が反射されるため、スプリアスが抑制されるものと考えられる。
実施例1およびその変形例によれば、圧電膜14は上面に内側の膜厚T0が外側の膜厚T1より大きくなるような段差25を有する。共振領域50は、平面視において段差25を含む。共振領域50内の外周領域52の少なくとも一部に設けられ、共振領域50の中央領域54には設けられていない挿入膜28が設けられている。これにより、Q値を向上させ、かつスプリアスを抑制できる。
また、サンプルGからJのように、段差25の側面は傾斜している。これにより、横方向に伝搬する弾性波が斜め方向に反射される。よって共振領域50内に横方向に伝搬する弾性波の定在波が存在しにくくなると考えられる。これにより、スプリアスがより抑制される。
挿入膜28は厚膜領域64と重なっていてもよい。サンプルGからJのように、挿入膜28は、平面視において厚膜領域64(段差25の内側)に重ならないことが好ましい。これにより、横方向に伝搬する弾性波が挿入膜28の端部と同時または先に段差25の側面で反射される。よって、Q値がより向上し、スプリアスがより抑制される。
さらに、挿入膜28は、平面視において段差領域60(段差25)および厚膜領域64に重ならないことが好ましい。これにより、横方向に伝搬する弾性波が挿入膜28の端部より先に段差25の側面で反射される。よって、Q値がより向上し、スプリアスがより抑制される。
サンプルHからJのように、上部電極16は、段差25の側面に接している。これにより、サンプルGと比較し同程度のスプリアスであればQ値を向上できる。これは、上部電極16が段差25の側面に接していることで、横方向に伝搬する弾性波をより反射できるためと考えられる。
サンプルIおよびJのように、挿入膜28は、下部圧電膜14aと上部圧電膜14bとの間に設けられている。これにより、サンプルGおよびHと比較し同程度のスプリアスであればQ値を向上できる。
サンプルGおよびHのように、挿入膜28は、圧電膜14と上部電極16との間に設けられていてもよい。挿入膜28は、圧電膜14と下部電極12との間に設けられていてもよい。
サンプルGのように、挿入膜28は、段差25の側面に接し、上部電極16は段差25の側面の側方に設けられていることが好ましい。例えば、図10(a)のように、段差25の水平方向に挿入膜28を介し上部電極16が設けられている。これにより、スプリアスを抑制しかつQ値を向上できる。
実施例2は、実施例1およびその変形例の圧電薄膜共振器を用いたファルタおよびデュプレクサの例である。図14(a)は、実施例2に係るフィルタの回路図であり、図14(b)は、実施例2の変形例に係るデュプレクサの回路図である。図14(a)に示すように、入力端子T1と出力端子T2との間に、1または複数の直列共振器S1からS4が直列に接続されている。入力端子T1と出力端子T2との間に、1または複数の並列共振器P1からP4が並列に接続されている。1または複数の直列共振器S1からS4および1または複数の並列共振器P1からP4の少なくとも1に実施例1から2およびその変形例の弾性波共振器を用いることができる。ラダー型フィルタの共振器の個数等は適宜設定できる。実施例1およびその変形例の弾性波共振器を含むフィルタは、ラダー型フィルタ以外に多重モードフィルタとすることもできる。
図14(b)に示すように、共通端子Antと送信端子Txとの間に送信フィルタ44が接続されている。共通端子Antと受信端子Rxとの間に受信フィルタ46が接続されている。送信フィルタ44は、送信端子Txから入力された信号のうち送信帯域の信号を送信信号として共通端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ46は、共通端子Antから入力された信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。送信フィルタ44および受信フィルタ46の少なくとも一方を実施例2のフィルタとすることができる。
フィルタが実施例1およびその変形例の圧電薄膜共振器を含む。これにより、共振器のQ値が向上し、フィルタのスカート特性を向上できる。また、スプリアスに起因するリップルを抑制できる。
また、送信フィルタ44および受信フィルタ46の少なくとも一方を実施例1およびその変形例の圧電薄膜共振器を含むフィルタとすることができる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 基板
12 下部電極
14 圧電膜
14a 下部圧電膜
14b 上部圧電膜
16 上部電極
25 段差
28 挿入膜
30 空隙
31 音響反射膜
44 送信フィルタ
46 受信フィルタ
50 共振領域
52 外周領域
54 中央領域
60 段差領域
62 薄膜領域
64 厚膜領域

Claims (13)

  1. 基板と、
    前記基板上に設けられた下部電極と、
    上面に内側の膜厚が外側の膜厚より大きくなるような段差を有し、前記下部電極上に設けられた圧電膜と、
    前記圧電膜を挟み前記下部電極と上部電極とが対向する共振領域であって平面視において前記段差を含む共振領域が設けられるように、前記圧電膜上に設けられた上部電極と、
    前記圧電膜内、前記圧電膜と前記下部電極との間、または前記圧電膜と前記上部電極との間において、前記共振領域内の外周領域の少なくとも一部に設けられ、前記共振領域の中央領域には設けられていない挿入膜と、
    を具備する圧電薄膜共振器。
  2. 前記段差の側面は、傾斜している請求項1記載の圧電薄膜共振器。
  3. 前記挿入膜は、平面視において前記段差の内側に重ならない請求項1または2記載の圧電薄膜共振器。
  4. 前記挿入膜は、平面視において前記段差および前記段差の内側に重ならない請求項1から3のいずれか一項記載の圧電薄膜共振器。
  5. 前記上部電極は、前記段差の側面に接している請求項1から4のいずれか一項記載の圧電薄膜共振器。
  6. 前記外周領域における前記圧電膜は下部圧電膜と上部圧電膜を含み、
    前記挿入膜は、前記下部圧電膜と上部圧電膜との間に設けられている請求項1から5のいずれか一項記載の圧電薄膜共振器。
  7. 前記挿入膜は、前記圧電膜と前記上部電極との間に設けられている請求項1から5のいずれか一項記載の圧電薄膜共振器。
  8. 前記挿入膜は、前記段差の側面に接し、前記上部電極は前記段差の側面の側方に設けられている請求項7記載の圧電薄膜共振器。
  9. 前記挿入膜の音響インピーダンスは前記圧電膜より小さい請求項1から8のいずれか一項記載の圧電薄膜共振器。
  10. 前記共振領域内の前記下部電極下に空気層が設けられている請求項1から9のいずれか一項記載の圧電薄膜共振器。
  11. 前記共振領域内の前記下部電極下に、前記圧電膜内を伝搬する弾性波を反射する音響反射膜が設けられている請求項1から9のいずれか一項記載の圧電薄膜共振器。
  12. 請求項1から11のいずれか一項記載の圧電薄膜共振器を含むフィルタ。
  13. 請求項12記載のフィルタを含むデュプレクサ。
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