JP2017139606A - 無線通信装置及び遅延処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】自偏波側と異偏波側の遅延時間差の調整を、手間をかけずに精度よく行うことができる無線通信装置及び遅延処理方法を提供すること。
【解決手段】本発明にかかる無線通信装置200は、2つの偏波により伝送を行い、XPIC(Cross Polarization Interference Canceller)25a及び25bを用いる無線通信装置である。また、無線通信装置200は、異偏波が入力される経路B及びDに、自偏波と異偏波との相対的な遅延を計測する遅延処理部24a及び24bを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明にかかる無線通信装置200は、2つの偏波により伝送を行い、XPIC(Cross Polarization Interference Canceller)25a及び25bを用いる無線通信装置である。また、無線通信装置200は、異偏波が入力される経路B及びDに、自偏波と異偏波との相対的な遅延を計測する遅延処理部24a及び24bを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、無線通信装置及び遅延処理方法に関し、特に、2つの偏波により伝送を行い、交差偏波干渉キャンセラ(XPIC:Cross Polarization Interference Canceller)を用いる無線通信装置及び遅延処理方法に関する。
デジタルマイクロ波通信装置において、同一周波数の互いに直交する2つの偏波面、垂直偏波(V偏波)と水平偏波(H偏波)を用いて信号の伝送を行う両偏波伝送方式が用いられている。両偏波伝送方式においては、V偏波とH偏波で同じ搬送波周波数を使用するため、偏波面の直交にずれがあると、異偏波の信号が自偏波にもれ込み干渉成分となり、信号の伝送品質の劣化を招くことになる。特に、多値変調方式の場合には、この影響は無視できないため受信側にて干渉成分を除去する必要がある。
この干渉成分を除去する技術として、交差偏波干渉キャンセラ(以下、XPICと呼ぶ)が知られている。例えば特許文献1及び2に示されるように、XPICは、異偏波の受信信号から干渉レプリカ信号を生成し、自偏波の受信信号から干渉レプリカ信号を減算することで、自偏波の受信信号中の異偏波信号成分を除去するように構成されている。
XPICを正常に機能させるためには、自偏波側と異偏波側とで受信信号の遅延時間が同じになるように遅延時間を調整する必要がある。
特許文献1には、異偏波側の位相誤差を検出し、当該位相誤差を用いてディジタル複素VCO(Voltage Controlled Oscillator)の発振周波数を制御する技術が記載されている。しかし、特許文献1に記載の技術では、検出した位相誤差を用いて、自偏波側と異偏波側とで受信信号の遅延時間が同じになるように遅延時間を調整することはできない。
また、特許文献2には、XPICのアップダウンカウンタにおいて、XPICリセット状態から解除された瞬間にすぐに通常のカウント動作が開始され、相関器の出力に応じたタップ係数が生成され始める技術が記載されている。しかし、特許文献2に記載の技術においても、自偏波側と異偏波側とで受信信号の遅延時間が同じになるように遅延時間を調整することはできない。
このため、XPICを用いた無線通信装置では、工場出荷時または現場設置時に、自偏波側と異偏波側の遅延時間差を見積もってROM(Read Only Memory)等に固定値を入力する等の調整を行わなければならず、この調整に手間がかかっていた。また、このような手動の調整では、誤差が生じやすく、自偏波側と異偏波側の遅延時間差を精度よく調整することは困難であった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、自偏波側と異偏波側の遅延時間差の調整を、手間をかけずに精度よく行うことができる無線通信装置及び遅延処理方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様にかかる無線通信装置は、2つの偏波により伝送を行い、XPIC(Cross Polarization Interference Canceller)を用いる無線通信装置であって、異偏波が入力される経路に、自偏波と異偏波との相対的な遅延を計測する遅延処理手段を備えるものである。
本発明の第2の態様にかかる遅延処理方法は、2つの偏波により伝送を行い、XPIC(Cross Polarization Interference Canceller)を用いる無線通信装置の遅延処理方法であって、異偏波が入力される経路にて、自偏波と異偏波との相対的な遅延を計測するステップを備えるものである。
本発明により、自偏波側と異偏波側の遅延時間差の調整を、手間をかけずに精度よく行うことができる無線通信装置及び遅延処理方法を提供することができる。
実施の形態
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。まず、図1のブロック図を用いて、本発明の実施の形態にかかる無線通信システムの構成について説明する。実施の形態にかかる無線通信システムは、無線通信装置100及び無線通信装置200を備えている。無線通信装置100は、送信側の無線通信装置であり、無線通信装置200は、受信側の無線通信装置である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。まず、図1のブロック図を用いて、本発明の実施の形態にかかる無線通信システムの構成について説明する。実施の形態にかかる無線通信システムは、無線通信装置100及び無線通信装置200を備えている。無線通信装置100は、送信側の無線通信装置であり、無線通信装置200は、受信側の無線通信装置である。
無線通信装置100は、アンテナ11a及び11bを備えている。なお、アンテナ11aとしては、V偏波のアンテナが使用され、アンテナ11bとしては、H偏波のアンテナが使用される。
無線通信装置100は、アンテナ11aからV偏波の信号を送信し、アンテナ11bからH偏波の信号を送信する。
無線通信装置200は、アンテナ21a及び21bと、V偏波側の復調装置22aと、H偏波側の復調装置22bとを備えている。なお、アンテナ21aとしては、V偏波のアンテナが使用され、アンテナ21bとしては、H偏波のアンテナが使用される。
アンテナ21aは、アンテナ11aから送信されたV偏波の信号を受信する。また、アンテナ21aは、アンテナ11bから送信された異偏波(H偏波)の信号も受信する。ここで、異偏波(H偏波)の受信信号は、自偏波(V偏波)の受信信号に対する干渉信号である。
同様に、アンテナ21bは、アンテナ11bから送信されたH偏波の信号を受信する。また、アンテナ21bは、アンテナ11aから送信された異偏波(V偏波)の信号も受信する。ここで、異偏波(V偏波)の受信信号は、自偏波(H偏波)の受信信号に対する干渉信号である。
V偏波側の復調装置22aは、減算器23aと、遅延処理部24aと、XPIC25aとを備えている。同様に、H偏波側の復調装置22bは、減算器23bと、遅延処理部24bと、XPIC25bとを備えている。ここで、アンテナ21aから減算器23aへ至る経路を経路Aと呼ぶ。また、アンテナ21bから遅延処理部24a、XPIC25aを介して減算器23aへ至る経路を経路Bと呼ぶ。同様に、アンテナ21bから減算器23bへ至る経路を経路Cと呼ぶ。また、アンテナ21aから遅延処理部24b、XPIC25bを介して減算器23bへ至る経路を経路Dと呼ぶ。
V偏波側の復調装置22aが備える各構成について説明する。なお、H偏波側の復調装置22bの各構成は、V偏波側の復調装置22aの各構成に対して、V偏波とH偏波とが逆になるよう動作するものであり、説明を省略する。
遅延処理部24aは、アンテナ21bにより受信された異偏波受信信号を受け取る。また、遅延処理部24aは、自偏波側と異偏波側との相対的な遅延を計測する。ここで、自偏波側と異偏波側との相対的な遅延とは、経路Aと経路Bとの相対的な遅延のことである。また、遅延処理部24aは、相対的な遅延の計測結果に基づいて、自偏波側と異偏波側との遅延時間差がなくなるように遅延処理部24aの遅延時間を調整する。そして、遅延処理部24aは、受け取った異偏波受信信号を、調整後の遅延時間だけ遅延させ、XPIC25aへ出力する。
XPIC25aは、遅延処理部24aから異偏波受信信号を受け取る。また、XPIC25aは、異偏波受信信号から干渉レプリカ信号を生成し、減算器23aへ出力する。ここで、干渉レプリカ信号とは、干渉信号と同様の周波数特性を有する信号である。
減算器23aは、アンテナ21aにより受信された自偏波受信信号を受け取る。また、減算器23aは、XPIC25aから干渉レプリカ信号を受け取る。そして、減算器23aは、自偏波受信信号から干渉レプリカ信号を減算することにより、自偏波の受信信号中の異偏波信号成分を除去する。
以上のように、実施の形態にかかる図1の無線通信装置200では、遅延処理部により、自偏波と異偏波との相対的な遅延を計測する構成としている。これにより、相対的な遅延の計測結果に基づいて、自偏波側と異偏波側との遅延時間差がなくなるように遅延時間を調整することができる。すなわち、自偏波側と異偏波側の遅延時間差の調整を、手間をかけずに精度よく行うことができる。
続いて、図2のブロック図を用いて、本発明の実施の形態にかかる送信側の無線通信装置100の具体例について説明する。無線通信装置100は、変調部12a及び12bと、送信部13a及び13bと、アンテナ11a及び11bとを備えている。変調部12a、送信部13a、アンテナ11aは、V偏波信号の送信を行うものである。なお、変調部12b、送信部13b、アンテナ11bは、それぞれ変調部12a、送信部13a、アンテナ11aにおけるV偏波信号に関する動作と同様の動作をH偏波信号について行うものであり、説明を省略する。
変調部12aは、V偏波用のIQベースバンド信号を受け取る。ここで、V偏波用のIQベースバンド信号は、例えば16QAM(Quadrature Amplitude Moduration)変調方式に従って、V偏波のデータがIQ平面上にマッピングされた信号である。なお、変調方式は、16QAMに限定されるものではないが、本実施の形態では、変調方式が16QAMであるものとして説明する。変調部12aは、V偏波用のIQベースバンド信号を直交変調し、V偏波用のIF(Intermediate Frequency)信号を生成する。そして、変調部12aは、V偏波用のIF信号を送信部13aへ出力する。
送信部13aは、変調部12aから受け取ったIF信号をRF(Radio Frequency)信号に変換し、電力増幅して、アンテナ11aからV偏波のRF信号として送信する。
続いて、図3のブロック図を用いて、本発明の実施の形態にかかる受信側の無線通信装置200の具体例について説明する。無線通信装置200は、アンテナ21a及び21bと、受信部26a及び26bと、V偏波側の復調装置22aと、H偏波側の復調装置22bとを備えている。
アンテナ21aは、アンテナ11aから送信されたV偏波のRF信号を受信する。また、アンテナ21aは、アンテナ11bから送信された異偏波(H偏波)のRF信号も受信する。同様に、アンテナ21bは、アンテナ11bから送信されたH偏波のRF信号を受信する。また、アンテナ21bは、アンテナ11aから送信された異偏波(V偏波)のRF信号も受信する。
受信部26aは、アンテナ21aにより受信されたRF信号を増幅し、IF信号に変換する。そして、受信部26aは、IF信号をV偏波側の復調装置22a及びH偏波側の復調装置22bへ出力する。同様に、受信部26bは、アンテナ21bにより受信されたRF信号を増幅し、IF信号に変換する。そして、受信部26bは、IF信号をV偏波側の復調装置22a及びH偏波側の復調装置22bへ出力する。
V偏波側の復調装置22aは、自偏波復調部27aと、A/D変換部28aと、減算器23aと、異偏波復調部29aと、A/D変換部30aと、遅延処理部24aと、XPIC25aとを備えている。なお、H偏波側の復調装置22bの各構成は、V偏波側の復調装置22aの各構成に対して、V偏波とH偏波とが逆になるよう動作するものであり、説明を省略する。
自偏波復調部27aは、受信部26aから自偏波(V偏波)のIF信号を受け取る。また、自偏波復調部27aは、自偏波のIF信号をIQベースバンド信号に復調し、A/D変換部28aへ出力する。
A/D変換部28aは、自偏波復調部27aから受け取った信号をディジタル信号に変換し、減算器23aへ出力する。
異偏波復調部29aは、受信部26bから異偏波(H偏波)のIF信号を受け取る。また、異偏波復調部29aは、異偏波のIF信号をIQベースバンド信号に復調し、A/D変換部30aへ出力する。
A/D変換部30aは、異偏波復調部29aから受け取った信号をディジタル信号に変換し、遅延処理部24aへ出力する。
遅延処理部24aは、異偏波のディジタル信号を受け取る。また、遅延処理部24aは、自偏波側と異偏波側との相対的な遅延を計測する。具体的には、遅延処理部24aは、XPIC25aからタップ係数を受け取り、このタップ係数を用いて、自偏波側と異偏波側との相対的な遅延を計測する。また、遅延処理部24aは、相対的な遅延の計測結果に基づいて、自偏波側と異偏波側との遅延時間差、すなわち経路Aと経路Bとの遅延時間差がなくなるように遅延処理部24aの遅延時間を調整する。なお、遅延処理部24aは、自偏波側と異偏波側との相対的な遅延の計測、及び遅延時間の調整を、システムの起動時または回路の起動時に行うことが好ましい。そして、遅延処理部24aは、異偏波のディジタル信号を、遅延処理部24aの遅延時間だけ遅延させ、XPIC25aへ出力する。
XPIC25aは、遅延処理部24aから異偏波のディジタル信号を受け取る。また、XPIC25aは、異偏波のディジタル信号から干渉レプリカ信号を生成し、減算器23aへ出力する。さらに、XPIC25aは、タップ係数を遅延処理部24aへ出力する機能も備えている。
減算器23aは、A/D変換部28aから自偏波のディジタル信号を受け取る。また、減算器23aは、XPIC25aから干渉レプリカ信号を受け取る。そして、減算器23aは、自偏波のディジタル信号から干渉レプリカ信号を減算することにより、自偏波の受信信号中の異偏波信号成分を除去する。
続いて、図4のブロック図を用いて、自偏波側と異偏波側との相対的な遅延の計測及び遅延時間差の調整を行う構成について詳細に説明する。本図の構成は、遅延処理部24aと、XPIC25aと、減算器23aと、1個の遅延器(T)35と、識別部36と、減算器37とからなる。また、本図において、XPIC25aは、2N個の遅延器(T)31、2N+1個の乗算器32、及び加算器33からなるトランスバーサルフィルタと、タップ係数生成部34とを備えている。ここで、Nは、システム毎に決定される値である。
各遅延器31は、入力信号を1単位時間Tずつ遅延させるものである。遅延処理部24a及び各遅延器31から出力される異偏波のディジタル信号は、それぞれ対応する乗算器32へ入力される。
各乗算器32は、入力された異偏波のディジタル信号と、タップ係数生成部34から入力されたタップ係数Cとを乗算する。本実施の形態では、C−NからCNのタップ係数が存在する。C0は、センタータップのタップ係数である。また、C−Nは、遅延処理部24aから遅延器31を介さない位置にある乗算器32に入力されるタップ係数である。また、CNは、遅延処理部24aから2N個の遅延器を通過した位置にある乗算器32に入力されるタップ係数である。また、そして、各乗算器32は、乗算結果を加算器33へ出力する。
加算器33は、各乗算器32から乗算結果を受け取る。また、加算器33は、各乗算結果を加算することにより、干渉レプリカ信号を生成する。そして、加算器33は、干渉レプリカ信号を減算器23aへ出力する。
遅延器35は、入力信号を1単位時間T遅延させるものである。
減算器23aは、遅延器35を介して自偏波のディジタル信号を受け取る。また、減算器23aは、加算器33から干渉レプリカ信号を受け取る。さらに、減算器23aは、自偏波のディジタル信号から干渉レプリカ信号を減算することにより、干渉成分が除去された自偏波信号を生成する。そして、減算器23aは、生成した自偏波信号を識別部36及び減算器37へ出力する。
識別部36は、減算器23aから自偏波信号を受け取る。また、識別部36は、受け取った自偏波信号に一番近い16QAMの正規の信号点を、復調信号として出力する。
減算器37は、減算器23aから自偏波信号を受け取る。また、減算器37は、識別部36から16QAMの正規の信号点を受け取る。さらに、減算器37は、自偏波信号から16QAMの正規の信号点を減算することにより、誤差信号を生成する。そして、減算器37は、誤差信号をタップ係数生成部34へ出力する。
タップ係数生成部34は、遅延処理部24aから異偏波のディジタル信号を受け取る。また、タップ係数生成部34は、減算器37から誤差信号を受け取る。さらに、タップ係数生成部34は、誤差信号と異偏波のディジタル信号との相関を取ることにより、タップ係数C−NからCNを生成する。そして、タップ係数生成部34は、タップ係数C−NからCNを、それぞれ対応する乗算器32へ出力する。また、タップ係数生成部34は、タップ係数C−NからCNを、遅延処理部24aへ出力する。
遅延処理部24aは、タップ係数生成部34からタップ係数C−NからCNを受け取る。また、遅延処理部24aは、タップ係数C−NからCNのうち、閾値より大きいタップ係数CKがあるか否かを判定する。ここで、Kは、絶対値がN以下のいずれかの整数値である。また、閾値は、システム毎に決定される値である。
遅延処理部24aは、閾値より大きいタップ係数CKがある場合、自偏波と異偏波との相対的な遅延の計測結果をK*Tとする。そして、遅延処理部24aは、自身の遅延時間をK*Tに調整する。
また、遅延処理部24aは、閾値より大きいタップ係数CKがない場合、自偏波と異偏波との相対的な遅延の計測結果はN*Tより大きいとする。そして、遅延処理部24aは、自身の遅延時間を2*i*N*Tに調整することにより、遅延処理部24aの遅延時間をスウィープする。ここで、iは、正または負の整数のうちのいずれかの値である。
続いて、図5及び図6を用いて、タップ係数と遅延時間の関係の具体例について説明する。図5は、自偏波の遅延時間が、異偏波の遅延時間より大きい場合の具体例である。図5では、タップ係数C2が成長している。なお、成長するタップ係数は、異偏波のディジタル信号において、誤差信号と相関が取れるタップのタップ係数である。ここで、タップ係数C2は、センタータップから2個の遅延器31を通過した位置にある乗算器32に入力されるタップ係数である。このため、タップ係数C2が閾値より大きい場合、自偏波の遅延時間から異偏波の遅延時間を減算した値は、2Tと計測される。したがって、遅延処理部24aの遅延時間は、2Tと決定される。
図6は、自偏波の遅延時間が、異偏波の遅延時間より小さい場合の具体例である。図6では、タップ係数C−2が成長している。そして、タップ係数C−2が閾値より大きい場合、自偏波の遅延時間から異偏波の遅延時間を減算した値は、−2Tと計測される。したがって、遅延処理部24aの遅延時間は、−2Tと決定される。
続いて、図7及び図8を用いて、遅延時間の調整の具体例について説明する。図7は、遅延時間を調整する前のタップ係数の具体例であり、図8は、遅延時間を調整した後のタップ係数の具体例である。図7に示すように、タップ係数CKが成長し、タップ係数CKが閾値より大きい場合、遅延処理部24aの遅延時間は、K*Tと決定される。そして、遅延処理部24aの遅延時間をK*Tに調整することにより、図8に示すように、成長したタップがセンタータップになる。なお、成長したタップがセンタータップである場合の方が、成長したタップが端にある場合よりもXPIC25aによる干渉信号成分の除去精度は高い。このため、成長したタップがセンタータップになるよう調整することにより、XPIC25aによる干渉信号成分の除去精度を高めることができる。
図7及び図8に示すように、成長したタップ係数CKがC−NからCNの中にあれば、成長したタップがセンタータップになるよう調整することができ、且つ自偏波への干渉信号成分を除去することができる。しかし、成長したタップ係数CKがC−NからCNの中にない場合、すなわち、|自偏波の遅延時間−異偏波の遅延時間|>N*Tである場合、成長したタップがセンタータップになるよう調整することができず、且つ自偏波への干渉信号成分を除去することができない。この場合、遅延処理部24aは、自身の遅延時間のスウィープを行う。
続いて、図9〜図11を用いて、遅延時間のスウィープについて説明する。図9〜図11の例では、自偏波の遅延時間から異偏波の遅延時間を減算した値が(−N−1)Tであるものとして説明する。
図9は、本例において、仮に、C−3NからC3Nのタップ係数が存在するものとして示した図である。この場合、図9に示すように、C−N−1のタップ係数が成長する。しかし、本実施の形態では、C−3NからC3Nではなく、C−NからCNのタップ係数が存在するものである。このため、本例においては、遅延時間のスウィープを行わない状態では、図10に示すように、C−NからCNの中に成長したタップ係数は存在しない。
このため、遅延処理部24aは、自身の遅延時間を2*i*N*Tに調整する。例えば、遅延処理部24aが、自身の遅延時間を2*1*N*Tに調整した場合、遅延時間のスウィープを行わない状態と同様に、図10に示すように、C−NからCNの中に成長したタップ係数は存在しない。そして、遅延処理部24aが、自身の遅延時間を2*(−1)*N*Tに調整した場合、図11に示すようにCN−1のタップ係数が成長する。これにより、図7及び図8に示すように、遅延処理部24aは、成長したタップがセンタータップになるよう調整することができるようになる。なお、スウィープを行う順番、すなわちiの値として、正または負の整数のうちのいずれかの値を選択する順番は、どのような順番に設定されてもよい。
続いて、図12のフローチャートを用いて、無線通信装置200が行う遅延処理について説明する。
まず、無線通信装置200は、システムまたは回路が起動される(S101)と、XPIC及び遅延処理部の遅延時間をリセットする(S102)。
次に、無線通信装置200は、自偏波信号が正常に復調されたか否かを判定する(S103)。S103にて、正常に復調されていないと判定された場合、S101に戻る。他方、S103にて、正常に復調されたと判定された場合、タップ係数C−N〜CNと閾値との比較を行い(S104)、閾値より大きいタップ係数CKがあるか否かを判定する(S105)。
S105により、閾値より大きいタップ係数CKがないと判定された場合、遅延処理部の遅延時間を2*i*N*Tに調整し(S106)、S103に戻る。
他方、S105により、閾値より大きいタップ係数CKがあると判定された場合、遅延処理部の遅延時間をK*Tに調整し(S107)、自偏波信号が正常に復調されたか否かを判定する(S108)。S108にて、正常に復調されていないと判定された場合、S101に戻る。他方、S108にて、正常に復調されたと判定された場合、この処理を終了する。
以上、説明したように、本発明の実施の形態にかかる無線通信装置200では、遅延処理部により、自偏波と異偏波との相対的な遅延を計測する構成としている。これにより、相対的な遅延の計測結果に基づいて、自偏波側と異偏波側との遅延時間差がなくなるように遅延時間を調整することができる。すなわち、自偏波側と異偏波側の遅延時間差の調整を、手間をかけずに精度よく行うことができる。
また、本発明の実施の形態にかかる無線通信装置200では、自偏波と異偏波との相対的な遅延の計測結果に基づいて、遅延処理部の遅延時間を調整する構成としている。具体的には、閾値より大きいタップ係数CKがC−NからCNの中にある場合、タップ係数CKのタップがセンタータップになるよう、遅延処理部の遅延時間をK*Tに調整する構成としている。これにより、XPICによる干渉信号成分の除去精度を高めることができる。
また、閾値より大きいタップ係数CKがC−NからCNの中にない場合、遅延処理部の遅延時間を2*i*N*Tに調整する構成としている。このため、成長するタップが必ず範囲内に入るようなNの値に設定する必要がない。これにより、遅延器及び乗算器の数を少なくすることができ、回路規模を小さくすることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述した実施の形態の遅延処理は、ソフトウェアによって実行されてもよい。すなわち、遅延処理を行うためのコンピュータ・プログラムが、無線通信装置が備えるCPU(Central Processing Unit)によって読み込まれ、実行されてもよい。プログラムを用いて遅延処理を行っても、上述の実施の形態の処理と同内容の処理を行うことができる。そして、上記のプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non−transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
24a、24b 遅延処理部
25a、25b XPIC
200 無線通信装置
25a、25b XPIC
200 無線通信装置
Claims (11)
- 2つの偏波により伝送を行い、XPIC(Cross Polarization Interference Canceller)を用いる無線通信装置であって、
異偏波が入力される経路に、自偏波と異偏波との相対的な遅延を計測する遅延処理手段を備える
無線通信装置。 - 前記遅延処理手段は、前記相対的な遅延の計測結果に基づいて、自身の遅延時間を調整する機能をさらに備える、請求項1に記載の無線通信装置。
- 前記遅延処理手段は、タップ係数C−N〜CN(Nは正の整数)と閾値との比較を行い、前記閾値より大きいタップ係数CK(Kは絶対値がN以下の整数)があるか否かを判定する、請求項2に記載の無線通信装置。
- 前記遅延処理手段は、前記閾値より大きいタップ係数CKがない場合、前記相対的な遅延の計測結果はN*Tより大きいとし、自身の遅延時間を2*i*N*T(iは正または負の整数のうちのいずれかの値)に調整することにより、自身の遅延時間をスウィープする、請求項3に記載の無線通信装置。
- 前記遅延処理手段は、前記閾値より大きいタップ係数CKがある場合、前記相対的な遅延の計測結果をK*Tとし、タップ係数CKのタップがセンタータップになるよう、自身の遅延時間をK*Tに調整する、請求項3または4に記載の無線通信装置。
- 前記遅延処理手段は、システムまたは回路の起動時に前記計測を行う、請求項1〜5のいずれか1項に記載の無線通信装置。
- 2つの偏波により伝送を行い、XPIC(Cross Polarization Interference Canceller)を用いる無線通信装置の遅延処理方法であって、
異偏波が入力される経路にて、自偏波と異偏波との相対的な遅延を計測するステップを備える
遅延処理方法。 - 前記相対的な遅延の計測結果に基づいて、前記異偏波が入力される経路の遅延時間を調整するステップをさらに備える、請求項7に記載の遅延処理方法。
- 前記遅延を計測するステップは、タップ係数C−N〜CN(Nは正の整数)と閾値との比較を行い、前記閾値より大きいタップ係数CK(Kは絶対値がN以下の整数)があるか否かを判定するステップを備える、請求項8に記載の遅延処理方法。
- 前記遅延を計測するステップは、前記閾値より大きいタップ係数CKがない場合、前記相対的な遅延の計測結果はN*Tより大きいとし、
前記遅延時間を調整するステップは、前記異偏波が入力される経路の遅延時間を2*i*N*T(iは正または負の整数のうちのいずれかの値)に調整することにより、自身の遅延時間をスウィープする、請求項9に記載の遅延処理方法。 - 前記遅延を計測するステップは、前記閾値より大きいタップ係数CKがある場合、前記相対的な遅延の計測結果をK*Tとし、
前記遅延時間を調整するステップは、タップ係数CKのタップがセンタータップになるよう、前記異偏波が入力される経路の遅延時間をK*Tに調整する、請求項9または10に記載の遅延処理方法。
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CN108616476A (zh) * | 2018-03-18 | 2018-10-02 | 西安电子科技大学 | 一种适合高阶调制方式的交叉极化干扰消除系统和方法 |
JP2019165392A (ja) * | 2018-03-20 | 2019-09-26 | 日本電気株式会社 | 遅延調整装置 |
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2016
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