JP2017139386A - Cmp用研磨液、及び研磨方法 - Google Patents

Cmp用研磨液、及び研磨方法 Download PDF

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Hiroki Chisaka
博樹 千坂
国宏 野田
Kunihiro Noda
国宏 野田
大 塩田
Masaru Shioda
大 塩田
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Abstract

【課題】易分解性であり安全な防食剤を含み、且つ、ディッシングを効果的に抑制できるCMP用研磨液と、当該研磨液を用いる研磨方法とを提供すること。
【解決手段】(B)金属溶解剤と、(C)酸化剤とを含有するCMP用研磨液に、特定の構造のイミダゾール化合物を配合する。(B)金属溶解剤は、有機酸、有機酸エステル、有機酸のアンモニウム塩、無機酸、及び無機酸のアンモニウム塩からなる群より選択される1種以上が好ましい。(C)酸化剤は、過酸化水素、次亜塩素酸塩、過硫酸塩、過ヨウ素酸塩、及びオゾンからなる群より選択される1種以上が好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定の構造のイミダゾール化合物を含むCMP用研磨液と、当該研磨液を用いる研磨方法とに関する。
近年、半導体集積回路(以下、「LSI」とも記す。)の高集積化及び高性能化に伴い、新たな微細加工技術が開発されている。かかる微細加工技術として、化学機械研磨法(CMP法:Chemical Mechanical Polishing)が挙げられる。CMP法は、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁膜の平坦化、金属プラグの形成、埋め込み配線の形成等において広く使用される。
LSIの高性能化の目的で、配線部に用いる導体として、銅や銅合金の使用が試みられている。しかし、従来のアルミニウム合金配線の形成に従来用いられているドライエッチング法では、銅や銅合金に対して微細加工を施すことが難しい。
このため、配線形成方法として、いわゆるダマシン法が主に採用される。ダマシン法では、以下説明する方法により埋め込み配線が形成される。
まず、表面に凹部及び凸部を備える層間絶縁膜上に、銅や銅合金等の導体を堆積させて、凹部に導体を埋め込む。次いで、凸部上に堆積した、凹部以外の箇所の導体をCMP法により除去する。このようにして、層間絶縁膜中の凹部に、銅や銅合金からなる埋め込み配線が形成される。
導体の下層には、一般的に、層間絶縁膜中への導体の拡散防止、密着性向上等の目的等で、バリア導体層(以下、「バリア層」とも記す。)が形成される。バリア層は、例えば、層間絶縁膜の表面の凹凸に追従するように形成される。バリア層は、例えば、タンタル、タンタル合金、窒化タンタル等の導体からなる。
CMP法により、凹部以外の箇所(凸部の上部)に堆積した導体を除去する際には、凸部の頂部を被覆するバリア層の研磨除去も行われる。バリア層の材質としては、通常、凹部に埋め込まれる導体よりも硬度が高い導体が用いられる。
このため、CMP用研磨液(以下、「研磨液」とも記す。)において、凹部や凸部の上部に堆積する柔らかい導体用の研磨材料を用いても、固いバリア層を十分に速い速度で研磨できなかったり、平坦な研磨面を形成しにくかったりする場合がある。
従って、ダマシン法による配線形成では、凹部以外の箇所(凸部の上部)に堆積した導体を研磨する第一の研磨工程と、凸部の頂部を被覆するバリア層を研磨する第二の研磨工程と、からなる二段階の研磨方法が一般的に採用される。
具体的には、第一の研磨工程では、凹部以外の箇所(凸部の上部)に堆積した柔らかい導体用の研磨液で、層間絶縁膜の凸部上のバリア層が露出するまで導体が研磨される。
次に、第二の研磨工程では、固いバリア層用の研磨液で層間絶縁膜の凸部の頂部が露出するまでバリア層を研磨する。
他方で、CMP法による研磨速度を高める方法として、研磨液への金属溶解剤の添加が効果的である。
しかし、金属溶解剤を用いると、層間絶縁膜の凹部に埋め込まれた導体が研磨液によりエッチングされてしまい、埋め込まれた導体の表面中央部が、研磨終了後に皿状に窪んでしまう現象(ディッシング)が発生し、平坦化効果が損なわれる場合がある。
研磨液によるエッチングを抑制してディッシングを抑制する方法としては、研磨液に、金属防食剤としてベンゾトリアゾールを配合する方法が提案されている(特許文献1を参照。)。
特開平08−083780号公報 特開2008−140933号公報
しかし、特許文献2の段落[0006]に記載されるように、ベンゾトリアゾールには、変異原性や、生分解性に乏しく環境負荷が高いこと等に対する懸念がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、易分解性であり安全な防食剤を含み、且つ、ディッシングを効果的に抑制できるCMP用研磨液と、当該研磨液を用いる研磨方法とを提供することを目的とする。
本発明者らは、(B)金属溶解剤と、(C)酸化剤とを含有するCMP用研磨液に、特定の構造のイミダゾール化合物を配合することにより上記の課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の第一の態様は、(A)下記式(1):
Figure 2017139386
(式(1)中、Rはそれぞれ独立に水素原子もしくは1価の有機基を表し、Rは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基を表し、nは0〜3の整数を表す。前記Rは他方のR又はRと結合して環状構造を形成してもよい。)
で表される化合物と、(B)金属溶解剤と、(C)酸化剤とを含有する、CMP用研磨液である。
本発明の第二の態様は、第一の態様にかかるCMP用研磨液を用いて研磨対象物を研磨する、研磨方法である。
本発明の第三の態様は、表面に隆起部及び溝部を有する層間絶縁膜と、前記表面に沿って層間絶縁膜を被覆するバリア導体層と、バリア導体層を被覆する導電性物質部と、を有する基板の導電性物質部を研磨して層間絶縁膜の隆起部上に位置するバリア導体層を露出させることと、
露出したバリア導体層を第一の態様にかかるCMP用研磨液を用いて研磨して層間絶縁膜の隆起部を露出させることと、を含む、研磨方法である。
本発明によれば、易分解性であり安全な防食剤を含み、且つ、ディッシングを効果的に抑制できるCMP用研磨液と、当該研磨液を用いる研磨方法とを提供することができる。
≪CMP用研磨液≫
CMP用研磨液は、(A)下記式(1):
Figure 2017139386
(式(1)中、Rはそれぞれ独立に水素原子もしくは1価の有機基を表し、Rは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基を表し、nは0〜3の整数を表す。前記Rは他方のR又はRと結合して環状構造を形成してもよい。)
で表される化合物と、(B)金属溶解剤と、(C)酸化剤とを含有する、CMP用研磨液である。
以下、上記式(1)で表される化合物を「(A)イミダゾール化合物」とも記す。
以下、CMP用研磨液に含まれる、必須又は任意の成分等について説明する。
<(A)イミダゾール化合物>
CMP用研磨液は、下記式(1):
Figure 2017139386
(式(1)中、Rはそれぞれ独立に水素原子もしくは1価の有機基を表し、Rは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基を表し、nは0〜3の整数を表す。前記Rは他方のR又はRと結合して環状構造を形成してもよい。)
で表される化合物である(A)イミダゾール化合物を必須に含む。
(A)イミダゾール化合物は、優れた防食作用を奏する。このため、CMP用研磨液を用いたダマシン法による配線形成において、配線表面におけるディッシングの発生が効果的に抑制される。
また、イミダゾールや4−メチルイミダゾール等が変異原性試験(エームス試験)陰性であるように、イミダゾール化合物は一般に変異原性の低い安全な化合物であると言える。
そして、イミダゾールが容易に光分解や生分解されることが広く知られており、式(1)で表されるイミダゾール化合物も、紫外線の作用等により容易に分解される。
式(1)中、Rは、水素原子又は1価の有機基である。1価の有機基としては、特に限定されず、例えば、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよい芳香族基等であってもよい。Rがアルキル基である場合、当該アルキル基は鎖中にエステル結合等を有してもよい。
アルキル基としては、例えば後述の式(1a)におけるR等と同様であってよい。アルキル基の炭素原子数は1〜40が好ましく、1〜30がより好ましく、1〜20が特に好ましく、1〜10が最も好ましい。
当該アルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば後述の式(1a)におけるRであるアルキレン基が有していてもよい置換基と同様であってよい。
置換基を有してもよい芳香族基としては、後述の式(1a)におけるRと同様であり、アリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。Rとしての置換基を有してもよい芳香族基は、Rと同一であっても異なっていてもよい。
式(1)中、一方のRは水素原子であることが好ましく、一方のRが水素原子であり他方のRが置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよい芳香族基であることがより好ましい。
式(1)中、Rは他方のR又はRと結合して環状構造を形成していてもよい。例えば、少なくとも1つのRが置換基を有してもよいアルキル基である場合、Rは他方のR又はRと結合して環状構造を形成していてもよい。
イミダゾール化合物(A)は、下記式(1a)で表される化合物であってもよい。
Figure 2017139386
(式(1a)中、Rは水素原子又はアルキル基であり、Rは置換基を有してもよい芳香族基であり、Rは置換基を有してもよいアルキレン基であり、Rは、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基であり、nは0〜3の整数である。RはRと結合して環状構造を形成してもよい。)
式(1a)中、Rは水素原子又はアルキル基である。Rがアルキル基である場合、当該アルキル基は、直鎖アルキル基であっても、分岐鎖アルキル基であってもよい。当該アルキル基の炭素原子数は特に限定されないが、1〜20が好ましく、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。
として好適なアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチル−n−ヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、及びn−イコシル基が挙げられる。
式(1a)中、Rは、置換基を有してもよい芳香族基である。置換基を有してもよい芳香族基は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基でもよく、置換基を有してもよい芳香族複素環基でもよい。
芳香族炭化水素基の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。芳香族炭化水素基は、単環式の芳香族基であってもよく、2以上の芳香族炭化水素基が縮合して形成されたものであってもよく、2以上の芳香族炭化水素基が単結合により結合して形成されたものであってもよい。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アンスリル基、フェナンスレニル基が好ましい。
芳香族複素環基の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。芳香族複素環基は、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。芳香族複素環基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、及びベンゾイミダゾリル基が好ましい。
フェニル基、多環芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基が有してもよい置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、及び有機基が挙げられる。フェニル基、多環芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基が複数の置換基を有する場合、当該複数の置換基は、同一であっても異なっていてもよい。
芳香族基が有する置換基が有機基である場合、当該有機基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、及びアラルキル基等が挙げられる。この有機基は、当該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでいてもよい。また、この有機基は、直鎖状、分岐鎖状、環状、及びこれらの構造の組み合わせのいずれでもよい。この有機基は、通常は1価であるが、環状構造を形成する場合等には、2価以上の有機基となり得る。
芳香族基が隣接する炭素原子上に置換基を有する場合、隣接する炭素原子上に結合する2つの置換基はそれが結合して環状構造を形成してもよい。環状構造としては、脂肪族炭化水素環や、ヘテロ原子を含む脂肪族環が挙げられる。
芳香族基が有する置換基が有機基である場合に、当該有機基に含まれる結合は本発明の効果が損なわれない限り特に限定されず、有機基は、酸素原子、窒素原子、珪素原子等のヘテロ原子を含む結合を含んでいてもよい。ヘテロ原子を含む結合の具体例としては、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、イミノ結合(−N=C(−R)−、−C(=NR)−:Rは水素原子又は有機基を示す)、カーボネート結合、スルホニル結合、スルフィニル結合、アゾ結合等が挙げられる。
有機基が有してもよいヘテロ原子を含む結合としては、式(1)又は式(1a)で表されるイミダゾール化合物の耐熱性の観点から、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、アミノ結合(−NR−:Rは水素原子又は1価の有機基を示す)ウレタン結合、イミノ結合(−N=C(−R)−、−C(=NR)−:Rは水素原子又は1価の有機基を示す)、カーボネート結合、スルホニル結合、スルフィニル結合が好ましい。
有機基が炭化水素基以外の置換基である場合、炭化水素基以外の置換基の種類は本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。炭化水素基以外の置換基の具体例としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアルミ基、モノアリールアミノ基、ジアリールアミノ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシラート基、アシル基、アシルオキシ基、スルフィノ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、アルキルエーテル基、アルケニルエーテル基、アルキルチオエーテル基、アルケニルチオエーテル基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基等が挙げられる。上記置換基に含まれる水素原子は、炭化水素基によって置換されていてもよい。また、上記置換基に含まれる炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれでもよい。
フェニル基、多環芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基が有する置換基としては、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のアリール基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のアリールオキシ基、炭素原子数1〜12のアリールアミノ基、及びハロゲン原子が好ましい。
としては、式(1)又は式(1a)で表されるイミダゾール化合物を安価且つ容易に合成でき、イミダゾール化合物の水や有機溶媒に対する溶解性が良好であることから、それぞれ置換基を有してもよいフェニル基、フリル基、チエニル基が好ましい。
式(1a)中、Rは、置換基を有してもよいアルキレン基である。アルキレン基が有していてもよい置換基は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。アルキレン基が有していてもよい置換基の具体例としては、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、及びハロゲン原子等が挙げられる。アルキレン基は、直鎖アルキレン基であっても、分岐鎖アルキレン基であってもよく、直鎖アルキレン基が好ましい。アルキレン基の炭素原子数は特に限定されず、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5が特に好ましい。なお、アルキレン基の炭素原子数には、アルキレン基に結合する置換基の炭素原子を含まない。
アルキレン基に結合する置換基としてのアルコキシ基は、直鎖アルコキシ基であっても、分岐鎖アルコキシ基であってもよい。置換基としてのアルコキシ基の炭素原子数は特に限定されず、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
アルキレン基に結合する置換基としてのアミノ基は、モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基であってもよい。モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基に含まれるアルキル基は、直鎖アルキル基であっても分岐鎖アルキル基であってもよい。モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基に含まれるアルキル基の炭素原子数は特に限定されず、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
として好適なアルキレン基の具体例としては、メチレン基、エタン−1,2−ジイル基、n−プロパン−1,3−ジイル基、n−プロパン−2,2−ジイル基、n−ブタン−1,4−ジイル基、n−ペンタン−1,5−ジイル基、n−ヘキサン−1,6−ジイル基、n−ヘプタン−1,7−ジイル基、n−オクタン−1,8−ジイル基、n−ノナン−1,9−ジイル基、n−デカン−1,10−ジイル基、n−ウンデカン−1,11−ジイル基、n−ドデカン−1,12−ジイル基、n−トリデカン−1,13−ジイル基、n−テトラデカン−1,14−ジイル基、n−ペンタデカン−1,15−ジイル基、n−ヘキサデカン−1,16−ジイル基、n−ヘプタデカン−1,17−ジイル基、n−オクタデカン−1,18−ジイル基、n−ノナデカン−1,19−ジイル基、及びn−イコサン−1,20−ジイル基が挙げられる。
は、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基であり、nは0〜3の整数である。nが2〜3の整数である場合、複数のRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
が有機基である場合、当該有機基は、Rについて、芳香族基が置換基として有していてもよい有機基と同様である。
が有機基である場合、有機基としては、アルキル基、芳香族炭化水素基、及び芳香族複素環基が好ましい。アルキル基としては、炭素原子数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、及びイソプロピル基がより好ましい。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アンスリル基、及びフェナンスレニル基が好ましく、フェニル基、及びナフチル基がより好ましく、フェニル基が特に好ましい。芳香族複素環基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、及びベンゾイミダゾリル基が好ましく、フリル基、及びチエニル基がより好ましい。
がアルキル基である場合、アルキル基のイミダゾール環上での結合位置は、2位、4位、5位のいずれも好ましく、2位がより好ましい。Rが芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基である場合、これらの基のイミダゾール上での結合位置は、2位が好ましい。
上記式(1)で表されるイミダゾール化合物の中では、安価且つ容易に合成可能である点から、下記式(1−1a)で表される化合物が好ましい。
Figure 2017139386
(式(1−1a)中、R、R及びnは、式(1)と同じであり、R、R、R、R、及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、又は有機基である。ただし、R、R、R、R、及びR10のうち少なくとも1つは水素原子以外の基である。R、R、R、R、及びR10のうち少なくとも2つが結合して環状構造を形成してもよい。RはRと結合して環状構造を形成してもよい。)
、R、R、R、及びR10は、後述の式(1−1)と同じである。式(1−1a)中、RはRと結合して環状構造を形成していてもよく、例えば、Rが置換基を有してもよいアルキル基である場合、RはRと結合して環状構造を形成していてもよい。
上記式(1a)又は式(1−1a)で表されるイミダゾール化合物の中では、安価且つ容易に合成可能であり、水や有機溶媒に対する溶解性に優れる点から、下記式(1−1)で表される化合物が好ましく、式(1−1)で表され、Rがメチレン基である化合物がより好ましい。
Figure 2017139386
(式(1−1)中、R、R、R、及びnは、式(1a)と同様であり、R、R、R、R、及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、又は有機基である。ただし、R、R、R、R、及びR10のうち少なくとも1つは水素原子以外の基である。R、R、R、R、及びR10のうち少なくとも2つが結合して環状構造を形成してもよい。RはRと結合して環状構造を形成してもよい。)
、R、R、R89、及びR10が有機基である場合、当該有機基は、式(1a)におけるRが置換基として有する有機基と同様である。R、R、R、及びRは、イミダゾール化合物の溶媒に対する溶解性の点から水素原子であるのが好ましい。
中でも、R、R、R、R、及びR10のうち少なくとも1つは、下記置換基であることが好ましく、R10が下記置換基であるのが特に好ましい。R10が下記置換基である場合、R、R67、R、及びRは水素原子であるのが好ましい。
−O−R11
(R11は水素原子又は有機基である。)
11が有機基である場合、当該有機基は、式(1a)におけるRが置換基として有する有機基と同様である。R11としては、アルキル基が好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素原子数1〜3のアルキル基が特に好ましく、メチル基が最も好ましい。
上記式(1−1)で表される化合物の中では、下記式(1−1−1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2017139386
(式(1−1−1)において、R、R、及びnは、式(1a)と同様であり、R12、R13、R14、R15、及びR16は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、又は有機基である。ただし、R12、R13、R14、R15、及びR16のうち少なくとも1つは水素原子以外の基である。)
式(1−1−1)で表される化合物の中でも、R12、R13、R14、R15、及びR16のうち少なくとも1つが、前述の−O−R11で表される基であることが好ましく、R16が−O−R11で表される基であるのが特に好ましい。R16が−O−R11で表される基である場合、R12、R13、R14、及びR15は水素原子であるのが好ましい。
上記式(1)で表されるイミダゾール化合物の合成方法は特に限定されない。例えば、RCR(Hal)R(R及びRは、式(1)と同じであり、Halはハロゲン原子である。)で表されるハロゲン化物と、後述の式(II)で表されるイミダゾール化合物とを、常法に従って反応させてイミダゾリル化を行うことによって、上記式(1)で表されるイミダゾール化合物を合成することができる。
上記式(1a)で表されるイミダゾール化合物の合成方法は特に限定されない。例えば、下記式(I)で表されるハロゲン含有カルボン酸誘導体と、下記式(II)で表されるイミダゾール化合物とを、常法に従って反応させてイミダゾリル化を行うことによって、上記式(1a)で表されるイミダゾール化合物を合成することができる。
Figure 2017139386
(式(I)及び式(II)中、R、R、R、R及びnは、式(1a)と同様である。式(I)において、Halはハロゲン原子である。)
また、イミダゾール化合物が、式(1a)で表され、且つRがメチレン基である化合物である場合、すなわち、イミダゾール化合物が下記式(1−2)で表される化合物である場合、以下に説明するMichael付加反応による方法によっても、イミダゾール化合物を合成することができる。
Figure 2017139386
(式(1−2)中、R、R、R及びnは、式(1a)と同様である。)
具体的には、例えば、下記式(III)で表される3−置換アクリル酸誘導体と、上記式(II)で表されるイミダゾール化合物とを溶媒中で混合してMichael付加反応を生じさせることによって、上記式(1−2)で表されるイミダゾール化合物が得られる。
Figure 2017139386
(式(III)中、R、及びRは、式(1a)と同様である。)
また、下記式(IV)で表される、イミダゾリル基を含む3−置換アクリル酸誘導体を、水を含む溶媒中に加えることによって、下記式(1−3)で表されるイミダゾール化合物が得られる。
Figure 2017139386
(式(IV)及び式(1−3)中、R、R及びnは、式(1)と同様である。)
この場合、上記式(IV)で表される3−置換アクリル酸誘導体の加水分解により、上記式(II)で表されるイミダゾール化合物と、下記式(V)で表される3−置換アクリル酸とが生成する。そして、下記式(V)で表される3−置換アクリル酸と、上記式(II)で表されるイミダゾール化合物との間でMichael付加反応が生じ、上記式(1−3)で表されるイミダゾール化合物が生成する。
Figure 2017139386
(式(V)中、Rは、式(1a)と同様である。)
式(1)又は式(1a)で表されるイミダゾール化合物の好適な具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2017139386
CMP用研磨液における(A)イミダゾール化合物の含有量は特に限定されない。CMP用研磨液における(A)イミダゾール化合物の含有量は、CMP用研磨液の質量に対して、0.0003〜15質量%が好ましく、0.0005〜10質量%がより好ましく、0.001〜5質量%が特に好ましい。
<その他の窒素含有化合物>
CMP用研磨液は、(A)イミダゾール化合物に加えて、イミダゾール類、ピラゾール類、チアゾール類、トリアゾール類、グアニジン類から選択される窒素含有化合物を含有していてもよい。これらは1種類単独で、もしくは2種類以上併用することができる。これらの窒素含有化合物は、CMP用研磨液の質量に対して、0.0001〜10質量%が好ましい。また、(A)イミダゾール化合物と窒素含有化合物との総和に対して、窒素含有化合物の含有割合は30質量%以下が好ましく、0〜20質量%であることがより好ましい。
イミダゾール類としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ブチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−アミノイミダゾール、メルカプトベンゾイミダゾール等が挙げられる。
ピラゾール類としては、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−ピラゾロン、3−アミノ−5−メチルピラゾール、3−アミノ−5−ヒドロキシピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール等が挙げられる。
チアゾール類としては、2−アミノチアゾール、4,5−ジメチルチアゾール、2−アミノ−2−チアゾリン、2,4−ジメチルチアゾール、2−アミノ−4−メチルチアゾール等が挙げられる。
トリアゾール類としては、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジン、5−メチルベンゾトリアゾール等が挙げられる。
グアニジン類としては、グアニジン、1,3‐ジフェニルグアニジン、1−(オルトトリル)ビグアナイド等が挙げられる。
<(B)金属溶解剤>
CMP用研磨液は、(B)金属溶解剤を含有する。(B)金属溶解剤の種類は、従来からCMP用研磨液に配合されているものであれば特に限定されない。
(B)金属溶解剤としては、有機酸、有機酸エステル、有機酸のアンモニウム塩、無機酸、及び無機酸のアンモニウム塩からなる群より選択される1種以上が好ましい。
(B)金属溶解剤の好適な具体例としては、クエン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、アミノ酸類等の有機酸;これらの有機酸エステル及びこれら有機酸のアンモニウム塩;塩酸、硫酸、硝酸、クロム酸等の無機酸;塩化アンモニウム、過硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、クロム酸アンモニウム等の無機酸のアンモニウム塩等が挙げられる。
アミノ酸としては、グリシン、α−アラニン、β−アラニン、2−アミノ酪酸、ノルバリン、バリン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、アロイソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、サルコシン、オルニチン、リシン、タウリン、セリン、トレオニン、アロトレオニン、ホモセリン、チロシン、3,5−ジヨード−チロシン、β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−アラニン、チロキシン、4−ヒドロキシ−プロリン、システイン、メチオニン、エチオニン、ランチオニン、シスタチオニン、シスチン、システィン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、S−(カルボキシメチル)−システイン、4−アミノ酪酸、アスパラギン、グルタミン、アザセリン、アルギニン、カナバニン、シトルリン、δ−ヒドロキシ−リシン、クレアチン、キヌレニン、ヒスチジン、1−メチル−ヒスチジン、3−メチル−ヒスチジン、エルゴチオネイン、トリプトファン等が挙げられる。
これらの中では、実用的な研磨速度を維持しつつ、エッチング速度を効果的に抑制できるという点で、クエン酸、ギ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、サリチル酸、アジピン酸グリシン、アラニン、β―アラニン、及び4−アミノ酪酸等が好ましく、クエン酸、グリシン、アラニン、β―アラニン、及び4−アミノ酪酸がより好ましい。(B)金属溶解剤は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
CMP用研磨液における(B)金属溶解剤の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。CMP用研磨液における(B)金属溶解剤の含有量は、CMP用研磨液の質量に対して8質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましく、2質量%以下が特に好ましく、1質量%以下が最も好ましい。また、(B)金属溶解剤の含有量の下限は、CMP用研磨液の質量に対して、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が特に好ましい。
<(C)酸化剤>
CMP用研磨液は、(C)酸化剤を含有する。(C)酸化剤の種類は、従来からCMP用研磨液に配合されているものであれば特に限定されない。
(C)酸化剤の好適な例としては、過酸化水素、次亜塩素酸塩、過硫酸塩、過ヨウ素酸塩、及びオゾンからなる群より選択される1種以上が挙げられる。これらの中では、過酸化水素が好ましい。
塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
これらの酸化剤は、被研磨面の荒れの発生を抑制しつつ、バリア層に対する良好な研磨速度を得られるという観点から好ましい。
(C)酸化剤は、水溶液として用いることができる。また、(C)酸化剤は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
CMP用研磨液における(C)酸化剤の含有量は、金属を酸化し、研磨速度を向上させやすい点から、CMP用研磨液の質量に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が特に好ましく、0.1質量%以上が最も好ましい。
また、(C)酸化剤の含有量は、被研磨面の荒れを抑制できることから、CMP用研磨液の質量に対して、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、15質量%以下が特に好ましい。
特に、酸化剤の含有量は、ダマシン法により形成される埋め込み配線の腐食を抑制しやすいことから、CMP用研磨液の質量に対して、10質量%以下が特に好ましく、5質量%以下が極めて好ましく、3質量%以下が最も好ましい。
<(D)砥粒>
CMP用研磨液は、(D)砥粒を含有してもよい。(D)砥粒は、シリカ粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、チタニア粒子、セリア粒子、ゲルマニア粒子、及びこれらの変性物からなる群より選択される1種以上が好ましい。(D)砥粒は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
変性物としては、シリカ粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、チタニア粒子、セリア粒子、ゲルマニア粒子等の粒子の表面をアルキル基で変性したものが挙げられる。粒子の表面をアルキル基で変性する方法は、特に制限はない。例えば、粒子の表面に存在する水酸基と、アルキル基を有するアルコキシシランとを反応させる方法が挙げられる。
アルキル基を有するアルコキシシランとしては、特に限定されず、モノメチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルモノメトキシシラン、モノエチルトリメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、トリエチルモノメトキシシラン、モノメチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、及びトリメチルモノエトキシシラン等が好適に使用される。
反応方法は、特に限定されず、例えば、粒子とアルコキシシランとを分散液中又は研磨液中で、室温又は加熱下で反応させる。
(D)砥粒の中でも、CMP用研磨液中での分散安定性に優れ、CMPにより発生する研磨傷(スクラッチ)の発生を抑制しやすい点から、シリカ粒子又はアルミナ粒子が好ましく、コロイダルシリカ又はコロイダルアルミナがより好ましい。
砥粒の平均粒子径は、研磨速度の観点から、10nm以上が好ましく、20nm以上がより好ましく、30nm以上が特に好ましい。砥粒の平均粒子径は、研磨傷の低減の観点から、200nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましく、120nm以下が特に好ましい。砥粒の平均粒径は、光回折散乱式粒度分布計を用いて測定できる。
CMP用研磨液が(D)砥粒を含有する場合、その含有量は、研磨速度の向上の点から、CMP用研磨液の質量に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、0.05質量部以上が特に好ましい。
また、(D)砥粒の含有量は、研磨傷の発生の抑制の点から、CMP用研磨液の質量に対して50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が特に好ましい。
<(E)水溶性ポリマー>
CMP用研磨液は、(E)水溶性ポリマーを含有してもよい。ここで「水溶性」とは、水100gに対して25℃において0.01g以上溶解することをいう。水溶性ポリマーの使用は、被研磨面の荒れの発生を効果的に抑制できる点から好ましい。
(E)水溶性ポリマーとしては、特に限定されず、ポリカルボン酸とその誘導体、多糖類、ビニル系ポリマー等が挙げられる。ポリカルボン酸の誘導体には、ポリカルボン酸の塩、ポリカルボン酸エステル、ポリカルボン酸アミド等が含まれる。
(E)水溶性ポリマーの好適な例としては、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アミノポリアクリルアミド、ポリグリオキシル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩、ポリアスパラギン酸エステル、ポリグルタミン酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアミド酸エステル、ポリマレイン酸エステル、ポリフマル酸エステル、ポリアクリル酸エステル等のポリカルボン酸とその誘導体;
アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、カードラン、プルラン等の多糖類;
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクロレイン等のビニル系ポリマー等が挙げられる。
(E)水溶性ポリマーは、2種以上を組み合わせて用いることができる。
(E)水溶性ポリマーの質量平均分子量(Mw)は、高い研磨速度の点から、500以上が好ましく、1500以上がより好ましく、5000以上が特に好ましい。(E)水溶性ポリマーの質量平均分子量の上限は特に限定されない。(E)水溶性ポリマーの質量平均分子量は、典型的には、溶解度の点から500万以下であり、100万以下が好ましく、20万以下がより好ましく、10万以下が特に好ましく、5万以下がさらに好ましく、2万以下が最も好ましい。水溶性ポリマーの質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定できる。
CMP用研磨液における(E)水溶性ポリマーの含有量は、被研磨面の荒れを抑制しやすい点から、CMP用研磨液の質量に対して、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が特に好ましい。
また、(E)水溶性ポリマーの含有量は、CMP用研磨液の粘度を低く保てる点から、CMP用研磨液の質量に対して15質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が特に好ましく、0.5質量%以下が最も好ましい。
<(F)有機溶媒>
CMP用研磨液は、(F)有機溶媒を含んでいてもよい。(F)有機溶媒としては、特に限定されないが、水溶性の有機溶媒が好ましい。ここで「水溶性」とは、水100gに対して25℃において0.1g以上溶解することをいう。(F)有機溶媒の使用により、CMP用研磨液の被研磨面、特に、層間絶縁膜に対する濡れ性が向上し、研磨速度が向上する傾向がある。
(F)有機溶媒の好適な例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等の炭酸エステル類;ブチロラクトン、プロピオラクトン等のラクトン類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類;メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、イソプロパノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のアルコール類(モノアルコール類);テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類(グリコール類の誘導体を除く);アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、乳酸エチル等のエステル類(炭酸エステル類及びラクトン類を除く);ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;スルホラン等のスルホラン類等が挙げられる。
(F)有機溶媒はグリコール類の誘導体であってもよい。例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールモノエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリエチレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル等のグリコールジエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類等が挙げられる。
中でも、炭酸エステル類、グリコール類、アルコール類、及びグリコール類の誘導体が好ましく、アルコール類がより好ましい。(F)有機溶媒は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
CMP用研磨液が(F)有機溶媒を含有する場合、その含有量は、CMP用研磨液の被研磨面に対する濡れ性を向上させる観点から、CMP用研磨液の質量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、0.8質量%以上が特に好ましい。
また、(F)有機溶媒の含有量は、分散性の低下を抑制する観点から、CMP用研磨液の質量に対して、50質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましく、5質量%以下が最も好ましい。
<(G)水>
CMP用研磨液は(G)水を含有してもよい。(G)水の含有量は上記の含有成分の残部でよい。
<pH>
CMP用研磨液のpHは、実用的な研磨速度が得られる限り、特に限定されない。pHは、導電性物質部及び/又はバリア層の研磨速度を確保する点から、1.0以上が好ましい。導電性物質部及びバリア層については後述する。また、pHは、同様に、導電性物質部及び/又はバリア層の研磨速度を確保する点から12.0以下が好ましく、6.0以下がより好ましい。
(D)砥粒を用いる場合には、砥粒のゼータ電位、安定性等の点から、pHは、1.5以上が好ましく、2.0以上がより好ましい。また、同様の点から、4.0以下が好ましく、3.5以下がより好ましい。
<保存方法>
CMP用研磨液は、使用される全ての成分を含む一液のCMP用研磨液として保管してもよいが、上記各成分を複数の液に分けて準備し、保管してもよい。複数の液は、研磨直前に、それぞれが所定の濃度になるように混合され、CMP用研磨液として用いられる。成分によっては、予め混合しておくと安定性が低下したり、(D)砥粒が凝集したりする可能性がある。複数の液に分けての保存は、これらを解決する点から好ましい。例えば、(C)酸化剤の水溶液と、それ以外の成分を含む溶液(又は分散液)との二液に分けてもよく、(C)酸化剤として過酸化水素を使用する場合は、安定性の面で、過酸化水素水溶液と、それ以外の成分を含む溶液(又は分散液)との二液として保存及び/又は運搬し、研磨前に混合することが好ましい。
また、一液のCMP用研磨液及び二液とした場合の複数の液は、保存、運搬等を容易にする点で、又は、用途に応じて各成分の量を調整できる点で、濃縮してもよい。濃縮倍率は特に限定されないが、濃縮の利点と、成分が析出しない程度の濃度であることの両立を図る点から、2〜10倍程度が好ましい。なお、濃縮とは、使用時に希釈して用いられることを意味する。濃縮するためには、CMP用研磨液から所定量の水を蒸発させる以外にも、予め水の量を減じて作成する方法等がある。
≪研磨方法≫
研磨方法は、以上説明したCMP用研磨液を用いて研磨対象物が研磨される。研磨対象物としては、半導体基板、磁気ヘッド用基板、磁気ディスク用基板等が挙げられる。
研磨方法は、好ましくは、半導体デバイスにおける金属配線(配線層)の形成に適用できる。例えば、導電性物質部と、バリア層と、層間絶縁膜とを有する半導体基板を研磨する。同一条件下の研磨において導電性物質部/バリア層/層間絶縁膜の研磨速度比は、0.1〜2/1/0.1〜2が好ましい。
研磨方法は、表面(被研磨面)に隆起部(凸部)及び溝部(凹部)を有する層間絶縁膜と、前記表面に沿って層間絶縁膜を被覆するバリア層と、前記バリア層を被覆する導電性物質部と、を有する基板における前記導電性物質部を研磨して、前記層間絶縁膜の隆起部上に位置するバリア層を露出させる第一の研磨工程と、第一の研磨工程により露出したバリア層を前述のCMP用研磨液を用いて研磨して前記層間絶縁膜の隆起部を露出させる第二の研磨工程とを備える。導電性物質部は、層間絶縁膜の溝部を充填するようにしてバリア層を被覆していてもよい。
CMP用研磨液は、好ましくはバリア層を研磨する第二の研磨工程において用いられ、第二の研磨工程後の金属配線上の有機残渣の発生を低減できる。有機残渣の発生が低減されると、上層部のパターンレイアウトの正確性が向上し、また、金属配線間のショートの発生を防止できる。
層間絶縁膜としては、シリコン系被膜及び有機ポリマー膜から選択される少なくとも一種が挙げられる。シリコン系被膜としては、二酸化ケイ素、フルオロシリケートグラス、トリメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン等を出発原料として得られるオルガノシリケートグラス;シリコンオキシナイトライド、水素化シルセスキオキサン等のシリカ系被膜;シリコンカーバイド膜、シリコンナイトライド膜等が挙げられる。また、有機ポリマー膜としては、全芳香族系低誘電率膜が挙げられる。これらの中でも特に、二酸化ケイ素膜が好ましい。層間絶縁膜は、CVD法、スピンコート法、ディップコート法、スプレー法等によって成膜できる。層間絶縁膜の具体例としては、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁膜等が挙げられる。
導電性物質部の構成材料としては、銅、銅合金、銅の酸化物、銅合金の酸化物、タングステン、タングステン合金、銀、金等の金属が主成分である物質等が挙げられ、中でも、銅、銅合金、銅の酸化物、銅合金の酸化物等の銅が主成分である物質が好ましい。導電性物質部としては、公知のスパッタ法、メッキ法等により前記物質を成膜した膜を使用できる。
バリア層は、層間絶縁膜中への導電性物質の拡散を防止するため、及び、層間絶縁膜と導電性物質部との密着性向上のために形成される。バリア層は、タンタル;窒化タンタル、タンタル合金等のタンタル化合物;チタン;窒化チタン、チタン合金等のチタン化合物;タングステン;窒化タングステン、タングステン合金等のタングステン化合物;ルテニウム;窒化ルテニウム、ルテニウム合金等のルテニウム化合物;コバルト;窒化コバルト、コバルト合金等のコバルト化合物を含むことが好ましく、タンタル又はタンタル化合物を含むことがより好ましい。バリア層は、これらの一種からなる単層構造であっても、二種以上の層からなる積層構造であってもよい。
研磨装置としては、例えば研磨パッドにより研磨する場合、研磨される基板を保持できるホルダと、回転数を変更可能なモータ等に接続され、且つ、研磨パッドを貼り付け可能な研磨定盤とを有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨パッドとしては、特に制限はなく、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等を使用できる。
研磨条件には制限はないが、定盤の回転速度は基板が飛び出さないように200回/分以下の低回転が好ましい。基板の被研磨面を研磨パッドへ押し付ける圧力は、1〜100kPaが好ましく、研磨速度の被研磨面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、2〜50kPaがより好ましい。研磨している間、好ましくは、研磨パッドにはCMP用研磨液をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、例えば、研磨パッドの表面を常に研磨液で覆うことができる量が好ましい。
研磨終了後の基板は、流水中でよく洗浄後、スピンドライ等を用いて基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。また、洗浄方法として、市販の洗浄液を基板の被研磨面に流しつつ、ポリウレタンでできたブラシを回転させながら、一定の圧力で押し付け基板上の付着物を除去する、公知の洗浄方法を適用できる。
研磨パッドの表面状態を常に同一にしてCMPを行うために、研磨の前に研磨パッドのコンディショニング工程を加えることが好ましい。例えば、ダイヤモンド粒子のついたドレッサを用いて、少なくとも水を含む液で研磨パッドのコンディショニングを行う。続いて研磨方法が実施される。
以下、半導体デバイスにおける配線層の形成を一例として研磨方法をさらに説明する。
まず、シリコン基板上に二酸化ケイ素等からなる層間絶縁膜を積層する。次いで、レジスト層形成、エッチング等の公知の手段によって、層間絶縁膜の表面に所定パターンの溝部を形成して、隆起部と溝部とを有する層間絶縁膜を得る。この層間絶縁膜上にタンタル等からなるバリア層を蒸着又はCVD等により成膜し、表面の凹凸に沿って層間絶縁膜を被覆するバリア層を得る。さらに、前記凹部を充填してバリア層を被覆する銅等からなる導電性物質部を蒸着、めっき又はCVD等により形成する。各層の厚さは、半導体デバイスの種類に応じて適宜定められるものであるが、例えば、層間絶縁膜の厚さは0.01〜2.0μm程度が好ましく、バリア層の厚さは0.01〜1.0μm程度が好ましく、また、導電性物質部の厚さは0.01〜3.0μm程度が好ましい。
次に、例えば、導電性物質部/バリア層の研磨速度比が充分大きい導電性物質用のCMP用研磨液を用いて、基板の表面の導電性物質部をCMPにより研磨する(第一の研磨工程)。これにより、層間絶縁膜の隆起部上に位置するバリア層が表面に露出し、溝部に導電性物質が残された所望の配線パターンが得られる。この研磨が進行する際に、層間絶縁膜の隆起部上に位置するバリア層の一部が導電性物質部と同時に研磨されてもよい。第一の研磨工程により得られた配線パターン面は、第二の研磨工程の被研磨面として、前述のCMP用研磨液を用いて研磨される。
第二の研磨工程では、得られた基板の被研磨面を研磨パッドに押圧した状態で研磨パッドと被研磨面の間にCMP用研磨液を供給しながら研磨定盤と基板とを相対的に動かすことにより、第一の研磨工程により露出したバリア層を研磨する。CMP用研磨液は、導電性物質部、バリア層及び層間絶縁膜を研磨可能であるが、第二の研磨工程では、露出しているバリア層を少なくとも研磨する。
バリア層に被覆されていた層間絶縁膜の隆起部が全て露出し、溝部に配線層となる導電性物質部が残され、隆起部と溝部との境界にバリア層の断面が露出した所望のパターンが得られた時点で研磨を終了する。
研磨終了時に優れた平坦性を確保するために、さらに、オーバー研磨して層間絶縁膜の隆起部の一部を含む量を研磨してもよい。例えば、第二の研磨工程で所望のパターンを得られるまでの時間が100秒の場合、この100秒の研磨に加えて50秒追加して研磨してもよい。
このようにして形成された配線層の上に、さらに、パッシベーション層、層間絶縁膜、バリア層及び第二層目の導電性物質部を形成し、研磨して半導体基板全面に亘って平滑な面とする。この工程を所定数繰り返すことにより、所望の配線層数を有する半導体デバイスを製造できる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例において、(A)イミダゾール化合物として、以下の合成例で得られた化合物1及び化合物2を用いた。
<化合物1>
Figure 2017139386
<化合物2>
Figure 2017139386
1.化合物1の合成例
まず、下記式の構造の桂皮酸誘導体30gをメタノール200gに溶解させた後、メタノール中に水酸化カリウム7gを添加した。次いで、メタノール溶液を40℃で撹拌した。メタノールを留去し、残渣を水200gに懸濁させた。得られた懸濁液にテトラヒドロフラン200gを混合、撹拌し、水相を分液した。氷冷下、塩酸4gを添加、撹拌した後に酢酸エチル100gを混合、撹拌した。混合液を静置した後、油相を分取した。油相から目的物を晶析させ、析出物を回収して、上記構造のイミダゾール化合物(化合物1)を得た。
Figure 2017139386
化合物1のH−NMRの測定結果は以下のとおりである。
H−NMR(DMSO):11.724(s,1H),7.838(s,1H),7.340(d,2H,J=4.3Hz),7.321(d,1H,J=7.2Hz),6.893(d,2H,J=4.3Hz),6.876(d,1H,J=6.1Hz),5.695(dd,1H,J=4.3Hz,3.2Hz),3.720(s,3H),3.250(m,2H)
2.化合物2の合成例
具体的には、原料化合物を下記式の構造の桂皮酸誘導体に変更することの他は、1.化合物1の合成例と同様にして上述の化合物2を得た。
Figure 2017139386
(CMP用研磨液の調製)
表1に記載の各成分(残部は純水)を用いて、CMP用研磨液を調製した。なお、比較化合物1はベンゾトリアゾールである。また、表1中の質量%は、CMP用研磨液の質量に対する各成分の比率(質量%)である。
Figure 2017139386
(研磨速度)
研磨定盤(パッド)に硬質発泡ウレタンを用い、調製した上記CMP用研磨液を一定量ずつパッドに対して供給しながら、2分間研磨を行った。被研磨体として厚さ1.5μmの銅銀合金を堆積したシリコン基板を用いた。被研磨体とパッドとの相対線速度95m/分、研磨圧力240g/cmの条件で研磨を行った。研磨前後の銅金属層の膜厚の差から、1分間あたりの研磨量を研磨速度として表示した。なお膜厚差の測定には、エリプソメータを用いた。
(エッチング速度)
エッチング速度は、被研磨体として厚さ1.5μmの銅金属を堆積したシリコン基板を用い、撹拌されている各CMP用研磨液への浸漬前後のそれぞれの基板の銅金属層の膜厚の差から、1分間あたりのエッチング量をエッチング速度として表示した。
表1より、実施例のCMP用研磨液は、エッチング速度がいずれの場合も1.0以下であり、ディッシング抑制効果が向上すると考えられる。また研磨速度は、比較例よりも良好である。

Claims (10)

  1. (A)下記式(1):
    Figure 2017139386
    (式(1)中、Rはそれぞれ独立に水素原子もしくは1価の有機基を表し、Rは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基を表し、nは0〜3の整数を表す。前記Rは他方のR又はRと結合して環状構造を形成してもよい。)
    で表される化合物と、(B)金属溶解剤と、(C)酸化剤とを含有する、CMP用研磨液。
  2. 前記(A)前記式(1)で表される化合物の含有量が、前記CMP用研磨液の質量に対して、0.0003〜15質量%である、請求項1に記載のCMP用研磨液。
  3. 前記(B)金属溶解剤が、有機酸、有機酸エステル、有機酸のアンモニウム塩、無機酸、及び無機酸のアンモニウム塩からなる群より選択される1種以上である、請求項1又は2に記載のCMP用研磨液。
  4. 前記(C)酸化剤が、過酸化水素、次亜塩素酸塩、過硫酸塩、過ヨウ素酸塩、及びオゾンからなる群より選択される1種以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載にCMP用研磨液。
  5. (D)砥粒を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のCMP用研磨液。
  6. (E)水溶性ポリマーを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のCMP用研磨液。
  7. (F)有機溶媒を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のCMP用研磨液。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のCMP用研磨液を用いて研磨対象物を研磨する、研磨方法。
  9. 表面に隆起部及び溝部を有する層間絶縁膜と、前記表面に沿って層間絶縁膜を被覆するバリア導体層と、前記バリア導体層を被覆する導電性物質部と、を有する基板の前記導電性物質部を研磨して前記層間絶縁膜の隆起部上に位置するバリア導体層を露出させることと、
    露出した前記バリア導体層を請求項1〜7のいずれか1項に記載のCMP用研磨液を用いて研磨して前記層間絶縁膜の隆起部を露出させることと、を含む、研磨方法。
  10. 前記導電性物質部が、銅、銅合金、銅の酸化物、及び銅合金の酸化物からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項9に記載の研磨方法。
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