JP2017138644A - センサ装置、タッチ・プッシュ判定方法及びタッチ・プッシュ判定プログラム - Google Patents

センサ装置、タッチ・プッシュ判定方法及びタッチ・プッシュ判定プログラム Download PDF

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Bandora Kariyawasam Amal
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Abstract

【課題】温度変化等の環境変化または損傷等により誘電層の静電容量が変化しても、タッチ動作及びプッシュ動作を正しく判定できるセンサ装置、タッチ・プッシュ判定方法、タッチ・プッシュ判定プログラムを提供すること。
【解決手段】センサ装置100は、人体の接触または押圧により静電容量が変化するタッチセンサ110と、タッチセンサ110における、接触または押圧された状態の静電容量と無接触状態の静電容量との比に基づいて、タッチセンサ110がタッチされている状態と、タッチセンサ110がプッシュされている状態とを区別して判定するプロセッサ120と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明はセンサ装置、タッチ・プッシュ判定方法及びタッチ・プッシュ判定プログラムに関し、特に静電容量が変化するタッチセンサを用いたセンサ装置、タッチ・プッシュ判定方法及びタッチ・プッシュ判定プログラムに関する。
情報機器の入力装置の一つとして、タッチパネルがある。タッチパネルは、パネル上に指が触れたこと(さらには触れた位置)を検出する入力装置である。このタッチパネルの検出方式として、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、静電容量方式等様々な検出方式がある。
タッチパネルの検出方式の一つである静電容量方式では、指先と導電膜の間での静電容量の変化を捉えることによりタッチ動作を検出している。
一方、パネルに触れるタッチ動作のみならず、パネルを押すプッシュ動作を検出する装置が検討されている。
静電容量方式を用いてタッチ動作に加えてプッシュ動作も検出する例として、特許文献1及び2には、検出部の静電容量の変化量等が所定の閾値以上である場合に、入力操作面が操作を受けていると判定するセンサ装置において、当該閾値を2以上設けることにより、例えばタッチ操作とプッシュ操作とを区別して判定することが記載されている(特許文献1の段落0076及び特許文献2の段落0054参照)
特開2014−179062号公報 特開2015−55896号公報
しかしながら、特許文献1及び2のセンサ装置では、静電容量の変化量に基づいてタッチ動作及びプッシュ動作を判定しているので、温度変化または損傷すると誘電層の誘電率や導電層と積層している面積が変化してしまい、その結果、静電容量の変化量も変化するので、タッチ動作及びプッシュ動作を正しく判定できないという問題があった。
本発明は、温度変化等の環境変化または損傷等により誘電層の誘電率や誘電率や導電層との積層している面積が変化しても、タッチ動作及びプッシュ動作を正しく判定できるセンサ装置を提供することを目的としている。
一実施形態のセンサ装置は、人体の接触または押圧により静電容量が変化するタッチセンサと、前記タッチセンサにおける、接触または押圧された状態の静電容量と無接触状態の静電容量との比に基づいて、前記タッチセンサがタッチされている状態と、前記タッチセンサがプッシュされている状態とを区別して判定するプロセッサと、を備える。
好ましくは、一実施形態のセンサ装置は、前記タッチセンサは、少なくとも第1導電層、誘電層、第2導電層及び絶縁層を備える。
好ましくは、一実施形態のセンサ装置は、前記第1導電層を接地し、前記プロセッサは、前記第2導電層と接地との間の静電容量を測定して、前記静電容量の比を算出する。
これらの一実施形態のセンサ装置によれば、タッチセンサの静電容量の比に基づいて、タッチセンサがタッチされている状態と、タッチセンサがプッシュされている状態とを区別して判定することにより、環境または損傷等により誘電層の誘電率や導電層との積層している面積が変化しても、タッチ動作及びプッシュ動作を正しく判定できる。
好ましくは、一実施形態のセンサ装置は、前記誘電層が、内部に気泡を含む樹脂層である。
一実施形態のセンサ装置によれば、誘電層に樹脂中に気泡を含む樹脂を用いた静電容量式タッチセンサを採用することにより、応力が加えられない状態から、応力を加えられた状態に変化したときに、静電容量の変化が大きくなるので、タッチ動作及びプッシュ動作との判定を区別しやすくできる。
好ましくは、一実施形態のセンサ装置は、押圧時の前記誘電層の厚さの減少は、前記絶縁層の厚さの減少より大きい。
一実施形態のセンサ装置によれば、押圧時の前記誘電層の厚さの減少が、前記絶縁層の厚さの減少より大きいことにより、応力を加えられた状態に変化したときに、静電容量の変化が大きくなるので、タッチ動作及びプッシュ動作との判定を区別しやすくできる。
好ましくは、一実施形態のセンサ装置は、前記誘電層の誘電率が、前記絶縁層の誘電率より小さい。
一実施形態のセンサ装置によれば、タッチパネルの誘電層の誘電率を、絶縁層の誘電率より小さくすることにより、無接触状態とタッチ状態との区別を容易にすることができる。
好ましくは、本発明のセンサ装置は、前記誘電層の誘電率が、前記絶縁層の誘電率より大きい。
一実施形態のセンサ装置によれば、タッチパネルの誘電層の誘電率を、絶縁層の誘電率より大きくすることにより、タッチ状態とプッシュ状態の区別を容易にすることができる。
一実施形態のタッチ・プッシュ判定方法は、人体の接触または押圧により静電容量が変化するタッチセンサにおける、接触または押圧された状態の静電容量と無接触状態の静電容量との比を算出し、前記の比に基づいて、前記タッチセンサがタッチされている状態と、前記タッチセンサがプッシュされている状態とを区別して判定する。
一実施形態のタッチ・プッシュ判定方法によれば、タッチセンサの静電容量の比に基づいて、タッチセンサがタッチされている状態と、タッチセンサがプッシュされている状態とを区別して判定することにより、環境または損傷等により誘電層の誘電率や導電層と積層部の面積が変化しても、タッチ動作及びプッシュ動作を正しく判定できる。
一実施形態のタッチ・プッシュ判定プログラムは、人体の接触または押圧により静電容量が変化するタッチセンサにおける、接触または押圧された状態の静電容量と無接触状態の静電容量との比を算出するステップと、前記比に基づいて、前記タッチセンサがタッチされている状態と、前記タッチセンサがプッシュされている状態とを区別して判定するステップと、判定結果を外部に出力するステップと、をコンピュータに実行させる。
一実施形態のタッチ・プッシュ判定プログラムによれば、タッチセンサの静電容量の比に基づいて、タッチセンサがタッチされている状態と、タッチセンサがプッシュされている状態とを区別して判定することにより、環境または損傷等により誘電層の誘電率や導電層と積層している面積が変化しても、タッチ動作及びプッシュ動作を正しく判定できる。
本発明のセンサ装置によれば、環境または損傷等により誘電層の誘電率や導電層と積層している面積が変化しても、タッチ動作及びプッシュ動作を正しく判定できる。
実施の形態1にかかるセンサ装置の概略構成を示す略図である。 無接触状態でのタッチセンサ110の状態を概略的に説明する略図及び電気的に等価な回路を示す図である。 タッチ状態でのタッチセンサ110の状態を概略的に説明する略図及び電気的に等価な回路を示す図である。 プッシュ状態でのタッチセンサ110の状態を概略的に説明する図及び電気的に等価な回路を示す図である。 通常時と損傷時の静電容量を比較する一例を示すグラフである。 通常時と損傷時の静電容量の比を比較する一例を示すグラフである。 通常時と損傷時の静電容量の変化量を比較する一例を示すグラフである。 タッチ動作及びプッシュ動作におけるタッチセンサの静電容量の比の分布を示す散布図である。 タッチ動作及びプッシュ動作におけるタッチセンサの静電容量の比の分布を示す散布図である。 タッチ動作及びプッシュ動作におけるタッチセンサの静電容量の比の分布を示す散布図である。 タッチ動作及びプッシュ動作におけるタッチセンサの静電容量の比の分布を示す散布図である。 タッチ動作及びプッシュ動作におけるタッチセンサの静電容量の比の分布を示す散布図である。 タッチ動作及びプッシュ動作におけるタッチセンサの静電容量の比の分布を示す散布図である。 タッチ動作及びプッシュ動作におけるタッチセンサの静電容量の比の分布を示す散布図である。 タッチ動作及びプッシュ動作におけるタッチセンサの静電容量の比の分布を示す散布図である。 タッチ動作及びプッシュ動作におけるタッチセンサの静電容量の比の分布を示す散布図である。 タッチ動作及びプッシュ動作におけるタッチセンサの静電容量の比の分布を示す散布図である。 タッチ動作及びプッシュ動作におけるタッチセンサの静電容量の比の分布を示す散布図である。 タッチ動作及びプッシュ動作におけるタッチセンサの静電容量の比の分布を示す散布図である。
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態1にかかるセンサ装置の概略構成を示す略図である。図1において、センサ装置100は、タッチセンサ110と、プロセッサ120とを備える。そして、タッチセンサ110は、少なくとも第1導電層101と、誘電層102と、第2導電層103と、絶縁層104とを備える。また、タッチセンサ110は、更に保護層105を備えても良い。プロセッサ120は、静電容量比算出器111及び判定器112の機能を有する。
タッチセンサ110は、これらの少なくとも第1導電層101と、誘電層102と、第2導電層103と、絶縁層104を備える。そして、タッチセンサ110に指が触れる、または指で押されることにより、静電容量が変化する。
第1導電層101は、電気を導通する導電体の膜で構成される。例えば、第1導電層は、導電性インキにより形成された導電層や金属層で構成されることが好適である。第1導電層101は、プロセッサ120に接続すると共に、接地されている。
誘電層102は、誘電体の膜で構成される。例えば、誘電層102は、絶縁性物質の膜で構成されても良い。誘電層102は弾性を有する弾性体であることが好ましく、例えば、気泡を含む樹脂層で構成されることが好ましい。気泡を含む樹脂層で構成される場合については、実施の形態2で後述する。また、気泡を有しない場合としては、天然ゴム、合成ゴム等の利用が考えられる。また、誘電層102は、第1導電層101の一面に積層していることが望ましい。
第2導電層103は、第1導電層101と同様に電気を導通する導電体の膜で構成される。例えば、第2導電層は、導電性インキにより形成された導電層や金属層で構成されることが好適である。また、第2導電層103は、第1導電層101とは反対側の誘電層102の一面に積層していることが望ましい。
絶縁層104は、絶縁体の膜で構成される。例えば、絶縁層104は、絶縁性物質の膜で構成されることが好適である。そして、絶縁層104は、誘電層102とは反対側の第2導電層103の一面に形成されていることが望ましい。
保護層105は、絶縁体の膜で構成される。例えば、保護層105は、絶縁性物質の膜で構成されることが好適である。そして、保護層105は、誘電層102とは反対側の第1導電層101の一面に形成されていることが望ましい。
すなわち、図1に示すように、保護層105と、第1導電層101と、誘電層102と、第2導電層103と、絶縁層104とは、順に積層されている。
静電容量比算出器111は、第1導電層101及び第2導電層103と電気的に接続し、タッチセンサ110の静電容量を測定する。そして、静電容量比算出器111は、人体が接触していない状態(無接触状態)での静電容量を基準として、タッチセンサ110における、接触または押圧された状態の静電容量と無接触状態の静電容量との比(以下「静電容量の比」と呼ぶ)を算出し、静電容量の比を判定器112に出力する。
判定器112は、静電容量の比に基づいて、タッチセンサ110が、タッチされた状態、プッシュされた状態、タッチもプッシュもされていない状態のいずれであるか判定し、判定結果を外部に出力する。ここで、タッチセンサ110に指が触れた状態(以下「タッチ状態」と呼ぶ)は、所定の応力以下でタッチセンサ110に指が触れた状態を示す。また、タッチセンサ110が押された状態(以下「プッシュ状態」と呼ぶ)は、所定の応力より大きい力でプッシュ状態を示す。そして、タッチもプッシュもされていない状態は、タッチセンサ110に指が触れていない状態(以下「無接触状態」と呼ぶ)を示す。
プロセッサ120は、アナログ回路及び/またはデジタル回路を備え、静電容量比算出器111及び判定器112の機能を実現するプロセッサである。例えば、プロセッサ120は、CPU(Central Processing Unit)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の論理回路を備えることが好適である。また、プロセッサ120は、複数の回路を集積した半導体装置で構成してもよい。
例えば、プロセッサ120は、タッチセンサ110の静電容量を測定するための回路を備える。具体的には、プロセッサ120は、インピーダンスブリッジ、ディップメータまたはLCRメータの機能を備え、タッチセンサ110の静電容量を測定する。また、プロセッサ120は、測定した静電容量に関するアナログ信号(例えば電圧値または電流値)をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換回路を備えてもよい。そして、プロセッサ120は、無接触状態での静電容量を基準値として記憶するメモリ、バッファまたはレジスタを備えてもよい。さらに、プロセッサ120は、演算機能を有し、測定したタッチセンサ110の静電容量を基準値で除算することにより静電容量の比を算出する。以上の構成を有することにより、プロセッサ120は、静電容量比算出器111の機能を実現する。
また、プロセッサ120は、各状態を判定する閾値を記憶するメモリ、バッファまたはレジスタを備えてもよい。そして、プロセッサ120は、静電容量の比と所定の閾値とを比較する演算機能を有することにより、判定器112の機能を実現する。
次に、タッチセンサ110の状態変化に伴う静電容量の変化について、図2〜4を用いて説明する。
図2は、無接触状態でのタッチセンサ110の状態を概略的に説明する略図及び電気的に等価な回路を示す図である。図2に示すように、タッチセンサ110の絶縁層104に何も触れていない場合、誘電層102を誘電体とし、第1導電層101と第2導電層103とが電極となるコンデンサC201が形成される。したがって、タッチセンサ110の静電容量は、誘電層102を誘電体とし、第1導電層101と第2導電層103が電極となるコンデンサC201の静電容量に等しくなる。そこで、この場合のタッチセンサ110の静電容量をCinitとする。Cinitと略することもある。
次に、タッチ状態の静電容量について説明する。図3は、タッチ状態でのタッチセンサ110の状態を概略的に説明する略図及び電気的に等価な回路を示す図である。図3に示すように、タッチセンサ110に指が触れた場合、指が仮想的なGNDとなり接地状態となる。したがって、タッチセンサ110の静電容量は、コンデンサC201と絶縁層104を誘電体とするコンデンサC202とが並列に接続された回路の合成静電容量となる。よって、この場合のタッチセンサ110の静電容量、CtouchはCtouch+Ctouchとなる。
そして、タッチ状態でのコンデンサC201の静電容量Ctouchは、無接触状態でのコンデンサC201の静電容量Cinitと同じなので、タッチ状態でのタッチセンサ110の静電容量、CtouchはCinit+Ctouchとなる。
更に、プッシュ状態の静電容量について説明する。図4は、プッシュ状態でのタッチセンサ110の状態を概略的に説明する略図及び電気的に等価な回路を示す図である。前記と同様にこの場合のタッチセンサ110の静電容量、CpushはCpush+Cpushとなる。
図4に示すようにタッチセンサ110が一定以上の力で押された場合、誘電層102及び絶縁層104の厚さが減少する。一般に、コンデンサの静電容量は、誘電体の誘電率及び面積に比例し、誘電体の厚さに反比例する。したがって、誘電層102及び絶縁層104の厚さが減少することにより、コンデンサC201及びコンデンサC202の静電容量が増加する。そして、プッシュ状態でも、指が仮想的なGNDとなり接地状態となるので、タッチセンサ110の静電容量は、静電容量が増加したコンデンサC201と、静電容量が増加したコンデンサC202とが並列に接続された回路の合成静電容量となる。言い換えれば、プッシュ状態におけるコンデンサC201とコンデンサC202の合成静電容量は、タッチ状態におけるコンデンサC201とコンデンサC202の合成静電容量より大きくなる。
つまり、Cpush > Ctouch
push+Cpush > Ctouch+Ctouch
push+Cpush > Cinit+Ctouch
となる。
このように、タッチセンサ110の静電容量は、無接触状態、タッチ状態及びプッシュ状態でそれぞれ異なるので、プロセッサ120は、この静電容量の違いから各状態のいずれであるか判定する。
次に、プロセッサ120の判定方法について説明する。上述したように、タッチセンサ110の静電容量は、無接触状態、タッチ状態及びプッシュ状態でそれぞれ異なる。
そこで、実施の形態1では、無接触状態での、タッチセンサ110の静電容量、Cinitを基準値とし、静電容量の比(すなわち、測定した静電容量/基準値)に基づいて、各状態のいずれであるかを判定する。
具体的には、プッシュ動作等により応力が加えられてない状態において、誘電層102を誘電体とするコンデンサC201の静電容量をC、絶縁層104を誘電体とするコンデンサC202の静電容量をCと定義すると、基準値はCとなる。
ここで、無接触状態では、タッチセンサ110の静電容量は、誘電層102を誘電体とするコンデンサC201の静電容量に等しいので、静電容量の比はC/C=1となる。
一方、タッチ状態では、上述したように、タッチセンサ110の静電容量は、コンデンサC201と絶縁層104を誘電体とするコンデンサC202とが並列に接続された合成静電容量となる。すなわち、タッチ状態のタッチセンサ110の静電容量はCtouch+Ctouch=Cinit+Ctouchなので、
静電容量の比は、
(Ctouch+Ctouch)/Cinit
=(Cinit+Ctouch)/Cinit
=1+Ctouch/Cinitとなる。
ここで、閾値th1を1より大きく、1+Ctouch/Cinitより小さい値に設定することにより、静電容量の比が閾値th1以下の場合、プロセッサ120は、無接触状態であると判定できる。また、静電容量の比が閾値th1より大きい場合、プロセッサ120は、タッチ状態であると判定できる。
そして、無接触状態とタッチ状態とを判定しやすくするためには、Ctouchを大きくすることが好ましい。静電容量のより大きな材料で絶縁層104を形成したり、絶縁層104の厚みを薄くしたりすることによってCtouchを大きくすることができる。絶縁層104の厚みを薄くすることが簡便でもあり、効果的である。従って、絶縁層104の厚みは、誘電層102に比して薄いことが好ましい。
他方、プッシュ状態では、上述したように、誘電層102及び絶縁層104の厚さが減少することにより、コンデンサC201及びコンデンサC202の静電容量が増加する。また、プッシュ状態でも、上述のように、タッチセンサ110の静電容量は、コンデンサC201と絶縁層104を誘電体とするコンデンサC202とが並列に接続された回路の合成静電容量となる。
したがって、プッシュ状態のタッチセンサ110の静電容量、Cpushは、タッチ状態の場合の静電容量、Ctouch=Ctouch+Ctouch より大きい値となる。
ここで、閾値th2を1+C/Cより大きく、プッシュ状態のタッチセンサ110の静電容量Cpushより小さい値に設定することにより、静電容量の比が閾値th2以下の場合、プロセッサ120は、タッチ状態であると判定できる。また、静電容量の比が閾値th2より大きい場合、プロセッサ120は、プッシュ状態であると判定できる。
プロセッサ120は、以上の2つの閾値判定を組み合わせて、無接触状態、タッチ状態、プッシュ状態と、を区別して判定する。すなわち、プロセッサ120は、静電容量の比が閾値th1以下の場合、無接触状態であると判定し、静電容量の比が閾値th1より大きく且つ閾値th2以下の場合、タッチ状態であると判定し、静電容量の比が閾値th2より大きい場合、プロセッサ120は、プッシュ状態であると判定する。
以上の判定について、静電容量の比に基づいてタッチ動作と、プッシュ動作とを区別して判定する利点を説明する。図5は、通常時と損傷時の静電容量を比較する一例を示すグラフである。
例えば、静電容量の基準値Cinitが10pFであり、タッチパネルに指が触れた時の静電容量Ctouchが20pFであり、タッチパネルが指で押された時の静電容量Cpushが30pFであると仮定する。この場合、CtouchはCtouch−Cinitなので10pFと計算できる。
ここで仮に、タッチパネルが割れる等の損傷により面積が半分になった場合、タッチ状態、プッシュ状態及び無接触状態での静電容量も半分になってしまう。すなわち、静電容量の基準値Cinitは、5pF、タッチ状態の静電容量Ctouchは、10pF、プッシュ状態の静電容量Cpushは、15pFとなってしまう。
このような通常時と損傷時でのセンサ装置の判定について、図6を用いて説明する。図6は、通常時と損傷時の静電容量の比を比較する一例を示すグラフである。図6に示すように、通常では、プッシュ状態での静電容量の比は、Cpush/Cinit=30/10=3となる。また、通常では、タッチ状態での静電容量の比は、Ctouch/Cinit=20/10=2となる。また、通常では、無接触状態での静電容量の比は、Cinit/Cinit=10/10=1となる。
例えば、無接触状態とタッチ状態を区別する閾値th1=1.5とし、タッチ状態とプッシュ状態を区別する閾値th2=2.5とすると、静電容量の比と、閾値th1及びth2との大小関係により、無接触状態、タッチ状態及びプッシュ状態とが区別して判定できる。
そして、損傷時では、プッシュ状態での静電容量の比は、Cpush/Cinit=15/5=3となる。また、損傷時では、タッチ状態での静電容量の比は、Ctouch/Cinit=10/5=2となる。また、損傷時では、無接触状態での静電容量の比は、Cinit/Cinit=5/5=1となる。
つまり、通常時であれ損傷時であれ、無接触状態とタッチ状態を区別するための閾値th1を、1より大きく、1+Ctouch/Cinit(即ち、1+10/10=2)より小さい値と設定することにより、無接触状態とタッチ状態を区別することができる。また、閾値th2を2より大きく、3より小さい値と設定することによりタッチ状態とプッシュ状態とを区別できる。
このように、タッチパネルが割れる等の損傷により、各状態での静電容量が半分となったとしても、静電容量の比で判定することにより、静電容量の絶対値に左右されずに、タッチ状態、プッシュ状態及び無接触状態を区別して判定することができる。
一方、特許文献1、2に記載されたセンサ装置は、静電容量の変化量に基づいてタッチとプッシュとを区別して判定している。図7は、通常時と損傷時の静電容量の変化量を比較する一例を示すグラフである。図7に示すように、タッチパネルに指が触れた場合、通常では、静電容量の変化量は、Ctouch−Cinit=10pFとなる。そして、タッチパネルが指で押された場合、通常では、静電容量の変化量は、Cpush−Cinit=20pFとなる。
例えば、無接触状態とタッチ状態を区別する閾値th1’=5pFとし、タッチ状態とプッシュ状態を区別する閾値th2’=15pFとすると、静電容量の変化量と、閾値th1’及びth2’との大小関係により、無接触状態、タッチ状態及びプッシュ状態とが区別して判定できる。
しかしながら、損傷時では、タッチ状態での静電容量の変化量は、Ctouch−Cinit=5pFとなる。また、損傷時では、プッシュ状態での静電容量の変化量は、Cpush−Cinit=10pFとなる。ここで、損傷時のプッシュ状態での静電容量の変化量10pFは、タッチ状態とプッシュ状態を区別する閾値th2’=15pF以下であるので、タッチ状態であると誤った判定がなされてしまう。同様にタッチ状態での静電容量の変化量5pFは、無接触状態とタッチ状態を区別する閾値th1’=5pF以下であるので、無接触状態であると誤った判定がなされてしまう。
このように、引用文献1、2に記載されたセンサ装置では、損傷時にタッチ状態、プッシュ状態を誤って判定してしまう。
上述のように、特許文献1、2のセンサ装置は、損傷等によりタッチパネルの静電容量が変化すると、静電容量の変化量も影響を受けてしまい、静電容量の変化量に基づいたタッチ動作と、プッシュ動作との判定にも誤りが生じうる。しかしながら、本実施の形態のセンサ装置は、損傷等によりタッチパネルの静電容量が変化したとしても、静電容量の比に影響がないので、静電容量の比に基づいたタッチ動作と、プッシュ動作とを正しく区別して判定できる。
このように、実施の形態1のセンサ装置によれば、タッチセンサの静電容量の比に基づいて、タッチセンサがタッチされている状態と、タッチセンサがプッシュされている状態とを区別して判定することにより、環境または損傷等により誘電層の誘電率や導電層と積層している面積が変化しても、タッチ動作及びプッシュ動作を正しく判定できる。
(実施の形態2)
上述したように、実施の形態1のセンサ装置100は、絶縁層104の誘電率及び厚みに依拠する静電容量がタッチ状態の判定に大きく影響し、誘電層102及び絶縁層104の厚さの減少による静電容量の増加がプッシュ状態の判定に大きく影響する。
実施の形態2では、実施の形態1のセンサ装置100の誘電層102として内部に気泡を含む樹脂層を用いる例について説明する。
内部に気泡を含む樹脂層を誘電層102に用いたコンデンサは、樹脂より比誘電率が低い気体を含むので、気泡を含まない樹脂そのものを用いた場合よりも静電容量が小さい。一方、気体は分子密度が樹脂より小さいので、応力を加えると、気体の方が樹脂より圧縮されやすく、樹脂より先に気泡が圧縮変形する。したがって、内部に気泡を含む樹脂層を誘電層102として用いる場合、応力が加えられることにより、内部に気泡を含む樹脂層内の気泡が変形し、比誘電率の低い気体の体積が減少するので、誘電層102の比誘電率が上昇する。また、樹脂より先に気泡が変形することにより、誘電層102が所定の応力で押圧された場合、体積の減少率が気泡を含まない場合より大きい。
そして、押圧が解除されると、変形していた気泡や樹脂の形状が復元する。
すなわち、内部に気泡を含む樹脂層を誘電層102に用いたコンデンサは、応力が加えられない状態から、応力を加えられた状態に変化したときに、誘電率の上昇し、また厚さの減少が大きいことにより、静電容量の変化が大きい。
したがって、プッシュ状態の判定に大きく影響する誘電層102を内部に気泡を含む樹脂層とすることにより、タッチ状態とプッシュ状態での、静電容量の変化を大きくする。
樹脂層を形成する樹脂は、加熱による溶融と冷却による固化とを可逆的に繰り返し得るものの他、硬化したものも用い得る。なお、ここでいう樹脂とは単独の樹脂はもちろん、複数の樹脂や硬化剤や各種添加剤を含む樹脂組成物をも含む意である。樹脂の種類としては、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、エチレン酢酸ビニル系等種々のものが挙げられる。
固化と溶融を可逆的に繰返し得る樹脂組成物の1つとして、いわゆるホットメルト型の接着剤の利用が挙げられる。樹脂や添加剤等を溶融し均一にした後、気体を吹き込みながら冷却することにより、ホットメルト型の接着剤に気泡を含有させることができる。気泡を含有する固体状態のホットメルト型の接着剤を導電層101、103との間に挟み、加熱しホットメルト型の接着剤を軟化・溶融した後、冷却すれば、誘電層102の両側に導電層101、103を積層することができる。
なお、本発明でいう気泡とは、空隙を有すという意である。即ち、一般的には気泡とは閉じた領域に気体を内包する状態を指すと思われるが、本発明では表面に開口部を有する空隙を内部に有すものも好適に使用できる。表面の開口部は複数でもよい。例えば、蟻の巣穴状態の空隙であってもよい。もちろん、閉じた領域に気体を内包する一般的な意味での気泡と蟻の巣穴状態の空隙とが混在する状態であってもよい。従って、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等、いわゆる「発泡体」も誘電層102として利用できる。発泡させる手段は特に限定されず、空隙内の気体としては空気、窒素等が挙げられる。
以下にタッチセンサ110の第1導電層101、誘電層102、第2導電層103、絶縁層104及び保護層105を形成する実施例について説明する。
製造例1では、第1及び第2導電層101、103を形成するための材料について、
製造例2では、絶縁層104及び保護層105を形成するための材料について、それぞれ説明する。
実施例1は、製造例1で得られた導電層形成材料と、発泡ホットメルトと、製造例2で得られた絶縁層及び保護層形成材料とを組合せてなるタッチセンサについて説明する。
実施例2は、製造例2で得られた絶縁層及び保護層形成材料の代わりにポリイミドフィルムを用いてなるタッチセンサについて説明する。
[製造例1]
<合成例1:ポリウレタンウレア樹脂Aの合成例>
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、ポリオキシテトラメチレングリコール(「PTG−2000SN」、Mn=2029 保土ヶ谷化学工業社製)195.0部、ジメチロールブタン酸6.70部、イソホロンジイソシアネート40.8部、トルエン70.0部を仕込み、窒素雰囲気下90℃4時間反応させ、これにトルエン250部を加えて、Mw=22,000のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー溶液を得た。
次に、イソホロンジアミン6.11部、ジ−n−ブチルアミン0.59部、2−プロパノール112.5部、トルエン184.5部を混合したものに、得られたイソシアネート基を含むウレタンプレポリマー溶液506.3部を添加し、85℃4時間反応させ、Mw=105,000、酸価=10.2mgKOH/g、不揮発分25%であるポリウレタンウレア樹脂Aの溶液を得た。
<合成例2:ポリアミド樹脂エラストマーBの合成>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、多塩基酸化合物としてプリオール1009(CRODA社製水添蒸留ダイマー酸)を173.5g、ポリアミン化合物としてプリアミン1074(CRODA社製ダイマージアミン)を157.9g仕込み、発熱の温度が一定になるまで撹拌した。温度が安定したことを確認後110℃まで加熱し、脱水反応の開始を確認してから、30分間かけて温度を120℃まで加熱した。その後、温度が30分間で10℃高くなる速度で加熱を行った。温度が230℃に到達した後は、温度を維持して3時間反応を継続した。その後、約2kPaの真空下まで減圧した状態を1時間保持した後、冷却した。次いで、酸化防止剤を添加し、重量平均分子量124000、酸価4mgKOH/g、ガラス転移温度−58℃、25℃における貯蔵弾性率45MPA、引張弾性率11MPAのポリアミド樹脂エラストマーBを得た。
<センサ用導電層形成材料の製造例>
合成例1で得られたポリウレタンウレア樹脂A−1の溶液:400部、ビスフェノールAタイプエポキシ:60部(「アデカレジンEP−4100」、エポキシ当量=190g/Eq ADEKA社製)、エラストマーとして合成例2で得られたポリアミド樹脂B:75部、導電性フィラーとして格体に銅、被覆層に銀を使用した樹枝粒子(D50=11μm、福田金属箔粉工業社製)300部、硬化剤として、2−メチルイミダゾール:3部、無機フィラーとしてシリカ(「NipsilSS−50F」東ソーシリカ社製):25部、シランカップリング剤としてn−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランを混合し、導電層形成用ペーストを得た。
この導電層形成用ペーストを剥離性シートに塗工して100℃で2分間乾燥させ、厚さ40μmのセンサ用導電層形成材料を得た。センサ用導電層形成材料のゲル分率を後述する方法に従って求めたところ80%であった。
<ゲル分率>
100メッシュのステンレス金網を幅30mm・長さ100mmに準備し、重量(W1)を測定した。続いて、センサ用導電層形成材料を幅10mm・長さ80mmの大きさに準備し、前記ステンレス金網でセンサ用導電層形成材料が見えないように包み試験片とし、重量(W2)を測定した。作製した試験片を室温(25℃)でメチルエチルケトン(MEK)中に浸漬し、1時間放置した。次いで試験片をMEKから取り出し、150℃で10分間乾燥した後、重量(W3)を測定した。そして下算式(1)を用いてゲル分率を算出した。
(W3−W1)/(W2−W1)×100[%] 数式(1)
[製造例2:センサ用絶縁層及び保護層形成材料]
<合成例3:カルボキシル基含有変性エステル樹脂Cの合成>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、ポリカーボネートジオール(クラレポリオールC−2090:株式会社クラレ製:3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=9/1(モル比)共重合ポリカーボネートジオール:水酸基価=56mgKOH/g、Mw=2000)292.1部、テトラヒドロ無水フタル酸(リカシッドTH:新日本理化株式会社製)44.9部、溶剤としてトルエン350部を仕込み、窒素気流下、攪拌しながら60℃まで昇温し、均一に溶解させた。続いてこのフラスコを110℃に昇温し、3時間反応させた。その後、40℃に冷却後、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YD−8125:東都化成株式会社製:エポキシ当量=175g/eq)62.9部、触媒としてトリフェニルホスフィン4部を添加して110℃に昇温し、8時間反応させた。室温まで冷却後、テトラヒドロ無水フタル酸11.8部を添加し、110℃で3時間反応させた。室温まで冷却後、トルエンで固形分が35%になるよう調整し、カルボキシル基含有変性エステル樹脂Cの溶液を得た。本合成例によって得たカルボキシル基含有変性エステル樹脂Cの重量平均分子量は12600、実測による樹脂固形分の酸価は15.3mgKOH/gであった。
<センサ用絶縁層及び保護層形成材料の製造例>
合成例3で得られたカルボキシル基含有変性エステル樹脂Cの溶液の固形分100部に対して、多官能グリシジルエーテル型エポキシ樹脂(三菱化学社製「エピコート1031S」)20部、及び熱硬化助剤としてケミタイトPZ(株式会社日本触媒製、多官能アジリジン化合物)1部を混合し、絶縁性塗料を得た。
この絶縁性塗料を剥離性シート上に、乾燥後の膜厚が30μmとなるように均一に塗工して乾燥させ、センサ用絶縁層及び保護層形成材料を得た。
<<実施例1>>
それぞれ、寸法10cm×10cmの、
絶縁層104として製造例2で得られた厚さ30μmのセンサ用絶縁層形成材料、
導電層103として製造例1で得られた導電層形成材料(剥離性シートは剥がした)、
誘電層102として厚さ700μmの発泡ホットメルト(東洋アドレ社製)、
導電層101として製造例1で得られた導電層形成材料(剥離性シートは剥がした)、
保護層105として製造例2で得られたセンサ用保護層形成材料を、
この順に積層し、170℃、2MPa、5分の条件で圧着処理をした後、160℃の電気オーブンで60分加熱をして、寸法10cm×10cmの[絶縁層/導電層/誘電層/導電層/絶縁層]という5層構成のタッチセンサを得た。
なお積層の際に10mm×30mmの新日鐵株式会社製ポリイミド銅貼り積層板「エスパネックスM」の銅箔面側の端部を導電層側に正方形の対辺に1つずつ設置し、静電容量を測定する際の取り出し電極とした。
<<実施例2>>
それぞれ、寸法10cm×10cmの、
絶縁層104として厚さ100μmのポリイミドフィルム(デュポン(株)製、カプトン400H)、
導電層103として製造例1で得られた導電層形成材料(剥離性シートは剥がした)、
誘電層102として厚さ700μmの発泡ホットメルト(東洋アドレ社製)、
導電層101として製造例1で得られた導電層形成材料(剥離性シートは剥がした)、
保護層105として前記ポリイミドフィルムを、
この順に積層し、実施例1と同様にしてタッチセンサを得た。
実施例1で得られたタッチセンサについて、導電層101を接地し、無接触状態、タッチ状態、プッシュ状態の静電容量をそれぞれ測定すると、無接触状態:199pF、タッチ状態:221pF、プッシュ状態:300pFとなる。
同様に実施例2で得られたタッチセンサについても、無接触状態、タッチ状態、プッシュ状態の静電容量を測定すると、無接触状態:199pF、タッチ状態:206pF、プッシュ状態:285pFとなる。
このように実施の形態2のセンサ装置によれば、誘電層に樹脂中に気泡を含む発泡ホットメルトを用いた静電容量式タッチセンサを採用することにより、応力が加えられない状態から、応力を加えられた状態に変化したときに、静電容量の変化が大きくなるので、タッチ動作及びプッシュ動作との判定を区別しやすくできる。
また、上述したように、発泡ホットメルトは、応力が加えられると気泡が変形するので、誘電層102に発泡ホットメルトを用い、絶縁層104に一般的な樹脂等を用いると、押圧時の誘電層102の厚さの減少は、絶縁層104の厚さの減少より大きくなる。したがって、プッシュ状態の判定に大きく影響する誘電層102の厚さの減少による静電容量の変化量が、タッチ状態とプッシュ状態で大きく変化するので、タッチ動作とプッシュ動作との判定を区別しやすくなる。
このように実施の形態2のセンサ装置によれば、押圧時の前記誘電層102の厚さの減少が、前記絶縁層104の厚さの減少より大きいことにより、応力を加えられた状態に変化したときに、静電容量の変化が大きくなるので、タッチ動作とプッシュ動作との判定を区別しやすくできる。
(実施の形態3)
実施の形態3では、タッチ動作とプッシュ動作との判定をさらに区別しやすくするために、誘電層102と絶縁層104の誘電率及び厚さの最適な範囲を決定した。
<<実施例3〜6>>
実施例1では30μmであった絶縁層104の厚みを0.013mmとし、
0.7mmであった誘電層102の厚みを0.7mm(実施例3)、1.4mm(実施例4)、2.1mm(実施例5)、2.8mm(実施例6)とし、面積を2×2cmとした以外は、実施例1と同様にしてタッチセンサを得た。
<<実施例7〜8>>
実施例1では30μmであった絶縁層104の厚みを0.022mm(実施例5)、0.044mm(実施例8)とし、面積を2×2cmとした以外は、実施例1と同様にしてタッチセンサを得た。
<<実施例9>>
合成例3で得られたカルボキシル基含有変性エステル樹脂Cの溶液の固形分100部に対して、多官能グリシジルエーテル型エポキシ樹脂(三菱化学社製「エピコート1031S」)11.2部、酸化チタン55.2部、分散剤1.4部を混合し、絶縁性塗料を得た。
この絶縁性塗料を剥離性シート上に、乾燥後の膜厚が0.024mmとなるように均一に塗工して乾燥させ、センサ用絶縁層及び保護層形成材料を得た。
前記センサ用絶縁層及び保護層形成材料を用い、面積を2×2cmとした以外は、実施例1と同様にしてタッチセンサを得た。
<<実施例10>>
酸化チタンを646部、分散剤を16.2部とした以外は実施例9と同様にしてタッチセンサを得た。
<<実施例11>>
実施例1では30μmであった絶縁層104の厚みを0.013mmとし、
実施例1で誘電層102として用いた発泡ホットメルトの代わりに、厚み0.7mmのウレタンフォームの両面にそれぞれ粘着層を有する総厚0.85mmの両面粘着テープを用い、面積を2×2cmとした以外は、実施例1と同様にしてタッチセンサを得た。
<<実施例12〜14>>
実施例11で用いた両面粘着テープを2層(実施例12)、4層(実施例13)、6層(実施例14)貼り合せ、それぞれ1.7mm、3.4mm、5.1mmの厚みの誘電層102として用い、面積を2×2cmとした以外は、実施例1と同様にしてタッチセンサを得た。
以下の実施例3〜14では、無接触状態をInitialで示し、タッチ状態をtouchで示し、プッシュ状態をPushで示している。またプッシュ状態については、タッチセンサ110を押す力を1N、2N、5N、10N、20N、50Nとした場合の静電容量の比をそれぞれ示している。そして、実施例3〜14では、無接触状態、タッチ動作及びプッシュ動作を複数回繰り返し、それぞれの動作における静電容量を測定した。そして、無接触状態の静電容量を基準として、静電容量の比の分布を算出した。
図8〜図19は、タッチ動作及びプッシュ動作におけるタッチセンサの静電容量の比の分布を示す散布図である。図8〜19において、横軸は、接触無し状態を基準とした静電容量の比を示し、縦軸は頻度を示す。図8〜19における誘電層102及び絶縁層104の条件を以下の表1に示す。
Figure 2017138644
図8〜15に示すように、誘電層102の誘電率が、絶縁層104の誘電率より小さい場合、無接触状態と、タッチ状態との静電容量の比が大きく異なるので、無接触状態と、タッチ状態とを区別して判定する場合に有利である。逆に、図16〜19に示すように、誘電層102の誘電率が、絶縁層104の誘電率より大きい場合、タッチ状態と、プッシュ状態との静電容量の比が大きく異なるので、タッチ状態と、プッシュ状態とを区別して判定する場合に有利である。
このように、実施の形態3のセンサ装置によれば、タッチパネルの誘電層の誘電率を、絶縁層の誘電率より小さくすることにより、無接触状態とタッチ状態との区別を容易にすることができる。
また、実施の形態3のセンサ装置によれば、タッチパネルの誘電層の誘電率を、絶縁層の誘電率より大きくすることにより、タッチ状態とプッシュ状態の区別を容易にすることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、第1導電層101と、誘電層102と、第2導電層103と、絶縁層104の4層構造について記載しているが、各層の間に、接着のための層等、別の層を加えてもよい。また、保護層105の代わりに絶縁基板等を用いても良い。
また、上記実施の形態では、閾値判定において、静電容量の比が閾値より大きい、または閾値以下である判定を行っているが、静電容量の比が閾値以上、または閾値より小さいで判定してもよい。
また、上記実施の形態では、一つのタッチセンサ110を備えるセンサ装置100として記載しているが、タッチセンサ110の数は特に限定されない。例えば、タッチセンサ110を一面の行及び列で複数配置し、第1導電層101及び第2導電層103をマトリックス状に形成してもよい。
また、静電容量比算出器111及び判定器112については、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアまたはソフトウェアで実施できる。また、処理の一部をソフトウェアで実施し、それ以外をハードウェアで実施することとしても良い。ソフトウェアで実施する際には、マイクロプロセッサ等の1つあるいは複数のCPU(Central Processing Unit)を有するコンピュータシステムに機能ブロックの処理に関するプログラムを実行させればよい。これらのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、DVD−R(DVD Recordable)、DVD−R DL(DVD-R Dual Layer)、DVD−RW(DVD ReWritable)、DVD−RAM、DVD+R、DVR+R DL、DVD+RW、BD−R(Blu-ray(登録商標) Disc Recordable)、BD−RE(Blu-ray (登録商標)Disc Rewritable)、BD−ROM、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
また、実施の形態2で述べた内部に気泡を含む樹脂は、誘電層102に適用することにより、プッシュ状態の静電容量とタッチ状態の静電容量の差を大きくできるので、静電容量の変化量で、無接触状態、タッチ状態及びプッシュ状態を判定するセンサ装置に適用してもよい。すなわち、誘電層102が発泡ホットメルト樹脂で構成され、プロセッサ120に、タッチセンサ110の静電容量の変化量の算出、図7で説明した判定を行ってもよい。また、誘電層102に発泡ホットメルト樹脂を用いることにより、静電容量を測定して他の判定方法で無接触状態、タッチ状態及びプッシュ状態を判定するセンサ装置に適用してもよい。
また、上記実施形態のセンサ装置における誘電層は弾性を有する弾性体であってもよい。誘電層に弾性体を用いた静電容量式タッチセンサを採用することにより、応力が加えられない状態から、応力を加えられた状態に変化したときに、静電容量の変化が大きくなるので、タッチ動作及びプッシュ動作との判定を区別しやすくできる。
(付記1)
内部に気泡を含む樹脂からなる誘電層を有し、人体の接触または押圧により静電容量が変化するタッチセンサと、
前記タッチセンサの静電容量の変化量に基づいて、前記タッチセンサがタッチされている状態と、前記タッチセンサがプッシュされている状態とを区別して判定するプロセッサと、を備えるセンサ装置。
100 センサ装置
101 導電層
102 誘電層
103 導電層
104 絶縁層
105 保護層
110 タッチセンサ
111 静電容量比算出器
112 判定器
120 プロセッサ
C201 コンデンサ
C202 コンデンサ

Claims (9)

  1. 人体の接触または押圧により静電容量が変化するタッチセンサと、
    前記タッチセンサにおける、接触または押圧された状態の静電容量と無接触状態の静電容量との比に基づいて、前記タッチセンサがタッチされている状態と、前記タッチセンサがプッシュされている状態とを区別して判定するプロセッサと、を備えるセンサ装置。
  2. 前記タッチセンサは、少なくとも第1導電層、誘電層、第2導電層及び絶縁層を備える請求項1に記載のセンサ装置。
  3. 前記第1導電層を接地し、
    前記プロセッサは、前記第2導電層と接地との間の静電容量を測定して、前記比を算出する請求項2に記載のセンサ装置。
  4. 前記誘電層は、内部に気泡を含む樹脂である請求項2または3に記載のセンサ装置。
  5. 押圧時の前記誘電層の厚さの減少は、前記絶縁層の厚さの減少より大きい請求項2から4のいずれかに記載のセンサ装置。
  6. 前記誘電層の誘電率が、前記絶縁層の誘電率より小さい請求項2から5のいずれかに記載のセンサ装置。
  7. 前記誘電層の誘電率が、前記絶縁層の誘電率より大きい請求項2から5のいずれかに記載のセンサ装置。
  8. 人体の接触または押圧により静電容量が変化するタッチセンサにおける、接触または押圧された状態の静電容量と無接触状態の静電容量との比を算出し、
    前記比に基づいて、前記タッチセンサがタッチされている状態と、前記タッチセンサがプッシュされている状態とを区別して判定するタッチ・プッシュ判定方法。
  9. 人体の接触または押圧により静電容量が変化するタッチセンサにおける、接触または押圧された状態の静電容量と無接触状態の静電容量との比を算出するステップと、
    前記比に基づいて、前記タッチセンサがタッチされている状態と、前記タッチセンサがプッシュされている状態とを区別して判定するステップと、
    判定結果を外部に出力するステップと、をコンピュータに実行させるタッチ・プッシュ判定プログラム。
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