JP2017138369A - 像加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

像加熱装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017138369A
JP2017138369A JP2016017446A JP2016017446A JP2017138369A JP 2017138369 A JP2017138369 A JP 2017138369A JP 2016017446 A JP2016017446 A JP 2016017446A JP 2016017446 A JP2016017446 A JP 2016017446A JP 2017138369 A JP2017138369 A JP 2017138369A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grease
lubricant
image
rotating body
cylindrical rotating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016017446A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6708421B2 (ja
JP2017138369A5 (ja
Inventor
健介 梅田
Kensuke Umeda
健介 梅田
田中 正志
Masashi Tanaka
正志 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2016017446A priority Critical patent/JP6708421B2/ja
Priority to US15/417,553 priority patent/US10067447B2/en
Publication of JP2017138369A publication Critical patent/JP2017138369A/ja
Priority to US16/100,500 priority patent/US10429777B2/en
Publication of JP2017138369A5 publication Critical patent/JP2017138369A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6708421B2 publication Critical patent/JP6708421B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2039Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat with means for controlling the fixing temperature
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2017Structural details of the fixing unit in general, e.g. cooling means, heat shielding means
    • G03G15/2025Structural details of the fixing unit in general, e.g. cooling means, heat shielding means with special means for lubricating and/or cleaning the fixing unit, e.g. applying offset preventing fluid

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】加熱体上に多量の潤滑剤がある状態からでも、摺動性を損なうことなく、可及的に加熱不良の発生を抑制する。
【解決手段】加熱体2の圧接ニップ部とは反対側の面に接触する温度検知素子8を備え、温度検知素子8により温度制御された加熱体2により加熱する構成で、加熱体2の筒状回転体1との摺動面に塗布された潤滑剤9の一部が、筒状回転体1の内周面に付着して前記摺動面から流出して前記筒状回転体1の回転と共に前記摺動面に戻る構成の像加熱装置において、筒状回転体1の内周面に付着して前記摺動面の前記温度検知素子8の設置部位と対応する部位に戻る潤滑剤9の量を、筒状回転体1の回転軸方向の他の部位に戻る潤滑剤9の量よりも部分的に少なくなるように規制する潤滑剤規制手段を設けたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録材上の現像剤像を加熱する、いわゆるフィルム加熱型の像加熱装置及びこれを備えた画像形成装置に関するものである。
従来のこの種の像加熱装置としては、たとえば、特許文献1に記載のようなものが知られている。すなわち、可撓性のフィルム(筒状回転体)と、フィルム内周に摺動自在に配置される加熱体と、加熱体との間でフィルムを挟むことで圧接ニップ部を形成する加圧ローラ(加圧部材)と、を備えた構成となっている。この圧接ニップ部で、トナー像が形成された記録材を挟持搬送し、加熱体の熱と圧接ニップ部の加圧力にてトナー像を記録材に定着させる。
また、加熱体の温度は、加熱体の圧接ニップ部とは反対側の面に設置された温度検知素子により検知され、所定温度に制御されている。
一方、特許文献2では、このようなフィルム加熱型の像加熱装置において、フィルムと加熱体との間に潤滑剤を介在させ、フィルムと加熱体との間の摺動性を確保することが提案されている。
潤滑剤は、フィルム内面に均一に塗布されていることが望ましいが、製造上、加熱体の面上に塗布されることが一般的である。
特開平04−44075号公報 特開平05−27619号公報
しかしながら、潤滑剤を加熱体上に塗布する構成では、製品出荷時など、十分にフィルムが回転していないと、加熱体上に多量の潤滑剤が付着した状態となる。加熱体とフィルムの間に潤滑グリスが多量に存在すると、加熱体からフィルムへの熱の伝達を阻害するため、加熱体は高温になりやすくなる。
その結果、加熱体のフィルムの摺動面とは異なる面で温度検知し、温度制御を行う構成では、加熱体に投入する電力が抑制されるため、発生する熱量が低下する。これにより記録材に伝わる熱量も減少するため、トナーが十分溶融されない加熱不良が発生する場合がある。潤滑剤の量を減らせば加熱不良が低減できるが、そうすると、フィルムと加熱体との摩擦が大きくなり、フィルムと記録材の間でスリップが生じるおそれがある。
本発明の目的は、加熱体上に多量の潤滑剤がある状態からでも、摺動性を損なうことなく、可及的に加熱不良の発生を抑制し得る像加熱装置及び画像形成装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の像加熱装置は、
可撓性の筒状回転体と、該筒状回転体の内面に摺動自在に接触する加熱体と、前記加熱体を保持する保持部材と、前記筒状回転体を介して前記加熱体に当接して圧接ニップ部を形成する加圧部材と、前記加熱体の圧接ニップ部とは反対側の面に接触する温度検知素子と、を備え、前記圧接ニップ部にてトナー像が形成された記録材を挟持搬送し、前記温度検知素子により温度制御された前記加熱体により加熱する構成で、
前記加熱体の前記筒状回転体との摺動面に塗布された潤滑剤の一部が、前記筒状回転体の内周面に付着して前記摺動面から流出して前記筒状回転体の回転と共に前記摺動面に戻る構成の像加熱装置において、
前記摺動面の前記温度検知素子の設置位置対応部に戻る潤滑剤の量を規制する潤滑剤規制手段を設けたことを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、記録材に形成されたトナー像を形成する画像形成部と、上記像加熱装置と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、摺動性を損なうことなく、加熱体上に多量の潤滑剤がある状態からでも、可及的に加熱不良の発生を抑制することができる。
(A)は実施形態1に係るグリス規制シートを設けた定着装置の断面図、(B)は(A)のヒータホルダ部分の下面図。 実施形態1の定着装置が適用される画像形成装置の概念図。 (A)は実施形態2に係るグリス規制突起を設けた定着装置の断面図、(B)は(A)の下面図。 (A)は実施形態3に係るグリス規制リブを設けた定着装置の断面図、(B)は(A)の下面図。 (A)乃至(C)は、さらに他の実施形態に係る定着装置のヒータホルダとヒータを示す図。
以下に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係る像加熱装置、図2はこの像加熱装置を備えた画像形成装置を概念的に示している。
この像加熱装置は、図2に示すように、画像形成部200で記録材P上に形成されたト
ナー像を、加熱定着する定着装置として用いるものである。
すなわち、画像形成部200では、帯電ローラ202によって均一に帯電された感光体ドラム201の表面に、露光装置203によって画像が露光されて静電潜像が形成される。この潜像が現像装置205によってトナー像として顕像化され、トナー像が転写ローラ206によって記録材P上に転写される。
そして、トナー像Tを担持した記録材Pが、不図示の搬送手段により像加熱装置に送り込まれ、トナー像Tが加熱定着される。
次に、像加熱装置について、図1を参照して詳細に説明する。
この像加熱装置は、筒状回転体としての可撓性の定着フィルム1と、定着フィルム1の内面に摺動自在に接触する加熱体としてのヒータ2と、定着フィルム1を介してヒータ2に当接して圧接ニップ部Nを形成する加圧ローラ3と、を備えている。
ヒータ2は保持部材としてのヒータホルダ4に保持され、ヒータ2の圧接ニップ部Nとは反対側の面には、サーミスタ等の温度検知素子8が設定されている。この温度検知素子8はヒータホルダ4に接触してヒータ2の温度を検知するようになっている。トナー像が形成された記録材Pは圧接ニップ部Nにて加圧された状態で挟持搬送され、温度検知素子8により温度制御されたヒータ2により加熱されるようになっている。
定着フィルム1はテンションが加えられていない構成で、加圧ローラ3を、図中矢印の方向に回転することで、定着フィルム1を回転させる。定着フィルムはヒータ2との接触面は摺動し、加圧ローラ3との接触面は滑らずに加圧ローラの回転と共に移動する。
ヒータホルダ4は、定着フィルム1の内側に配置され、ヒータ2を保持すると共に、定
着フィルム1と摺動接触する案内部を有している。また、定着フィルム1の内側には、ヒータホルダ4を加圧ローラ3に向けて押圧する加圧ステイ7が設けられている。
ヒータ2の表面側、すなわち定着フィルム1と摺動する側には、定着フィルム1とヒータ2との摺動性を確保するために、潤滑グリス9が塗布されている。この定着フィルム1とヒータ2との摺動面間を摺動部とすると、潤滑グリス9は、定着フィルム1の内周面に一部付着して摺動部の下流側端部から流出して上流側端部に戻るように循環する。
本実施例の特徴であるグリス規制手段は定着フィルム1の内面に当接するように設置されている。
定着フィルム1は、基層1aと表層1bの2層構造になっている。基層1aは、定着フィルム1の捩れ強度、平滑性などの機械的特性を担うベース層で、ポリイミド等の樹脂或いは高熱伝導性を有するSUS等の金属、合金等でできている。表層1bは、トナーや紙粉などが付着しにくいように、離型性の良いPFAやPTFEにより形成されている。記録材への追従性を良くするために、シリコーンゴム等によりできている弾性層を基層1aと表層1b間に設置してもよい。
本実施例の定着フィルム1は、外径φ18、長手長さ230mmである。基層1aは厚み60μmのポリイミドを使用している。表層1bはPFAのコーティング処理を施して12μmの離型層を設けたものを用いた。
ヒータ2は、定着フィルムの回転軸方向に延びる細長いヒータ基板を有する。基板としては、アルミナや窒化アルミ等の絶縁性セラミックス基板や、ポリイミド、PPS、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂基板等が用いられる。基板の一面には、長手方向に沿って、Ag/Pd(銀パラジウム)等の通電発熱抵抗層がスクリーン印刷等により線状もしくは細帯状に塗工・形成されている。通電発熱抵抗層の保護、及び絶縁の確保を目的として、例えばガラス、ポリイミド樹脂などからなる絶縁保護層を、通電発熱抵抗層を覆うように基板の一面に設ける。
サーミスタ等の温度検知素子8は、ヒータ基板の裏面側に当接しており、温度検知素子8の検知温度に応じて通電発熱抵抗層への通電が制御される。
本実施例におけるヒータ2は、基板の材料としてアルミナを採用し、Ag/Pdの通電発熱抵抗層を設け、ガラスコートによる絶縁保護層を設けたものを用いている。通電発熱抵抗層の抵抗値は15Ωである。また、基板サイズは、記録材搬送方向の幅が5.83mm、長手方向の長さが270mm、厚さは1mmである。温度検知素子8には、サーミスタが使用されており、通紙時には、サーミスタの検知温度が220℃になるように通電を制御している。
加圧ローラ3は、鉄やアルミニウム等の材質の芯金31と、シリコーンゴム等の材質の弾性層32、PFA等の材質の離型層33から構成されている。加圧ローラ3の硬度は、定着性を満足するニップ幅と耐久性を満足できるように、アスカーC型硬度計600gf荷重において、30度から60度が好ましい。
本実施形態においては、芯金31は、φ11のアルミ芯金を用い、弾性層32には、断熱性を持たせるため、シリコーンゴムを発泡させたスポンジ状のゴムを3.5mmの厚みで形成し、その上に40μmの厚みの導電のPFAチューブを被覆してある。硬度は45度、外径はφ18であり、弾性層の長手長さは225mmである。不図示の定着モーターが回転することで、加圧ローラ3は回転する。
ヒータホルダ4は、定着フィルム1の姿勢維持とヒータ2の保持等を目的としており、定着フィルム1が摺動することから、液晶ポリマー、PPS、PET等の摺動性に優れる耐熱モールドが好ましい。
ヒータホルダ4は断面樋形状の長尺部材で、圧接ニップ部N側の面にヒータ2が保持さ
れる嵌合凹部41を備え、そのヒータ2の上流側と下流側において、定着フィルム1の内周に摺動接触して回転を案内する上流側案内部としての上流側ガイド部42と、下流側案内部である下流側ガイド部43とを備えている。上流側ガイド部42と下流側ガイド43は、ヒータ2と隣接し、ヒータ2の面とて同一面上に位置する平坦面42a、43aと、平坦面42a、43aから立ち上がる湾曲面42b、43bとを有している。ヒータホルダ4は、長手両端部が装置フレームに保持された加圧ステイ7と係合している。
加圧ステイ7は、断面コの字形状の長尺部材で、開放側を下に向けてヒータホルダ4の圧接ニップ部Nと反対側の嵌合凹部44に嵌り込んでいる。加圧ステイ7の長手方向両端部は、加圧手段としての不図示の加圧バネによって加圧され、ヒータホルダ4は、ヒータ2及び定着フィルム1を介して加圧ローラ3に加圧される。
加圧ステイ7は、長手両端に受けた加圧力をヒータホルダ4の長手方向に対して均一に伝えるため、鉄、ステンレス、ジンコート鋼板等の剛性のある材料を使用し、断面形状をコの字型にすることで剛性を高めている。これにより、ヒータホルダ4のたわみを抑えた状態で、加圧ローラ3長手方向に均一な所定の幅の圧接ニップ部N(a−b間)が形成される。
本実施形態において、ヒータホルダ4の材質として液晶ポリマーを用い、加圧ステイ7の材質としては、ジンコート鋼板を用いている。加圧ローラ3に印加される加圧力は13.5kgfで、このとき7mmの圧接ニップ部N幅(a−b間の距離)を有している。
潤滑グリス9は、耐熱性があるフッ素系グリスを使用しており、定着フィルム1とヒータ2、ヒータホルダ4との摺動性を低減させるために、ヒータ2の面上に塗布されている。潤滑グリス9は、定着フィルム1の回転とともに定着フィルム1の内面に広がり、定着フィルム1の摺動性を確保する。グリス量は、製品寿命を通して、摺動性を確保するために、100mgから800mgが好ましい。
本実施例においては、製品寿命は通紙5万枚とし、基油がPFPE、増ちょう剤がPTFEからなるフッ素グリスを使用している。ヒータ2面上に、長さ210mm、幅5mmの領域に350mg塗布している。
・グリス規制シート101(潤滑剤規制手段)について
本実施形態1では、定着フィルム1の内周面に付着して摺動部の温度検知素子8の設置部位と対応する部位に戻る潤滑グリス9の量を部分的に規制する潤滑剤規制手段であるグリス規制シート101が設けられている。このグリス規制シート101は、温度検知素子8の設置部位と対応する部位に戻り量を、定着フィルム1の回転軸方向(長手方向)の他の部位に戻る潤滑剤の量よりも部分的に少なくなるように規制するものである。
グリス規制シート101は、ヒータホルダ4とは別部材の規制部材であり、一端がヒータホルダ4に固定され、他端が定着フィルム1の内面に当接している。図示例では、グリス規制シート101の固定端は、ヒータホルダ4の上流側ガイド部42と加圧ステイ7の一方の脚部71との間に挟持固定され、自由端が定着フィルム1の内周面に対して回転方向上流側に向けて延び、先端が回転方向と対向する方向に接触している。接触圧は、グリス規制シート101の撓み変形に応じて弾性復元力によって保持される。
このグリス規制シート101により、定着フィルム1内面に付着した潤滑グリス9は掻き取られる。グリス規制シート101は、ヒータホルダ4の長手方向に対して、温度検知素子8の位置を覆うように設置されている。ヒータホルダ4の長手方向において、グリス規制シート101の中央部が温度検知素子8の位置になるように設置されている。
グリス規制シート101の材質は、ポリイミド等の所定厚みの樹脂製のシート材によって構成される。グリス規制シート101の厚みとしては、0.5mm程度、長手方向の規制幅としては、5〜80mm程度が好適である。5mmより小さいと、潤滑性はよいが、定着性が悪くなる。また、80mmより大きくなると、定着性はよいが、潤滑グリス量が少なくなるのでスリップが生じやすくなる。
実施形態1の作用、効果
ヒータ2面上の潤滑グリス9は、定着フィルム1の回転に伴い、定着フィルム1の内面に付着される。しかし、回転により定着フィルム1内面に付着できる潤滑グリス9の量は少量なため、大部分は、ヒータ2面上に残った状態となる。一方、温度検知素子8設置位置では、定着フィルム1内面に付着した潤滑グリス9がグリス規制シート101によりかき取られるため、定着フィルム1が一周すると、ヒータ2面上の潤滑グリス9が再び付着することができる。
定着フィルム1が回転する度に定着フィルム1に付着するため、温度検知素子8設置位置の潤滑グリス9は他の部分と比べ減少する。ヒータ2面上の潤滑グリス9が少ないと、ヒータ2の熱は定着フィルムに伝わるため、ヒータ2に電力は投入されやすくなる。これにより、定着不良の抑制をすることができる。
以上、摺動部への潤滑剤の戻り量が規制されるので、加熱体との摺動部に滞留する潤滑剤の量を少なくでき、加熱体は高温になりにくくなる。これにより、電力が抑制されることなく、定着不良を抑制することが可能となる。
特に、温度検知素子の設置部位における潤滑剤の戻りを他の部位よりも部分的に減らせば、温度検知素子の設置部位に対応する部分の潤滑剤量が部分的に少なくでき、摺動性を維持しつつ定着不良を抑制することができる。
以上より、組み立て直後などの潤滑グリス9がヒータ2面にある場合において、温度検知素子8設置位置の潤滑グリス9を規制することにより、弊害を発生させることなく、定着不良を抑制することが可能となる。
また、本実施例では、潤滑剤規制手段として、シート状の樹脂を用いたが、これに限定されるものではなく、スポンジや不織布等、耐熱性があり、定着フィルム1内面の潤滑グリス9を掻き取ることができる部材であれば、同様の効果が得られる。
(評価試験)
次に、本実施形態1について、グリス規制シート101の規制幅Wを変えて、組み立て直後の定着性及び通紙耐久後のスリップ評価試験を行った。
評価試験は、本実施形態1のグリス規制シート101の規制幅を異ならせた試験例5種類、比較例として2種類用意した。試験例は、規制幅が、3mm(試験例1)、5mm(試験例2)、10mm(試験例3)、80mmの規制幅(試験例4)、150mmの規制幅(試験例5)の5種類である。比較例は、グリス規制シート101が無いものを比較例1、グリス規制シート101が無く、潤滑グリス9の塗布量を50mgにしたものを比較例2とした。
定着性評価方法は、L/L環境(温度15℃、湿度10%)において、ヒータ2への投入電圧120Vとし、レターサイズの普通紙(坪量75g/m)を170mm/secで100枚搬送させることによって行った。
定着性はトナー画像に剥がれがない場合は○、一枚でもある場合は×とした。また、100枚通紙時のヒータ2に投入した積算電力も合わせて測定した。スリップ評価は、グリス規制シート101による定着フィルム1の摺動性悪化を確認するために行った。
評価方法は、5万枚通紙後の定着装置において、H/H環境(温度30℃、湿度80%)において、レターサイズの普通紙(坪量75g/m)を170mm/secで10枚搬送させることによって行った。スリップは10枚通紙できた場合は○、ジャムが発生した場合は、×とした。評価結果を表1に示す。
Figure 2017138369
表1に示すように、比較例1では、スリップの評価は〇であるが、ヒータ2に投入された積算電力量が少なく、定着性はNGとなった。定着性がNGとなったのは、潤滑グリス9の量が多いために、温度検知素子8による検知温度が、実際の圧接ニップ部の温度を反映していないためである。
比較例2では、潤滑グリス9の量を減らしているので、定着性の評価はOK(〇)となったが、スリップの評価がNG(×)になった。スリップの評価がNGとなったのは、潤滑グリス9の塗布量が少ないため、通紙耐久によって、定着フィルム1内面から潤滑グリス9が枯渇してしまい、定着フィルム1の摺動性が低下したためである。
これに対して、本発明の試験例では、温度検知素子8の設置位置の潤滑グリス9を規制できているために、すべて、規制しない比較例1に対して、積算電力量が多くなっていることが認められる。
ただ、シート幅が3mmの試験例1では、スリップはOKとなったものの、定着性がNGとなった。これは、グリス規制シート101の幅が狭いため、潤滑グリス9がグリス規制シート101の周囲から回りこんでしまい、十分に潤滑グリス9を規制できなかったためである。
シート幅が5mm、10mm、80mmの試験例2乃至4は、積算電力量が増加し、定着性評価はOKとなった。潤滑グリス9を規制することによる弊害であるスリップ評価もOKとなった。これは、潤滑グリス9を規制しているのが、温度検知素子8設置位置周辺に限定しているため、定着フィルム1の摺動性への影響が小さかったためである。
シート幅が150mmの試験例5では、定着性評価はOKとなったものの、スリップ評価はNGとなった。これは、グリス規制シート101の幅が広いために、定着フィルム1内面の潤滑グリス9の掻き取り領域が広く、定着フィルム1の摺動性が低下したためである。
以上の評価試験によれば、グリス規制シート101の幅が、5〜80mmのときに定着性とスリップを満たすことができた。しかし、グリス規制シート101の幅の最適範囲は、定着構成により異なり、トナー像の定着性、定着フィルム1の摺動性を確保できることが必要になる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
以下の各実施形態については、主として実施形態1と異なる点について説明するものとし、同一の構成部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
[実施形態2]
図2には、本発明の実施形態2に係る定着装置の主要部を示している。
この実施形態2は、定着フィルム1の内周面に付着する潤滑剤の摺動部への戻りを規制する潤滑剤規制手段として、グリス規制突起102をヒータホルダ4の案内部としての上流
側ガイド部42に設けたものである。すなわち、グリス規制突起102によって、形状的に、摺動部の温度検知素子8の設置部位と対応する部位に戻る潤滑剤を、定着フィルム1の回転軸方向の他の部位に戻る潤滑剤の量よりも部分的に少なくなるように規制するものである。このグリス規制突起102が、本発明の規制形状部を構成する。
グリス規制突起102は、上流側ガイド部42の温度検知素子8の設置部位に対応する部位を中心に、長手方向に所定幅だけ延びており、定着フィルム1の内面と強く擦れるように設けられている。グリス規制突起102の長手方向の長さが、潤滑グリス9を規制する規制幅Wであり、潤滑グリスの潤滑部への戻りを規制するようになっている。図示例では、上流側ガイド部42の湾曲面42b平坦面42aに移行する下端部に設けられている。
グリス規制突起102は、ヒータホルダ4の外周面に対して所定高さtだけ突出している。この突出高さtは、0.2mm程度が好適である。また、グリス規制突起102の長手方向の規制幅W2としては、5〜100mm程度が好適である。5mmより小さいと、潤滑性はよいが、定着性が悪くなる。また、100mmより大きくなると、定着性はよいが、潤滑グリス量が少なくなるのでスリップが生じやすくなる。
(実施形態2の作用)
ヒータ2面上の潤滑グリス9は、定着フィルム1の回転に伴い、定着フィルム1の内面に付着し、ヒータ2の摺動面の下流側端部から流出し、定着フィルム1の回転に従ってヒータ2の上流側端部からヒータ2の摺動面に戻る。
本実施形態2では、定着フィルム1が回転すると、ヒータホルダ4の上流側ガイド部42に設けたグリス規制突起102と定着フィルム1の内面は強く擦れるため、定着フィルム1内面の潤滑グリス9は掻きとられる。これにより、ヒータ2への潤滑グリスの戻りが規制され、温度検知素子8の設置位置対応部の潤滑グリス9は他の部分と比べて減少する。ヒータ2の摺動面上の潤滑グリス9が少ないと、ヒータ2の熱は定着フィルム1に伝わるため、ヒータ2に電力は投入されやすくなる。これにより、定着不良の抑制をすることができる。
(評価試験)
次に、本実施形態2について、グリス規制突起102の規制幅Wを変えて、実施形態1と同様に、組み立て直後の定着性及び通紙耐久後のスリップ評価試験を行った。
評価試験は、実施形態2のグリス規制突起102の試験例として、5種類、比較例として、上記実施形態1と同じく規制手段の無いものを用意した。試験例は、3mm(試験例6)、5mm(試験例7)、10mm(試験例8、80mm(試験例4)、150mm(試験例5)の5種類である。
評価試験は、実施形態1と同様に、グリス規制突起102の無いものを比較例1、グリス規制突起102の試験例として、グリス規制幅が3mm(試験例6)、5mm(試験例7)、10mm(試験例8)、100mm(試験例9)、150mm(試験例10)とした。
定着性及び通紙耐久後のスリップ評価の評価方法は、実施形態1と同様である。その結果を、表2に示す。
Figure 2017138369
表2に示すように、本実施形態2の試験例では、温度検知素子8の設置位置の潤滑グリス9を規制できているために、すべて、規制しない比較例1に対して、積算電力量が多くなっていることが認められる。
試験例6では、スリップはOKとなったものの、定着性がNGとなった。これは、グリス規制突起102の幅が狭いため、潤滑グリス9がグリス規制突起102の周囲から回りこんでしまい、十分にグリスを規制できなかったためである。
試験例7乃至9では、定着性、スリップともOKとなった。
比較例1と比べ、本実施形態2では、グリス規制突起102によって、温度検知素子8設置位置の潤滑グリス9を規制できているため、積算電力量が多く、定着性がOKとなった。潤滑グリス9を規制することによる弊害であるスリップも本実施例ではOKとなった。これは、潤滑グリス9を規制しているのが、温度検知素子8設置位置周辺に限定しているため、定着フィルム1の摺動性への影響が小さかったためである。
一方、試験例10では、定着性はOKとなったものの、スリップはNGとなった。
これは、グリス規制突起102の幅が広いために定着フィルム1内面の潤滑グリス9の掻き取り領域が広く、定着フィルム1の摺動性が低下したためである。
本実施形態2の構成では、グリス規制突起102の幅は、5mm〜100mmにおいて、定着性とスリップを満たすことができた。
しかし、グリス規制突起102の幅の最適値は、定着構成により異なるため、必ずしも5mm〜100mmにすれば良いわけではなく、温度検知素子8設置位置の潤滑グリス9を規制し、定着フィルム1の摺動性を確保できることが必要になる。
以上より、組み立て直後等の、潤滑グリス9がヒータ2面に多くある場合においても、ヒータホルダ4の上流側にグリス規制突起102を設け、温度検知素子8部の潤滑グリス9を規制することにより、定着不良を抑制することが可能となる。
なお、本実施形態2では、グリス規制突起102をヒータホルダ4の上流側ガイド部42に設けたが、下流側ガイド部43に設けてもよい。下流側ガイド部43に設けても、定着フィルム1内周面に付着した潤滑グリス9が、ヒータ2の摺動面の温度検知素子8の設置位置対応部への戻りを規制することができ、同様の効果を得ることができる。さらに、グリス規制突起102を、上流側ガイド部42及び下流側ガイド部43の双方に設置してもよく、要するにヒータ2の上流側と下流側の少なくとも一方に設けられていればよい。
[実施形態3]
図3には、本発明の実施形態3に係る定着装置の主要部を示している。
本実施形態3では、製品寿命を通紙10万枚としている。そのため、図4で示すように、ヒータホルダ4の上下流の上流側ガイド部42及び下流側ガイド部43に、定着フィルム1の回転方向に延びる潤滑リブとして、上流側リブ11a及び下流側リブ11bが回転軸方向に所定間隔で複数形成されている。上流側リブ11a及び下流側リブ11bの回転方向の長さは短く、ヒータ2の厚み程度の長さである。上流側リブ11a、下流側リブ1
1bを設置することにより、定着フィルム1とヒータホルダ4の接触面積が減り、かつ、上流側リブ11a、下流側リブ11b間を潤滑グリス9が循環しやすくなるため、摺動性が向上する。これにより製品寿命を通しての摺動性を確保している。
上流側リブ11aは、上流側ガイド部42の平坦面42に移行する湾曲面42の下端部に設けられ、下流側リブ11bは、下流側ガイド部43の湾曲面に移行する平坦面43の下流端部に設けられている。
上流側リブ11a及び下流側リブ11bのヒータホルダ4からのガイド面からの突出高さtは0.2mm、ヒータホルダ4の長手方向の幅が1mmで、長手方向に1mm間隔に設置されている。また、上流側リブ11a及び下流側リブ11bの、定着フィルム1の回転方向の長さは1mm程度である。
本実施形態3では、潤滑剤規制手段として、ヒータホルダ4の長手方向の温度検知素子8の設置部位対応部を含む範囲にある、上流側リブ11aよりも幅広のグリス規制リブ103によって構成したものである。このグリス規制リブ103は、隣接する所定数のリブがつながった形状、すなわち、上流側リブ11a間の隙間を無くした形状となっている。
このグリス規制リブ103の突出高さtは、上流側リブ11aと同じ高さで、0.2mm程度が好適である。また、グリス規制リブ103の長手方向の規制幅W2は、5mmから100mm程度の範囲とすることが好適である。
(実施形態3の作用)
次に、本実施形態3の作用について説明する。
ヒータ2の摺動面上の潤滑グリス9は、定着フィルム1の回転に伴い、定着フィルム1の内面に付着し、ヒータ2の摺動面の下流側端部から流出し、定着フィルム1の回転に従ってヒータ2の上流側端部からヒータ2の摺動面に戻る。
本実施形態3では、定着フィルム1が回転すると、ヒータホルダ4の上流側リブ11aを所定数つなげた形状のグリス規制リブ103と、定着フィルム1の内面は強く擦れるため、定着フィルム内面の潤滑グリス9は掻きとられる。これにより、ヒータ2への潤滑グリス9の戻りが規制され、温度検知素子8の設置位置対応部の潤滑グリス9は他の部分と比べ減少する。ヒータ面上の潤滑グリス9が少ないと、ヒータ2の熱は定着フィルム1に伝わるため、ヒータ2に電力は投入されやすくなる。これにより、定着不良の抑制をすることができる。
一方、ヒータ2の上流側リブ11a及び下流側リブ11bが設けられているので、その分だけ、実施形態1,2よりは潤滑性がよい。
(評価試験)
次に、本実施形態3について、グリス規制リブ103の規制幅Wを変えて、実施形態1と同様に、組み立て直後の定着性及び通紙耐久後のスリップ評価試験を行った。
評価試験は、実施形態3のグリス規制リブ103の試験例として、規制幅が5種類、比較例3として、本実施形態3のグリス規制リブ103の無い上流側リブ11a及び下流側リブ11bのみの構成について比較した。試験例は、規制幅が3mm(試験例11)、5mm(試験例12)、10mm(試験例13)、100mm(試験例14)、150mm(試験例15)の5種類である。
定着性及び通紙耐久後のスリップ評価の評価方法は、実施形態1と同様である。その結果を、表3に示す。
Figure 2017138369
表3に示すように、比較例3では、ヒータ2に投入された積算電力量が少なく、定着性はNGとなった。特に、ヒータ2の上流側リブ11a及び下流側リブ11bを備えているために、潤滑グリス9の量が多く、積算電力自体が比較例1と比べても低くなっている。
一方、本実施形態3の試験例では、グリス規制リブ103によって、温度検知素子8の設置位置の潤滑グリス9を規制できているために、規制しない比較例3に対して、積算電力量が多くなっていることが認められる。
試験例11では、スリップはOKとなったものの、定着性がNGとなった。これは、グリス規制リブ103の幅が狭いため、潤滑グリス9がグリス規制リブ103の周囲から回りこんでしまい、十分にグリスを規制できなかったためである。
試験例12乃至14では、定着性、スリップともOKとなった。
これらの試験例では、グリス規制リブ103によって、温度検知素子8の設置位置対応部の潤滑グリス9を規制できているため、積算電力量が多く、定着性がOKとなった。潤滑グリス9を規制することによる弊害であるスリップも本実施例ではOKとなった。
これは、潤滑グリス9を規制しているのが、温度検知素子8設置位置周辺に限定しているため、定着フィルム1の摺動性への影響が小さかったためである。
一方、試験例15では、定着性はOKとなったものの、スリップはNGとなった。これは、グリス規制突起102の幅が広いために、定着フィルム1内面の潤滑グリス9の掻き取り領域が広く、定着フィルム1の摺動性が低下したためである。
本実施形態2の構成では、グリス規制突起102の幅は、5mm〜100mmにおいて、定着性とスリップを満たすことができた。
しかし、グリス規制突起102の幅の最適値は、定着構成により異なるため、必ずしも5mm〜100mmにすれば良いわけではない。定着構成に応じて、温度検知素子8設置位置の潤滑グリス9を規制し、定着フィルム1の摺動性を確保できるように、規制幅が設定される。
以上より、組み立て直後等の、潤滑グリス9がヒータ2面に多くある場合においても、ヒータホルダ4に多数の潤滑リブ11を有する場合でも、上流側にグリス規制リブ103を設け、温度検知素子8部の潤滑グリス9を規制することにより、定着不良を抑制することが可能となる。
なお、本実施形態3では、グリス規制リブ103をヒータホルダ4の上流側ガイド部42に設けたが、実施形態2のグリス規制突起102と同様に、下流側ガイド部43に設けてもよい。下流側ガイド部43に設けても、定着フィルム1内周面に付着した潤滑グリス9が、ヒータ2の摺動面の温度検知素子8の設置位置対応部への戻りを規制することができ、同様の効果を得ることができる。さらに、グリス規制リブ103を、上流側ガイド部42及び下流側ガイド部43の双方に設置してもよく、要するにヒータ2の上流側と下流側の少なくとも一方に設けられていればよい。
[他の実施形態]
図4(A)は、本発明の他の実施形態に係る定着装置の主要部を示している。
この実施形態は、実施形態3のリブに代えて、潤滑溝としての複数の潤滑スリット12を設け、潤滑グリス9の潤滑を図る構成である。すなわち、ヒータホルダ4の上流側ガイド部42及び下流側ガイド部43には、定着フィルム1の回転方向に延びる潤滑溝として、上流側スリット12a及び下流側スリット12bが、回転軸方向に所定間隔で複数形成されている。図示例では、上流側スリット12a及び下流側スリット12bは、上流側ガイド部42及び下流側ガイド部43の平坦面42a,43aに設けられている。
本実施形態では、この上流側スリット12aと下流側スリット12bに対して、図4(B)では、温度検知素子8の設置部に対応する部位に、スリットの無い溝無し部としてグリス規制部104を設けたものである。
また、図4(C)に示す例は、上流側スリット12a及び下流側スリット12bに、回転軸方向の温度検知素子8の設置部と対応する部位を避ける方向に、潤滑グリス9を案内する、傾斜溝としての傾斜スリット105a、105bを設けたものである。上流側の傾斜スリット105aは温度検知素子8を軸方向から挟むように一対設けられ、回転方向下流側に向かうにしたがって、温度検知素子8を中心に、間隔が広がるように傾斜している。この傾斜スリット105aによって、潤滑グリス9は温度検知素子8に向かって広がる方向に案内され、温度検知素子8の設置部と対応する部位のグリス量が少なくなる。
また、下流側スリット105bも温度検知素子8と対応部位を軸方向から挟むように一対設けられ、回転方向下流側に向かうにしたがって、温度検知素子8を中心に、間隔が広がるように傾斜している。この傾斜スリット105bによって、潤滑グリス9は温度検知素子8に向かって広がる方向に案内されるので、やはり、定着フィルム1に付着して流出する量が、温度検知素子8の対応部が少なくなり、一周して摺動面に戻る量も少なくなる。
このように、潤滑溝としての複数の潤滑スリット12を有する場合でも、温度検知素子8の設置部と対応する部位への潤滑グリスの戻りを規制することができ、実施形態3と同様の効果を得ることができる。
尚、グリス規制部104a、104b、傾斜スリット105a、105bについては、ヒータ2に対して上流側と下流側の両方に設けているが、上流側と下流側のいずれか一方だけに設けてもよい。要するに、上流側及び下流側の少なくともいずれか一方に設ければよい。
1 定着フィルム(筒状回転体)
2 ヒータ(加熱体)
3 加圧ローラ(加圧部材)
4 ヒータホルダ(保持部材)
41 ホルダ本体部、42 上流側ガイド部、43 下流側ガイド部
8 温度検知素子
9 潤滑グリス
11a 潤滑リブ(上流側)、11b 潤滑リブ(下流側)
12a スリット(上流側)、12b スリット(下流側)
101 グリス規制シート(規制部材)
102 グリス規制突起(規制形状部)
103 グリス規制リブ(規制形状部)
104 グリス規制部
N 圧接ニップ部、P 記録材、T トナー像
W 規制幅(グリス規制シート)
W2 規制幅(グリス規制突起)
W3 規制幅(グリス規制リブ)

Claims (9)

  1. 可撓性の筒状回転体と、該筒状回転体の内面に摺動自在に接触する加熱体と、前記加熱体を保持する保持部材と、前記筒状回転体を介して前記加熱体に当接して圧接ニップ部を形成する加圧部材と、前記加熱体の圧接ニップ部とは反対側の面に接触する温度検知素子と、を備え、前記圧接ニップ部にてトナー像が形成された記録材を挟持搬送し、前記温度検知素子により温度制御された前記加熱体により加熱する構成で、
    前記加熱体の前記筒状回転体との摺動面に塗布された潤滑剤の一部が、前記筒状回転体の内周面に付着して前記摺動面から流出して前記筒状回転体の回転と共に前記摺動面に戻る構成の像加熱装置において、
    前記摺動面の前記温度検知素子の設置位置対応部に戻る潤滑剤の量を部分的に規制する潤滑剤規制手段を設けたことを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記潤滑剤規制手段は、一端が前記保持部材に固定され、他端が前記筒状回転体の内周面に当接する規制部材によって構成される請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 前記保持部材は、前記加熱体の上流側と下流側において、前記筒状回転体の内周に摺動接触して回転を案内する案内部を有し、
    前記潤滑剤規制手段は、前記保持部材の案内部に設けられ、形状的に、前記摺動部の前記温度検知素子の設置部位と対応する部位に戻る潤滑剤の量を、前記筒状回転体の回転軸方向の他の部位に戻る潤滑剤の量よりも部分的に少なくなるように規制する規制形状部によって構成される請求項1に記載の像加熱装置。
  4. 前記規制形状部は、前記上流側と下流側の少なくともいずれか一方の案内部に設けられる請求項3に記載の像加熱装置。
  5. 前記規制形状部は、前記案内部から部分的に突出する突起によって構成される請求項3又は4に記載の像加熱装置。
  6. 前記保持部材の案内部には、前記筒状回転体の回転方向に延びるリブが回転軸方向に所定間隔で複数形成されており、
    前記規制形状部は、前記筒状回転体の回転軸方向の前記温度検知素子の設置部と対応する部位において、隣接するリブがつながった形状の幅広の規制リブによって構成されている請求項3又は4に記載の像加熱装置。
  7. 前記保持部材の案内部には、前記筒状回転体の回転方向に延びる潤滑溝が回転軸方向に所定間隔で複数形成されており、
    前記規制形状部は、前記筒状回転体の回転軸方向の前記温度検知素子の設置部と対応する部位において、潤滑溝の無い溝無し部によって構成されている請求項3又は4に記載の像加熱装置。
  8. 前記保持部材の上流側案内部には、前記筒状回転体の回転方向に延びる潤滑溝が回転軸方向に所定間隔で複数形成されており、
    前記規制形状部は、前記筒状回転体の回転軸方向の前記温度検知素子の設置部と対応する部位を避ける方向に潤滑剤を案内する、回転方向に対して斜めに傾けた傾斜溝である請求項3又は4に記載の像加熱装置。
  9. 記録材に形成されたトナー像を形成する画像形成部と、記録材のトナー像を加熱する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の像加熱装置と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
JP2016017446A 2016-02-01 2016-02-01 像加熱装置及び画像形成装置 Active JP6708421B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016017446A JP6708421B2 (ja) 2016-02-01 2016-02-01 像加熱装置及び画像形成装置
US15/417,553 US10067447B2 (en) 2016-02-01 2017-01-27 Image heating device and image forming apparatus having regulation of lubricant
US16/100,500 US10429777B2 (en) 2016-02-01 2018-08-10 Image heating device and image forming apparatus that regulate a lubricant

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016017446A JP6708421B2 (ja) 2016-02-01 2016-02-01 像加熱装置及び画像形成装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2017138369A true JP2017138369A (ja) 2017-08-10
JP2017138369A5 JP2017138369A5 (ja) 2019-03-14
JP6708421B2 JP6708421B2 (ja) 2020-06-10

Family

ID=59386665

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016017446A Active JP6708421B2 (ja) 2016-02-01 2016-02-01 像加熱装置及び画像形成装置

Country Status (2)

Country Link
US (2) US10067447B2 (ja)
JP (1) JP6708421B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021081690A (ja) * 2019-11-22 2021-05-27 キヤノン株式会社 定着装置及び画像形成装置

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10838332B2 (en) * 2016-07-21 2020-11-17 Canon Kabushiki Kaisha Image heating device
JP2018087908A (ja) * 2016-11-29 2018-06-07 株式会社沖データ 定着装置および画像形成装置
JP2020140098A (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置、画像形成装置
JP2020140097A (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置、画像形成装置
JP2020197701A (ja) * 2019-05-31 2020-12-10 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置および画像形成装置
JP7370221B2 (ja) * 2019-11-01 2023-10-27 東芝テック株式会社 加熱装置および画像処理装置
JP2021196380A (ja) 2020-06-09 2021-12-27 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置および画像形成装置
US11609521B1 (en) * 2021-08-25 2023-03-21 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Fixing device

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6818290B1 (en) * 2003-09-29 2004-11-16 Lexmark International, Inc. Belt fuser belt
JP2011033654A (ja) * 2009-07-29 2011-02-17 Canon Inc 像加熱装置
JP2014066851A (ja) * 2012-09-26 2014-04-17 Brother Ind Ltd 定着装置
JP2015045785A (ja) * 2013-08-29 2015-03-12 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP2015228017A (ja) * 2014-05-07 2015-12-17 キヤノン株式会社 画像加熱装置、ヒータ、交換用のベルト、およびベルトの交換方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2884714B2 (ja) 1990-06-11 1999-04-19 キヤノン株式会社 像加熱装置
JPH0527619A (ja) 1991-07-19 1993-02-05 Canon Inc 加熱装置
JP5153263B2 (ja) 2007-08-28 2013-02-27 キヤノン株式会社 定着装置
JP5852332B2 (ja) 2011-06-03 2016-02-03 キヤノン株式会社 画像加熱装置
JP6012233B2 (ja) * 2012-04-11 2016-10-25 キヤノン株式会社 像加熱装置
JP2014194445A (ja) * 2013-03-28 2014-10-09 Brother Ind Ltd 画像形成装置および熱定着装置
JP6686399B2 (ja) * 2015-12-04 2020-04-22 ブラザー工業株式会社 定着装置、定着装置の製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6818290B1 (en) * 2003-09-29 2004-11-16 Lexmark International, Inc. Belt fuser belt
JP2011033654A (ja) * 2009-07-29 2011-02-17 Canon Inc 像加熱装置
JP2014066851A (ja) * 2012-09-26 2014-04-17 Brother Ind Ltd 定着装置
JP2015045785A (ja) * 2013-08-29 2015-03-12 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP2015228017A (ja) * 2014-05-07 2015-12-17 キヤノン株式会社 画像加熱装置、ヒータ、交換用のベルト、およびベルトの交換方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021081690A (ja) * 2019-11-22 2021-05-27 キヤノン株式会社 定着装置及び画像形成装置
JP7427431B2 (ja) 2019-11-22 2024-02-05 キヤノン株式会社 定着装置及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6708421B2 (ja) 2020-06-10
US20180348677A1 (en) 2018-12-06
US10429777B2 (en) 2019-10-01
US20170219969A1 (en) 2017-08-03
US10067447B2 (en) 2018-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6708421B2 (ja) 像加熱装置及び画像形成装置
JP5943616B2 (ja) 像加熱装置
JP5800686B2 (ja) 定着装置
US9335688B2 (en) Image forming apparatus
JP5777668B2 (ja) 画像加熱装置
US10241453B2 (en) Fixing device
US20230229099A1 (en) Fixing device and image forming apparatus
JP2017072781A (ja) 画像加熱装置及び画像形成装置
JP2004037552A (ja) 定着装置
JP5020775B2 (ja) 像加熱装置及び画像形成装置
JP3910780B2 (ja) 画像定着ユニット
WO2019003575A1 (en) FIXING APPARATUS
JP6833964B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2019015840A (ja) 定着装置
JP6786287B2 (ja) 定着装置
JP2017009949A (ja) 画像形成装置
JP2016004161A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP6175007B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2023182389A (ja) 定着装置
JP4944429B2 (ja) 定着装置
JP2022145512A (ja) 加圧装置、定着装置および画像形成装置
JP2022151529A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2020034874A (ja) 定着装置
JP2017021301A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2024068721A (ja) 加熱装置、画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20181116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190201

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200421

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200521

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6708421

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151