JP2017135817A - 電気接続箱 - Google Patents

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勇 熊野
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Abstract

【課題】大型化や部品点数の増大を阻止しつつ、要求される回路構成を提供することができる、新規な構造の電気接続箱を提供すること。【解決手段】樹脂ケース12内に回路基板14が収容配置された電気接続箱10において、樹脂ケース12の内面に設けられた保持部28が回路基板14に当接することにより回路基板14が樹脂ケース12内に保持されている一方、樹脂ケース12の内面および保持部28に亘って延びる導電路36が形成されており、導電路36が保持部28側で回路基板14の配線42に接続されているようにした。【選択図】図3

Description

本発明は、回路基板がケース内に収容されてなる電気接続箱に関するものである。
従来から、自動車等の電装系においては、プリント基板等の回路基板をケース内に収容して、回路基板に導通された導通部材をヒューズやリレー等の電気部品や制御用等のIC部品と接続可能にすることによりスペース効率良く配設した電気接続箱が適所に用いられており、バッテリーから各種電装品への給配電や制御が効率的に行われるようになっている。
このような電気接続箱においては、近年の小型化や高密度化等の要求に応えるべく、ヒューズやリレー等の電気部品や制御用等のIC部品部のみならず、キーレスエントリシステムなどで使用されるアンテナをも回路基板に接続してケース内に収容することが行われている。例えば、特開2010−239855号公報(特許文献1)の図1には、電気接続箱のケース内に、無線受信回路を備えた回路基板としてのプリント基板と、絶縁板上に固定された導電性金属板からなるバスバーとを所要間隔を空けて収容し、プリント基板の無線受信回路の一端とバスバーとを金属製の支持部で接続する構造が開示されている。
ところが、例えばキーレスエントリシステムで使用されるアンテナの長さとしては、受信電波の波長λの好ましくは、約λ/2以上、少なくともλ/4以上(約20〜25cm)が必要であることから、電気接続箱のケース内にアンテナを収容することは、電気接続箱の大きさを非常に大型化するおそれがあった。
さらに、近年の車載電装品の増加により、電気接続箱内の回路基板上に構築される回路数も増加している。このような要求に対応すべく、複数の回路基板を多層に配設してケース内に収容する構成も提案されているが、部品点数の増加や電気接続箱の大型化が避けられず、小型化への要求との両立が困難となっていた。
特開2010−239855号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、大型化や部品点数の増大を阻止しつつ、要求される回路構成を提供することができる、新規な構造の電気接続箱を提供することにある。
本発明の第一の態様は、樹脂ケース内に回路基板が収容配置された電気接続箱において、前記樹脂ケースの内面に設けられた保持部が前記回路基板に当接することにより前記回路基板が前記樹脂ケース内に保持されている一方、前記樹脂ケースの前記内面および前記保持部に亘って延びる導電路が形成されており、該導電路が前記保持部側で前記回路基板の配線に接続されていることを特徴とする。
本態様によれば、既存の樹脂ケースを利用して、樹脂ケースの内面および保持部に亘って導電路を形成し、かかる導電路を保持部側で回路基板の配線に接続している。このような簡単な構成で、樹脂ケースの内面および保持部に亘って形成された導電路により、例えばアンテナやジャンパー配線などの新たな回路構成を有利に追加することができる。それゆえ、部品点数の増加や電気接続箱の大型化を阻止しつつ、所望の回路構成を有利に追加することができる。
なお、かかる樹脂ケースの内面と保持部に対する導電路の形成は、LDS(Laser Direct Structuring)法などのMID(Modeled Interconnect Device)工法等の既存の工法を用いて有利に行うことができる。樹脂ケースに用いられる合成樹脂としては、例えばフローやリフローによる半田付けが可能となる耐熱性のある樹脂材料(PA(ポリアミド)やPPA(ポリフタルアミド)など)が有利に用いられる。
回路基板としては、電気接続箱の内部回路として用いられるプリント基板やバスバー回路基板、単芯線回路基板等の任意のものが採用可能である。また、導電路の保持部側の端部と回路基板の配線との接続は、回路基板の配線としてのプリント配線に対する導電路の保持部側の端部の圧接や、接続端子を介した回路基板の配線と導電路の保持部側の端部との接続等の公知の任意の工法で実現できる。また、保持部は、回路基板に当接して回路基板を保持するものや、回路基板に挿通されて回路基板を位置決め保持するものを含む。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載のものにおいて、前記回路基板としてプリント基板を用いる一方、前記保持部が、前記樹脂ケースの前記内面に突出すると共に、突出先端側に前記プリント基板のスルーホールに圧入される圧入部を有しており、前記保持部の前記圧入部の外面に形成された前記導電路が前記スルーホール内に露呈された導通部に圧接されて導通されているものである。
本態様によれば、保持部の圧入部をプリント基板のスルーホールに圧入する簡単な作業のみで、プリント基板を樹脂ケース内に保持しつつ、樹脂ケースと保持部に設けた導電路をプリント基板のプリント配線に接続することができ、製造効率よく電気接続箱を製造できる。
本発明の第三の態様は、前記第一または第二の態様に記載のものにおいて、前記導電路が、1つの前記保持部側で前記回路基板の前記配線に接続されているものである。
本態様によれば、導電路が1つの保持部側で回路基板の配線に接続されていることから、かかる導電路によって例えばアンテナなどの回路を有利に構成することができる。
本発明の第四の態様は、前記第一または第二の態様に記載のものにおいて、前記導電路が、前記樹脂ケースの内面と一対の前記保持部に亘って延びており、前記一対の前記保持部側がそれぞれ前記回路基板の2つの前記配線に接続されているものである。
本態様によれば、導電路が、樹脂ケースの内面と一対の保持部に亘って延びて、一対の保持部側がそれぞれ回路基板の2つの配線に接続されていることから、導電路によって例えばジャンパー回路などを有利に構成することができる。
本発明によれば、既存の樹脂ケースを利用して、樹脂ケースの内面および保持部に亘って導電路を形成し、かかる導電路を保持部側で回路基板の配線に接続する。このような簡単な構成で、樹脂ケースの内面および保持部に亘って形成された導電路により、例えばアンテナやジャンパー配線などの新たな回路構成を有利に追加できる。それゆえ、部品点数の増加や電気接続箱の大型化を阻止しつつ、所望の回路構成を有利に追加できる。
本発明の第一の実施形態としての電気接続箱の斜視図。 図1の側面図。 図1におけるIII−III断面の斜視図。 本発明の第二の実施形態としての電気接続箱の斜視図。 図4の側面図。 図4におけるVI−VI断面の斜視図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜3には、本発明の第一の実施形態としての電気接続箱10が、示されている。図1に示されているように、電気接続箱10は、例えばポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリフタルアミド(PPA)等の合成樹脂により射出成形等によって形成された樹脂ケースであるアッパケース12と図示しないロアケースの間に、回路基板を構成するプリント基板14が収容配置された構造とされている。なお、以下の説明において、特に断りの無い限り、上方とは、図2中の上方、下方とは、図2中の下方、前方とは、図2中の左方、後方とは、図2中の右方を言うものとする。また、図1では、理解を容易とするため、後述する導電路36やプリント配線42を仮想線で記載している。
アッパケース12は、下方に向かって開口する有底箱体形状を有している。より詳細には、アッパケース12は、平面視で略矩形状の上壁部16と、上壁部16の周縁部から下方に向かって突設された内側周壁部18と、上壁部16の周縁部に連結すると共に内側周壁部18の外方に離隔した位置において内側周壁部18に沿って内側周壁部18よりも下方に向かって突出して設けられた外側周壁部20と、を含んで構成されている。そして、図1および図3に示されているように、外側周壁部20の長さ方向(図2中、左右方向)に対向する外側周壁20a,20cの端部には、図示しないロアケースの係合突起が係合する略矩形断面形状の係合孔22が貫設されている。一方、図2〜3に示されているように、内側周壁部18の角部の内側には、上壁部16の内面から下方に向かって突出する第1保持部24が設けられており、かかる第1保持部24の突出端面からさらに下方に向かって突出する略円柱形状の保持突起26が設けられている。
また、アッパケース12の上壁部16における内面の中央部分には、図1〜3に示されているように、略円筒形状の第2保持部28が下方に向かって突出して設けられており、突出先端側には後述するプリント基板14のスルーホール44に圧入される圧入部30を有している(図3参照)。さらに、第2保持部28の圧入部30の外面を含む第2保持部28の外面の略全面に亘って導電路36aが形成されている一方、アッパケース12の上壁部16の内面にも底面視で略C字状の導電路36bが形成されている。かかる導電路36a,36b同士は第2保持部28の基端部で接続されており、第2保持部28の基端部にはフランジ状のランド部38が設けられている。このように、アッパケース12には上壁部16の内面および第2保持部28に亘って延びる導電路36が形成されている。
なお、かかるアッパケース12において、上壁部16の内面および第2保持部28に対する導電路36の形成は、例えばLDS(Laser Direct Structuring)法などのMID(Modeled Interconnect Device)工法等の既存の工法を用いて有利に行うことができる。かかる導電路36は、例えば銅、ニッケル、金等のめっき層によって構成されている。
プリント基板14は、図1〜3に示されているように、ガラスエポキシ樹脂などの公知の絶縁材料で形成された略矩形平板状の絶縁基板において、その表面40等にプリント配線42等を設けたものである。また、プリント基板14の中央部分には、アッパケース12に突設された第2保持部28が挿通される略円形断面形状のスルーホール44が貫設されている(図3参照)。スルーホール44の内周面には全面に亘って導通部を構成するめっき層46が形成されていると共に、プリント基板14の表面40側においてスルーホール44の開口部の周囲にはフランジ状のランド部48が設けられている。そして、プリント基板14の表面40に設けられたプリント配線42がランド部48に接続されることにより、スルーホール44の内周面に施されためっき層46とプリント配線42が相互に接続されるようになっている。
このような構造とされたプリント基板14を、アッパケース12と図示しないロアケースの間に、収容配置することにより、本発明の電気接続箱10が完成される。より詳細には、先ず、上方に向かって開口する図示しないロアケース内にプリント基板14を載置する。続いて、かかるロアケースの開口部を覆蓋するようにアッパケース12を上方からロアケースに対して組み付ける。この結果、アッパケース12に突設された第2保持部28の圧入部30がプリント基板14に貫設されたスルーホール44に挿通されてスルーホール44の内周面に露呈されためっき層46に圧接状態で当接される。これにより、第2保持部28の外面に形成された導電路36aが第2保持部28側でプリント基板14のプリント配線42にめっき層46を介して導通接続されると共に、プリント基板14が樹脂ケースであるアッパケース12とロアケース内に位置決め保持されるようになっている。また、図2〜3に示されているように、アッパケース12の内側周壁部18の角部の内側に突設された第1保持部24の保持突起26がプリント基板14の表面40に当接することにより、プリント基板14がアッパケース12とロアケースの間に安定して保持される。さらに、アッパケース12の内側周壁部18と外側周壁部20の間に図示しないロアケースの周壁部が挿通配置される一方、アッパケース12の外側周壁部20に貫設された係合孔22に図示しないロアケースの周壁部に設けられた係合突起が係合されて、アッパケース12とロアケースが組み付け状態を安定的に維持できるようになっている。以上のように、本実施形態の電気接続箱10では、導電路36が、1つの第2保持部28側でプリント基板14のプリント配線42に接続されている。
このような構造とされた本実施形態の電気接続箱10によれば、既存のアッパケース12を利用して、アッパケース12の内面および第2保持部28に亘って導電路36を形成し、かかる導電路36を第2保持部28側でプリント基板14のプリント配線42に接続している。このようにアッパケース12の内面および第2保持部28に亘って導電路36を設けるという簡単な構成により、例えば本実施形態のように導電路36が1つの第2保持部28側でプリント基板14のプリント配線42に接続されている場合、かかる導電路36によって例えばアンテナなどの新たな回路を有利に追加することができる。それゆえ、部品点数の増加や電気接続箱の大型化を阻止しつつ、所望の回路構成を有利に追加することができるのである。
また、第2保持部28の圧入部30をプリント基板14のスルーホール44に圧入するという簡単な作業のみで、プリント基板14が樹脂ケースであるアッパケース12とロアケースの間に位置決め保持しつつ、アッパケース12の内面および第2保持部28に亘って設けられた導電路36をプリント基板14のプリント配線42に接続することができ、製造効率よく電気接続箱10を製造できる。
次に、図4〜6を用いて、本発明の第二の実施形態としての電気接続箱50について詳述するが、上記実施形態と同様な構造とされた部材および部位については、図中に、上記実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。かかる電気接続箱50は、アッパケース52の内面に一対の第2保持部28,28が突設されている点に関して、上記第一の実施形態と異なる実施形態を示すものである。より詳細には、一対の第2保持部28,28の外面の略全面に亘って導電路54aが形成されている一方、アッパケース52の内面にも略コ字状の導電路54bが形成されている。かかる導電路54a,54b同士は一対の第2保持部28,28の基端部で接続されており、導電路54がアッパケース52の内面と一対の第2保持部28,28に亘って延びている。そして、かかる一対の第2保持部28,28側の導電路54aがそれぞれプリント基板14の2つのプリント配線56a,56bに接続されている。
本実施形態の電気接続箱50においても、上記第一の実施形態と同様に、既存のアッパケース52を利用して、アッパケース52の内面および一対の第2保持部28,28に亘って導電路54を設けかつ一対の第2保持部28,28側の導電路54aをそれぞれプリント基板14の2つのプリント配線56a,56bに接続することができる。このような簡単な構成により、導電路54によって例えばジャンパー回路などの新たな回路を有利に追加することができ、部品点数の増加や電気接続箱の大型化を阻止しつつ、所望の回路構成を有利に追加することができるのである。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでない。上記実施形態では、回路基板としてプリント基板14を例示して説明を行ったが、これに限定されない。例えば、回路基板としてプリント基板14の他に、バスバー回路基板や単芯線回路基板等の任意のものが採用可能である。この場合には、例えば導電路36,54の端末に中継端子を接続し、中継端子を介して各回路基板の配線に接続することができる。また、導電路36,54の第2保持部28側の端部とプリント基板14のプリント配線42,56との接続は、上記実施形態で例示のプリント配線42,56に対する導電路36,54の第2保持部28の圧入部30の圧接の他、第2保持部28に形成した導電路36,54をプリント基板14のプリント配線42,56と任意の工法で半田付けすることでも実現可能である。
さらに、上記実施形態では、導電路36,54を、プリント基板14のスルーホール44に挿通されてプリント基板14を位置決め保持する第2保持部28に設けた例を示したが、これに限定されない。例えば、プリント基板14の表面40に当接してプリント基板14を保持する第1保持部24に導電路36,54を設け、近傍のプリント配線42,56に半田付け等により接続するようにしてもよい。
10,50:電気接続箱(第一の実施形態)、12,52:アッパケース(樹脂ケース)、14:プリント基板(回路基板)、24:第1保持部、28:第2保持部、30:圧入部、36,36a,b,54,54a,b:導電路、42,56,56a,b:プリント配線、44:スルーホール、46:めっき層(導通部)

Claims (4)

  1. 樹脂ケース内に回路基板が収容配置された電気接続箱において、
    前記樹脂ケースの内面に設けられた保持部が前記回路基板に当接することにより前記回路基板が前記樹脂ケース内に保持されている一方、
    前記樹脂ケースの前記内面および前記保持部に亘って延びる導電路が形成されており、該導電路が前記保持部側で前記回路基板の配線に接続されている
    ことを特徴とする電気接続箱。
  2. 前記回路基板としてプリント基板を用いる一方、前記保持部が、前記樹脂ケースの前記内面に突出すると共に、突出先端側に前記プリント基板のスルーホールに圧入される圧入部を有しており、前記保持部の前記圧入部の外面に形成された前記導電路が前記スルーホール内に露呈された導通部に圧接されて導通されている請求項1に記載の電気接続箱。
  3. 前記導電路が、1つの前記保持部側で前記回路基板の前記配線に接続されている請求項1または2に記載の電気接続箱。
  4. 前記導電路が、前記樹脂ケースの内面と一対の前記保持部に亘って延びており、前記一対の前記保持部側がそれぞれ前記回路基板の2つの前記配線に接続されている請求項1または2に記載の電気接続箱。
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