JP2017134123A - レンズシート、撮像モジュール、及び撮像装置 - Google Patents
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Description
なお、本形態では隣り合う光透過部22は長い下底側で連結され、土台部25とされている。従って本形態では当該土台部25が上記溝(光吸収部23)の底部を形成している。土台部25は可能な限り薄いことが好ましい。これにより迷光を抑制することができ、高い画質を得ることができる。
屈折率Nrの値は特に限定されることはなく、光透過部22と同様に考えることができる。
樹脂微粒子は、透明なものも使用できるが、顔料または染料等で着色された樹脂を用いることが好ましく、必要に応じて特定の波長を選択的に吸収するものであってよいが、好ましくは黒色に着色された樹脂微粒子が用いられる。
着色フィラーとしては、例えば、ポリマーに顔料を分散させた着色フィラーを好適に使用することができ、例えば、メタクリル酸メチルやスチレン等のモノマーに顔料を添加し、重合して得られた樹脂等を好適に使用することができる。顔料としては、公知の有機系顔料や無機系顔料を使用でき、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、ペリレンブラック等の有機系黒色顔料や、銅、鉄、クロム、マンガン、コバルト等を含有した無機系黒色顔料やチタンブラック等を好適に使用することができる。
カーボンブラックは、平均粒子径が10nm以上500nm以下のものを好適に使用することができ、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー等が使用できる。また、市販のものを使用することもでき、例えば、HCFシリーズ、MCFシリーズ、RCFシリーズ、LFFシリーズ(いずれも三菱化学株式会社製)、バルカンシリーズ(キャボット社製)、ケッチェンシリーズ(ライオン株式会社製)等を好適に使用することができる。
ここで「平均粒子径」とは、光吸収粒子を100個電子顕微鏡で観察してその直径を計り、算術平均した直径を意味する。
これにともなって、光吸収の観点から光吸収粒子の光学濃度が2.4以上4.7以下であることが好ましい。
また、当該断面は必ずしも等脚台形である必要はなく、一方の脚と他方の脚とが線対称でなく、一方と他方とで傾斜角度や形状が異なるように構成してもよい。
この第一シート21の単位レンズ要素24と第二シート31の単位レンズ要素24とにより、マイクロレンズと同様の効果を奏するように光を制御する。すなわち、レンズシート10を透過した光が単位レンズ要素24により画像センサ11の受光面に焦点を結ぶように集光される。従って、単位レンズ要素24の曲率半径Rや屈折率はこのように光を制御できるように決められている。
そのための単位レンズ要素24の断面形状は特に限定されることはなく、楕円の一部、円弧、及び多角形状であってもよく、これらが組み合わされた形状であってもよい。
光透過部22、及び単位レンズ要素24の配列ピッチPは20μm以上180μm以下とすることが好ましい。従って光吸収部23のピッチも同様である。このとき、光透過部22のうち、単位レンズ要素24が配置された側のピッチ方向(幅方向)の大きさDは、単位レンズ要素24の幅でもあり、20μm以上180μm以下が好ましい。同じように単位レンズ要素24が配置された側の面における光吸収部23のピッチ方向(幅方向)の大きさWは2μm以上30μm以下であることが好ましい。
このうち、単位レンズ要素24の厚さT1は2μm以上40μm以下であることが好ましい。また、光透過部22、及び光吸収部23の厚さT2は20μm以上470μm以下であることが好ましい。
そして土台部25の厚さT3は1μm以上50μm以下であることが好ましい。これにより、迷光や光透過部22に入射した光が、隣接する他の光透過部22側に進んでしまうことを抑制することができる。
さらに、光透過部22と光吸収部23との界面がシート面法線(厚さ方向)と成す角θは0度以上10度以下が好ましい。0度では光透過部及び光吸収部が長方形となる。
はじめに光透過部22及び単位レンズ要素24を作製する。光透過部及び単位レンズ要素の形状を転写することができる金型の表面に、当該光透過部及び単位レンズ要素を構成する硬化前の組成物を供給し、適切な方法により硬化させて中間シートを得る。この中間シートは土台部25の一方の面に光透過部22と単位レンズ要素24とが所定の間隔を有して並んだシートであり、当該間隔による溝が形成されている。
なお、撮像モジュール10にしたときに第二シート31のうち単位レンズ要素24とは反対側の面が画像センサ11に対向するように配置される場合には、当該面は微細な凹凸が設けられていることが好ましい。これにより画像センサ11の受光面が傷つくことを防止することができる。また、画像センサ11とレンズシート20との光学密着を抑制することも可能となる。
図2、図3からわかるように、第一シート21と第二シート31とが、互いの単位レンズ要素24が対向するように配置されるとともに、レンズシート20の平面視で、第一シート21の単位レンズ要素24が延びる方向と、第二シート31の単位レンズ要素24が延びる方向と、が角度αで交差(図4参照)する向きとされている。本形態はαが90度の例である。ただし、αは厳密に90度である必要はなく、α±10度の範囲で許容される。この範囲であれば、十分に光学性能を維持することができる。これにより、第一シート21と第二シート31との組み合わせの際に、αを厳密に90度とする必要がないため、作業の容易化、作業の高効率化、及び歩留まり向上が図られる。
図6(a)の例にかかるレンズシート120では、第一シート21の単位レンズ要素24が第二シート31の土台部25に向き合うように配置されている。
図6(b)の例にかかるレンズシート220では、第二シート31の単位レンズ要素24が第一シート21の土台部25に向き合うように配置されている。
図7(a)の例にかかるレンズシート320では、第一シート21の土台部25と第二シート31の土台部25とが向き合うように配置されている。
基材層としては、透明樹脂フィルム、透明樹脂板、透明樹脂シートや透明ガラスを用いることができる。透明樹脂フィルムとしては、トリアセテートセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系フィルム、ジアセチルセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルロニトリルフィルム等を好適に使用できるが、これらの中でも、ポリエステル系フィルムが好ましく用いられる。ポリエステル系フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートの他、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等が挙げられる。
画像センサ11を構成する複数の素子は、画像センサ11の受光面である被写体側(レンズシート10側)の表面に2次元方向に配列されている。
このような画像センサ11を構成する素子としては例えばCCDやCMOSを挙げることができる。
かかる観点から、接合層に用いる粘着剤、接着剤としてはエポキシ樹脂製、ウレタン樹脂製、シリコーン系粘着剤を用いることができる。
被写体からの光は撮像モジュール10のレンズシート20内に進み、第一シート21及び第二シート31を透過する。そして第一シート21の単位レンズ要素24により、該単位レンズ要素24の配列方向において集光され、また、第二シート31の単位レンズ要素24により、該単位レンズ要素24の配列方向において集光される。また、光透過部22内をシート法線方向に対して大きな角度をなす方向に進む光の少なくとも一部は光吸収部23に入射して吸収される。レンズシート20を透過した光は画像センサ11の受光面で焦点を結ぶ。
このようにして得られた各素子が検出した入射光の強度及び入射方向の情報は、上記画像処理手段12により演算され、撮影後に焦点距離や被写界深度を変更した画像データを生成可能である。
一般的に、ライトフィールドカメラでは、マイクロレンズアレイの1つのマイクロレンズに対して、画像センサ11の所定の領域内に位置する複数の素子が対応している。そして、それぞれのマイクロレンズによる像が、対応する領域内のみに投影されることが重要である。
このとき、例えば図8(b)に示したように、各マイクロレンズの像が隣の領域等に投影され、像が重なると、被写体面上で異なる位置と角度を有する光が同一の素子に入射するクロストークという現象が生じ、光の入射方向や強度を分解できなくなる。
これを解消するために、従来のライトフィールドカメラでは、マイクロレンズアレイよりも被写体側に結像光学系を設ける必要があった。
また製造の観点からも、結像レンズが不要となるので製造コストを抑制することが可能となる。
2 筐体
10 撮像モジュール
11 画像センサ
12 画像処理手段
20 レンズシート
21 第一シート
22 光透過部
23 光吸収部
24 単位レンズ要素
25 土台部
31 第二シート
Claims (4)
- 画像センサの受光面側に配置されるレンズシートであって、
所定の断面を有してシート面に沿って一方向に延び、当該延びる方向とは異なる方向に所定の間隔で複数配列される光透過部と、
隣り合う前記光透過部の間隔に形成され光を吸収する光吸収部と、
前記光透過部に設けられた凸状の単位レンズ要素と、を備え、
前記光吸収部は、バインダー中に光吸収粒子が分散されてなり、前記光吸収粒子は平均粒子径が1μm以上5μm以下であり、バインダー100質量部あたり、前記光吸収粒子が10質量部以上20質量部以下で含有されている、シートを備える、レンズシート。 - 前記シートが少なくとも2つ積層されており、
2つの前記シートは前記光透過部が延びる方向が平面視で交差している、請求項1に記載のレンズシート。 - 請求項1又は2に記載のレンズシートと、
前記レンズシートの一方側に配置された、複数の光電変換素子が配列された画像センサと、を備える撮像モジュール。 - 請求項3に記載の撮像モジュールが筐体の内側に配置される撮像装置。
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