JP2017133953A - 錠剤検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】錠剤の一部に異常がある場合にも精度良く異常を検出することを可能とする。【解決手段】錠剤検査装置1は、搬送される測定台20上に載置された錠剤Oに対して1600nm〜2200nmの波長範囲から選ばれる所定の波長範囲の近赤外光を含む測定光を出射する光源部10A,10Bと、測定光の照射によって錠剤Oからの反射光を分光して受光することで、錠剤Oのスペクトルデータを画素毎に取得する撮像部30と、撮像部30によって取得された錠剤Oに係る画素毎のスペクトルデータを正規化処理した後に、多変量解析における特徴量を算出する分析部40と、分析部40により算出された画素毎のスペクトルデータに対応する特徴量に基づいて、錠剤Oにおいて画素毎のスペクトルデータを取得した領域の異常の有無を判定する判定部50と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、錠剤の異常を検出する錠剤検査装置に関する。
従来から、下記の特許文献1,2のように、近赤外光を用いて複数の錠剤の中から異種錠剤や薬剤成分の量が相違する錠剤を検出する方法が検討されている。
しかしながら、特許文献1,2に記載の方法は、異常を有する錠剤を検出することは可能であるが、例えば、錠剤の一部に異常がある場合にそれを検出することは困難であると考えられる。
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、錠剤の一部に異常がある場合にも精度良く異常を検出することが可能な錠剤検査装置を提供することを目的とする。
本願発明は、
(1)搬送される測定台上に載置された錠剤に対して1600nm〜2200nmの波長範囲から選ばれる所定の波長範囲の近赤外光を含む測定光を出射する光源と、
前記測定光の照射によって前記錠剤からの反射光を分光して受光することで、前記錠剤のスペクトルデータを画素毎に取得する撮像手段と、
前記撮像手段によって取得された前記錠剤に係る前記画素毎のスペクトルデータを正規化処理した後に、多変量解析における特徴量を算出する分析手段と、
前記分析手段により算出された前記画素毎のスペクトルデータに対応する前記特徴量に基づいて、前記錠剤において前記画素毎のスペクトルデータを取得した領域の異常の有無を判定する判定手段と、
を備える錠剤検査装置
である。
(1)搬送される測定台上に載置された錠剤に対して1600nm〜2200nmの波長範囲から選ばれる所定の波長範囲の近赤外光を含む測定光を出射する光源と、
前記測定光の照射によって前記錠剤からの反射光を分光して受光することで、前記錠剤のスペクトルデータを画素毎に取得する撮像手段と、
前記撮像手段によって取得された前記錠剤に係る前記画素毎のスペクトルデータを正規化処理した後に、多変量解析における特徴量を算出する分析手段と、
前記分析手段により算出された前記画素毎のスペクトルデータに対応する前記特徴量に基づいて、前記錠剤において前記画素毎のスペクトルデータを取得した領域の異常の有無を判定する判定手段と、
を備える錠剤検査装置
である。
本発明によれば、錠剤の一部に異常がある場合にも精度良く異常を検出することが可能な錠剤検査装置が提供される。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施態様を列記して説明する。
最初に本願発明の実施態様を列記して説明する。
本願の錠剤検査装置は、(1)搬送される測定台上に載置された錠剤に対して1600nm〜2200nmの波長範囲から選ばれる所定の波長範囲の近赤外光を含む測定光を出射する光源と、前記測定光の照射によって前記錠剤からの反射光を分光して受光することで、前記錠剤のスペクトルデータを画素毎に取得する撮像手段と、前記撮像手段によって取得された前記錠剤に係る前記画素毎のスペクトルデータを正規化処理した後に、多変量解析における特徴量を算出する分析手段と、前記分析手段により算出された前記画素毎のスペクトルデータに対応する前記特徴量に基づいて、前記錠剤において前記画素毎のスペクトルデータを取得した領域の異常の有無を判定する判定手段と、を備える。
上記のように、画素毎に取得されたスペクトルデータを正規化処理した後に多変量解析における特徴量を算出した後、特徴量に基づいて、錠剤において画素毎のスペクトルデータを取得した領域毎に異常の有無の判定を行う構成としている場合、錠剤の一部に異常がある場合にも異常を好適に検出することができる。さらに、スペクトルデータを正規化処理した後に分析を行うことで、錠剤の形状等に由来して撮像手段が受光する光の強度が大きく変化した場合であっても、形状等に由来する強度の変化を除去することができるため、異常の有無の判定をさらに精度よく行うことができる。
(2)また、本願発明は、上記の(1)に記載の錠剤検査装置において、前記判定手段は、特定画素において取得されたスペクトルデータに対応する前記特徴量と、前記特定画素に対して隣接する画素において取得されたスペクトルデータに対応する前記特徴量とを比較し、その結果に基づいて前記特定画素のスペクトルデータを取得した領域の異常の有無を判定する態様とすることができる。
上記のように、隣接する画素で取得されたスペクトルデータに対応する特徴量との比較を行うことで、特定画素のスペクトルデータを取得した領域の異常の有無を判定する構成とすることで、例えばノイズ等が大きく含まれるスペクトルデータに関して異常ありと誤判定されてしまうことを防ぐことが可能となり、異常の有無に係る判定精度が向上する。
(3)また、本願発明は、上記の(1)に記載の錠剤検査装置において、前記判定手段は、特定画素のスペクトルデータを取得した領域の異常の有無の判定結果と、前記特定画素に対して隣接する画素のスペクトルデータを取得した領域の異常の有無の判定結果とを比較し、その結果に基づいて前記特定画素のスペクトルデータを取得した領域の異常の有無の判定結果の信頼性を確認する態様とすることができる。
上記のように、隣接する画素で取得されたスペクトルデータに基づいた異常の有無の判定結果との比較を行うことで、特定画素のスペクトルデータを取得した領域の異常の有無の判定結果の信頼性を確認する構成とすることで、例えばノイズ等が大きく含まれるスペクトルデータに関して異常ありと誤判定されてしまうことを防ぐことが可能となり、異常の有無に係る判定精度が向上する。
(4)また、本願発明は、上記の(1)〜(3)に記載の錠剤検査装置において、前記判定手段は、前記錠剤において前記画素毎のスペクトルデータを取得した領域の異常の有無の判定結果に基づいて、前記錠剤が異常を有しているか否かを錠剤単位で判定する態様とすることができる。
上記のように、画素毎のスペクトルデータを取得した領域の異常の有無の判定結果に基づいて、錠剤単位でも異常を有しているか否かを判定する構成とすることで、一部でも異常を有している錠剤とそれ以外の錠剤との区別をしやすくなり、後段での異常錠剤の除去等を好適に行うことが可能となる。
(5)また、本願発明は、上記の(1)〜(4)に記載の錠剤検査装置において、前記分析手段において、前記錠剤において前記画素毎のスペクトルデータを取得した領域の異常があると判定した場合に、当該画素のスペクトルデータについて当該異常の種類を特定するための分析を行う第2の分析手段と、前記第2の分析手段による分析結果に基づいて、前記錠剤において前記画素毎のスペクトルデータを取得した領域における異常の種類を判定する第2の判定手段と、をさらに備える態様とすることができる。
上記のように、錠剤における異常の種類を判定する第2の分析手段及び第2の判定手段を備えることで、錠剤において検出された異常の種類についても特定することが可能となり、錠剤において検出された異常についてより詳細な情報を得ることができる。
(6)また、本願発明は、上記の(1)〜(5)に記載の錠剤検査装置において、前記測定台における前記錠剤の載置面は、測定光に対する反射率が10%未満である態様とすることができる。
撮像手段では、錠剤の背景となる測定台の載置面のスペクトルデータも取得する場合がある。この場合、錠剤検査装置では、取得されたスペクトルデータが錠剤に係るものか背景に係るものであるかを区別する必要がある。そこで、測定台の載置面において測定光に対する反射率を上記の範囲とすることで、反射率の差に基づいて、錠剤に係るスペクトルデータかどうかの区別がしやすくなる。
(7)また、本願発明は、上記の(1)〜(6)に記載の錠剤検査装置において、前記判定手段による判定結果を前記錠剤における前記画素毎のスペクトルデータを取得した領域毎に色調の変化を用いて出力する出力手段をさらに備える態様とすることができる。
上記のように、出力手段により、判定結果を錠剤における画素毎のスペクトルデータを取得した領域毎に色調の変化を用いて出力する構成とすることで、錠剤のどの領域に異常があるかを視覚的に分かりやすく出力することが可能となる。
[本願発明の実施形態の詳細]
本発明に係る錠剤検査装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明に係る錠剤検査装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
図1は、本発明の実施形態に係る錠剤検査装置1の概略構成を説明する図である。図1に示される錠剤検査装置1は、所定の方向に搬送される測定対象物である錠剤Oに対して近赤外光を照射することで、錠剤Oからの反射光を検出して解析することで、錠剤Oに係る異常を検出する装置である。このような錠剤検査装置1は、例えば、錠剤Oの検査等に用いられる。錠剤検査装置1の錠剤Oとしては、食品又は医薬品等の錠剤が挙げられる。錠剤検査装置1において検出する「異常」とは、例えば、錠剤Oが異種品である場合、錠剤Oの少なくとも一部が正常品とは異なる材料(異種錠剤の材料や、変質等が生じた材料)を含む場合、錠剤Oの内部構造に異常が生じている場合、等が挙げられる。錠剤Oの内部構造に異常が生じている場合とは、例えば、錠剤Oがコーティング錠剤であり、コーティング層の剥がれにより一部分において素錠部分がむき出しになっている場合、素錠部分とコーティング層との間に隙間が生じている場合や、素錠が変形していたことに由来してコーティング層の厚みが大きく変化している場合等が挙げられる。また、本実施形態に係る錠剤検査装置1は、1錠毎の異常の発生の有無だけではなく、錠剤Oにおいて異常が発生している部分を特定することが可能とされている。この点については後述する。
錠剤検査装置1は、近赤外光の測定光を搬送手段により搬送される測定台20上の錠剤Oに対して照射することにより得られる反射光を測定し、その反射光の強度又はスペクトル形状等に基づいて錠剤Oの光学測定を行う。このため、錠剤検査装置1は、光源部10A,10B、錠剤Oを載置すると共に搬送手段により搬送される測定台20、撮像部30(撮像手段)、分析部40(分析手段)、判定部50(判定手段)、及び出力部60(出力手段)を備える。
本実施形態で説明する錠剤検査装置1では、搬送手段が例えばコンベア、シューター、リフト等の搬送機構により構成され、測定台20上に載置された錠剤Oが、搬送方向(図1における矢印A方向)に移動するとする。
撮像部30は、測定台20の面内で搬送方向(矢印A方向)に対して垂直な方向に長辺を有する視野領域を有して撮像を行う。本実施形態では、撮像部30がラインカメラである場合について説明する。
光源部10A,10Bは、点光源であってもよいが、撮像部30がラインカメラである場合には、ロッド光源として実現することができる。光源部10A,10Bがロッド光源である場合、光源部10A,10Bは、それぞれ光源と、光源に対して光学的に接続されると共に視野領域に対して平行な方向に延びて、測定光を出射するガラスロッドと、を含んで構成される。光源部10A,10Bは、近赤外光を測定台20上の錠剤Oが配置される領域に対して照射する。2つの光源部10A,10Bは、錠剤Oの搬送方向に沿って撮像部30を挟んで配置され、それぞれ測定台20に対する近赤外光の入射角が45°となるように配置されている。
光源部10A,10Bは、測定光として近赤外光を照射する。測定光の波長範囲は、錠剤Oによって適宜選択される。測定光としては、具体的には、波長範囲が800nm〜2500nmの光が好適に用いられ、特に1000nm〜2350nmの光が好適に用いられる。また、錠剤Oの錠剤の表面のコーティング層に異常がないかを判定する場合には、波長範囲が1600nm〜2200nmの光が好適に用いられる。本実施形態の錠剤検査装置1では、少なくとも波長範囲1600nm〜2200nmの中から選ばれる波長幅が6nm以上の範囲(所定の波長範囲)におけるスペクトルデータを取得して分析を行うことで好適に分析を行うことができる。したがって、光源部10A,10Bは、分析に用いられる波長範囲よりも広い波長範囲の近赤外光を出射する必要がある。なお、光源部10A,10Bの光源は、例えばハロゲンランプとして実現されるが、これに限定されない。
光源部10Aからの測定光L1及び光源部10Bからの測定光L2は、測定台20の表面の照射領域に対して出射される。光源部10A,10Bがロッド光源である場合、照射領域は、測定台20上において搬送方向(矢印A方向)に対して垂直な方向に延びるライン状に延びる領域となる。なお、光源部10A,10Bの構成は上記に限定されない。
なお、光源部10A,10Bは、本実施形態で説明する構成のように、撮像部30を挟んで両側に配置するのが好ましい。このように撮像部30を挟んで両側に設置することで、錠剤Oに凹凸がある場合でも、撮像部30の視野領域における光量の面内ムラを低減することができる。
光源部10A,10Bから出力された測定光L1,L2は、照射領域上の錠剤Oに入射する。錠剤Oに入射した光はその表面から反射光として出射される。そして、その一部が、反射光L3として撮像部30に入射する。なお、光源部の構成は、上記の構成に限定されるものではない。なお、本実施形態では、反射光L3が錠剤Oからの拡散反射光である場合について説明している。
測定台20を搬送させる搬送手段は、例えば、搬送機構とモータとを含んで構成され、モータの駆動により搬送機構が動作することで、搬送機構に取り付けられた測定台を所定の搬送方向へ移動させることができるが、上記の構成に限定されるものではない。
測定台20は、錠剤Oを上面に載置するため、錠剤Oに対する背景領域となる。したがって、測定台20の表面(錠剤Oの載置面)は、近赤外光の反射率が錠剤Oとは大きく異なることが好ましい。具体的には、測定台20の表面は、測定光に対する反射率が10%未満であることが好ましい。この場合、反射率の差に基づいて、錠剤Oを撮像したかどうかの区別がしやすくなる。
撮像部30は、光源部10A,10Bから照射領域に対して照射される測定光に対して錠剤Oから出射される反射光L3をレンズ31から入射して、分光カメラ32において受光することで、錠剤Oの撮像を行う。分光カメラ32は、照射領域と重なって形成され且つ測定台20上において搬送方向(矢印A方向)に対して垂直な方向に延びるライン状の視野領域からの光を分光した後に、ライン状又は2次元に配置された画素により構成される受光面により受光する。その後受光面における受光により発生する電荷をA/D変換器によってデジタル変換し、波長領域ごとに光強度の分布を示すデジタル情報を生成する。生成されたデジタル情報は、撮像部30から分析部40へ送られる。なお、本実施形態では、視野領域が分光カメラ32の真下にある場合について説明するが、この配置は特に限定されない。
撮像部30は、ハイパースペクトル画像を取得するハイパースペクトルセンサであってもよい。ハイパースペクトル画像とは、一画素が複数の波長データにより構成されている画像であり、画素毎にそれぞれ複数の波長に対応した反射強度データからなるスペクトル情報が含まれている。すなわち、ハイパースペクトル画像は、画像を構成する画素毎に、それぞれ複数波長の強度データを持つという特徴から、画像としての二次元的要素と、スペクトルデータとしての要素をあわせ持った三次元的構成のデータである。
本実施形態に係る錠剤検査装置は、錠剤Oの所定の領域(撮像領域)を撮像した画素単位で、複数波長の強度データ、すなわち、スペクトルデータを取得することを特徴とする。したがって、錠剤Oの一部を構成する撮像領域毎からの反射光L3のスペクトルデータを個別に取得可能な構成であれば、撮像部30としてハイパースペクトルセンサとは異なる構成を用いてもよい。例えば、検出波長を変更しながら錠剤Oを複数回撮像することにより、一画素に係る波長データを複数取得する構成としてもよい。なお、スペクトルデータとは、1画素あたり少なくとも3つの波長帯域における強度データが含まれるデータのことを指す。
なお、撮像部30は、拡散反射光を撮像可能な位置に配置することが好ましい。光源部10A,10Bからの測定光L1、L2が錠剤Oの表面で正反射した場合の正反射光は、光量(強度)は多いがノイズが多いため、錠剤Oに係る情報の検出精度が低下する可能性が考えられる。したがって、反射光L3として拡散反射光のみを検出可能な位置に撮像部30を配置することが好ましい。
分析部40は、撮像部30から送られる反射スペクトルの情報(スペクトルデータ)を受け取り、種々の演算処理等を行う。撮像部30が取得したスペクトルデータのうち、分析の対象となるのは、錠剤Oからの反射光に係るスペクトルデータである。一方、撮像部30からは背景である測定台20を撮像したスペクトルデータも送られる場合があるので、分析部40において、錠剤Oに係るスペクトルデータと背景に係るスペクトルデータとを区別する処理を行ってもよい。
また、分析部40では、錠剤Oの錠剤の撮像位置によってスペクトルデータが変化することから、予めスペクトルデータの正規化処理を行った後に、錠剤の異常を判定する際に用いる特徴量を算出する。具体的には、錠剤の異常を判定する際に用いられる多変量解析における特徴量を各画素のスペクトルデータ毎に算出する。なお、正規化処理を行う前のスペクトルデータまたは正規化処理を行った後のスペクトルデータにクベルカムンク変換を施してもよい。また、正規化処理と同様の効果を奏する操作として、二次微分処理がある。
錠剤の異常の判定に用いる多変量解析方法としては、主成分分析、因子分析、クラスター分析等を用いることができる。また、サポートベクタマシン等の機械学習方式も用いることができる。本実施形態では、主成分分析を用いる場合について説明する。主成分分析の場合、スペクトルデータに対応する特徴量として、分析に用いる主成分(第1主成分、第2主成分、…)のローディングに対応するスコア値を用いることができる。
なお、分析部40は、錠剤の異常の有無を判定するためのスペクトルデータに対応する特徴量の算出に係る処理のほか、他の判定を行うための統計演算等を行ってもよい。
判定部50は、分析部40によって算出されたスペクトルデータ毎の特徴量に基づいて、各画素のスペクトルデータ毎に、異常の有無を判定する。特徴量に基づいて異常の有無を判定する場合には、異常の有無を判定するための閾値を特定する情報を予め判定部50が保持しておき、その閾値に基づいて判定を行う。なお、判定部50は、必要に応じて、近隣する画素のスペクトルデータの特徴量や判定結果に基づいて、画素毎の判定結果の信頼性を確認する構成としてもよい。さらに、錠剤毎に異常の有無を判定する構成を備えていてもよい。
出力部60は、判定部50における判定結果を出力する機能を有する。出力方法は特に限定されないが、判定部50では、画素毎に異常の有無の判定が行われることから、例えば、判定結果に応じて色を変化しながら出力する態様とすることができる。
上記の分析部40、判定部50及び出力部60は、CPU(Central Processing Unit)、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、他の機器との間の通信を行う通信モジュール、並びにハードディスク等の補助記憶装置等のハードウェアを備えるコンピュータとして構成することができる。そして、これらの構成要素が動作することにより、分析部40、判定部50及び出力部60としての機能が発揮される。
次に、錠剤検査装置1を利用した異常の有無の判定方法について、図2のフロー図を参照しながら説明する。図2では、錠剤Oの錠剤に異常があるか否かを、画素毎に判定をした上で、錠剤単体として異常があるか否かを判定するまでについて説明する。また、各工程において行われる処理の具体例等を図3〜図7等を参照しながら説明する。
まず、光源部10A,10Bによって、搬送中の測定台20上の錠剤Oに対して測定光L1,L2を照射することで、撮像部30により、錠剤Oからの反射光L3に係るスペクトルデータを取得する(S01)。移動する測定台20上の錠剤Oからの反射光L3を撮像部30のラインカメラで検出することで、錠剤Oの各位置に対応したスペクトルデータを画素毎に取得することができる。
次に、分析部40において、各画素のスペクトルデータの正規化処理を行う(S02)。スペクトルデータが錠剤Oの組成を反映した拡散反射スペクトルに加えて光源からの正反射光のスペクトルを含む、もしくは、錠剤のある測定点が他の測定点と比較し測定位置が低くなり反射光量が少なくなり錠剤の面において反射光量にムラが生じる等の状態である場合、スペクトルデータの正規化処理を行うことで後段の異常有無の判定を好適に行うことができる。この点について、図3〜図5を参照しながら説明する。
図3(A)は錠剤Oの一例の側面図である。また、図3(B)は、錠剤検査装置1を用いて錠剤Oを撮像した結果を示している。なお、図3(B)では、撮像部30で受光した特定の波長(1500nm)の反射光L3の強度を、反射光L3の出射元である錠剤Oの位置に対応させて白黒の濃淡で示しているものである。一般的に、錠剤はコーティング層の厚みが均一であることから、錠剤の表層からの反射光のスペクトルは、錠剤の撮像位置に関係なく同様となると考えられる。しかしながら、錠剤は通常平坦な円盤状ではなく、図3(A)の錠剤と同様に、中央部分T1は平坦であるが、周縁部T2は側面に向かって傾斜又は曲線を描いている場合が多い。錠剤表面の傾斜が変わると、光源部10A,10Bからの測定光L1,L2の照射によって錠剤表面から出射されて撮像部30に入射する反射光L3の強度が変化する。具体的には図3(B)に示すように、平坦な中央部分T1に対して周縁部T2からの反射光L3の強度が小さくなるというわけではなく、錠剤表面の傾斜に対応して反射光L3の強度が大きくなる領域も存在する。
図3(B)の錠剤におけるP1〜P5の5点からの反射光L3のスペクトルデータ(波長範囲1000nm〜2200nm)の例を図4に示す。図4に示すように、平坦な中央部分T1に対応する点P1,P2からの反射光L3のスペクトルデータに対して、中央部分T1と周縁部T2との境界付近の点P3からの反射光L3のスペクトルデータのほうが、全体的に反射光強度が大きくなる。また、周縁部T2の点P4,P5の反射光強度は、点P1〜3からの反射光強度よりも小さくなる。このように、錠剤からのスペクトルデータを用いて分析を行う場合、表面の傾斜によってスペクトルデータの形状自体が変化し、単なる比較では、異常の有無を精度よく行う判定することが困難な可能性がある。
これに対して、本実施形態では、分析に係る演算処理を行う前に、スペクトルデータの正規化処理を行い、錠剤Oの外形に由来する変化を除去する。図4に示す各スペクトルデータについて正規化処理を行った結果を図5に示す。
なお、本実施形態では、正規化処理の一種である標準正規化(Standard Normal Variate:SNV)を行った。具体的な数式は、以下の数式(1)の通りである。
図5に示すように、各スペクトルデータに対して正規化処理を行うことで、錠剤の外形に由来する反射光L3の強度の変化を除去することができる。したがって、正規化処理を行った後のスペクトルデータを用いて、異常の有無に係る判定を行う。
次に、分析部40において、取得された各画素のスペクトルデータ毎に、多変量解析における特徴量の算出を行う(S03)。本実施形態では、主成分分析における主成分に係る主成分ローディングに対するローディングスコア値をスペクトルデータ毎に算出する。そして、判定部50では、ローディングスコア値に基づいて、錠剤においてスペクトルデータを取得した領域に異常があるか否かの判定を画素毎に行う(S04)。
錠剤の一部の領域に異常があるかの判定に用いられる特徴量に用いられる主成分ローディング(ローディングベクトル)は、異常の有無が明らかである学習用のデータを用いて予め設定される。撮像部30により、測定の対象となる錠剤Oからの反射光L3に係るスペクトルデータを取得することとは別に、学習用のスペクトルデータを取得し(S11)、錠剤Oのスペクトルデータと同様に正規化処理(S12)を行った後に、主性分分析によって、特徴量に用いる主成分ローディング(ローディングベクトル)を算出する(S13)。ここで算出する主成分ローディングとは、錠剤に異常が発生している領域のスペクトルデータと、異常が発生していない領域のスペクトルデータとを分離可能とする主成分ローディングである。そして、異常の有無が不明である錠剤Oに係るスペクトルデータについて、予め求めた主成分ローディングに対するスコア値を算出(S03)し、スコア値に基づいて当該スペクトルデータが異常を示すスペクトルデータであるか否かを判定する。これにより、当該スペクトルデータを取得した領域(画素)が異常であるか否かを判定する。
ここで、錠剤に異常が発生している領域のスペクトルデータと、異常が発生していない領域のスペクトルデータとを分離可能な主成分ローディングを算出した結果の例について、図6を参照しながら説明する。図6は、特定の錠剤において異常が発生している領域を撮像したスペクトルデータと、錠剤における異常が発生していない(正常である)領域を撮像したスペクトルデータと、を標準正規化処理(波長範囲1000nm〜2350nm)した後、それぞれ10データずつランダムに抽出し、主成分分析を行って両者が分離できるようにプロットしたものである。
図6では、第1主成分を横軸とし、第4主成分を縦軸としてプロットしている。図6において、領域R1は、錠剤において異常が発生している領域を撮像したスペクトルデータに対応するスコア値をそれぞれプロットした上で、各点について標準偏差σに基づく3σ値を含む領域を示したものである。同様に、領域R2は、錠剤において異常が発生していない領域を撮像したスペクトルデータに対応するスコア値をそれぞれプロットした上で、各点に対する3σ値を含む領域を示したものである。図6に示すように、第1主成分ローディングに対するスコア値と第4主成分ローディングに対するスコア値とを利用すると、錠剤に異常がある場合のスペクトルデータに対応した領域R1と、錠剤に異常がない場合のスペクトルデータに対応した領域R2と、を明確に区別することができる。したがって、異常が発生しているか不明である錠剤Oに係る画素毎のスペクトルデータについても、それぞれ第1主成分ローディングに対するスコア値と第4主成分ローディングに対するスコア値とを算出した結果を用いて、領域R1(異常)、領域R2(正常)のいずれに属するかによって、スペクトルデータが錠剤に異常が発生していることを示すデータであるかを判定することができる。
なお、異常の有無を判定するために用いる主成分ローディングを決定するために用いるスペクトルデータ(学習用のスペクトルデータ)の取得箇所は、錠剤における中央部分(強度の強い部分等)T1及び周縁部T2の両方を含めることが好ましい。また、学習用のスペクトルデータとしては、単画素で取得したスペクトルデータを用いてもよいが、複数画素で用いられたスペクトルデータを平均化して利用してもよい。
錠剤においてスペクトルデータを取得した領域に異常があるか否かの判定の結果、全ての画素に係るスペクトルデータにおいて異常なしと判定された場合(S04−NO)には、出力部60により「異常なし」との結果を出力して終了する(S05)。一方、判定の結果、少なくとも一部の画素に係るスペクトルデータにおいて異常ありと判定された場合(S04−YES)には、当該判定結果の信頼性を確認する処理を行ってもよい。錠剤に異常が発生した場合、その異常は、1つの画素によってスペクトルデータが取得される領域よりも広い範囲に分布していることが多いと考えられる。また、装置におけるノイズ等に由来して形状が変化したスペクトルデータを取得してしまうことも考えられる。したがって、信頼性を確認する手法として、異常を示す結果が得られたスペクトルデータを取得した画素に対して、その周辺の画素により取得されたスペクトルデータにも同様に異常を示すもの含まれるか否かに基づいて、信頼性を判断する方法を用いることができる(S06)。
具体的には、異常を示す結果が得られたスペクトルデータから算出されたローディングスコア値と、その周辺の画素により取得されたスペクトルデータから算出されたローディングスコア値と、を比較して、スコア値の差が所定の範囲内であるスペクトルデータを取得した画素が複数あれば、当該画素における「異常あり」の結果に信頼性があると判断する、等の方法がある。また、スコア値で比較をすることに代えて、各画素に関する異常の有無の判定結果を利用して、「異常あり」と判定された特定の画素の周囲の画素のうちの複数が「異常あり」と判定されていれば、当該画素における「異常あり」の結果に信頼性があると判断するという態様としてもよい。信頼性を確認する方法は特に限定されないが、上記のような信頼性を確認する処理を含めることで、ノイズ等に由来するスペクトルデータの異常を錠剤の異常として判定することを減らすことができる。
次に、判定部50では、異常判定の信頼性を確認した結果、錠剤が異常を有するか否かを判定する(S07)。信頼性を確認した結果、特定の画素での「異常あり」という判定結果の信頼性に問題があると判断される場合がある。その場合には、「異常なし」と判定し(S07−NO)、出力部60により「異常なし」との結果を出力して終了する(S05)。一方、信頼性を確認した結果依然として錠剤の一部が異常であると判定される場合には、当該画素により撮像された領域を含む錠剤全体を「異常あり」の錠剤と判断し(S07−YES)、出力部60により「異常あり」との結果を出力して終了する(S08)。
なお、図2に示すフロー図では、錠剤単位で「異常あり」「異常なし」の判定結果を出力する場合について示しているが、その際に、「異常あり」と判定された領域を特定した状態で出力することもできる。
図7は、画素毎の異常の有無の判定結果を、錠剤の形状に対応させてスペクトルデータを取得した領域(撮像した領域)毎に色調を変化させて示した図である。また、図6で示した主成分分析のローディングを用いて、異常の有無が不明である錠剤を錠剤Oとして、錠剤検査装置1を用いてスペクトルデータを取得して異常の有無を画素毎に判定した結果を示している。図7(A)では、全画素において「異常なし」と判定された錠剤を示したものである。また、図7(B)では、撮像した画素の一部で取得されたスペクトルデータに基づいて「異常あり」と判定された錠剤を示したものである。したがって、図7(B)に示す錠剤では、「異常なし」と判定された領域S1と、「異常あり」と判定された領域S2と、を視覚的にも区別が可能となっている。このように、異常の有無に係る画素毎の判定結果を、錠剤の形状に対応させてスペクトルデータを取得した領域(撮像した領域)毎に色分けして示すことで、錠剤のどの領域に異常があるかが分かりやすくなる。
以上のように、本実施形態に係る錠剤検査装置1によれば、撮像部30において画素毎に取得されたスペクトルデータを分析部40において正規化処理した後に、多変量解析における特徴量を算出する。そして、判定部50では、特徴量に基づいて、錠剤Oにおいて画素毎のスペクトルデータを取得した領域毎に異常の有無の判定を行う構成としている。したがって、錠剤Oの一部に異常がある場合にも異常を好適に検出することができる。従来の錠剤に係る異常検査装置は、錠剤単位での判定を行うことが一般的であった。したがって、異常と判定された錠剤における異常発生部位を特定するためには、改めて詳細な分析を行う必要があった。これに対して、本実施形態に係る錠剤検査装置1では、異常が発生している領域の特定も可能となる。さらに、錠剤検査装置1では、判定部50において、スペクトルデータを正規化処理した後に分析を行うことで、錠剤の形状等に由来して撮像手段が受光する光の強度が大きく変化した場合であっても、形状等に由来する強度の変化を除去することができるため、異常の有無の判定をさらに精度よく行うことができる。
また、上記の錠剤検査装置1では、隣接する画素で取得されたスペクトルデータに対応する特徴量との比較を行うことで、特定画素のスペクトルデータを取得した領域の異常の有無を判定する構成としている。この場合、例えばノイズ等が大きく含まれるスペクトルデータに関して異常ありと誤判定されてしまうことを防ぐことが可能となり、異常の有無に係る判定精度が向上する。
また、隣接する画素で取得されたスペクトルデータに基づいた異常の有無の判定結果との比較を行うことで、特定画素のスペクトルデータを取得した領域の異常の有無の判定結果の信頼性を確認する構成とした場合においても、誤判定されてしまうことを防ぐことが可能となり、異常の有無に係る判定精度が向上する。
さらに、錠剤検査装置1のように、画素毎のスペクトルデータを取得した領域の異常の有無の判定結果に基づいて、錠剤単位で異常を有しているか否かを判定する構成とすることで、一部でも異常を有している錠剤とそれ以外の錠剤との区別をしやすくなり、後段での異常錠剤の除去等を好適に行うことが可能となる。
また、撮像部30では、錠剤の背景となる測定台20の載置面のスペクトルデータも取得する場合があり、錠剤検査装置1では、取得されたスペクトルデータが錠剤に係るものか背景に係るものであるかを区別する必要があること。したがって、上記の錠剤検査装置1のように、測定台の載置面において測定光に対する反射率を10%未満とすることで、錠剤Oに係るスペクトルデータかどうかの区別がしやすくなる。
また、出力部60により、判定結果を錠剤における画素毎のスペクトルデータを取得した領域毎に色調の変化を用いて出力する構成とすることで、錠剤のどの領域に異常があるかを視覚的に分かりやすく出力することが可能となる。
(変形例)
上記実施形態では、錠剤検査装置1では、錠剤における特定の領域における異常の有無を判定する構成について説明した。しかしながら、錠剤検査装置1において錠剤Oの特定の領域における異常を検出した場合に、錠剤検査装置1において異常の種類(異物、変質、コーティング層の剥がれ、等)を特定する構成を備えていてもよい。
上記実施形態では、錠剤検査装置1では、錠剤における特定の領域における異常の有無を判定する構成について説明した。しかしながら、錠剤検査装置1において錠剤Oの特定の領域における異常を検出した場合に、錠剤検査装置1において異常の種類(異物、変質、コーティング層の剥がれ、等)を特定する構成を備えていてもよい。
錠剤検査装置1において異常の種類を特定する場合、錠剤検査装置1の分析部40は、画素のスペクトルデータについて当該異常の種類を特定するための分析を行う第2の分析手段としての機能をさらに備えることができる。また、錠剤検査装置1の判定部50は、第2の分析手段として機能する分析部40による分析結果に基づいて、錠剤において画素毎のスペクトルデータを取得した領域における異常の種類を判定する第2の判定手段としての機能をさらに備えることができる。
異常の種類を特定する場合にも、異常の有無を判定する場合と同様に、多変量解析を用いることができる。ただし、多変量解析において異常の有無を判定する場合に用いる特徴量と、異常の種類を特定する場合に用いる特徴量及び当該特徴量に基づいて判定を行う際の判定基準は、当然ながら異なると考えられる。多変量解析として主成分分析を用いる場合であっても、異常の種類を特定する場合に用いる主成分ローディングは、異常の有無を判定する場合に用いる主成分ローディングとは異なる。そして、異常の種類を特定する際のローディングスコア値の閾値も当然ながら異なる。また、異常の種類を特定する際の多変量解析に用いる特徴量を決定する際に用いるスペクトルデータ(学習用のスペクトルデータ)も、異常の有無を特定する際の多変量解析に用いる特徴量を決定する際に用いるスペクトルデータ(学習用のスペクトルデータ)とは異なる。このように、錠剤検査装置1において異常の種類についても特定する構成を備える場合には、錠剤検査装置1において、異常の有無を判定するための多変量解析に係る情報と、異常の種類を特定するための多変量解析に係る情報と、が保持される。なお、異常の種類を特定する場合には、多変量解析を用いない構成としてもよい。例えば、スペクトルデータにおける特定の波長に係る強度が閾値以上である場合には、異常の種類が変質であると判断するような構成としてもよい。
次に、錠剤検査装置1において、異常の有無を判定し、さらに異常の種類を特定する場合の具体的な手順について、図8のフロー図を参照しながら説明する。図8では、錠剤Oの錠剤に異常があるか否かを画素毎に判定をした後に、異常ありと判定された場合について、異常の種類を特定する構成について説明する。
まず、光源部10A,10Bによって、搬送中の測定台20上の錠剤Oに対して測定光L1,L2を照射することで、撮像部30により、錠剤Oからの反射光L3に係るスペクトルデータを取得する(S21)。次に、分析部40において、スペクトルデータの正規化処理を行う(S22)。さらに、分析部40において、取得された各画素のスペクトルデータ毎に、多変量解析における特徴量の算出を行う(S23)。本実施形態では、予め学習用のスペクトルデータを用いて算出された主成分ローディング(ローディングベクトル)(S11〜S13)に対するローディングスコア値をスペクトルデータ毎に算出する。そして、判定部50では、ローディングスコア値に基づいて、錠剤においてスペクトルデータを取得した領域に異常があるか否かの判定を画素毎に行う(S24)。錠剤においてスペクトルデータを取得した領域に異常があるか否かの判定の結果、全ての画素に係るスペクトルデータにおいて異常なしと判定された場合(S24−NO)には、出力部60により「異常なし」との結果を判定結果として出力して終了する(S25)。上記の一連の工程(S21〜S25)は、上述した異常の有無の判定の方法(S01〜S05)と同じである。
一方、判定の結果、少なくとも一部の画素に係るスペクトルデータにおいて異常ありと判定された場合(S24−YES)には、異常ありとの判定結果が分析部40に送られ、分析部40において、異常ありと判定されたスペクトルデータに関して、異常の種類を特定する際に用いる特徴量としての第2のローディングスコア値を算出する(S26)。そして、分析部40において算出された第2のローディングスコア値に基づいて、判定部50において、異常の種類を特定する(S27)。その後、出力部60により画素毎のスペクトルデータに対応する異常の有無の判定結果と、異常がある場合にはその種類を特定した結果と、を判定結果として出力して終了する(S25)。
このように、錠剤検査装置1において、錠剤における異常の種類を判定する第2の分析手段及び第2の判定手段を備えることで、錠剤において検出された異常の種類についても特定することが可能となり、錠剤において検出された異常についてより詳細な情報を得ることができる。
なお、錠剤検査装置1は、図2で示した手順と、図8で示した手順とを組み合わせた構成としてもよい。両者の手順を組み合わせることで、例えば、画素毎のスペクトルデータから、錠剤の各領域における異常の有無を判定した後、錠剤単位で異常の有無を判定すると共に、異常を検出した領域に関しては異常の種類を特定し、これらをまとめて出力部60寄り出力する構成とすることができる。
以上、本発明の実施形態に係る錠剤検査装置について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、錠剤検査装置の構成は、上記には限定されない。
また、上記実施形態では、錠剤検査装置において、2次元配置された複数の画素が第1の方向に配列する画素についてはそれぞれ波長情報を割り当てると共に、第1の方向に対して直交する第2の方向に配列する画素についてはそれぞれ測定対象物の位置情報を割り当てて、第2の方向に沿った各単位領域の近赤外スペクトルデータをそれぞれ取得する構成について説明したが、錠剤のスペクトルデータを画素毎に取得することができる構成であれば、その構成は上記に限定されない。また、複数の錠剤が搬送方向に並んでいる場合についても、1錠ごとに異常を判定し出力するが、カメラを複数台利用して、複数の錠剤を同時に計測してもよい。また、可視光域のセンサで得た錠剤の情報をフィードフォワードする構成として、近赤外分析・判定の精度や確度を向上させる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、錠剤検査装置1において、分析に用いられる特徴量に係る主成分ローディングの算出(S11〜S13)を行う場合について説明したが、錠剤Oの分析に用いられる主成分ローディングの算出自体は錠剤検査装置1とは異なる装置で行い、錠剤検査装置1では、予め算出された主成分ローディングを利用して、錠剤Oのスペクトルデータ毎に主成分ローディングに対するスコア値を算出する構成としてもよい。
1…錠剤検査装置、10A,10B…光源部、20…測定台、30…撮像部、40…分析部、50…判定部、60…出力部。
Claims (7)
- 搬送される測定台上に載置された錠剤に対して1600nm〜2200nmの波長範囲から選ばれる所定の波長範囲の近赤外光を含む測定光を出射する光源と、
前記測定光の照射によって前記錠剤からの反射光を分光して受光することで、前記錠剤のスペクトルデータを画素毎に取得する撮像手段と、
前記撮像手段によって取得された前記錠剤に係る前記画素毎のスペクトルデータを正規化処理した後に、多変量解析における特徴量を算出する分析手段と、
前記分析手段により算出された前記画素毎のスペクトルデータに対応する前記特徴量に基づいて、前記錠剤において前記画素毎のスペクトルデータを取得した領域の異常の有無を判定する判定手段と、
を備える錠剤検査装置。 - 前記判定手段は、特定画素において取得されたスペクトルデータに対応する前記特徴量と、前記特定画素に対して隣接する画素において取得されたスペクトルデータに対応する前記特徴量とを比較し、その結果に基づいて前記特定画素のスペクトルデータを取得した領域の異常の有無を判定する請求項1に記載の錠剤検査装置。
- 前記判定手段は、特定画素のスペクトルデータを取得した領域の異常の有無の判定結果と、前記特定画素に対して隣接する画素のスペクトルデータを取得した領域の異常の有無の判定結果とを比較し、その結果に基づいて前記特定画素のスペクトルデータを取得した領域の異常の有無の判定結果の信頼性を確認する請求項1に記載の錠剤検査装置。
- 前記判定手段は、前記錠剤において前記画素毎のスペクトルデータを取得した領域の異常の有無の判定結果に基づいて、前記錠剤が異常を有しているか否かを錠剤単位で判定する請求項1〜3のいずれか一項に記載の錠剤検査装置。
- 前記分析手段において、前記錠剤において前記画素毎のスペクトルデータを取得した領域の異常があると判定した場合に、当該画素のスペクトルデータについて当該異常の種類を特定するための分析を行う第2の分析手段と、
前記第2の分析手段による分析結果に基づいて、前記錠剤において前記画素毎のスペクトルデータを取得した領域における異常の種類を判定する第2の判定手段と、
をさらに備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の錠剤検査装置。 - 前記測定台における前記錠剤の載置面は、測定光に対する反射率が10%未満である請求項1〜5のいずれか一項に記載の錠剤検査装置。
- 前記判定手段による判定結果を前記錠剤における前記画素毎のスペクトルデータを取得した領域毎に色調の変化を用いて出力する出力手段をさらに備える請求項1〜6のいずれか一項に記載の錠剤検査装置。
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