JP6969500B2 - ダル仕上げ材表面の良否判定方法及び良否判定装置 - Google Patents

ダル仕上げ材表面の良否判定方法及び良否判定装置 Download PDF

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Description

本発明は、ダル仕上げ材表面の良否判定方法及び良否判定装置に関する。
建物の外観に使用されるような建材用材料は美観性が強く求められる材料の一つであり、例えば、表面に細かな凹凸が形成されたダル仕上げ材が知られている。このようなダル仕上げ材は、工場内での作業員による目視確認と、光沢度計による測定値とによって、ダル仕上げ材表面の品質管理が行われている。
しかしながら、光沢度が同一の値であるにも関わらず、太陽光下で目視確認をすると、色調が異なる場合もあり、光沢度計と、工場内での作業員による目視確認とだけでは、ダル仕上げ材表面の良否判定を正確に行うことは難しい。
ここで、物体の表面状態を検査する検査装置として、特許文献1には、1台の照明光源と、2台のカメラとを用いた検査装置が開示されている。この特許文献1では、物体表面での正反射光を1台のカメラで検出し、物体表面での乱反射光をもう1台のカメラで検出し、得られた検出結果に基づいて、物体表面の粗さや光沢度等の物体表面情報を取得している。
また、特許文献2には、ステンレス鋼板の色むらを検出するために1台の照明光源に対して1台のカメラを70度以上の角度に設置する構成が開示されている。
特開昭61−264209号公報 特開2001−272341号公報
しかしながら、特許文献1では、2台のカメラで同一位置を撮像できるように各カメラの撮像範囲を正確に位置合わせしたり、或いは、各カメラで得られた画像内で物体表面の同じ位置を特定することは非常に難しく、2台のカメラの撮像位置がずれてしまう恐れもあり、その場合、物体表面の良否判定を正確に行えないという問題がある。
また、特許文献2では、単色の照明光源を用いているため、レンズの周辺光量の低下により画像に輝度むらが生じる。特許文献2では、このような輝度むらを除去するために撮像画像にシェーディング補正を行うことが必要になるため、測定面に対して面積を持つ欠陥に関する良否判定を行うことは不可能である。よって、特許文献2では、測定表面の良否判定を効率よく行い難いという問題があった。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、ダル仕上げ材表面の良否判定を、従来よりも正確、かつ効率よく行うことができる、ダル仕上げ材表面の良否判定方法及び良否判定装置を提供することを目的とする。
本発明のダル仕上げ材表面の良否判定方法は、凹凸が形成されているダル仕上げ材表面の良否を判定する、ダル仕上げ材表面の良否判定方法において、カラーカメラに対して正反射方向となる第1角度から、所定色の第1照明光を前記ダル仕上げ材表面に照射する第1照明光照射工程と、前記カラーカメラに対して乱反射方向となる第2角度から、前記第1照明光とは異なる色の第2照明光を、前記ダル仕上げ材表面の前記第1照明光と同じ照明領域に照射する第2照明光照射工程と、前記第1照明光の前記ダル仕上げ材表面での正反射光と、前記第2照明光の前記ダル仕上げ材表面での乱反射光とを、1つの前記カラーカメラで同時に撮像したカラー画像を取得する取得工程と、前記カラー画像内における前記正反射光の色相と前記乱反射光の色相との比に基づいて、前記ダル仕上げ材表面の良否を判定する良否判定工程と、を備えるものである。
また、本発明のダル仕上げ材表面の良否判定装置は、凹凸が形成されているダル仕上げ材表面の良否を判定する、ダル仕上げ材表面の良否判定装置において、前記ダル仕上げ表面を撮像するカラーカメラと、前記カラーカメラに対して正反射方向となる第1角度から、所定色の第1照明光を前記ダル仕上げ材表面に照射する第1照明光源と、前記カラーカメラに対して乱反射方向となる第2角度から、前記第1照明光とは異なる色の第2照明光を、前記ダル仕上げ材表面の前記第1照明光と同じ照明領域に照射する第2照明光源と、前記第1照明光の前記ダル仕上げ材表面での正反射光と、前記第2照明光の前記ダル仕上げ材表面での乱反射光とを、前記カラーカメラで同時に撮像したカラー画像を取得する取得部と、前記カラー画像内における前記正反射光の色相と前記乱反射光の色相との比に基づいて、前記ダル仕上げ材表面の良否を判定する良否判定部と、を備えるものである。
本発明によれば、1台のカラーカメラで取得したカラー画像を用いることから、従来のように2台のカメラを設定することが不要となり、撮像位置のずれ等が生じることがないので、その分、ダル仕上げ材表面の良否判定を正確に行うことができる。また、ダル仕上げ材表面の良否判定を行う際、単にカラー画像内の色相の比を求めればよいため、広範囲のダル仕上げ材表面について効率よく良否判定を行うことができる。
ダル仕上げ材表面の良否判定装置の全体構成を示す概略図である。 第1照明光源、第2照明光源、及びカラーカメラの設置位置を説明するための概略図である。 カラーカメラで得られたカラー画像の写真であり、図3Aは、黒い材を撮像したときのカラー画像、図3Bは、正常材1を撮像したときのカラー画像、図3Cは、まだら材1を撮像したときのカラー画像である。 演算処理装置の回路構成を示すブロック図である。 黒い材、正常材1、正常材2、まだら材1及びまだら材2を撮像した各カラー画像から、それぞれ取得した色相分布データを示したグラフである。 カラーカメラに対して乱反射方向となる第2角度と色相ピーク差との関係を示したグラフである。
以下図面について、本発明の一実施形態を詳述する。以下の説明において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
<ダル仕上げ材表面の良否判定装置の構成>
図1は、ダル仕上げ材表面10aの良否判定装置1の全体構成を示した概略図である。ここで、ダル仕上げ材10は、例えば、チタン材からなり、長手方向に沿って搬送される。ダル仕上げ材10は、例えば、冷間圧延ロールにより、ダル仕上げ材表面10aが梨地状に形成されており、ダル仕上げ材表面10aが光沢のない状態や、やや光沢がある状態に仕上げられている。
本発明の良否判定装置1は、搬送方向xに沿って搬送される各種ダル仕上げ材10について、ダル仕上げ材表面10aの表面状態の違いを、色相に基づいて良否判定を行う。なお、図1では、ダル仕上げ材表面10aの面法線Z1の方向を面法線方向zとし、搬送方向x及び面法線方向zと直交する方向を、ダル仕上げ材10の幅方向yとする。
良否判定装置1は、カラーカメラ3と、第1照明光源4と、第2照明光源5と、演算処理装置6とを備えている。第1照明光源4及び第2照明光源5は、例えば、ダル仕上げ材10の幅方向yに沿って延伸された棒状のLED光源であり、それぞれが搬送方向xに沿って、順に配置されている。本実施形態の場合、第1照明光源4及び第2照明光源5は、ダル仕上げ材10の幅方向yと面法線Z1とを含む平面を挟んで、カラーカメラ3と対向するように配置されている。
第1照明光源4及び第2照明光源5は、搬送方向xに搬送されているダル仕上げ材表面10aに対し、ダル仕上げ材表面10aの照明位置y1を中心とした搬送方向xに所定幅を持ち、かつダル仕上げ材10の幅方向yに延びた所定領域(以下、照明領域とも称する)に、第1照明光及び第2照明光を照射する。また、第1照明光源4及び第2照明光源5は、ダル仕上げ材表面10aの照明位置y1を中心とした照明領域において、ダル仕上げ材表面10aの幅方向y全体に、均一な輝度の第1照明光及び第2照明光を照射する。
このように、第1照明光源4及び第2照明光源5は、ダル仕上げ材表面10aの照明位置y1を中心にした照明領域全体に第1照明光及び第2照明光を照射して、太陽光下でダル仕上げ材表面10aを観察している状態と同じ状態に近づける。なお、この際、第1照明光源4及び第2照明光源5は、指向性のある直進的な第1照明光及び第2照明光をダル仕上げ材表面10aに対して照射する。
第1照明光源4は、カラーカメラ3に対して正反射方向となる第1角度θ2から、所定色の第1照明光をダル仕上げ材表面10aに照射する。この場合、第1照明光源4は、赤色の第1照明光をダル仕上げ材表面10aの照明位置y1に向けて照射する。
第2照明光源5は、カラーカメラ3に対して乱反射方向となる第2角度θ3から、第1照明光とは異なる色の第2照明光を、ダル仕上げ材表面10aの第1照明光と同じ照明領域に照射する。この場合、第2照明光源5は、赤色と波長が離れた青色の第2照明光をダル仕上げ材表面10aの照明位置y1に向けて照射する。
なお、正反射光を生成する第1照明光を赤色とし、乱反射光を生成する第2照明光を青色としているが、本発明はこれに限らず、正反射光を生成する第1照明光を青色とし、乱反射光を生成する第2照明光を赤色としてもよい。
また、後述するカラーカメラ3で取得されるカラー画像内で第1照明光による正反射光と第2照明光による乱反射光とが区別できれば、例えば第1照明光又は第2照明光を緑色等その他種々の色としてもよい。
ここで、青色及び赤色の波長は、一般的に、青色の波長が、435nm〜480nm(国際照明委員会で定めた国際標準では青(B)は435.8nm)であり、赤色の波長が、610nm〜750nm(国際照明委員会で定めた国際標準では赤(R)は700nm)である。よって、本実施形態において、第1照明光を赤色とし、第2照明光を青色としてダル仕上げ材表面10aの良否が判定可能であることから、第1照明光と第2照明光との波長差が130nm〜315nm、望ましくは265±10nmの色の光を使用することが望ましい。
カラーカメラ3は、例えばカラーラインカメラであり、第1照明光によるダル仕上げ材表面10aでの正反射光と、第2照明光によるダル仕上げ材表面10aでの乱反射光とを撮像できるように撮像角度θ1が設定されている。カラーカメラ3は、ダル仕上げ材表面10aでの赤色の正反射光と青色の乱反射光とが写ったカラー画像を取得し、これを演算処理装置6に出力する。
ここで、第1照明光と第2照明光が照射されたダル仕上げ材表面10aでは、ダル仕上げ材表面10aの凹凸に応じて正反射と乱反射とが入り混じった状態になる。カラー画像には、ダル仕上げ材表面10aの各位置での反射特性に応じて、正反射光の赤色や乱反射光の青色が現れ、ダル仕上げ材表面10aの各位置で色が変化したものとなる。つまり、正反射が強く表れる凹凸状態では、赤色が強いカラー画像が得られる。また、乱反射が強く表れる凹凸状態では、青色が強いカラー画像が得られる。
演算処理装置6は、カラー画像を受け取ると、後述する演算処理を実行し、カラー画像内の2つの色相の分布状態に基づいて、ダル仕上げ材表面10aに色調異常があるか否かの良否判定を行う。
<第1照明光源、第2照明光源、及びカラーカメラの設置位置について>
ここで、先ず、第1照明光源4、第2照明光源5、及びカラーカメラ3の配置構成について詳細に説明する。図2は、第1照明光源4、第2照明光源5、及びカラーカメラ3をダル仕上げ材10の側面方向から見た概略図である。
図2に示すように、第1照明光源4から出射する第1照明光の光軸a2と、ダル仕上げ材表面10aの面法線Z1とが成す第1角度θ2は、第1照明光がダル仕上げ材表面10aで反射して生成される正反射光L1を、カラーカメラ3で撮像可能な角度に選定されている。
本実施形態の場合、カラーカメラ3に対して正反射方向となる第1角度θ2は、面法線Z1から0度以上20度以下であることが望ましい。第1角度θ2が20度以下であることが望ましい理由は、第1角度θ2が20度を超えると、反射光の乱反射成分が増加し、カラーカメラ3へ正反射成分として返ってくる光が減少するためである。
また、第2照明光源5から出射する第2照明光の光軸a3と、ダル仕上げ材表面10aの面法線Z1とが成す第2角度θ3は、第2照明光がダル仕上げ材表面10aで反射して生成される乱反射光L2を、カラーカメラ3で撮像可能な角度に選定されている。
本実施形態の場合、カラーカメラ3に対して乱反射方向となる第2角度θ3は、面法線Z1から60度以上であることが望ましい。第2角度θ3を60度以上とすることで、ダル仕上げ材表面10aでの乱反射が大きくなり、カラーカメラ3により乱反射光L2を一段と確実に撮像できる。なお、第2角度θ3の検証試験については、図6において後述する。
また、カラーカメラ3に対して乱反射方向となる第2角度θ3の上限値は、例えば90度以下であり、ダル仕上げ材表面10aにて乱反射光L2が生成可能な角度となる。
カラーカメラ3におけるレンズの光軸a1と、ダル仕上げ材表面10aの面法線Z1とが成す撮像角度θ1は、第1照明光による正反射光L1と、第2照明光による乱反射光L2とを同時に撮像できる角度に選定されている。
本実施形態の場合、撮像角度θ1は、第1照明光源4の第1角度θ2を基準に、θ1=θ2±5度であることが望ましく、より好ましくは第1照明光源4の第1角度θ2と同じ角度に選定されていることが望ましい。なお、撮像角度θ1を第1照明光源4の第1角度θ2から±5度程度ずらすことで、カラーカメラ3により正反射光L1及び乱反射光L2を同時に撮像した際に、正反射光L1の光強度を弱め、乱反射光L2についても確実に撮像することができる。
第1角度θ2、第2角度θ3及び撮像角度θ1は、ダル仕上げ材表面10aの面法線Z1と搬送方向(ダル仕上げ材10の長手方向)xとを含む平面内での角度であることが望ましい。
<表面状態が異なるサンプルを撮像したときのカラー画像について>
ここで、サンプルを変えることで、カラーカメラ3によって得られるカラー画像がどのように変化するかを確認する検証試験を行った。ここでは、装置構成を、図1及び図2に示すような構成とし、カラーカメラ3の撮像角度θ1を4度、ダル仕上げ材表面10aで反射して正反射光L1となる第1照明光の第1角度θ2を7度、ダル仕上げ材表面10aで反射して乱反射光L2となる第2照明光の第2角度θ3を80度とした。
正反射光L1を得る第1照明光は赤色とし、乱反射光L2を得る第2照明光は青色とした。カラーカメラ3としてはDALSA社製のPiranha2を用いた。
そして、サンプルとなるダル仕上げ材10として、チタン材からなる黒い材と、チタン材からなる正常材1と、チタン材からなるまだら材1とを用意した。黒い材、正常材1及びまだら材1は、表面のダル仕上げが異なっており、表面の凹凸状態が異なっている。
用意した黒い材は、正常材1に比して表面の凹凸が小さくなっており、見る角度によって正常材1よりも黒っぽく見える板材である。また、まだら材は、正常材1に比して表面の凹凸が大きくなっている板材である。
これらサンプルについてカラーカメラ3によってサンプル表面を撮像したところ、図3に示すようなカラー画像が得られた。図3Aは、黒い材の表面をカラーカメラ3で撮像したときのカラー画像を示す。図3Bは、正常材1の表面をカラーカメラ3で撮像したときのカラー画像を示す。図3Cは、まだら材1の表面をカラーカメラ3で撮像したときのカラー画像を示す。
図3A、図3B及び図3Cを比べると、図3Aの黒い材を写したカラー画像では、青色の分布量が少なく、赤色の分布量が多かった。一方、図3Cのまだら材1を写したカラー画像では、青色の分布量が多く、赤色の分布量が少なかった。図3Bの正常材1を写したカラー画像は、赤色及び青色の分布量が、黒い材とまだら材1との中間であった。
このように、表面状態の違いによって、赤色及び青色の分布状態が異なっており、カラー画像内の色相分布を解析することで、ダル仕上げ材表面10aの良否判定を行えることが確認できた。
<演算処理装置>
次に、カラーカメラ3により撮像されたカラー画像に基づいて、ダル仕上げ材表面10aの良否判定を行う演算処理装置6について以下説明する。図4に示すように、演算処理装置6は、取得部13と変換部14と反射強度比算出部15と良否判定部16と表示部17とを備えている。取得部13は、カラーカメラ3からカラー画像を取得し、これを変換部14及び表示部17に出力する。
変換部14は、例えばスムージングフィルタを適用してカラー画像内のノイズを除去した後、カラー画像に対して、例えばHSL変換処理を行い、RGBの3色で表現されたカラー画像をHSL色空間に変換した変換画像を生成する。次いで、変換部14は、得られた変換画像から色相を抽出して、変換画像内の色相の分布状態を示した色相分布データ(図5にて後述する)を取得し、これを反射強度比算出部15及び表示部17に出力する。
HSL色空間は、カラー画像を色相(Hue)と彩度(Saturation)と輝度(Lightness)の3要素で表現するものであり、RGB色空間より人間の感覚に近い色空間を得ることができる。よって、カラー画像をHSL色空間に変換して色相の分布状態を示した色相分布データを用い、色相の違いに基づいてダル仕上げ材表面10aの良否判定を行うことで、人の感性に近い判定を行うことができる。
なお、本実施形態においては、RGBのカラー画像を、色相を含む変換画像に変換する変換処理として、HSL変換処理を行い、色相の分布状態を示した色相分布データを得た場合について述べたが、本発明はこれに限らず、カラー画像から色相の分布状態を示した色相分布データを得ることができれば、種々の変換処理を適用してもよい。
例えば、変換処理としてHSV変換処理を行い、色相(Hue)と彩度(Saturation)と明度(Value)との3要素で表現された変換画像を得、この変換画像から色相の分布状態を示した色相分布データを得てもよい。
次に色相分布データについて説明する。図5は、変換部14により得られる色相分布データを示す。図5に示す色相分布データは、装置構成を、図1及び図2に示すような構成とし、カラーカメラ3の撮像角度θ1を4度、ダル仕上げ材表面10aで反射して正反射光L1となる第1照明光の第1角度θ2を7度、ダル仕上げ材表面10aで反射して乱反射光L2となる第2照明光の第2角度θ3を80度として検証試験を行った際に得られたものである。
サンプルとなるダル仕上げ材10としては、上述した黒い材、上述した正常材1、正常材2、上述したまだら材1、まだら材2を用いた。正常材2は、正常材1と比べて表面の凹凸が大きい材料である。また、まだら材2は、まだら材1と比べて表面の凹凸が小さい材料である。
これらサンプルについてカラーカメラ3によってサンプル表面を撮像した。そして、スムージングフィルタを適用して、各カラー画像内のノイズを除去した後、RGBのカラー画像に対してHSL変換処理を行い、HSL色空間に変換した変換画像を得た。次いで、得られた変換画像から色相を抽出して色相分布データを取得した。
これにより、図5に示すような結果が得られた。図5では、横軸に色相(256階調)を示し、縦軸に色相の強度を示した。また、図5中、H1は黒い材の色相分布データを示し、H2は正常材1の色相分布データを示し、H3は正常材2の色相分布データを示し、H4はまだら材1の色相分布データを示し、H5はまだら材2の色相分布データを示す。
図5において、横軸の181階調周辺が乱反射による青色に対応する色相を示し、241階調周辺が正反射による赤色に対応する色相を示す。図5から、各サンプル毎にそれぞれ色相分布が異なることが確認できた。
反射強度比算出部15は、図5に示すような色相分布データを変換部14から受け取ると、下記の式(1)に従って、反射強度比Iを算出し、これを良否判定部16及び表示部17に送出する。
I=乱反射光色相強度和/(乱反射光色相強度和+正反射光色相強度和) …(1)
ここで、乱反射光色相強度和は、ダル仕上げ材表面10aからの乱反射光L2をカラーカメラ3で撮像したことにより、色相分布データに現れる乱反射光の色相の分布度合いを示すものである。この場合、乱反射光色相強度和は、図5において、乱反射光を示す色相領域(青色を示す181諧調を中心として±数諧調の領域)に現れる色相の強度を加算した値である。
また、正反射光色相強度和は、ダル仕上げ材表面10aからの正反射光L1をカラーカメラ3で撮像したことにより、色相分布データに現れる正反射光の色相の分布度合いを示すものである。この場合、正反射光色相強度和は、図5において、正反射光を示す色相領域(赤色を示す241諧調を中心として±数諧調の領域)に現れる色相の強度を加算した値である。
反射強度比算出部15は、上記の式(1)を基に、色相分布データから反射強度比Iを算出すると、算出結果を良否判定部16に出力する。良否判定部16は、所望するダル仕上げ材表面10aを表す基準反射強度比値ERIを記憶しており、反射強度比算出部15から受け取った反射強度比Iと、基準反射強度比値ERIとを比較する。
これにより、良否判定部16は、反射強度比算出部15から受け取った反射強度比Iが、基準反射強度比値ERI内に含まれていると判断すると、カラー画像を取得したダル仕上げ材表面10aが所望する表面状態にあると判定する。
ここで、反射強度比Iを用いているのは、反射強度比Iを用いることで、正反射光L1と乱反射光L2とを総合的に評価し、光学系や形状変化によって生じる影響をキャンセルすることができるからである。例えば、光学系の特性として画像の中央と周辺とで感度が相違するような場合であっても、単なる強度ではなく反射強度比Iを用いることで、中央と周辺との相違を相殺することができ、より正確な測定が可能となる。また、ダル仕上げ材10が全体的な傾向を持って傾いていた場合であっても、傾きによる輝度の差異を相殺することができ、より正確な測定が可能となる。更に、ダル仕上げ材10が振動するような場合であっても、振動の測定への影響を低減することができる。
良否判定部16は、反射強度比算出部15から受け取った反射強度比Iが、基準反射強度比値ERIを外れた値であると判断すると、カラー画像を取得したダル仕上げ材表面10aが所望する表面状態にないと判定する。良否判定部16は、得られた判定結果を表示部17に出力し、表示部17を介して作業者に判定結果を提示する。
なお、表示部17には、取得部13で取得したカラー画像、変換部14で得られたHSV変換処理後の変換画像及び色相分布データ、反射強度比算出部15で得られた反射強度比I等についても表示し、これらを作業者に対して提示する。
これにより、作業者は、判定結果だけでなく、カラー画像内や変換画像内における正反射光L1及び乱反射光L2の色相分布状態、図5に示す色相分布データの傾向等を総合的に考慮し、ダル仕上げ材表面10aが所望する表面状態にあるか否か良否判定を行うことができる。
<カラーカメラに対して乱反射方向となる第2角度についての検証試験>
ここで、カラーカメラに対して乱反射方向となる第2角度θ3について、最適な角度を確認する検証試験を行った。ここでは、チタン材で形成されたダル仕上げ材10を用意した。そして、図2に示すように、カラーカメラ3の撮像角度θ1を4度に固定し、ダル仕上げ材表面10aで反射して正反射光L1となる第1照明光の第1角度θ2を7度に固定した。
一方、ダル仕上げ材表面10aで反射して乱反射光L2となる第2照明光の第2角度θ3を20度、45度、60度、80度に変えてゆき、第2角度θ3を変えたときのダル仕上げ材表面10aをカラーカメラ3で撮像した。なお、正反射光L1を得る第1照明光は赤色とし、乱反射光L2を得る第2照明光は青色とした。
そして、第2照明光の第2角度θ3を変えたときの、ダル仕上げ材表面10aの正反射光L1と乱反射光L2を撮像したカラー画像を取得した。次いで、スムージングフィルタを適用してカラー画像内のノイズを除去した後、RGBのカラー画像に対してHSL変換処理を行い、HSL色空間に変換した変換画像を得た。得られた変換画像から色相を抽出して色相分布データを取得し、赤色を示す階調位置での色相強度と、青色を示す階調位置での色相強度との差を、色相ピーク差として算出した。
その結果、図6に示すような結果が得られた。図6に示すように、第2角度θ3が45度超になると急激に色相ピーク差が大きくなってゆくことが確認できた。また、60度付近から大きな色相ピーク差が得られることが確認できた。以上より、カラーカメラ3に対して乱反射光L2となる第2照明光の第2角度θ3は、45度超が望ましく、より好ましくは60度以上が望ましいことが確認できた。
<作用及び効果>
以上の構成において、ダル仕上げ材表面10aの良否判定装置1では、カラーカメラ3に対して正反射方向となる第1角度θ2から、赤色の第1照明光をダル仕上げ材表面10aに照射する(第1照明光照射工程)。また、良否判定装置1では、カラーカメラ3に対して乱反射方向となる第2角度θ3から、ダル仕上げ材表面10aの第1照明光と同じ照明領域に青色の第2照明光を照射する(第2照明光照射工程)。
良否判定装置1は、第1照明光のダル仕上げ材表面10aでの正反射光L1と、第2照明光のダル仕上げ材表面10aでの乱反射光L2とを、1つのカラーカメラ3で同時に撮像してカラー画像を取得する(取得工程)そして、良否判定装置1では、カラー画像内における正反射光L1の色相と乱反射光L2の色相との反射強度比Iに基づいて、ダル仕上げ材表面10aの良否を判定する(良否判定工程)。
このように、良否判定装置1では、1台のカラーカメラ3で取得したカラー画像を用いることから、従来のように2台のカメラを設定することが不要となり、撮像位置のずれが生じることがないので、その分、ダル仕上げ材表面10aの良否判定を正確に行うことができる。また、良否判定装置1では、ダル仕上げ材表面10aの良否判定を行う際、単にカラー画像内の色相の比を求めればよいため、広範囲のダル仕上げ材表面10aについて効率よく良否判定を行うことができる。
<他の実施形態>
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、ダル仕上げ材として、チタン材で形成されたダル仕上げ材10を適用したが、鋼材やステンレス材等その他種々の材料により形成されたダル仕上げ材を適用してもよい。
また、上述した実施形態においては、カラー画像から色相分布データを生成して正反射光L1の色相と乱反射光L2の色相との比を表した反射強度比Iを算出し、この反射強度比Iに基づいて、ダル仕上げ材表面10aの良否判定を行うようにしたが、本発明はこれに限らない。
例えば、カラー画像から、正反射光L1の色相と、乱反射光L2の色相との反射強度比Iを算出して、ダル仕上げ材表面10aの良否判定を行うようにしてもよい。また、反射強度比Iを算出せずに、色相分布データや、カラー画像、HSL変換処理(色相変換処理)後の変換画像の色相分布状態を作業者が目視により確認し、ダル仕上げ材表面10aの良否判定を行うようにしてもよい。
なお、上述したカラー画像や、変換画像は、ディスプレイ等に表示される具体的な画像としての形態だけでなく、画像として生成される前のデータも含まれる。
1 良否判定装置
3 カラーカメラ
4 第1照明光源
5 第2照明光源
6 演算処理装置
13 取得部
16 良否判定部

Claims (5)

  1. 凹凸が形成されているダル仕上げ材表面の良否を判定する、ダル仕上げ材表面の良否判定方法において、
    カラーカメラに対して正反射方向となる第1角度から、所定色の第1照明光を前記ダル仕上げ材表面に照射する第1照明光照射工程と、
    前記カラーカメラに対して乱反射方向となる第2角度から、前記第1照明光とは異なる色の第2照明光を、前記ダル仕上げ材表面の前記第1照明光と同じ照明領域に照射する第2照明光照射工程と、
    前記第1照明光の前記ダル仕上げ材表面での正反射光と、前記第2照明光の前記ダル仕上げ材表面での乱反射光とを、1つの前記カラーカメラで同時に撮像したカラー画像を取得する取得工程と、
    前記カラー画像内における前記正反射光の色相と前記乱反射光の色相との比に基づいて、前記ダル仕上げ材表面の良否を判定する良否判定工程と、を備える、ダル仕上げ材表面の良否判定方法。
  2. 前記取得工程は、
    前記正反射光と前記乱反射光とで異なる色相となる前記カラー画像を取得し、
    前記良否判定工程は、
    前記カラー画像から取得した色相分布データを基に、前記正反射光の色相と前記乱反射光の色相との比を算出して、前記ダル仕上げ材表面の良否を判定する、請求項1に記載のダル仕上げ材表面の良否判定方法。
  3. 前記第1照明光は、赤色又は青色であり、前記第2照明光は、前記第1照明光とは異なる色の前記青色又は前記赤色である、請求項1又は2に記載のダル仕上げ材表面の良否判定方法。
  4. 前記ダル仕上げ材はチタン材により形成されており、
    前記第2角度は、前記ダル仕上げ材表面の面法線に対して60度以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のダル仕上げ材表面の良否判定方法。
  5. 凹凸が形成されているダル仕上げ材表面の良否を判定する、ダル仕上げ材表面の良否判定装置において、
    前記ダル仕上げ表面を撮像するカラーカメラと、
    前記カラーカメラに対して正反射方向となる第1角度から、所定色の第1照明光を前記ダル仕上げ材表面に照射する第1照明光源と、
    前記カラーカメラに対して乱反射方向となる第2角度から、前記第1照明光とは異なる色の第2照明光を、前記ダル仕上げ材表面の前記第1照明光と同じ照明領域に照射する第2照明光源と、
    前記第1照明光の前記ダル仕上げ材表面での正反射光と、前記第2照明光の前記ダル仕上げ材表面での乱反射光とを、前記カラーカメラで同時に撮像したカラー画像を取得する取得部と、
    前記カラー画像内における前記正反射光の色相と前記乱反射光の色相との比に基づいて、前記ダル仕上げ材表面の良否を判定する良否判定部と、を備える、ダル仕上げ材表面の良否判定装置。
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