JP2017132964A - 水性分散液の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水性媒体、ETFE系共重合体の粒子、エポキシ樹脂の粒子、増粘剤および界面活性剤を含む水性分散液を、凝集物の生成を抑制しつつ製造する。【解決手段】水性媒体に、エチレンに由来する単位とテトラフルオロエチレンに由来する単位とを含有するETFE系共重合体からなる乾燥粉体、エポキシ樹脂からなる乾燥粉体、増粘剤、および界面活性剤を添加して水性分散液を製造する方法であって、前記増粘剤の添加より後に、前記エポキシ樹脂からなる乾燥粉体を添加することを特徴とする、水性分散液の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ETFE系共重合体からなる粉体およびエポキシ樹脂からなる粉体を含む水性分散液の製造方法に関する。
エチレンに由来する単位とテトラフルオロエチレン(以下、「TFE」とも記す。)に由来する単位とを含有するETFE系共重合体は、耐熱性、耐薬品性、耐候性、ガスバリア性等に優れ、半導体産業、自動車産業、化学産業等の種々な分野で使用されている。ETFE系共重合体の粉体は、静電塗装法等の粉体塗装法や回転成形法等の方法により、耐熱基材面に塗装又はライニング加工され、容器、タンク、配管、継ぎ手等の金属表面の保護や耐薬品性の向上のために利用される。
金属等の基材上にETFE系共重合体を含む塗膜を形成する際には、塗膜と基材との接着性を向上させるためにプライマー組成物が用いられる。
液体のプライマー組成物としては、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂の粉体と、反応性ETFE系共重合体の粉体を、界面活性剤および増粘剤とともに水に分散させた水性分散液が知られている(特許文献1)。
特許文献1の実施例では、水に、非イオン系界面活性剤、ウレタン系増粘剤、反応性ETFE粉体を加えて撹拌し、その後に市販のエポキシ樹脂エマルジョンを加えて撹拌することによって液体プライマー組成物としての水性分散液が製造される(段落[0089])。
国際公開第2015/083730号
しかし、特許文献1では、エポキシ樹脂の粉体として、界面活性剤を含む水性媒体にエポキシ樹脂の粉体が分散したエポキシ樹脂エマルジョンを用いており、エポキシ樹脂の乾燥粉体を用いる方法の具体例は記載されていない。
本発明者等の知見によれば、エポキシ樹脂の乾燥粉体を用いて水性分散液を製造すると凝集物が生成しやすく、生成した凝集物はメッシュ濾過で取り除く必要がある。凝集物が多いほど、濾過に時間がかかり、水性分散液の歩留りが低い。
本発明は、水性媒体、ETFE系共重合体の粉体、エポキシ樹脂の粉体、増粘剤および界面活性剤を含む水性分散液を製造する際に、エポキシ樹脂の乾燥粉体を用いても凝集物の生成を抑制できる水性分散液の製造方法を提供する。
本発明は以下の態様を有する。
[1] 水性媒体に、エチレンに由来する単位とテトラフルオロエチレンに由来する単位とを含有するETFE系共重合体からなる乾燥粉体、エポキシ樹脂からなる乾燥粉体、増粘剤、および界面活性剤を添加して水性分散液を製造する方法であって、
前記増粘剤の添加より後に、前記エポキシ樹脂からなる乾燥粉体を添加することを特徴とする、水性分散液の製造方法。
[2] 前記界面活性剤の添加より後に、前記ETFE系共重合体からなる乾燥粉体を添加する、[1]記載の水性分散液の製造方法。
[3] 前記増粘剤の添加より後に、前記ETFE系共重合体からなる乾燥粉体を添加する、[1]または[2]に記載の水性分散液の製造方法。
[4] 水性媒体に、増粘剤の添加より後に、エポキシ樹脂からなる乾燥粉体を添加して得た第1分散液と、水性媒体に、界面活性剤の添加より後に、エチレンに由来する単位とテトラフルオロエチレンに由来する単位とを含有するETFE系共重合体からなる乾燥粉体を添加して得た第2分散液とを混合することを特徴とする水性分散液の製造方法。
本発明によれば、ETFE系共重合体の乾燥粉体とエポキシ樹脂の乾燥粉体を用いて、水性媒体に、ETFE系共重合体の粒子及びエポキシ樹脂の粒子を分散させた水性分散液を、凝集物の生成を抑制しつつ製造できる。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「単量体」とは、重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物である。
「単位」とは、単量体が重合することによって形成された該単量体に由来する部分を意味する。単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、重合体を処理することによって該単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。
なお、以下において、場合により、個々の単量体に由来する単位をその単量体名に「単位」を付した名称で記す。
「乾燥粉体」とは、水分含有量が2質量%以下である粉体を意味する。本明細書において、水性媒体中に分散された、原料の乾燥粉体を「粒子」という。具体的には、ETFE系共重合体粒子、エポキシ樹脂粒子という。また、ETFE系共重合体粒子とETFE系共重合体乾燥粉体の質量は同じとみなし、エポキシ樹脂粒子とエポキシ樹脂乾燥粉体の質量は同じとみなす。
「カルボニル基含有基」とは、構造中にカルボニル基(−C(=O)−)を有する基を意味する。
「酸無水物残基」とは、−C(=O)−O−C(=O)−で表される基を意味する。
「固形分換算含有量」とは、水等の揮発性成分を除いた固形分のみの含有量を意味する。
固形分の測定方法は、アルミ皿に被測定試料を7g計り取り、120℃で1時間乾燥した後の質量を固形分(不揮発分)の質量とする。
乾燥粉体の平均粒径および水性分散液中の平均粒径は、レーザー回折散乱粒度分布装置を用い湿式法で測定した体積基準のメジアン径である。
水性分散液の粘度は、ブルックフィールド型粘度計で、No.3スピンドルを用い、回転数60rpm、温度23℃で測定した値である。
pHは、特に断りが無い限り23℃で測定した値である。
比重は、特に断りが無い限り23℃で測定した値である。
<水性分散液>
本発明における水性分散液は、少なくとも、水性媒体、ETFE系共重合体からなる粒子(以下、ETFE系共重合体粒子とも記す。)、エポキシ樹脂からなる粒子(以下、エポキシ樹脂粒子とも記す。)、増粘剤、および界面活性剤を含有する。
本発明における水性分散液の用途は、好ましくはプライマー組成物であるが、プライマー組成物以外の用途にも適用できる。例えば、塗膜を形成する用途にも好適である。
水性分散液の固形分濃度は40〜52質量%が好ましく、42〜49質量%がより好ましく、44〜47質量%が特に好ましい。
水性分散液の粘度は10〜10,000mPa・sが好ましく、50〜2,000mPa・sがより好ましく、100〜800mPa・sが特に好ましい。
水性分散液のpHは6.5〜11.0が好ましく、7.0〜10.0がより好ましく、7.5〜9.5が特に好ましい。
水性分散液の比重は1.05〜1.40が好ましく、1.10〜1.30がより好ましく、1.15〜1.25が特に好ましい。
ETFE系共重合体粒子の平均粒径は、特に限定されないが、0.1〜100μmが好ましく、0.5〜50μmがより好ましく、1〜30μmが特に好ましい。
エポキシ樹脂粒子の平均粒径は、特に限定されないが、0.1〜50μmが好ましく、0.2〜40μmがより好ましく、0.3〜30μmが特に好ましい。
[水性媒体]
水性媒体は水のみ、または水と有機溶剤の混合物である。
有機溶剤としては、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール;エチルセロソルブ、エチルカルビトール等のエーテル;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;等が挙げられる。
有機溶剤の含有量は特に限定されないが、水の100質量部に対して20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。
水性分散液における水の含有量は特に限定されない。水の含有量で水性分散液の固形分濃度、粘度、比重を調整できる。
例えば、ETFE系共重合体粒子の100質量部に対して、水が20〜400質量部が好ましく、30〜200質量部がより好ましく、40〜150質量部がさらに好ましい。水の含有量が、上記範囲の下限値以上であると、水性分散液の粘度が高くなりすぎず、塗布作業性が良好であり、膜厚が均一になりやすい。上記範囲の上限値以下であると、水性分散液の粘度が低くなりすぎず、塗布から乾燥までの間にたれや塗布むらが抑制されやすい。
[ETFE系共重合体]
本発明で用いるETFE系共重合体は、エチレン単位とTFE単位を含有する共重合体であって、常温(25℃)で固体である。塗膜形成に用いられるETFE系共重合体として公知のETFE系共重合体を用いることができる。例えば、旭硝子社製 フルオンETFE Z−8820X(商品名)等が挙げられる。ETFE系共重合体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ETFE系共重合体は、エチレン単位とTFE単位以外の単量体(以下、その他の単量体という)に由来する単位を有してもよい。ETFE系共重合体を構成する全単位に対して、エチレン単位とTFE単位の合計は80〜100モル%が好ましく、85〜100モル%がより好ましく、90〜100モル%がさらに好ましい。
エチレン単位とTFE単位の合計に対して、TFE単位は20〜70モル%が好ましく、25〜60モル%がより好ましく、35〜55モル%がさらに好ましい。
その他の単量体としては、例えば以下の単量体(1)〜(7)が挙げられる。
単量体(1):プロピレン等の炭素数3個のオレフィン;ブチレン、イソブチレン等の炭素数4個のオレフィン;等のオレフィン類(ただし、エチレンは除く。)。
単量体(2):CH=CX(CFY(ただし、XおよびYはそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、nは2〜8の整数である。)で表される化合物。例えばCH=CF(CFF、CH=CF(CFH、CH=CH(CFF、CH=CH(CFH等。整数nは3〜7が好ましく、4〜6がより好ましい。
単量体(3):フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブチレン等の不飽和基に水素原子を有するフルオロオレフィン。
単量体(4):ヘキサフルオロプロピレン等の不飽和基に水素原子を有しないフルオロオレフィン。
単量体(5):ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)、ペルフルオロ(エチルビニルエーテル)、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)、ペルフルオロ(ブチルビニルエーテル)等のペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)。
単量体(6):CF=CFOCFCF=CF、CF=CFO(CFCF=CF等の不飽和結合を2個有するペルフルオロビニルエーテル類。
単量体(7):ペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、2,2,4−トリフルオロ−5−トリフルオロメトキシ−1,3−ジオキソール、ペルフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)等の脂肪族環構造を有する含フッ素モノマー類。
本発明におけるETFE系共重合体は、カルボニル基含有基を有してもよい。カルボニル基含有基は接着性の向上に寄与する。
カルボニル基含有基は、ETFE系共重合体の主鎖末端に存在してもよく、側鎖に存在してもよい。カルボニル基含有基は、例えば、ETFE系共重合体の主鎖の製造に用いられた単量体、主鎖の製造に用いられた連鎖移動剤、主鎖の製造に用いられた重合開始剤からなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する。
カルボニル基含有基としては、カルボキシ基、酸無水物残基、カーボネート基、カルボニルジオキシ基、ハロホルミル基、アルコキシカルボニル基等が挙げられる。
カルボニル基含有基の導入方法としては、例えば、以下の方法(1)および方法(2)が挙げられる。
方法(1):重合反応でETFE系共重合体を製造する際に、カルボニル基含有基を有する単量体を使用する方法。
方法(2):カルボニル基含有基を有するラジカル重合開始剤や連鎖移動剤を用いて、重合反応でETFE系共重合体を製造する方法。
本発明におけるETFE系共重合体は、酸無水物残基を有する単量体単位を含有するものであってもよい。酸無水物残基を有する単量体としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物等が挙げられる。酸無水物残基を有する単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ETFE系共重合体が酸無水物残基を有する単量体単位を含有する場合、エチレン単位(a)とTFE単位(b)の合計に対する、酸無水物残基を有する単量体単位(c)のモル比を表す「(c)/((a)+(b))」は1/10,000〜5/100が好ましく、1/1,000〜5/100がより好ましく、3/2,000〜3/100がさらに好ましく、3/1,000〜3/100が特に好ましい。上記の範囲にあると、ETFE系共重合体は接着性により優れ、耐薬品性や耐熱性により優れる傾向がある。
[エポキシ樹脂]
本発明におけるエポキシ樹脂は、分子中にエポキシ基を1つ以上有する化合物であって、常温(例えば、25℃)で固体である。エポキシ樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの縮合反応により得られるビスフェノールA型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;ビスフェノールAD型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;グリシジルエステル型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;高分子型エポキシ樹脂;その他の変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂の質量平均分子量は、例えば400〜3,500が好ましく、400〜3,000がより好ましく、400〜2,000が特に好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は200〜2,700が好ましく、250〜2,300がより好ましく、250〜2,000が特に好ましい。エポキシ当量は、エポキシ樹脂の分子量を分子中のエポキシ基数で除したものである。
エポキシ樹脂の乾燥粉体は、市販品である固形エポキシ樹脂が使用できる。例えば、三菱化学社製jER樹脂(商品名)1003K、1004K、1004F、1004AF、1007、DIC社製エピクロン(商品名)4050、7050等が挙げられる。
水性分散液におけるエポキシ樹脂粒子の含有量は、例えば、ETFE系共重合体粒子の100質量部に対して、1〜35質量部が好ましく、2〜30質量部がより好ましく、3〜25質量部が特に好ましい。エポキシ樹脂粒子の含有量が上記範囲の下限値以上であると、水性分散液をプライマー組成物として用いたときに、基材へのプライマー層の接着性に優れる。上限値以下であるとエポキシ樹脂の熱分解によるプライマー層の発泡や変色が生じ難い。
[界面活性剤]
界面活性剤は、特に限定されないが、非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等が挙げられ、非イオン性界面活性剤が好ましい。界面活性剤は、低分子であっても高分子であってもよい。界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤のHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値は、例えば3〜15が好ましく、6〜10がさらに好ましく、7〜9がより好ましい。
非イオン性界面活性剤は、一般式(1)、一般式(2)又は一般式(3)で示されるもの及び他の非イオン性界面活性剤が挙げられ、一般式(1)、一般式(2)又は一般式(3)で示されるものが好ましく、一般式(1)で示されるアセチレンアルコール系界面活性剤がより好ましい。水性分散液が一般式(1)で示される界面活性剤を含有すると、水性分散液の表面張力が低下し、ETFE系共重合体乾燥粉体の粒子間へ水が浸透しやすくなり、分散性が良くなり、泡立ちにくく、保存安定性が向上する傾向がある。
Figure 2017132964
式中、R及びRは、互いに独立して、炭素数1〜5のアルキル基であり、m及びpは、互いに独立して、0〜25の整数であり、m+p=1〜40である。
−O−A−Z …(2)
式中、Rは炭素数6〜18のアルキル基であり、Aは、0〜3個のオキシブチレン基、0〜3個のオキシプロピレン基及び5〜20個のオキシエチレン基からなるポリオキシアルキレン鎖であり、Zは、水素原子又はメチル基である。
−C−O−B−H …(3)
式中、Rは炭素数4〜12のアルキル基であり、Bは、5〜20個のオキシエチレン基からなるポリオキシエチレン鎖である。
一般式(1)で示される非イオン系界面活性剤の具体例としては、日信化学社製サーフィノール(Surfinol:登録商標)420、104、SE−F、ダイノール(Dynol:登録商標)604が挙げられ、特にダイノール604(HLB値=8)が好ましい。
一般式(2)の非イオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、C1327−(OC10−OH、C1225−(OC10−OH、C1021CH(CH)CH−(OC−OH、C1327−(OC−OCH(CH)CH−OH、C1633−(OC10−OH、HC(C11)(C15)−(OC−OH、などの分子構造をもつ非イオン系界面活性剤が挙げられ、市販品ではダウ社製タージトール(登録商標)15Sシリーズ、ライオン社製ライオノール(登録商標)TDシリーズなどが挙げられる。
一般式(3)の非イオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、C17−C−(OC10−OH、C19−C−(OC10−OH等の分子構造をもつ非イオン系界面活性剤が挙げられ、市販品ではダウ社製トライトン(登録商標)Xシリーズ、日光ケミカル社製ニッコール(登録商標)OPシリーズ又はNPシリーズなどが挙げられる。
他の非イオン系界面活性剤は、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のソルビタン脂肪酸エステル、グリセロールモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。他の非イオン系界面活性剤は、市販品では花王社製レオドール(登録商標)TW−L106が挙げられる。
これらの非イオン系界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
アニオン系界面活性剤は、特に限定されないが、カルボン酸、スルホン酸、リン酸基等の親水基を有するものであり、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤は、特に限定されないが、第四級アンモニウム基を親水基として有するものであり、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
水性分散液における界面活性剤の固形分換算含有量は、例えば、ETFE系共重合体粒子の100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜7.0質量部がより好ましく、0.5〜5.0質量部であるのが特に好ましい。
界面活性剤の固形分換算含有量が上記範囲の下限値以上であると、水性分散液の粘度が安定化し、基材へのぬれ性が低下せずに、はじきが抑制される傾向がある。上限値以下であると、塗工後の焼成工程での熱分解ガスによる臭気が大きくならず、熱分解ガスにより塗膜中に気泡の生成が抑制される傾向がある。
[増粘剤]
増粘剤としては、ウレタン系増粘剤、ポリエチレンオキシド系増粘剤が挙げられる。
ウレタン系増粘剤の具体例として、アデカ社製アデカノール(登録商標)UH−756VF、UH−752、UH−472、楠本化成社製ディスパロン(登録商標)AQ−580、AQ−600、AQ−607、BYK社製BYK−420などが挙げられる。
ポリエチレンオキシド系増粘剤の具体例として、質量平均分子量が50〜200万のポリエチレンオキシドが好ましい。市販品としては、住友精化社製PEO(登録商標)−1、PEO−2、PEO−3、ユニオンカーバイド社製ポリオックス(登録商標)N−80、N−750などが挙げられる。
これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
水性分散液における増粘剤の固形分換算含有量は、例えば、ETFE系共重合体粒子の100質量部に対して0.1〜5.0質量部が好ましく、0.1〜4.0質量部がより好ましく、0.2〜3.0質量部が特に好ましい。
増粘剤の固形分換算含有量が上記範囲の下限値以上であると、水性分散液の粘度が低くなりすぎず、ETFE系共重合体粒子やエポキシ樹脂粒子などの粒子が沈降し難く、保存安定性に優れる傾向がある。上限値以下であると、水性分散液の粘度が高くなりすぎず、塗布むらやレベリング不良による厚みむらが生じにくい傾向がある。
[その他の成分]
上記以外のその他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で含有させてもよい。その他の成分としては、水性分散液、プライマー組成物、塗料等の分野において公知の成分を適宜用いることができる。例えば、顔料(カーボンブラック、グラファイト、コバルトブルー、群青、酸化チタン等)、補強材(ガラス繊維、カーボン繊維、カーボンナノチューブ等)、導電性カーボンブラック、他の合成樹脂粉体、防腐剤、濡れ性改良剤(プロピレングリコール等)、熱安定剤(銅化合物、錫化合物、鉄化合物、鉛化合物、チタン化合物、アルミニウム化合物等)等が挙げられる。
水性分散液がその他の成分を含む場合、その他の成分の固形分換算含有量の合計は、ETFE系共重合体粒子の100質量部に対して0超〜300質量部が好ましく、0超〜200質量部がより好ましく、0超〜100質量部がさらに好ましい。
<水性分散液の製造方法>
水性分散液は、水性媒体に、ETFE系共重合体乾燥粉体、エポキシ樹脂乾燥粉体、増粘剤、界面活性剤、および必要に応じたその他の成分を添加して分散させることにより製造できる。
ETFE系共重合体乾燥粉体およびエポキシ樹脂乾燥粉体は、エマルジョンの状態ではなく、乾燥粉体の状態で添加される。増粘剤または界面活性剤は、その他の成分の一部または全部と予め混合して添加してもよい。
ETFE系共重合体乾燥粉体の平均粒径は、特に限定されないが、0.1〜100μmが好ましく、0.5〜50μmがより好ましく、1〜30μmが特に好ましい。
エポキシ樹脂乾燥粉体の平均粒径は、特に限定されないが、0.1〜50μmが好ましく、0.2〜40μmがより好ましく、0.3〜30μmが特に好ましい。
[第1態様]
水性分散液を製造する方法の第1態様では、水性媒体に対して、ETFE系共重合体乾燥粉体、エポキシ樹脂乾燥粉体、増粘剤および界面活性剤を、後述する順序で添加して分散させて水性分散液を製造する。さらにその他の成分を任意のタイミングで添加することができる。
第1態様では、少なくとも増粘剤の添加より後にエポキシ樹脂乾燥粉体を添加する。これにより水性分散液の製造時における凝集物の生成を抑制できる。
凝集物の生成をより抑制できる点で、エポキシ樹脂乾燥粉体の添加より後に界面活性剤を添加することが好ましい。また、界面活性剤の添加より後にETFE系共重合体乾燥粉体を添加することが好ましい。
ETFE系共重合体乾燥粉体、エポキシ樹脂乾燥粉体、増粘剤、または界面活性剤は、それぞれ別個に添加し、分散が確認されてから次の成分の添加を行うことが好ましい。ETFE系共重合体乾燥粉体またはエポキシ樹脂乾燥粉体は、それぞれ少量ずつ添加することが好ましい。
第1態様において、水性媒体に、増粘剤を添加し、次いでエポキシ樹脂乾燥粉体を添加する。次いで界面活性剤を添加し、その後にETFE系共重合体乾燥粉体を添加することが、凝集体の生成を防止する効果に優れる点でより好ましい。水性分散液にその他の成分を含有させる場合、その他の成分は任意のタイミングで添加することができる。
[第2態様]
水性分散液を製造する方法の第2態様では、水性媒体に、増粘剤を添加し、次いでエポキシ樹脂乾燥粉体を添加して得た第1分散液、及び、水性媒体に、界面活性剤を添加し、次いでETFE系共重合体乾燥粉体を添加して得た第2分散液を、それぞれ調製し、該第1分散液と第2分散液と混合し水性分散液が製造される。
水性分散液にその他の成分を含有させる場合、その他の成分は任意のタイミングで添加することができる。
第2態様としては、水性媒体に、増粘剤の存在下、かつ界面活性剤の非存在下で、エポキシ樹脂乾燥粉体を添加して第1分散液を調製し、これとは別に、水性媒体に、界面活性剤の存在下でETFE系共重合体乾燥粉体を添加して第2分散液を調製し、しかる後に第1分散液と第2分散液とを混合し、水性分散液を製造することが好ましい。
[濾過工程]
第1態様または第2態様の方法で全成分を水性媒体に分散させて水性分散液を得た後、水性分散液の濾過工程を行うことが好ましい。濾過工程により、例えばスプレー塗装時に目詰まりの原因等となる凝集物を除去できる。
濾過工程は公知の方法で行うことができる。濾過工程に用いるフィルターは、水性分散液中に分散されたETFE系共重合体粒子およびエポキシ樹脂粒子を透過可能で、これらの粒子より大きな粒径を有する凝集物を残渣として除去できるものが好ましい。例えばフィルターの目開きは105〜300μmが好ましく、150〜250μmがより好ましい。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<凝集抑制効果の評価方法>
各例で得られた水性分散液(25℃、200g)を70メッシュのフィルター(日本理化学機械株式会社製、製品名:NRS−210、目開き210μm)で濾過した。残渣(凝集物)の量を測定し、下記の基準で評価した。結果を表に示す。
A:残渣は殆ど認められない(0.5g以下)。
B:残渣が0.5g超、2.0g以下。
C:残渣2.0g超。
<例1〜11:水性分散液の製造>
例1〜11において用いた成分は以下の通りである。例1〜9は実施例、例10、11は比較例である。
増粘剤(1):ウレタン系増粘剤、BYK社製、BYK−420(製品名)、ウレアウレタンの溶液、固形分濃度52質量%。
エポキシ樹脂乾燥粉体(1):三菱化学社製jER1004K、質量平均分子量1,650、エポキシ当量925、平均粒径11.0μm。
エポキシ樹脂乾燥粉体(2):三菱化学社製jER1003K、質量平均分子量1,300、エポキシ当量720、平均粒径11.0μm。
界面活性剤(1):日信化学社製ダイノール604、非イオン性界面活性剤、HLB値8、固形分濃度100質量%。
ETFE系共重合体乾燥粉体(1):TFE単位/E単位/IAH単位/CH=CH(CFF単位のモル比が57.6/40.0/1.8/0.6であるETFE系共重合体、平均粒径14.4μm、水分含有量0.5質量%以下。
ETFE系共重合体乾燥粉体(2):TFE単位/E単位/PFBE単位のモル比が54.0/46.0/1.4であるETFE系共重合体、平均粒径30.0μm、水分含有量0.5質量%以下。
PG:プロピレングリコール。
その他の成分(1):カーボンペースト、固形分濃度30質量%。
その他の成分(2):青色顔料粉体。
その他の成分(3):防腐剤水溶液、固形分濃度10質量%。
水性分散液の配合は表1に示す3通りを用いた。表1に示す配合量は、溶媒または分散媒を含む質量部である。
Figure 2017132964
[例1]
表1の配合(I)で水性分散液を製造した。各成分を表2に示す添加順序で添加し、添加した成分が完全に分散してから次の成分を添加した。増粘剤(1)は予めPGと混合して添加した。
例1では、まず、水に増粘剤(1)を添加して分散させた。次にエポキシ樹脂乾燥粉体(1)を少量ずつ添加して分散させた後、界面活性剤(1)を添加して分散させた。続いてETFE系共重合体乾燥粉体(1)を少量ずつ添加して分散させた後、その他の成分(1)、(2)および(3)をこの順序でそれぞれ添加して分散させて、水性分散液を得た。得られた水性分散液を上記の方法で評価した(以下、同様。)。
[例2]
例2では、例1と同じ配合(I)を用い、各成分の添加方法を変更した。エポキシ樹脂乾燥粉体(1)を分散させた第1分散液と、ETFE系共重合体乾燥粉体(1)を分散させた第2分散液をそれぞれ調製し、これらの分散液を混合して水性分散液を製造した。
第1分散液は、まず、水に増粘剤(1)を添加して分散させた後にエポキシ樹脂乾燥粉体(1)を少量ずつ添加して分散させて得た。
第2分散液は、水に界面活性剤(1)を添加して分散させた後、ETFE系共重合体乾燥粉体(1)を少量ずつ添加して分散させて得た。
次いで第1分散液と第2分散液を混合し、最後にその他の成分(1)、(2)および(3)をこの順序でそれぞれ添加して分散させて、水性分散液を得た。
[例3]
ETFE系共重合体粉体(1)に代えてETFE系共重合体乾燥粉体(2)を用いる配合(II)を採用した以外は例1と同様にして水性分散液を得た。
[例4]
エポキシ樹脂乾燥粉体(1)に代えてエポキシ樹脂乾燥粉体(2)を用いる配合(III)を採用した以外は例1と同様にして水性分散液を得た。
[例5〜11]
各成分の添加順序を表2に示す通りに変更した以外は例1と同様にして水性分散液を製造し、同様に評価した。結果を表2に示す。
[水性分散液の物性値の測定]
例1および例10において、凝集抑制効果を評価するために、水性分散液を前記フィルターで濾過して得られた濾液(残渣が除かれたもの)について、物性値(固形分濃度、粘度、pHおよび比重)を測定した。結果を表2に示す。
例2〜9の水性分散液の物性値は未測定であるが、固形分濃度、粘度および比重については、残渣が最も少ない例1と、残渣が最も多い例10の間の値であると推定できる。またpHは例1、10と同程度と推定できる。
Figure 2017132964
本発明の方法で各成分を分散させた例1〜9では、分散性が良好な水性分散液が得られ、凝集物(残渣)の生成も良好に抑えられた。
特に例1〜4は、濾過後に凝集物(残渣)が認められず、凝集抑制効果に優れる。
例5、6では濾過後の残渣(凝集物)が少し確認されたが、分散性が良好な水性分散液を製造できた。
例7ではETFE系共重合体乾燥粉体を分散させた後に増粘剤を添加すると粘度がやや高くなり、その後にエポキシ樹脂乾燥粉体を分散させるための時間が例6より長くなったが、分散性が良好な水性分散液が得られ、濾過後の残渣(凝集物)も抑制された。
例8、9ではETFE系共重合体乾燥粉体を分散させるための時間が例6より長くなったが、分散性が良好な水性分散液が得られ、濾過後の残渣(凝集物)も抑制された。
これに対して、例10ではエポキシ樹脂乾燥粉体の凝集が顕著に生じ、濾過後の残渣が多かった。
例11は、水に界面活性剤を分散させた後にエポキシ樹脂乾燥粉体を添加したところ凝集し、分散液の製造が困難であった。この段階で実験を終了した。

Claims (4)

  1. 水性媒体に、エチレンに由来する単位とテトラフルオロエチレンに由来する単位とを含有するETFE系共重合体からなる乾燥粉体、エポキシ樹脂からなる乾燥粉体、増粘剤、および界面活性剤を添加して水性分散液を製造する方法であって、
    前記増粘剤の添加より後に、前記エポキシ樹脂からなる乾燥粉体を添加することを特徴とする、水性分散液の製造方法。
  2. 前記界面活性剤の添加より後に、前記ETFE系共重合体からなる乾燥粉体を添加する、請求項1記載の水性分散液の製造方法。
  3. 前記増粘剤の添加より後に、前記ETFE系共重合体からなる乾燥粉体を添加する、請求項1または2に記載の水性分散液の製造方法。
  4. 水性媒体に、増粘剤の添加より後に、エポキシ樹脂からなる乾燥粉体を添加して得た第1分散液と、
    水性媒体に、界面活性剤の添加より後に、エチレンに由来する単位とテトラフルオロエチレンに由来する単位とを含有するETFE系共重合体からなる乾燥粉体を添加して得た第2分散液とを、混合することを特徴とする水性分散液の製造方法。
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