JP2020111644A - 粉体組成物、物品 - Google Patents
粉体組成物、物品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020111644A JP2020111644A JP2019001870A JP2019001870A JP2020111644A JP 2020111644 A JP2020111644 A JP 2020111644A JP 2019001870 A JP2019001870 A JP 2019001870A JP 2019001870 A JP2019001870 A JP 2019001870A JP 2020111644 A JP2020111644 A JP 2020111644A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oxide pigment
- fluororesin
- composite oxide
- particles
- composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
Abstract
【課題】耐酸性に優れかつ緑色である塗膜を形成できる粉体組成物、および、上記粉体組成物を用いて形成された塗膜を有する物品を提供する。【解決手段】フッ素樹脂Aと、CoおよびAlを含む複合酸化物顔料Bと、Cu、Mn、Co、Ni、および、Znからなる群から選ばれる2種以上の金属を含む複合酸化物顔料Cと、を含むことを特徴とする、粉体組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、粉体組成物および物品に関する。
耐熱性、耐薬品性、耐候性等に優れるフッ素樹脂は、半導体産業、自動車産業、化学産業等の種々な分野で使用されている。
例えば基材表面に、フッ素樹脂を含む組成物を、静電塗装法、流動浸漬法、回転成形法等の手法で塗装して、基材表面の保護や耐薬品性の向上のための塗膜を形成できる。特に、金属製の各種容器、配管、撹拌翼等の、酸性溶液と接触し得る面に設けられる塗膜は、金属の腐食を防止するために耐酸性に優れることが望まれる。
例えば基材表面に、フッ素樹脂を含む組成物を、静電塗装法、流動浸漬法、回転成形法等の手法で塗装して、基材表面の保護や耐薬品性の向上のための塗膜を形成できる。特に、金属製の各種容器、配管、撹拌翼等の、酸性溶液と接触し得る面に設けられる塗膜は、金属の腐食を防止するために耐酸性に優れることが望まれる。
特許文献1には、所定の複合酸化物の粒子と、フッ素樹脂とを含む粉体が開示されている。上記粉体によれば、耐酸性に優れる塗膜を形成できると記載されている。
一方で、フッ素樹脂が様々な用途で使用されるのに伴い、フッ素樹脂を含む組成物から形成される塗膜に特定の色味を求める需要も高まっている。例えば、緑色の塗膜を形成できる、フッ素樹脂を含む組成物が求められている。
本発明は、耐酸性に優れかつ緑色である塗膜を形成できる粉体組成物、および、上記粉体組成物を用いて形成された塗膜を有する物品の提供を課題とする。
本発明は、耐酸性に優れかつ緑色である塗膜を形成できる粉体組成物、および、上記粉体組成物を用いて形成された塗膜を有する物品の提供を課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の構成により課題を解決した。
〔1〕 フッ素樹脂Aと、
CoおよびAlを含む複合酸化物顔料Bと、
Cu、Mn、Co、Ni、および、Znからなる群から選ばれる2種以上の金属を含む複合酸化物顔料Cと、を含むことを特徴とする、粉体組成物。
〔2〕 上記複合酸化物顔料Bがピグメントブルー28である、〔1〕に記載の粉体組成物。
〔3〕 更に、Ti、Fe、および、Alからなる群から選ばれる2種以上の金属を含む複合酸化物顔料Dを含む、〔1〕または〔2〕に記載の粉体組成物。
〔4〕 上記フッ素樹脂Aが、CF2=CFX(XはFまたはCl)で表される単量体に由来する単位を有するフッ素樹脂である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の粉体組成物。
〔5〕 上記フッ素樹脂が、
エチレンに由来する単位とテトラフルオロエチレンに由来する単位を有する共重合体、
テトラフルオロエチレンに由来する単位とペルフルオロアルキルビニルエーテルに由来する単位とを有し、エチレンに由来する単位を有さない共重合体、
テトラフルオロエチレンに由来する単位とヘキサフルオロプロピレンに由来する単位を有し、エチレンに由来する単位およびペルフルオロアルキルビニルエーテルに由来する単位をいずれも有さない共重合体、または、
エチレンに由来する単位とクロロトリフルオロエチレンに由来する単位とを有し、テトラフルオロエチレンに由来する単位を有さない共重合体である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の粉体組成物。
〔6〕 基材と、上記基材の表面上に配置された〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の粉体組成物から形成されてなる塗膜とを有する、物品。
CoおよびAlを含む複合酸化物顔料Bと、
Cu、Mn、Co、Ni、および、Znからなる群から選ばれる2種以上の金属を含む複合酸化物顔料Cと、を含むことを特徴とする、粉体組成物。
〔2〕 上記複合酸化物顔料Bがピグメントブルー28である、〔1〕に記載の粉体組成物。
〔3〕 更に、Ti、Fe、および、Alからなる群から選ばれる2種以上の金属を含む複合酸化物顔料Dを含む、〔1〕または〔2〕に記載の粉体組成物。
〔4〕 上記フッ素樹脂Aが、CF2=CFX(XはFまたはCl)で表される単量体に由来する単位を有するフッ素樹脂である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の粉体組成物。
〔5〕 上記フッ素樹脂が、
エチレンに由来する単位とテトラフルオロエチレンに由来する単位を有する共重合体、
テトラフルオロエチレンに由来する単位とペルフルオロアルキルビニルエーテルに由来する単位とを有し、エチレンに由来する単位を有さない共重合体、
テトラフルオロエチレンに由来する単位とヘキサフルオロプロピレンに由来する単位を有し、エチレンに由来する単位およびペルフルオロアルキルビニルエーテルに由来する単位をいずれも有さない共重合体、または、
エチレンに由来する単位とクロロトリフルオロエチレンに由来する単位とを有し、テトラフルオロエチレンに由来する単位を有さない共重合体である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の粉体組成物。
〔6〕 基材と、上記基材の表面上に配置された〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の粉体組成物から形成されてなる塗膜とを有する、物品。
本発明によれば、耐酸性に優れかつ緑色である塗膜を形成できる粉体組成物、および、上記粉体組成物を用いて形成された塗膜を有する物品を提供できる。
本発明における用語の意味は以下の通りである。
「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
「単位」とは、単量体が重合して形成された、上記単量体1分子に由来する原子団と、上記原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。なお、以下において、場合により、個々の単量体に由来する単位をその単量体名に「単位」を付した名称で記す。
「複合酸化物」は、複数の金属酸化物の固溶体である。
「粒子の平均粒子径」は、レーザー回折散乱粒度分布測定装置を用いて測定して得られる体積基準のメジアン径である。
「粒子の比表面積」は、BET比表面積である。
「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
「単位」とは、単量体が重合して形成された、上記単量体1分子に由来する原子団と、上記原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。なお、以下において、場合により、個々の単量体に由来する単位をその単量体名に「単位」を付した名称で記す。
「複合酸化物」は、複数の金属酸化物の固溶体である。
「粒子の平均粒子径」は、レーザー回折散乱粒度分布測定装置を用いて測定して得られる体積基準のメジアン径である。
「粒子の比表面積」は、BET比表面積である。
本発明の粉体組成物(以下、「本組成物」ともいう。)は、フッ素樹脂Aと、CoおよびAlを含む複合酸化物顔料Bと、Cu、Mn、Co、Ni、および、Znからなる群から選ばれる2種以上の金属を含む複合酸化物顔料Cと、を含む。
<フッ素樹脂A>
本組成物に含まれるフッ素樹脂Aは、常温(25℃)で固体である。フッ素樹脂Aとしては、粉体塗料の分野において公知のフッ素樹脂を使用できる。
本組成物は、通常、フッ素樹脂Aを含む粒子を含んでおり、上記フッ素樹脂Aを含む粒子は、例えば、フッ素樹脂Aの粒子、フッ素樹脂Aがフッ素樹脂A以外の成分と複合した粒子が挙げられる。
フッ素樹脂Aがフッ素樹脂A以外の成分と複合した粒子としては、例えば、フッ素樹脂Aと、複合酸化物顔料B、複合酸化物顔料C、および、後述する複合酸化物顔料Dからなる群から選択される1種以上の複合酸化物顔料とによって構成された複合粒子が挙げられる。
また、フッ素樹脂Aがフッ素樹脂A以外の成分と複合した粒子は、フッ素樹脂Aまたは上記複合粒子が、複合酸化物顔料B〜D以外の成分と複合した粒子であってもよい。複合酸化物顔料B〜D以外の好ましい成分については、「他の成分」として後述する。
中でも、フッ素樹脂Aを含む粒子は、フッ素樹脂Aの粒子、または、フッ素樹脂Aが複合酸化物顔料B〜D以外の成分(好ましくは熱安定剤)と複合した粒子が好ましい。
フッ素樹脂Aがフッ素樹脂A以外の成分と複合した粒子中のフッ素樹脂Aの含有量は、粒子の全質量に対して、85質量%以上が好ましく、90質量%以上が特に好ましい。上限は、100質量%未満である。
フッ素樹脂Aを含む粒子に含まれるフッ素樹脂Aは、1種単独でも、2種以上でもよい。
フッ素樹脂Aを含む粒子は、1種単独で使用しても、2種以上を使用してもよい。
本組成物に含まれるフッ素樹脂Aは、常温(25℃)で固体である。フッ素樹脂Aとしては、粉体塗料の分野において公知のフッ素樹脂を使用できる。
本組成物は、通常、フッ素樹脂Aを含む粒子を含んでおり、上記フッ素樹脂Aを含む粒子は、例えば、フッ素樹脂Aの粒子、フッ素樹脂Aがフッ素樹脂A以外の成分と複合した粒子が挙げられる。
フッ素樹脂Aがフッ素樹脂A以外の成分と複合した粒子としては、例えば、フッ素樹脂Aと、複合酸化物顔料B、複合酸化物顔料C、および、後述する複合酸化物顔料Dからなる群から選択される1種以上の複合酸化物顔料とによって構成された複合粒子が挙げられる。
また、フッ素樹脂Aがフッ素樹脂A以外の成分と複合した粒子は、フッ素樹脂Aまたは上記複合粒子が、複合酸化物顔料B〜D以外の成分と複合した粒子であってもよい。複合酸化物顔料B〜D以外の好ましい成分については、「他の成分」として後述する。
中でも、フッ素樹脂Aを含む粒子は、フッ素樹脂Aの粒子、または、フッ素樹脂Aが複合酸化物顔料B〜D以外の成分(好ましくは熱安定剤)と複合した粒子が好ましい。
フッ素樹脂Aがフッ素樹脂A以外の成分と複合した粒子中のフッ素樹脂Aの含有量は、粒子の全質量に対して、85質量%以上が好ましく、90質量%以上が特に好ましい。上限は、100質量%未満である。
フッ素樹脂Aを含む粒子に含まれるフッ素樹脂Aは、1種単独でも、2種以上でもよい。
フッ素樹脂Aを含む粒子は、1種単独で使用しても、2種以上を使用してもよい。
フッ素樹脂Aを含む粒子の平均粒子径は、1〜1,000μmが好ましく、1〜300μmがより好ましく、3〜300μmが更に好ましく、5〜200μmが特に好ましい。平均粒子径が1μm以上であると、塗装時の付着量が増えるために塗膜の接着力や耐久性が安定し、1,000μm以下であると、塗装後の粒子の脱落が少なく、塗膜の表面平滑性がよい傾向がある。
本組成物において、フッ素樹脂Aの含有量は、本組成物の全質量に対して、80〜99質量%が好ましく、90〜97質量%が特に好ましい。
本組成物において、フッ素樹脂Aを2種以上使用する場合はその合計含有量が上記範囲内であるのが好ましい。
本組成物において、フッ素樹脂Aを2種以上使用する場合はその合計含有量が上記範囲内であるのが好ましい。
フッ素樹脂Aは、CF2=CFX(XはFまたはCl。以下式(I)と記す。)で表される単量体に由来する単位を有するフッ素樹脂が好ましく、式(I)で表される単量体に由来する単位の1種以上と、式(I)で表される単量体以外の単量体に由来する単位の1種以上を有するフッ素樹脂が特に好ましい。
式(I)で表される単量体は、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」とも記す。)またはクロロトリフルオロエチレンである。
式(I)で表される単量体は、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」とも記す。)またはクロロトリフルオロエチレンである。
他の単量体は、式(I)で表される単量体と共重合可能であればよい。例えば、以下の単量体(1)〜(9)から選ばれる1種以上が好ましい。
単量体(1):エチレン(なお、以下、エチレン単位を「E単位」とも記す。)
単量体(2):プロピレン等の炭素数3個のオレフィン;ブチレン、イソブチレン等の炭素数4個のオレフィン;等のオレフィン(ただし、単量体(1)を除く。)。
単量体(3):CH2=CX(CF2)nY(ただし、XおよびYはそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、nは2〜8の整数である。)で表される化合物。例えば、CH2=CF(CF2)nF、CH2=CF(CF2)nH、CH2=CH(CF2)nF、CH2=CH(CF2)nH等。整数nは3〜7が好ましく、4〜6が特に好ましい。
単量体(4):フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブチレン等の不飽和基に水素原子を有するフルオロオレフィン(ただし、単量体(3)を除く。)。
単量体(5):ヘキサフルオロプロピレン等の不飽和基に水素原子を有しないフルオロオレフィン(ただし、式(I)で表される単量体を除く。)。
単量体(6):ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)、ペルフルオロ(エチルビニルエーテル)、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)、ペルフルオロ(ブチルビニルエーテル)等のペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)。
単量体(7):CF2=CFOCF2CF=CF2、CF2=CFO(CF2)2CF=CF2等の不飽和結合を2個有するペルフルオロビニルエーテル。
単量体(8):ペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、2,2,4−トリフルオロ−5−トリフルオロメトキシ−1,3−ジオキソール、ペルフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)等の脂肪族環構造を有する含フッ素モノマー。
単量体(9):極性官能基を有し、フッ素原子を有していない単量体(以下、極性官能基含有単量体とも記す。)。極性官能基は接着性の向上に寄与する。
極性官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシ基、エポキシ基、酸無水物残基が挙げられ、中でも、酸無水物残基が好ましい。
極性官能基含有単量体の具体例としては、ヒドロキシブチルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル等の水酸基またはエポキシ基を有するビニルエーテル;マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ウンデシレン酸等のカルボキシ基を有する単量体:無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水ハイミック酸等の酸無水物残基を有する単量体;等が挙げられる。
単量体(1):エチレン(なお、以下、エチレン単位を「E単位」とも記す。)
単量体(2):プロピレン等の炭素数3個のオレフィン;ブチレン、イソブチレン等の炭素数4個のオレフィン;等のオレフィン(ただし、単量体(1)を除く。)。
単量体(3):CH2=CX(CF2)nY(ただし、XおよびYはそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、nは2〜8の整数である。)で表される化合物。例えば、CH2=CF(CF2)nF、CH2=CF(CF2)nH、CH2=CH(CF2)nF、CH2=CH(CF2)nH等。整数nは3〜7が好ましく、4〜6が特に好ましい。
単量体(4):フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブチレン等の不飽和基に水素原子を有するフルオロオレフィン(ただし、単量体(3)を除く。)。
単量体(5):ヘキサフルオロプロピレン等の不飽和基に水素原子を有しないフルオロオレフィン(ただし、式(I)で表される単量体を除く。)。
単量体(6):ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)、ペルフルオロ(エチルビニルエーテル)、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)、ペルフルオロ(ブチルビニルエーテル)等のペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)。
単量体(7):CF2=CFOCF2CF=CF2、CF2=CFO(CF2)2CF=CF2等の不飽和結合を2個有するペルフルオロビニルエーテル。
単量体(8):ペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、2,2,4−トリフルオロ−5−トリフルオロメトキシ−1,3−ジオキソール、ペルフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)等の脂肪族環構造を有する含フッ素モノマー。
単量体(9):極性官能基を有し、フッ素原子を有していない単量体(以下、極性官能基含有単量体とも記す。)。極性官能基は接着性の向上に寄与する。
極性官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシ基、エポキシ基、酸無水物残基が挙げられ、中でも、酸無水物残基が好ましい。
極性官能基含有単量体の具体例としては、ヒドロキシブチルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル等の水酸基またはエポキシ基を有するビニルエーテル;マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ウンデシレン酸等のカルボキシ基を有する単量体:無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水ハイミック酸等の酸無水物残基を有する単量体;等が挙げられる。
フッ素樹脂Aとしては、以下の共重合体が好ましい。
E単位とTFE単位を有する共重合体(以下、「ETFE」とも記す。)、
TFE単位とペルフルオロアルキルビニルエーテル単位とを有し、E単位を有さない共重合体(以下、「PFA」とも記す。)、
TFE単位とヘキサフルオロプロピレン単位を有し、E単位およびペルフルオロアルキルビニルエーテル単位をいずれも有さない共重合体(以下、「FEP」とも記す。)、
E単位とクロロトリフルオロエチレン単位とを有し、TFE単位を有さない共重合体(以下、「ECTFE」とも記す。)。
E単位とTFE単位を有する共重合体(以下、「ETFE」とも記す。)、
TFE単位とペルフルオロアルキルビニルエーテル単位とを有し、E単位を有さない共重合体(以下、「PFA」とも記す。)、
TFE単位とヘキサフルオロプロピレン単位を有し、E単位およびペルフルオロアルキルビニルエーテル単位をいずれも有さない共重合体(以下、「FEP」とも記す。)、
E単位とクロロトリフルオロエチレン単位とを有し、TFE単位を有さない共重合体(以下、「ECTFE」とも記す。)。
ETFEにおいて、E単位とTFE単位との合計含有量に対するE単位の含有量の割合は、20〜70モル%が好ましく、25〜60モル%がより好ましく、35〜55モル%が特に好ましい。
E単位の含有量の割合が上記範囲の下限値以上であると機械強度に優れ、上限値以下であると耐薬品性に優れる。
ETFEは、E単位とTFE単位とのみからなる共重合体でもよく、これら以外の他の単量体単位の1種以上を含んでもよい。
他の単量体の具体例としては、上記単量体(3)が挙げられる。中でも、CH2=CH(CF2)2F、CH2=CH(CF2)4F((パーフルオロブチル)エチレン、以下、PFBEという。)が好ましい。
ETFEが他の単量体単位を含む場合、その合計の含有量は、E単位とTFE単位との合計を100モルとするモル比で、0.1〜10モルが好ましく、0.1〜5モルがより好ましく、0.2〜4モルが特に好ましい。上記他の単量体単位の含有量が上記範囲の下限値以上であると耐クラック性が良好であり、上限値以下であるとフッ素樹脂Aの融点の低下を抑えられる。
E単位の含有量の割合が上記範囲の下限値以上であると機械強度に優れ、上限値以下であると耐薬品性に優れる。
ETFEは、E単位とTFE単位とのみからなる共重合体でもよく、これら以外の他の単量体単位の1種以上を含んでもよい。
他の単量体の具体例としては、上記単量体(3)が挙げられる。中でも、CH2=CH(CF2)2F、CH2=CH(CF2)4F((パーフルオロブチル)エチレン、以下、PFBEという。)が好ましい。
ETFEが他の単量体単位を含む場合、その合計の含有量は、E単位とTFE単位との合計を100モルとするモル比で、0.1〜10モルが好ましく、0.1〜5モルがより好ましく、0.2〜4モルが特に好ましい。上記他の単量体単位の含有量が上記範囲の下限値以上であると耐クラック性が良好であり、上限値以下であるとフッ素樹脂Aの融点の低下を抑えられる。
PFAにおいて、TFE単位とペルフルオロアルキルビニルエーテル単位との合計含有量に対するTFE単位の含有量の割合は、9〜99モル%が好ましく、80〜99モル%がより好ましく、90〜99モル%が特に好ましい。
TFE単位の含有量の割合が上記範囲の下限値以上であると耐薬品性に優れ、上限値以下であると溶融加工性に優れる。
PFAは、TFE単位とペルフルオロアルキルビニルエーテル単位とのみからなる共重合体でもよく、これら以外の他の単量体単位の1種以上を含んでもよい。
他の単量体の好ましい例としては、ヘキサフルオロプロピレンが挙げられる。
他の単量体単位を含む場合、その含有量は、TFE単位とペルフルオロアルキルビニルエーテル単位との合計を100モルとするモル比で、0.1〜10モルが好ましく、0.1〜6モルがより好ましく、0.2〜4モルが特に好ましい。上記他の単量体単位の含有量が上記範囲の下限値以上であると溶融粘度が高いため成形加工性が良く、上限値以下であると耐クラック性が良好である。
TFE単位の含有量の割合が上記範囲の下限値以上であると耐薬品性に優れ、上限値以下であると溶融加工性に優れる。
PFAは、TFE単位とペルフルオロアルキルビニルエーテル単位とのみからなる共重合体でもよく、これら以外の他の単量体単位の1種以上を含んでもよい。
他の単量体の好ましい例としては、ヘキサフルオロプロピレンが挙げられる。
他の単量体単位を含む場合、その含有量は、TFE単位とペルフルオロアルキルビニルエーテル単位との合計を100モルとするモル比で、0.1〜10モルが好ましく、0.1〜6モルがより好ましく、0.2〜4モルが特に好ましい。上記他の単量体単位の含有量が上記範囲の下限値以上であると溶融粘度が高いため成形加工性が良く、上限値以下であると耐クラック性が良好である。
FEPにおいて、TFE単位とヘキサフルオロプロピレン単位との合計含有量に対するTFE単位の含有量の割合は、70〜99モル%が好ましく、80〜99モル%がより好ましく、90〜99モル%が特に好ましい。
TFE単位の含有量の割合が上記範囲の下限値以上であると耐薬品性に優れ、上限値以下であると溶融加工性に優れる。
FEPは、TFE単位とヘキサフルオロプロピレン単位とのみからなる共重合体でもよく、これら以外の他の単量体単位の1種以上を含んでもよい。
他の単量体の好ましい例としては、ペルフルオロアルキルビニルエーテルが挙げられる。
他の単量体単位を含む場合、その合計の含有量は、TFE単位とヘキサフルオロプロピレン単位との合計を100モルとするモル比で、0.1〜10モルが好ましく、0.1〜6モルがより好ましく、0.2〜4モルが特に好ましい。上記他の単量体単位の含有量が上記範囲の下限値以上であると溶融粘度が高いため成形加工性が良く、上限値以下であると耐クラック性が良好である。
TFE単位の含有量の割合が上記範囲の下限値以上であると耐薬品性に優れ、上限値以下であると溶融加工性に優れる。
FEPは、TFE単位とヘキサフルオロプロピレン単位とのみからなる共重合体でもよく、これら以外の他の単量体単位の1種以上を含んでもよい。
他の単量体の好ましい例としては、ペルフルオロアルキルビニルエーテルが挙げられる。
他の単量体単位を含む場合、その合計の含有量は、TFE単位とヘキサフルオロプロピレン単位との合計を100モルとするモル比で、0.1〜10モルが好ましく、0.1〜6モルがより好ましく、0.2〜4モルが特に好ましい。上記他の単量体単位の含有量が上記範囲の下限値以上であると溶融粘度が高いため成形加工性が良く、上限値以下であると耐クラック性が良好である。
ECTFEにおいて、E単位とクロロトリフルオロエチレン単位との合計含有量に対するE単位の含有量の割合は2〜98モル%が好ましく、10〜90モル%がより好ましく、30〜70モル%が特に好ましい。
E単位の含有量の割合が上記範囲の下限値以上であると耐薬品性に優れ、上限値以下であるとガスバリア性に優れる。
ECTFEは、E単位とクロロトリフルオロエチレン単位とのみからなる共重合体でもよく、これら以外の他の単量体単位を含んでもよい。
他の単量体の好ましい例としては、ペルフルオロアルキルビニルエーテルが挙げられる。
他の単量体単位を含む場合、その合計の含有量は、E単位とクロロトリフルオロエチレン単位との合計を100モルとするモル比で、0.1〜10モルが好ましく、0.1〜5モルがより好ましく、0.2〜4モルが特に好ましい。上記他の単量体単位の含有量が上記範囲の下限値以上であると耐クラック性が良好であり、上限値以下であるとフッ素樹脂Aの融点の低下を抑えられる。
E単位の含有量の割合が上記範囲の下限値以上であると耐薬品性に優れ、上限値以下であるとガスバリア性に優れる。
ECTFEは、E単位とクロロトリフルオロエチレン単位とのみからなる共重合体でもよく、これら以外の他の単量体単位を含んでもよい。
他の単量体の好ましい例としては、ペルフルオロアルキルビニルエーテルが挙げられる。
他の単量体単位を含む場合、その合計の含有量は、E単位とクロロトリフルオロエチレン単位との合計を100モルとするモル比で、0.1〜10モルが好ましく、0.1〜5モルがより好ましく、0.2〜4モルが特に好ましい。上記他の単量体単位の含有量が上記範囲の下限値以上であると耐クラック性が良好であり、上限値以下であるとフッ素樹脂Aの融点の低下を抑えられる。
フッ素樹脂Aの粒子は公知の製造方法で製造できる。例えば、フッ素樹脂Aを合成後に粉砕処理する方法、フッ素樹脂Aの分散液を調製して噴霧乾燥させる方法、等が挙げられる。
フッ素樹脂Aがフッ素樹脂A以外の成分と複合した粒子は、例えば、フッ素樹脂Aとフッ素樹脂A以外の成分とを、溶融混練機で溶融混練して複合化してから、粉砕機で粉砕(粉体化)して得られる。
溶融混練機としては、2軸押出し機等が挙げられる。
粉砕機としては、カッターミル、ハンマーミル、ピンミル、ジェットミル等が挙げられる。
また、フッ素樹脂Aを含む粒子は、市販のフッ素樹脂粉体も使用してもよく、フッ素樹脂の素材(ペレット、シート等)を粉体化して使用してもよい。
粉体は必要に応じて篩や気流を用いて分級し、粒径を調整してもよい。
フッ素樹脂Aがフッ素樹脂A以外の成分と複合した粒子は、例えば、フッ素樹脂Aとフッ素樹脂A以外の成分とを、溶融混練機で溶融混練して複合化してから、粉砕機で粉砕(粉体化)して得られる。
溶融混練機としては、2軸押出し機等が挙げられる。
粉砕機としては、カッターミル、ハンマーミル、ピンミル、ジェットミル等が挙げられる。
また、フッ素樹脂Aを含む粒子は、市販のフッ素樹脂粉体も使用してもよく、フッ素樹脂の素材(ペレット、シート等)を粉体化して使用してもよい。
粉体は必要に応じて篩や気流を用いて分級し、粒径を調整してもよい。
<複合酸化物顔料B>
本組成物が含む複合酸化物顔料Bは、CoおよびAlを含む。
複合酸化物顔料Bは、典型的には青色顔料である。
複合酸化物顔料Bは、CoおよびAlを含む酸化物であれば、Co、Al、O以外の他の原子(好ましくは金属原子)を含んでいてもよい。
ただし、複合酸化物顔料Bは、Cu、Mn、Ni、Zn、および、Tiのいずれも含まないのが好ましい。
本組成物が含む複合酸化物顔料Bは、CoおよびAlを含む。
複合酸化物顔料Bは、典型的には青色顔料である。
複合酸化物顔料Bは、CoおよびAlを含む酸化物であれば、Co、Al、O以外の他の原子(好ましくは金属原子)を含んでいてもよい。
ただし、複合酸化物顔料Bは、Cu、Mn、Ni、Zn、および、Tiのいずれも含まないのが好ましい。
複合酸化物顔料Bとしては、C.I.ピグメントブルー28(コバルト−アルミニウム系)、C.I.ピグメントブルー36(コバルト−アルミニウム−クロム系)等が挙げられる。
中でも、複合酸化物顔料Bとしては、C.I.ピグメントブルー28が好ましい。
中でも、複合酸化物顔料Bとしては、C.I.ピグメントブルー28が好ましい。
本組成物は、通常、複合酸化物顔料Bを含む粒子を含んでおり、上記複合酸化物顔料Bを含む粒子は、例えば、複合酸化物顔料Bの粒子、複合酸化物顔料Bが複合酸化物顔料B以外の成分と複合した粒子が挙げられる。
中でも、複合酸化物顔料Bを含む粒子は、複合酸化物顔料Bの粒子が好ましい。
なお、「複合酸化物顔料Bの粒子」とは、粒子中の複合酸化物顔料Bの含有量が、粒子の質量に対して、98質量%以上である粒子を意図する。
複合酸化物顔料Bを含む粒子は、市販品を使用でき、また、市販品を粒度調節等の処理を行って使用してもよい。
複合酸化物顔料Bを含む粒子に含まれる複合酸化物顔料Bは、1種単独でも、2種以上でもよい。
複合酸化物顔料Bを含む粒子は、1種単独で使用しても、2種以上を使用してもよい。
中でも、複合酸化物顔料Bを含む粒子は、複合酸化物顔料Bの粒子が好ましい。
なお、「複合酸化物顔料Bの粒子」とは、粒子中の複合酸化物顔料Bの含有量が、粒子の質量に対して、98質量%以上である粒子を意図する。
複合酸化物顔料Bを含む粒子は、市販品を使用でき、また、市販品を粒度調節等の処理を行って使用してもよい。
複合酸化物顔料Bを含む粒子に含まれる複合酸化物顔料Bは、1種単独でも、2種以上でもよい。
複合酸化物顔料Bを含む粒子は、1種単独で使用しても、2種以上を使用してもよい。
複合酸化物顔料Bを含む粒子の比表面積は、5〜80m2/gが好ましく、7〜70m2/gがより好ましく、20〜60m2/gが特に好ましい。上記比表面積が上記範囲の下限値以上であるとフッ素樹脂に対する分散性が良好であり、上限値以下であると複合酸化物粒子の凝集が発生しづらい。
複合酸化物顔料Bを含む粒子の平均粒子径は、0.001〜100μmが好ましく、0.01〜50μmがより好ましく、0.01〜10μmが特に好ましい。上記平均粒子径が上記範囲内であると、複合酸化物顔料Bの分散性が優れる。
複合酸化物顔料Bを含む粒子の平均粒子径は、0.001〜100μmが好ましく、0.01〜50μmがより好ましく、0.01〜10μmが特に好ましい。上記平均粒子径が上記範囲内であると、複合酸化物顔料Bの分散性が優れる。
本組成物において、複合酸化物顔料Bの含有量は、本組成物の全質量に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましく、1〜3質量%が特に好ましい。
また、複合酸化物顔料Bの含有量は、顔料の合計含有量(例えば、複合酸化物顔料B、複合酸化物顔料C、後述する複合酸化物顔料Dの合計含有量)に対して、10〜65質量%が好ましく、20〜55質量%がより好ましく、30〜45質量%が特に好ましい。
本組成物において、複合酸化物顔料Bを2種以上使用する場合はその合計含有量が上記範囲内であるのが好ましい。
また、複合酸化物顔料Bの含有量は、顔料の合計含有量(例えば、複合酸化物顔料B、複合酸化物顔料C、後述する複合酸化物顔料Dの合計含有量)に対して、10〜65質量%が好ましく、20〜55質量%がより好ましく、30〜45質量%が特に好ましい。
本組成物において、複合酸化物顔料Bを2種以上使用する場合はその合計含有量が上記範囲内であるのが好ましい。
<複合酸化物顔料C>
本組成物が含む複合酸化物顔料Cは、Cu、Mn、Co、Ni、および、Znからなる群から選ばれる2種以上の金属を含む。
複合酸化物顔料Cは、複合酸化物顔料Bとは異なる成分である。
複合酸化物顔料Cは、典型的には黒色顔料である。
複合酸化物顔料Cは、Cu、Mn、Co、Ni、および、Znからなる群から選ばれる2種以上の金属を含む酸化物であれば、Cu、Mn、Co、Ni、Zn、および、O以外の他の原子(好ましくは金属原子)を含んでいてもよい。
ただし、複合酸化物顔料Cは、Alを含まないのが好ましい。
複合酸化物顔料Cとしては、CuとMnとを含む複合酸化物、または、CoとNiとZnとを含む複合酸化物が好ましく、CuとMnとを含む複合酸化物が特に好ましい。
本組成物が含む複合酸化物顔料Cは、Cu、Mn、Co、Ni、および、Znからなる群から選ばれる2種以上の金属を含む。
複合酸化物顔料Cは、複合酸化物顔料Bとは異なる成分である。
複合酸化物顔料Cは、典型的には黒色顔料である。
複合酸化物顔料Cは、Cu、Mn、Co、Ni、および、Znからなる群から選ばれる2種以上の金属を含む酸化物であれば、Cu、Mn、Co、Ni、Zn、および、O以外の他の原子(好ましくは金属原子)を含んでいてもよい。
ただし、複合酸化物顔料Cは、Alを含まないのが好ましい。
複合酸化物顔料Cとしては、CuとMnとを含む複合酸化物、または、CoとNiとZnとを含む複合酸化物が好ましく、CuとMnとを含む複合酸化物が特に好ましい。
本組成物は、通常、複合酸化物顔料Cを含む粒子を含んでおり、上記複合酸化物顔料Cを含む粒子は、例えば、複合酸化物顔料Cの粒子、複合酸化物顔料Cが複合酸化物顔料C以外の成分と複合した粒子が挙げられる。
中でも、複合酸化物顔料Cを含む粒子は、複合酸化物顔料Cの粒子が好ましい。
なお、「複合酸化物顔料Cの粒子」とは、粒子中の複合酸化物顔料Cの含有量が、粒子の質量に対して、98質量%以上である粒子を意図する。
複合酸化物顔料Cを含む粒子に含まれる複合酸化物顔料Cは、1種単独でも、2種以上でもよい。
複合酸化物顔料Cを含む粒子は、1種単独で使用しても、2種以上を使用してもよい。
中でも、複合酸化物顔料Cを含む粒子は、複合酸化物顔料Cの粒子が好ましい。
なお、「複合酸化物顔料Cの粒子」とは、粒子中の複合酸化物顔料Cの含有量が、粒子の質量に対して、98質量%以上である粒子を意図する。
複合酸化物顔料Cを含む粒子に含まれる複合酸化物顔料Cは、1種単独でも、2種以上でもよい。
複合酸化物顔料Cを含む粒子は、1種単独で使用しても、2種以上を使用してもよい。
複合酸化物顔料Cを含む粒子は、市販の複合酸化物系顔料から適宜選択して使用できる。
市販の複合酸化物顔料Cを含む粒子の具体例としては、ダイピロキサイドブラック♯9550、ダイピロキサイドブラック♯3550(いずれも製品名、大日精化社製、組成:Cu[Fe,Mn]O4)等が挙げられる。
市販の複合酸化物顔料Cを含む粒子の具体例としては、ダイピロキサイドブラック♯9550、ダイピロキサイドブラック♯3550(いずれも製品名、大日精化社製、組成:Cu[Fe,Mn]O4)等が挙げられる。
複合酸化物顔料Cを含む粒子の比表面積は、5〜80m2/gが好ましく、7〜70m2/gがより好ましく、20〜60m2/gが特に好ましい。上記比表面積が上記範囲の下限値以上であるとフッ素樹脂に対する分散性が良好であり、上限値以下であると複合酸化物粒子の凝集が発生しづらい。
複合酸化物顔料Cを含む粒子の平均粒子径は、0.001〜100μmが好ましく、0.01〜50μmがより好ましく、0.01〜10μmが特に好ましい。上記平均粒子径が上記範囲内であると、複合酸化物顔料Cの分散性が優れる。
複合酸化物顔料Cを含む粒子の平均粒子径は、0.001〜100μmが好ましく、0.01〜50μmがより好ましく、0.01〜10μmが特に好ましい。上記平均粒子径が上記範囲内であると、複合酸化物顔料Cの分散性が優れる。
本組成物において、複合酸化物顔料Cの含有量は、本組成物の全質量に対して、0.02〜0.90質量%が好ましく、0.03〜0.70質量%がより好ましく、0.05〜0.50質量%が特に好ましい。
上記含有量がこの範囲にあるとフッ素樹脂やその粉体との混合性に優れ、フッ素樹脂と溶融混練する場合に混練性に優れる。また、塗膜の耐酸性に優れる。
また、複合酸化物顔料Cの含有量は、顔料の合計含有量(例えば、複合酸化物顔料B、複合酸化物顔料C、後述する複合酸化物顔料Dの合計含有量)に対して、0.2〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。
本組成物において、複合酸化物顔料Cを2種以上使用する場合はその合計含有量が上記範囲内であるのが好ましい。
上記含有量がこの範囲にあるとフッ素樹脂やその粉体との混合性に優れ、フッ素樹脂と溶融混練する場合に混練性に優れる。また、塗膜の耐酸性に優れる。
また、複合酸化物顔料Cの含有量は、顔料の合計含有量(例えば、複合酸化物顔料B、複合酸化物顔料C、後述する複合酸化物顔料Dの合計含有量)に対して、0.2〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。
本組成物において、複合酸化物顔料Cを2種以上使用する場合はその合計含有量が上記範囲内であるのが好ましい。
<複合酸化物顔料D>
本組成物は、更に、複合酸化物顔料Dを含むのが好ましい。
複合酸化物顔料Dは、Ti、Fe、および、Alからなる群から選ばれる2種以上を含む。
複合酸化物顔料Dは、複合酸化物顔料Bおよび複合酸化物顔料Cとは異なる成分である。
複合酸化物顔料Dは、例えば、黄色顔料または茶色顔料である。
本組成物は、更に、複合酸化物顔料Dを含むのが好ましい。
複合酸化物顔料Dは、Ti、Fe、および、Alからなる群から選ばれる2種以上を含む。
複合酸化物顔料Dは、複合酸化物顔料Bおよび複合酸化物顔料Cとは異なる成分である。
複合酸化物顔料Dは、例えば、黄色顔料または茶色顔料である。
本組成物は、通常、複合酸化物顔料Dを含む粒子を含んでおり、上記複合酸化物顔料Dを含む粒子は、例えば、複合酸化物顔料Dの粒子、複合酸化物顔料Dが複合酸化物顔料D以外の成分と複合した粒子が挙げられる。
中でも、複合酸化物顔料Dを含む粒子は、複合酸化物顔料Dの粒子が好ましい。
なお、「複合酸化物顔料Dの粒子」とは、粒子中の複合酸化物顔料Dの含有量が、粒子の質量に対して、98質量%以上である粒子を意図する。
複合酸化物顔料Dを含む粒子は、市販品を使用でき、また、市販品を粒度調節等の処理を行って使用してもよい。
市販の複合酸化物顔料Dを含む粒子の具体例としては、ピグメントブラウン 48(酸化鉄・酸化チタン焼結物)等が挙げられる。
複合酸化物顔料Dを含む粒子に含まれる複合酸化物顔料Dは、1種単独でも、2種以上でもよい。
複合酸化物顔料Dを含む粒子は、1種単独で使用しても、2種以上を使用してもよい。
中でも、複合酸化物顔料Dを含む粒子は、複合酸化物顔料Dの粒子が好ましい。
なお、「複合酸化物顔料Dの粒子」とは、粒子中の複合酸化物顔料Dの含有量が、粒子の質量に対して、98質量%以上である粒子を意図する。
複合酸化物顔料Dを含む粒子は、市販品を使用でき、また、市販品を粒度調節等の処理を行って使用してもよい。
市販の複合酸化物顔料Dを含む粒子の具体例としては、ピグメントブラウン 48(酸化鉄・酸化チタン焼結物)等が挙げられる。
複合酸化物顔料Dを含む粒子に含まれる複合酸化物顔料Dは、1種単独でも、2種以上でもよい。
複合酸化物顔料Dを含む粒子は、1種単独で使用しても、2種以上を使用してもよい。
複合酸化物顔料Dを含む粒子の比表面積は、5〜80m2/gが好ましく、7〜70m2/gがより好ましく、20〜60m2/gが特に好ましい。上記比表面積が上記範囲の下限値以上であるとフッ素樹脂に対する分散性が良好であり、上限値以下であると複合酸化物粒子の凝集が発生しづらい。
複合酸化物顔料Dを含む粒子の平均粒子径は、0.001〜100μmが好ましく、0.01〜50μmがより好ましく、0.01〜10μmが特に好ましい。上記平均粒子径が上記範囲内であると、複合酸化物顔料Dの分散性が優れる。
複合酸化物顔料Dを含む粒子の平均粒子径は、0.001〜100μmが好ましく、0.01〜50μmがより好ましく、0.01〜10μmが特に好ましい。上記平均粒子径が上記範囲内であると、複合酸化物顔料Dの分散性が優れる。
本組成物が複合酸化物顔料Dを含む場合、複合酸化物顔料Dの含有量は、本組成物の全質量に対して、0.2〜10質量%が好ましく、0.5〜8質量%がより好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。
また、本組成物が複合酸化物顔料Dを含む場合、複合酸化物顔料Dの含有量は、顔料の合計含有量(例えば、複合酸化物顔料B、複合酸化物顔料C、複合酸化物顔料Dの合計含有量)に対して、40〜70質量%が好ましく、50〜65質量%がより好ましく、55〜60質量%が特に好ましい。
本組成物において、複合酸化物顔料Dを2種以上使用する場合はその合計含有量が上記範囲内であるのが好ましい。
また、本組成物が複合酸化物顔料Dを含む場合、複合酸化物顔料Dの含有量は、顔料の合計含有量(例えば、複合酸化物顔料B、複合酸化物顔料C、複合酸化物顔料Dの合計含有量)に対して、40〜70質量%が好ましく、50〜65質量%がより好ましく、55〜60質量%が特に好ましい。
本組成物において、複合酸化物顔料Dを2種以上使用する場合はその合計含有量が上記範囲内であるのが好ましい。
上述の複合酸化物顔料Bを含む粒子、複合酸化物顔料Cを含む粒子、および、複合酸化物顔料Dを含む粒子は、健康リスクを排除する点から、それぞれチタン酸ニッケルを実質的に含まないのが好ましい。なお、チタン酸ニッケルを実質的に含まないとは、複合酸化物顔料B〜Dを含む粒子のそれぞれにおけるチタン酸ニッケルの含有量が、複合酸化物顔料B〜Dを含む粒子のそれぞれ全質量に対して、0.01質量%未満(好ましくは0.001質量%以下)であることを意図する。
<他の成分>
本組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で、上述の成分以外の他の成分を含んでもよい。
上記他の成分は、例えば、フッ素樹脂Aがフッ素樹脂A以外の成分と複合した粒子に含まれていてもよい。また、上記他の成分は、フッ素樹脂A、複合酸化物顔料B、複合酸化物顔料C、複合酸化物顔料Dのいずれの成分も含まない、他の成分の粒子として、本組成物に含まれていてもよい。
他の成分としては、例えば、上述の複合酸化物顔料B〜Dに該当しない顔料、流動性向上剤(シリカ、アルミナ等)、補強材(無機フィラー)、熱安定剤(酸化第一銅、酸化第二銅、ヨウ化第一銅、ヨウ化第二銅等)、紫外線吸収剤等の添加剤が挙げられる。
また、フッ素樹脂Aが、極性官能基含有単量体に基づく単位を含有するフッ素樹脂である場合、他の成分として、上記極性官能基と反応性を有する化合物(硬化剤ともいう)を使用するのも好ましい。
硬化剤としては、脂肪族ポリアミン、変性脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、ジシアンジアミド等が挙げられる。
本組成物が上記他の成分を含む場合、その含有量はフッ素樹脂A、複合酸化物顔料B、複合酸化物顔料C、および、複合酸化物顔料Dの合計100質量部に対して、0.000001〜10質量部が好ましく、0.00001〜8質量部がより好ましく、0.0001〜16質量部が特に好ましい。
本組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で、上述の成分以外の他の成分を含んでもよい。
上記他の成分は、例えば、フッ素樹脂Aがフッ素樹脂A以外の成分と複合した粒子に含まれていてもよい。また、上記他の成分は、フッ素樹脂A、複合酸化物顔料B、複合酸化物顔料C、複合酸化物顔料Dのいずれの成分も含まない、他の成分の粒子として、本組成物に含まれていてもよい。
他の成分としては、例えば、上述の複合酸化物顔料B〜Dに該当しない顔料、流動性向上剤(シリカ、アルミナ等)、補強材(無機フィラー)、熱安定剤(酸化第一銅、酸化第二銅、ヨウ化第一銅、ヨウ化第二銅等)、紫外線吸収剤等の添加剤が挙げられる。
また、フッ素樹脂Aが、極性官能基含有単量体に基づく単位を含有するフッ素樹脂である場合、他の成分として、上記極性官能基と反応性を有する化合物(硬化剤ともいう)を使用するのも好ましい。
硬化剤としては、脂肪族ポリアミン、変性脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、ジシアンジアミド等が挙げられる。
本組成物が上記他の成分を含む場合、その含有量はフッ素樹脂A、複合酸化物顔料B、複合酸化物顔料C、および、複合酸化物顔料Dの合計100質量部に対して、0.000001〜10質量部が好ましく、0.00001〜8質量部がより好ましく、0.0001〜16質量部が特に好ましい。
<粉体組成物の製造方法>
本組成物は、例えば、フッ素樹脂Aを含む粒子、複合酸化物顔料Bを含む粒子、複合酸化物顔料Cを含む粒子、および、必要に応じて配合される他の成分を含む粒子(複合酸化物顔料D含む粒子等)を混合して得られる。
言い換えると、本組成物は、例えば、フッ素樹脂Aを含む粒子からなる粉体、複合酸化物顔料Bを含む粒子からなる粉体、複合酸化物顔料Cを含む粒子からなる粉体、および、必要に応じて配合される他の成分を含む粒子からなる粉体(複合酸化物顔料D含む粒子からなる粉体等)を混合して得られる。
混合方法は、V型ブレンダー、ダブルコーン型ブレンダー、コンテナブレンダー、ドラム式ブレンダー、水平円筒式ミキサー、リボン式ミキサー、パドル式ミキサー、スクリュー式ミキサー等を用いたドライブレンド法が挙げられる。
本組成物は、例えば、フッ素樹脂Aを含む粒子、複合酸化物顔料Bを含む粒子、複合酸化物顔料Cを含む粒子、および、必要に応じて配合される他の成分を含む粒子(複合酸化物顔料D含む粒子等)を混合して得られる。
言い換えると、本組成物は、例えば、フッ素樹脂Aを含む粒子からなる粉体、複合酸化物顔料Bを含む粒子からなる粉体、複合酸化物顔料Cを含む粒子からなる粉体、および、必要に応じて配合される他の成分を含む粒子からなる粉体(複合酸化物顔料D含む粒子からなる粉体等)を混合して得られる。
混合方法は、V型ブレンダー、ダブルコーン型ブレンダー、コンテナブレンダー、ドラム式ブレンダー、水平円筒式ミキサー、リボン式ミキサー、パドル式ミキサー、スクリュー式ミキサー等を用いたドライブレンド法が挙げられる。
<物品>
本発明の物品は、基材と、基材の表面上に配置された本組成物から形成された塗膜とを有する。
本発明の物品は、基材と、基材の表面上に配置された本組成物から形成された塗膜とを有する。
[基材]
基材の材質は特に限定されないが、耐酸性に優れた塗膜で保護することによる効果が大きい点から、金属が好ましい。金属としては、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、錫、チタン、クロム、ニッケル、亜鉛等が挙げられる。特に安価であり強度が高い点から、鉄、ステンレス鋼、アルミニウムが好ましい。
基材は、メッキ層、プライマー層、塗装膜(本組成物から形成された塗膜以外のもの)、その他の金属や金属以外の材料からなる層や膜を塗装面に有する基材であってもよい。
基材の材質は特に限定されないが、耐酸性に優れた塗膜で保護することによる効果が大きい点から、金属が好ましい。金属としては、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、錫、チタン、クロム、ニッケル、亜鉛等が挙げられる。特に安価であり強度が高い点から、鉄、ステンレス鋼、アルミニウムが好ましい。
基材は、メッキ層、プライマー層、塗装膜(本組成物から形成された塗膜以外のもの)、その他の金属や金属以外の材料からなる層や膜を塗装面に有する基材であってもよい。
基材の形状や用途は特に限定されない。基材の例として、パイプ、チューブ、フィルム、板、タンク、ロール、ベッセル、バルブ、エルボー等が挙げられる。
基材の用途の例として、各種の容器、パイプ、チューブ、タンク、配管、継ぎ手、ロール、オートクレーブ、熱交換器、蒸留塔、治具類、バルブ、撹拌翼、タンクローリ、ポンプ、ブロワのケーシング、遠心分離機、調理機器等が挙げられる。
基材の用途の例として、各種の容器、パイプ、チューブ、タンク、配管、継ぎ手、ロール、オートクレーブ、熱交換器、蒸留塔、治具類、バルブ、撹拌翼、タンクローリ、ポンプ、ブロワのケーシング、遠心分離機、調理機器等が挙げられる。
[塗膜]
塗膜は、本組成物が溶融、冷却されてなる膜である。
上記塗膜の厚みは、基材の保護の点から、5μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、50μm以上が更に好ましく、80μm以上が特に好ましい。上記厚みの上限は特に限定されないが、あまりに厚いと、基材との熱膨張係数の相違により、基材と塗膜との界面に応力ひずみを生じ、塗膜が剥離しやすい。また、多数回の塗装が必要であるため生産性が低く、コストが高くなる。これらの不都合を防止する点からは、塗膜の厚みは10,000μm以下が好ましく、5,000μm以下がより好ましく、3,000μm以下が更に好ましく、2,000μm以下が特に好ましい。
塗膜は、本組成物が溶融、冷却されてなる膜である。
上記塗膜の厚みは、基材の保護の点から、5μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、50μm以上が更に好ましく、80μm以上が特に好ましい。上記厚みの上限は特に限定されないが、あまりに厚いと、基材との熱膨張係数の相違により、基材と塗膜との界面に応力ひずみを生じ、塗膜が剥離しやすい。また、多数回の塗装が必要であるため生産性が低く、コストが高くなる。これらの不都合を防止する点からは、塗膜の厚みは10,000μm以下が好ましく、5,000μm以下がより好ましく、3,000μm以下が更に好ましく、2,000μm以下が特に好ましい。
本組成物から形成される塗膜は緑色である。上記緑色とは、広く緑系の色であればよく、例えば深緑色でもよい。
具体的には、分光光度計(光源:D65、視野60°)を用いて測定し、マンセル値の色相が0.9G〜9.9BGの範囲内であれば緑色と判別できる。
具体的には、分光光度計(光源:D65、視野60°)を用いて測定し、マンセル値の色相が0.9G〜9.9BGの範囲内であれば緑色と判別できる。
本組成物から形成される塗膜は耐酸性に優れるのが好ましい。例えば、塗膜を、室温(25℃)で35%の塩酸水溶液に40時間浸漬する酸処理をした後に、塗膜を基材から90度剥離する際の強度を測定した90度剥離強度(酸処理後の剥離強度)の保持率は、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上が更に好ましい。上限は、通常、100%である。
なお、上記保持率は、酸処理を実施していない塗膜について、塗膜を基材から90度剥離する際の強度を測定した90度剥離強度を初期剥離強度として基準とする保持率であり、具体的には以下のように計算する。
保持率(%)=(酸処理後の剥離強度)÷(初期剥離強度)×100
90度剥離強度を測定する際の引張り速度は50mm/分とする。
なお、酸処理は、通常、塗膜を有する物品を用いて実施される。物品に酸処理がされる結果、物品が有する塗膜に対しても酸処理が実施される。
なお、上記保持率は、酸処理を実施していない塗膜について、塗膜を基材から90度剥離する際の強度を測定した90度剥離強度を初期剥離強度として基準とする保持率であり、具体的には以下のように計算する。
保持率(%)=(酸処理後の剥離強度)÷(初期剥離強度)×100
90度剥離強度を測定する際の引張り速度は50mm/分とする。
なお、酸処理は、通常、塗膜を有する物品を用いて実施される。物品に酸処理がされる結果、物品が有する塗膜に対しても酸処理が実施される。
本組成物から形成される塗膜は耐熱水性にも優れるのが好ましい。例えば、塗膜を、プレッシャークッカー(高温蒸気圧力釜)により130℃24時間の熱水処理した後に、塗膜を基材から90度剥離する際の強度を測定した90度剥離強度(熱水処理後の剥離強度)の保持率は、7%以上が好ましく、8%以上がより好ましく、10%以上が更に好ましい。上限は、通常、100%である。
なお、上記保持率は、熱水処理を実施していない塗膜について、塗膜を基材から90度剥離する際の強度を測定した90度剥離強度を初期剥離強度として基準とする保持率であり、具体的には以下のように計算する。
保持率(%)=(熱水処理後の剥離強度)÷(初期剥離強度)×100
90度剥離強度を測定する際の引張り速度は50mm/分とする。
なお、熱水処理は、通常、塗膜を有する物品を用いて実施される。物品に熱水処理がされる結果、物品が有する塗膜に対しても熱水処理が実施される。
なお、上記保持率は、熱水処理を実施していない塗膜について、塗膜を基材から90度剥離する際の強度を測定した90度剥離強度を初期剥離強度として基準とする保持率であり、具体的には以下のように計算する。
保持率(%)=(熱水処理後の剥離強度)÷(初期剥離強度)×100
90度剥離強度を測定する際の引張り速度は50mm/分とする。
なお、熱水処理は、通常、塗膜を有する物品を用いて実施される。物品に熱水処理がされる結果、物品が有する塗膜に対しても熱水処理が実施される。
[塗膜の製造方法]
塗膜は、基材上に本組成物を塗装して粉体組成物層を形成し、上記粉体組成物層を熱処理して溶融させ、その後冷却固化する方法で形成される。粉体組成物を溶融しながら基材上に付着させ、必要により更に熱処理を行った後、冷却固化する方法で形成することもできる。
本組成物の塗装方法としては、静電塗装法、流動浸漬法、回転成型法等の公知の粉体塗装方法が挙げられる。簡便に均一な厚みで塗装できる点から、静電塗装法が好ましい。
粉体組成物層を形成して熱処理する工程を、複数回繰り返すことで目的の厚みの塗膜を形成してもよい。
フッ素樹脂Aが、極性官能基含有単量体に基づく単位を含有するフッ素樹脂であり、粉体組成物が硬化剤を含有する場合には、上記粉体組成物層を熱処理して、溶融する過程で、塗膜を硬化するのが好ましい。
塗膜は、基材上に本組成物を塗装して粉体組成物層を形成し、上記粉体組成物層を熱処理して溶融させ、その後冷却固化する方法で形成される。粉体組成物を溶融しながら基材上に付着させ、必要により更に熱処理を行った後、冷却固化する方法で形成することもできる。
本組成物の塗装方法としては、静電塗装法、流動浸漬法、回転成型法等の公知の粉体塗装方法が挙げられる。簡便に均一な厚みで塗装できる点から、静電塗装法が好ましい。
粉体組成物層を形成して熱処理する工程を、複数回繰り返すことで目的の厚みの塗膜を形成してもよい。
フッ素樹脂Aが、極性官能基含有単量体に基づく単位を含有するフッ素樹脂であり、粉体組成物が硬化剤を含有する場合には、上記粉体組成物層を熱処理して、溶融する過程で、塗膜を硬化するのが好ましい。
上記熱処理は、所定温度に設定した電気炉、ガス炉、赤外加熱炉等の任意の加熱手段により行える。
上記熱処理温度は本組成物を溶融させて均質化できる温度であればよく、特に本組成物中のフッ素樹脂Aの種類によって適切な熱処理温度や熱処理時間を選択するのが好ましい。
例えば、本組成物中のフッ素樹脂AがETFEの場合、熱処理温度は、260〜340℃が好ましく、265〜320℃がより好ましく、270〜310℃が特に好ましい。熱処理温度が260℃以上であると、焼成不足によるボイドや気泡残りが生じにくく、340℃以下であると、変色や発泡が生じにくい傾向がある。熱処理時間は、熱処理温度により異なるが、1〜180分が好ましく、5〜120分がより好ましく、10〜60分が特に好ましい。熱処理時間が1分以上であると、焼成不足による気泡残りが生じにくく、180分以下であると変色やタレが生じにくい傾向がある。
本組成物中のフッ素樹脂AがPFAの場合の熱処理温度は、350℃以上380℃未満が好ましい。熱処理温度が350℃以上であると、形成される塗膜と基材との密着性が優れる。熱処理温度が380℃未満であると、塗膜に発泡やクラックが発生するのを抑制でき、外観に優れた積層体が得られる。熱処理温度は、350〜375℃が好ましく、350〜370℃がより好ましい。
2回以上の焼成における各焼成の熱処理温度は、異なる温度としてもよく、同じ温度としてもよい。
上記熱処理温度は本組成物を溶融させて均質化できる温度であればよく、特に本組成物中のフッ素樹脂Aの種類によって適切な熱処理温度や熱処理時間を選択するのが好ましい。
例えば、本組成物中のフッ素樹脂AがETFEの場合、熱処理温度は、260〜340℃が好ましく、265〜320℃がより好ましく、270〜310℃が特に好ましい。熱処理温度が260℃以上であると、焼成不足によるボイドや気泡残りが生じにくく、340℃以下であると、変色や発泡が生じにくい傾向がある。熱処理時間は、熱処理温度により異なるが、1〜180分が好ましく、5〜120分がより好ましく、10〜60分が特に好ましい。熱処理時間が1分以上であると、焼成不足による気泡残りが生じにくく、180分以下であると変色やタレが生じにくい傾向がある。
本組成物中のフッ素樹脂AがPFAの場合の熱処理温度は、350℃以上380℃未満が好ましい。熱処理温度が350℃以上であると、形成される塗膜と基材との密着性が優れる。熱処理温度が380℃未満であると、塗膜に発泡やクラックが発生するのを抑制でき、外観に優れた積層体が得られる。熱処理温度は、350〜375℃が好ましく、350〜370℃がより好ましい。
2回以上の焼成における各焼成の熱処理温度は、異なる温度としてもよく、同じ温度としてもよい。
本発明の物品は、プライマー層を有する基材上にトップコート層を有し、トップコート層が本組成物から形成された塗膜である積層構造を有してもよい。プライマー層とトップコート層とは材質が異なる。プライマー層は接着性に優れる材質が好ましい。
更に、トップコート層の表面上に、トップコート層とは異なる材質である有機物または無機物のコーティング層(以下「更なるコート層」とも記す。)が積層されていてもよい。
更に、トップコート層の表面上に、トップコート層とは異なる材質である有機物または無機物のコーティング層(以下「更なるコート層」とも記す。)が積層されていてもよい。
[プライマー層]
プライマー層は、公知のプライマーを用いて形成できる。プライマーとしては、本組成物から形成される塗膜との接着性を高めるためにフッ素樹脂の膜を形成しうるプライマーが好ましい。フッ素樹脂としては、上記本組成物中のフッ素樹脂Aと同種のフッ素樹脂が好ましい。例えば、ETFE等のフッ素樹脂が挙げられる。
また、プライマーは、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を含んでもよい。他の成分としては、例えば、上記本組成物の他の成分として記載した成分が挙げられる。
プライマー層の厚みは、1〜1,000μmが好ましく、5〜500μmがより好ましく、10〜200μmが特に好ましい。
プライマー層は、公知のプライマーを用いて形成できる。プライマーとしては、本組成物から形成される塗膜との接着性を高めるためにフッ素樹脂の膜を形成しうるプライマーが好ましい。フッ素樹脂としては、上記本組成物中のフッ素樹脂Aと同種のフッ素樹脂が好ましい。例えば、ETFE等のフッ素樹脂が挙げられる。
また、プライマーは、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を含んでもよい。他の成分としては、例えば、上記本組成物の他の成分として記載した成分が挙げられる。
プライマー層の厚みは、1〜1,000μmが好ましく、5〜500μmがより好ましく、10〜200μmが特に好ましい。
プライマーとしては、塗布作業性の良好さの点から、フッ素樹脂の溶液や分散液等からなる液状物が好ましい。例えば、ETFEの分散液であるフルオン(登録商標)IL−300J(製品名、旭硝子社製)が挙げられる。このような液状のプライマーを基材に塗布し、溶媒や分散媒を加熱によって蒸発除去してプライマー層を形成できる。溶媒や分散媒を除去した後、熱処理して基材との接着性を向上させ、良好な物性のプライマー層を形成するのも好ましい。熱処理は溶媒等の除去に引き続いて行うことができる。
プライマー層形成の際の熱処理は、所定温度に設定した電気炉、ガス炉、赤外加熱炉等の任意の加熱手段を使用できる。熱処理温度は、50〜340℃が好ましく、60〜320℃がより好ましく、70〜310℃が特に好ましい。熱処理温度が50℃以上であると、焼成不足による接着力低下や気泡残り乾燥不足が生じず、340℃以下であると、変色や発泡の生成が抑制される傾向がある。熱処理時間は、熱処理温度により異なるが、1〜180分が好ましく、5〜120分がより好ましく、10〜60分が特に好ましい。熱処理時間が、1分以上であると、焼成不足による接着力低下や気泡残りが抑制される傾向があり、180分以下であると、変色や発泡の生成が抑制される傾向がある。
なお、プライマー中のフッ素樹脂がETFEの場合、熱処理温度を下げても十分な接着性が得られる。この場合、熱処理温度は70〜250℃が好ましく、80〜200℃が特に好ましい。熱処理時間は5〜60分が好ましく、10〜30分が特に好ましい。
なお、プライマー中のフッ素樹脂がETFEの場合、熱処理温度を下げても十分な接着性が得られる。この場合、熱処理温度は70〜250℃が好ましく、80〜200℃が特に好ましい。熱処理時間は5〜60分が好ましく、10〜30分が特に好ましい。
[更なるコート層]
更なるコート層としては、着色層、ハードコート層、浸透防止層等が挙げられる。
更なるコート層としては、フッ素樹脂を含み複合酸化物B〜Dを含まない層が好ましい。
更なるコート層の厚みは、1,000μm以下が好ましく、500μm以下が特に好ましい。上記厚みの下限値は、更なるコート層を設けることによる効果が十分に得られる厚み以上であればよく、10μm以上が好ましく、30μm以上が特に好ましい。
更なるコート層としては、着色層、ハードコート層、浸透防止層等が挙げられる。
更なるコート層としては、フッ素樹脂を含み複合酸化物B〜Dを含まない層が好ましい。
更なるコート層の厚みは、1,000μm以下が好ましく、500μm以下が特に好ましい。上記厚みの下限値は、更なるコート層を設けることによる効果が十分に得られる厚み以上であればよく、10μm以上が好ましく、30μm以上が特に好ましい。
本組成物から形成された塗膜は、耐酸性に優れる。従来の粉体塗料の塗膜では、良好な耐酸性を得るために塗膜を厚くする必要があった用途においても、本組成物から形成された塗膜は、膜厚が薄くても耐酸性に優れる。また、従来の粉体塗料の塗膜が、耐酸性が不十分で適用できないような用途にも、本組成物から形成された塗膜は、適用できる。
かかる塗膜を有する物品は、上記塗膜で被覆された面の酸による変質が抑えられ、耐酸性に優れる。
かかる塗膜を有する物品は、上記塗膜で被覆された面の酸による変質が抑えられ、耐酸性に優れる。
以下に実施例を用いて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
以下の例で用いた化合物は下記の通りである。
フッ素樹脂粉体:熱安定剤としてCuOを1.5ppm(0.00015質量%)含有するETFE(TFE単位/E単位/PFBE単位のモル比:54/46/2)の粉体(平均粒子径80〜120μm)。
無機粉体(1):複合酸化物顔料Cの粒子からなる粉体。大日精化製、製品名;ダイピロキサイドブラック#9550、組成;Cu[Fe,Mn]O4、比表面積26m2/g、平均粒子径1μm。
無機粉体(2):複合酸化物顔料Bの粒子からなる粉体。大日精化製、製品名;ダイピロキサイドTMブルー3490E、組成;CoAl2O4、比表面積50m2/g、平均粒子径50nm。
無機粉体(3):複合酸化物顔料Dの粒子からなる粉体。ピグメントブラウン 48、組成;酸化鉄・酸化チタン焼結物、比表面積30m2/g、平均粒子径300nm。
フッ素樹脂粉体:熱安定剤としてCuOを1.5ppm(0.00015質量%)含有するETFE(TFE単位/E単位/PFBE単位のモル比:54/46/2)の粉体(平均粒子径80〜120μm)。
無機粉体(1):複合酸化物顔料Cの粒子からなる粉体。大日精化製、製品名;ダイピロキサイドブラック#9550、組成;Cu[Fe,Mn]O4、比表面積26m2/g、平均粒子径1μm。
無機粉体(2):複合酸化物顔料Bの粒子からなる粉体。大日精化製、製品名;ダイピロキサイドTMブルー3490E、組成;CoAl2O4、比表面積50m2/g、平均粒子径50nm。
無機粉体(3):複合酸化物顔料Dの粒子からなる粉体。ピグメントブラウン 48、組成;酸化鉄・酸化チタン焼結物、比表面積30m2/g、平均粒子径300nm。
<例1〜5:粉体組成物の製造>
表1に示す配合で、フッ素樹脂粉体と無機物粉体とを混合して、それぞれの例で使用する粉体組成物を製造した。
例1〜5は、いずれも実施例に該当する。
具体的には、チャック付きポリ袋にフッ素樹脂粉体を計量し、次いで無機物粉体を計量し、予備混合を行った。予備混合後、全量をジューサーミキサーへ投入し、30秒間撹拌した。袋に取り出した後、再度ジューサーミキサーへ投入し、30秒間撹拌して粉体組成物を得た。
各例の粉体組成物を用い、下記の方法で塗装試験片を製造し、初期接着性、耐熱水性、耐酸性の評価を行った。結果を表1に示す。
表1に示す配合で、フッ素樹脂粉体と無機物粉体とを混合して、それぞれの例で使用する粉体組成物を製造した。
例1〜5は、いずれも実施例に該当する。
具体的には、チャック付きポリ袋にフッ素樹脂粉体を計量し、次いで無機物粉体を計量し、予備混合を行った。予備混合後、全量をジューサーミキサーへ投入し、30秒間撹拌した。袋に取り出した後、再度ジューサーミキサーへ投入し、30秒間撹拌して粉体組成物を得た。
各例の粉体組成物を用い、下記の方法で塗装試験片を製造し、初期接着性、耐熱水性、耐酸性の評価を行った。結果を表1に示す。
<塗装試験片の製造>
縦40mm、横150mm、厚さ2mmのSUS304ステンレス鋼板の表面を、60メッシュのアルミナ粒子を用いて、表面粗さRa=5〜10μmとなるようサンドブラスト処理した後、エタノールで清浄化し、試験用基材を作製した。
上記試験用基材の横方向の一端部に剥離試験時の掴みしろとなる部分が形成されるように、予め上記一端部において横方向の幅が20mmの部分はサンドブラスト処理を行わなかった。
上記試験用基材の表面に、各例の粉体を静電塗装で吹き付け、275℃で15分間焼成した。この静電塗装および焼成工程を3回繰り返して塗膜を形成し、塗装試験片を得た。塗膜の厚みは表1に示す厚みとした。
縦40mm、横150mm、厚さ2mmのSUS304ステンレス鋼板の表面を、60メッシュのアルミナ粒子を用いて、表面粗さRa=5〜10μmとなるようサンドブラスト処理した後、エタノールで清浄化し、試験用基材を作製した。
上記試験用基材の横方向の一端部に剥離試験時の掴みしろとなる部分が形成されるように、予め上記一端部において横方向の幅が20mmの部分はサンドブラスト処理を行わなかった。
上記試験用基材の表面に、各例の粉体を静電塗装で吹き付け、275℃で15分間焼成した。この静電塗装および焼成工程を3回繰り返して塗膜を形成し、塗装試験片を得た。塗膜の厚みは表1に示す厚みとした。
<評価方法>
[初期接着性評価]
塗装試験片上に形成された塗膜に、カッターナイフを用いて、横方向に平行な切り込みを10mm間隔で入れた。塗装試験片の一端部のサンドブラスト処理を行わなかった箇所で、塗膜を基材から剥離して掴みしろとした。上記掴みしろを、引張り試験機のチャックに固定し、引張り速度50mm/分で90度剥離強度(単位:N/cm)を測定し、得られた値を初期剥離強度として記録した。
[初期接着性評価]
塗装試験片上に形成された塗膜に、カッターナイフを用いて、横方向に平行な切り込みを10mm間隔で入れた。塗装試験片の一端部のサンドブラスト処理を行わなかった箇所で、塗膜を基材から剥離して掴みしろとした。上記掴みしろを、引張り試験機のチャックに固定し、引張り速度50mm/分で90度剥離強度(単位:N/cm)を測定し、得られた値を初期剥離強度として記録した。
[耐熱水性試験]
塗装試験片を、プレッシャークッカー(高温蒸気圧力釜)により130℃で24時間処理(熱水処理)した後、初期接着性評価と同様にして、90度剥離強度(単位:N/cm)を測定した。得られた値を耐熱水性試験後の剥離強度として記録した。
また、下記式に照らして、耐熱水性試験後の剥離強度の保持率を計算した。
保持率(%)=(熱水処理後の剥離強度)÷(初期剥離強度)×100
塗装試験片を、プレッシャークッカー(高温蒸気圧力釜)により130℃で24時間処理(熱水処理)した後、初期接着性評価と同様にして、90度剥離強度(単位:N/cm)を測定した。得られた値を耐熱水性試験後の剥離強度として記録した。
また、下記式に照らして、耐熱水性試験後の剥離強度の保持率を計算した。
保持率(%)=(熱水処理後の剥離強度)÷(初期剥離強度)×100
[耐酸性試験]
塗装試験片を、室温で濃度35%の塩酸水溶液に40時間浸漬(酸処理)した後、初期接着性評価と同様にして、90度剥離強度(単位:N/cm)を測定した。得られた値を耐酸性試験後の剥離強度として記録した。
また、下記式に照らして、耐酸性試験後の剥離強度の保持率を計算した。
保持率(%)=(酸処理後の剥離強度)÷(初期剥離強度)×100
塗装試験片を、室温で濃度35%の塩酸水溶液に40時間浸漬(酸処理)した後、初期接着性評価と同様にして、90度剥離強度(単位:N/cm)を測定した。得られた値を耐酸性試験後の剥離強度として記録した。
また、下記式に照らして、耐酸性試験後の剥離強度の保持率を計算した。
保持率(%)=(酸処理後の剥離強度)÷(初期剥離強度)×100
[色味]
塗装試験片の色味を、分光光度計(光源:D65、視野60°)を用いて測定した。
マンセル値の色相が0.9G〜9.9BGの範囲内であれば「緑」と評価し、緑色の中でも、マンセル値の明度が2.0以下である場合は「深緑」と評価した。
塗装試験片の色味が、「緑」または「深緑」であれば良好な結果とした。
塗装試験片の色味を、分光光度計(光源:D65、視野60°)を用いて測定した。
マンセル値の色相が0.9G〜9.9BGの範囲内であれば「緑」と評価し、緑色の中でも、マンセル値の明度が2.0以下である場合は「深緑」と評価した。
塗装試験片の色味が、「緑」または「深緑」であれば良好な結果とした。
表1に示す結果より、本組成物を用いれば、耐酸性に優れかつ緑色である塗膜を形成できることが確認された。また、本組成物を用いて形成される塗膜は、初期接着性および耐熱水性も良好であった。
Claims (6)
- フッ素樹脂Aと、
CoおよびAlを含む複合酸化物顔料Bと、
Cu、Mn、Co、Ni、および、Znからなる群から選ばれる2種以上の金属を含む複合酸化物顔料Cと、を含むことを特徴とする、粉体組成物。 - 前記複合酸化物顔料Bがピグメントブルー28である、請求項1に記載の粉体組成物。
- 更に、Ti、Fe、および、Alからなる群から選ばれる2種以上の金属を含む複合酸化物顔料Dを含む、請求項1または2に記載の粉体組成物。
- 前記フッ素樹脂Aが、CF2=CFX(XはFまたはCl)で表される単量体に由来する単位を有するフッ素樹脂である、請求項1〜3のいずれかに記載の粉体組成物。
- 前記フッ素樹脂が、
エチレンに由来する単位とテトラフルオロエチレンに由来する単位を有する共重合体、
テトラフルオロエチレンに由来する単位とペルフルオロアルキルビニルエーテルに由来する単位とを有し、エチレンに由来する単位を有さない共重合体、
テトラフルオロエチレンに由来する単位とヘキサフルオロプロピレンに由来する単位を有し、エチレンに由来する単位およびペルフルオロアルキルビニルエーテルに由来する単位をいずれも有さない共重合体、または、
エチレンに由来する単位とクロロトリフルオロエチレンに由来する単位とを有し、テトラフルオロエチレンに由来する単位を有さない共重合体である、請求項1〜4のいずれかに記載の粉体組成物。 - 基材と、前記基材の表面上に配置された請求項1〜5のいずれかに記載の粉体組成物から形成されてなる塗膜とを有する、物品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019001870A JP2020111644A (ja) | 2019-01-09 | 2019-01-09 | 粉体組成物、物品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019001870A JP2020111644A (ja) | 2019-01-09 | 2019-01-09 | 粉体組成物、物品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020111644A true JP2020111644A (ja) | 2020-07-27 |
Family
ID=71667647
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019001870A Pending JP2020111644A (ja) | 2019-01-09 | 2019-01-09 | 粉体組成物、物品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020111644A (ja) |
-
2019
- 2019-01-09 JP JP2019001870A patent/JP2020111644A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP3269786B1 (en) | Coating composition and coated article | |
EP3260508B1 (en) | Coating composition, coating film, and laminated body | |
JP6819717B2 (ja) | 被覆組成物及び被覆物品 | |
JP5967230B2 (ja) | 被覆物品、及び、耐食性塗膜の形成方法 | |
JP6432521B2 (ja) | 液体プライマー組成物及びそれを用いた積層体 | |
WO2007119450A1 (ja) | プライマー用水性分散組成物 | |
CN110352218B (zh) | 组合物和涂膜 | |
US7985790B2 (en) | Water-based fluoropolymer composition | |
JP6753546B1 (ja) | エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体塗料用プライマー | |
JP6874691B2 (ja) | 塗装用の粉体および塗装物品 | |
JP2020111644A (ja) | 粉体組成物、物品 | |
JP6838636B2 (ja) | 組成物及び塗膜 | |
EP3889232B1 (en) | Coating composition and coated article | |
JP2003053261A (ja) | フッ素樹脂塗膜製造方法、フッ素樹脂塗膜及び加工物品 | |
JP7265215B2 (ja) | 被覆用組成物及び被覆物品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20210824 |