JP2017132057A - 蓋材用撥水性積層体の製造方法 - Google Patents

蓋材用撥水性積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粒子を、層中に完全に埋没させることなく、該層に付着させることができ、更に、摩擦によっても、層に付着した微粒子が落下しない、高い耐摩耗性を有する蓋材用撥水性積層体の製造方法を提供する。【解決手段】基材11上に、熱接着層用塗工液を塗布、乾燥し、熱接着層12を形成させる工程と、熱接着層12上に、アンカー層用塗工液を塗布、乾燥し、アンカー層14を形成する工程と、アンカー層14上に、撥水性微粒子13及び酢酸エステルを含んでなる微粒子含有塗工液を塗布、乾燥し、アンカー層14表面に、撥水性微粒子13を付着させる工程を含んでなり、微粒子含有塗工液における酢酸エステルの含有量が、微粒子含有塗工液100質量部に対し、5〜30質量部であり、アンカー層用塗工液が、酢酸エステルに対し相溶性を示す樹脂材料とする。【選択図】図1

Description

本発明は、蓋材用撥水性積層体の製造方法に関する。
食品、飲料、医薬品、および化学品などの多くの商品分野では、それぞれの内容物に応じた包装材料が開発されている。特に、液体や半固体、ゲル状物質など粘性を有する内容物を包装するための包装材料としては、耐水性、耐油性、ガスバリア性、防湿性、軽量、フレキシブル性および意匠性などに優れるプラスチック材料が用いられ、包装材料に求められる内容物の保護に対して機能している。
包装材料の機能の一つとして、液体や半固体、ゲル状物質など粘性を有する内容物の包装材料内面への付着、すなわち、包装材料内部への内容物残存防止機能が求められている。
例えば、基材の片面に疎水性微粒子を付着させた熱接着層を設けることが提案されている(特許文献1を参照)。また、基材の片面に疎水性微粒子および熱可塑性バインダー樹脂を含んでなる付着防止層を設けることが提案されている(特許文献2を参照)。
特許第4348401号公報 特許第5490574号公報
本発明者らは、特許文献1において提案される蓋材では、疎水性微粒子を熱接着層へ付着される際の加熱などにより、疎水性微粒子の多くが熱接着層中に完全に埋没してしまい、撥水性を十分に発揮することができない場合があるという課題を知見した。また、特許文献2において提案される蓋材では、付着防止層を、疎水性微粒子と、熱可塑性樹脂バインダーエマルジョンと、を含んでなるコート液を塗布、乾燥することにより形成させるため、疎水性微粒子の多くが付着防止層中に完全に埋没してしまい、撥水性を十分に発揮することができない場合があるという課題を知見した。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、微粒子を、層中に完全に埋没させることなく、該層に付着させることができる蓋材用撥水性積層体の製造方法を提供することをその目的とする。この蓋材用撥水性積層体によれば、優れた撥水性能を発揮することができる。
また、摩擦によっても、層に付着した微粒子が落下しない、高い耐摩耗性を有する蓋材用撥水性積層体の製造方法を提供することをその目的とする。
本発明の蓋材用撥水性積層体の製造方法は、
基材を準備する工程と、
基材上に、熱接着層用塗工液を塗布、乾燥し、熱接着層を形成させる工程と、
熱接着層上に、アンカー層用塗工液を塗布、乾燥し、アンカー層を形成する工程と、
アンカー層上に、撥水性微粒子および酢酸エステルを含んでなる微粒子含有塗工液を塗布、乾燥し、アンカー層表面に、撥水性微粒子を付着させる工程と、と含んでなり、
微粒子含有塗工液における酢酸エステルの含有量が、微粒子含有塗工液100質量部に対し、5質量部以上、30質量部以下であり、
アンカー層用塗工液が、酢酸エステルに対し相溶性を示す樹脂材料を含んでなることを特徴とする。
上記態様においては、微粒子含有塗工液の塗工量が、固形分換算で、0.2g/m以上、1.0g/m以下であることが好ましい。
上記態様においては、アンカー層用塗工液の塗工量が、固形分換算で、0.5g/m以上、3.0g/m以下であることが好ましい。
上記態様においては、撥水性微粒子の平均粒径が、1nm以上、300nm以下であることが好ましい。
上記態様においては、撥水性微粒子が、SiO、TiO、AlおよびMgOからなる群より選択される1以上の微粒子であることが好ましい。
上記態様においては、微粒子含有塗工液における撥水性微粒子の含有量が、微粒子含有塗工液100質量部に対し、5質量部以上、10質量部以下であることが好ましい。
上記態様においては、アンカー層用塗工液における上記樹脂材料の含有量が、アンカー層用塗工液100質量部に対し、10質量部以上、30質量部以下であることが好ましい。
上記態様においては、上記樹脂材料が、塩化ビニリデン、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、およびアクリル系樹脂からなる群より選択される1以上の樹脂材料であることが好ましい。
上記態様においては、アンカー層用塗工液が、平均粒子径が、1μm以上、50μm以下の微粒子を含んでなることが好ましい。
本発明の方法により製造された積層体は、層中に微粒子を完全に埋没させることなく、付着させることができるため、優れた撥水性を発揮することができると共に、微粒子が層中に埋没することがないため、少ない添加量であっても、好適な撥水性を発揮することができる。
また、本発明の方法により製造された積層体は、摩擦によっても、層に付着した微粒子が落下しない、高い耐摩耗性を有するため、微粒子が内容物に混入してしまう可能性を極めて低減することができる。さらに、生産工程において、微粒子が、グラビアロールや巻取ロールなどに付着することがないため、これらロールの清掃コストを抑えることができる。
本発明の一実施形態による蓋材用撥水性積層体の断面模式図である。 本発明の一実施形態による蓋材用撥水性積層体の断面模式図である。
<蓋材用撥水性積層体の製造方法>
本発明による蓋材用撥水性積層体の製造方法は、
基材を準備する工程と、
基材上に、熱接着層用塗工液を塗布、乾燥し、熱接着層を形成させる工程と、
熱接着層上に、アンカー層用塗工液を塗布、乾燥し、アンカー層を形成する工程と、
アンカー層上に、撥水性微粒子および酢酸エステルを含んでなる微粒子含有塗工液を塗布、乾燥し、アンカー層表面に、撥水性微粒子を付着させる工程と、と含んでなる。
以下、本発明による蓋材用撥水性積層体の製造方法が含んでなる各工程について詳細に説明する。
<基材を準備する工程>
本発明の方法において使用することのできる基材としては、コート紙、印刷用紙、上質紙およびクラフト紙などの紙材であったり、ポリプロピレン、ポリアミドおよびポリエステルなどの樹脂からなるフィルムを挙げることができる。
また、基材が酸素および水蒸気に対するバリア層としての機能を発揮することができるため、紙材やフィルムに対し、アルミニウムや無機酸化物を蒸着することが好ましい。
また、基材の遮光性を向上させることができるため好ましい。
また、上記した紙材と、フィルムとの積層材を基材として用いてもよい。
積層方法は、特に限定されず、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、ヒートラミネート法などを用いることができる。
また、基材の熱接着層を形成させる面には、所望に怖じて、コロナ放電処理、薬品処理、オゾン処理などの表面処理を施すことができる。
基材には、従来公知の印刷インキを用いた印刷が施されていてもよい。印刷の方式も特に限定されるものではなく、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷などの従来公知の方式を用いることができる。
基材の厚さは特に限定されるものではないが、例えば、10μm以上、500μm以下とすることができる。
<熱接着層を形成させる工程>
熱接着層は、基材上に熱接着層用塗工液を、バーコート法などにより塗布し、乾燥することにより形成させることができる。熱接着層は、単層からなるものであっても、2以上の層からなるものであってもよい。
熱接着層用塗工液の乾燥後塗布量は、2g/m以上、10g/m以下であることが好ましく、3g/m以上、6g/m以下であることがより好ましい。
熱接着層用塗工液の乾燥後塗布量が上記数値範囲内であれば、積層体のヒートシール性を維持しつつ、好適な撥水性を付与することができる。
熱接着層用塗工液は、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、ポリスチレン樹脂、ビニル樹脂などの熱接着性樹脂を含んでなり、これらの樹脂を2以上含んでいてもよい。なお、熱接着層は、1層からなるものであっても、2層以上の層からなるものであってもよい。
熱接着層用塗工液における微粒子の含有量は、熱接着層用塗工液100質量部に対し、1質量部以上、5質量部以下であることが好ましく、1質量部以上、3質量部以下であることがより好ましい。
熱接着層用塗工液は、溶剤として、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール(IPA)、メチルエチルケトン(MEK)、トルエンおよび水などの1以上を含んでなることができる。
<アンカー層を形成させる工程>
アンカー層は、熱接着層上に、グラビア法などにより、アンカー層用塗工液を塗布、乾燥させることにより形成させることができる。
アンカー層用塗工液の乾燥後塗布量は、0.5g/m以上、3.0g/m以下であることが好ましく、0.5g/m以上、1.0g/m以下であることがより好ましい。
アンカー層用塗工液の乾燥後塗布量が上記数値範囲内であれば、積層体のヒートシール性を維持しつつ、好適な撥水性を付与することができる。
アンカー層用塗工液は、酢酸エステルに対し相溶性を示す樹脂材料(以下、場合により「相溶性樹脂材料」という。)を含んでなる。
相溶性樹脂材料を含んでなるアンカー層用塗工液を用いて、アンカー層を形成させることにより、アンカー層上に後述する酢酸エステルを含んでなる微粒子含有塗工液を塗布した際、アンカー層表面が溶解され、次いで、微粒子含有塗工液と共に、再度乾燥されるため、撥水性微粒子をアンカー層へ部分的に埋没させることができる(図1参照)。これにより、アンカー層表面へ撥水性微粒子をより強固に付着させることができ、積層体の耐摩耗性を向上させることができる。
相溶性樹脂材料としては、塩化ビニリデン、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などを挙げることができ、アンカー層用塗工液は、このような樹脂材料を2以上含んでいてもよい。
アンカー層用塗工液における相溶性樹脂材料の含有量は、アンカー層用塗工液100質量部に対し、5質量部以上、30質量部以下であることが好ましく、10質量部以上、20質量部以下であることがより好ましい。
相溶性樹脂材料の含有量を上記数値範囲とすることにより、アンカー層表面への撥水性微粒子の付着性を向上させることができる。
アンカー層用塗工液は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記した相溶性樹脂材料以外の樹脂材料を含んでいてもよい。そのような樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、シリコーン樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。
アンカー層用塗工液は、有機樹脂ビーズまたは無機ビーズなどの微粒子を含んでいてもよい。アンカー層用塗工液が上記微粒子を含んでなることにより、該微粒子がアンカー層において凹凸付与剤として働き、積層体の撥水性をより向上させることができる(図2参照)。
有機樹脂ビーズとしては、アクリル樹脂ビーズ、ポリエチレン樹脂ビーズ、ポリスチレン樹脂ビーズ、スチレン−アクリル共重合体ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、ポリ塩化ビニルビーズ、メラミン樹脂ビーズ、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合体ビーズ、メラミン−ホルムアルデヒド縮合体ビーズ、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合体ビーズおよびベンゾグアナミン−メラミン縮合体ビーズなどが挙げられる。
また、無機ビーズとしては、ガラスビーズ、シリカビーズ、アルミナシリケート、タルク、マイカなどが挙げられる。その中でも安定性、コストなどの点から、シリカビーズであることがより好ましい。
なお、アンカー層用塗工液は、上記有機樹脂ビーズおよび/または無機ビーズを2種以上含んでいてもよい。
微粒子の平均粒子径は、1μm以上、50μm以下であることが好ましく、5μm以上、30μm以下であることがより好ましい。
微粒子の平均粒子径は、レーザー回折法により測定することができる。
アンカー層用塗工液における上記微粒子の含有量は、アンカー層用塗工液100質量部に対し、2質量部以上、20質量部以下であることが好ましく、5質量部以上、15質量部以下であることがより好ましい。
アンカー層用塗工液は、溶剤として、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、IPA、MEK、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)および水などの1以上を含んでなることができる。
<撥水性微粒子をアンカー層表面へ付着させる工程>
アンカー層上に、撥水性微粒子および酢酸エステルを含んでなる微粒子含有塗工液を塗布、乾燥することにより、アンカー層の表面に撥水性微粒子を付着させることができ、積層体の最表面に凹凸構造を付与することができる。この凹凸構造により、積層体表面の水に対する接触角を大きくなるため、積層体に優れた撥水性を付与することができる。
微粒子含有塗工液の乾燥後塗布量は、乾燥後塗布量換算で、0.2g/m以上、1.0g/m以下であることが好ましく、0.3g/m以上、0.5g/m以下であることがより好ましい。微粒子含有塗工液の乾燥後塗布量が上記数値範囲内であれば、積層体のヒートシール性を維持しつつ、好適な撥水性を付与することができる。
撥水性微粒子としては、疎水化表面処理を施した酸化物微粒子、例えば、SiO、TiO、AlおよびMgOなどを使用することができる。これらの中でも、コストの面からSiOが好ましい。微粒子含有塗工液は、撥水性微粒子を2以上を含んでいてもよい。
酸化物微粒子の疎水化表面処理の方法としては、例えば、乾式法(CVD法、プラズマ法)を用いても、湿式法を用いてもよい。
撥水性微粒子の平均粒子径は、1nm以上、300nm以下であることが好ましく、3nm以上、100nm以下であることがより好ましい。撥水性微粒子の平均粒子径を上記数値範囲とすることにより、積層体のヒートシール性を維持しつつ、好適な撥水性を付与することができる。
撥水性微粒子の平均粒子径は、レーザー回折法により測定することができる。
微粒子含有塗工液における撥水性微粒子の含有量は、微粒子含有塗工液100質量部に対し、5質量部以上、10質量部以下であることが好ましく、6質量部以上、8質量部以下であることがより好ましい。撥水性微粒子の含有量を上記数値範囲とすることにより、積層体の撥水性をより向上させることができる。
微粒子含有塗工液には、溶剤として、酢酸エステルを含んでなり、その含有量は、微粒子含有塗工液100質量部に対し、5質量部以上、30質量部以下である。微粒子含有塗工液が、特定の量の酢酸エステルを含んでなることにより、アンカー層の表面を溶解することができ、撥水性微粒子を、アンカー層へ完全に埋没させることなく、部分的に埋没させることができる。
酢酸エステルの含有量は、5質量部以上、30質量部以下であることがより好ましく、10質量部以上、20質量部以下であることがさらに好ましい。
本発明において使用することのできる酢酸エステルとしては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル等が挙げられる。
微粒子含有塗工液は、本発明の特性を損なわない範囲において、酢酸エステル外の溶剤を含んでいてもよい。このような溶剤としては、例えば、IPA、MEK、水、トルエンおよびエタノールなどが挙げられる。
(積層体)
本発明の方法により製造することができる積層体を図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、一実施形態において、蓋材用撥水性積層体10は、基材11と、熱接着層12と、表面に撥水性微粒子13が付着したアンカー層14と、を備えてなる。
なお、図1においては、アンカー層が、熱接着層全体を覆うように設けられているが、これに限定されず、部分的に熱接着層が最表面に露出する構造としてもよい。このような構成によれば、蓋材用撥水性積層体の熱接着性を部分的に向上させることができる。
(蓋材)
蓋材は、上記積層体を用いて作製することができ、液体や半固体、ゲル状物質などの粘性を有する内容物、例えば、ヨーグルトの包装容器の蓋材として好適に使用することができる。
本発明について実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明がこれら実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
基材を準備する工程
印刷用紙(大王製紙社製、商品名:リュウオウコート、55g/m)の一方の面に印刷インキ(DIC社製、商品名:サイアスHR)を用いて、グラビア印刷により柄を施した。印刷用紙の非印刷面に、アルミニウム蒸着PETフィルムをドライラミネートした後、エージングを行い、基材を作製した。なお、ドライラミネートには、ポリエーテル系接着剤(ロックペイント株式会社製、商品名:Ru3900)を用いた。
熱接着層を形成させる工程
上記のようにして作製した基材の非印刷面であるアルミニウム蒸着PETフィルム上に、下記組成からなる熱接着層用塗工液を、乾燥後の塗布量が4.0g/mとなるよう、バーコート法により塗布した。次いで、ドライヤー(白光株式会社製、商品名:ハッコーヒーティングガン100V、1000W)を用いて加熱することで、熱接着層を形成させた。
<熱接着層用塗工液の組成>
・ヒートシール剤 50質量部
(エボニック社製、商品名:DEGALAN4311E、固形分量45%)
・酢酸エチル 30質量部
アンカー層を形成させる工程
上記のようにして形成させた熱接着層上に、下記組成からなるアンカー層用塗工液を、乾燥後の塗布量が0.7g/mとなるよう、ラボ用グラビア印刷機(倉敷紡績社製、商品名:GP−10)により塗布した。次いで、ドライヤー(白光株式会社製、商品名:ハッコーヒーティングガン100V、1000W)を用いて加熱することで、アンカー層を形成させた。
<アンカー層用塗工液の組成>
・塩化ビニリデンを含んでなるインキ 60質量部
(樹脂成分軟化温度:220℃、東京インキ社製、商品名:LG−HTコート剤B、アンカー層用塗工液100質量部に対して塩化ビニリデン20質量部含有、凹凸付与粒子含有(アクリル樹脂ビーズ、平均粒子径10μm、アンカー層用塗工液100質量部に対して10質量部含有))。
・酢酸エチル 40質量部
アンカー層表面に撥水性微粒子を付着させる工程
上記のようにして形成させたアンカー層上に、下記組成からなる微粒子含有塗工液を、乾燥後の塗布量が0.3g/mとなるよう、ラボ用グラビア印刷機(倉敷紡績社製、商品名:GP−10)により塗布した。次いで、ドライヤー(白光株式会社製、商品名:ハッコーヒーティングガン100V、1000W)を用いて加熱することで、撥水性微粒子をアンカー層表面に付着させ、本発明による蓋材用撥水性積層体を得た。
<微粒子含有塗工液>
・撥水性微粒子(疎水性SiO微粒子、一次粒子の平均粒子径約1nm〜300nm)を含有したインキ 50質量部
(東京インキ株式会社製、商品名:LG−HTリケイ剤E、微粒子含有塗工液100質量部に対して撥水性微粒子を10質量部含有)
・イソプロピルアルコール(IPA) 30質量部
・酢酸エチル 10質量部
(実施例2〜8および比較例1〜2)
微粒子含有塗工液におけるイソプロピルアルコールおよび酢酸エチルの含有量、ならびに微粒子含有塗工液の塗工量を下記表1に表すものに変更した以外は、実施例1と同様にして蓋材用撥水性積層体を作製した。
<蓋材の性能評価>
接触角試験
接触角計(協和界面化学製)を用いて、実施例1〜8および比較例1〜2により得られた蓋材用撥水性積層体が備える、撥水性微粒子が表面に付着したアンカー層と、水滴と、の接触角を測定した。
なお、液滴を弾いてしまい、測定を行うことができないものについては、150°以上とした。
耐摩耗性試験
実施例1〜8および比較例1〜2により得られた蓋材用撥水性積層体が備える、撥水性微粒子が表面に付着したアンカー層の表面を、ウエス(日本製紙クレシア製、商品名:キムワイプ)を使用し、加重200gで100往復擦り試験を実施し、試験後のアンカー層に水滴を垂らし、その撥水性を、以下の評価基準に従い、目視により評価した。評価結果を表1にまとめた。
(評価基準)
○:水滴を垂らしてもフィルムに水滴が付着しない
×:水滴を垂らすと水が付着する
耐久性試験
実施例1〜8および比較例1〜2により得られた蓋材用撥水性積層体を、カップに充填させたヨーグルトに1秒間浸漬させて取り出し、以下の評価基準に従い、積層体の耐久性を評価した。
(評価基準)
○:50回浸漬させてもヨーグルトが付着しない
×:50回浸漬させる前にヨーグルトが付着する
10:蓋材用撥水性積層体
11:基材
12:熱接着層
13:撥水性微粒子
14:アンカー層
15:微粒子

Claims (9)

  1. 基材を準備する工程と、
    前記基材上に、熱接着層用塗工液を塗布、乾燥し、熱接着層を形成させる工程と、
    前記熱接着層上に、アンカー層用塗工液を塗布、乾燥し、アンカー層を形成する工程と、
    前記アンカー層上に、撥水性微粒子および酢酸エステルを含んでなる微粒子含有塗工液を塗布、乾燥し、前記アンカー層表面に、前記撥水性微粒子を付着させる工程と、と含んでなり、
    前記微粒子含有塗工液における前記酢酸エステルの含有量が、前記微粒子含有塗工液100質量部に対し、5質量部以上、30質量部以下であり、
    前記アンカー層用塗工液が、前記酢酸エステルに対し相溶性を示す樹脂材料を含んでなることを特徴とする、蓋材用撥水性積層体の製造方法。
  2. 前記微粒子含有塗工液の塗工量が、固形分換算で、0.2g/m以上、1.0g/m以下である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記アンカー層用塗工液の塗工量が、固形分換算で、0.5g/m以上、3.0g/m以下である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記撥水性微粒子の平均粒径が、1nm以上、300nm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記撥水性微粒子が、SiO、TiO、AlおよびMgOからなる群より選択される1以上の微粒子である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記微粒子含有塗工液における前記撥水性微粒子の含有量が、前記微粒子含有塗工液100質量部に対し、5質量部以上、10質量部以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記アンカー層用塗工液における前記樹脂材料の含有量が、前記アンカー層用塗工液100質量部に対し、5質量部以上、30質量部以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記樹脂材料が、塩化ビニリデン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、およびアクリル系樹脂からなる群より選択される1以上の樹脂材料である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記アンカー層用塗工液が、平均粒子径が、1μm以上、50μm以下の微粒子を含んでなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
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