JP2017131953A - 電縫鋼管の製造方法 - Google Patents

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広幸 城澤
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Abstract

【課題】溶接欠陥のないシームを備えた電縫鋼管の製造方法を提供する。
【解決手段】電気抵抗溶接によって電縫鋼管の外表面1aが溶着する外面溶着位置5aと電縫鋼管の内表面1bが溶着する内面溶着位置5bとの管軸方向の距離ΔL(mm)及び鋼板の板厚t(mm)から算出されるΔL/t値を0≦ΔL/t≦1の範囲内に維持して電気抵抗溶接を行なう電縫鋼管の製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、電縫鋼管の製造方法に関し、特に油井管やラインパイプ、自動車部品、建築材料等の用途に好適な優れた品質の溶接部(シーム)を有する電縫鋼管の製造方法に関するものである。
電縫鋼管は、ロールを用いた冷間加工によって鋼板を連続的に管形状に成形し、鋼板の幅方向端部を互いに対向させて高周波加熱による電気抵抗溶接で接合して製造される。したがって寸法精度が良好で、表面性状が美麗であるという特性を有し、かつ生産性が高いという利点を有するので、ラインパイプ、自動車部品、建築材料等の用途に広く用いられている。そして近年、電縫鋼管に必然的に存在するシームの品質を改善して、電縫鋼管を油井管(たとえばケーシング)として用いる技術が開発されている。
一方、石油資源は、浅い油井(いわゆる浅井戸)で採掘可能な埋蔵量が減少し、高深度の油井(いわゆる深井戸)の掘削が進められている。深井戸においては高温かつ腐食性の環境にある深奥部から石油資源を採掘するので、深井戸用の油井管として電縫鋼管を使用するためにシームの品質を改善する技術、すなわち溶接欠陥を防止する技術が求められている。
また、石油を輸送するラインパイプの分野においても、寒冷地に施設されるラインパイプとして電縫鋼管を使用するために、溶接欠陥を防止して、シームの品質の向上を図る必要がある。
自動車部品の分野においては、燃費性能を向上する観点から、車体の軽量化が進められており、そのためには自動車部品の強度を高める必要がある。建築材料の分野においては、高層建築物を建設するために高強度の建築材料を開発する必要がある。そのため、自動車部品や建築材料の用途に用いる電縫鋼管についても、溶接欠陥を防止して、シームの品質を改善する技術が求められている。
つまり、電縫鋼管のシームに溶接欠陥が発生するのを防止し、シームの品質を向上することによって、様々な分野において多大な効果が得られる。そこで、溶接欠陥のないシームを有する電縫鋼管を製造する技術が検討されている。
たとえば特許文献1には、鋼板が電気抵抗溶接で接合される部位のV角を調整することによって、シームの品質を安定させる技術が開示されている。しかしこの技術は、幅変更が可能なフィンを備えた複雑な構造のシームガイドロールを使用するので、導入する際の設備投資、および稼働した後のメンテナンス費が増大するという問題がある。また、鋼板の寸法や材質等に応じて最適なV角を得るためのシームガイドロールの調整が難しいので、設備の稼働率低下や電縫鋼管の生産性低下を招く。
特許文献2には、鋼板が電気抵抗溶接で接合される部位を監視し、その画像を解析しながら入熱を制御することによって、溶接欠陥を防止する技術が開示されている。しかしこの技術は、電気抵抗溶接で蒸気やスパッタが発生することから、常に鮮明な画像を得ることが難しく、入熱の制御が不安定になるという問題がある。
このように従来からシームの溶接欠陥を防止する技術が検討されているが、シームの品質の更なる向上を図る観点から、従来の技術には改善の余地が残されている。
特開2006-289446号公報 特許第5510615号公報
本発明は、従来の技術の問題点を解消し、溶接欠陥のないシームを備えた電縫鋼管の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、電縫鋼管の製造工程において、溶接欠陥のないシームを形成する技術について検討するために、様々な寸法の管形状に成形した鋼板の幅方向端部を電気抵抗溶接で接合する実験を行なった。そして、電気抵抗溶接を途中で停止し、冷却した後、そのシーム部を切り出して溶接欠陥の有無を観察し、さらに、スクイズロールで押圧する位置において溶着したシームと溶着する前の溶融メタルとの境界(以下、溶着端という)の形状を観察して、両者の関係を調査した。その結果、溶接欠陥の有無と溶着端の形状には密接な関係があることを見出した。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
すなわち本発明は、鋼板を連続的に管形状にロール成形し、鋼板の幅方向端部を互いに対向させて高周波電流による電気抵抗溶接で接合する電縫鋼管の製造方法において、電気抵抗溶接によって電縫鋼管の外表面が溶着する外面溶着位置と電縫鋼管の内表面が溶着する内面溶着位置との管軸方向の距離ΔL(mm)および鋼板の板厚t(mm)から算出されるΔL/t値を下記の(1)式の範囲内に維持して電気抵抗溶接を行なう電縫鋼管の製造方法である。
0≦ΔL/t≦1 ・・・(1)
本発明の電縫鋼管の製造方法においては、電縫鋼管の寸法に応じて、距離ΔLを予め設定しておくことが好ましい。
本発明によれば、溶接欠陥のないシームを備えた電縫鋼管を製造することが可能となり、産業上格段の効果を奏する。
電縫鋼管の製造を停止して、取り出したサンプルの例を模式的に示す斜視図である。 図1のサンプンルを切断して得た試験片を模式的に示す斜視図である。 図2の試験片の側面図である。 距離Lと溶接欠陥発生率との関係を示すグラフである。 距離Lと溶接欠陥発生率との関係を示すグラフである。
管形状に成形した鋼板の幅方向端部を電気抵抗溶接で接合して電縫鋼管を製造しながら、途中で電気抵抗溶接を停止し、さらに冷却した後、そのシーム部を切り出して、サンプルを取り出した。図1は、そのサンプルの例を模式的に示す斜視図である。図1中の矢印Aは、管形状に成形した鋼板1の進行方向を示す。スクイズロール(図示せず)を通過して前方へ進行することによって電気抵抗溶接で接合された部位2(いわゆるシーム)が形成される。一方、スクイズロールで押圧される位置3(以下、押圧位置という)の後方では鋼板1は接合されておらず、V字形状の開口部が存在する。
電縫鋼管の製造中は、押圧位置3の後方の開口部の鋼板1は、高周波加熱によって部分的に溶融している。図1に示すようなサンプルを切り出した時には、その溶融した部位4は冷却されて凝固しているが、以下では図1中の部位4を溶融メタルと記す。なお鋼板1の端面は機械加工で切断された平面であるから、溶融メタル4が凝固した痕跡は容易に識別できる。
次に、図1のサンプルを切断して、図2に示すような試験片を得た。この試験片の側面図を図3に示す。図3中の符号1aは鋼板1を成形して得た管体の外表面、符号1bは内表面である。
押圧位置3の近傍には、溶着したシーム2と未溶着の溶融メタル4との境界である溶着端5が形成される。溶着端5は、図3に示すように、管体の外表面1aから内表面1bの間で湾曲した曲線状に形成される。電縫鋼管の通常の製造条件では、管体の外表面1aの溶着端5a(以下、外面溶着位置という)は押圧位置3に近く、内表面1bの溶着端5b(以下、内面溶着位置という)は押圧位置3から遠くなる(図3参照)。このような形状の溶着端5において、外面溶着位置5aと内面溶着位置5bとの管軸方向の距離をΔL(mm)とする。
一方で、図2、3に示すシーム2の断面を観察して溶接欠陥の有無を調査し、溶接欠陥発生率(%)を算出した。溶接欠陥発生率は下記の(1)式で算出される値であり、溶接欠陥発生率が小さいほど、溶接欠陥が少ないことを示す。
溶接欠陥発生率(%)=100×MDEF/MLOT ・・・(1)
DEF:溶接欠陥が発生した電縫鋼管の重量(kg)
LOT:製造した同一ロットの電縫鋼管の重量(kg)
そして、距離ΔLと溶接欠陥発生率との関係を、様々な寸法の電縫鋼管について調査した。その例を図4、5に示す。
図4に示す電縫鋼管(外径559mm、肉厚25.4mm)では、距離ΔLが0mmから26mmの範囲で溶接欠陥発生率が低く抑えられている。この電縫鋼管の肉厚(25.4mm)は、素材となる鋼板1の板厚t(図3参照)と同じである。また、溶接欠陥を防止できる距離ΔLの上限(26mm)は、板厚tにほぼ等しく、好適なΔL/tの上限を算出すると26/25.4=1.02である。なお、好適なΔL/tの下限は0/25.4=0である。
図5に示す電縫鋼管(外径660mm、肉厚8.7mm)では、距離ΔLが0mmから8.5mmの範囲で溶接欠陥発生率が低く抑えられている。この電縫鋼管の肉厚(8.7mm)は、素材となる鋼板1の板厚t(図3参照)と同じである。また、溶接欠陥を防止できる距離ΔLの上限(8.5mm)は、板厚tにほぼ等しく、好適なΔL/tを算出すると8.5/8.7=0.98である。なお、好適なΔL/tの下限は0/8.7=0である。
つまり図4、5に開示したデータを整理すると、電縫鋼管の寸法に関わらずΔL/tを0〜1の範囲内に維持して電気抵抗溶接を行なうことによって、溶接欠陥発生率が低く抑えられることが分かる。
したがって本発明では、ΔL/tが下記の(1)式を満足するようにスクイズロールと溶接機を設定して、電気抵抗溶接を行なう。
0≦ΔL/t≦1 ・・・(1)
具体的には、様々な寸法の電縫鋼管について、スクイズロールならびに溶接機の設定条件とΔL/t値との関係を予め求めておき、製造ラインにおいては、製造する電縫鋼管の寸法に応じて好適な条件を設定して操業する。
管形状に成形した鋼板の幅方向端部を電気抵抗溶接で接合して電縫鋼管を製造しながら、途中で電気抵抗溶接を停止し、さらに冷却した後、シーム部のサンプル(図1参照)を切り出し、次いで、そのサンプルを切断して試験片(図2参照)を得た。そして、その試験片を調査して、ΔLと溶接欠陥発生率との関係を求めた。その結果を表1〜3に示す。なお、表中のΔLが負の数値である例は、外面溶着位置5aは押圧位置3から遠く、内面溶着位置5bは押圧位置3に近くなった例である。
Figure 2017131953
Figure 2017131953
Figure 2017131953
表1〜3に示すように、発明例は、いずれも溶接欠陥を防止できた。
1 鋼板
1a 管体の外表面
1b 管体の内表面
2 シーム
3 押圧位置
4 溶融メタル
5 溶着端
5a 外面溶着位置
5b 内面溶着位置

Claims (2)

  1. 鋼板を連続的に管形状にロール成形し、前記鋼板の幅方向端部を互いに対向させて高周波電流による電気抵抗溶接で接合する電縫鋼管の製造方法において、前記電気抵抗溶接によって前記電縫鋼管の外表面が溶着する外面溶着位置と前記電縫鋼管の内表面が溶着する内面溶着位置との管軸方向の距離ΔL(mm)および前記鋼板の板厚t(mm)から算出されるΔL/t値を下記の(1)式の範囲内に維持して前記電気抵抗溶接を行なうことを特徴とする電縫鋼管の製造方法。
    0≦ΔL/t≦1 ・・・(1)
  2. 前記電縫鋼管の寸法に応じて、前記距離ΔLを予め設定しておくことを特徴とする請求項1に記載の電縫鋼管の製造方法。
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