JP2017131336A - 光子計数型x線ct装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】通信路容量を増加させることなく、撮影直後におけるCT画像データの表示を実現すること。【解決手段】実施形態に係る光子計数型X線CT装置は、回転フレームと、光子計数部と、生成部と、送信部とを備える。回転フレームは、被検体にX線を照射するX線管球と、入射した前記X線の光子を検出する複数の検出素子を有する検出器とを保持する。光子計数部は、前記回転フレームに固定され、前記X線のエネルギー分布上に設定されたエネルギー帯、前記X線管球の位置及び前記検出素子ごとに前記X線の光子の数を計数した計数データを収集する。生成部は、前記回転フレームに固定され、前記計数データに基づいて、前記計数データよりもデータ量が少ない概略計数データを生成する。送信部は、前記回転フレームに固定され、前記概略計数データを前記計数データよりも先に送信する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、光子計数型X線CT装置に関する。
X線CT装置のDAS(Data Acquisition System)は、X線管球及び検出器を保持する回転フレームに固定されているため、X線管球及び検出器と共に回転する。積分型X線CT装置のDASは、X線の実効エネルギーを算出し、投影データを生成する。光子計数型X線CT装置のDASは、X線のエネルギー分布上に設定されたエネルギー帯ごとにX線の光子の数を計数した計数データを生成する。計数データは、X線のエネルギー分布上に設定されたエネルギー帯ごとに生成されるため、積分型X線CT装置が生成する投影データよりもデータ量が多い。
そこで、従来の光子計数型X線CT装置は、計数データをコンソールへ送信する際にボトルネックとなるDASと架台の固定部との間の通信路容量の増加を抑制するため、次のような方法により、計数データをコンソールへ送信している。
例えば、従来の光子計数型X線CT装置のDASは、計数データを圧縮してから、コンソールへ送信する。或いは、従来の光子計数型X線CT装置のDASは、計数データをDAS内に設けられたメモリに一時的に格納しておき、DASと架台の固定部との間の通信路容量に余裕があるときに計数データをコンソールへ送信する。
しかし、従来の光子計数型X線CT装置は、上述した方法で計数データをコンソールへ伝送しているため、撮影直後にCT画像データを表示することが困難なことがあった。また、撮影直後にCT画像データを表示するために通信路容量を増加させると、光子計数型X線CT装置の製造コストが増大してしまう。
米国特許第8406537号明細書
本発明が解決しようとする課題は、通信路容量を増加させることなく、撮影直後におけるCT画像データの表示を実現することができる光子計数型X線CT装置を提供することである。
実施形態に係る光子計数型X線CT装置は、回転フレームと、光子計数部と、生成部と、送信部とを備える。回転フレームは、被検体にX線を照射するX線管球と、入射した前記X線の光子を検出する複数の検出素子を有する検出器とを保持する。光子計数部は、前記回転フレームに固定され、前記X線のエネルギー分布上に設定されたエネルギー帯、前記X線管球の位置及び前記検出素子ごとに前記X線の光子の数を計数した計数データを収集する。生成部は、前記回転フレームに固定され、前記計数データに基づいて、前記計数データよりもデータ量が少ない概略計数データを生成する。送信部は、前記回転フレームに固定され、前記概略計数データを前記計数データよりも先に送信する。
図1は、実施形態に係る光子計数型X線CT装置の構成例を示す図である。 図2は、実施形態に係る光子計数型X線CT装置が行う処理の一例を示すフローチャートである。 図3は、X線のエネルギー分布上に設定されたエネルギー帯の一例を示す図である。 図4は、計数データのあるビュー及びあるチャンネルにおけるエネルギー帯ごとの光子の数の一例を示す図である。 図5は、概略計数データのあるビュー及びあるチャンネルにおけるエネルギー帯ごとの光子の数の一例を示す図である。 図6は、概略計数データのあるビュー及びあるチャンネルにおけるエネルギー帯ごとの光子の数の一例を示す図である。 図7は、概略計数データのあるビュー及びあるチャンネルにおけるエネルギー帯ごとの光子の数の一例を示す図である。 図8は、概略計数データを再構成することにより生成されたCT画像データの一例を示す図である。 図9は、図8に示したCT画像データから導出された投影情報を示す図である。 図10は、注目物質のK吸収端近傍におけるX線の線減弱係数のエネルギー依存性の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、実施形態に係る光子計数型X線CT装置を説明する。なお、以下の実施形態では、重複する説明は適宜省略する。
(実施形態)
図1を参照しながら、実施形態に係る光子計数型X線CT装置1の構成について説明する。図1は、実施形態に係る光子計数型X線CT装置の構成例を示す図である。光子計数型X線CT装置1は、図1に示すように、架台10と、寝台20と、コンソール30とを備える。なお、光子計数型X線CT装置1の構成は、下記の構成に限定されるものではない。
架台10は、高電圧発生回路101と、コリメータ調整回路102と、架台駆動回路103と、X線照射装置104と、検出器105と、回転フレーム106と、データ収集回路107と、送信回路108と、バッファ回路109と、受信回路110とを備える。
高電圧発生回路101は、後述するX線管球1041に管電圧を供給する。高電圧発生回路101は、後述する記憶回路35に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、その機能を実現する。
コリメータ調整回路102は、後述するコリメータ1043の開口度及び位置を調整する。これにより、コリメータ調整回路102は、X線管球1041が被検体Pに照射するX線の照射範囲を調整する。コリメータ調整回路102は、後述する記憶回路35に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、その機能を実現する。
架台駆動回路103は、回転フレーム106を回転させる。これにより、架台駆動回路103は、被検体Pを中心とした円軌道上でX線照射装置104及び検出器105を旋回させる。架台駆動回路103は、後述する記憶回路35に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、その機能を実現する。
X線照射装置104は、X線管球1041と、ウェッジ1042と、コリメータ1043とを備える。X線管球1041は、被検体PにX線を照射する。X線管球1041は、高電圧発生回路101が供給する管電圧により、ビーム状のX線を発生させる。このビーム状のX線は、コーンビームとも呼ばれる。ウェッジ1042は、X線管球1041から照射されたX線の線量を調節するためのX線フィルタである。コリメータ1043は、X線の照射範囲を調整するためのスリットである。コリメータ1043の開口度及び位置は、コリメータ調整回路102により調整される。コリメータ1043の開口度の調整により、例えば、コーンビームのファン角及びコーン角が調整される。
検出器105は、入射したX線の光子を検出する複数の検出素子を有する。複数の検出素子は、第1方向及び第1方向と交差する第2方向に規則的に配置される。例えば、第1方向は回転フレーム106の円周方向、第2方向はスライス方向である。ここで、スライス方向は体軸方向である。なお、このような検出器は、多列検出器と呼ばれる。
検出素子は、シンチレータ、フォトダイオード及び光子計数型検出回路を有する。検出素子がシンチレータ及びフォトダイオードを有する検出器は、固体検出器と呼ばれる。光子計数型検出回路の入力端子は、フォトダイオードの出力端子に接続されている。光子計数型検出回路の出力端子は、データ収集回路107の入力端子に接続されている。
検出素子は、次のような方法により、入射したX線の光子を応答波形に変換する。検出素子は、入射したX線の光子をシンチレータにより光に変換する。検出素子は、この光をフォトダイオードにより電荷に変換する。この電荷は、光子計数型検出回路へ出力される。光子計数型検出回路は、この電荷に基づいてデータ収集回路107へ応答波形を出力する。応答波形は、X線管球1041の各位置において各検出素子に入射した個々の光子により発生したパルスを時系列に並べたデータである。
なお、検出器105は、直接変換型の検出器でもよい。直接変換型の検出器とは、検出素子に入射したX線の光子を直接電荷に変換する検出器である。この電荷は、X線の光子の入射によって発生する電子が正電位の集電電極に向かって移動すること及びX線の入射によって発生する正孔が負電位の集電電極に向かって移動することの少なくとも一方により出力される。
回転フレーム106は、X線照射装置104と検出器105とを被検体Pを挟んで対向するように保持する円環状のフレームである。すなわち、回転フレーム106は、X線を照射するX線管球1041と、入射したX線の光子を検出する複数の検出素子を有する検出器105とを保持する。回転フレーム106は、架台駆動回路103により駆動され、被検体Pを中心とした円軌道上を高速で回転する。
データ収集回路107は、光子計数機能1071と、生成機能1072と、設定機能1073とを有する。これらの機能の詳細は、後述する。また、データ収集回路107は、回転フレーム106に固定されている。このため、データ収集回路107は、光子計数型X線CT装置1が被検体Pをスキャンする際、回転フレーム106と共に回転する。データ収集回路107は、例えば、プロセッサにより実現される。なお、データ収集回路107は、DASとも呼ばれる。
送信回路108は、概略計数データを計数データよりも先に送信する。また、送信回路108は、概略計数データを優先順位に従って受信回路110へ送信する。さらに、送信回路108は、計数データを受信回路110へ送信する。送信回路108は、例えば、無線やスリップリングを使用して、概略計数データや計数データを受信回路110へ送信する。このため、送信回路108から後述するデータ記憶回路33までの通信路のボトルネックは、送信回路108と受信回路110との間の通信路となる。また、送信回路108は、送信回路108から後述するデータ記憶回路33までの通信路容量に十分な空きが無い場合、計数データや概略計数データをバッファ回路109へ送信する。
また、送信回路108は、回転フレーム106に固定されている。このため、送信回路108は、光子計数型X線CT装置1が被検体Pをスキャンする際、回転フレーム106と共に回転する。なお、送信回路108は、例えば、プロセッサにより実現される。
バッファ回路109は、送信回路108から後述するデータ記憶回路33までの通信路容量に十分な空きが無い場合、送信回路108から計数データや概略計数データを受信し、これらを一時的に記憶する。また、バッファ回路109は、送信回路108から後述するデータ記憶回路33までの通信路容量に十分な空きができた場合、記憶している計数データや概略計数データを送信回路108へ送信する。さらに、バッファ回路109は、回転フレーム106に固定されている。このため、バッファ回路109は、光子計数型X線CT装置1が被検体Pをスキャンする際、回転フレーム106と共に回転する。なお、バッファ回路109は、例えば、プロセッサにより実現される。また、バッファ回路109は、不揮発性メモリ又は揮発性メモリを含む。
受信回路110は、送信回路108から計数データや概略計数データを受信し、これらを後述するデータ記憶回路33へ送信する。また、受信回路110は、回転フレーム106に固定されていない。このため、受信回路110は、光子計数型X線CT装置1が被検体Pをスキャンする際、回転フレーム106と共に回転しない。なお、受信回路110は、例えば、プロセッサにより実現される。
寝台20は、天板21と、寝台駆動回路22とを備える。天板21は、被検体Pが載せられる板状の部材である。寝台駆動回路22は、被検体Pが載せられた天板21を体軸方向へ移動させることにより、被検体Pを架台10の撮影口内で移動させる。寝台駆動回路22は、後述する記憶回路35に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、その機能を実現する。寝台駆動回路22は、例えば、プロセッサにより実現される。
コンソール30は、入力回路31と、ディスプレイ32と、データ記憶回路33と、画像記憶回路34と、記憶回路35と、処理回路36とを備える。
入力回路31は、指示や設定を入力するユーザにより使用される。入力回路31は、例えば、マウス、キーボードに含まれる。入力回路31は、ユーザが入力した指示や設定を処理回路36に転送する。入力回路31は、例えば、プロセッサにより実現される。
ディスプレイ32は、ユーザが参照するモニタである。ディスプレイ32は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイである。ディスプレイ32は、例えば、CT画像データ、ユーザが指示や設定を入力する際に使用するGUI(Graphical User Interface)、診断時に参照する指標を表示する旨の指示を処理回路36から受ける。ディスプレイ32は、この指示に基づいて、例えば、CT画像データ、GUI、診断時に参照する指標を表示する。なお、CT画像データとは、CT画像そのもの又はCT画像を表示する基となるデータを意味する。
データ記憶回路33は、受信回路110から計数データや概略計数データを受信し、これらを記憶する。また、データ記憶回路33は、後述する前処理機能362が前処理を施した計数データや概略計数データを受信し、これらを記憶する。なお、前処理機能362が前処理を施した計数データや概略計数データは、生データ(Raw Data)とも呼ばれる。画像記憶回路34は、後述する画像生成機能363により生成されたCT画像データを記憶する。
記憶回路35は、高電圧発生回路101、コリメータ調整回路102、架台駆動回路103、データ収集回路107、送信回路108、バッファ回路109及び受信回路110が上述した機能を実現するためのプログラムを記憶する。記憶回路35は、寝台駆動回路22が上述した機能を実現するためのプログラムを記憶する。記憶回路35は、処理回路36が後述する機能それぞれを実現するためのプログラムを記憶する。
処理回路36は、スキャン制御機能361、前処理機能362、画像生成機能363及び制御機能364を有する。これらの機能の詳細は、後述する。なお、制御機能364は、架台10、寝台20及びコンソール30の各構成要素を目的に応じて適切なタイミングで動作させる機能及びその他の機能を含む。処理回路36は、例えば、プロセッサにより実現される。
データ記憶回路33、画像記憶回路34及び記憶回路35は、記憶されている情報をコンピュータにより読み出すことができる記憶媒体を有する。記憶媒体は、例えば、ハードディスクである。
図2から図7を参照しながら、実施形態に係る光子計数型X線CT装置1の処理の一例について説明する。図2は、実施形態に係る光子計数型X線CT装置が行う処理の一例を示すフローチャートである。図3は、X線のエネルギー分布上に設定されたエネルギー帯の一例を示す図である。図4は、計数データのあるビュー及びあるチャンネルにおけるエネルギー帯ごとの光子の数の一例を示す図である。図5から図7は、概略計数データのあるビュー及びあるチャンネルにおけるエネルギー帯ごとの光子の数の一例を示す図である。次の説明では、図3に示すように、X線のエネルギー分布上にエネルギー帯B1、B2、…、B16が設定されている場合を例に挙げる。
処理回路36は、図2に示すように、計数データを収集する(ステップS1)。ステップS1の処理は、例えば、次のようなものである。
処理回路36は、記憶回路35からスキャン制御機能361に相当するプログラムを読み出して実行する。スキャン制御機能361は、スキャンを実行するために光子計数型X線CT装置1を制御する機能である。処理回路36は、例えば、スキャン制御機能361を実行することにより、光子計数型X線CT装置1を次のように制御する。
処理回路36は、寝台駆動回路22を制御することにより、被検体Pを架台10の撮影口内へ移動させる。処理回路36は、架台駆動回路103を制御することにより、被検体Pのスキャンを実行させる。具体的には、処理回路36は、高電圧発生回路101を制御することにより、X線管球1041へ管電圧を供給させる。処理回路36は、コリメータ調整回路102を制御することにより、コリメータ1043の開口度及び位置を調整する。また、処理回路36は、架台駆動回路103を制御することにより、回転フレーム106を回転させる。
光子計数型X線CT装置1が実行するスキャンは、例えば、コンベンショナルスキャン、ヘリカルスキャン、ステップアンドシュートである。コンベンショナルスキャンは、天板21に載せられた被検体Pの位置を固定した状態で被検体Pをスキャンする方式である。ヘリカルスキャンは、天板21に載せられた被検体Pを体軸方向に移動させながら被検体Pをスキャンする方式である。ステップアンドシュートは、天板21に載せられた被検体Pの位置を一定の間隔で移動させてコンベンショナルスキャンを複数のスキャンエリアで行う方式である。
処理回路36は、データ収集回路107を制御することにより、計数データを収集させる。データ収集回路107は、例えば、次のような処理を行う。
データ収集回路107は、記憶回路35から光子計数機能1071に相当するプログラムを読み出して実行する。光子計数機能1071は、X線のエネルギー分布上に設定されたエネルギー帯、X線管球1041の位置及び検出素子ごとにX線の光子の数を計数した計数データを収集する。
具体的には、光子計数機能1071は、光子計数型検出回路が出力した応答波形が所定の閾値を超えている状態が継続する事象の数を計数する。これにより、光子計数機能1071は、検出素子に入射したX線の光子の数を計数する。また、光子計数機能1071は、検出素子が出力した応答波形の波高や波形面積を算出する。これにより、光子計数機能1071は、検出素子に入射したX線の光子のエネルギーを算出する。したがって、光子計数機能1071は、X線のエネルギー分布上に設定されたエネルギー帯、X線管球1041の位置及び検出素子ごとにX線の光子の数を計数することができる。
計数データは、X線管球1041の各位置、各検出素子及び各エネルギー帯において、各検出素子に入射したX線の光子の数を並べたデータである。ここで、X線管球1041の位置は、ビュー(View)と呼ばれる。あるビューにおける検出素子の回転フレーム106の円周方向の列は、チャンネル(Channel)と呼ばれる。つまり、計数データは、ビュー方向、チャンネル方向及びエネルギー方向を軸とする三次元直交座標系に、X線の光子の数を割り当てたデータである。したがって、計数データのあるビュー及びあるチャンネルにおけるエネルギー帯ごとの光子の数は、例えば、図4に示すヒストグラムC16となる。ヒストグラムC16は、あるビュー及びあるチャンネルにおいて、図3及び図4に示したエネルギー帯B1、B2、…、B16ごとにX線の光子の数を計数したものである。なお、計数データは、エネルギー帯ビューデータの一種である。
データ収集回路107は、図2に示すように、概略計数データを生成する(ステップS2)。ステップS2の処理は、例えば、次のようなものである。
データ収集回路107は、記憶回路35から生成機能1072に相当するプログラムを読み出して実行する。生成機能1072は、計数データに基づいて、計数データよりもデータ量が少ない概略計数データを生成する。
生成機能1072は、例えば、次のようにして、第1の加算計数データを生成する。生成機能1072は、概略計数データとして、X線管球1041の位置及び検出素子が同一の計数データの光子の数を全てのエネルギー帯に亘って加算した加算計数データを生成する。具体的には、生成機能1072は、X線管球1041の位置及び検出素子が同一の計数データの光子の数を図3及び図4に示したエネルギー帯B1、B2、…、B16に亘って加算した加算計数データを生成する。このような加算計数データは、総カウントビューデータとも呼ばれる。
生成機能1072は、例えば、次のようにして、第2の加算計数データ、第3の加算計数データ及び第4の加算計数データを生成する。生成機能1072は、概略計数データとして、X線管球1041の位置及び検出素子が同一の計数データの光子の数を複数のエネルギー帯に亘って加算した加算計数データを複数生成する。
生成機能1072は、例えば、次のようにして、第2の加算計数データを生成する。生成機能1072は、X線管球1041の各位置及び各検出素子において、計数データの光子の数を図3及び図4に示したエネルギー帯B1、B2、…、B8に亘って加算する。生成機能1072は、X線管球1041の各位置及び各検出素子において、計数データの光子の数をエネルギー帯B9、B10、…、B16に亘って加算する。
この概略計数データのあるビュー及びあるチャンネルにおけるエネルギー帯ごとの光子の数は、例えば、図5に示したヒストグラムA2で表される。ヒストグラムA2は、あるビュー及びあるチャンネルにおいて、図5に示したエネルギー帯B21及びエネルギー帯B22ごとにX線の光子の数を計数したものである。エネルギー帯B21は、図3及び図4に示したエネルギー帯B1、B2、…、B8を合わせたものである。エネルギー帯B22は、図3及び図4に示した、エネルギー帯B9、B10、…、B16を合わせたものである。
また、生成機能1072は、次のようにして、第3の加算計数データを生成する。生成機能1072は、X線管球1041の各位置及び各検出素子において、計数データの光子の数を図3及び図4に示したエネルギー帯B1、B2、…、B4に亘って加算する。生成機能1072は、X線管球1041の各位置及び各検出素子において、計数データの光子の数をエネルギー帯B5、B6、…、B8に亘って加算する。生成機能1072は、X線管球1041の各位置及び各検出素子において、計数データの光子の数をエネルギー帯B9、B10、…、B12に亘って加算する。生成機能1072は、X線管球1041の各位置及び各検出素子において、計数データの光子の数をエネルギー帯B13、B14、…、B16に亘って加算する。
この概略計数データのあるビュー及びあるチャンネルにおけるエネルギー帯ごとの光子の数は、例えば、図6に示したヒストグラムA4で表される。ヒストグラムA4は、あるビュー及びあるチャンネルにおいて、図6に示したエネルギー帯B41、エネルギー帯B42、エネルギー帯B43及びエネルギー帯B44ごとにX線の光子の数を計数したものである。エネルギー帯B41は、図3及び図4に示したエネルギー帯B1、B2、…、B4を合わせたものである。エネルギー帯B42は、エネルギー帯B5、B6、…、B8を合わせたものである。エネルギー帯B43は、エネルギー帯B9、B10、…、B12を合わせたものである。エネルギー帯B44は、エネルギー帯B13、B14、…、B16を合わせたものである。
また、生成機能1072は、次のようにして、第4の加算計数データを生成する。生成機能1072は、X線管球1041の各位置及び各検出素子において、計数データの図3及び図4に示したエネルギー帯B1とエネルギー帯B2の光子の数を加算する。生成機能1072は、X線管球1041の各位置及び各検出素子において、計数データのエネルギー帯B3とエネルギー帯B4の光子の数を加算する。生成機能1072は、X線管球1041の各位置及び各検出素子において、計数データのエネルギー帯B5とエネルギー帯B6の光子の数を加算する。生成機能1072は、X線管球1041の各位置及び各検出素子において、計数データのエネルギー帯B7とエネルギー帯B8の光子の数を加算する。生成機能1072は、X線管球1041の各位置及び各検出素子において、計数データのエネルギー帯B9とエネルギー帯B10の光子の数を加算する。生成機能1072は、X線管球1041の各位置及び各検出素子において、計数データのエネルギー帯B11とエネルギー帯B12の光子の数を加算する。生成機能1072は、X線管球1041の各位置及び各検出素子において、計数データのエネルギー帯B13とエネルギー帯B14の光子の数を加算する。生成機能1072は、X線管球1041の各位置及び各検出素子において、計数データのエネルギー帯B15とエネルギー帯B16の光子の数を加算する。
この概略計数データのあるビュー及びあるチャンネルにおけるエネルギー帯ごとの光子の数は、例えば、図7に示したヒストグラムA8で表される。ヒストグラムA8は、あるビュー及びあるチャンネルにおいて、図7に示したエネルギー帯B81、B82、…、B88ごとにX線の光子の数を計数したものである。エネルギー帯B81は、図3及び図4に示したエネルギー帯B1とエネルギー帯B2を合わせたものである。エネルギー帯B82は、エネルギー帯B3とエネルギー帯B4を合わせたものである。エネルギー帯B83は、エネルギー帯B5とエネルギー帯B6を合わせたものである。エネルギー帯B84は、エネルギー帯B7とエネルギー帯B8を合わせたものである。エネルギー帯B85は、エネルギー帯B9とエネルギー帯B10を合わせたものである。エネルギー帯B86は、エネルギー帯B11とエネルギー帯B12を合わせたものである。エネルギー帯B87は、エネルギー帯B13とエネルギー帯B14を合わせたものである。エネルギー帯B88は、エネルギー帯B15とエネルギー帯B16を合わせたものである。
なお、ステップS2で生成された概略計数データは、エネルギー帯ビューデータの一種である。
データ収集回路107は、図2に示すように、計数データ及び概略計数データにデータ量が少ない順に優先順位を設定し、送信回路108へ送信する(ステップS3)。ステップS3の処理は、例えば、次のようなものである。
データ収集回路107は、記憶回路35から設定機能1073に相当するプログラムを読み出して実行する。設定機能1073は、概略計数データにデータ量が少ない順に優先順位を設定する。
光子計数機能1071は、ステップS1において、計数データを収集した。生成機能1072は、ステップS2において、第1の加算計数データ、第2の加算計数データ、第3の加算計数データ及び第4の加算計数データを生成した。これらのデータのデータ量は、計数データ、第4の加算計数データ、第3の加算計数データ、第2の加算計数データ、第1の加算計数データの順に小さくなる。したがって、設定機能1073は、これらのデータに対し、次のような優先順位を設定する。設定機能1073は、第1の加算計数データに優先順位「1」を設定する。設定機能1073は、第2の加算計数データに優先順位「2」を設定する。設定機能1073は、第3の加算計数データに優先順位「3」を設定する。設定機能1073は、第4の加算計数データに優先順位「4」を設定する。設定機能1073は、計数データに優先順位「5」を設定する。
送信回路108は、図2に示すように、計数データ及び概略計数データを優先順位に従って送信する(ステップS4)。ステップS4の処理は、例えば、次のようなものである。
初めに、送信回路108は、優先順位「1」が設定された第1の加算計数データを受信回路110へ送信する。次に、送信回路108は、優先順位「2」が設定された第2の加算計数データを受信回路110へ送信する。次に、送信回路108は、優先順位「3」が設定された第3の加算計数データを受信回路110へ送信する。次に、送信回路108は、優先順位「4」が設定された第4の加算計数データを受信回路110へ送信する。最後に、送信回路108は、優先順位「5」が設定された計数データを受信回路110へ送信する。
処理回路36は、図2に示すように、計数データ及び概略計数データに前処理を施す(ステップS5)。処理回路36は、記憶回路35から前処理機能362に相当するプログラムを読み出して実行する。前処理機能362は、計数データ及び概略計数データを補正する機能である。この補正は、例えば、対数変換、オフセット補正、感度補正、ビームハードニング補正、散乱線補正である。前処理機能362により前処理が施された計数データ及び概略計数データは、データ記憶回路33に格納される。
処理回路36は、図2に示すように、優先順位に従って計数データ及び概略計数データを再構成し、CT画像データを生成する(ステップS6)。
処理回路36は、記憶回路35から画像生成機能363に相当するプログラムを読み出して実行する。画像生成機能363は、データ記憶回路33に格納されている計数データ及び概略計数データを再構成し、CT画像データを生成する機能である。再構成法は、例えば、逆投影法、逐次近似法である。また、逆投影法は、例えば、FBP(Filtered Back Projection)法である。
初めに、画像生成機能363は、優先順位「1」が設定された第1の加算計数データを再構成し、CT画像データを生成する。次に、画像生成機能363は、優先順位「2」が設定された第2の加算計数データを再構成し、CT画像データを生成する。次に、画像生成機能363は、優先順位「3」が設定された第3の加算計数データを再構成し、CT画像データを生成する。次に、画像生成機能363は、優先順位「4」が設定された第4の加算計数データを再構成し、CT画像データを生成する。最後に、画像生成機能363は、優先順位「5」が設定された計数データを再構成し、CT画像データを生成する。これらのCT画像データは、画像記憶回路34に格納される。
ディスプレイ32は、図2に示すように、優先順位に従ってCT画像データを表示する(ステップS7)。ステップS7の処理は、例えば、次のようなものである。
処理回路36は、記憶回路35から制御機能364に相当するプログラムを読み出して実行する。初めに、制御機能364は、優先順位「1」が設定された第1の加算計数データから生成されたCT画像データを表示する。次に、制御機能364は、優先順位「2」が設定された第2の加算計数データから生成されたCT画像データを表示する。次に、制御機能364は、優先順位「3」が設定された第3の加算計数データから生成されたCT画像データを表示する。次に、制御機能364は、優先順位「4」が設定された第4の加算計数データから生成されたCT画像データを表示する。最後に、制御機能364は、優先順位「5」が設定された計数データから生成されたCT画像データを表示する。
以上、実施形態に係る光子計数型X線CT装置1について説明した。上述したように、データ収集回路107は、計数データに基づいて、計数データよりもデータ量が少ない概略計数データを生成し、概略計数データを計数データよりも先に送信する。このため、光子計数型X線CT装置1は、計数データや概略計数データの通信路容量を増加させること無く、撮影直後にCT画像データを表示することができる。また、光子計数型X線CT装置1は、計数データや概略計数データの通信路容量を増加させる必要がない。このため、光子計数型X線CT装置1は、架台10内のレイアウトの幅を広げることができる。また、光子計数型X線CT装置1の製造コストは、抑制される。
また、データ収集回路107は、初めに総カウントビューデータを送信する。総カウントビューデータは、データ量が少ないため、送信回路108からデータ記憶回路33まで迅速に送信される。また、総カウントビューデータは、例えば、撮影部位の構造、穿刺の状況、造影剤の注入状況を鮮明に表すCT画像データを迅速に生成するのに好適である。このため、光子計数型X線CT装置1は、このようなCT画像データを迅速に生成し、表示することができる。
さらに、データ収集回路107は、概略計数データにデータ量が少ない順に優先順位を設定し、概略計数データを優先順位に従って送信する。具体的には、データ収集回路107は、第1の加算計数データ、第2の加算計数データ、第3の加算計数データ、第4の加算計数データ、計数データを優先順位に従って受信回路110へ送信する。このため、光子計数型X線CT装置1は、計数データや概略計数データの通信路容量を増加させること無く、診断に必要なCT画像データを逐一表示していくことができる。また、光子計数型X線CT装置1は、物質弁別の対象となり得る物質の種類を次第に増やし、物質弁別の精度を向上させることができる。また、これにより、光子計数型X線CT装置1は、より診断に適したCT画像データを逐一生成し、表示することができる。
なお、概略計数データは、上述したものに限定されない。例えば、データ収集回路107が以下に述べる概略計数データを生成しても、上述した効果が得られる。
生成機能1072は、概略計数データとして、X線管球1041の位置及び検出素子が同一の計数データの光子の数を複数のエネルギー帯に亘って加算した加算計数データを一つ生成してもよい。このような加算計数データも、エネルギー帯ビューデータの一種である。生成機能1072は、例えば、概略計数データとして、X線管球1041の位置及び検出素子が同一の計数データの光子の数をエネルギーが最小のエネルギー帯以外のエネルギー帯に亘って加算した加算計数データを一つ生成してもよい。生成機能1072は、例えば、概略計数データとして、X線管球1041の位置及び検出素子が同一の計数データの光子の数を図3及び図4に示したエネルギー帯B3、B4、…、B16に亘って加算した加算計数データを生成してもよい。エネルギーが最小のエネルギー帯において計数されたX線の光子の数は、光子計数型検出回路で発生するノイズの影響を含むことがある。したがって、この加算計数データは、光子計数型検出回路で発生するノイズの影響を含まない。
さらに、生成機能1072は、概略計数データとして、X線管球1041の位置及び検出素子が同一の計数データの光子の数と当該光子の数が計数されたエネルギー帯のエネルギーとの積の全てのエネルギー帯に亘る総和を算出してもよい。これは、エネルギー積分ビューデータとも呼ばれる。エネルギー積分ビューデータは、総カウントビューデータと同様の効果を奏する。
或いは、生成機能1072は、計数データの一部を概略計数データとしてもよい。生成機能1072は、例えば、次のようにして、計数データの一部を概略計数データとする。
図8は、概略計数データを再構成することにより生成されたCT画像データの一例を示す図である。図9は、図8に示したCT画像データから導出された投影情報を示す図である。
図8に示したCT画像データImは、被検体Pの体軸方向と直交する面に平行な断層画像である。CT画像データImは、例えば、総カウントビューデータ、エネルギー積分ビューデータを再構成することにより、生成される。このため、CT画像データImは、被検体Pの構造を的確に表している。CT画像データImは、領域B、領域S、点線R及び領域Mを含む。領域Bは、被検体P内のある臓器に相当する領域である。領域Sは、被検体P内のある臓器以外に相当する領域である。点線Rは、関心領域を示している。領域Mは、被検体P外に存在する空気に相当する領域である。
図9に示した投影情報PJは、CT画像データImに対し、X線管球1041及び検出器105の幾何学的な配置及び投影する方向に基づく投影処理により導出される。投影情報PJは、領域BP、領域SP、点線RP及び領域MPを含む。領域BPは、CT画像データImの領域Bに対応する。領域SPは、CT画像データImの領域Sに対応する。点線RPで囲まれた領域は、CT画像データImのうち点線Rで囲まれた領域に対応する。領域MPは、CT画像データImの領域Mに対応する。
生成機能1072は、計数データのうち関心領域に相当するデータを概略計数データとする。例えば、生成機能1072は、計数データのうち投影情報PJの点線RPで囲まれた領域を概略計数データとする。画像生成機能363は、この概略計数データを再構成することにより、被検体Pの関心領域のCT画像データを生成することができる。なお、生成機能1072は、投影情報PJではなく計数データに基づいて、計数データのうち概略計数データとする部分を特定してもよい。
或いは、生成機能1072は、計数データのうち関心領域を含むスライス方向に相当する部分を概略計数データとしてもよい。
或いは、生成機能1072は、計数データのうちX線管球1041の位置及び検出素子の少なくとも一方が所定の位置にあるデータを概略計数データとしてもよい。例えば、生成機能1072は、計数データのうちビューを所定の間隔で選択し、選択したものを概略計数データとする。また、例えば、生成機能1072は、計数データのうちチャンネルを所定の間隔で選択し、選択したものを概略計数データとする。
或いは、生成機能1072は、計数データのうち注目物質のK吸収端より低いエネルギー帯及び高いエネルギー帯のデータを概略計数データとしてもよい。
図10は、注目物質のK吸収端近傍におけるX線の線減弱係数のエネルギー依存性の一例を示す図である。図10に示した線Lは、注目物質のK吸収端近傍におけるX線の線減弱係数のエネルギー依存性を表している。また、図10に示すように、エネルギー帯B101、エネルギー帯B102、エネルギー帯B103及びエネルギー帯B104が設定されている。図10に示すように、エネルギー帯B101及びエネルギー帯B102では、注目物質の線減弱係数は、X線の光子のエネルギーが増加するにつれて単調に減少する。同様に、エネルギー帯B103及びエネルギー帯B104では、注目物質の線減弱係数は、X線の光子のエネルギーが増加するにつれて単調に減少する。また、図10に示すように、エネルギー帯B102とエネルギー帯B103との境界には、K吸収端BKが存在する。K吸収端BKでは、注目物質の線減弱係数は、大きく上昇している。
具体的には、生成機能1072は、例えば、計数データのうち注目物質のK吸収端BKより低いエネルギー帯B102及び高いエネルギー帯B103のデータを概略計数データとする。或いは、生成機能1072は、計数データのうち注目物質のK吸収端BKより低いエネルギー帯B101及び高いエネルギー帯B104のデータを概略計数データとする。或いは、生成機能1072は、計数データのうち注目物質のK吸収端BKより低いエネルギー帯B102及び高いエネルギー帯B104のデータを概略計数データとする。また、生成機能1072は、例えば、上述したステップS2で生成した第2の加算計数データの代わりに、これらの概略計数データを生成してもよい。
画像生成機能363は、注目物質のK吸収端より低いエネルギー帯及び高いエネルギー帯のデータを再構成し、二つのCT画像データを生成する。そして、画像生成機能363は、これら二つのCT画像データの差分をとり、造影剤を鮮明に表すCT画像データを生成する。また、画像生成機能363は、このCT画像データを総カウントビューデータやエネルギー積分ビューデータを再構成することにより得られたCT画像データから差し引くことにより、造影剤が写ったCT画像データから造影剤が写っていないCT画像データを生成することができる。このようなCT画像は、VNC(virtual non-contrast)画像と呼ばれる。
光子計数型X線CT装置1は、上述した方法により、一回のスキャンで造影剤が写ったCT画像データ及び造影剤が写っていないCT画像データを生成することができる。つまり、光子計数型X線CT装置1は、被検体Pの被曝量及び検査時間を抑制しつつ、造影剤が写ったCT画像データ及び造影剤が写っていないCT画像データを生成することができる。なお、デュアルエナジーCT撮影が可能なX線CT装置も、上述した方法により、一回のスキャンで造影剤が写ったCT画像データ及び造影剤が写っていないCT画像データを生成することができる。
或いは、生成機能1072は、データ圧縮を使用して概略計数データを生成してもよい。ここで、データ圧縮とは、可逆圧縮又は非可逆圧縮である。例えば、計数データは、元の計数データから第4の加算計数データの2分の1をエネルギー帯毎に減算したデータとし(ヒストグラムC16とヒストグラムA8の差分)、第4の加算計数データは、元の第4の加算計数データから第3の加算計数データの2分の1をエネルギー帯毎に減算したデータ(ヒストグラムA8とヒストグラムA4の差分)、第3の加算計数データは、元の第3の加算計数データから第2の加算計数データの2分の1をエネルギー帯毎に減算したデータ(ヒストグラムA4とヒストグラムA2の差分)、第2の加算計数データは、元の第2の加算計数データから第1の加算計数データの2分の1をエネルギー帯毎に減算したデータ(ヒストグラムA4とヒストグラムA2の差分)として送信すれば、情報量として重複することのない送信および受信が可能となる。同様のデータ演算方式として(符号化方式とも言える)、ウェーブレット変換やフーリエ変換といった多重解像度解析を用いることができる。必要な加算計数データあるいは基底係数を全て送信すれば、可逆圧縮となる。データ量の多い方の加算計数データ(第4や第3の加算計数データなど)や高次元基底の係数のうち、下位ビットを送信しないようにすれば、非可逆圧縮となる。生成機能1072が非可逆圧縮を使用した場合でも、診断に必要なデータを再現することが出来れば、光子計数型X線CT装置1は、計数データや概略計数データの通信路容量を増加させること無く、撮影直後にCT画像データを表示することができる。
なお、上述した計数データや概略計数データは、パルスパイルアップの影響を受けていることがある。ここで、パルスパイルアップとは、一度に多数の光子が検出素子に入射した場合、個々の光子により発生したパルスが重複し、複数の光子が一つの光子として計数されてしまう現象である。この場合、生成機能1072は、計数されたX線の光子の数にパルスパイルアップの影響を補正する係数を掛ける。
上述したプロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(Programmable Logic Device:PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)である。また、プログラマブル論理デバイス(Programmable Logic Device:PLD)は、例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)である。
上述した実施形態では、高電圧発生回路101、コリメータ調整回路102、架台駆動回路103、データ収集回路107、送信回路108、バッファ回路109、受信回路110、寝台駆動回路22及び処理回路36は、記憶回路35に保存されたプログラムを読み出して実行することにより、その機能を実現したが、これに限定されない。記憶回路35にプログラムを保存する代わりに、これらの回路それぞれにプログラムを直接組み込んでもよい。この場合、これらの回路は、直接組み込まれたプログラムを読み出して実行することにより、その機能を実現する。
図1に示した各回路は、適宜分散又は統合されてもよい。例えば、データ収集回路107は、光子計数機能1071、生成機能1072及び設定機能1073それぞれの機能を実行する光子計数回路、生成回路及び設定回路に分散されてもよい。また、例えば、処理回路36は、スキャン制御機能361、前処理機能362、画像生成機能363及び制御機能364それぞれの機能を実行するスキャン制御回路、前処理回路、画像生成回路及び制御回路に分散されてもよい。
また、高電圧発生回路101、コリメータ調整回路102、架台駆動回路103、データ収集回路107、送信回路108、バッファ回路109、受信回路110、寝台駆動回路22及び処理回路36は、任意に統合されてもよい。ただし、データ収集回路107及び送信回路108は、回転フレーム106に固定されている。また、受信回路110は、回転フレーム106に固定されていない。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、再構成画像を使用した診断を適切に行うことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
106 回転フレーム
1071 光子計数機能
1072 生成機能
108 送信回路

Claims (12)

  1. 被検体にX線を照射するX線管球と、入射した前記X線の光子を検出する複数の検出素子を有する検出器とを保持する回転フレームと、
    前記回転フレームに固定され、前記X線のエネルギー分布上に設定されたエネルギー帯、前記X線管球の位置及び前記検出素子ごとに前記X線の光子の数を計数した計数データを収集する光子計数部と、
    前記回転フレームに固定され、前記計数データに基づいて、前記計数データよりもデータ量が少ない概略計数データを生成する生成部と、
    前記回転フレームに固定され、前記概略計数データを前記計数データよりも先に送信する送信部と、
    を備える、光子計数型X線CT装置。
  2. 前記概略計数データにデータ量が少ない順に優先順位を設定する設定部を更に備え、
    前記送信部は、前記概略計数データを前記優先順位に従って送信する、請求項1に記載の光子計数型X線CT装置。
  3. 前記生成部は、前記計数データの一部を前記概略計数データとする、請求項1又は請求項2に記載の光子計数型X線CT装置。
  4. 前記生成部は、前記計数データのうち前記X線管球の位置及び前記検出素子の少なくとも一方が所定の位置にあるデータを前記概略計数データとする、請求項3に記載の光子計数型X線CT装置。
  5. 前記生成部は、前記計数データのうち関心領域に相当するデータを前記概略計数データとする、請求項3に記載の光子計数型X線CT装置。
  6. 前記生成部は、前記計数データのうち関心領域を含むスライス方向に相当する部分を前記概略計数データとする、請求項3に記載の光子計数型X線CT装置。
  7. 前記生成部は、前記計数データのうち注目物質のK吸収端より低いエネルギー帯及び高いエネルギー帯のデータを前記概略計数データとする、請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の光子計数型X線CT装置。
  8. 前記生成部は、データ圧縮を使用して前記概略計数データを生成する、請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の光子計数型X線CT装置。
  9. 前記生成部は、前記概略計数データとして、前記X線管球の位置及び前記検出素子が同一の前記計数データの光子の数を複数の前記エネルギー帯に亘って加算した加算計数データを生成する、請求項1又は請求項2に記載の光子計数型X線CT装置。
  10. 前記生成部は、複数の前記加算計数データを生成する、請求項9に記載の光子計数型X線CT装置。
  11. 前記生成部は、前記概略計数データとして、前記X線管球の位置及び前記検出素子が同一の前記計数データの光子の数を全ての前記エネルギー帯に亘って加算した加算計数データを生成する、請求項1又は請求項2に記載の光子計数型X線CT装置。
  12. 前記生成部は、前記概略計数データとして、前記X線管球の位置及び前記検出素子が同一の前記計数データの光子の数と当該光子の数が計数されたエネルギー帯のエネルギーとの積の全てのエネルギー帯に亘る総和を算出する、請求項1又は請求項2に記載の光子計数型X線CT装置。
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