以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る電極積層装置を適用して製造される蓄電装置の内部構成を示す断面図である。図2は、図1のII−II線断面図である。図3は、図2に示されたセパレータ付き正極及び負極の平面図である。各図において、蓄電装置1は、積層型の電極組立体を有するリチウムイオン二次電池である。
蓄電装置1は、例えば略直方体形状をなすケース2と、このケース2内に収容された電極組立体3とを備えている。ケース2は、例えばアルミニウム等の金属により形成されている。ケース2の内部には、図示はしないが、例えば非水系(有機溶媒系)の電解液が注液されている。ケース2上には、正極端子4及び負極端子5が互いに離間して配置されている。正極端子4は、絶縁リング6を介してケース2に固定され、負極端子5は、絶縁リング7を介してケース2に固定されている。また、図示はしないが、電極組立体3を包むことで、電極組立体3とケース2内側の側面及び底面との間には絶縁フィルムが配置されており、絶縁フィルムによってケース2と電極組立体3との間が絶縁されている。図1では便宜上、電極組立体3の下端とケース2の底面との間には僅かな隙間が設けられているが、実際には電極組立体3の下端が絶縁フィルムを介してケース2内側の底面に接触している。なお、電極組立体3とケース2との間にスペーサを配置することで、電極組立体3とケース2との間に隙間を形成してもよい。
電極組立体3は、シート状の複数の正極8と、シート状の複数の負極9とが袋状のセパレータ10を介して交互に積層された構造を有している。正極8は、袋状のセパレータ10に包まれている。袋状のセパレータ10に包まれた状態の正極8は、セパレータ付き正極11として構成されている。従って、電極組立体3は、その両端に負極9が配置され、その内側は、複数のセパレータ付き正極11と複数の負極9とが交互に積層された構造を有している。
セパレータ10は、図3(a)に示されるように、平面視矩形状を呈している。セパレータ10の横寸法(図示X方向の寸法)は、セパレータ10の縦寸法(図示Y方向の寸法)よりも大きい。正極8は、平面視矩形状の正極本体部8aと、この正極本体部8aと一体化された正極タブ8bとを有している。正極本体部8aの横寸法は、正極本体部8aの縦寸法よりも大きい。正極タブ8bは、正極本体部8aの横方向(長手方向)の一端部近傍の縁から突出した突出部を構成している。そして、正極タブ8bは、セパレータ10から露出している。正極タブ8bは、図1に示されるように、導電部材12を介して正極端子4に接続されている。
負極9は、図3(b)に示されるように、平面視矩形状の負極本体部9aと、この負極本体部9aと一体化された負極タブ9bとを有している。負極本体部9aの横寸法は、負極本体部9aの縦寸法よりも大きい。負極タブ9bは、負極本体部9aの横方向(長手方向)の一端部近傍の縁から突出した突出部を構成している。負極タブ9bは、図1に示されるように、導電部材13を介して負極端子5に接続されている。
正極8は、図2に示されるように、例えばアルミニウム箔からなる金属箔14と、この金属箔14の両面に形成された正極活物質層15とを有している。正極活物質層15は、金属箔14における正極本体部8aの正極タブ8b側の縁部及び正極タブ8bを除いた領域に形成されている。なお、図2では、便宜上正極タブ8bを省略している。正極活物質層15は、正極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。正極活物質としては、例えば複合酸化物、金属リチウムまたは硫黄等が挙げられる。複合酸化物には、例えばマンガン、ニッケル、コバルト及びアルミニウムの少なくとも1つと、リチウムとが含まれる。
負極9は、図2に示されるように、例えば銅箔からなる金属箔16と、この金属箔16の両面に形成された負極活物質層17とを有している。負極活物質層17は、金属箔16における負極本体部9aの負極タブ9b側の縁部及び負極タブ9bを除いた領域に形成されている。なお、図2では、便宜上負極タブ9bを省略している。負極活物質層17は、負極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。負極活物質としては、例えば黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、SiOx(0.5≦x≦1.5)等の酸化物またはホウ素添加炭素等が挙げられる。
セパレータ10の形成材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、或いはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布または不織布等が例示される。
以上のように構成された蓄電装置1を製造する際には、まずセパレータ付き正極11及び負極9を作製した後、セパレータ付き正極11と負極9とを交互に積層し、積層体を得る。その後、積層体を構成するセパレータ付き正極11及び負極9を、テープ等で固定することにより電極組立体3を得る。そして、正極8の正極タブ8bを導電部材12を介して正極端子4に接続すると共に、負極9の負極タブ9bを導電部材13を介して負極端子5に接続した後、電極組立体3をケース2内に収容する。なお、セパレータ付き正極11と負極9とを交互に積層して積層体を製造する方法の詳細については、後述する。
図4は、本実施形態に係る電極積層装置を示す平面模式図である。図5は、本実施形態に係る電極積層装置を示す側面模式図である。図4及び図5に示されるように、電極積層装置100は、主要な構成要素として、搬送機構20と、積層台30と、第1回転台40と、第2回転台60と、電極供給機構70と、第1検査装置81と、第2検査装置82とを備えている。以下では、図4及び図5において搬送機構20の搬送方向を方向αとする。また、水平面において方向αに直交する方向を方向βとし、方向α及び方向βに直交する方向を上下方向(垂直方向)である方向γとする。なお、方向α、方向β、及び方向γのそれぞれは、一方向に限定されない。例えば方向αは、搬送機構20の搬送方向において下流側の方向だけでなく上流側の方向も含む。
まず、搬送機構20の構成について説明する。搬送機構20は、搬送物である積層台30を所定の位置に搬送する機構である。搬送機構20は、空の積層台30を方向αの一方側に向かって搬送する第1搬送部21と、セパレータ付き正極11と負極9とが交互に積層された積層体Eが収容された積層台30を方向αの他方側に向かって搬送する第2搬送部22と、を有する。第1搬送部21及び第2搬送部22は、互いに方向αに沿って延在している。また、第1搬送部21と第2搬送部22とは平面視にて互いに重なっており、第1搬送部21は第2搬送部22よりも方向γにおいて下方に位置している。第1搬送部21と第2搬送部22との方向γにおける距離D1は、少なくとも積層台30を2つ重ねた高さよりも大きくなるように設定されている。
第1搬送部21は、方向αに沿って延在する搬送機23A〜23Cと、搬送機23Aに設けられるストッパ24Aと、搬送機23Bに設けられるストッパ24Bと、搬送機23Cに設けられるストッパ24Cとを備える。つまり、搬送機23A〜23Cは、直線状の搬送路を形成している。
搬送機23A〜23Cは、方向αに沿って互いに離間すると共に、第1搬送部21の搬送方向に沿って順番に設けられている。搬送機23Aは、第1搬送部21の搬送方向において最も上流側に位置している。搬送機23A〜23Cのそれぞれは、例えばプーリ及びモータによって回転駆動する一対のベルトコンベアである。この一対のベルトコンベアは、方向αに沿って延在すると共に方向βにおいて互いに離間している。搬送機23A〜23Cのそれぞれは、レール等によって構成されてもよい。搬送機23Aと搬送機23Bとの方向αに沿った離間距離は、第2回転台60の保持部64(詳細は後述する)の幅以上であって、搬送機23Aから搬送機23Bへ搬送される積層台30が、搬送機23Bに到達する前に落下しない距離であればよい。同様に、搬送機23Bと搬送機23Cとの方向αに沿った離間距離は、第1回転台40の保持部44(詳細は後述する)の幅以上であって、搬送機23Bから搬送機23Cへ搬送される積層台30が搬送機23Cに到達する前に落下しない距離であればよい。
ストッパ24A〜24Cは、第1搬送部21によって搬送される積層台30をせき止める。ストッパ24A〜24Cは、例えば方向γに伸縮自在なせき止め部と、当該せき止め部を収容可能な本体部とを有する。ストッパ24Aは、搬送機23Aにおいて、搬送方向における上流側に設けられており、搬送機23Bへ向かう積層台30の搬送を妨げる。ストッパ24Bは、搬送機23Bにおける搬送機23A側の端部に設けられており、搬送機23Aから搬送機23Bへの積層台30の搬送を妨げる。ストッパ24Cは、搬送機23Cにおける搬送機23B側の端部に設けられており、搬送機23Bから搬送機23Cへの積層台30の搬送を妨げる。
第2搬送部22は、方向αに沿って延在する搬送機25A〜25Cと、搬送機25Aに設けられるストッパ26Aと、搬送機25Bに設けられるストッパ26Bとを備える。
搬送機25A〜25Cは、方向αに沿って互いに離間すると共に、第2搬送部22の搬送方向に沿って順番に設けられている。搬送機25Cは、第1搬送部21の搬送方向において最も上流側に位置している。搬送機25A〜25Cのそれぞれは、例えばプーリ及びモータによって回転駆動する一対のベルトコンベアである。この一対のベルトコンベアは、方向αに沿って延在すると共に方向βにおいて互いに離間している。搬送機25A〜25Cのそれぞれは、レール等によって構成されてもよい。また、搬送機25Aは、搬送機23Aと略同一形状を有しており、平面視にて搬送機23Aを完全に隠すように搬送機23Aと重なっている。同様に、搬送機25Bは、搬送機23Bと略同一形状を有しており、平面視にて搬送機23Bを完全に隠すように搬送機23Bと重なっており、搬送機25Cは、搬送機23Cと略同一形状を有しており、平面視にて搬送機23Cを完全に隠すように搬送機23Cと重なっている。したがって、搬送機25Aと搬送機25Bとの方向αに沿った離間距離は、搬送機23Aと搬送機23Bとの方向αに沿った離間距離と略同一である。同様に、搬送機25Bと搬送機25Cとの方向αに沿った離間距離は、搬送機23Bと搬送機23Cとの方向αに沿った離間距離と略同一である。
ストッパ26A,26Bは、第2搬送部22によって搬送される積層台30をせき止める。ストッパ26A,26Bは、例えば方向γに伸縮自在なせき止め部と、当該せき止め部を収容可能な本体部とを有する。ストッパ26Aは、搬送機25Aにおける搬送機25B側の端部に設けられており、搬送機25Aへの積層台30の搬送を妨げる。ストッパ26Bは、搬送機25Bにおける搬送機23C側の端部に設けられており、搬送機25Bへの積層台30の搬送を妨げる。
次に、図6(a)〜(c)を用いながら、積層台30の構成を説明する。図6(a)は、積層台の斜視図であり、図6(b)は、積層台の平面図であり、図6(c)は、図6(b)のVIc−VIc線断面図である。
図6(a)〜6(c)に示される積層台30は、搬送機構20によって搬送されると共に、電極供給機構70から落下する電極(セパレータ付き正極11及び負極9)が積層されて積層体Eが製造される台であり、主面31を有する本体部32と、位置決め壁33と、第1側壁34と、第2側壁35と、底部36とを有している。以下では、積層台30の形状等を、搬送機構20上に積層台30が載置されている状態に基づいて説明する。
本体部32の主面31は、セパレータ付き正極11と負極9とが積層される面である。主面31は、方向αに沿って互いに略平行に延在する第1辺31a及び第2辺31bと、方向βに沿って互いに略平行に延在する第3辺31c及び第4辺31dとを有する。第1辺31aと第2辺31bとは互いに対向しており、第3辺31cと第4辺31dとは互いに対向している。第1辺31a(第2辺31b)と、第3辺31c(第4辺31d)とは、互いに略直交するように延在している。
本体部32の一部は、積層台30に積層体が製造された際に当該積層体の一部が主面31から露出するように、一対の第1切欠部37によって切り欠かれている。具体的には、主面31において第1辺31aと第3辺31cとの交点及びその周辺における本体部32は、一方の第1切欠部37によって切り欠かれており、主面31において第1辺31aと第4辺31dとの交点及びその周辺における本体部32は、他方の第1切欠部37によって切り欠かれている。このため、第1辺31aの長さは、第2辺31bの長さよりも短くなっている。なお、一対の第1切欠部37は、単なる名称であり、積層台30の一部を実際に切り欠くことによって設けられなくてもよい。例えば、積層台30を樹脂製とし、射出成型により当該積層台30を成形する場合、第1切欠部37が設けられるような型を用いて、第1切欠部37が積層台30に成型されてもよい。
また、本体部32の他の一部は、積層台30に積層体が製造された際に当該積層体の一部が主面31から露出するように、一対の第2切欠部38によって切り欠かれている。具体的には、第3辺31c側であって方向βにおいて一方の第1切欠部37よりも第2辺31b側の本体部32の一部は、一方の第2切欠部38によって切り欠かれており、第4辺31d側であって方向βにおいて他方の第1切欠部37よりも第2辺31b側の本体部32の一部は、他方の第2切欠部38によって切り欠かれている。このため、第3辺31c及び第4辺31dのそれぞれは2つに分断されており、平面視における主面31の形状は、一対の第1切欠部37及び一対の第2切欠部38によって、略矩形状の一部が切り欠かれている形状になっている。なお、一対の第2切欠部38は、第1切欠部37と同様に単なる名称であり、積層台30の一部を実際に切り欠くことによって設けられなくてもよい。
本体部32に第1切欠部37及び第2切欠部38が設けられることによって、積層台30に製造された積層体において主面31と接する部分の一部が、積層台30から露出する。この場合、例えば、積層体Eを積層台30に収めた状態で、第1切欠部37及び第2切欠部38にて積層体Eにテープを貼り付け、積層体Eを形成する電極を相互に固定することができる。その後、第1切欠部37及び第2切欠部38において、ロボットアームなどのピックアップ装置によって積層体Eにおける上記一部を狭持して持ち上げることにより、積層台30から積層体Eを容易に取り出すことができる。
位置決め壁33は、本体部32において、主面31の第1辺31aに沿って延在すると共に、方向γにおいて上方に向かって立設されている。位置決め壁33は、主面31に載置されたセパレータ付き正極11の正極タブ8bが設けられていない側の端部(下端部)に接触することにより、積層台30に落下したセパレータ付き正極11を停止させる。同様に、位置決め壁33は、主面31に載置された負極9の負極タブ9bが設けられていない側の端部(下端部)に接触することにより、積層台30に落下した負極9を停止させる。したがって、位置決め壁33は、主面31上に積層されるセパレータ付き正極11及び負極9の下端部の位置を決めて揃えるためのガイドとして機能する。
第1側壁34は、本体部32において、主面31の第3辺31cに沿って延在すると共に、方向γにおいて上方に向かって立設されている。第1側壁34は、一方の第2切欠部38よりも第1辺31a側の第3辺31cに沿って立設する第1部分34aと、一方の第2切欠部38よりも第2辺31b側の第3辺31cに沿って立設する第2部分34bとを有している。第2部分34bの第2辺31b側の端部の内側には、平面視にて第2辺31bから第1辺31a側に向かうにつれて第4辺31dに近づくように傾斜するテーパ部34cが設けられている。方向βに沿った位置決め壁33から第2部分34bまでの距離L1は、正極本体部8a及び負極本体部9aの縦方向(短手方向)の長さよりも短くなっている。
第2側壁35は、本体部32において、主面31の第4辺31dに沿って延在すると共に、方向γにおいて上方に向かって立設されている。第2側壁35は、他方の第2切欠部38よりも第1辺31a側の第4辺31dに沿って立設する第1部分35aと、他方の第2切欠部38よりも第2辺31b側の第4辺31dに沿って立設する第2部分35bとを有している。第2部分35bの第2辺31b側の端部の内側には、平面視にて第2辺31bから第1辺31a側に向かうにつれて第3辺31cに近づくように傾斜するテーパ部35cが設けられている。方向βに沿った位置決め壁33から第2部分35bまでの距離L2は、正極本体部8a及び負極本体部9aの縦方向(短手方向)の長さよりも短くなっている。第1側壁34と第2側壁35との方向α(もしくは第1辺31aの延在方向)に沿った間隔は、セパレータ付き正極11の長手方向における長さ以上になっている。
底部36は、方向γにおいて本体部32から下方に突出した部分である。底部36の方向αに沿った長さは、第1辺31aの長さと略同一であり、第2辺31bの長さよりも短くなっている。また、方向βにおける底部36は、位置決め壁33よりも第2辺31b側であって、第1側壁34のテーパ部34cよりも第1辺31a側に位置している。また、底部36には、後述する保持部44に設けられた突起44b,44c(図7(a)を参照)が嵌まり込む窪み39a,39bが設けられている。窪み39a,39bは、方向βに沿って互いに離間して設けられている。窪み39aは、方向βにおいて底部36の中心よりも第1辺31a側に設けられており、窪み39bは、方向βにおいて底部36の中心よりも第2辺31b側に設けられている。また、積層台30が搬送機構20に搬送される際、底部36は、搬送機23A〜23C、25A〜25Cをそれぞれ構成する一対のベルトコンベア間の空間内に収容される。これにより、搬送機構20によって搬送される積層台30の姿勢は、底部36によって一定に保たれる。
次に、図4及び図7を用いながら第1回転台40の構成について説明する。図7(a)〜(c)は、第1回転台を示す概略側面図である。図4及び図7(a)〜(c)に示されるように、第1回転台40は、搬送機構20に対して方向βにおいて一方側(図4においては紙面右側)に配置されており、本体部41と、平面視にて時計回り(第1の方向)に回転する回転板42(第1回転部)と、回転板42に取り付けられ、搬送機構20から積層台30を受領する受領部43A〜43D(第1受領部)とを有する。
本体部41は、床に設置される台座部41aと、回転板42を回転駆動させる駆動部41bとを有する。駆動部41bは、略円筒状を有しており、台座部41aの中心から方向γに沿って上方に突出する部分である。駆動部41bには、例えば回転板42に取り付けられると共に時計回りに回転する駆動軸(第1回転軸)と、当該駆動軸を駆動させるためのモータ等が収容されている。
回転板42は、平面視にて円形状を有する板状部材である。例えば、回転板42の中心に本体部41の駆動軸が固定されることによって、当該回転板42が平面視にて時計回りに回転する。回転板42は、駆動部41bの制御により間欠的に回転する。この回転板42の間欠的な回転は、電極供給機構70の駆動と同期してもよい。
受領部43A〜43Dのそれぞれは、第1搬送部21の搬送機23Bから積層台30を受領すると共に、積層台30を第2搬送部22の搬送機25B,25Cに載置する。受領部43A〜43Dは、回転板42上において、当該回転板42の周方向に沿って一定の間隔をあけて設けられている。本実施形態では、回転板42上の受領部43B〜43Dは、受領部43Aを基準とし、時計回りに沿って90°毎に順番に設けられている。受領部43A〜43Dは、駆動軸及び回転板42の回転に連動して時計回りに回転する。このとき、受領部43A〜43Dは、本体部41の駆動軸を軸として回転する。図4及び図5では、受領部43Dは、平面視にて第1搬送部21及び第2搬送部22と直交するように、搬送機25B,25Cの間に位置している。受領部43A〜43Dのそれぞれは、搬送機構20から受領した積層台30を保持(支持)する保持部44(第1保持部)と、保持部44を上下方向に昇降自在な昇降機構45(第1昇降機構)とを有する。
保持部44は、昇降機構45を介して回転板42に取り付けられており、当該回転板42の回転及び昇降機構45による制御によって、第1搬送部21における搬送機23B,23Cの間、及び第2搬送部22における搬送機25B,25Cの間に配置可能となっている板状部材である。保持部44は、板状の本体部44aと、上述したように積層台30の窪み39a,39bに嵌まり込むための突起44b,44cとを有する。突起44b,44cは、本体部44aの上側の表面であって、本体部44aにおける回転板42の径方向外側に設けられている。突起44b,44cは、本体部44aの中心に対して対称に設けられている。突起44cは、突起44bよりも本体部44aにおける回転板42の径方向外側に設けられている。
昇降機構45は、方向γにおける保持部44の位置を変更すると共に保持部44の傾斜角度を調整する。昇降機構45は、保持部44の位置を搬送機構20の第2搬送部22よりも上方に変更してもよく、保持部44の位置を第1搬送部21の下方に変更してもよい。昇降機構45は、回転板42の径方向において互いに離間する第1昇降部46及び第2昇降部47を有する。第1昇降部46は、第2昇降部47よりも回転板42の径方向中心側に位置している。
第1昇降部46と第2昇降部47とは、互いに離間すると共に互いに独立に制御される。このため、第1昇降部46の昇降度合と、第2昇降部47の昇降度合とは、互いに異なってもよい。例えば、受領部43Aにおいて第1昇降部46の昇降度合が第2昇降部47の昇降度合よりも小さい場合、図7(b)に示されるように、保持部44における回転板42の径方向外側の端部は、保持部44における径方向中心側の端部よりも上方に位置するように、保持部44が傾斜した状態になる。また、受領部43Aにおいて第1昇降部46の昇降度合が第2昇降部47の昇降度合よりも大きい場合、図7(c)に示されるように、保持部44における回転板42の径方向外側の端部は、保持部44における径方向中心側の端部よりも下方に位置するように、保持部44が傾斜した状態になる。なお、本実施形態の第1回転台40においては、図7(c)の状態は用いない。
第1昇降部46は、方向γに沿って伸縮可能なシリンダ部48と、シリンダ部48の先端に取り付けられて保持部44に固定される先端部49とを有する。シリンダ部48は、方向γに沿って駆動する駆動軸48aと、駆動軸48aを収容する中空の筒状部48bとを有する。先端部49は、駆動軸48aの先端に設けられており、駆動軸48aによる方向γに沿った力を保持部44に伝達する。先端部49は、本体部44aの底面にて回動自在に固定されている。先端部49は、例えばナックルジョイントである。この場合、保持部44の底面には上記リンク回転部分を固定する固定部が設けられる。先端部49が保持部44に固定されることにより、保持部44が昇降機構45から脱落することを防止できる。
第2昇降部47は、方向γに沿って伸縮可能なシリンダ部50と、シリンダ部50の先端に取り付けられて保持部44の本体部44aに当接する先端部51とを有する。シリンダ部50は、方向γに沿って駆動する駆動軸50aと、駆動軸50aを収容する中空の筒状部50bとを有する。
先端部51は、駆動軸50aの先端に設けられており、駆動軸50aによる方向γに沿った力を保持部44に伝達する。先端部51として、駆動軸50aの先端に回転自在に取り付けられた回転部材が用いられる。回転部材としては、例えば第1昇降部46と第2昇降部47とが互いに離間する方向に対して直交する水平方向から見て環形状を有するカムフォロア又はベアリング等が挙げられ、少なくとも上記水平方向を軸として時計回り及び反時計回りに回転自在であればよい。先端部51が上記回転部材であることにより、先端部51は、本体部44aとの摩擦による摩耗を低減できる。
次に、第2回転台60について説明する。図4に示される第2回転台60は、搬送機構20に対して、方向βにおいて第1回転台40が設けられている側と反対側(図4においては紙面左側)に配置されている。つまり、第1回転台40と第2回転台60とは、方向βにおいて搬送機構20に対して互いに反対側に設けられている。第2回転台60は、回転板62の回転方向が反時計回り(第2の方向)であること以外は、第1回転台40と同一機能及び同一形状を有する。したがって、第2回転台60は、図示しない本体部と、平面視にて反時計回りに回転する回転板62(第2回転部)と、回転板62に取り付けられ、搬送機構20から積層台30を受領する受領部63A〜63D(第2受領部)とを有する。受領部63A〜63Dは、回転板62上において、当該回転板62の周方向に沿って一定の間隔をあけて設けられている。本実施形態では、回転板62上の受領部63B〜63Dは、受領部63Aを基準とし、反時計回りに沿って90°毎に順番に設けられている。受領部63A〜63Dは、回転板62の回転に伴って反時計回りに回転する。このとき、受領部63A〜63Dは、本体部61の駆動軸(第2回転軸)を軸とし、当該駆動軸に連動して回転する。図4及び図5では、受領部63Dは、平面視にて第1搬送部21及び第2搬送部22と直交するように、搬送機25A,25Bの間の空間に位置している。
受領部63A〜63Dのそれぞれは、第1搬送部21の搬送機23Aから積層台30を受領し、第2搬送部22における搬送機23A,23Bに積層台30を載置する。このため、第2回転台60は、第1回転台40よりも方向αにおいて搬送機23A側に位置している。また、第2回転台60と第1回転台40とは、方向βにおいて搬送機構20を挟んで互いに反対側に配置されている。これにより、第1回転台40及び第2回転台60の一方に受領される積層台30が、第1回転台40及び第2回転台60の他方に受領される積層台30に接触することを防止できる。
図5に示されるように、受領部63A〜63Dのそれぞれは、第1回転台40の受領部43A〜43Dと同様に、積層台30を保持(支持)する板状の保持部64(第2保持部)と、方向γにおける保持部64の位置を変更すると共に保持部64の傾斜角度を調整する昇降機構65(第2昇降機構)とを有する。保持部64は、第1回転台40の保持部44と同様に、本体部64a及び突起64b,64cを有する。昇降機構65は、第1回転台40の昇降機構45と同様に、互いに離間すると共に互いに独立に制御される第1昇降部66及び第2昇降部67を有する。第1昇降部66は、第1回転台40の第1昇降部46と同様に、方向γに沿って伸縮可能なシリンダ部と、当該シリンダ部の先端に取り付けられると共に保持部64に固定される先端部とを有する。第2昇降部67は、第1回転台40の第2昇降部47と同様に、方向γに沿って伸縮可能なシリンダ部と、当該シリンダ部の先端に取り付けられると共に保持部64に当接する先端部とを有する。なお、本実施形態の第2回転台60においては、図7(b)の状態は用いない。
次に、図4及び図8を用いながら電極供給機構70の概略構成について説明する。図8は、電極供給機構において形成された電極の積層台への供給を説明するための拡大模式図である。図4及び図8に示される電極供給機構70は、電極であるセパレータ付き正極11と負極9とを、第1回転台40又は第2回転台60に保持されている積層台30に落下させて供給する装置である。電極供給機構70は、正極8を供給する第1電極供給部71と、負極9を供給する第2電極供給部72とを備えている。第1電極供給部71と第2電極供給部72とは、方向βにおいて少なくとも搬送機構20を挟んで対向して配置されていると共に、方向γにおいて第1回転台40及び第2回転台60よりも上方に位置している。
第1電極供給部71について、製造ラインの前工程にあたる正極製造ラインでは、帯状電極73を加工して個片状の正極8を形成した後、当該正極8をセパレータ10で包むことによってセパレータ付き正極11が形成される。第1電極供給部71は平行に延びる一対のコンベア71a,71bである。コンベア71a,71bは、前工程で形成された一対のセパレータ付き正極11を方向βに沿ってそれぞれ搬送し、対応する供給位置に配置される積層台30に落下させて供給する。第1電極供給部71であるコンベア71a,71bのそれぞれは、図示しないが、例えばローラコンベアである。コンベア71a,71bのそれぞれは、方向βに沿ってセパレータ付き正極11を積層台30に供給する直前に、方向αにおけるセパレータ付き正極11の位置を合わせるガイド部材を備えていてもよい。また、コンベア71a,71bとして、ベルトコンベアなど他の搬送装置が用いられてもよい。コンベア71aは第1回転台40に向かって延在し、コンベア71bは第2回転台60に向かって延在している。
第2電極供給部72について、製造ラインの前工程にあたる負極製造ラインでは、帯状電極74を加工して個片状の負極9が形成される。第2電極供給部72は平行に延びる一対のコンベア72a,72bである。コンベア72a,72bは、前工程で形成された一対の負極9を方向βに沿ってそれぞれ搬送し、対応する供給位置に配置される積層台30に落下させて供給する。コンベア72a,72bのそれぞれは、コンベア71a,71bと同様に、例えばローラコンベアであり、ベルトコンベアなど他の搬送装置でもよい。コンベア72aは第1回転台40に向かって延在し、コンベア72bは第2回転台60に向かって延在している。
帯状電極73は、その両面に正極活物質が形成された帯状(長方形状)の金属箔(例えばアルミニウム箔)から構成されている。帯状電極73の長手方向は、第1電極供給部71が正極8(セパレータ付き正極11)を供給する方向と一致している。また、帯状電極73の短手方向は、上記長手方向と直交している。なお、帯状電極73における短手方向の両端部には正極活物質が設けられていない。
帯状電極74は、帯状電極73と同様に、その両面に負極活物質が形成された帯状(長方形状)の金属箔(例えば銅箔)から構成されている。帯状電極74の長手方向は、第2電極供給部72が負極9を供給する方向と一致している。また、帯状電極74の短手方向は、上記長手方向と直交している。なお、帯状電極74における短手方向の両端部には負極活物質が設けられていない。帯状電極74の長手方向は、帯状電極73の長手方向と一致してもよい。
次に、電極供給機構70に供給される電極の形成方法の一例、及び電極供給機構70による電極の供給方法の一例を説明する。まず、帯状電極73からセパレータ付き正極11を形成し、第1回転台40の受領部43A〜43Dによって保持される積層台30と、第2回転台60の受領部63A〜63Dによって保持される積層台30とのそれぞれにセパレータ付き正極11を供給する方法について説明する。
まず、第1電極供給部71の前工程における正極の打ち抜きは、帯状電極73を、例えばプレスカットにより所定の形状に打ち抜くことで正極8を形成する。図8に示されるように、帯状電極73に対していわゆる二条取りを行い、一対の正極8を形成する。本実施形態における二条取りとは、長手方向における所定範囲内にて画定される帯状電極73から、短手方向に並んで一対の正極8を形成することである。上述したように、正極活物質は、帯状電極73の短手方向の両端部以外の領域に設けられている。したがって、正極打ち抜きによって、正極タブ8b同士が互いに短手方向において反対方向に向かって突出する一対の正極8を形成する。
帯状電極73から二条取りによって形成された一対の正極8は、セパレータ包装機によってそれぞれセパレータ付き正極11に加工された後、コンベア71a,71bに、それらの向きが変更されることなく載置される。すなわち、一方のセパレータ付き正極11は、第1回転台40に向かって延在するコンベア71aによって、その向きが変更されることなく搬送され、他方のセパレータ付き正極11は、第2回転台60に向かって延在するコンベア71bによって、その向きが変更されることなく搬送される。そして、一方のセパレータ付き正極11は、第1回転台40の受領部43A〜43Dによって保持される積層台30に落下して供給される。具体的には、図8に示されるように、第1搬送部21の搬送方向において下流に向かって正極タブ8bが突出するセパレータ付き正極11は、第1回転台40の受領部43Aに保持される積層台30に落下して供給される。また、他方のセパレータ付き正極11は、第2回転台60の受領部63A〜63Dによって保持される積層台30に落下して供給される。具体的には、図8に示されるように、第1搬送部21の搬送方向において上流に向かって正極タブ8bが突出するセパレータ付き正極11は、第2回転台60の受領部63Aに保持される積層台30に落下して供給される。
次に、帯状電極74から負極9を形成し、第1回転台40の受領部43A〜43Dによって保持される積層台30と、第2回転台60の受領部63A〜63Dによって保持される積層台30とのそれぞれに負極9を供給する方法について説明する。
まず、第2電極供給部72の前工程における負極打ち抜きは、帯状電極74を、例えばプレスカットにより所定の形状に打ち抜くことで負極9を形成する。図8に示されるように、一対の正極8と同様の態様にて、帯状電極74に対して二条取りを行い、一対の負極9を形成する。負極打ち抜きによって、正極打ち抜きと同様に、負極タブ9b同士が互いに短手方向において反対方向に向かって突出する一対の負極9を形成する。
一対の負極9は、対応するコンベア72a,72bにて、それらの向きが変更されることなく搬送される。すなわち、一方の負極9は、第1回転台40に向かって延在するコンベア72aによって、その向きが変更されることなく載置される。他方の負極9は、第2回転台60に向かって延在するコンベア72b上に、その向きが変更されることなく載置される。そして、一方の負極9は、第1回転台40の受領部43A〜43Dによって保持される積層台30に落下して供給される。具体的には、図8に示されるように、第1搬送部21の搬送方向において下流に向かって負極タブ9bが突出する負極9は、第1回転台40の受領部43Aに保持される積層台30に落下して供給される。また、他方の負極9は、第2回転台60の受領部63A〜63Dによって保持される積層台30に落下して供給される。具体的には、図8に示されるように、第1搬送部21の搬送方向において上流に向かって負極タブ9bが突出する負極9は、第2回転台60の受領部63Aに保持される積層台30に落下して供給される。
第1回転台40の受領部43A〜43Dによって保持される積層台30には、一方のセパレータ付き正極11と一方の負極9とが交互に供給される。これにより、当該積層台30には、一方のセパレータ付き正極11と一方の負極9とが交互に積層された積層体E(図4を参照)が形成される。同様に、第2回転台60の受領部63A〜63Dによって保持される積層台30には、他方のセパレータ付き正極11と他方の負極9とが交互に供給される。これにより、当該積層台30には、他方のセパレータ付き正極11と他方の負極9とが交互に積層された積層体E(図4を参照)が形成される。
次に、図4及び図8を用いながら第1検査装置81及び第2検査装置82について説明する。図4及び図8に示されるように、第1検査装置81は、第1回転台40の受領部43A〜43Dによって保持されている積層台30内の積層体Eの積層状態を検査する装置である。また、第2検査装置82は、第2回転台60の受領部63A〜63Dによって保持されている積層台30内の積層体Eの積層状態を検査する装置である。第1検査装置81及び第2検査装置82は、積層台30の第1切欠部37(図6(b)を参照)から露出する積層体Eの下端及び側面を撮影して画像処理を行うことにより、積層体Eの電極にズレ等が発生していないことを検査する。第1検査装置81及び第2検査装置82は、他の方法として、X線検査装置を用いて積層体Eの電極にズレがないこと、及び積層体Eに大きな金属異物等の混入等がないことを検査してもよい。
第1検査装置81は方向βにおいて搬送機構20よりも第1回転台40側に位置する。具体的には、第1検査装置81は、方向βにおいて当該第1検査装置81と搬送機構20とによって第1回転台40を挟むように配置されており、図8の場合、受領部43Bに対向するように配置されている。一方、第2検査装置82は方向βにおいて搬送機構20よりも第2回転台60側に位置する。具体的には、第2検査装置82は、方向βにおいて当該第2検査装置82と搬送機構20とによって第2回転台60を挟むように配置されており、図8の場合、受領部63Bに対向するように配置されている。
次に、図9,10を用いながら本実施形態に係る電極積層装置100の動作の説明をする。図9は、搬送機構と第1回転台との動作を説明するフローチャートである。図10は、搬送機構と第2回転台との動作を説明するフローチャートである。
まず、図9を用いて第1回転台40が後述する第1積層台を搬送機構20から受領し、積層体Eが形成された第1積層台が搬送機構20を用いて搬出されるまでの電極積層装置100の動作を説明する。以下では、積層体Eが収容されている積層台30が第1回転台40における受領部43Aに保持されており、当該受領部43Aが保持している積層台30を搬送機構20に搬出しようとする時点から、電極積層装置100の動作を順番に説明する。
最初に、第1回転台40の回転板42を回転させる(ステップS1)。ステップS1では、駆動部41bが回転板42を時計回りに90°回転させる。これにより、受領部43A〜43Dの一つ(以下では、受領部43Aとする)が搬送機構20に重なるように配置される。具体的には、積層体Eが収容された積層台30を受領している受領部43Aは、方向αにおける搬送機25B,25Cの間の空間(搬送機23B,23Cの間の空間)に重なるように配置される。また、受領部43Aの保持部44が搬送機構20に接触しないように、当該保持部44の方向γに沿った位置は、第2搬送部22よりも上方に位置している。
次に、受領部43Aの保持部44を昇降機構45によって下降させる(ステップS2)。ステップS2では、昇降機構45は、保持部44によって保持されている積層台30を搬送機25B,25C上に載置するまで、保持部44を下降させる。ここで、保持部44に設けられた突起44b,44cが積層台30の窪み39a,39bにそれぞれ嵌り込んで係合していると共に、図4に示されるストッパ26Bのせき止め部が積層台30に当接しているので、搬送機25B,25Cによる積層台30の搬送は妨げられている。
次に、受領部43Aの保持部44を昇降機構45によってさらに下降させ、積層台30を第2搬送部22によって搬送する(ステップS3)。ステップS3では、昇降機構45は、第1搬送部21の下方まで保持部44を下降させる。これにより、突起44b,44cの窪み39a,39bのそれぞれの嵌り込みが解除される。また、図4に示されるストッパ26Bによる積層台30のせき止めを解除すると、第2搬送部22は積層台30を方向αに沿って搬送する。
次に、第1搬送部21によって空の積層台30(以下では、第1積層台とする)を搬送する(ステップS4)。ステップS4において、第1搬送部21における搬送機23Aから搬送機23Cに向かう第1積層台は、図4に示されるストッパ24Cによってせき止められ、その搬送が中断される。これによって、窪み39a,39bを含む第1積層台の一部は、方向αにおける搬送機23B,23Cの間の空間に重なる。ここで、上記第1積層台の次に第1搬送部21によって搬送される空の積層台30(以下では、第2積層台とする)は、図4に示されるストッパ24Aによってせき止められ、その搬送が中断されている。なお、第1搬送部21によって搬送される全ての積層台30の第2側壁35は、第1搬送部21の搬送方向において下流側に位置している。すなわち、第1搬送部21によって搬送される全ての積層台30は、主面31に対して位置決め壁33、第1側壁34、及び第2側壁35の位置する方向が同一になるように、搬送機構20に配置されて搬送される。換言すれば、第1搬送部21によって搬送される積層台30は、全て同じ向きにて搬送される。
次に、受領部43Aの保持部44を昇降機構45によって上昇させる(ステップS5)。ステップS5では、昇降機構45は、方向γにおいて第1搬送部21と第2搬送部22との間まで保持部44を上昇させる。この昇降機構45による保持部44の移動によって、まず、保持部44が第1積層台に当接すると共に突起44b,44cが窪み39a,39bにそれぞれ嵌り込んで係合する。そして、保持部44が第1積層台を持ち上げて当該第1積層台を第1搬送部21よりも上方に上昇させることにより、受領部43Aが第1積層台を受領する。上述したように、保持部44の突起44b,44cが第1積層台の窪み39a,39bにそれぞれ嵌り込んでいるため、第1積層台は保持部44により安定して保持されている。なお、保持部44により保持されている第1積層台が第2搬送部22に当接しないように、昇降機構45は保持部44を上昇させる。
次に、第1回転台40の回転板42を回転させる(ステップS6)。ステップS6では、ステップS1と同様に、駆動部41bが回転板42を時計回りに90°回転させる。これにより、受領部43A及び第1積層台は、第1搬送部21及び第2搬送部22に接触することなく、搬送機構20と重ならない位置に配置される。なお、第1積層台の第1辺31aは、第2辺31bよりも回転板42の径方向中心側に位置する。
次に、受領部43Aの保持部44及び当該保持部44に保持されている第1積層台を、昇降機構45により傾斜させる(ステップS7)。ステップS7では、例えば図7(b)に示されるように、第2昇降部47の先端部51を第1昇降部46の先端部49よりも上方に位置させるように、駆動軸48a,50aを駆動させる。これにより、保持部44の回転板42における径方向中心側の端部が径方向外側の端部よりも下方に位置するように、当該保持部44が傾斜した状態になる。そして、保持部44の傾斜に伴って、第1積層台の第1辺31aが第2辺31bよりも下方に位置するように、第1積層台も傾斜する。このとき、第1積層台の窪み39a,39bは保持部44の突起44b,44cにそれぞれ嵌り込んでいるため、当該第1積層台は、保持部44を滑ることなく傾斜する。なお、ステップS7にて、昇降機構45は後の工程(ステップ)のために保持部44を上昇してもよい。
次に、傾斜した第1積層台に積層体Eを形成する(ステップS8)。ステップS8では、傾斜している第1積層台に電極供給機構70からセパレータ付き正極11及び負極9を交互に供給することによって、積層体Eを形成する。第1積層台に対するセパレータ付き正極11及び負極9の供給方法は上述した方法である。なお、前述の通り第1積層台において、第1側壁34と第2側壁35との第1辺31aの延在方向に沿った間隔は、セパレータ付き正極11の長手方向における長さ以上になっており、第2部分34bにはテーパ部34cが設けられ、且つ、第2部分35bにはテーパ部35cが設けられている。このため、第1積層台に落下するセパレータ付き正極11及び負極9のそれぞれは、まずテーパ部34c,35cの幅広の部分に受け入れられる。そして、セパレータ付き正極11及び負極9のそれぞれは、第1辺31a側に向かって主面31を滑走するときにテーパ部34c,35cによって案内される。これにより、セパレータ付き正極11及び負極9の長手方向における位置を揃えることが可能となる。また、位置決め壁33によって、セパレータ付き正極11及び負極9の短手方向における位置を揃えることが可能となる。
ステップS8においては、昇降機構45は、第1積層台に積層されているセパレータ付き正極11及び負極9の合計枚数に応じて、第1積層台の方向γにおける位置を調整する。具体的には、昇降機構45は、第1積層台に積層されているセパレータ付き正極11及び負極9の合計枚数の増加に伴って第1積層台を降下させるように、駆動軸48a及び駆動軸50aを収縮させる。この駆動軸48a及び駆動軸50aの収縮度は、第1積層台の傾斜角度が変化しないように、互いに同一に設定される。なお、第1積層体の製造中において、昇降機構45による駆動軸48a及び駆動軸50aを収縮するタイミング等は任意に定めることができる。例えば、昇降機構45は、セパレータ付き正極11及び負極9の合計枚数が1枚増える毎に駆動軸48a及び駆動軸50aを収縮させてもよいし、上記合計枚数が所定の倍数になる毎(例えば3〜5枚毎)に駆動軸48a及び駆動軸50aを収縮させてもよい。また、昇降機構45は、段階的に駆動軸48a及び駆動軸50aを収縮させてもよいし、所定速度で連続的に駆動軸48a及び駆動軸50aを収縮させてもよい。
次に、第1回転台40の回転板42を回転させる(ステップS9)。ステップS9では、ステップS1,S6と同様に、駆動部41bが回転板42を時計回りに90°回転させる。これにより、積層体Eを収容する第1積層台を保持する受領部43Aは、ステップS1にて配置された位置と180°異なる位置に配置される。
次に、第1検査装置81によって第1積層台に収容されている積層体Eを検査する(ステップS10)。ステップS10では、上述した方法によって積層体Eを検査する。
次に、第1回転台40の回転板42を回転させる(ステップS11)。ステップS11では、ステップS1,S6,S9と同様に、駆動部41bが回転板42を時計回りに90°回転させる。これにより、検査された積層体Eを収容する第1積層台を保持する受領部43Aは、ステップS6にて配置された位置と180°異なる位置に配置される。
次に、受領部43Aの保持部44を昇降機構45によって上昇させる(ステップS12)。ステップS12では、受領部43Aの保持部44は、昇降機構45によって傾斜状態が解除されると共に、第2搬送部22よりも上方に位置するように上昇する。なお、ステップS10で行われた検査は、ステップS12において第1積層台に収容されている積層体Eに対して行われてもよい。
次に、ステップS1に戻って第1回転台40の回転板42を回転させる。これにより、検査された積層体Eを収容する第1積層台を保持する受領部43Aは、ステップS1にて配置された位置に戻る。したがって、上述したステップS1〜S12を繰り返すことによって、受領部43Aにより受領された第1積層台に積層体Eを収容し、当該積層体Eの積層状態を検査した後に、検査された積層体Eを収容する第1積層台を第2搬送部22に載置させて搬送できる。なお、第1積層台は、受領部43Aによって第1搬送部21から受領され、受領部43Aの動作に伴って平面視にて360°回転した後、第2搬送部22に載置される。したがって、第1搬送部21によって搬送される第1積層台における主面31に対して位置決め壁33、第1側壁34、及び第2側壁35の位置する方向と、第2搬送部22によって搬送される第1積層台における主面31に対して位置決め壁33、第1側壁34、及び第2側壁35の位置する方向とは、互いに同一になっている。例えば、第2搬送部22によって搬送される第1積層台の全ての第2側壁35は、第1搬送部21の搬送方向において下流側(第2搬送部22の搬送方向において上流側)に位置している。
第1回転台40の受領部43B〜43Dは、受領部43Aと同様に、第1搬送部21から空の第1積層台を受領し、積層体Eが収容された第1積層台を第2搬送部22に載置する。具体的には、回転板42の回転方向において受領部43Aに隣り合って設けられる受領部43Dは、ステップS7,S8の間にステップS2〜S5と同様の工程を経て別の空の積層台を受領する。また、受領部43Dによって受領された積層台には、ステップS10の間にステップS7,S8と同様の工程を経て別の積層体が形成され、ステップS12の間にステップS10と同様の工程を経て積層体が検査される。同様に、回転板42の回転方向において受領部43Dに対して受領部43Aと反対側に隣り合って設けられる受領部43Cは、ステップS10の間にステップS2〜S5と同様の工程を経て別の空の積層台を受領し、受領部43Cによって受領された積層台にはステップS12の間にステップS7,S8と同様の工程を経て別の積層体が形成され、ステップS2〜S5の間にステップS10と同様の工程を経て積層体が検査される。また、回転板42の回転方向において受領部43Cに対して受領部43Dと反対側に隣り合って設けられる受領部43Bは、ステップS12の間にステップS2〜S5と同様の工程を経て別の空の積層台を受領し、受領部43Cによって受領された積層台にはステップS2〜S5の間にステップS7,S8と同様の工程を経て別の積層体が形成され、ステップS7,S8の間にステップS10と同様の工程を経て積層体が検査される。
なお、ステップS1と、ステップS6と、ステップS9と、ステップS11との所要時間は同一に設定されている。同様に、ステップS2〜S5と、ステップS7,S8と、ステップS10と、ステップS12との所要時間は同一に設定されている。ステップS2〜S5と、ステップS7,S8と、ステップS10と、ステップS12との所要時間は、最も時間が必要なステップに併せて設定されている。例えば、ステップS7,S8の所要時間が最も長い約30秒であり、ステップS12の所要時間が最も短い約10秒である場合、ステップS12においては、受領部43Aに保持されている保持部44の傾斜状態が解除されて第2搬送部22よりも上方に位置するように上昇した後、当該受領部43Aは、受領部43Cに保持されている第1積層台に積層体Eが形成されるまで待機している。
次に、図10を用いて第2回転台60が第2積層台を搬送機構20から受領し、積層体Eが形成された第2積層台が搬送機構20を用いて搬出されるまでの電極積層装置100の動作を説明する。以下では、第2回転台60の動作において第1回転台40と同様の動作については省略し、異なる部分を特に説明する。以下では、積層体Eが収容されている積層台30が第2回転台60における受領部63Aに保持されており、当該受領部63Aが保持している積層台30を搬送機構20に搬出しようとする時点から、電極積層装置100の動作を順番に説明する。
最初に、第2回転台60の回転板62を回転させる(ステップS21)。ステップS21では、駆動部61bが回転板62を反時計回りに90°回転させる。これにより、受領部63A〜63Dの一つ(以下では、受領部63Aとする)が搬送機構20に重なるように配置される。より具体的には、積層体Eが収容された積層台30を受領している受領部63Aは、方向αにおける搬送機25A,25Bの間の空間(搬送機23A,23Bの間の空間)に重なるように配置される。また、受領部63Aの保持部64は、ステップS1における保持部44と同様に、第2搬送部22よりも上方に位置している。
次に、受領部63Aの保持部64を昇降機構65によって下降させて(ステップS22)、保持部64によって保持されている積層台30を搬送機25A,25B上に載置するまで、保持部64を下降させる。このとき、積層台30は、保持部64に設けられた突起64b,64cが窪み39a,39bにそれぞれ嵌り込んで係合していると共に、図4に示されるストッパ26Aのせき止め部が積層台30に当接しているので、搬送機25A,25Bによる積層台30の搬送は妨げられている。また、受領部63Aの保持部64を昇降機構65によってさらに下降させ、積層台30を第2搬送部22によって搬送する(ステップS23)。
次に、第1搬送部21によって空の積層台30を搬送する(ステップS24)。ステップS24では、図4に示されるストッパ24Aによる第2積層台のせき止めを解除し、当該第2積層台を搬送機23Bに向かって搬送する。そして、第2積層台を図4に示されるストッパ24Bによってせき止めることにより、窪み39a,39bを含む第2積層台の一部を、方向αにおける搬送機23A,23Bの間の空間に重ならせる。
次に、保持部64を昇降機構65によって上昇させる(ステップS25)。ステップS25では、受領部63Aが第2積層台を受領する。保持部64は、保持部44の突起44b,44cと同様の突起64b,64cを有するので、第2積層台は保持部64により安定して保持されている。
次に、第2回転台60の回転板62を回転させる(ステップS26)。ステップS26では、ステップS21と同様に、駆動部61bが回転板62を反時計回りに90°回転させる。これにより、受領部63A及び第2積層台は、第1搬送部21及び第2搬送部22に接触することなく、搬送機構20と重ならない位置に配置される。上述したように、第1回転台40と第2回転台60とは、方向βにおいて搬送機構20に対して互いに反対側に設けられている。このため、第2回転台60の回転板62が第1回転台40の回転板42と異なり反時計回りに回転すると、第2積層台の第1辺31aは、第2辺31bよりも回転板62の径方向外側に位置する。すなわち、ステップS6にて90°だけ回転した受領部43Aに保持される第1積層台における主面31に対対して位置決め壁33、第1側壁34、及び第2側壁35の位置する方向と、ステップS26にて90°だけ回転した受領部63Aに保持される第2積層台における主面31に対対して位置決め壁33、第1側壁34、及び第2側壁35の位置する方向とは、互いに反対になる。このため、保持部64に保持される第2積層台の第1辺31aは、第2辺31bよりも回転板42の径方向外側に位置する。換言すると、ステップS26における第2積層台は、ステップS6〜8における第1積層台と逆向きになっている。
次に、受領部63Aの保持部64及び当該保持部64に保持されている第2積層台を、昇降機構65により傾斜させる(ステップS27)。ステップS27では、例えば図7(c)に示されるように、保持部64の回転板62における径方向外側の端部が径方向中心側の端部よりも下方に位置するように、保持部64が傾斜した状態になる。すなわち、受領部63Aの保持部64は、ステップS7における第1回転台40の保持部44と反対側に傾斜する。このように保持部64を傾斜させることにより、第2積層台の第1辺31aが第2辺31bよりも下方に位置するように、第2積層台が傾斜する。
次に、傾斜した第2積層台に積層体Eを形成する(ステップS28)。ステップS28においては、第1回転台40の受領部43Aと同様に、昇降機構65が第2積層台に積層されているセパレータ付き正極11及び負極9の合計枚数に応じて、第2積層台の方向γにおける位置を調整する。昇降機構65による調整方法は、上述の昇降機構45による調整方法と同様である。
次に、第2回転台60の回転板62を回転させる(ステップS29)。ステップS29では、ステップS21,S26と同様に、駆動部61bが回転板62を反時計回りに90°回転させる。これにより、積層体Eを収容する第2積層台を保持する受領部63Aは、ステップS21にて配置された位置と180°異なる位置に配置される。
次に、第2検査装置82によって第2積層台に収容されている積層体Eを検査する(ステップS30)。ステップS30では、上述した方法によって積層体Eを検査する。
次に、第2回転台60の回転板62を回転させる(ステップS31)。ステップS31では、ステップS21,S26,S29と同様に、駆動部61bが回転板62を反時計回りに90°回転させる。これにより、検査された積層体Eを収容する第2積層台を保持する受領部63Aは、ステップS26にて配置された位置と180°異なる位置に配置される。
次に、受領部63Aの保持部64を昇降機構によって上昇させる(ステップS32)。ステップS32では、上記ステップS12と同様に、受領部63Aの保持部64は、昇降機構65によって傾斜状態が解除されると共に、第2搬送部22よりも上方に位置するように上昇する。
次に、ステップS21に戻って第2回転台60の回転板62を回転させる。これにより、検査された積層体Eを収容する第2積層台を保持する受領部63Aは、ステップS21にて配置された位置に戻る。したがって、上述したステップS21〜S32を繰り返すことによって、受領部63Aにより受領された第2積層台に積層体Eを収容し、当該積層体Eの積層状態を検査した後に、検査された積層体Eを収容する第2積層台を第2搬送部22に載置させて搬送できる。なお、第2積層台は、第1積層台と同様に、第1搬送部21によって搬送される第2積層台における主面31に対して位置決め壁33、第1側壁34、及び第2側壁35の位置する方向と、第2搬送部22によって搬送される第2積層台における主面31に対して位置決め壁33、第1側壁34、及び第2側壁35の位置する方向とは、第1搬送部21の搬送方向(又は第2搬送部22の搬送方向)に沿って互いに同一となっている。
第2回転台60の受領部63B〜63Dは、受領部63Aと同様に、第1搬送部21から空の第2積層台を受領し、積層体Eが収容された第2積層台を第2搬送部22に載置する。すなわち、回転板62の回転方向において受領部63Aに隣り合って設けられる受領部63Dは、ステップS27,S28の間にステップS22〜S25と同様の工程を経て別の空の積層台を受領する。また、受領部63Dによって受領された積層台には、ステップS30の間にステップS27,S28と同様の工程を経て別の積層体が形成され、ステップS32の間にステップS30と同様の工程を経て積層体が検査される。受領部63B,63Cも同様である。
なお、ステップS21と、ステップS26と、ステップS29と、ステップS31との所要時間は、ステップS1と、ステップS6と、ステップS9と、ステップS11との所要時間と同一に設定されている。同様に、ステップS22〜S25と、ステップS27,S28と、ステップS30と、ステップS32との所要時間は、ステップS2〜S5と、ステップS7,S8と、ステップS10と、ステップS12との所要時間は同一に設定されている。ここで、ステップS21は、回転板42が回転していない間(すなわち、ステップS1,S6,S9,S11以外のステップの間)に実施される。本実施形態では、ステップS21〜S25は、上記ステップS8の間に行われる。このようにステップS1の開始タイミングとステップS21の開始タイミングとをずらすことによって、第1搬送部21による積層台30(第1積層台及び第2積層台)の搬送タイミングを短縮することができる。
以上に説明した本実施形態に係る電極積層装置100によれば、第1積層台及び第2積層台は、主面31に対して位置決め壁33、第1側壁34、及び第2側壁35の位置する方向が同一になるように第1搬送部21に配置されて搬送される。本実施形態では、第1搬送部21に配置されて搬送される全ての積層台30の第2側壁35は、第1搬送部21における搬送方向の下流側に位置する。そして、第1搬送部21によって搬送される第1積層台は、第1回転台40の受領部43Aにより受領されて保持され、第1搬送部21によって搬送される第2積層台は、第2回転台60の受領部63Aにより受領されて保持される。ここで、回転板42及び回転板62は、互いに反対方向に回転する。このため、第1積層台を受領部43Aが受領してから回転板42が90°回転したときにおける第1積層台の主面31に対して第2側壁35の位置する方向と、第2積層台を受領部63Aが受領してから回転板62が90°回転したときにおける第2積層台の主面31に対して第2側壁35の位置する方向とは、互いに反対になる。これにより、第1電極供給部71によって、正極タブ8b同士が互いに反対方向に向かって突出している一対の正極8が供給される場合であっても、正極タブ8bの向きを揃えることなく、一対のセパレータ付き正極11の一方を受領部43Aによって保持されている第1積層台に落下させて積層できると共に、一対のセパレータ付き正極11の他方を受領部63Aによって保持された第2積層台に落下させて積層できる。なお、第2電極供給部72によって供給される一対の負極9も同様である。したがって、上記電極積層装置100によれば、二条取り等によって形成された一対のセパレータ付き正極11及び負極9の向きを揃えることなく、積層体Eを効率よく製造できる。
また、受領部43Aは、第1積層台を保持する板状の保持部44と、保持部44を上下方向に昇降自在な昇降機構45と、を有し、受領部63Aは、第2積層台を保持する板状の保持部64と、当該保持部64を上下方向に昇降自在な昇降機構65と、を有し、昇降機構45は、方向γにおける保持部44の位置を変更すると共に保持部44の傾斜角度を調整し、昇降機構65は、上下方向における保持部64の位置を変更すると共に保持部64の傾斜角度を調整する。昇降機構45を制御することにより、保持部44又は保持部44に保持される第1積層台が搬送機構20などに接触することを防止できる。同様に、昇降機構65を制御することにより、保持部64又は保持部64に保持される第2積層台が搬送機構20などに接触することを防止できる。
また、昇降機構45は、互いに離間すると共に互いに独立に制御される第1昇降部46及び第2昇降部47を有し、昇降機構65は、互いに離間すると共に互いに独立に制御される第1昇降部66及び第2昇降部67を有する。これにより、簡易な構成にて保持部44及び保持部64の傾斜角度をそれぞれ調整できる。
また、第1昇降部46は、上下方向に伸縮可能なシリンダ部48と、シリンダ部48の先端に取り付けられる先端部49とを有し、第2昇降部47は、上下方向に伸縮可能なシリンダ部50と、シリンダ部50の先端に取り付けられる先端部51とを有し、第1昇降部46の先端部49は、保持部44に固定されており、第2昇降部47の先端部51は、保持部44に当接している。これにより、第1昇降部46に対する保持部44の位置ずれを防ぐことができるので、当該保持部44に保持される第1積層台の位置ずれが抑制される。また、受領部63Aの第1昇降部66及び第2昇降部67も上記構成を備えてもよい。この場合、第1昇降部66に対する保持部64の位置ずれを防ぐことができるので、当該保持部64に保持される第2積層台の位置ずれが抑制される。
また、昇降機構45は、第1積層台にセパレータ付き正極11及び負極9が積層されている枚数に応じて、第1積層台の方向γにおける位置を調整し、昇降機構65は、第2積層台にセパレータ付き正極11及び負極9が積層されている枚数に応じて、第2積層台の方向γにおける位置を調整する。これにより、積層体Eの積層高さが増大しても、落下するセパレータ付き正極11及び負極9が積層体Eの最上層の上端部付近に着地することが防止される。したがって、積層体Eの積層高さの増大に伴う不具合(例えば積層体Eを形成するセパレータ付き正極11の正極タブ8b及び負極9の負極タブ9bの損傷)の発生を抑制することができる。
また、昇降機構45は、第1積層台の第1辺31aが当該第1辺31aに対向する第2辺31bよりも下方に位置するように、保持部44を傾斜させる。これにより、第1積層台に向かって落下したセパレータ付き正極11及び負極9は、傾斜した主面31を滑って位置決め壁33に当接する。これにより、第1積層台内におけるセパレータ付き正極11及び負極9の下端部の位置を揃えることができる。
また、積層台30は、保持部44と係合する窪み39a,39bを有し、保持部44は、窪み39a,39bにそれぞれ嵌り込む突起44b,44cを有する。これにより、積層台30が保持部44によって安定的に保持される。
また、搬送機構20は、空の第1積層台及び第2積層台を搬送する第1搬送部21と、第1搬送部21よりも上方に設けられ、積層体Eが収容された第1積層台及び第2積層台を搬送する第2搬送部22と、を有し、第1搬送部21及び第2搬送部22は、互いに方向αに沿って延在すると共に平面視にて互いに重なっており、受領部43Aは、第1搬送部21から空の第1積層台を受領すると共に、積層体Eが収容された第1積層台を第2搬送部22に載置し、受領部63Aは、第1搬送部21から空の第2積層台を受領すると共に、積層体Eが収容された第2積層台を第2搬送部22に載置する。この場合、第1積層台は、例えば第1搬送部21から受領部43Aに受領され、回転板42が360°回転した後、第2搬送部22に載置される。同様に、第2積層台は、例えば第1搬送部21から受領部63Aに受領され、回転板62が360°回転した後、第2搬送部22に載置される。ここで、第1積層台及び第2積層台は、上述したように主面31に対して位置決め壁33の位置する方向が同一になるように第1搬送部21に配置されて搬送される。このため、第2搬送部22に載置される第1積層台及び第2積層台の主面31に対して位置決め壁33の位置する方向は、第1搬送部21に配置されている時と同一になる。したがって、積層体Eが収容された第1積層台及び第2積層台の向きを揃える機構を省略できる。加えて、第2搬送部22が第1搬送部21に平面視にて重なることによって、平面視における搬送機構20の占有面積を減少できる。
また、第1回転台40は受領部43Aの他に受領部43B〜43Dを有すると共に、第2回転台60は受領部63Aの他に受領部63B〜63Dを有する。これにより、第1回転台40及び第2回転台60のそれぞれが複数の積層台30を保持できるので、積層体Eをより効率よく製造できる。
また、電極積層装置100は、受領部43Aにて保持されている第1積層台内の積層体Eの状態を検査する第1検査装置81と、受領部63Aにて保持されている第2積層台内の積層体Eの状態を検査する第2検査装置82と、を備える。これにより、第1積層台に収容されている積層体E、及び第2積層台に収容されている積層体Eの位置ずれ等を早期に検査できる。
また、電極供給機構70は、一対のセパレータ付き正極11を供給する第1電極供給部71と、一対の負極9を供給する第2電極供給部72とを有する。これにより、セパレータ付き正極11と負極9とが別々の供給部によって対応する積層台30に供給されるので、一つの供給部を用いてセパレータ付き正極11と負極9との両方を対応する積層台30に供給する場合よりもセパレータ付き正極11の供給タイミングと負極9の供給タイミングとの間隔を短くすることができ、電極の積層速度を向上できる。
また、第1電極供給部71によって形成される一対の正極8における正極タブ8b同士の形成位置と、第2電極供給部72によって形成される一対の負極9における負極タブ9b同士の形成位置とは、図8に示されるように、平面視にて互いに対称になることが好ましい。この場合、第1積層台に形成される積層体Eの積層台30に対する正極タブ8b及び負極タブ9bの位置と、第2積層台に形成される積層体Eの積層台30に対する正極タブ8b及び負極タブ9bの位置とを一致させることができる。
なお、本発明に係る電極積層装置は、上記実施形態に限定されない。図11(a)は、変形例に係る背電極積層装置の一部の拡大側面図である。図11(b)は、図11(a)のXIb−XIb線断面図である。図11(a),(b)に示されるように、例えばステップS25の間であってステップS26の前において、昇降機構65が積層台30(第2積層台)を保持する保持部64を上昇させた後、他の積層台30(第1積層台)が当該保持部64の下方をくぐるように搬送機23Bに向かって搬送されてもよい。この場合、第1回転台40及び第2回転台60への第1搬送部21による積層台30の搬送タイミングをより最適化できる。
また、上記実施形態では、積層台において、正極が袋状のセパレータに包まれた状態であるセパレータ付き正極と負極とを交互に積層しているが、これに限られない。例えば、積層台において、負極が袋状のセパレータに包まれた状態であるセパレータ付き負極と、正極とを交互に積層してもよい。このとき、第1電極供給部により正極を搬送し、第2電極供給部によりセパレータ付き負極を搬送する。
また、上記実施形態において、第2搬送部は第1搬送部に必ずしも平面視にて重ならなくてもよい。
また、上記実施形態において、積層台に積層体が製造されるとき、当該積層台は、必ずしも傾斜しなくてもよい。
また、上記実施形態では、積層台には第1切欠部及び第2切欠部の両方が設けられているが、これに限られない。例えば、積層台には第1切欠部及び第2切欠部の一方が設けられてもよい。
また、上記実施形態では、第1回転台は、搬送機構に対して、方向βにおいて第2回転台が設けられている側と反対側に配置されなくてもよい。この場合、第1回転台は、搬送機構に対して、方向βにおいて第2回転台が設けられている側に設けられてもよい。また、第1回転台の駆動軸は常に時計回りに回転し、第2回転台の駆動軸は常に反時計回りに回転するが、これに限られない。第1回転台と第2回転台とは、対応する積層台の受領後に互いに反対方向(逆方向)に回転していればよい。
また、上記実施形態において、電極積層装置は、第1検査装置及び第2検査装置を必ずしも備えなくてもよい。また、第1回転台及び第2回転台における受領部の数は限定されず、1つ、2つ、又は3つでもよいし、5つ以上でもよい。また、第1回転台及び第2回転台のそれぞれは、必ずしも回転板を備えなくてもよい。換言すると、第1回転台及び第2回転台のそれぞれは、少なくとも回転軸と受領部とを備えていればよい。
また、第1回転台及び第2回転台における受領部の数がそれぞれ一つである場合、第1回転台の駆動軸は、第1受領部が搬送機構から第1積層台を受領した後、反時計回りに回転すると共に、第2回転台の駆動軸は、第2受領部が搬送機構から第2積層台の受領した後、時計回りに回転してもよい。この場合、第1受領部と第2受領部とのそれぞれは、対応する駆動軸に連動して首振り運動をしてもよい。
また、上記実施形態において、第1電極供給部の正極打ち抜き部は二条取りによって一対の正極を形成するが、これに限られない。例えば、正極打ち抜き部は、四条取り等により、一対の正極を複数同時に形成してもよい。なお、第2電極供給部の負極打ち抜き部も同様である。
また、上記実施形態では、蓄電装置1がリチウムイオン二次電池であるが、本発明は、特にリチウムイオン二次電池には限られず、例えばニッケル水素電池等の他の二次電池、電気二重層キャパシタまたはリチウムイオンキャパシタ等の蓄電装置における電極の積層にも適用可能である。