JP2017128890A - 覆工コンクリートの打設方法 - Google Patents
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Abstract
Description
これは、同一のパネルフォーム(型枠)をトンネル断面形状に対応させて容易に変更し、断面形状の異なるトンネルへの転用を可能とするため、複数のパネルフォーム部材がトンネル周方向にヒンジ連結されてなるアーチ状のパネルフォームを使用し、パネルフォーム部材間の折れ角度(挟角)を調整することにより、パネルフォームの断面形状を変更する。
トンネルの前記第1の内周面のうち、側壁部に、第1の先行覆工コンクリートを打設する工程と、
トンネルの前記第2の内周面のうち、側壁部に、第2の先行覆工コンクリートを打設する工程と、
複数のパネルフォーム部材がトンネル周方向にヒンジ接続されてなり、曲率を変更可能なアーチ状のパネルフォームを使用し、前記第1の内周面に対し、前記パネルフォームのアーチ部が第1の曲率でトンネル天端部を覆い、前記パネルフォームの両端部が前記第1の先行覆工コンクリートとラップするように、前記パネルフォームを設置して、前記第1の内周面と前記パネルフォームとの間のトンネル天端部の領域に、第1の後行覆工コンクリートを打設する工程と、
前記パネルフォームを使用し、前記第2の内周面に対し、前記パネルフォームのアーチ部が第2の曲率でトンネル天端部を覆い、前記パネルフォームの両端部が前記第2の先行覆工コンクリートとラップするように、前記パネルフォームを設置して、前記第2の内周面と前記パネルフォームとの間のトンネル天端部の領域に、第2の後行覆工コンクリートを打設する工程と、を含む。
具体的には、先行覆工コンクリートとラップする前記パネルフォームの両端部の高さ位置を、前記第1及び第2の内周面のうち、曲率が大きい方の内周面の側壁部への先行覆工コンクリート打設工程の方が、低くなるように、変化させる。
1)前記第1の後行覆工コンクリート打設工程と前記第2の後行覆工コンクリート打設工程とで、前記パネルフォームと先行覆工コンクリートとのラップ長を変化させる。
具体的には、前記パネルフォームと先行覆工コンクリートとのラップ長を、前記第1及び第2の内周面のうち、曲率が大きい方の内周面の天端部への後行覆工コンクリート打設工程の方が、長くなるように、変化させる。この場合、前記第1の先行覆工コンクリート打設工程と前記第2の先行覆工コンクリート打設工程とで、打設する先行覆工コンクリートの高さは、ほぼ一定とすることができる。
具体的には、打設する先行覆工コンクリートの高さを、前記第1及び第2の内周面のうち、曲率が大きい方の内周面の側壁部への先行覆工コンクリート打設工程の方が、低くなるように、変化させる。この場合、前記第1の覆工コンクリート打設工程と前記第2の後行覆工コンクリート打設工程とで、前記パネルフォームと先行覆工コンクリートとのラップ長は、ほぼ一定とすることができる。
尚、ここでは、断面形状の変化を主に曲率(1/r)の変化として捉えているが、半径(r)、内周長さ(πr)、断面積(πr2)の変化として捉えてもよい。
図1は本発明方法の一実施形態を示すトンネルの全体図であり、(a)は平面図、(b)はトンネルの一端側(最小径部側)の断面図、(c)はトンネルの他端側(最大径部側)の断面図、(d)はトンネル軸方向に沿う断面図である。特に(a)及び(d)には打設分割の単位を示している。
また、移動式セントルを用いてのトンネル1の覆工は、トンネル軸方向に所定長さL(例えば5〜6m)ずつ分割された打設単位ごとに行う。
言い換えれば、トンネルの第1の内周面のうち、側壁部に、第1の先行覆工コンクリート4を打設する(第1の先行覆工コンクリート打設工程)。また、トンネルの第2の内周面のうち、側壁部に、第2の先行覆工コンクリート4を打設する(第2の先行覆工コンクリート打設工程)。
従って、第1の先行覆工コンクリート打設工程と、第2の先行覆工コンクリート打設工程とで、打設する先行覆工コンクリート4の高さHは、ほぼ一定とする。すなわち、第1の内周面(小径側の内周面)と第2の内周面(大径側の内周面)とで、先行覆工コンクリート4の高さH(厳密には先行覆工コンクリート4のトンネル底盤部Bからの高さH)を同じにする。
後行覆工コンクリート打設工程では、トンネル内の仮設の路盤5上を移動可能な移動式セントル(移動式型枠装置)6を用いる。
路盤(覆工用路盤)5はまた、図1に示されるように、トンネル軸方向に傾斜させ、トンネル径が小さくなるほど、低く形成する。言い換えれば、路盤5には、トンネル天端部のトンネル軸方向の勾配と同方向の勾配を持たせる。
移動式セントル6は、台車(架台)7と、台車7に搭載されるアーチ状のベースフレーム8と、ベースフレーム8に支持されて拡径及び縮径可能なパネルフォーム9と、を含んで構成される。
ベースフレーム8は、台車7に搭載され、台車7側のジャッキで上下方向に位置調整可能に支持されている。ベースフレーム8は、アーチ状を形成されるが、パネルフォーム9の縮径状態で、覆工対象のトンネルの最小径部に対応可能な大きさに設定される。
但し、各パネルフォーム部材10は、トンネル軸方向に複数(この例では4つ)に分割されて、これらの分割体10a〜10dが一体的に連結されている(図5参照)。
天端部中央以外のパネルフォーム部材10−1〜10−5は、それぞれの自由端側(アーチ部頂上側と反対側)が、ベースフレーム8に、伸縮可能なジャッキ12を介して、連結されている。
また、各ジャッキ12を伸長作動させ、かつ天端部中央から離れるほど、ジャッキ12の伸長量を大きくすることで、パネルフォーム部材10間の折れ角度θを均等に増加させることができる。これにより、アーチ状のパネルフォーム9の半径を増大させることができ、トンネルの最小径部から最大径部まで対応可能となる。
(1)曲率を変化可能なアーチ状のパネルフォーム9を使用し、第1の内周面(小径側の内周面)に対し、パネルフォーム9のアーチ部が第1の曲率でトンネル天端部を覆い、パネルフォーム9の両端部が第1の先行覆工コンクリート4とラップするように、パネルフォーム9を設置して、前記第1の内周面とパネルフォーム9との間のトンネル天端部の領域に、第1の後行覆工コンクリートを打設する工程
(2)第2の内周面(大径側の内周面)に対し、パネルフォーム9のアーチ部が第2の曲率でトンネル天端部を覆い、パネルフォーム9の両端部が第2の先行覆工コンクリート4とラップするように、パネルフォーム9を設置して、前記第2の内周面とパネルフォーム9との間のトンネル天端部の領域に、第2の後行覆工コンクリートを打設する工程
具体的には、先行覆工コンクリートとラップするパネルフォーム9の両端部の高さ位置を、前記第1及び第2の内周面のうち、曲率が大きい方(半径が小さい方)の内周面の側壁部への先行覆工コンクリート打設工程の方が、低くなるように、変化させる。
第1の後行覆工コンクリート打設工程と第2の後行覆工コンクリート打設工程とで、パネルフォーム9と先行覆工コンクリート4とのラップ長を変化させる。
具体的には、パネルフォーム9と先行覆工コンクリート4とのラップ長を、前記第1及び第2の内周面のうち、曲率が大きい方(半径が小さい方)の内周面の天端部への後行覆工コンクリート打設工程の方が、長くなるように、変化させる。
従って、第1の後行覆工コンクリート打設工程にて台車7が位置する第1の路盤(例えば図2の右側)と、第2の後行覆工コンクリート打設工程にて台車が位置する第2の路盤(例えば図2の左側)とで、路盤5の高さ(厳密にはトンネル底盤部Bからの路盤5の高さ)を、曲率が大きい方(半径が小さい方)の内周面の天端部への後行覆工コンクリート打設工程の方が、低くなるように、変化させる。
パネルフォーム部材10間のヒンジ部折れ角度を調整するジャッキ12は、図3に示されるように、パネルフォーム9のトンネル軸方向前側と後側とに少なくとも2個ずつ設けられる。これら前後のジャッキ12間には、適宜、支え部材16を配置する。
本実施形態では、トンネル軸方向の径の変化に従って、小径側ほど、側壁部の先行覆工コンクリート4の高さ(厳密には側壁部の先行覆工コンクリート4のトンネル底盤部Bからの高さ)を低くする。
言い換えれば、トンネル底盤部Bを基準として、小径側の先行覆工コンクリート4の高さをH1、大径側の先行覆工コンクリート4の高さをH2とすると、H1<H2に設定する。
すなわち、第1の後行覆工コンクリート打設工程と第2の後行覆工コンクリート打設工程とでのラップ長の変化が少なくなるように、第1の先行覆工コンクリート打設工程と第2の先行覆工コンクリート打設工程とで、打設する先行覆工コンクリートの高さを変化させるのである。
後行覆工コンクリート打設時のラップ長の変化が少なくなることで、コンクリートの打設品質の向上につながる。
2 吹き付けコンクリート
3 防水シート
4 側壁部の先行覆工コンクリート
5 路盤(覆工用路盤)
6 移動式セントル
7 台車
8 ベースフレーム
9 パネルフォーム
10(10−0〜10−5) パネルフォーム部材
11 ヒンジ
12 ジャッキ
13 後行覆工コンクリート打設空間
14 打設済みの後行覆工コンクリート
15 妻型枠
16 支え部材
Claims (6)
- トンネルの第1の内周面と、前記第1の内周面に対しトンネル軸方向に連続し、曲率が異なる第2の内周面とに、覆工コンクリートを打設する方法であって、
トンネルの前記第1の内周面のうち、側壁部に、第1の先行覆工コンクリートを打設する工程と、
トンネルの前記第2の内周面のうち、側壁部に、第2の先行覆工コンクリートを打設する工程と、
複数のパネルフォーム部材がトンネル周方向にヒンジ接続されてなり、曲率を変更可能なアーチ状のパネルフォームを使用し、前記第1の内周面に対し、前記パネルフォームのアーチ部が第1の曲率でトンネル天端部を覆い、前記パネルフォームの両端部が前記第1の先行覆工コンクリートとラップするように、前記パネルフォームを設置して、前記第1の内周面と前記パネルフォームとの間のトンネル天端部の領域に、第1の後行覆工コンクリートを打設する工程と、
前記パネルフォームを使用し、前記第2の内周面に対し、前記パネルフォームのアーチ部が第2の曲率でトンネル天端部を覆い、前記パネルフォームの両端部が前記第2の先行覆工コンクリートとラップするように、前記パネルフォームを設置して、前記第2の内周面と前記パネルフォームとの間のトンネル天端部の領域に、第2の後行覆工コンクリートを打設する工程と、
を含み、
前記第1の後行覆工コンクリート打設工程と前記第2の後行覆工コンクリート打設工程とで、先行覆工コンクリートとラップする前記パネルフォームの両端部の高さ位置を変化させることを特徴とする、覆工コンクリートの打設方法。 - 前記第1の後行覆工コンクリート打設工程と前記第2の後行覆工コンクリート打設工程とで、前記パネルフォームと先行覆工コンクリートとのラップ長を変化させることを特徴とする、請求項1記載の覆工コンクリートの打設方法。
- 前記第1の先行覆工コンクリート打設工程と前記第2の先行覆工コンクリート打設工程とで、打設する先行覆工コンクリートの高さを、前記第1及び第2の内周面のうち、曲率が大きい方の内周面の側壁部への先行覆工コンクリート打設工程の方が、低くなるように、変化させることを特徴とする、請求項1記載の覆工コンクリート打設方法。
- 前記パネルフォームは、アーチ部頂上側のパネルフォーム部材にヒンジを介して接続されるパネルフォーム部材の自由端側の、少なくともトンネル軸方向前側と後側とに、パネルフォーム部材間のヒンジ部折れ角度を調整するジャッキを備え、
これら前後のジャッキの作動量を異ならせて、トンネル軸方向前側と後側とでヒンジ部折れ角度を変化させることにより、前記パネルフォームの曲率をトンネル軸方向に変化させることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の覆工コンクリートの打設方法。 - 前記パネルフォームは、トンネル内の路盤上をトンネル軸方向に移動可能な台車に搭載して使用し、
前記第1の後行覆工コンクリート打設工程にて前記台車が位置する第1の路盤と、前記第2の後行覆工コンクリート打設工程にて前記台車が位置する第2の路盤とで、路盤の高さを、前記第1及び第2の内周面のうち、曲率が大きい方の内周面の天端部への後行覆工コンクリート打設工程の方が、低くなるように、変化させることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の覆工コンクリートの打設方法。 - 前記第1の先行覆工コンクリート打設工程と前記第2の先行覆工コンクリート打設工程とは、同時に実施することを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の覆工コンクリートの打設方法。
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2016
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