JP2017128568A - 抗腫瘍剤,腫瘍細胞増殖抑制剤,抗乳癌剤及び抗腫瘍剤の製造方法 - Google Patents

抗腫瘍剤,腫瘍細胞増殖抑制剤,抗乳癌剤及び抗腫瘍剤の製造方法 Download PDF

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【課題】ユーグレナ由来の新規な抗腫瘍剤,腫瘍細胞増殖抑制剤,抗乳癌剤及び抗腫瘍剤の製造方法を提供する。【解決手段】本発明は、ユーグレナの熱水抽出物を有効成分として含むことを特徴とする抗腫瘍剤,腫瘍細胞増殖抑制剤,抗乳癌剤,抗腫瘍用食品又は腫瘍を抑制するための方法(ヒトに対する医療行為を除く)である。また、本発明の抗腫瘍剤の製造方法は、ユーグレナに、水を加えて振盪して分散液を得る工程と、前記分散液を加熱する工程と、加熱した前記分散液を遠心分離して、上澄を、ユーグレナの熱水抽出物として得る工程と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、抗腫瘍剤,腫瘍細胞増殖抑制剤,抗乳癌剤及び抗腫瘍剤の製造方法に関する。
ユーグレナ属微生物(属名: Euglena,和名:ミドリムシ)(以下、「ユーグレナ」という。)は、鞭毛を持ち光合成を行う運動性微細藻類の代表である。ビタミン,ミネラル,不飽和脂肪酸やβ-グルカンなど多くの栄養素を含むことから機能性素材として様々な応用が期待されている(例えば非特許文献1)。
ユーグレナ由来の機能性素材としては、β-グルカンの一種であるパラミロンについて、古くから、種々の機能性探索が行われ、現在では、免疫賦活作用,抗酸化作用,大腸癌抑制作用等を備えることが確認されている(例えば特許文献1及び2)。
嵐田 亮,微細藻類ユーグレナの特徴と食品・環境分野への応用,光合成研究,2012,22(1),p.33-38.
国際公開第2015/156339号 特開2013−75869号公報
しかし、パラミロン以外では、生体に対する機能性を有するユーグレナ由来物質の探索はあまり進んでおらず、ユーグレナ由来の新規な機能性物質の開発が期待されていた。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ユーグレナ由来の新規な抗腫瘍剤,腫瘍細胞増殖抑制剤,抗乳癌剤及び抗腫瘍剤の製造方法,並びに、抗腫瘍用食品及び腫瘍を抑制するための方法(ヒトに対する医療行為を除く)を提供することにある。
本発明者らは、ユーグレナを用いて種々の抽出方法による抽出を試みたところ、ユーグレナの熱水抽出物に、抗腫瘍効果があることを見出して、本発明をするに至った。
前記課題は、本発明によれば、ユーグレナの熱水抽出物を有効成分として含むことを特徴とする抗腫瘍剤,腫瘍細胞増殖抑制剤,抗乳癌剤,抗腫瘍用食品により解決される。
前記課題は、本発明によれば、ユーグレナの熱水抽出物を有効成分として含む組成物を摂取させることを特徴とする腫瘍を抑制するための方法(ヒトに対する医療行為を除く)により解決される。
このように、ユーグレナの熱水抽出物を用いるため、他の溶媒を用いたユーグレナ抽出物では得られない抗腫瘍効果を得ることができる。その結果、ユーグレナの熱水抽出物を有効成分として含み、抗腫瘍作用を有する新規な抗腫瘍剤,腫瘍細胞増殖抑制剤,抗乳癌剤,抗腫瘍用食品を提供できる。
本発明は、これまでに副作用の報告がなく、食品衛生法に合致する水準の安全性を備えたユーグレナの熱水抽出物を有効成分としているため、従来の抗癌剤のような副作用がなく、長期間の継続的投与が可能である。
従って、従来の化学療法用の抗癌剤の代わりに、副作用なく用いることができ、また、腫瘍細胞の摘出手術後の再発防止用に、投与又は摂取させることが可能である。
前記課題は、本発明によれば、ユーグレナに、水を加えて振盪して分散液を得る工程と、前記分散液を加熱する工程と、加熱した前記分散液を遠心分離して、上澄を、ユーグレナの熱水抽出物として得る工程と、を含むことを特徴とする抗腫瘍剤の製造方法により解決される。
本発明によれば、ユーグレナの熱水抽出物を用いるため、他の溶媒を用いたユーグレナ抽出物では得られない抗腫瘍効果を得ることができる。その結果、ユーグレナの熱水抽出物を有効成分として含み、抗腫瘍作用を有する、新規な抗腫瘍剤,腫瘍細胞増殖抑制剤,抗乳癌剤,抗腫瘍用食品を提供できる。
本発明は、これまでに副作用の報告がなく、食品衛生法に合致する水準の安全性を備えたユーグレナの熱水抽出物を有効成分としているため、従来の抗癌剤のような副作用がなく、長期間の継続的投与が可能である。
従って、従来の化学療法用の抗癌剤の代わりに、副作用なく用いることができ、また、腫瘍細胞の摘出手術後の再発防止用に、投与又は摂取させることが可能である。
本発明の実施例1のユーグレナ熱水抽出物の乳癌由来細胞の増殖に対する影響を示すグラフである。 対比例1のユーグレナエタノール抽出物の乳癌由来細胞の増殖に対する影響を示すグラフである。 対比例2のユーグレナヘキサン抽出物の乳癌由来細胞の増殖に対する影響を示すグラフである。
本発明は、ユーグレナの熱水抽出物を有効成分として含む抗腫瘍剤,腫瘍細胞増殖抑制剤,抗乳癌剤,及び抗腫瘍剤の製造方法,並びに、抗腫瘍用食品及び腫瘍を抑制するための方法(ヒトに対する医療行為を除く)に関する。以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明の抗腫瘍剤は、ユーグレナの熱水抽出物を有効成分として含む。
<ユーグレナ>
本発明の「ユーグレナ」とは、動物学や植物学の分類でユーグレナ属(Euglena)に分類される植物、その変種、その変異種のすべてを含む微生物を意味する。
ここで、ユーグレナ属(Euglena)の微生物とは、動物学では原生動物門(Protozoa)の鞭毛虫綱(Mastigophorea)、植物鞭毛虫亜綱(Phytomastigophorea)に属するミドリムシ目(Euglenida)のユーグレノイディナ亜目(Euglenoidina)に属する微生物である。一方、ユーグレナ属の微生物は、植物学ではミドリムシ植物門(Euglenophyta)のミドリムシ藻類綱(Euglenophyceae)に属するミドリムシ目(Euglenales)に属している。
ユーグレナ属の微生物としては、具体的には、Euglena acus、Euglena caudata、Euglena chadefaudii、Euglena deses、Euglena gracilis、Euglena granulata、Euglena intermedia、Euglena mutabilis、Euglena oxyuris、Euglena proxima、Euglena spirogyra、Euglena viridis、Euglena vermiformis、Euglena intermedia, Euglena pirideなどが挙げられる。このうち特に、広く研究に利用されているユーグレナ グラシリス(Euglena gracilis)が好適である。特に、ユーグレナ・グラシリス(E. gracilis)Z株が挙げられる。
また、そのほか、ユーグレナ・グラシリス(E. gracilis)Z株の変異株SM−ZK株(葉緑体欠損株)や変種のvar. bacillaris、これらの種の葉緑体の変異株等の遺伝子変異株を用いてもよい。また、その他のユーグレナ類、例えばAstaia longaを用いてもよい。
ユーグレナ属は、池や沼などの淡水中に広く分布しており、これらから分離して使用してもよく、また、すでに単離されている任意のユーグレナ属を使用してもよい。
本発明のユーグレナ属は、その全ての変異株を包含する。また、これらの変異株の中には、遺伝的方法、たとえば組換え,形質導入,形質転換等により得られたものも含有される。
ユーグレナ細胞の培養において、培養液としては、例えば、窒素源,リン源,ミネラルなどの栄養塩類を添加した培養液、例えば、改変Cramer-Myers培地((NHHPO 1.0g/L,KHPO 1.0g/L,MgSO・7HO 0.2g/L,CaCl・2HO 0.02g/L,Fe(SO・7HO 3mg/L,MnCl・4HO 1.8mg/L,CoSO・7HO 1.5mg/L,ZnSO・7HO 0.4mg/L,NaMoO・2HO 0.2mg/L,CuSO・5HO 0.02g/L,チアミン塩酸塩(ビタミンB) 0.1mg/L,シアノコバラミン(ビタミンB12)、(pH3.5))を用いることができる。なお、(NHHPOは、(NHSOやNHaqに変換することも可能である。また、そのほか、ユーグレナ 生理と生化学(北岡正三郎編、株式会社学会出版センター)の記載に基づき調製される公知のHutner培地,Koren-Hutner培地を用いてもよい。ユーグレナの従属栄養培地として一般的に使用されるKoren-Hutner培地からグルコース、リンゴ酸、アミノ酸等の従属栄養成分を除いた独立栄養培地であるAY培地等を用いてもよい。
培養液のpHは好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは3.5以上であり、また、その上限は、好ましくは7以下、より好ましくは6.5以下、更に好ましくは4.5以下である。pHを酸性側にすることにより、光合成微生物は他の微生物よりも優勢に生育することができるため、コンタミネーションを抑制することができる。
ユーグレナ細胞の培養は、太陽光を直接利用するオープンポンド方式、集光装置で集光した太陽光を光ファイバー等で送り、培養槽で照射させ光合成に利用する集光方式等により行ってもよい。
また、ユーグレナ細胞の培養は、例えば供給バッチ法を用いて行われ得るが、フラスコ培養や発酵槽を用いた培養,回分培養法,半回分培養法(流加培養法),連続培養法(灌流培養法)等、いずれの液体培養法により行ってもよい。
培養は、オープンポンド型,レースウェイ型,チューブ型等の公知の培養装置や、坂口フラスコ、三角フラスコ、試薬ビンなどの実験用の培養容器を用いて行うことができる。ユーグレナはCOを資化するため、独立栄養培地であるCramer-Myers培地を用いて培養する場合は1〜5%COを含む空気を培地中に通過させることが好ましい。また、さらに、葉緑体を十分に発達させるために、培地1リットルあたり1〜5g程度のリン酸アンモニウムを加えるとよい。培養温度は、通常20〜34℃で、特に28〜30℃が好適である。また、培養条件にもよるが、ユーグレナは通常、培養開始後2〜3日で対数増殖期となり、4〜5日程度で定常期に到達する。
ユーグレナは、光照射下で培養(明培養)されてもよく、無照射で培養(暗培養)されてもよい。
ユーグレナ細胞の分離は、例えば、培養液の遠心分離または単純な沈降,膜濾過等によって行われる。
ユーグレナの藻体乾燥物は、分離されたユーグレナ細胞を洗浄後、公知の方法で真空凍結乾燥することにより調製される。但し、藻体乾燥物の調整は、噴霧乾燥、加熱真空乾燥等により行ってもよい。
本発明の抗腫瘍剤は、ユーグレナとして、遠心分離,沈降,膜濾過等により培養液から分離したユーグレナの藻体を用いてもよいし、藻体乾燥物を用いてもよい。また、藻体乾燥物を、公知の粉砕機で粉砕したユーグレナの乾燥粉末を用いてもよい。
<ユーグレナの熱水抽出物>
ユーグレナの熱水抽出物は、ユーグレナの藻体乾燥粉末に、水を加えて震盪して均一に分散させた後、加熱し、遠心分離により得られた上澄を分取することにより調製されたものである。
<抗腫瘍剤>
抗腫瘍剤は、癌患者又は腫瘍患者に投与されることで、癌細胞又は腫瘍細胞の発生,増殖,再発を抑制するために用いられる。
本明細書において、腫瘍には、発育速度が遅く、膨張性に増殖し、転移をきたさない良性腫瘍と、発育速度が早く、浸潤性に増殖し、転移をきたす悪性腫瘍の双方を含む。本発明は、主に、悪性腫瘍に適用される。また、本明細書において、「癌」の用語は、「悪性腫瘍」と同義で用いる。
悪性腫瘍には、食道,肺,子宮頚部などに発生する扁平上皮癌,胃,大腸などに発生する腺癌,膀胱などに発生する移行上皮癌などの上皮性悪性腫瘍、全身の軟部組織のいずれにも発生する線維肉腫,骨肉腫,脂肪肉腫,血管肉腫,横紋筋肉腫などの非上皮性悪性腫瘍、全身のリンパ装置,リンパ節に発生するリンパ腫,血液の中に発生する白血病などの造血組織性腫瘍などを含む。良性腫瘍には、上皮性良性腫瘍,非上皮性良性腫瘍を含む。
本発明の抗腫瘍剤は、特に、乳癌患者に用いられる抗乳癌剤として好適に用いられる。これまでに副作用の報告がなく、食品衛生法に合致する水準の安全性を備えたユーグレナの熱水抽出物を用いているため、化学療法で用いられている従来の抗癌剤のような副作用がない。従って、従来の化学療法の抗癌剤の代わりとして好適に用いることができる。また、腫瘍の摘出手術後の再発防止を目的として、摘出手術後の患者に、継続投与することができる。
また、ユーグレナの熱水抽出物は、後述する実施例の結果から明らかであるように、腫瘍細胞の増殖を抑制する機能を有し、本発明の抗腫瘍剤は、腫瘍細胞の増殖の抑制作用により、抗腫瘍作用を発揮する。
ユーグレナの熱水抽出物は、抗腫瘍剤としての用途のほか、腫瘍細胞の増殖を抑制,阻害する腫瘍細胞増殖抑制剤としても用いることができる。
本実施形態の抗腫瘍剤は、抗腫瘍剤を含有する医薬組成物、食品組成物等の組成物等として利用できる。
(医薬組成物)
医薬の分野では、癌又は腫瘍の進行抑制作用、すなわち、癌細胞又は腫瘍細胞の発生,増殖,転移,再発等を抑制する作用を有効に発揮できる量のユーグレナの熱水抽出物と共に、薬学的に許容される担体や添加剤を配合することにより、当該作用を有する医薬組成物が提供される。当該医薬組成物は、医薬品であっても医薬部外品であってもよい。
当該医薬組成物は、内服剤、静脈注射、皮下注射、皮内注射、筋肉注射、静脈注射及び/又は腹腔内注射等の注射剤、経粘膜適用剤、経皮適用剤等の製剤形態で使用することができるが、経口投与用の内服剤又は静脈注射用の注射剤とするとよい。
当該医薬組成物の剤型としては、適用の形態により、適当に設定できるが、例えば、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、粉末剤、散剤などの固形製剤、液剤、懸濁剤などの液状製剤、軟膏剤、またはゲル剤等の半固形剤が挙げられる。
(食品組成物)
食品の分野では、抗腫瘍作用又は抗癌作用,又は、癌細胞又は腫瘍細胞の発生,増殖,転移,再発等を抑制する作用を生体内で発揮できる有効な量のユーグレナの熱水抽出物とを食品素材として、各種食品に配合することにより、当該作用を有する食品組成物を提供することができる。
すなわち、本発明は、食品の分野において、抗癌用,抗腫瘍用,又は、癌細胞又は腫瘍細胞の発生,増殖,転移,再発等の抑制用等と表示された食品組成物を提供することができる。当該食品組成物としては、一般の食品のほか、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、病院患者用食品、サプリメント等が挙げられる。また、食品添加物として用いることもできる。
当該食品組成物としては、例えば、調味料、畜肉加工品、農産加工品、飲料(清涼飲料、アルコール飲料、炭酸飲料、乳飲料、果汁飲料、茶、コーヒー、栄養ドリンク等)、粉末飲料(粉末ジュース、粉末スープ等)、濃縮飲料、菓子類(キャンディ、クッキー、ビスケット、ガム、グミ、チョコレート等)、パン、シリアル等が挙げられる。また、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の場合、カプセル、トローチ、シロップ、顆粒、粉末等の形状であっても良い。
ここで、特定保健用食品とは、生理学的機能などに影響を与える保健機能成分を含む食品であって、消費者庁長官の許可を得て特定の保健の用途に適する旨を表示可能なものである。本発明においては、特定の保健の用途として、抗腫瘍又は抗癌,又は、癌細胞又は腫瘍細胞の発生,増殖,転移,再発等の抑制用などと表示して販売される食品となる。
また栄養機能食品とは、栄養成分(ビタミン、ミネラル)の補給のために利用される食品であって、栄養成分の機能を表示するものである。栄養機能食品として販売するためには、一日当たりの摂取目安量に含まれる栄養成分量が定められた上限値、下限値の範囲内にある必要があり、栄養機能表示だけでなく注意喚起表示等もする必要がある。
また機能性表示食品とは、事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品である。販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたものである。
上記において本発明は、ユーグレナの熱水抽出物を有効成分として含み、癌又は腫瘍患者、癌又は腫瘍を罹患したヒト以外の動物を対象とした抗腫瘍用特定保健用食品や、抗腫瘍用栄養機能食品、抗腫瘍用機能性表示食品として用いることができる。
また本発明は、ユーグレナの熱水抽出物を有効成分として含み、腫瘍や癌の摘出手術や放射線治療を受けた後の患者又はヒト以外の動物等を対象とした抗腫瘍用特定保健用食品や、抗腫瘍用栄養機能食品、抗腫瘍用機能性表示食品として用いることができる。
本実施形態のユーグレナの熱水抽出物を有効成分として含む組成物を、この組成物をヒト又は人以外の動物に、経口で摂取させる(ヒトに対する医療行為を除く)ことにより、腫瘍を抑制することができる。
(用法及び用量)
本実施形態の抗腫瘍剤の用法としては、腫瘍患者又は癌患者,腫瘍や癌の摘出手術や放射線治療を受けた後の患者又はヒト以外の動物等に対して経口投与又は静脈注射により投与すると良い。
<抗腫瘍剤の製造方法>
本実施形態の抗腫瘍剤は、次の方法で製造される。
まず、ユーグレナに、水を加えて振盪して分散液を得る工程を行う。この工程においてユーグレナとして、ユーグレナ粉末を用いるとよい。
次いで、高圧蒸気滅菌器等を用いて分散液を加熱して、加熱抽出する工程を行う。
その後、加熱した分散液を遠心分離して、上澄を、ユーグレナの熱水抽出物として得る工程を行う。
以上により得られたユーグレナの熱水抽出物を、本発明の抗腫瘍剤に用いる。
以下、具体的実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の試験例では、ユーグレナの熱水抽出物(実施例1),エタノール抽出物(対比例1),ヘキサン抽出物(対比例2)の乳癌由来細胞の増殖に対する影響を確認することにより、乳癌細胞の増殖抑制効果が高くなるユーグレナの抽出方法の検討を行った。
<試料液調整>
・実施例1
ユーグレナ粉末(EU-1593,(株)ユーグレナ)0.5gに、水10mLを加え振とうし均一に分散させた後、高圧蒸気滅菌器を用いて加熱抽出(100℃,10分)した。遠心分離(10,000 rpm,10分,25℃)により得られた上清を分取し、1mLずつ小分け分注後、細胞試験まで-30℃で凍結保存した(試料液濃度 50mg/mL)ものを、実施例1の試料液とした。
・対比例1
ユーグレナ粉末(EU-1593,(株)ユーグレナ)0.5gに、50%エタノール10mLを加え振とうし均一に分散させた。遠心分離(10,000 rpm,10分,25℃)により得られた上清を分取し、1mLずつ小分け分注後、細胞試験まで-30℃で凍結保存した(試料液濃度 50mg/mL)ものを、対比例1の試料液とした。
・対比例2
ユーグレナ粉末(EU-1593,(株)ユーグレナ)0.5gに、ヘキサン5mLとPBS(リン酸緩衝生理食塩水)5mLを加え振とうし均一に分散させた後、遠心分離(10,000 rpm,10分,25℃)した。ヘキサン相1mLを乾固し、DMSO(ジメチルスルホキシド)を加え、細胞試験まで-30℃で凍結保存した(試料液濃度 200mg/mL)ものを、対比例2の試料液(ユーグレナヘキサン抽出物)とした。また、DMSOのみの影響を確認するため、溶媒コントロールとして、DMSOのみのものも用いた。
<細胞試験>
ヒト乳癌由来細胞MCF7(RCB1904, 理化学研究所バイオリソースセンター)を10%の牛胎児血清(FBS)(10437-028, Gibco)を含むRPMI 1640培地(186-02155, (株)和光純薬工業)で2〜3日ごとに継代維持した。共に培地を用いて稀釈調整した、細胞けん濁液(105cells/mL)と実施例1,対比例1,2の試料液(0.16〜10mg/mL)及びDMSO(0.31v/v%,0.63v/v%,1.25v/v%,2.50v/v%)のそれぞれ50μLを96wellプレートに分注後、CO2インキュベータ内で 72 時間培養した。培養液をデカンテーションにより除去後、WST-1反応試液(500μmol/L WST-1,20μmol/L 1-Methoxy-PMS,共に(株)同仁化学研究所)100μLを各wellに加え,37℃で1時間インキュベートした。マイクロプレートリーダ(Emax, Molecular Devices)を用いて、450nm/650nmにおける吸光度を測定し、試料液を含まないコントロールに対する相対値として細胞増殖率を求めた(n=6)。
増殖阻害の陽性対照には海藻由来の硫酸多糖体であるフコイダン(F5631, Sigma) 10mgを水1mLに溶かし、0.2μm メンブランフィルターにより、ろ過滅菌後,-30°Cで凍結保存した。用時、培地で0.4mg/mLに希釈して用いた。増殖促進の陽性対照には、17β-estradiol 40nmol/Lを用いた。
<結果>
実施例1のユーグレナの熱水抽出液の結果を図1に示す。図1のように、実施例1のユーグレナの熱水抽出液は,well内の細胞培養液濃度5mg/mLのとき、MCF7細胞の増殖率を10%未満,2.5mg/mLで28%および1.25mg/mLのとき58%まで、それぞれ明らかな抑制作用を示し、50%阻害を示す濃度(IC50値)は1.62mg/mLであった。ユーグレナ熱水抽出液は、ヒト乳癌由来細胞MCF7に対して、濃度依存的な抑制作用を示し、5mg/mLのときその増殖をほぼ完全に阻害した(陽性対照のフコイダンは培養液中濃度として0.2mg/mL)。
対比例1のエタノール抽出物,対比例2のヘキサン抽出物の結果を、図2,3に示す。対比例1のエタノール抽出物,対比例2のヘキサン抽出物は、低濃度側において、ヒト乳癌由来細胞MCF7に対して、抑制作用ではなく、増殖促進作用を示した。
本実験におけるユーグレナ粉末からの機能性成分抽出条件,加熱 100℃-10min,およびそれに続く室温での遠心分離操作を考慮したとき、上清溶液に抽出されてくる機能性成分としては、熱変性を受けるタンパク質や水溶性の低い脂質である可能性は低い。したがって、元々、存在する水溶性の低分子,あるいは加熱により断片化し水に対する溶解性が増した多糖類の可能性などが考えられる。
仮に多糖体が作用成分の候補と考えたとき、ユーグレナはグルコースがβ-1,3-結合で連結した直鎖状のβ-グルカンであるパラミロンを貯蔵多糖として豊富に含む。β-グルカンとしては、シイタケのレンチナンやスエヒロタケのシゾフィランのように、実際に抗がん剤として臨床応用されているものが知られている。これらキノコのβ-グルカンは、β-1,3-結合に加え、β-1,6-結合を含む分岐構造が特徴であり、この立体構造と免疫賦活活性の関係が推測されている。しかしながら、これらの作用機序は、あくまで生体の免疫応答の活性化と考えられており、本実験で示されたような、直接、腫瘍細胞の増殖を阻害する作用ではない。またキノコの場合、作用成分の含有量が栽培条件や子実体の個体ごとに変動が大きいことから、製剤の品質管理上の問題も指摘されている。この点、均一かつ大量の培養物が得やすいユーグレナの方が有利であると言える。

Claims (6)

  1. ユーグレナの熱水抽出物を有効成分として含むことを特徴とする抗腫瘍剤。
  2. ユーグレナの熱水抽出物を有効成分として含むことを特徴とする腫瘍細胞増殖抑制剤。
  3. ユーグレナの熱水抽出物を有効成分として含むことを特徴とする抗乳癌剤。
  4. ユーグレナの熱水抽出物を有効成分として含むことを特徴とする抗腫瘍用食品。
  5. ユーグレナの熱水抽出物を有効成分として含む組成物を摂取させることを特徴とする腫瘍を抑制するための方法(ヒトに対する医療行為を除く)。
  6. ユーグレナに、水を加えて振盪して分散液を得る工程と、
    前記分散液を加熱する工程と、
    加熱した前記分散液を遠心分離して、上澄を、ユーグレナの熱水抽出物として得る工程と、を含むことを特徴とする抗腫瘍剤の製造方法。
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