JP2016216369A - 前立腺肥大症改善剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、新規な前立腺肥大症改善剤を提供することを目的とする。【解決手段】 上記課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。1.グミ科ヒッポファエ属の抽出物を有効成分とする前立腺肥大症改善剤。2.グミ科ヒッポファエ属の油脂を有効成分とする前立腺肥大症改善剤。【選択図】 なし
Description
本発明は、前立腺肥大症改善剤に関する。本発明は、医薬品、健康食品(特定保健用食品、機能性表示食品、サプリメント等も含む)に広く利用される。
老化に伴う排尿障害は高齢者によく見られる症状である。特に男性特有の前立腺肥大症は排尿障害を誘引する代表的なリスクファクターである。しかしながら、前立腺肥大症が必ずしも排尿障害を発症させるわけではなく、その原因となるメカニズムは複雑で解明されていないことも多い。複数ある報告の中でも、前立腺肥大症発症及び悪性化のメカニズムとして男性ホルモン(Dihydrotestosterone:DHT)の関与が強く懸念されている。
このような、背景の下、本発明者は、グミ科ヒッポファエ属の抽出物が前立腺上皮細胞株PrECにDHTを添加した前立腺肥大モデルにおける前立腺過増殖抑制作用を有し、さらに、臨床試験の結果、グミ科ヒッポファエ属の抽出物及びグミ科ヒッポファエ属の油脂に前立腺肥大症改善作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、新規な前立腺肥大症改善剤を提供することを目的とする。
本発明は、新規な前立腺肥大症改善剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
1.グミ科ヒッポファエ属の抽出物を有効成分とする前立腺肥大症改善剤。
2.グミ科ヒッポファエ属の油脂を有効成分とする前立腺肥大症改善剤。
1.グミ科ヒッポファエ属の抽出物を有効成分とする前立腺肥大症改善剤。
2.グミ科ヒッポファエ属の油脂を有効成分とする前立腺肥大症改善剤。
以下、本発明を詳細に説明する。
また、本発明はグミ科ヒッポファエ属の抽出物を有効成分とすることを特徴とする。上記グミ科ヒッポファエ属の植物としては、例えばシーベリー(Hippophae rhamnoides L.)、サリシフォリア(Hippophae salisifolia L.)、チベターナ(Hippophae thibetana L.)、ネウロコルパ(Hippophae neurocorpa L.)などが挙げられる。
それらのうちでも、得られる抽出物の有効成分の含有量の観点からシーベリー(Hippophae rhamnoides L.)の使用が最も好ましい。
また、本発明はグミ科ヒッポファエ属の抽出物を有効成分とすることを特徴とする。上記グミ科ヒッポファエ属の植物としては、例えばシーベリー(Hippophae rhamnoides L.)、サリシフォリア(Hippophae salisifolia L.)、チベターナ(Hippophae thibetana L.)、ネウロコルパ(Hippophae neurocorpa L.)などが挙げられる。
それらのうちでも、得られる抽出物の有効成分の含有量の観点からシーベリー(Hippophae rhamnoides L.)の使用が最も好ましい。
それらグミ科ヒッポファエ属植物の抽出物を調製する場合、該植物の抽出対象部位には特に限定はなく、例えば種子、果実、葉、樹皮、幹、根、地上部など適宜の部分を用いることができるが、なかでも果実が最も好ましい。抽出方法としては、それらの抽出対象部位を必要ならば予め水洗、乾燥、細切もしくは粉砕した上、浸漬法、向流抽出法など常法に従って抽出溶媒と接触せしめることによって行うことができる。
抽出物の抽出溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;1,3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール等のグリコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;エチルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、水等を用いることができる。これらの中で、エタノール、1,3−ブチレングリコール、水、アセトン、ジクロロメタン等が好ましく用いられる。これらの溶媒は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。溶媒を混合して用いる場合、各溶媒の混合比は、溶媒の種類に応じて適宜調整すればよい。
抽出方法については、特に限定されるものではなくグミ科ヒッポファエ属の果実に溶媒(例えば、エタノール)を加えた後、抽出物に含まれる活性成分の活性を失活させない程度に加温加熱する加熱抽出法や、超臨界抽出法等を適宜適用できる。また、一定量の溶媒にグミ科ヒッポファエ属の果実を浸漬してバッチ処理する浸漬抽出法や連続的に溶媒を送り続ける連続抽出法等、公知の種々の抽出法を適用できる。
具体的な抽出方法の一例を挙げると、例えば、グミ科ヒッポファエ属に対して、その乾燥重量の5〜50重量倍程度、好ましくは、10〜40重量倍程度の抽出溶媒を加えて浸漬して加温(25〜100℃)し、1〜6時間程度溶媒を攪拌させることにより、活性成分を抽出することができる。勿論、溶媒の種類、溶媒量や加熱温度、加熱時間等については、活性成分を効率的に抽出できるように適宜調整すればよい。
また、上記グミ科ヒッポファエ属の抽出物は、オレアノールアルデヒド,オレアノール酸,ウルソール酸,ポモル酸,ウバオール、下記化学式(1)に示される化合物A、及びイソラムネチン7-O-ラムノシドのうちの少なくとも1種を含有することが好ましい。
また、上記グミ科ヒッポファエ属の抽出物は、オレアノールアルデヒド,オレアノール酸,ウルソール酸,ポモル酸,ウバオール、下記化学式(1)に示される化合物A、及びイソラムネチン7-O-ラムノシドのうちの少なくとも1種を含有することが好ましい。
また、本発明の前立腺肥大症改善剤はグミ科ヒッポファエ属の油脂を有効成分とすることを特徴とする。
グミ科ヒッポファエ属の油脂を得る方法は特に限定されず、例えば、シーベリーの果実を圧搾して油分を分離するだけでも良いし、シーベリーの果実を脂溶性有機溶媒により抽出分離しても良い。
グミ科ヒッポファエ属の油脂を得る方法は特に限定されず、例えば、シーベリーの果実を圧搾して油分を分離するだけでも良いし、シーベリーの果実を脂溶性有機溶媒により抽出分離しても良い。
このとき、好ましい脂溶性有機溶媒としては、n−ヘキサン、アセトン等が挙げられる。特に、脂溶性有機溶媒としてn−ヘキサンを用いることが好ましい。これらの脂溶性有機溶媒は、1種のみを用いても良いし2種以上併用しても良い。また、その後、必要に応じて脱溶媒を行うことが好ましい。
更にその後必要に応じて、脱ガム工程、脱ロウ工程、脱酸工程、脱色工程、脱臭工程等の精製工程を施すことができる。
更にその後必要に応じて、脱ガム工程、脱ロウ工程、脱酸工程、脱色工程、脱臭工程等の精製工程を施すことができる。
本発明の前立腺肥大症改善剤の割合は、前立腺肥大症改善剤が前立腺肥大症改善作用を発揮する限りにおいて特に制限されない。また、前立腺肥大症改善剤だけからなるものであってもよい。前立腺肥大症改善剤の含有量として、具体的には、乾燥重量に換算して総量として0.005重量%以上の割合を挙げることができる。前立腺肥大症改善剤としてグミ科ヒッポファエ属抽出物を用いる場合には、その中に含まれる化合物等が上記割合となる量を使用すればよい。
本発明の前立腺肥大症改善剤は、その形状も特に制限されない。例えば、粉末状、顆粒状、錠剤状、丸剤状、乳剤状、液状、懸濁液状、濃縮エキス、乾燥エキス等を例示することができる。
本発明の前立腺肥大症改善剤は、前述の効果を目的として、様々な用途に適用することができる。用途として、医薬品、試薬(研究用、テストキット用)、経口摂取用組成物(たとえば、健康食品、機能性表示食品、サプリメント、特定用途食品、及びペット用サプリメント等)が挙げられる。
本発明の前立腺肥大症改善剤を含む医薬組成物は、賦形剤、担体又は添加剤を含んでいてもよい。賦形剤、担体及び添加剤としては、通常使用され、かつ薬学的に許容されるものであれば特に限定されず、その種類及び組成は、適宜変更が可能である。
賦形剤としては、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられ、担体としては、滅菌水、生理食塩水、及び各種緩衝液等が挙げられる。添加剤としては、粘ちょう剤、緩衝材、保存剤、防腐剤等が挙げられる。
医薬用組成物の剤型としては特に制限されるものではなく、必要に応じて適宜選択すればよいが、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤等の経口剤;注射剤、坐剤、塗布剤等の非経口剤が挙げられる。
錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤等の経口剤は、例えば、デンプン、乳糖、白糖、トレハロース、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等を用いて常法に従って製造される、これらの製剤中の本発明の化合物の配合量は特に限定されるものではなく、適宜設定することができる。この種の製剤には、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料等を適宜使用することができる。
非経口剤の場合、患者の年齢、体重、疾患の程度等に応じて用量を調節し、例えば、静注、点滴静注、皮下注射、筋肉注射等によって投与する。この非経口剤は常法に従って製造され、希釈剤として一般に注射用蒸留水、生理食塩水等を用いることができる。さらに必要に応じて、殺菌剤、防腐剤、安定剤等を加えてもよい。また、この非経口剤は安定性の点から、バイアル等に充填後冷凍し、通常の凍結乾燥処理により水分を除き、使用直前に凍結乾燥物から液剤を再調製することもできる。さらに必要に応じて、等張化剤、安定剤、防腐剤、無痛化剤等を加えてもよい。その他の非経口剤の例として、外用液剤、軟膏等の塗布剤、直腸内投与のための坐剤等が挙げられ、これらも常法に従って製造される。
本発明を健康食品(機能性表示食品、特定保健用食品、健康飲料及びサプリメントを含む)に用いる場合、各種健康食品の原材料として本発明の化合物を健康食品に添加したり、必要に応じてデキストリン、乳糖、デンプン等の賦形剤や香料、色素等とともにペレット、錠剤、顆粒等に加工したり、またゼラチン等で被覆してカプセルに成形加工して健康食品を製造することができる。
健康食品に配合される前立腺肥大症改善剤の配合割合は、該前立腺肥大症改善剤の期待される効果が得られるのであれば特に制限されないが、通常、1回あたりの摂取量が0.0001〜2000mg程度である。
これらの健康食品には、その種類に応じて種々の成分を配合することができ、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等の食品素材を使用することができる。さらに、健康維持機能をもった前立腺肥大症改善剤には、他の抗酸化物質や健康食品素材などの配剤、例えば、抗酸化物質(還元型アスコルビン酸(ビタミンC)、ビタミンE、還元型グルタチン、トコトリエノール、ビタミンA誘導体、リコピン、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、フコキサンチン、尿酸、ユビキノン、コエンザイムQ10、葉酸、ニンニクエキス、アリシン、セサミン、リグナン類、カテキン、イソフラボン、カルコン、タンニン類、フラボノイド類、クマリン、イソクマリン類、ブルーベリーエキス)、健康食品素材(V.(ビタミン)A、V.B1、V.B2、V.B6、V.B12、V.C、V.D、V.E、V.P、コリン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸カルシウム、EPA、オリゴ糖、食物繊維、スクアレン、大豆レシチン、タウリン、ドナリエラ、プロテイン、オクタコサノール、DHA、卵黄レシチン、リノール酸、ラクトフェリン、マグネシウム、亜鉛、クロム、セレン 、カリウム、ヘム鉄、カキ肉エキス、キトサン、キチンオリゴ糖、コラーゲン、コンドロイチン、ウコン、カンゾウ、クコシ、ケイヒ、サンザシ、生姜、霊芝、シジミエキス、スッポン、カミツレ、カモミール、セイヨウタンポポ、ハイビスカス、ハチミツ、ボーレン、ローヤルゼリー、ライム、ラベンダー、ローズヒップ 、ローズマリー、ビフィズス菌、フェーカリス菌、ラクリス、小麦胚芽油、ゴマ油、シソ油、大豆油、中鎖脂肪酸、アガリクス、イチョウ葉エキス、ウコン、コンドロイチン、玄米胚芽エキス、レイシ、タマネギ、DPA、 甜茶、冬虫夏草、ニンニク、蜂の子、パパイヤ、プーアル、プロポリス、メグスリの木、ヤブシタケ、ノコギリヤシ、ヒアルロン酸、コラーゲン、ギャバ、ハープシールオイル、サメ軟骨、グルコサミン、レシチン、ホスファチジルセリン、田七ニンジン、桑葉、大豆抽出物、エキナセア、エゾウコギ、大麦抽出物、オリーブ葉、オリーブ実、ギムネマ、バナバ、サラシア、ガルシニア、キトサン、セントジョーンズワート、ナツメ、ニンジン、パッションフラワー、ブロッコリー、プラセンタ、ハトムギ、ブドウ種子、ピーナッツ種皮、ビルベリー、ブラックコホシュ、マリアアザミ、月桂樹、セージ、ラフマ、黒酢、ゴーヤー、マカ、紅花、亜麻、ウーロン茶、花棘、カフェイン、カプサイシン、キシロオリゴ糖、グルコサミン、ソバ、シトラス、食物繊維、プロテイン、プルーン、スピルリナ、大麦若葉、核酸、酵母、椎茸、梅肉、アミノ酸、深海鮫抽出物、ノニ、カキ肉、シャンピニオン、オオバコ、アセロラ、パイナップル、バナナ、モモ、アンズ、メロン、イチゴ、ラズベリー、オレンジ、フコイダン、メシマコブ、クランベリー、コンドロイチン硫酸、亜鉛、鉄、セラミド、シルクペプチド、グリシン、ナイアシン、チェストツリー、L-システイン、赤ワイン葉、ミレット、ホーステール、ビオチン、センテラアジアティカ、ハスカップ、ピクノジェノール、フキ、ルバーブ、クローブ、カテキン、プーアル、クエン酸、ビール酵母、メリロート、ブラックジンガー、ショウガ、ガジュツ、ナットウキナーゼ、ベニコウジ、トコトリエノール、ラクトフェリン、シナモン、韃靼ソバ、ココア、ユズ種子エキス、シソの実エキス、ライチ種子エキス、月見草エキス、黒米エキス、α−リポ酸、生コーヒー豆エキス、温州みかんエキス、トリテルペノイド、キウイ種子エキス、赤ショウガエキス、アスタキサンチン、クルミエキス、レスベラトロール、赤米エキス、白キクラゲ多糖体、イチゴ種子エキス、イチゴ種子エキス、ニラ種子エキス、リンゴンベリーエキス、桜の花エキス、ササクレヒトヨダケエキス、マキベリーエキス、黒ショウガエキス、米ポリアミン、小麦ポリアミン)なども配合することができる。
以下、本発明の実施例を説明する。
実施例
1.シーベリー(Hippophae rhamnoides L.)抽出物の調製
シーベリー(Hippophae rhamnoides L.)の乾燥果実を粉砕し粉砕された果実の重量に対して5倍量のn-ヘキサンで、20〜40℃、撹拌1時間の条件で脱脂し、その後、固液分離を行い、脱脂原料を得た。
その後、この脱脂原料を乾燥させ、この乾燥した脱脂原料に対して7倍容量の70vol%含水エタノールで70℃以上、撹拌1時間の条件で抽出し、その後、遠心分離機で固液分離を行い、この抽出液を濃縮乾固してシーベリー抽出物を得た。
(2)シーベリー油の調製
粉砕した乾燥果実をその重量に対して5倍量のn-ヘキサンで、20〜40℃、撹拌1時間の条件で油を抽出した。その後、ろ紙を用いて固液分離を行い、ヘキサンを蒸留し、その後、減圧、150℃の条件で脱臭および脱ヘキサンを行いシーベリー油を得た。
実施例
1.シーベリー(Hippophae rhamnoides L.)抽出物の調製
シーベリー(Hippophae rhamnoides L.)の乾燥果実を粉砕し粉砕された果実の重量に対して5倍量のn-ヘキサンで、20〜40℃、撹拌1時間の条件で脱脂し、その後、固液分離を行い、脱脂原料を得た。
その後、この脱脂原料を乾燥させ、この乾燥した脱脂原料に対して7倍容量の70vol%含水エタノールで70℃以上、撹拌1時間の条件で抽出し、その後、遠心分離機で固液分離を行い、この抽出液を濃縮乾固してシーベリー抽出物を得た。
(2)シーベリー油の調製
粉砕した乾燥果実をその重量に対して5倍量のn-ヘキサンで、20〜40℃、撹拌1時間の条件で油を抽出した。その後、ろ紙を用いて固液分離を行い、ヘキサンを蒸留し、その後、減圧、150℃の条件で脱臭および脱ヘキサンを行いシーベリー油を得た。
試験例1:DHTによる前立腺上皮細胞株を用いた前立腺過増殖抑制作用の評価
前立腺上皮細胞株PrECを96well plateに播種し(2×104)、2日間前培養した。その後、DHT(終濃度10nM)添加培地にシーベリー抽出物及びその成分等をそれぞれ0-30μg/mlの濃度になるように添加し、3日間培養した。3日間培養した後、MTT試薬を各wellに加え、3h後、培地を除去し可溶化液を加えマイクロプレートリーダーでAb560の吸収波長を測定した。
前立腺上皮細胞株PrECを96well plateに播種し(2×104)、2日間前培養した。その後、DHT(終濃度10nM)添加培地にシーベリー抽出物及びその成分等をそれぞれ0-30μg/mlの濃度になるように添加し、3日間培養した。3日間培養した後、MTT試薬を各wellに加え、3h後、培地を除去し可溶化液を加えマイクロプレートリーダーでAb560の吸収波長を測定した。
結果及び試験例1における実施例の効果
まず始めに、前立腺肥大症の原因と考えられているDHTが前立腺上皮細胞株PrECに及ぼす影響を調べた。その結果を図1に示す。図1によれば、細胞増殖促進作用を評価するため、MTT assayを用い評価した結果、DHT添加によって細胞増殖が促進されていることが分かった。
この結果をもとに、前立腺上皮細胞株PrECにDHT(10nM)を添加した細胞を前立腺肥大モデルとして、シーベリー抽出物及びその成分の有用性を評価した。その結果を図2に示す。
図2によれば、シーベリー抽出物を前立腺肥大モデルに添加した結果、濃度依存的に細胞増殖を抑制した。これにより、シーベリー抽出物は前立腺肥大改善剤としての効果を有することが確認された。
まず始めに、前立腺肥大症の原因と考えられているDHTが前立腺上皮細胞株PrECに及ぼす影響を調べた。その結果を図1に示す。図1によれば、細胞増殖促進作用を評価するため、MTT assayを用い評価した結果、DHT添加によって細胞増殖が促進されていることが分かった。
この結果をもとに、前立腺上皮細胞株PrECにDHT(10nM)を添加した細胞を前立腺肥大モデルとして、シーベリー抽出物及びその成分の有用性を評価した。その結果を図2に示す。
図2によれば、シーベリー抽出物を前立腺肥大モデルに添加した結果、濃度依存的に細胞増殖を抑制した。これにより、シーベリー抽出物は前立腺肥大改善剤としての効果を有することが確認された。
試験例2:シーベリー抽出物及びシーベリー油の前立腺肥大症状改善効果の評価(臨床試験)
1.臨床試験サンプルの調製
(1)シーベリー抽出物ハードカプセル
上記実施例(1)で得られたシーベリー抽出物を濃縮し、固形分に対して1:1で賦形剤(デキストリン)を混合し、この混合液を凍結乾燥機で粉末化した。その後、ハードカプセル1粒当たり200 mg充填(シーベリー抽出物として100 mg)に充填し、試験例2の臨床試験サンプルとした。
(2)シーベリー油ハードカプセル
油に対して1:1.5で賦形剤(オイルQ50)を混合し、その後、撹拌することで粉末化し、この粉末をハードカプセル1粒当たり250 mg充填(油として100 mg)し、試験例2の臨床試験サンプルとした。
1.臨床試験サンプルの調製
(1)シーベリー抽出物ハードカプセル
上記実施例(1)で得られたシーベリー抽出物を濃縮し、固形分に対して1:1で賦形剤(デキストリン)を混合し、この混合液を凍結乾燥機で粉末化した。その後、ハードカプセル1粒当たり200 mg充填(シーベリー抽出物として100 mg)に充填し、試験例2の臨床試験サンプルとした。
(2)シーベリー油ハードカプセル
油に対して1:1.5で賦形剤(オイルQ50)を混合し、その後、撹拌することで粉末化し、この粉末をハードカプセル1粒当たり250 mg充填(油として100 mg)し、試験例2の臨床試験サンプルとした。
2.被験者
被験者は年齢35〜70歳の男性,スクリニンーグにおいて国際前立腺肥大症状スコア(IPSS)の高めの方(32名のボランティアの中でIPSSが2以上の20名)で,規定の除外基準に該当しない者を対象とした。被験者には,試験参加前に,IRBで承認された説明文書・同意書を手渡した上で十分な説明を行い,質疑応答後に,被験者本人が内容をよく理解したことを確認したうえで,試験への参加について自由意思による同意を文書で得た。
被験者は年齢35〜70歳の男性,スクリニンーグにおいて国際前立腺肥大症状スコア(IPSS)の高めの方(32名のボランティアの中でIPSSが2以上の20名)で,規定の除外基準に該当しない者を対象とした。被験者には,試験参加前に,IRBで承認された説明文書・同意書を手渡した上で十分な説明を行い,質疑応答後に,被験者本人が内容をよく理解したことを確認したうえで,試験への参加について自由意思による同意を文書で得た。
3.方法
本試験は,ヘルシンキ宣言(2013年10月WMAフォルタレザ総会(ブラジル)で修正)に準じて,倫理的配慮のもとに実施した。試験は非盲検単群試験法で実施した。20名の被験者を,シーベリー油300 mg/日摂取群,シーベリー抽出物200 mg/日摂取群の2群(一群に男性10名)に分け,それぞれ1ヵ月間,夕食後に1日1回,カプセルを摂取させた。摂取前後にIPSSを用いて,アンケート調査を行った。その結果を下記表1に示す。
本試験は,ヘルシンキ宣言(2013年10月WMAフォルタレザ総会(ブラジル)で修正)に準じて,倫理的配慮のもとに実施した。試験は非盲検単群試験法で実施した。20名の被験者を,シーベリー油300 mg/日摂取群,シーベリー抽出物200 mg/日摂取群の2群(一群に男性10名)に分け,それぞれ1ヵ月間,夕食後に1日1回,カプセルを摂取させた。摂取前後にIPSSを用いて,アンケート調査を行った。その結果を下記表1に示す。
結果及び試験例2における実施例の効果
表1に示すように,シーベリー油摂取について,300 mg/日,摂取1ヶ月後,摂取前よりIPSSの有意な減少が認められた(p<0.05)。また,数値化したQOLのスコアも摂取前より減少した。同じく,シーベリー果実エキスの摂取について,200 mg/日,摂取1ヶ月後,摂取前よりIPSSの有意な減少が認められた(p<0.05)。また,数値化したQOLのスコアも摂取前より減少した。以上の結果から,シーベリー油およびシーベリー果実エキスに前立腺肥大による排尿障害症状に対する改善効果が認められた。
表1に示すように,シーベリー油摂取について,300 mg/日,摂取1ヶ月後,摂取前よりIPSSの有意な減少が認められた(p<0.05)。また,数値化したQOLのスコアも摂取前より減少した。同じく,シーベリー果実エキスの摂取について,200 mg/日,摂取1ヶ月後,摂取前よりIPSSの有意な減少が認められた(p<0.05)。また,数値化したQOLのスコアも摂取前より減少した。以上の結果から,シーベリー油およびシーベリー果実エキスに前立腺肥大による排尿障害症状に対する改善効果が認められた。
本発明による前立腺肥大症改善剤(グミ科ヒッポファエ属抽出物)の配合例を示す。尚、以下の配合例は本発明を限定するものではない。
配合例1:チューインガム(機能性表示食品又は特定保健用食品)
砂糖 53.0wt%
ガムベース 20.0
グルコース 10.0
水飴 16.0
香料 0.5
グミ科ヒッポファエ属抽出物 0.5
100.0wt%
砂糖 53.0wt%
ガムベース 20.0
グルコース 10.0
水飴 16.0
香料 0.5
グミ科ヒッポファエ属抽出物 0.5
100.0wt%
配合例2:グミ(機能性表示食品又は特定保健用食品)
還元水飴 40.0wt%
グラニュー糖 20.0
ブトウ糖 20.0
ゼラチン 4.7
水 9.68
ユズ果汁 4.0
ユズフレーバー 0.6
色素 0.02
グミ科ヒッポファエ属抽出物 1.0
100.0wt%
還元水飴 40.0wt%
グラニュー糖 20.0
ブトウ糖 20.0
ゼラチン 4.7
水 9.68
ユズ果汁 4.0
ユズフレーバー 0.6
色素 0.02
グミ科ヒッポファエ属抽出物 1.0
100.0wt%
配合例3:キャンディー(機能性表示食品又は特定保健用食品)
砂糖 50.0wt%
水飴 33.0
水 14.4
有機酸 2.0
香料 0.2
グミ科ヒッポファエ属抽出物 0.4
100.0wt%
砂糖 50.0wt%
水飴 33.0
水 14.4
有機酸 2.0
香料 0.2
グミ科ヒッポファエ属抽出物 0.4
100.0wt%
配合例4:ヨーグルト(ハード・ソフト)(機能性表示食品又は特定保健用食品)
牛乳 41.5wt%
脱脂粉乳 5.8
砂糖 8.0
寒天 0.15
ゼラチン 0.1
乳酸菌 0.005
グミ科ヒッポファエ属抽出物 0.4
香料 微量
水 残余
100.0wt%
牛乳 41.5wt%
脱脂粉乳 5.8
砂糖 8.0
寒天 0.15
ゼラチン 0.1
乳酸菌 0.005
グミ科ヒッポファエ属抽出物 0.4
香料 微量
水 残余
100.0wt%
配合例5:清涼飲料(機能性表示食品又は特定保健用食品)
果糖ブドウ糖液糖 30.0wt%
乳化剤 0.5
グミ科ヒッポファエ属抽出物 0.3
香料 適量
精製水 残余
100.0wt%
果糖ブドウ糖液糖 30.0wt%
乳化剤 0.5
グミ科ヒッポファエ属抽出物 0.3
香料 適量
精製水 残余
100.0wt%
配合例6:錠菓(機能性表示食品又は特定保健用食品)
砂糖 76.4wt%
グルコース 19.0
ショ糖脂肪酸エステル 0.2
グミ科ヒッポファエ属抽出物 0.5
精製水 3.9
100.0wt%
砂糖 76.4wt%
グルコース 19.0
ショ糖脂肪酸エステル 0.2
グミ科ヒッポファエ属抽出物 0.5
精製水 3.9
100.0wt%
配合例7:ソフトカプセル(サプリメント又は医薬品)
玄米胚芽油 47.0wt%
ユズ種子油 40.0
乳化剤 12.0
グミ科ヒッポファエ属抽出物 1.0
100.0wt%
玄米胚芽油 47.0wt%
ユズ種子油 40.0
乳化剤 12.0
グミ科ヒッポファエ属抽出物 1.0
100.0wt%
配合例8:錠剤(サプリメント又は医薬品)
乳糖 54.0wt%
結晶セルロース 30.0
澱粉分解物 10.0
グリセリン脂肪酸エステル 5.0
グミ科ヒッポファエ属抽出物 1.0
100.0wt%
乳糖 54.0wt%
結晶セルロース 30.0
澱粉分解物 10.0
グリセリン脂肪酸エステル 5.0
グミ科ヒッポファエ属抽出物 1.0
100.0wt%
以上により、本発明は、前立腺肥大症改善剤として有用であり、医薬品、健康食品等に利用することができる。
Claims (2)
- グミ科ヒッポファエ属の抽出物を有効成分とする前立腺肥大症改善剤。
- グミ科ヒッポファエ属の油脂を有効成分とする前立腺肥大症改善剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015098923A JP2016216369A (ja) | 2015-05-14 | 2015-05-14 | 前立腺肥大症改善剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015098923A JP2016216369A (ja) | 2015-05-14 | 2015-05-14 | 前立腺肥大症改善剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016216369A true JP2016216369A (ja) | 2016-12-22 |
Family
ID=57578060
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015098923A Pending JP2016216369A (ja) | 2015-05-14 | 2015-05-14 | 前立腺肥大症改善剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016216369A (ja) |
Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JPWO2021145004A1 (ja) * | 2020-01-16 | 2021-07-22 | ||
JP7560209B2 (ja) | 2020-09-24 | 2024-10-02 | ジョンナム バイオインダストリー ファウンデーション | ナツグミの果実抽出物を有効成分として含有する前立腺肥大症予防及び治療用組成物 |
-
2015
- 2015-05-14 JP JP2015098923A patent/JP2016216369A/ja active Pending
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WO2021145004A1 (ja) * | 2020-01-16 | 2021-07-22 | オリザ油化株式会社 | 5α-レダクターゼ阻害剤 |
JP7237204B2 (ja) | 2020-01-16 | 2023-03-10 | オリザ油化株式会社 | 5α-レダクターゼ阻害剤 |
JP7560209B2 (ja) | 2020-09-24 | 2024-10-02 | ジョンナム バイオインダストリー ファウンデーション | ナツグミの果実抽出物を有効成分として含有する前立腺肥大症予防及び治療用組成物 |
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