JP2019052109A - 筋形成促進用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】運動を行わずとも筋形成を促進できる手段の提供。
【解決手段】オリーブ抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の抽出物を含む、筋形成促進用或いはサルコペニア予防用の組成物、或いは、オレウロペインを含む、筋形成促進用或いはサルコペニア予防用の組成物。
【選択図】図1a
【解決手段】オリーブ抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の抽出物を含む、筋形成促進用或いはサルコペニア予防用の組成物、或いは、オレウロペインを含む、筋形成促進用或いはサルコペニア予防用の組成物。
【選択図】図1a
Description
本発明は、筋形成促進用組成物に関する。
AMPキナーゼ(AMPK)は、5’AMPによって活性化されるセリン・スレオニンキナーゼであり、細胞内のエネルギー状態の調節に重要である。AMPキナーゼの活性化は触媒活性を有するαサブユニットのT172のリン酸化による。特に、糖代謝調節におけるAMPキナーゼの活性化は、骨格筋でのインスリン非依存的な糖の取り込みを促す。また、肝臓では、糖新生系律速酵素の発現制御に関わる転写制御因子(TORC2)のリン酸化による核外移行を促してその発現が抑制される。また、運動により、AMPキナーゼは骨格筋でインスリン非依存的に活性化される。この活性化を介してIRS−1の発現亢進やグルコースの細胞への取り込み輸送を行う4型グルコース輸送体(Glut4)の細胞膜上への移行が促され、グルコースの細胞内取り込みを促進する(例えば特許文献1、2)。このようにAMPK活性化は、糖代謝(特に血中糖濃度)の改善のために有用である。
また、発酵茶から抽出された特定の高分子ポリフェノールを経口摂取しても、特にAMPKは活性化されない一方で、当該経口摂取と運動とを組み合わせて実施した場合には、運動のみを実施する場合よりも高いAMPK活性化が得られ、かつ筋肉遅筋化が促進されることが報告されている(特許文献3)。
ただ、AMPKの活性化は、上記のように骨格筋でのインスリン非依存的な糖の取り込みを促進し、糖代謝を改善する一方で、筋形成や筋肉組織肥大化を阻害してしまうことも知られている(例えば、非特許文献1)。つまり、AMPKが活性化することにより、糖代謝改善効果が期待できる一方で、特に運動量が少ない場合には筋肉形成阻害や筋萎縮、筋肉機能低下等を引き起こすおそれがある。よって、AMPKを活性化する成分を摂取した場合(特に、当該摂取はするが運動は行わない場合)には、糖代謝が改善したとしても、筋形成が阻害され、筋形成阻害に基づく種々の悪影響が生じるおそれがある。特に高齢者並びに病人及びけが人は、運動することが難しいため、筋肉の機能が低下し、ロコモティブシンドロームやサルコペニアとなるおそれも懸念される。
このために、摂取した際、AMPKの活性化をせず、あるいはAMPKを活性化したとしても、運動を行わずとも筋形成を促進できる成分が望まれている。
Am J Physiol Endocrinol Metab 306: E344−E354, 2014
第48回日本理学療法学術大会 O−A基礎−182「脊髄損傷者における温熱負荷時のIL−6応答」2012(0), 48100995−48100995, 2013
本発明は、運動を行わずとも筋形成を促進できる手段を提供することを課題とする。より詳細には、摂取した際、AMPKの活性化をせず、あるいはAMPKを活性化したとしても、運動を行わずとも筋芽細胞の分化を促進し、筋形成を促進できる成分を提供することを課題とする。
本発明者らは、特定植物の抽出物が上記課題を解決できることを見出し、さらに改良を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
オリーブ抽出物を含む、筋形成促進用の組成物。
項2.
オリーブ抽出物を含み、当該オリーブ抽出物がオレウロペイン含む、項1に記載の筋形成促進用の組成物。
項3.
オレウロペインを含む、筋形成促進用の組成物。
項4.
オリーブ抽出物を含む、サルコペニア予防用の組成物。
項5.
オリーブ抽出物を含み、当該オリーブ抽出物がオレウロペイン含む、項1に記載のサルコペニア予防用の組成物。
項6.
オレウロペインを含む、サルコペニア予防用の組成物。
項7.
医薬組成物又は食品組成物である、項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
項8.
ヤナギ抽出物を含む、筋形成促進用の組成物。
項9.
ヤナギ抽出物を含む、サルコペニア予防用の組成物。
項10.
医薬組成物又は食品組成物である、項8または9のいずれか1項に記載の組成物。
項1.
オリーブ抽出物を含む、筋形成促進用の組成物。
項2.
オリーブ抽出物を含み、当該オリーブ抽出物がオレウロペイン含む、項1に記載の筋形成促進用の組成物。
項3.
オレウロペインを含む、筋形成促進用の組成物。
項4.
オリーブ抽出物を含む、サルコペニア予防用の組成物。
項5.
オリーブ抽出物を含み、当該オリーブ抽出物がオレウロペイン含む、項1に記載のサルコペニア予防用の組成物。
項6.
オレウロペインを含む、サルコペニア予防用の組成物。
項7.
医薬組成物又は食品組成物である、項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
項8.
ヤナギ抽出物を含む、筋形成促進用の組成物。
項9.
ヤナギ抽出物を含む、サルコペニア予防用の組成物。
項10.
医薬組成物又は食品組成物である、項8または9のいずれか1項に記載の組成物。
本発明の筋形成促進用の組成物を用いることで、運動を行わずとも筋芽細胞の分化を誘導し筋形成を促進することできる。このため、例えば、高齢者並びに病人及びけが人など、運動することが難しい対象であっても、筋肉の機能が低下することを防止し、ロコモティブシンドロームやサルコペニアを予防することが可能である。あるいはまた、加齢などによる皮膚組織の衰えなど(例えば、いわゆる老け顔、肌のたるみ、体型変化(特に胸部や腹部、臀部の垂れ下がりや突出)、顔や四肢のむくみなど)についても、筋形成促進により皮膚下に存在する筋肉の形成を促進することで、皮膚組織の衰えなどを回復または予防することもできると考えられる。
以下、本発明の筋形成促進用の組成物およびサルコペニア予防用の組成物(以下、「筋形成促進用組成物等」と記載する。)について、さらに詳細に説明する。
本発明に係る一実施形態において、筋形成促進用組成物等はヤナギ抽出物及びオリーブ抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の抽出物を含む。いずれかの抽出物のみを含んでもよいし、両方の抽出物を含んでもよい。なお、オリーブ抽出物は、AMPK活性化を通じて糖代謝機能改善効果を奏するうえ、筋形成促進効果をも奏することから、特に好ましい。
オレウロペインは、フェノール系化合物の配糖体の一種であり、次の構造式で表される化合物である。
オレウロペインは、合成によって得てもよいし、モクセイ科オリーブ属の植物の花、果皮、果実、葉、樹皮、根または種子を水または水・エタノール混液を用いて抽出することでも得られる。その中でも、葉の抽出物がオレウロペインの含有量が多いため好ましい。モクセイ科オリーブ属の植物としては、例えば、オリーブ(Oleaeuropaea Linne)やその同属種(Oleawelwitschii、Oleapaniculataなど)などが挙げられる。オリーブの品種の代表例としては、例えば、ネバディブロンコ、マンザニロ、ピクアル、ホジブランコ、アルベキナ、カタマラ、コロネイキ、ピッチョリーネ、パラゴン、ワッガベルダル、ミッション、ワシントン、ウエストオースラリアミッション、サウスオーストラリアベルダル、アザパ、バルネア、コルニカブラ、ゴルダル、フラントイオ、レッチーノ、チプレッシーノ、ルッカ、アスコラーナテレナ、コレッジョッラ、モロイオロ、ブラックイタリアン、コラティーナ、ヘレナ、ロシオーラ、ワンセブンセブン、エルグレコ、ハーディズマンモスなどを挙げることができる。
オレウロペインは前記に例示されるオリーブ(Oleaeuropaea Linne)やその同属種(Oleawelwitschii、Oleapaniculataなど)の果皮、果実、葉、樹皮、根または種子に含まれており、特に葉は他部位に比べ多量に含まれていることが知られている。従って、オレウロペインの抽出において、葉を主体とした植物体を用いることが好ましい。抽出溶媒としては、水、エタノールのほか、石油エーテル、ヘキサン、ブタノール、プロパノール、メタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールおよびこれら溶媒の混合液が挙げられるが、温水および水−エタノール混合液が好ましい。水−エタノール混合液の混合比(水:エタノール)は、体積比で好ましくは約100:1〜約1:200、より好ましくは約20:1〜約1:20であり、最も好ましくは約1:9〜1:1である。
抽出方法については、その溶媒の温度や原料に対する溶媒の重量比率、または抽出時についても、種々の原料および使用する溶媒に対しそれぞれを任意に設定することができる。また、抽出時の溶媒の温度は約−4℃〜約200℃の範囲であればよいが、約30℃〜約150℃が好ましく、約40℃〜約80℃がより好ましい。また、抽出にオリーブ葉を用いる場合は、特開2003−335693に開示されているように、比較的オレウロペイン含量が高い生葉を用いることが好ましく、具体的には、生葉を常圧または減圧下、65℃以下または85℃〜145℃の温度で一定時間乾燥することにより、オリーブ葉中のオレウロペイン含量を高めた処理を行った後にオレウロペインの抽出を行うことが好ましい。
溶媒抽出で得られたオレウロペイン含有抽出物は、オレウロペイン含有量が低い場合が多いことから濃縮や精製処理を行うことが好ましい。例えば、このようにオリーブ葉から溶媒抽出した粗抽出液の溶媒を留去させた後、例えばスチレンジビニルベンゼン重合樹脂(ダイアイオンHP20:三菱化学)、アンバーライトXAD樹脂:ロームアンドハース社、デュオライトS樹脂:ダイアモンドシャムロック社などの樹脂カラムに通し、減圧下で濃縮し、高温乾燥させることにより高濃度のオレウロペインを含有した抽出物を得ることができる。本発明で使用するオレウロペインには、このように濃縮・精製処理を行なうことで得られる粗精製物が含まれる。さらに、必要に応じて精製、濃縮、乾燥などの処理を行いオレウロペインの含有量を高めたり、配合による商品品質の低下(外観、香味など)を抑制することができる。このような処理としては、例えば、酸(無機酸、有機酸等)またはアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等)の添加による分解、醗酵処理、微生物を用いた代謝変換処理、イオン交換樹脂や活性炭、ケイ藻土等による成分吸着、クロマトグラフィーを用いた分画、濾紙やメンブランフィルター、限外濾過膜などを用いた濾過、加圧または減圧、加温または冷却、スプレードライ、凍結乾燥、pH調整、脱臭、脱色、低温における静置処理後のろ過処理による夾雑物の除去などが例示でき、これらを任意に選択して組合せた処理を行ってさらに高い濃度のオレウロペインを含有するオリーブ抽出物を得ることができる。本発明でオレウロペインの配合目的で最適に用いることのできる精製処理を行ったオリーブ抽出物は、固形分換算でオレウロペインの含有量が10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、25質量%以上であることが更に好ましく、30質量%以上であることが最も好ましい。オレウロペインの含有量が低い抽出物を使用すると、所定の配合量を確保することができないため所期の効果を得ることが困難であったり、抽出物を多量に配合する必要があるため、製品化が困難であったりするため好ましくない。また、本発明に用いるオレウロペインは市販されているものを用いることもできる。市販されている原料としては、Olive leaf extract((株)ザビンサジャパン社製、オレウロペイン約12.5%含有)、Naturolive(Deretil Nature社製、オレウロペイン約15%含有)、Olive P.E.(Guilin Layn Natural Ingredient corp.社製、オレウロペイン約18〜20%含有)、オリーブ葉乾燥エキス(Frutarom Switzerland社製、オレウロペイン約20〜26%含有)、Oleuropein(Natac社製、オレウロペイン20%、22%若しくは40%含有)、オリーブ葉エキス(バイオアクティブジャパン社製、オレウロペイン26%含有)オリーブ葉エキス(タマ生化学社製、オレウロペイン35%含有)、オピエース(三菱ケミカルフーズ(旧エーザイフードケミカル)社製、オレウロペイン35%含有)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明で用いるヤナギ抽出物は、ヤナギ科(Salicaceae)のPopulus属又はSalix属に属する植物である。Populus属に属する植物の例としては、ウラジロハコヤナギ(別名ハクヨウ、ギンドロ;P.alba)、カナダポプラ、アメリカクロヤマナラシ(別名ヒロハハコヤナギ)、コトカケヤナギ、(P.euphratica)、オオバヤマナラシ(P.tomentosa)、チリメンドロ(P.koreana)、ドロノキ(P.maximowiczii)、ヨーロッパクロヤマナラシ(P.nigra)、セイヨウハコヤナギ(別名イタリアヤマナラシ;P.nigra var. italica)、ヤマナラシ(別名ハコヤナギ、ポプラ;P.sieboldii)、バルサムポプラ(P.tecamahaca)、シマヤマナラシ、チョウセンヤマナラシ(P.davidiana)、アメリカヤマナラシ(P.tremuloides)、P.euramericana等が挙げられる。Salix属に属する植物の例としては、セイヨウシロヤナギ(S.alba)、サイコクキツネヤナギ(S.alopochroa)、ユスラバヤナギ、シダレヤナギ(別名イトヤナギ;S.babylonica)、ヤマネコヤナギ(別名バッコヤナギ;S.bakko)、アカメヤナギ(別名マルバヤナギ;(S.chaeagnos)、コガネシダレ(S.chrysochoma)、S.daphnoides、サクリス・エラエアグスノス(S.elaeagnos Scopoli)、ポッキリヤナギ(S.futura)、アメリカポッキリヤナギ(S.nigra:別名Black Willow)、カワヤナギ(別名ナガバカワヤナギ;S.gilgiana)、ネコヤナギ(S.alba)(S.gracilistyla)、クロヤナギ(S.gracilistylavar. melanostachys)、サウセ(S.humboldtiana)、イヌコリヤナギ(S.integra)、シバヤナギ(S.japonica)、シロヤナギ(S.jessoens)、キヌヤナギ(S.kinuyanagi)、コリヤナギ(S.koriyanagi)、エゾヤナギ(S.rorida)、フリソデヤナギ(S.leucopithecia)、ウンリュウヤナギ(S.matsudana f. tortuosa)、タカネイワヤナギ(別名レンゲイワヤナギ)、オオシダレヤナギ(S.ohshidare)、エゾマメヤナギ(S.nummularia ssp. pauciflora)、エゾノキヌヤナギ(S.pet-susu)、S.purpurea、コウヒリュウ、ミヤマヤナギ(別名ミネヤナギ;S.reinii)、コマイワヤナギ(S.rupifraga)、オノエヤナギ(別名カラフトヤナギ;S.sachalinensis)、コゴメヤナギ(S.serissaefolia)、シライヤナギ(S.shirai)、Salix sp、タチヤナギ(S.subfragilis)、ノヤナギ(別名ヒメヤナギ)、イヨウヤナギ、キツネヤナギ(別名イワヤナギ;S.vulpina)、エゾノタカネヤナギ(S.yezoalpina)等が挙げられる。ヤナギ科(Salicaceae)Salix属に属する植物が好ましく、ヤナギ科(Salicaceae)Salix属に属する植物の中でもサリックス・ダフノイデス(Salix daphnoides、セイヨウエゾヤナギ)、サリックス・プルプレア(Salix purpurea、セイヨウコリヤナギ)、サリックス・フラギリス(Salix fragilis、ポッキリヤナギ)及びサリックス・アルバ(Salix alba、セイヨウシロヤナギ)が特に好ましい。抽出に供する植物体は、前記植物に例示されるようなヤナギ科(Salicaceae)のPopulus属又はSalix属からなる群より選ばれる少なくとも1種(つまり、1種または2種以上の植物体を混合したもの)を使用できる。複数の植物体を混合する場合、その組合せの種類に関しては任意であり、組み合わせる場合の混合比率も任意に設定できる。また、抽出前に植物体を混合して当該混合物の抽出物を得るだけでなく、個々の植物を抽出して得られた抽出物を事後に混合して混合抽出物を得ても良い。
抽出に供するヤナギ植物体の部位は特に特定されない。その中でも、樹皮および/または芽(特に新芽)が特に好ましいが、その場合、葉、花、果実、枝、幹等が一部混在していても差し支えない。抽出方法は植物体の抽出に使用される方法であれば特に限定されない。例えば、溶媒に浸漬し静置条件或いは攪拌条件で放置することで抽出したり、抽出溶媒を循環させる条件で抽出したり、加圧・減圧条件で抽出したり、超臨界状態で抽出する方法、もしくはそれらを組合せた方法を用いることができる。限定するものではないが、抽出温度は好ましくは0〜130℃の範囲で行う。抽出方法や抽出溶媒により最適な抽出温度が相違するため、抽出温度は適宜決定することができる。また、得られる抽出物の風味や外観(特に色)の観点では、一般に抽出温度は低い方が好ましく、抽出効率の観点では一般に温度が高いほうが好ましいことから、ヤナギ植物の抽出物を配合した組成物の摂取方法や剤形、配合量等の利用形態も考慮して決定することが好ましい。抽出時間は使用する抽出方法や使用する溶媒によって大きく左右される。例えば、溶媒が水-エタノール混液の場合、通常、1分〜42時間程度であり、数分〜24時間程度が好ましく、20分〜4時間程度がより好ましい。また、溶媒が水の場合、通常、1〜106時間程度であるが、10分〜24時間程度が好ましく、20分〜6時間程度がより好ましい。抽出に用いるヤナギ植物体と抽出溶媒の抽出時における混合割合(浴比)についても、特に限定されず適宜設定することができるが、抽出時の浴比については、例えば、超臨界抽出や溶媒を循環させる抽出方法、浸漬静置による抽出方法などでは最適な抽出条件は異なる。一般的には、植物体1質量部に対して、抽出溶媒を2〜1000質量部の範囲で設定することが適当であり、好ましくは2〜50質量部であり、更に好ましくは3〜30質量部程度である。抽出に際しては、ヤナギ植物体を必要に応じて抽出に適した処理、例えば細断(chopping)、乾燥及び/又は粉砕(crushing)などを行なうことで、その後の抽出方法や条件に適した形状に整える処理を行った後に抽出に供することが好ましい。
抽出溶媒としては、通常水、有機溶媒などを単独又は2種以上を併用して用いる。有機溶媒は、通常、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級アルコール類;ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;二酸化炭素などの超臨界流体などが使用できる。好ましい抽出溶媒としては水又はエタノールであり、単独で又は両者を組み合わせ混合して使用できる。より好ましい抽出溶媒は水である。水は、通常、イオン交換水や逆浸透濾過水などの精製水、蒸留水などを使用できる。電気分解処理を施した還元水(アルカリイオン水)や酸性水、塩化ナトリウムやスクロース、酢酸などを溶解した水も使用することができる。また、水−エタノール混液を使用する場合は、両者の混合比率は任意に変えることができる。その中でも、エチルアルコールが15〜60質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましく、25〜40質量%が最も好ましい。また、種々の成分を抽出したり、抽出効率を高める目的で、アルコール含有量の異なる水−エチルアルコール溶媒を用いて抽出することもできる。抽出温度は、通常3℃〜溶媒の沸点である。抽出時間は、抽出溶媒の種類、抽出温度、ヤナギ植物体の抽出部位の抽出時の形態などによって異なるが、通常1時間〜7日間、好ましくは2時間〜3日間である。また、必要に応じて加圧することもできる。
得られた抽出物は、そのままでも本発明におけるヤナギ抽出物として使用することができるが、必要に応じて乾燥、精製や濃縮処理を行うことができる。例えば、保存安定性の向上目的、輸送費の低減目的、エチルアルコールの除去・含有量低減目的などの理由で減圧濃縮処理、加熱濃縮処理、膜濃縮処理、凍結乾燥処理、スプレードライ処理などに例示される濃縮・乾燥処理を行ったり、外観・匂いの改善、不純物・エチルアルコールの除去目的、有効成分を高める目的などの理由で、濾過処理、限外濾過膜や逆浸透膜などを用いた膜分離処理、遠心分離処理、活性炭吸着処理、樹脂カラム処理、化学処理などに例示される分離、脱色、脱臭、脱塩等の精製処理を行ったり、凍結乾燥処理、造粒乾燥処理、スプレードライ処理などの乾燥を行うことができる。
本発明のヤナギ抽出物は、市販品を用いることができる。市販されている原料としては、例えば、欧州薬局方やドイツ薬局方に適合する市販されているSalicis cort extract(Frutarom Switzerland Ltd.社製)、WILLOW BARK EXTRACT(Indena S.p.A.社製)、WILLOW BARK EXTRACT (The Herbarie at Stoney Hill Farm, Inc.社製)などが挙げられる。この原料は、具体的にはSalicis cort extract はSalix daphnoides、Salix purpureaおよびSalix fragilisの樹皮および/または新芽・若枝を水を用いて抽出して得られた粉末状の抽出物であり、WILLOW BARK EXTRACT (The Herbarie at Stoney Hill Farm, Inc.社製)はSalix nigraの樹皮および/または新芽・若枝を水を用いて抽出して得られた粉末状の抽出物である。
筋形成促進用組成物等がヤナギ抽出物を含む場合、特に制限されないが、ヤナギ抽出物の含有量は0.1〜100質量%が好ましく、1〜99質量%がより好ましい。また、筋形成促進用組成物等がオリーブ抽出物を含む場合、特に制限されないが、オリーブ抽出物の含有量は0.1〜100質量%が好ましく、1〜99質量%がより好ましい。なお、ヤナギ抽出物とオリーブ抽出物の両方を含む場合、特に制限はされないが、例えば、ヤナギ抽出物とオリーブ抽出物の質量比が(好ましくは乾燥質量換算で)1:5〜5:1が好ましく、1:2〜2:1がより好ましい。
また、本発明に係る他の一実施形態において、筋形成促進用組成物等はオレウロペインを含む。この場合、オレウロペインはオリーブ抽出物由来であってもよいし、合成等他の手法で製造されたものであってもよい。つまり、当該実施形態において、筋形成促進用組成物等にオリーブ抽出物は含まれていても含まれていなくてもよい。また、当該実施形態において、筋形成促進用組成物等におけるオレウロペインの含有量は、特に制限されないが、例えば、0.01〜80質量%が好ましく、10〜80質量%がより好ましく、20〜70質量%がさらに好ましく、30〜60質量%がよりさらに好ましいい。特に、例えば固形組成物の場合は、10〜80質量%が好ましく、20〜70質量%がより好ましく、30〜60質量%がさらに好ましい。例えば液体組成物の場合は、0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。
なお、本発明の筋形成促進用組成物等にオレウロペインが含まれる場合には、当該組成物によるオレウロペインの摂取量としては、いずれの実施形態においても、オレウロペインが成人一日あたり10〜150mg、好ましくは30〜100mg、更に好ましくは50〜90mg、最も好ましくは60〜80mgとなる量が例示できる。
また、本発明の筋形成促進用組成物等は、1回又は複数回(好ましくは2〜3回)に分けて摂取することができる。適用対象はヒトが好ましいが、ヒト以外の非ヒト哺乳動物であってもよい。適用対象が非ヒト哺乳動物(例えばペット又は家畜、より具体的には、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ニワトリ、ヒツジ等)の場合も、当該ヒトの投与又は摂取量を参考として適宜設定することができる。また、本発明の筋形成促進用組成物等の生体への適用方法も、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、外用又は経口で適用する(つまり、外用組成物又は経口組成物である)ことが好ましい。
本発明の筋形成促進用組成物等は、上記ヤナギ抽出物、オリーブ抽出物、又はオレウロペインを含み、さらに他の成分を含むことができる。当該他の成分は、当該組成物を用いる分野に応じて適宜選択することができる。例えば、薬学的又は食品衛生学的に許容される担体を用いることができる。
本発明の筋形成促進用組成物等は、例えば医薬組成物、食品組成物(飲料組成物及び食品添加物組成物を包含する)として好ましく用いることができる。
医薬組成物として用いる場合、他の成分としては、薬学的に許容される基剤、担体、及び/又は添加剤(例えば溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等)等が例示できる。また、当該筋形成促進用組成物等の形態も特に制限されず、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、クリーム剤、パップ剤等が例示できる。これらの形態の医薬製剤は、必要に応じて当該他の成分とヤナギ抽出物、オリーブ抽出物、又はオレウロペインを組み合わせて常法により調製することができる。
食品組成物として用いる場合、他の成分としては、食品衛生学上許容される基剤、担体、添加剤や、その他食品として利用され得る成分・材料が例示できる。また、当該筋形成促進用組成物等の形態も特に制限されず、例えば加工食品、健康食品(栄養補助食品、栄養機能食品、病者用食品、特定保健用食品、機能性表示商品等)、サプリメント、病者向け食品(病院食、病人食又は介護食等)等が例示できる。これらは常法により調製することができる。特に、健康食品(栄養補助食品、栄養機能食品、病者用食品、特定保健用食品、機能性表示商品等)、又はサプリメントとして、筋形成促進用食品組成物やサルコペニア予防用の経口組成物を調製する場合は、継続的な摂取が行いやすいように、例えば顆粒、カプセル、錠剤(チュアブル剤等を含む)、飲料(飲料パウダー、ドリンク剤、スムージー等)等の形態で調製することが好ましく、なかでもカプセル、タブレット、錠剤、飲料パウダー、ドリンク剤、ゼリー、グミの形態が摂取の簡便さの点からは好ましいが、特にこれらに限定されるものではない。なお、食品組成物の中でも食品添加物組成物として用いる場合には、その形態として、例えば液状、粉末状、フレーク状、顆粒状、ペースト状のものが挙げられる。より具体的には、調味料(醤油、ソース、ケチャップ、ドレッシング等)、フレーク(ふりかけ)、焼き肉のたれ、スパイス、ルーペースト(カレールーペースト等)等が例示できる。
本発明の筋形成促進用組成物は、筋肉形成(特に遅筋形成)促進のために好ましく用いることができる。このため、筋肉形成障害に起因する疾患や、あるいは高齢もしくは病気・ケガによる運動不足に起因する筋肉減少、筋萎縮等に効果的であるが、加齢に伴う運動機能に直接関与しない筋肉(例えば、表情筋や胸筋、臀部筋など)の機能低下や筋肉量の減少を予防・改善することでの美容効果も見込める。中でも、高齢もしくは病気・ケガによる運動不足は、ロコモティブシンドロームやサルコペニアを引き起こすおそれがあり、これらの予防に特に効果的である。
なお、本明細書において「含む」とは、「本質的にからなる」と、「からなる」をも包含する(The term "comprising" includes "consisting essentially of” and "consisting of.")。
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
筋芽細胞培養において、試験物質を培地に添加し、その影響を検討した。具体的には、次のようにして検討を行った。
マウス由来筋芽細胞株(C2C12細胞)を、10% ウシ胎児血清(FBS)(Sigma)及び抗生剤(100U/mL penicillin−streptomycin)(Invitorgen)含有 Dulbecco’s Modified Eagle Mediun(DMEM)中で、37℃、5%CO2存在下にて継代培養を行った。その後、C2C12細胞を0.75×105個を直径 6cm 培養プレートに播種し、72 時間 10% FBS 含有 DMEM で培養を行った後、5% ウシ胎児血清(FBS)(Sigma)及び抗生剤(100U/mL penicillin−streptomycin)(Invitorgen)含有 Dulbecco’s Modified Eagle Mediun(DMEM)中に被験物質(セイヨウヤナギエキス又はオリーブ葉エキス)を濃度100又は200μg/mLとなるよう添加し、0時間、24時間、又は48時間培養後の細胞の分化状態を観察(写真撮影)した。また、被験物質添加後1日又は2日培養した後の細胞からmRNAを回収して、リアルタイムPCRにより、IL−6(インターロイキン6)遺伝子及びPGC1α(Peroxisome proliferator-activated receptor gamma coactivator 1-alpha)遺伝子の発現量を測定した。また、被験物質添加時に、被験物質を添加していない培地を用いたものをコントロールとして用いた。
なお、セイヨウヤナギエキスは「西洋ヤナギ」(アスク薬品社))を用い、オリーブ葉エキスは「オピエース」(三菱ケミカルフーズ(旧エーザイフードケミカル)社製)を用いた。これらは、いずれも乾燥粉末であった。なお、「オピエース」には35重量%以上のオレウロペインが含まれている。
細胞の分化状態を示す写真を図1に示す。被験物質添加直後の細胞の分化状態を図1aに、被験物質添加24時間後の細胞の分化状態を図1bに、被験物質添加48時間後の細胞の分化状態を図1cに、それぞれ示す。また、図1dに、マウス由来筋芽細胞が分化して筋管細胞になる様子を示す。図1dから分かるように、筋芽細胞が分化して筋管細胞になると、細胞が多核かつ細長い形態となる。この点を踏まえると、図1a〜1cにおいて、セイヨウヤナギエキス又はオリーブ葉エキスを培地に加えた場合には、細胞の形態が細長くなっており、筋管細胞への分化が促進されていることがわかった。このことから、セイヨウヤナギエキス又はオリーブ葉エキスにより、筋形成が促進されたことがわかった。
なお、本発明者らは、オリーブ葉エキスはAMPK活性化を通じて糖代謝機能改善(特に血糖値低下効果)を奏することを見いだしており(特許文献2:特開2013−75874号公報)、このことも踏まえると、オリーブ葉エキス(特にオレウロペイン)は、AMPK活性化を通じて糖代謝機能改善効果を奏するうえ、筋形成促進効果をも奏することがわかり、極めて有用な素材であることがわかった。
またさらに、培養細胞の遺伝子発現量の解析結果を図2に示す。図2aにIL−6遺伝子の発現解析結果を、図2bにPGC1α遺伝子の発現解析結果を、それぞれ示す。セイヨウヤナギエキス添加により、IL−6遺伝子の発現が(特に培養2日目に)増加しており、またPGC1αの発現も培養2日目に増加していた。また、オリーブ葉エキス添加により、PGC1α遺伝子の発現が増加しており、またIL−6遺伝子の発現も培養2日目に増加していた。
なお、IL−6遺伝子及びPGC1α遺伝子は、いずれも筋形成に関わる遺伝子として知られている。IL−6は、これまで炎症性サイトカインとして知られてきたが、骨格筋から産生・分泌されるIL−6は、局所的・全身的な抗炎症作用を有していることが判明しており、当該骨格筋由来のIL−6産生量は、筋肉量や運動時間に比例することが知られている(例えば、第48回日本理学療法学術大会 O−A基礎−182「脊髄損傷者における温熱負荷時のIL−6応答」2012(0), 48100995−48100995, 2013を参照)。また、PGC1αは、その発現が促進されると、筋肉の遅筋化が促進されることが知られている(例えば特開2010−37323号公報、特に段落0033等を参照)。
以上のように、細胞培養の遺伝子発現量解析結果からも、筋形成が促進されたことが裏付けられた。
さらに、C2C12細胞をミオシン重鎖と核の蛍光染色により観察することにより筋管分化に及ぼす作用を確認した。なお、ミオシン重鎖は筋管形成過程において発現する筋収縮関連タンパク質であり、ミオシン重鎖の発現と細胞融合による多核化が筋管分化の特徴である。ミオシン重鎖の蛍光免疫染色および核染色による観察をおこなうことで、筋管分化の有無やその程度をより明確に評価できる。
マウス由来筋芽細胞(C2C12細胞)pass3を、増殖用培地(10%非動化Fetal Bovine Serum(Biowest)、1%抗生物質‐抗真菌剤混合溶液(anti-anti、Gibco)添加High-glucose DMEM(D5790、sigma))を用いて、チャンバースライドにそれぞれ1.0×105cells/ml/well,2.5×104cells/0.2ml/wellとなるように播種し、コンフルエントになった後に分化誘導培地(2%Horse Serum(Gibco)、1%抗生物質‐抗真菌剤混合溶液(anti−anti、Gibco)添加High−glucose DMEM(D5790、sigma))に置換した。
被検体として、オリーブ葉エキスである「オピエース」(三菱ケミカルフーズ(旧エーザイフードケミカル)社製、オレウロペイン35%含有:図中では「OpiAce」と表記する。)とオレウロペイン(Oleuropein:sigma、Product ♯92167)を用いた。また、コントロールとしては、被検体を添加しないものを用いた。試験濃度は3水準で実施した。「オピエース」については、低濃度(50μg/mL:図中では「Low」と表記する。)、中濃度(100μg/mL:図中では「Middle」と表記する。)、および高濃度(200μg/mL:図中では「High」と表記する。)。オレウロペインは、前記「オピエース」の各濃度に含有されるオレウロペインに相当する量、すなわち、低濃度(17.5μg/mL:32.5μM:図中では「Low」と表記する。)、中濃度(35.5μg/mL:65.0μM:図中では「Middle」と表記する。)、高濃度(75μg/mL:130.0μM:図中では「High」と表記する。)とした。なお分化誘導培地中の最終ジメチルスルホキシド濃度は0.1%となるよう調整した。
実験では誘導後10時間、24時間および72時間後に観察した。回収したチャンバーグラスから細胞を剥離し、培地の除去およびPBS(Phosphate−buffered saline:sigma)を用いて洗浄した。洗浄した細胞は、固定液(4%パラホルムアルデヒドPBS溶液:Wako)処理および透化液(0.5%Triton X−100のPBS溶液:Sigma)処理の後、3%BSA(bovine serum albumin)―PBS溶液を用いてブロッキングした。その後、洗浄して、Can Get Signal solution A(東洋紡社製)または3%BSA−PBS溶液を用いて2.5μg/mL(X200)に希釈し、4℃下で一晩反応させたあとPBSを用いて洗浄した。
観察は、VECTASHIELD Hard・Set Mounting Medium with DAPI(H−1500、Vectar Labs.)を用いカバーガラスで核染色・封入し、固化後に蛍光顕微鏡による観察および写真撮影にて行った。なお、写真撮影に際しては、ミオシン重鎖を擬似カラー緑、細胞核を擬似カラー青に設定した。なお、図おいては、ミオシン重鎖の写真と細胞核の写真を重ね合わせて作成した合成写真も示した。
細胞の分化状態を示す写真を図3に示す。被験物質添加10時間後の細胞の分化状態の蛍光顕微鏡を用いた観察結果を図3aに、被験物質添加24時間後の細胞の分化状態を、倒立顕微鏡を用いた観察結果を図3bに、被験物質添加72時間後の細胞の分化状態の蛍光顕微鏡を用いた観察結果を図3cに、それぞれ示す。
前記の試験において記載した通り、筋芽細胞が分化して筋管細胞になると、細胞が多核かつ細長い形態となる。図3bにおいては、「多核かつ細長い形態」の特徴を有する細胞に対して、赤い印を付した。その結果、処理後24時間の時点において、すべての濃度における「オピエース」および「オレウロペイン」において、コントロールと比較し明白な分化が生じていることが分かった。特に、オピエースでは、中濃度と高濃度との大きな差異は見られなかったが、低濃度と中濃度との間には、分化の程度の差異を認めた。
さらに、筋管分化の特徴である筋収縮関連タンパク質であるミオシン重鎖の発現と細胞融合による多核化を、処理後10時間後と72時間後の状態を蛍光顕微鏡で観察した結果を、図3bおよび図3cに示す。ミオシン重鎖の発現は、処理後10時間後において、すべての濃度おける「オピエース」および「オレウロペイン」でコントロールより明らかに多く観察された。72時間処理については、すべての濃度の「オピエース」および「オレウロペイン」において、多く細胞がチャンバーグラスから剥離していたため、チャンバーグラスに付着していた細胞に対して蛍光顕微鏡を用いて観察を行った。図3bと図3cを比較すると、10時間後に比べ72時間後のミオシン重鎖の染色性は高く、鮮明な画像を得ることができたことから、筋芽細胞から筋管細胞への分化が進んでいることを示唆している。なお、処理後72時間において多くの細胞がチャンバーグラスから脱離した理由については、本試験では事実を確認出来ていないが、筋芽細胞が筋管細胞に分化した後に、最終的にサルコメアを形成する筋線維へと成熟し自発的収縮力を獲得したためである可能性もあると推察できる。
以上のように、細胞形態観察およびミオシン重鎖と核の蛍光染色観察により、オリーブ葉エキスとオレウロペインにおいて筋形成が促進され、オリーブ葉エキスの作用は、エキス中に含有されるオレウロペインである可能性を確認出来た。
Claims (5)
- オリーブ抽出物を含む、筋形成促進用の組成物。
- オリーブ抽出物を含み、当該オリーブ抽出物がオレウロペイン含む、請求項1に記載の筋形成促進用の組成物。
- オレウロペインを含む、筋形成促進用の組成物。
- オリーブ抽出物を含む、サルコペニア予防用の組成物。
- 医薬組成物又は食品組成物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2021503878A (ja) * | 2017-11-21 | 2021-02-15 | ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー | 筋肉の質及び/又は筋量のためのオレウロペイン又はクルクミンを使用する組成物及び方法 |
WO2021181591A1 (ja) * | 2020-03-12 | 2021-09-16 | コニカミノルタ株式会社 | 細胞の分化状態を評価する方法、ゼラチンナノ粒子およびゼラチンナノ粒子のセット |
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2017
- 2017-09-15 JP JP2017177333A patent/JP2019052109A/ja active Pending
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