JP2017128551A - 1−(3−ヒドロキシメチルピリジル−2−)−2−フェニル−4−メチルピペラジンの製造方法 - Google Patents

1−(3−ヒドロキシメチルピリジル−2−)−2−フェニル−4−メチルピペラジンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】抗精神薬として用いられているミルタザピンの有用な中間体である式(1)で表されるピリジンメタノール化合物(1−(3−ヒドロキシメチルピリジル−2−)−2−フェニル−4−メチルピペラジン)を高純度且つ高収率で製造しうる方法の提供。【解決手段】式(3)で表わされるピリジンカルボン酸化合物を還元して、式(1)で表わされるピリジンメタノール化合物を得た後、前記ピリジンメタノール化合物を、エステル系溶媒を用いて晶析する、ピリジンメタノール化合物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、1−(3−ヒドロキシメチルピリジル−2−)−2−フェニル−4−メチルピペラジンの新規な製造方法に関する。
下記式(1)で示される1−(3−ヒドロキシメチルピリジル−2−)−2−フェニル−4−メチルピペラジン(以下、「ピリジンメタノール化合物」ともいう。)は医薬品の重要な中間体である。
Figure 2017128551
特に、抗精神薬として用いられているミルタザピン、即ち、下記式(2)で示される(14bRS)−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−2−メチルピラジノ[2,1−a]ピリド[2,3−c][2]ベンザゼピン(以下「ミルタザピン」ともいう。)の有用な中間体である。
Figure 2017128551
従来、ピリジンメタノール化合物は、下記式(3)で示される1−(3−カルボキシピリジル−2−)−2−フェニル−4−メチルピペラジン(以下「ピリジンカルボン酸化合物」ともいう。)のカルボン酸を還元剤存在下で水酸基に変換後、後処理操作を行い、次いで、再結晶操作により精製し製造されている。
Figure 2017128551
例えば、特許文献1には、ピリジンカルボン酸化合物を水素化リチウムアルミニウムにて還元し、反応終了後に水でクエンチし、生成した無機塩をろ過し、濾液を濃縮、最後にエーテルによる晶析によりピリジンメタノール化合物を取得する方法が述べられている。
また、特許文献2には、ピリジンカルボン酸化合物のカリウム塩をTHF中、水素化リチウムアルミニウムにて還元し、反応終了後に水でクエンチし、アルカリ水溶液で中和し、中和により生じた塩をろ過後、THFを留去する。これにヘプタンを48℃付近で加えて結晶を析出させ、0〜5℃で1時間冷却、ろ過し、ピリジンメタノール化合物を取得する方法が述べられている。
特公昭59−42678号公報 特許第3930736号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法ではエーテルを用いていることから、その引火性のため、工業的な大量合成に用いるのは、極めて困難である。また、特許文献2に記載の方法について、本発明者等が追試実験を実施した結果、晶析溶媒にヘプタンを使用しているために、反応容器に多量のスケーリングが生じ、反応容器からの結晶の回収にロスを生じることが判明した。また、晶析後に取得したピリジンメタノール化合物を乾燥した場合、回転式乾燥機内壁に結晶が多量に付着し、回転式乾燥機からの結晶の回収においてもロスを生じた。さらに、結晶中の残留溶媒としてヘプタンの毒性を問題なく無視できるレベルまで低減させる(例えばICHガイドラインに記載されているヘプタンの許容量の1/10である500ppm以下)ために5時間以上を有し、乾燥時間が長くなるという欠点があることを確認した。
従って、ミルタザピンの重要中間体であるピリジンメタノール化合物を結晶化時に反応容器内にスケーリングを生じさせず、またピリジンメタノール化合物の湿体の乾燥時に回転式乾燥機内への付着ロスなく、更に短い乾燥時間で残留溶媒量が十分低減された、ピリジンメタノール化合物を取得できる製法の開発が求められている。
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、ピリジンカルボン酸化合物からピリジンメタノール化合物を反応容器内にスケーリングを生じさせず、さらに乾燥機内への付着ロスなく高回収率であって、更に短い乾燥時間で残留溶媒量が十分低減された、ピリジンメタノール化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、エステル系溶媒を用いて、粗ピリジンメタノール化合物の晶析を実施することにより、スケーリングを生じさせず、さらに乾燥機内への付着ロスなく高回収率で、更に短い乾燥時間で残留溶媒量が十分低減された、ピリジンメタノール化合物を取得できることを見出した。
すなわち、本発明は、下記式(3)
Figure 2017128551
で表わされるピリジンカルボン酸化合物を還元して下記式(1)
Figure 2017128551
で表わされるピリジンメタノール化合物を得た後、該ピリジンメタノール化合物を、エステル系溶媒を用いて晶析することを特徴とするピリジンメタノール化合物の製造方法である。本発明の製造方法によって、反応容器内にスケーリングを生じさせず、乾燥機内への付着を生じさせない機構は明らかではないが、晶析溶媒に誘電率の高いヘプタンを使用していないために、反応容器内壁及び回転式乾燥機の内壁への静電気の発生による結晶の付着が起きないためと推測する。また、得られる結晶粒径が比較的大きく、晶析後のろ過性が良好であり、結晶ケークに残存する溶媒が少ないため、その後の回転式乾燥器(コニカルドライヤー)を用いた乾燥においても結晶と結晶が凝集すること無く乾燥できることから、短時間で乾燥がおこなえるものと推測する。
本発明によれば、工業的に安全に使用できるエステル系溶媒を用いて、ピリジンメタノール化合物を取得することができる。また、ピリジンメタノール化合物を晶析する際に溶媒としてヘプタンを用いる特許文献2に記載の方法で生じるスケーリングを抑制することができる。さらに、特許文献2に記載の方法により取得したピリジンメタノール化合物の湿体を乾燥した時に生じる回転式乾燥機内への付着ロスもなく、高回収率でピリジンメタノール化合物を取得できる。また、残留溶媒を十分に低減したピリジンメタノール化合物を、短い乾燥時間で効率良く取得できる。
本発明は、ピリジンカルボン酸化合物を還元してピリジンメタノール化合物を得た後、該ピリジンメタノール化合物を、エステル系溶媒を用いて晶析する結晶化工程を含むことを特徴とするピリジンメタノール化合物の製造方法である。
<ピリジンメタノール化合物>
下記式(1)
Figure 2017128551
で表わされるピリジンメタノール化合物は、下記式(3)
Figure 2017128551
で表わされるピリジンカルボン酸化合物を出発物質として使用し、有機溶媒中、還元剤によりカルボキシル基をヒドロキシル基へ変換することで得ることができる。
ピリジンメタノール化合物を得るための出発物質であるピリジンカルボン酸化合物は公知の化合物であり、例えば、前述の特許文献1等に記載されている方法で製造することができる。具体的には、下記式(4)
Figure 2017128551
で表わされるピリジンシアノ化合物を、水酸化カリウムを含むエタノール溶液中で反応させることにより製造することができる。
ピリジンカルボン酸化合物を還元してピリジンメタノール化合物とする方法としては、特許文献1又は2等に記載されている公知の方法を用いることができる。具体的にはピリジンカルボン酸化合物を含む有機溶媒中に金属水素化物を添加し、還元する。
ピリジンカルボン酸化合物を還元するための金属水素化物としては、目的の反応を進行させるものであれば、公知の金属水素化物を制限無く使用することができる。例えば、水素化リチウムアルミニウム、ナトリウムジヒドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートがあげられる。これらの還元剤の中では、大量合成時の取扱い易さの観点より、ナトリウムジヒドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートが好ましい。
金属水素化物の量は、反応を速やかに進行させるために、ピリジンカルボン酸化合物1モルに対して1〜20モルとするのが好ましく、1〜10モルとするのがより好ましく、1〜5モルとするのが特に好ましい。
反応温度は、特に限定されないが、反応を速やかに進行させるために、10〜50℃が好ましく、15〜45℃がより好ましく、20〜40℃が特に好ましい。
反応時間は、液体クロマトグラフィー等によりピリジンメタノール化合物の生成割合を確認して決定すれば良い。用いる還元剤の当量数、反応温度等により反応性が異なるため、一概に言うことはできないが、通常、0.5〜10時間、特に1〜6時間とするのが好適である。
有機溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、トルエン、これらの混合溶媒の使用が好適である。
有機溶媒の量は、特に限定はないが、ピリジンカルボン酸化合物1質量部に対して1〜1000質量部とするのが好ましく、2〜100質量部とするのがより好ましく、3〜50質量部とするのが特に好ましい。
得られたピリジンメタノール化合物は、還元反応の反応溶液から公知の方法で後処理を実施し、分離すれば良い。例えば特許文献1に記載されている様に、反応終了後の溶液に水を添加し、還元剤を分解し、生じた無機塩をろ過した後、溶媒を濃縮し、粗体のピリジンメタノール化合物を得ることができる。また、分解した還元剤と錯体を形成させ、分液操作により取り除くために、還元後の反応溶液に対し、ロッシェル塩水溶液あるいは酒石酸ナトリウム水溶液を滴下しても良い。該水溶液を滴下後、分液操作により有機層を取り出し、得られた有機層を濃縮し、ピリジンメタノール化合物の粗体を得ることができる。
<結晶化工程>
得られたピリジンメタノール化合物はエステル系溶媒を用いて晶析することによって、精製されたピリジンメタノール化合物を製造する。晶析に用いる溶媒はエステル系溶媒のみであり、他の溶媒は用いない。
具体的には、得られたピリジンメタノール化合物をエステル系溶媒に加熱溶解し、その後、冷却して結晶を析出させるのが好ましい。
エステル系溶媒としては、晶析時にスケーリングを生じにくく、さらに乾燥機内への付着ロスなく高回収率であるという観点、及び短い乾燥時間で残留溶媒量を十分に低減できるという観点から、下記式(5)
Figure 2017128551
(式中、Rは水素又はメチル基、Rは炭素数1〜3のアルキル基である。)で表わされるエステル系溶媒を用いることが好ましい。前記式(5)で示されるエステル系溶媒において、Rは水素又はメチル基であり、Rは炭素数1〜3のアルキル基である。
前記式(5)で表わされるエステル系溶媒において、Rのアルキル基として好適なアルキル基を例示すると、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基を挙げることができる。
エステル系溶媒の量は、特に限定されるものではないが、ピリジンメタノール化合物の精製効果及び収率向上を考慮した場合、ピリジンメタノール化合物1質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、2〜20質量部がより好ましく、3〜10質量部が特に好ましい。
ピリジンメタノール化合物とエステル系溶媒とを混合した後、ピリジンメタノール化合物を加熱溶解させる温度は特に限定されるものではないが、ピリジンメタノール化合物が溶媒に完全に溶解し、且つ、加えるエステル溶媒の沸点以下が好ましい。具体的には50℃〜70℃で溶解させることが好ましい。
ピリジンメタノール化合物とエステル系溶媒とを混合して加熱溶解し、ピリジンメタノール化合物溶液とした後、冷却し、結晶を析出させ、ピリジンメタノール化合物を製造する。ピリジンメタノール化合物の結晶を析出させるにあたり、種晶を加えても良い。
種晶を加える温度としては、結晶を確実に析出させるために、35℃〜50℃の範囲で加えるのが好ましく、38℃〜45℃の範囲で加えることがより好ましく、40℃〜45℃の範囲で加えるが特に好ましい。種晶量としては、結晶を確実に析出させるために、0.1mass%〜0.5mass%の範囲で加えることが好ましい。
冷却温度としては、特に限定されるものではないが、収率向上及び操作効率の観点より、−15℃〜35℃が好ましく、−10℃〜30℃がより好ましく、0℃〜25℃が特に好ましい。冷却速度は、純度向上及び時間効率の観点より、5℃毎時間〜30℃毎時間が好ましく、7℃毎時間〜25℃毎時間がより好ましく、10℃毎時間〜20℃毎時間が特に好ましい。
結晶の析出においては、冷却後、ピリジンメタノール化合物結晶が析出したスラリー溶液を引き続き冷却温度にて熟成させることが収率向上の観点から望ましい。
スラリー溶液を熟成させる時間としては、収率向上及び操作効率の観点より、1時間〜24時間が好ましく、1時間〜10時間がより好ましく、1時間〜5時間が特に好ましい。
その後、スラリー溶液をろ過し、洗浄を行う。ろ過温度は特に限定されるものではないが、−15〜35℃が好ましく、−10〜30℃がより好ましく、0〜25℃が特に好ましい。
洗浄溶媒としては、前述の晶析に使用したエステル系溶媒と同じ溶媒を用いて行うことができる。洗浄溶媒の温度は、−15〜35℃が好ましく、−10〜30℃がより好ましく、0〜25℃が特に好ましい。洗浄溶媒の量は、特に限定されるものではないが、ピリジンメタノール化合物1質量部に対して、1〜3質量部であることが好ましい。
ろ過後のピリジンメタノール化合物は、乾燥機にて溶媒を除去し乾燥する。乾燥機としては、特に制限はなく、静置式(棚式)乾燥機、回転式乾燥機などを用いることができるが、乾燥効率が高く、乾燥時間も短くできるという点から、回転式乾燥機を用いることが好ましい。回転式乾燥機としては、コニカルドライヤー、エバポレーターを挙げることができる。
ピリジンメタノール化合物はろ過後、例えば、回転式乾燥機を用い、0.5〜5kpaの減圧下、40〜50℃で乾燥することが好ましい。乾燥時間は特に限定されるものではないが、前記条件下においては2〜3時間が好ましい。2時間乾燥すれば、残留溶媒量は300ppm以下とすることができる。
かくして、晶析操作においてスケーリングを生じさせずに、且つ、ピリジンメタノール化合物の湿体を乾燥した時に生じる乾燥機内への付着も少なく、短乾燥時間で効率良くピリジンメタノール化合物を取得することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何等制限されることはない。なお、実施例及び比較例おける各種測定及び評価方法は以下のとおりである。
(ピリジンメタノール化合物の純度の測定方法)
製造したピリジンメタノール化合物の純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。HPLC測定に使用した装置、測定の条件は、下記の装置、条件を採用した。
装置:ウォーターズ社製2695
検出器:紫外吸光光度計(ウォーターズ2489)
検出波長:240nm
カラム:内径4.6mm、長さ25cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリカゲルが充填されたもの。
移動相及び送液方法:以下に示す移動相A及びBを用い、試料注入後の経過時間に従い、両者の混合比を下記表1に示す様に制御し、送液した。
移動相A:ペンタンスルホン酸ナトリウム3gを水3000mLに溶解し、トリエチルアミン9mLを加えた後、リン酸を加えてpH2.5とした。
移動相B:ペンタンスルホン酸ナトリウム3gを水900mLに溶解し、トリエチルアミン9mLを加えた後、リン酸を加えてpH2.5とした。これにアセトニトリル1050mL及びメタノール1050mLを加えた。
流量:毎分1.5mL
カラム温度:40℃付近の一定温度
Figure 2017128551
(残留溶媒量の測定方法)
製造したピリジンメタノール化合物の残留溶媒は、ガスクロマトグラフィーにより測定した。ガスクロマトグラフィー測定に使用した装置、測定の条件は、下記の装置、条件を採用した。
装置:アジレント社製7890N
検出器:水素炎イオン化検出器
カラム:Agilent社DB−624(30m,0.53mm I.D.,3μm)
カラム温度:注入後、40℃を5分間、その後、毎分10℃で250℃まで昇温し、5分間保持する。
キャリヤーガス:ヘリウム
スプリット比:1:10
打ち込み量:1μL
(反応容器壁面・乾燥機内壁への結晶付着量の測定方法)
反応容器壁面への結晶付着量の測定方法:反応容器として1L三口フラスコを用いて製造、晶析したピリジンメタノール化合物の結晶をろ過後、1L三口フラスコ内に付着した結晶を乾燥し、結晶の付着したフラスコの質量と空フラスコ質量との差を求め、反応容器壁面への結晶付着量とした。ろ過時、三口フラスコ壁面に付着した結晶はかき落とさず、フラスコからピリジンメタノール化合物結晶が析出したスラリー溶液のみを取り出した。
回転式乾燥機内壁への結晶付着量の測定方法:回転式乾燥機として1Lフラスコのロータリーエバポレーターを用い、ピリジンメタノール化合物の湿体を40℃で2時間、0.5kpaで減圧乾燥し、ピリジンメタノール化合物結晶を取り出した後、結晶の付着したフラスコの質量と空フラスコ質量との差を求め、回転式乾燥機内壁への結晶付着量とした。フラスコからの結晶取り出し時、フラスコ内壁に付着した結晶はかき落とさず、フラスコを斜めに傾けて結晶を取り出した。
実施例1(ピリジンメタノール化合物の製造)
撹拌翼、温度計を取り付けた1Lの三口フラスコ中でピリジンカルボン酸化合物60g、(201.8mmol)をテトラヒドロフラン270mLに懸濁し、10℃に冷却した。窒素気流下にて70%ナトリウムジヒドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートのトルエン溶液240g(706.2mmol)を滴下した後、40℃で5時間反応させた。反応終了後、35mass%ロッシェル塩水溶液275mLを加えた後、有機層と水層を分液した。有機層に25mass%食塩水120mLを加えて洗浄後、分液を行い、得られた有機層を減圧下、濃縮した。得られた残査にトルエン240mLを加えた後、60〜65℃に加熱し、不溶物を濾別した。トルエン層を減圧濃縮した後にピリジンメタノール化合物の粗体57gを得た。(粗収率99%)。
撹拌翼、温度計を取り付けた1Lの三口フラスコへ前記ピリジンメタノール化合物の粗体57gを加えた。これに酢酸イソプロピル420gを加え、60℃に加熱し、該粗体を溶解させた後、該溶液を5℃まで冷却をおこない、ピリジンメタノール化合物のスラリー液を5℃付近で2時間程熟成した。熟成後、該スラリー溶液をろ過し、得られた白色結晶を1Lガラスフラスコに移し、40℃で2時間、0.5kpaでロータリーエバポレーターにて減圧乾燥し、白色結晶としてピリジンメタノール化合物43.5g(153.7mol)を得た(収率76%、HPLC純度99.9%、酢酸イソプロピルの残留溶媒量250ppm)。また、晶析時の反応容器壁面への結晶付着量は1mass%以下であり、回転式乾燥機内壁への結晶付着量も1mass%以下であった。
実施例2〜13(ピリジンメタノール化合物の製造)
実施例1の晶析に使用する溶媒の種類及びその量を表2に示す様に変えた以外は実施例1と同様の方法でピリジンメタノール化合物を得た。
Figure 2017128551
比較例1(特許文献2に記載された晶析方法)
実施例1に記載の方法にて取得したピリジンメタノール化合物の粗体60gに対し、テトラヒドロフラン106gを加えて結晶を溶解し、これにヘプタン84gを攪拌しながら48〜49℃で30分間かけて滴下した。0〜5℃に冷却後、1時間攪拌し、析出した結晶を同温度でろ過し、トルエン86gとヘプタン68gの混合液で洗浄し、0.5kpaで2時間乾燥後、ピリジンメタノール化合物43.0g(152.0mmol)得た(収率56%、HPLC純度98.4%、テトラヒドロフランの残留溶媒量580ppm、トルエンの残留溶媒量840ppmおよびヘプタンの残留溶媒量660ppm)また、晶析時の1L反応容器壁面への結晶付着量は10mass%、1L回転式乾燥機内壁への結晶付着量4mass%であった。

Claims (3)

  1. 下記式(3)
    Figure 2017128551
    で表わされるピリジンカルボン酸化合物を還元して下記式(1)
    Figure 2017128551
    で表わされるピリジンメタノール化合物を得た後、該ピリジンメタノール化合物を、エステル系溶媒を用いて晶析することを特徴とするピリジンメタノール化合物の製造方法。
  2. 前記エステル系溶媒として、下記式(5)
    Figure 2017128551
    (式中Rは水素またはメチル基である。また、式中Rは炭素数1〜3のアルキル基である)で表わされるエステル系溶媒を使用する請求項1に記載のピリジンメタノール化合物の製造方法。
  3. ピリジンメタノール化合物1質量部に対し、3質量部〜20質量部のエステル系溶媒にピリジンメタノール化合物を加熱溶解した後、冷却を行い、ピリジンメタノール化合物の結晶を得る請求項1記載のピリジンメタノール化合物の製造方法。
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