JP2017128531A - アリール化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】任意の芳香族環式基を有する有機ハロゲン化合物を用いたカップリング反応を可能とする、アリール化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物と、一般式(2)で表される有機スズ化合物と、をパラジウム化合物の存在下でクロスカップリング反応させて、一般式(3)で表される部分構造を有するアリール化合物を得る、アリール化合物の製造方法。式中、Rは、置換基を有してもよい芳香族環式基を表す。Xは、ハロゲン原子を含む官能基、又はハロゲン原子を表す。R’は、炭素原子数が1〜6のアルキル基を表す。*は結合手を示す。
[化1]
Figure 2017128531

【選択図】なし

Description

本発明は、アリール化合物の製造方法に関する。
芳香族環式基を有する有機セレン化合物については、例えば、生体中における抗酸化剤や、太陽電池及び有機トランジスターを構成する材料として期待され、幅広く研究が行われている。
芳香族環式基を有する有機セレン化合物、を製造する方法としては、有機金属化合物とセレン含有化合物とを反応させることによってセレン含有アリール化合物を合成する方法が知られている。例えば、ブチルリチウム等の有機金属試薬の存在下で、有機ハロゲン化合物と、セレン単体又は別の有機セレン化合物と、を反応させる方法などがある(例えば非特許文献1参照)。
Org.Lett.,2009,11,pp951−953
しかしながら、従来、芳香族環式基を有する有機セレン化合物の製造方法においては、芳香族環式基の構造によっては反応が進行せず、合成の対象となる芳香族環式基が限られていた。
また、従来の製造方法は、数段階の化学反応の組合せで行われることが多く、コスト的にも不利である。さらに、従来の製造方法は、有機ハロゲン化合物がヨウ素化合物に限定されている反応も多い。
そこで、本発明は、任意の芳香族環式基を有する有機ハロゲン化合物を用いたカップリング反応を可能とする、アリール化合物の製造方法を提供すること、を目的とする。
本発明は以下の態様を含む。
(I)下記一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物と、下記一般式(2)で表される有機スズ化合物と、をパラジウム化合物の存在下でクロスカップリング反応させて、下記一般式(3)で表される部分構造を有するアリール化合物を得る、アリール化合物の製造方法。
Figure 2017128531
[式中、Rは、置換基を有してもよい芳香族環式基を表す。Xは、ハロゲン原子を含む官能基、又はハロゲン原子を表す。R’は、炭素原子数が1〜6のアルキル基を表す。*は結合手を示す。]
(II)下記一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物と、下記一般式(4)で表される有機スズ化合物と、をパラジウム化合物の存在下でクロスカップリング反応させて、下記一般式(5)で表される繰返し構造を有するアリール化合物を得る、アリール化合物の製造方法。
Figure 2017128531
[式中、Rは、置換基を有してもよい芳香族環式基を表す。Xは、ハロゲン原子を含む官能基、又はハロゲン原子を表す。R”は、炭素原子数が1〜6のアルキル基を表す。Mは、硫黄原子又はセレン原子である。]
本発明によれば、任意の芳香族環式基を有する有機ハロゲン化合物を用いたカップリング反応を可能とする、アリール化合物の製造方法を提供することができる。
(アリール化合物の製造方法(I))
本発明の態様に係るアリール化合物の製造方法(I)(以下単に「製造方法(I)」ともいう。)は、下記一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物と、下記一般式(2)で表される有機スズ化合物と、をパラジウム化合物の存在下でクロスカップリング反応させて、下記一般式(3)で表される部分構造を有するアリール化合物(セレン含有アリール化合物)を得る方法である。
前記製造方法(I)でいうクロスカップリング反応とは、前記有機ハロゲン化合物におけるRと、前記有機スズ化合物におけるSeと、の結合(R−Se)を生成する化学反応をいう。
Figure 2017128531
[式中、Rは、置換基を有してもよい芳香族環式基を表す。Xは、ハロゲン原子を含む官能基、又はハロゲン原子を表す。R’は、炭素原子数が1〜6のアルキル基を表す。Seはセレン原子である。Snはスズ原子である。*は結合手を示す。]
<有機ハロゲン化合物>
かかる製造方法(I)では、一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物が用いられる。
前記式(1)中、Rは、置換基を有してもよい芳香族環式基を表す。
Rにおける芳香族環式基は、芳香環を少なくとも1つ有する環式基である。
ここでの芳香環は、単環でも多環でもよい。芳香環の炭素原子数は5〜30が好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。芳香環としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環が挙げられる。前記芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子などが挙げられ、前記芳香族複素環としてピリジン環、チオフェン環などが挙げられる。
Rにおける芳香族環式基としては、前記芳香族炭化水素環又は芳香族複素環から水素原子1つ以上を除いた基、2つ以上の芳香環を含む芳香族化合物(例えばビフェニル、フルオレン等)から水素原子1つ以上を除いた基、2つ以上の芳香族複素環を含む芳香族化合物(例えばビチオフェン等)から水素原子1つ以上を除いた基が挙げられる。
Rにおける芳香族環式基が有してもよい置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜5のアルキル基)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜5のアルコキシ基)、トリアルキルシリル基(好ましくはトリメチルシリル基)、ニトロ基、アルキルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜5のアルキルアミノ基)等が挙げられる。
前記式(1)中、Xは、ハロゲン原子を含む官能基、又はハロゲン原子を表す。
Xにおけるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
Xにおける、ハロゲン原子を含む官能基としては、ハロゲン化アルキルスルホニルオキシ基などが挙げられる。好ましいハロゲン化アルキルスルホニルオキシ基としては、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基(OTf)が挙げられる。
Rに結合するXは、1つでもよいし2つ以上でもよく、好ましくは1〜3つ、より好ましくは1つ又は2つである。Xが2つ以上のハロゲン原子の場合、複数のハロゲン原子の少なくとも1つは、臭素原子又はヨウ素原子であることが好ましい。
Rに結合するXが2つ以上であるものは、後述する製造方法(II)用のモノマー材料として好適である。
一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物の具体例を以下に挙げる。TMSは、トリメチルシリル基(SiMe)を意味する。
Figure 2017128531
<有機スズ化合物>
かかる製造方法(I)では、一般式(2)で表される有機スズ化合物(有機スズセレニド化合物)が用いられる。
前記式(2)中、R’は、炭素原子数が1〜6のアルキル基を表す。R’におけるアルキル基の炭素原子数は、2〜6が好ましく、4がより好ましい。
複数のR’は、同一でもよいし相違していてもよい。
一般式(2)で表される有機スズ化合物としては、例えばSe(Sn(C、Se(Sn(CH等が挙げられる。
尚、前記の「Se(Sn(C」を「(BuSn)Se」とも表記する。
<パラジウム化合物>
かかる製造方法(I)では、パラジウム化合物が用いられる。
パラジウム化合物としては、例えばPd(P(C、Pd(P(CCl等が挙げられる。
尚、前記の「P(C」を「PPh」とも表記する。
[第1実施形態]
かかる製造方法(I)としては、例えば過程(i)、過程(ii)及び過程(iii)を有する下記の合成経路(a)で、一般式(3)で表される部分構造を有するアリール化合物(セレン含有アリール化合物)を製造する方法が挙げられる(第1実施形態)。
Figure 2017128531
[式中、R、X及びR’は、それぞれ、上述したR、X及びR’と同じである。]
過程(i):
前記の合成経路(a)においては、過程(i)で、有機ハロゲン化合物(R−X)への、パラジウム化合物に由来するパラジウム(Pd)の酸化的付加によって、中間体(i)(R−(Pd)−X)が生成する。
前記の酸化的付加は、例えば反応媒体として有機溶剤を用いて行えばよい。この有機溶剤としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
過程(i)において、有機ハロゲン化合物(R−X)の使用量は、前記有機溶剤1Lに対して、好ましくは0.1〜10モル、より好ましくは1〜5モルとされる。
過程(i)において、パラジウム化合物は、有機ハロゲン化合物(R−X)1モルに対して、パラジウム(Pd)として好ましくは0.02〜0.3モル、より好ましくは0.1〜0.15モルとなるように用いられる。
過程(i)における温度条件は、好ましくは60〜150℃、より好ましくは100〜140℃とされる。圧力条件は、好ましくは0.5×10〜3.0×10Pa、より好ましくは0.5×10〜1.5×10Paとされる。反応時間は、好ましくは1〜24時間、より好ましくは2〜4時間とされる。
過程(ii):
過程(ii)では、中間体(i)(R−(Pd)−X)におけるハロゲン原子を含む部分(X)と、有機スズ化合物(Se(Sn(R’))と、の配位子交換により、中間体(ii)を経て、RとSeとの結合が形成して中間体(iii)(R−Se−Sn(R’))が生成する。
有機スズ化合物(Se(Sn(R’))の使用量は、中間体(i)(R−(Pd)−X)1モルに対して、好ましくは0.9〜1.2モル、より好ましくは1.0モルとされる。
過程(ii)における温度条件は、好ましくは60〜150℃、より好ましくは100〜140℃とされる。
圧力条件は、好ましくは0.5×10〜3.0×10Pa、より好ましくは0.5×10〜1.5×10Paとされる。反応時間は、好ましくは1〜24時間、より好ましくは2〜4時間とされる。
過程(iii):
過程(iii)では、中間体(iii)(R−Se−Sn(R’))と、有機ハロゲン化合物(R−X)と、をパラジウム化合物に由来するパラジウム(Pd)の存在下で反応させることによって、目的のアリール化合物(I)(R−Se−R)が生成する。
ここで用いられる有機ハロゲン化合物(R−X)は、過程(i)で用いられている有機ハロゲン化合物(R−X)と同一でもよいし相違していてもよい。
過程(iii)において、パラジウム化合物は、有機ハロゲン化合物(R−X)1モルに対して、パラジウム(Pd)として好ましくは0.02〜0.3モル、より好ましくは0.1〜0.15モルとなるように用いられる。
過程(iii)における温度条件は、好ましくは60〜150℃、より好ましくは100〜140℃とされる。圧力条件は、好ましくは0.5×10〜3.0×10Pa、より好ましくは0.5×10〜1.5×10Paとされる。反応時間は、好ましくは1〜24時間、より好ましくは2〜4時間とされる。
前記の合成経路(a)においては、パラジウム化合物に由来するパラジウム(Pd)自体が、過程(i)、過程(ii)及び過程(iii)で酸化数を変え、触媒としてはたらくことで触媒サイクルが形成されている。
また、前記の合成経路(a)においては、過程(ii)で生成する中間体(iii)を単離する必要が無く、過程(ii)及び過程(iii)の反応が進行する。
上述の第1実施形態によれば、有機スズ化合物(Se(Sn(R’))に由来するSe(セレン原子)を介して、有機ハロゲン化合物(R−X)における2つのR(置換基を有してもよい芳香族環式基)同士が結合したアリール化合物(I)(セレン含有アリール化合物)が製造される。
また、第1実施形態においては、有機ハロゲン化合物(R−X)における3つ以上のR同士がそれぞれSeを介して結合したアリール化合物を製造することもできる。
第1実施形態の製造方法により製造されるアリール化合物(セレン含有アリール化合物)としては、例えば以下に示すものが挙げられる。
Figure 2017128531
[第2実施形態]
上述の第1実施形態では、有機ハロゲン化合物(R−X)2分子以上と有機スズ化合物との反応について説明したが、これに限定されず、下記の合成経路(b)で、一般式(3)で表される部分構造を有するアリール化合物(セレン含有アリール化合物)を製造する方法も挙げられる(第2実施形態)。
第2実施形態においては、パラジウム(Pd)の存在下での有機ハロゲン化合物(X−R−R−X)1分子と有機スズ化合物(Se(Sn(R’))との反応によって、炭素原子−Se−炭素原子結合を1分子内に有するアリール化合物(II)が製造される。
Figure 2017128531
[式中、R及びRは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい芳香族環式基を表す。X及びXは、それぞれ独立に、ハロゲン原子を含む官能基、又はハロゲン原子を表す。R’は、炭素原子数が1〜6のアルキル基を表す。]
前記の式中、R及びRは、それぞれ、上述したRにおける芳香族環式基から水素原子1つをさらに除いた基が挙げられる。
及びXは、それぞれ、上述したXと同様のものが挙げられる。
R’は、上述したR’と同じである。
第2実施形態の製造方法により製造されるアリール化合物(セレン含有アリール化合物)としては、例えば以下に示すものが挙げられる。
Figure 2017128531
(アリール化合物の製造方法(II))
本発明の態様に係るアリール化合物の製造方法(II)(以下単に「製造方法(II)」ともいう。)は、下記一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物と、下記一般式(4)で表される有機スズ化合物と、をパラジウム化合物の存在下でクロスカップリング反応させて、下記一般式(5)で表される繰返し構造を有するアリール化合物を得る方法である。
前記製造方法(II)でいうクロスカップリング反応とは、前記有機ハロゲン化合物におけるRと、前記有機スズ化合物におけるMと、の結合(R−M)を生成する化学反応をいう。
Figure 2017128531
[式中、Rは、置換基を有してもよい芳香族環式基を表す。Xは、ハロゲン原子を含む官能基、又はハロゲン原子を表す。R”は、炭素原子数が1〜6のアルキル基を表す。Mは、硫黄原子又はセレン原子である。Snはスズ原子である。]
かかる製造方法(II)における、一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物、パラジウム化合物については、それぞれ、上述の製造方法(I)における、一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物、パラジウム化合物と同じである。
かかる製造方法(II)では、一般式(4)で表される有機スズ化合物が用いられる。
前記式(4)中、Mは、硫黄原子(S)又はセレン原子(Se)である。電気伝導性、機械的強度を高められやすい点からは、セレン原子が好ましい。
前記式(4)中、R”は、炭素原子数が1〜6のアルキル基を表す。R”におけるアルキル基の炭素原子数は、2〜6が好ましく、4がより好ましい。
複数のR”は、同一でもよいし相違していてもよい。
一般式(4)で表される有機スズ化合物としては、例えばS(Sn(C、Se(Sn(C、Se(Sn(CH等が挙げられる。
尚、前記の「S(Sn(C」を「(BuSn)S」とも表記する。
[第3実施形態]
かかる製造方法(II)としては、例えば、下記の合成経路(c)で、一般式(5)で表される繰返し構造を有するアリール化合物を製造する方法が挙げられる(第3実施形態)。
第3実施形態においては、パラジウム(Pd)の存在下での、Rに2つのXが結合した有機ハロゲン化合物(X−R−X)と有機スズ化合物(M(Sn(R”))との反応によって、繰返し構造−(R−M)−を有する高分子としてアリール化合物(III)が製造される。
Figure 2017128531
[式中、Rは、置換基を有してもよい芳香族環式基を表す。X及びXは、それぞれ独立に、ハロゲン原子を含む官能基、又はハロゲン原子を表す。Mは、硫黄原子又はセレン原子を表す。R”は、炭素原子数が1〜6のアルキル基を表す。]
前記の式中、Rは、上述したRにおける芳香族環式基から水素原子1つをさらに除いた基が挙げられる。
及びXは、それぞれ、上述したXと同様のものが挙げられる。
R”は、上述したR”と同じである。
第3実施形態の製造方法により製造されるアリール化合物としては、例えば以下に示す繰返し構造を有する高分子が挙げられる。
Figure 2017128531
以上説明したように、本実施形態のアリール化合物の製造方法においては、カップリング反応において基質となる有機スズ化合物として、一般式(2)又は一般式(4)で表される化合物を採用したことにより、任意の芳香族環式基を有する有機ハロゲン化合物を用いたカップリング反応が可能となり、効率良く安定にカップリング生成物が得られる。
加えて、本実施形態のアリール化合物の製造方法によれば、様々な芳香族環式基の組合せをもつアリール化合物を容易に製造できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<アリール化合物の製造例>
(実施例1)
4−ブロモトルエンと、ビス(トリブチルスズ)セレニドと、をテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下、トルエン中120℃、1.01×10Paの条件で加熱撹拌した。4時間加熱撹拌した後、反応溶液を室温(25℃)に戻し、分液操作及びカラムクロマトグラフィー等の適切な精製を経た後に、目的のアリール化合物(I−1)を得た。
Figure 2017128531
(実施例2)
2,6−ジブロモ−3,5−ビス(トリメチルシリル)[3,2−b:2’,3’−d]チオフェンと、ビス(トリブチルスズ)セレニドと、をテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下、トルエン中120℃、1.01×10Paの条件で加熱撹拌した。14時間加熱撹拌した後、反応溶液を室温(25℃)に戻し、分液操作及びカラムクロマトグラフィー等の適切な精製を経た後に、目的のアリール化合物(I−2)を得た。
Figure 2017128531
得られたアリール化合物(I−2)について、H−NMR及び13C−NMR、並びに、ESI(エレクトロスプレーイオン化)マススペクトル測定を行い、以下の結果よりその構造を同定した。
H−NMR(400MHz,CDCl):δ0.53(s,72H).;
13C−NMR(100MHz,CDCl):δ147.1,138.3,134.7,134.0,0.67.;
MS(ESI):m/z=1669.71(M).;
IR(KBr):振動数v 2952,2894,1408,1298,1265,1250,1012,987,879,837,758,740,715,695,627,529,404cm−1
(実施例3)
3,3’−ジブロモ−2,2’−ビチオフェンと、ビス(トリブチルスズ)セレニドと、をテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下、トルエン中120℃、1.01×10Paの条件で加熱撹拌した。14時間加熱撹拌した後、反応溶液を室温(25℃)に戻し、分液操作及びカラムクロマトグラフィー等の適切な精製を経た後に、目的のアリール化合物(II−1)を得た。
Figure 2017128531
(実施例4)
1,4−ジブロモベンゼンと、ビス(トリブチルスズ)スルフィドと、をテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下、トルエン中120℃、1.01×10Paの条件で加熱撹拌した。24時間加熱撹拌した後、反応溶液を室温(25℃)に戻し、アセトン及びメタノールで洗浄作業を行い、下記化学式で表される繰返し構造を有する目的のポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂を得た。式中、nは繰返し数を表す。
Figure 2017128531
実施例4の製造方法では、既存の方法(フィリップス・ペトローリアム法、Macallum法、ダウ・ケミカル法)に比べて、より簡便な方法でPPS樹脂が得られた。
(実施例5)
1,4−ジブロモベンゼンと、ビス(トリブチルスズ)セレニドと、をテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下、トルエン中120℃、1.01×10Paの条件で加熱撹拌した。24時間加熱撹拌した後、反応溶液を室温(25℃)に戻し、アセトン及びメタノールで洗浄作業を行い、下記化学式で表される繰返し構造を有する目的のポリフェニレンセレニド(PPSe)樹脂を得た。式中、nは繰返し数を表す。
Figure 2017128531
実施例5の製造方法により、Seを介してベンゼン環同士が結合したPPSe樹脂が容易に得られた。
Seが導入されたPPSe樹脂は、PPS樹脂に比べて、電気伝導性に加えて機械的強度も高まることが期待される。
本発明の態様に係るアリール化合物の製造方法には、原料として、種々の芳香族環式基を有する有機ハロゲン化合物を用いることができる。かかるアリール化合物の製造方法によれば、新規なアリール化合物の簡便な合成が可能となり、多様なニーズに対応したアリール化合物を開発することができる。
かかるアリール化合物の製造方法により、部分構造R−Se−を有するセレン含有アリール化合物、並びに、繰返し構造−(R−S)−を有するアリール化合物、及び、繰返し構造−(R−Se)−を有するアリール化合物をそれぞれ製造することができる。
かかるアリール化合物の製造方法により製造されたアリール化合物は、電子ドナーであり、例えば有機半導体材料、ディスプレイ材料又は色素材料への応用が可能である。
また、かかるアリール化合物の製造方法により製造されたアリール化合物は、エンジニアリングプラスチックとして、表面実装用の電子部品(コネクタ、スイッチ等)、自動車部品(電装部品、エンジン周り、照明関連部品等)への利用も可能である。
加えて、かかるアリール化合物の製造方法により製造されたアリール化合物は、抗がん剤における中間体への応用も期待される。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物と、下記一般式(2)で表される有機スズ化合物と、をパラジウム化合物の存在下でクロスカップリング反応させて、下記一般式(3)で表される部分構造を有するアリール化合物を得る、アリール化合物の製造方法。
    Figure 2017128531
    [式中、Rは、置換基を有してもよい芳香族環式基を表す。Xは、ハロゲン原子を含む官能基、又はハロゲン原子を表す。R’は、炭素原子数が1〜6のアルキル基を表す。*は結合手を示す。]
  2. 下記一般式(1)で表される有機ハロゲン化合物と、下記一般式(4)で表される有機スズ化合物と、をパラジウム化合物の存在下でクロスカップリング反応させて、下記一般式(5)で表される繰返し構造を有するアリール化合物を得る、アリール化合物の製造方法。
    Figure 2017128531
    [式中、Rは、置換基を有してもよい芳香族環式基を表す。Xは、ハロゲン原子を含む官能基、又はハロゲン原子を表す。R”は、炭素原子数が1〜6のアルキル基を表す。Mは、硫黄原子又はセレン原子である。]
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