JP2017128159A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】空気圧を実測することなく、目視によりたわみ状態から空気圧低下の度合を容易に判別することを可能にした空気入りタイヤを提供する。【解決手段】タイヤ側面10に周囲と異なる色からなりタイヤ周方向に延在する装飾帯11または周囲と異なる色からなる装飾要素13がタイヤ周方向に点在した装飾部12を設け、この装飾帯11または装飾部12のタイヤ径方向上端11a,12aをビード部3のリムRとの接触開始位置P1からタイヤ径方向外側に5mm〜15mmの範囲に配置する。【選択図】図3
Description
本発明は、空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、空気圧を実測することなく、目視によりたわみ状態から空気圧低下の度合を容易に判別することを可能にした空気入りタイヤに関する。
車両に装着された空気入りタイヤは、空気圧が低下するとトレッドやサイドウォール部が大きな変形を繰り返しながら走行を行うようになるため、車両の諸性能(例えば、低燃費性、制動性能、コーナリング特性、タイヤ寿命など)が悪化する虞がある。また、空気圧が低いまま走行を続けた場合に、タイヤがバーストして重大な事故に繋がる虞がある。そのため、近年では、走行中のタイヤの空気圧を監視するための装置をタイヤ内に挿入して、タイヤの空気圧を管理することが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、このような監視装置は空気圧センサや電子回路などで構成され、更に、タイヤ内で測定した空気圧情報をタイヤ外に伝達するための送信/受信装置を含むため、高価格であり、広く普及していないのが現状である。また、この監視装置は、タイヤ内に取り付けられる構造物として見た場合には、タイヤの走行性能を高めるものではなく、逆に悪影響を及ぼす虞もある。そのため、このような複雑で高価な監視装置を用いずに、簡便な方法で空気圧低下の度合を判別可能にする対策が求められている。
本発明の目的は、空気圧を実測することなく、目視によりたわみ状態から空気圧低下の度合を容易に判別することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の第一の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、タイヤ側面に周囲と異なる色からなりタイヤ周方向に延在する装飾帯を備え、該装飾帯のタイヤ径方向上端が前記ビード部のリムとの接触開始位置からタイヤ径方向外側に5mm〜15mmの範囲に位置していることを特徴とする。
上記目的を達成するための本発明の第二の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、タイヤ側面に周囲と異なる色からなる装飾要素がタイヤ周方向に点在した装飾部を備え、前記装飾部のタイヤ径方向上端が前記ビード部のリムとの接触開始位置からタイヤ径方向外側に5mm〜15mmの範囲に位置していることを特徴とする。
本発明では、上述のように特定の範囲に上端が配置された装飾帯または装飾部を備えるので、空気圧が低下してタイヤのたわみが増加し、サイドウォール部がリムフランジの形状に沿って変形すると、この変形が大きくなる(空気圧が低下する)につれて装飾帯または装飾部がリムフランジによって徐々に隠されるようになる。従って、装飾帯または装飾部を見ることで、空気圧を実測することなく、目視によりたわみ状態から空気圧低下の度合を容易に判別することが可能になる。
本発明の第一の空気入りタイヤでは、タイヤ径方向に複数列の装飾帯が設けられた仕様にすることが好ましい。このような仕様では、タイヤ径方向に並んだ複数列の装飾帯のうちの、どの装飾帯まで見えているか(どの装飾帯までリムフランジで隠れているか)を確認することで、空気圧の低下状態を段階的に判別することが可能になる。
本発明の第一の空気入りタイヤでは、装飾帯の幅が1mm〜10mmであることが好ましい。これにより、空気圧の低下に応じて装飾帯がリムフランジに隠れる部分と隠れない部分とのバランスが良好になり、空気圧の低下状態を目視で判別するには有利になる。
本発明の第二の空気入りタイヤでは、装飾要素がそれぞれタイヤ径方向に沿って幅が変化する形状を有することが好ましい。これにより、装飾部の当初の形状と空気圧が低下して一部がリムフランジに隠れた際の形状との差が明瞭になり、空気圧の低下状態を目視で判別するには有利になる。
本発明の第二の空気入りタイヤでは、装飾部がタイヤ周上の60%以上を占めることが好ましい。これにより、装飾部が周上に充分に存在するので、タイヤ周上のどの部位が接地した状態であっても装飾部による空気圧の低下状態の判別を行うことが可能になる。
本発明の第一および第二の空気入りタイヤでは、装飾帯または装飾部がタイヤ側面に塗布された塗料からなる仕様にすることもできる。このとき、塗料は蛍光塗料であることが好ましい。この仕様では、既成のタイヤに簡便に装飾帯を設けることができる。また、蛍光塗料を用いた場合には、接地面側の装飾帯または装飾部(即ち、装飾帯または装飾部のリムフランジによって隠される部分)が影になっていたとしても、装飾部自体が蛍光することで視認し易くなり、空気圧の低下状態を目視で判別するには有利になる。更に、空気圧の低下状態の判別を夜間に行うことも可能になる。
本発明の第一および第二の空気入りタイヤでは、装飾帯または装飾部がビード部に埋設された着色ゴムからなる仕様にすることもできる。この仕様では、サイドウォール部やビード部の繰り返し変形等によって、装飾帯または装飾部が摩滅・剥離することを防止することができ、装飾帯または装飾部の耐久性を高めることができる。
尚、本発明において「ビード部のリムとの接触開始位置」とは、タイヤを正規リムにリム組みして空気圧180kPaを充填した状態において、タイヤがリムと接触する部分でタイヤ径方向最外側の位置である。「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、或いはETRTOであれば“Measuring Rim”とする。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1において、符号CLはタイヤ赤道を表す。本発明の空気入りタイヤTは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、このトレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。本発明では、サイドウォール部2とビード部3との外表面を総称して「タイヤ側面10」とする。図1は、この空気入りタイヤTがリムRに装着された状態を示す。
左右一対のビード部3間には1層のカーカス層4が装架されている。このカーカス層4の端部は各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されている。ビードコア5の外周側にはゴムからなる断面三角形状のビードフィラー6が配置されている。トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には、複数層(図示の例では2層)のベルト層7がタイヤ全周に亘って配置されている。これらベルト層7は、例えばスチールコードからなる補強コードを含み、この補強コードがタイヤ周方向に対して例えば10°〜40°の角度で傾斜し、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。更に、ベルト層7の外周側にはベルト補強層8が設けられている。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に配向する有機繊維コードを含む。ベルト補強層8において、有機繊維コードはタイヤ周方向に対する角度が例えば0°〜5°に設定されている。
本発明は、このような一般的な空気入りタイヤTにおいて、タイヤ側面10に後述の装飾帯11または装飾部12を設けるものであるので、その具体的な補強構造は上述の基本構造に限定されるものではない。
装飾帯11は、図2に示すように、タイヤ側面10の周囲とは異なる色からなる一定の幅を有した色線であり、タイヤ側面10においてタイヤ周方向に延在している。この装飾帯11のタイヤ径方向上端11aは、図3に示すように、ビード部3のリムRとの接触開始位置P1からタイヤ径方向外側に5mm〜15mmの範囲に位置している。即ち、装飾帯11のタイヤ径方向上端11aと接触開始位置P1との垂直距離L1が5mm〜15mmである。
このように構成された装飾帯11は、空気入りタイヤTがリムRに装着された状態(規定圧時)では、図2の側面図に示すように、リムRの外縁に沿って延在する色線として視認される。これに対して、空気入りタイヤTがリムRに装着された状態で、空気圧が低下すると、図4,5に示すように、空気入りタイヤTのたわみが増加し、サイドウォール部2がリムRのフランジ部分の形状に沿うように変形するので、接地面側において装飾帯11はリムRのフランジ部によって隠される。空気圧が低下する程、この変形(タイヤTのたわみ)が大きくなるので、装飾帯11のリムRによって隠される部分が増えることになり、この装飾帯11の形状やリムRに隠れた部分またはリムRから露出している部分の量を見ることで、空気圧を実測することなく、目視によりたわみ状態から空気圧低下の度合を容易に判別することが可能になる。尚、この装飾帯11は、上述のようにタイヤTのたわみ状態を目視で判別可能にするものであるので、空気圧低下以外を原因とするたわみ状態(例えば、過積載によるたわみ)の判別にも用いることができる。
このとき、垂直距離L1が5mmよりも小さいと、タイヤTがリムRに装着された状態で装飾帯11がリムRから露出する部分が小さくなり、空気圧が適正な状態でも装飾帯11がリムRに隠れる虞があり、装飾帯11による空気圧低下の判別が困難になる。垂直距離L1が15mmよりも大きいと、空気圧が低下した状態でも、装飾帯11がリムRに充分に隠れず、リムRから露出している部分の幅が変化したことが認識し難くなり、装飾帯11による空気圧低下の判別が困難になる。
装飾帯11は上述のように全周に亘って一定の幅を有するが、その幅は例えば1mm〜10mmに設定することが好ましい。装飾帯11の幅が一定でなく、幅が狭い部分と広い部分とが存在すると、装飾帯11の部位によってリムRに対する隠れ方が変わってしまい、たわみ状態(空気圧低下の程度)を正しく判別することが難しくなる。また、装飾帯11の幅が1mmよりも小さいと、装飾帯11が細くなるため、装飾帯11自体の視認性が悪くなる。装飾帯11の幅が10mmよりも大きいと、空気圧が低下した状態でも、装飾帯11がリムRに充分に隠れ難くなり、リムRから露出している部分の幅が変化したことが認識し難くなり、装飾帯11による空気圧低下の判別が困難になる。
装飾帯11は、その上端位置11aが上述の範囲を満たしており、その幅が上述の範囲に設定されることが好ましいが、更に、その下端位置11bがリムRのフランジ部のタイヤ径方向最外側の点P2よりもタイヤ径方向内側に位置することが好ましい。このように下端位置11bを設定することで、規定圧時において装飾帯11がリムRの外縁に接して見えるようになり、装飾帯11の幅の変化(隠れ方の変化)の基点が明確になり、空気圧の低下状態を目視で判別するには有利になる。尚、この点P2の位置は、タイヤTやリムRのサイズによって変化するが、一般的なタイヤでは、この点P2は、例えばビードトウ3aの位置からタイヤ径方向外側に17.5mmの位置である(つまり、ビードトウ3aと装飾帯11のタイヤ径方向下端12aとの垂直距離L2は17.5mm以下であることが好ましい)。
図2,4に示す例では、装飾帯11はタイヤ周方向に連続的に延在しているが、例えば図6に示すように、装飾帯11がタイヤ周方向に断続的に延在するようにしてもよい。この場合も、空気圧が低下することで、図7に示すように接地面側の装飾帯11がリムRによって隠されることになり、目視による空気圧低下の判別が可能になる。このように装飾帯11が断続的に延在する場合、装飾帯11の周長の総和が、装飾帯11が設けられた部位におけるタイヤ周長の60%以上であることが好ましい。
装飾帯11は、少なくともタイヤ側面10の周囲の色(通常のタイヤでは黒色)と異なる色を有していればよく、例えば白色、黄色、赤色などを採用することができる。更に、装飾帯11は、低圧時に装飾帯11を隠すリムRの色(通常は銀色)に対して判別し易いことが好ましいので、特に黄色、赤色などの明度・彩度の高い色を採用することが好ましい。
装飾帯11は、タイヤ径方向に配列された複数列を設けることもできる。この仕様では、タイヤ径方向に並んだ複数列の装飾帯11のうちの、どの装飾帯まで見えているか(どの装飾帯11までリムRで隠れているか)を確認することで、空気圧の低下状態を段階的に判別することが可能になる。このように複数列の装飾帯11を設ける場合も、各装飾帯11の幅は前述の1mm〜10mmであるとよい。装飾帯11の列を増やすほど装飾帯11全体の幅が増加することを鑑みると、装飾帯11全体の幅が過大にならないように装飾帯11の本数は5列以下に収めることが好ましい。複数列の装飾帯11は互いに接触していても離間していてもよいが、互いに接触する態様では各装飾帯11を判別可能にするために少なくとも隣接する装飾帯11どうしを異なる色にするとよい。
装飾帯11は、例えば、タイヤ側面10の周囲の色と異なる色の塗料を塗布することで構成することができる。このとき、塗料は蛍光塗料であることが好ましい。この仕様では、既成のタイヤに簡便に装飾帯11を設けて、目視による空気圧低下の判別を可能にすることができる。特に、蛍光塗料を用いた場合には、接地面側の装飾帯11(即ち、装飾帯11のリムRのフランジ部によって隠される部分)が影になっていたとしても、装飾帯11自体が蛍光を生じることで視認し易くなり、空気圧の低下状態を目視で判別するには有利になる。また、空気圧低下の判別を夜間に行うことも可能になる。尚、上述の蛍光塗料は、広義の「蛍光」を生じる塗料であり、光を蓄えて暗所で発光する蓄光塗料や夜光塗料等を含むものである。
或いは、ビード部3に着色ゴムを埋設することで装飾帯11を構成することもできる。この仕様では、サイドウォール部2やビード部3の繰り返し変形等によって装飾帯11が摩滅・剥離することを防止することができ、装飾帯11の耐久性を高めることができる。尚、本発明では、タイヤ側面(サイドウォール部2およびビード部4の外表面)において視認される装飾帯11の形状が重要であるので、このように装飾帯11として着色ゴムを埋設する場合、装飾帯11の端部11a,11bや、上述の寸法等はタイヤ側面(サイドウォール部2およびビード部4の外表面)において定義されるものとする。
上述の実施形態では装飾帯11を用いて空気圧の低下状態を判別していたが、この装飾帯11に代えて、図8に示すように、周囲と異なる色からなる装飾要素13がタイヤ周方向に点在した装飾部12を用いることもできる。この装飾部12は全体としては、前述の装飾帯11と同様に配置される。即ち、図2,4,6,7において装飾帯11として示された斜線部内に、装飾要素13を点在させることで装飾部12が構成される。尚、図8以降の装飾部12の説明図は、図2,4,6,7における一点鎖線で囲った部分Xに相当する領域を拡大して示すものである。
即ち、装飾部12のタイヤ径方向上端12aは、図3における装飾帯11のタイヤ径方向上端11aと対応し、ビード部3のリムRとの接触開始位置P1からタイヤ径方向外側に5mm〜15mmの範囲に位置する。即ち、装飾部12のタイヤ径方向上端12aと接触開始位置P1との垂直距離L1が5mm〜15mmである。
このような装飾部12を用いた場合、空気入りタイヤTがリムRに装着された状態(規定圧時)では、図8に示すように、リムRの外縁に沿って複数の装飾要素13がタイヤ周方向に間隔をおいて配列した状態が視認される。これに対して、空気入りタイヤTがリムRに装着された状態で、空気圧が低下して空気入りタイヤTのたわみが増加すると、図9に示すように、接地面側において装飾部12(装飾要素13)の一部はリムRのフランジ部によって隠される。空気圧が低下する程、この変形(タイヤTのたわみ)が大きくなるので、装飾部12(装飾要素13)のリムRによって隠される部分が増えることになり、この装飾部12(装飾要素13)の形状やリムRに隠れた部分またはリムRから露出している部分の量を見ることで、空気圧を実測することなく、目視によりたわみ状態から空気圧低下の度合を容易に判別することが可能になる。尚、この装飾部12も、装飾帯11と同様に、空気圧低下以外を原因とするたわみ状態(例えば、過積載によるたわみ)の判別にも用いることができる。
このように複数の装飾要素13からなる装飾部12を設ける場合、装飾部12がタイヤ周上の60%以上を占めることが好ましい。更に、各補強要素13が、タイヤ周方向に等間隔で配置されることが好ましい。このように装飾部12が周上に充分に存在し、更に均等に配置されることで、タイヤ周上のどの部位が接地した状態であっても装飾部12による空気圧の低下状態の判別を行うことが可能になる。
尚、図10に示すように、複数の装飾要素13からなる装飾要素群を周方向に間隔をおいて配置することで装飾部12を構成することもできる。この態様は、図6,7における断続的に延在する装飾帯11に類似の構造であり、この図6,7における斜線部が装飾要素群に対応する。
装飾部12を構成する各装飾要素13の形状は特に限定されないが、リムRによって隠された際の形状の変化が明確になるように、タイヤ径方向に沿って幅が変化する形状にすることが好ましい。このような形状としては、例えば、図8〜10に示す三角形状、図11に示す略半円形状等を例示することができる。また、図12に示すように、装飾要素13自体が点状の要素の組み合わせであってもよい。この図12の例では、点状の要素が三角形状に配置されて1つの装飾要素13が構成され、この装飾要素13が周方向に点在している。
或いは、装飾部12全体としてリムRに隠された際の形状の変化が明確になるように、径方向に沿って装飾要素13の配置密度が変化するようにしてもよい。例えば、前述の図12の例は、見方を変えると、点状の装飾要素13が多数設けられて、この装飾要素13の配置密度がリムRに近い側よりもリムRから遠い側で小さくなっている。この場合、装飾部12がリムRに近い側から隠れていくにつれて、装飾要素13の配置が疎である部分が残るので、リムRに隠れることによる装飾部12の形状の変化が明瞭になる。
各装飾要素13のタイヤ径方向長さは、前述の装飾帯11の幅に対応し、例えば1mm〜10mmに設定することが好ましい。即ち、装飾要素13のタイヤ径方向長さが1mmよりも小さいと、装飾要素13が小さくなるため、装飾要素13自体の視認性が悪くなる。装飾帯13のタイヤ径法長さが10mmよりも大きいと、空気圧が低下した状態でも、装飾要素13(装飾部12)がリムRに充分に隠れ難くなり、装飾帯11による空気圧低下の判別が困難になる。
各装飾要素13は、装飾帯11と同様に、タイヤ側面10に塗布された塗料またはビード部3に埋設された着色ゴムで構成することができ、塗料を用いる場合は蛍光塗料を用いることが好ましい。尚、周上に点在する装飾要素13を着色ゴムで構成する場合、単純に多数の着色ゴムを埋設しようとすると製造工程が煩雑になるが、例えば、タイヤ内面に着色ゴムを埋設し、ベントホールを用いてこのタイヤ内面の着色ゴムを吸い出すことで、着色ゴムからなるスピューを形成し、このスピューをカットしてタイヤ表面に残される着色ゴムからなるスピューの根元部分を装飾要素13とすることもできる。
タイヤサイズ195/65R15である空気入りタイヤにおいて、図1の基本構造を有し、装飾帯の有無、装飾帯の本数、装飾帯のタイヤ径方向上端と接触開始位置P1との垂直距離L1、装飾帯の幅、装飾帯の材質を表1のように異ならせた従来例1、比較例1〜2、実施例1〜8の11種類のタイヤを製作した。
また、タイヤサイズ195/65R15である空気入りタイヤにおいて、図1の基本構造を有し、複数の装飾要素からなる装飾部の有無、各装飾要素の形状、装飾部のタイヤ径方向上端と接触開始位置P1との垂直距離L1、装飾部の周上に占める割合、装飾帯の材質を表2のように異ならせた従来例2、比較例3〜4、実施例9〜16の11種類のタイヤを製作した。
尚、実施例6〜8を除く比較例および実施例において、装飾帯または装飾部は黄色を有し、実施例6〜8では、装飾帯は黄色と赤色の2色を有する。装飾部を備える比較例3〜4および実施例9〜16において、各装飾要素のタイヤ径方向長さは10mmで共通にした。
表1の「装飾帯の材質」の欄および表2の「装飾部の材質」の欄について、装飾帯または装飾部がビード部に埋設された着色ゴムからなる場合を「ゴム」、タイヤ側面に塗布された蛍光塗料からなる場合を「塗料」と示した。表2の「装飾要素の形状」の欄については、対応する図面の番号を付記している。尚、実施例9〜14は、いずれも図8の態様の装飾部(装飾要素)を有する例であり、実施例16は、図10の態様の装飾部(装飾要素)を有する例であるが、実施例15については、図11の形状の装飾要素が図8のように配列されて装飾部が構成された例である。
これら試験タイヤについて、下記の評価方法により、空気圧の低下状態を確認するまでの所要時間と、装飾帯または装飾部による判定の正確性を評価し、その結果を表1〜2に併せて示した。
所要時間
各試験タイヤをリムサイズ15×6Jのホイールに組み付けて、空気圧を適正値(220kPa)よりも低い180kPaとして、試験車両に装着した状態で、5名のパネラーが空気圧の低下状態を確認するまでの所要時間を測定した。尚、従来例1および従来例2では、エアゲージを用いてタイヤ内圧を実測するまでの所要時間である。評価結果は、5名のパネラーによる所要時間の平均値を用いた。この所要時間が短いほど、空気圧の低下状態の確認が容易であることを意味する。
各試験タイヤをリムサイズ15×6Jのホイールに組み付けて、空気圧を適正値(220kPa)よりも低い180kPaとして、試験車両に装着した状態で、5名のパネラーが空気圧の低下状態を確認するまでの所要時間を測定した。尚、従来例1および従来例2では、エアゲージを用いてタイヤ内圧を実測するまでの所要時間である。評価結果は、5名のパネラーによる所要時間の平均値を用いた。この所要時間が短いほど、空気圧の低下状態の確認が容易であることを意味する。
正確性
各試験タイヤをリムサイズ15×6Jのホイールに組み付けて、試験車両に装着し、装着したタイヤのうち1本の空気圧を180kPaとし、他の空気圧を適正値(220kPa)とした状態で、5名のパネラーにより空気圧が低下したタイヤを発見する試験を行った。評価結果は、空気圧が低いタイヤを正しく指摘することができたパネラーが4人以上の場合を「○」、4人未満の場合を「×」で示した。この評価結果が「○」であれば、空気圧の低下状態の正確な判別が可能であることを意味する。
各試験タイヤをリムサイズ15×6Jのホイールに組み付けて、試験車両に装着し、装着したタイヤのうち1本の空気圧を180kPaとし、他の空気圧を適正値(220kPa)とした状態で、5名のパネラーにより空気圧が低下したタイヤを発見する試験を行った。評価結果は、空気圧が低いタイヤを正しく指摘することができたパネラーが4人以上の場合を「○」、4人未満の場合を「×」で示した。この評価結果が「○」であれば、空気圧の低下状態の正確な判別が可能であることを意味する。
表1,2から判るように、実施例1〜8、実施例9〜16の空気入りタイヤは、それぞれ従来例1、従来例2との対比において、空気圧の低下状態を確認するまでの所要時間を短縮することができ、また、空気圧の低下状態を適切に判別することができた。一方、比較例1、比較例3は、垂直距離L1が小さ過ぎるため、リムRから露出する装飾帯または装飾部の量自体が小さく視認し難く、また、空気圧の低下に伴う装飾帯または装飾部の変化が判別し難く、空気圧の低下状態を確認するまでの所要時間を充分に短縮することができず、また、空気圧の低下状態を適切に判別することができなかった。また、比較例2、比較例4は、垂直距離L1が大き過ぎるため、空気圧の低下に伴う装飾帯または装飾部の変化が判別し難く、空気圧の低下状態を適切に判別することができなかった。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルト補強層
10 タイヤ側面
11 装飾帯
12 装飾部
13 装飾要素
CL タイヤ赤道
P1 接触開始位置
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルト補強層
10 タイヤ側面
11 装飾帯
12 装飾部
13 装飾要素
CL タイヤ赤道
P1 接触開始位置
Claims (12)
- タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、
タイヤ側面に周囲と異なる色からなりタイヤ周方向に延在する装飾帯を備え、該装飾帯のタイヤ径方向上端が前記ビード部のリムとの接触開始位置からタイヤ径方向外側に5mm〜15mmの範囲に位置していることを特徴とする空気入りタイヤ。 - タイヤ径方向に複数列の前記装飾帯が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記装飾帯の幅が1mm〜10mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記装飾帯がタイヤ側面に塗布された塗料からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記塗料が蛍光塗料であることを特徴とする請求項4に記載の空気入りタイヤ。
- 前記装飾帯が前記ビード部に埋設された着色ゴムからなることから特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、
タイヤ側面に周囲と異なる色からなる装飾要素がタイヤ周方向に点在した装飾部を備え、前記装飾部のタイヤ径方向上端が前記ビード部のリムとの接触開始位置からタイヤ径方向外側に5mm〜15mmの範囲に位置していることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記装飾要素がそれぞれタイヤ径方向に沿って幅が変化する形状を有することを特徴とする請求項7に記載の空気入りタイヤ。
- 前記装飾部がタイヤ周上の60%以上を占めることを特徴とする請求項7または8に記載の空気入りタイヤ。
- 前記装飾部がタイヤ側面に塗布された塗料からなることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記塗料が蛍光塗料であることを特徴とする請求項10に記載の空気入りタイヤ。
- 前記装飾部が前記ビード部に埋設された着色ゴムからなることから特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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Cited By (1)
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WO2023105824A1 (ja) * | 2021-12-09 | 2023-06-15 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
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2016
- 2016-01-18 JP JP2016007232A patent/JP2017128159A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023105824A1 (ja) * | 2021-12-09 | 2023-06-15 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
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