JP2017127052A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のN極マグネット16Nと複数のS極マグネット16Sとが回転方向に沿って順番に配置されたマグネット16を有するロータ4と、マグネット16の少なくとも一部に対向するように、かつ回転方向に沿って並んで配置された3つのホールIC50u,50v,50wと、を備え、マグネット16は、N極面の全体が一様にN極に着磁されていると共に、S極面の全体が一様にS極に着磁されており、かつロータ4の所定の回転位置においてのみ、3つのホールIC50u,50v,50wが、それぞれ同一の磁極信号を出力するように形成または配置されている。
【選択図】図4
Description
ところで、マグネットの磁気変化を検出するホールIC等の磁気検出部は、U,V,Wの3相のコイルの転流タイミングを検出する役割と、エンジンの点火タイミングを検出するための点火タイミングを検出する役割と、を有する。そして、これらの役割を磁気検出部によって満足させるためのさまざまな技術が開示されている。
この特許文献1によれば、3つの磁気検出部で3相のコイルの転流タイミングとエンジンの点火タイミングの両者のタイミングを検出することができる。
また、マグネットにおける3つの磁気検出部の通過領域が小さくなるので、異形極面の異形形状を、極力標準極面の形状に合わせることができる。このため、異形極面を形成することによる回転電機の性能低下を確実に抑えることが可能になる。
(回転電機)
図1は、回転電機1の斜視図、図2は、回転電機1のロータ4を断面とした側面図である。
図1、図2に示すように、回転電機1は、例えば自動二輪車等の車両用エンジンの始動発電機として用いられるものであって、3相ブラシレス型の回転電機である。回転電機1は、不図示のエンジンブロックに固定されるステータ2と、エンジンのクランクシャフト(不図示)に固定されるロータ4と、ロータ4の回転位置を検出する位置検出センサ6と、を備えている。なお、以下の説明において、ロータ4の回転軸方向を単に軸方向と称し、回転軸方向に直交するステータ2の径方向を単に径方向と称し、ロータ4の回転方向を単に回転方向、または周方向と称する。
ステータ2は、電磁鋼板を積層して成るステータ鉄心2Aと、ステータ鉄心2Aに巻回される3相構造の複数のコイル10と、を備えている。ステータ鉄心2Aは、円環状に形成された本体部2aと、この本体部2aの外周面から径方向外側に向かって放射状に突出する複数のティース部2bと、を有している。各ティース部2bは、軸方向平面視で略T字状に形成されており、その先端部に、周方向両側に延出する爪片3が形成されている。
コイル10は、ステータ2から引き出され、リード線100bを介して制御装置30に接続されている。リード線100bは、保護チューブ102bによって束ねられた状態でその周囲を保護されている。
制御装置30は、エンジンの始動時には所定のタイミングでコイル10に電流を供給することによって、ロータ4とクランクシャフトとを回転させる。また、エンジンの始動後には、ロータ4の回転に伴う発電電力を不図示のバッテリに充電し、または、直接使用に供する。
ロータ4は、磁性材料から成る有底円筒状のロータヨーク12と、このロータヨーク12の底壁12aに同軸に固定されたボス部14と、を備え、ボス部14には、不図示のエンジンのクランクシャフトが一体回転可能に結合されるようになっている。
同図に詳示するように、ロータ4のロータヨーク12の内周面には、複数のマグネット16が周方向に沿って並んで取り付けられている。各マグネット16は、軸方向に長い略長方形状に形成されており、それぞれ周方向の幅の中心位置が等間隔になるように配置されている。また、各マグネット16は、径方向内側に向く面(ステータ2のティース部2bと径方向で対向する面)の磁極が順番になるように配置されている。すなわち、各マグネット16の径方向内側の面は、N極面16NとS極面16Sとが周方向に順番になっている。なお、以下の説明において、径方向内側がN極面16Nとなっているマグネット16を、N極マグネット16Nと称し、径方向内側がS極面16Sとなっているマグネット16をS極マグネット16Sと称する。
このため、各マグネット16の周方向の間隔は、異形マグネット16bの周方向の両側の間隔が狭くなっており、その他の間隔は全て同一でかつ若干広くなっている。
図2、図3に示すように、位置検出センサ6は、センサケース20と、ロータ4のマグネット16の磁極を検出する3つのホールIC50u,50v,50w(U相のホールIC50u、V相のホールIC50v、W相のホールIC50w)と、各ホールIC50u,50v,50wによる出力信号を保持する保持回路51と、を主構成としている。
センサケース20は、ステータ2の切欠き部7が形成されている側からステータ2にセットされるようになっており、隣接する特定ティース部2Bに形成される各切欠き部7の対に収納される脚部80a,80b,80cを有している。各脚部80a,80b,80cは、軸方向に沿って延出形成されている。これら脚部80a,80b,80c内に、各ホールIC50u,50v,50wが収納されている。
図4(a)は、各ホールIC50u,50v,50wによってマグネット16(N極マグネット16N、S極マグネット16S)を検出した際の磁極信号の波形図、図4(b)は、マグネット16と各ホールIC50u,50v,50wとの位置関係を示す模式図である。なお、図4において、各ホールIC50u,50v,50wは、N極を「1」として検出し、S極を「0」として検出するものとする(以下の実施形態についても同様)。
このとき、上記のような各ホールIC50u,50v,50wの磁極信号に対応して、各コイル10に供給する電流を転流する。すると、ステータ2のティース部2bに形成される磁束と、各マグネット16との間の生じる磁気的な吸引力や反発力により、ロータ4が継続的に回転する。
複数のマグネット16は、1つの異形マグネット16bを有している。異形マグネット16bの周方向の幅W1は、3つのホールIC50u,50v,50wが配列されている幅W2とほぼ同一に設定されている(図3参照)ので、3つのホールIC50u,50v,50wの全てが異形マグネット16bと対向するときが、ロータ4が1回転するうちに1箇所だけ存在する。
(ロータ)
次に、図5に基づいて、第2実施形態について説明する。なお、前述の第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明を省略する。
図5(a)は、各ホールIC50u,50v,50wによってマグネット216(N極マグネット16N、S極マグネット16S)を検出した際の磁極信号の波形図、図5(b)は、マグネット216と各ホールIC50u,50v,50wとの位置関係を示す模式図である。これら図5(a)、図5(b)は、それぞれ図4(a)、図4(b)に対応している。
図5(a)、図5(b)に示すように、第1実施形態と第2実施形態との相違点は、第1実施形態におけるロータ4の複数のマグネット16の構成と、第2実施形態におけるロータ204のマグネット216の構成とが異なる点にある。
次に、各ホールIC50u,50v,50wから出力された磁極信号に基づくロータ204の回転位置、および円周上の絶対位置の検出方法について詳述する。
ロータ204が回転し、複数のマグネット16のうちの標準マグネット16aの前、およびこれら標準マグネット16a間の間隔K2の前を各ホールIC50u,50v,50wが通過しているときは、各ホールIC50u,50v,50wは「1,1,0」「0,1,0」「0,0,1」・・・のように、2つが同一で一つのみ相違する3ビットの信号を出力することになる。
したがって、上述の第2実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
(ロータ)
次に、図6に基づいて、第3実施形態について説明する。
図6(a)は、各ホールIC50u,50v,50wによってマグネット16(N極マグネット16N、S極マグネット16S)を検出した際の磁極信号の波形図、図6(b)は、マグネット216と各ホールIC50u,50v,50wとの位置関係を示す模式図である。これら図6(a)、図6(b)は、それぞれ図4(a)、図4(b)に対応している。
図6(a)、図6(b)に示すように、第1実施形態と第3実施形態との相違点は、第1実施形態におけるロータ4の各マグネット16の配置間隔と、第3実施形態におけるロータ304の各マグネット16の配置間隔とが異なる点にある。
(ロータ)
次に、図7に基づいて、第4実施形態について説明する。
図7(a)は、各ホールIC50u,50v,50wによってマグネット416(N極マグネット16N、S極マグネット16S)を検出した際の磁極信号の波形図、図7(b)は、マグネット216と各ホールIC50u,50v,50wとの位置関係を示す模式図である。これら図7(a)、図7(b)は、それぞれ図4(a)、図4(b)に対応している。
図7(a)、図7(b)に示すように、第1実施形態と第4実施形態との相違点は、第1実施形態におけるロータ4の各マグネット16の配置間隔と、第4実施形態におけるロータ404の各マグネット416の配置間隔とが異なる点にある。
(ロータ)
次に、図8に基づいて、第5実施形態について説明する。
図8は、ロータ504の内周側を展開して示した図であって、前述の図3に対応している。
同図に示すように、第1実施形態と第5実施形態との相違点は、第1実施形態のマグネット16は、異形マグネット16bが1つであるのに対し、第5実施形態のマグネット516は、異形マグネット516b,516c,516dが3つである点にある。
これにより、第1異形マグネット516bは、各ホールIC50u,50v,50wが配置されている側における端部(図8における上側の端部、以下、上端という)の周方向の幅W3が、各ホールIC50u,50v,50wが配置されている側とは反対側(図8における下側)における端部の周方向の幅W4よりも大きくなっている。
第2異形マグネット516c(図8における第1異形マグネット516bの右側のマグネット)には、第1異形マグネット516b側の一辺に、第1異形マグネット516bの傾斜辺517aに対応するように斜めに延びる傾斜辺517cが形成されている。
第3異形マグネット516d(図8における第1異形マグネット516bの左側のマグネット)には、第1異形マグネット516b側の一辺に、第1異形マグネット516bの傾斜辺517bに対応するように斜めに延びる傾斜辺517dが形成されている。
さらに、第1異形マグネット516bの上端の幅W3は、3つのホールIC50u,50v,50wが配列されている幅W2よりもやや大きくなるように設定されている。
(ロータ)
次に、図9に基づいて、第5実施形態について説明する。
図8は、ロータ604の内周側を展開して示した図であって、前述の図8に対応している。
同図に示すように、第5実施形態と第6実施形態との相違点は、第5実施形態の3つの異形マグネット516b,516c,516dの形状と、第5実施形態の3つの異形マグネット616b,616c,616dの形状とが異なる点にある。
第2異形マグネット616c(図8における第1異形マグネット616bの右側のマグネット)、および第3異形マグネット616d(図8における第1異形マグネット616bの左側のマグネット)には、それぞれ第1異形マグネット616b側の一辺に、この第1異形マグネット616bの幅広部619を受け入れる凹部620a,620bが形成されている。
例えば、上述の実施形態では、回転電機1は、自動二輪車等の車両用エンジンの始動発電機として用いられるものである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、さまざまな電動機に回転電機1を採用することが可能である。
この場合、各マグネット16のホールIC50u,50v,50wに対応させる側を延出形成し、ステータ2に対してオーバーハングさせる。これにより、各マグネット16とホールIC50u,50v,50wとを径方向で対向させることができるので、上述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、上述の実施形態では、マグネット16〜616の磁気を検出する素子としてホールIC50u,50v,50wを用いた場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、マグネット16〜616の磁気を検出可能であればよく、ホールIC50u,50v,50wに代えてさまざまな電子部品を使用することが可能である。
2…ステータ
4,204,304,404,504,604…ロータ
16,216,416,516,616…マグネット
16a…標準マグネット(標準極面)
16b,216b,416b…異形マグネット(異形極面)
16N…N極面、N極マグネット
16S…S極面、S極マグネット
50u…U相のホールIC(磁気検出部)
50v…V相のホールIC(磁気検出部)
50w…W相のホールIC(磁気検出部)
51…保持回路
516b,616b…第1異形マグネット(異形極面)
516c,616c…第2異形マグネット(異形極面)
516d,616d…第3異形マグネット(異形極面)
517a,517b,517c,517d…傾斜辺
619…幅広部
620a,620b…凹部
Claims (7)
- 複数のN極面と複数のS極面とが回転方向に沿って順番に配置されたマグネットを有するロータと、
前記マグネットの少なくとも一部に対向するように、かつ前記回転方向に沿って並んで配置された3つの磁気検出部と、
を備え、
前記マグネットは、
前記N極面の全体が一様にN極に着磁されていると共に、前記S極面の全体が一様にS極に着磁されており、
かつ前記ロータの所定の回転位置においてのみ、前記3つの磁気検出部が、それぞれ同一の磁極信号を出力するように形成または配置されていることを特徴とする回転電機。 - 前記マグネットは、
前記複数のN極面および前記複数のS極面のうち、少なくとも何れか1つの極面が異形状に形成された異形極面とされ、
該異形極面以外の極面が同一形状に形成された標準極面とされていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。 - 前記マグネットは、前記異形極面を1つ有し、
前記異形極面は、前記標準極面と比較して前記回転方向の幅が大きく形成されており、
前記回転方向の幅は、前記3つの磁気検出部が同時に前記異形極面と対向可能な幅に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の回転電機。 - 前記磁気検出部による磁極信号の出力結果を保持する保持回路を有し、
前記マグネットは、前記複数のN極面と前記複数のS極面とが各々別々に構成されていると共に、前記異形極面を1つ有し、
前記異形極面は、前記標準極面と比較して前記回転方向の幅が小さく形成されており、
前記回転方向における前記N極面と前記S極面との間の幅が、1箇所だけ幅広に形成されており、
該1箇所の幅は、前記3つの磁気検出部のうちの2つの磁気検出部がそれぞれ異極の極面と対向しない幅に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の回転電機。 - 前記異形極面を3つ有し、
3つの前記異形極面は、前記回転方向に並んで配置されており、
3つの前記異形極面のうち中央の異形極面は、前記回転方向の両辺が回転軸に対して斜めに延びるように形成されており、
3つの前記異形極面のうち前記回転方向両側の異形極面は、前記中央の異形曲面側の辺のみ、該中央の異形曲面の辺に対応するように斜めに延びるように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の回転電機。 - 前記磁気検出部による磁極信号の出力結果を保持する保持回路を有すると共に、前記異形極面を2つ有し、
2つの前記異形極面は、前記標準極面を1つ間に挟んで両側に配置され、
前記2つの異形極面には、前記3つの磁気検出部のうち、前記回転方向の最前に位置する磁気検出部の通過領域に切欠部が形成されており、
前記切欠部の大きさは、前記3つの磁気検出部のうちの2つの磁気検出部がそれぞれ異極の極面と対向しない大きさに設定されていることを特徴とする請求項2に記載の回転電機。 - 前記3つの磁気検出部は、回転軸方向の高さが全て同一高さに配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の回転電機。
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