最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る交通流制御装置は、交通抑制が行われる予定のある抑制エリアに基づくエリアである対象エリアを示すエリア情報を取得するエリア取得部と、前記交通抑制の予定される時間帯を示す時間帯情報を取得する時間帯取得部と、前記対象エリアを前記時間帯に走行すると予測される車両である対象車両を抽出する抽出部と、前記対象エリアを前記時間帯に走行しないことを依頼する旨を示す依頼情報を前記対象車両に対応する端末装置に通知する通知部とを備える。
このような構成により、対象車両のドライバは、渋滞の発生する可能性の高い対象エリア、および渋滞の発生する可能性の高い時間帯(以下、抑制時間帯とも称する。)を端末装置への通知内容から認識することができるので、抑制時間帯における対象エリアの走行を回避することができる。これにより、抑制時間帯において対象エリアを走行する車両の台数を減ずることができるので、渋滞の発生する可能性を下げることができる。したがって、対象エリアにおける渋滞を軽減することができる。
(2)好ましくは、前記対象エリアは、前記抑制エリアに接続される道路区間および前記抑制エリアを含むエリアである。
このような構成により、抑制エリアだけでなく、交通抑制によって渋滞の発生する可能性の高い道路区間において、抑制時間帯における車両の走行を回避させることができる。また、抑制エリアに接続される道路区間を用いて対象エリアの範囲を特定することができるので、対象車両のドライバは、対象エリアを容易に認識することができる。
(3)好ましくは、前記交通流制御装置は、さらに、前記対象エリアを決定する決定部を備え、前記決定部は、道路区間を走行する車両が前記抑制エリアを走行する確率に基づいて、複数の道路区間のうち、前記対象エリアに含める道路区間を選択する。
このような構成により、交通抑制によって渋滞の発生する可能性の高い道路区間を精度よく選択することができるので、対象エリアの範囲を適切に決定することができる。
(4)好ましくは、前記抽出部は、前記抑制エリアを基準とする上流エリアおよび下流エリアを特定し、特定した前記上流エリアから前記下流エリアへ走行する車両の中から、前記対象エリアを前記時間帯に走行すると予測される前記対象車両を抽出する。
このように、交通抑制の方向へ走行する車両の中から対象車両を抽出する構成により、より適切な車両を対象車両として抽出することができる。
(5)好ましくは、前記抽出部は、車両の過去または将来の走行経路を示す軌跡情報に基づいて、前記対象エリアを前記時間帯に走行する前記対象車両を抽出する。
このような構成により、軌跡情報からたとえば各車両の過去または将来の走行パターンを得ることができるので、対象車両を精度よく抽出することができる。
(6)好ましくは、前記依頼情報は、公共交通機関を利用する旨、および前記時間帯とは異なる時間帯に前記対象エリアを通過する旨の少なくともいずれか一方を示す。
このように、抑制時間帯において対象エリアを走行する車両の台数を減ずる効果的な方法を提示する構成により、対象エリアにおける渋滞の発生の可能性をより下げることができる。
(7)好ましくは、前記交通流制御装置は、さらに、前記依頼情報に対する前記端末装置からの応答情報を取得する応答取得部と、前記応答取得部によって取得された前記応答情報の内容に基づく対価を算出する算出部を備える。
このような構成により、応答情報の内容に応じた適切な対価を算出することができるので、ドライバの満足度を高めることができる。これにより、ドライバの協力が得られやすくなるので、対象エリアにおける渋滞の発生の可能性をより下げることができる。
(8)好ましくは、前記交通流制御装置は、さらに、前記抑制エリアにおいて交通抑制が行われていないときの車両の走行台数、および予定される前記交通抑制の内容に基づいて、前記時間帯に前記対象エリアを走行させる車両の走行台数および削減台数の少なくともいずれか一方に係る目標を設定する設定部と、前記依頼情報に対する前記端末装置からの応答情報を取得する応答取得部とを備え、前記通知部は、前記設定部によって設定された前記目標、および前記応答取得部によって取得された前記応答情報に基づいて、他の前記端末装置に前記依頼情報を通知するか否かを決定する。
このような構成により、対象エリアにおける渋滞の発生を防ぐために適切な目標を設定することができ、また、設定した目標に対する対象車両の交通抑制への参加台数の達成状況を取得することができる。そして、たとえば当該目標に未達の場合において他の端末装置に依頼情報を通知することにより、目標達成の可能性を高めることができるので、対象エリアにおける渋滞の発生の可能性をより下げることができる。
(9)好ましくは、前記抽出部は、前記依頼情報に対する前記端末装置からの過去の応答情報の内容に基づいて前記対象車両を抽出する。
このような構成により、過去の応答情報の内容から依頼に対するドライバの積極性を認識することができるので、積極性の高いドライバの対象車両をより確実に抽出することができる。
(10)好ましくは、前記抽出部は、前記依頼情報に対する前記対象車両の行動実績に基づいて前記対象車両を抽出する。
このような構成により、依頼情報の内容に沿って行動する可能性の高い対象車両をより確実に抽出することができる。
(11)より好ましくは、前記交通流制御装置は、さらに、前記抑制エリアにおいて交通抑制が行われていないときの車両の走行台数、および予定される前記交通抑制の内容に基づいて、前記時間帯に前記対象エリアを走行させる車両の走行台数および削減台数の少なくともいずれか一方に係る目標を設定する設定部を備え、前記抽出部は、前記設定部によって設定された前記目標にさらに基づいて前記対象車両を抽出する。
このような構成により、対象エリアにおける渋滞の発生を防ぐためにより適切な目標を設定することができるので、適正な台数の対象車両を抽出することができる。
(12)より好ましくは、前記抽出部は、前記依頼情報に対する前記端末装置からの過去の応答情報の内容、および前記依頼情報に対する対応の前記対象車両の行動実績の少なくともいずれか一方に基づいて評価値を算出し、算出した前記評価値に基づいて前記対象車両を抽出する。
このような構成により、依頼に対するドライバの積極性、および対象車両が依頼情報の内容に沿って行動する可能性の少なくともいずれか一方を数値化することができるので、優先的に抽出すべき対象車両を容易に判断することができる。
(13)より好ましくは、前記抽出部は、前記依頼情報に対する否定的な応答を示す前記応答情報を取得した場合における前記評価値と比べて、前記依頼情報に対する肯定的な応答を示す前記応答情報を取得し、かつ対応の前記対象車両が前記対象エリアを前記時間帯に走行した場合における前記評価値を前記対象車両の抽出に不利となるように算出する。
このような構成により、抑制時間帯において対象エリアを走行しない意向を示しながらも実際には走行した対象車両を、たとえば抑制時間帯において対象エリアを走行する意向を示した上で意向通りに走行した対象車両と比べて、渋滞の緩和に対する悪影響が大きいとして優先的には抽出されないようにすることができる。
(14)より好ましくは、前記抽出部は、代替経路を利用することにより前記対象車両が前記対象エリアを前記時間帯に走行しない場合における前記評価値と比べて、公共交通機関を利用することにより前記対象車両が前記対象エリアを前記時間帯に走行しない場合における前記評価値を前記対象車両の抽出に有利となるように算出する。
このような構成により、抑制時間帯において対象エリアの外部を走行する対象車両よりも渋滞の緩和に対してより貢献する、抑制時間帯において走行しない対象車両を優先的に抽出されるようにすることができる。
(15)より好ましくは、前記抽出部は、車両または端末装置と時間帯別の前記評価値との対応関係を示すリストを作成する。
このような構成により、抑制時間帯における車両または端末装置に対応する評価値をリストから容易に取得することができるので、対象車両の抽出処理を効率よく行うことができる。
(16)より好ましくは、前記抽出部は、車両または端末装置と前記評価値との対応関係を示すリストを、前記対象車両が前記対象エリアを前記時間帯に走行しないことに対する対価の種類ごとに作成する。
このような構成により、依頼に対するドライバの積極性、または対象車両が依頼情報の内容に沿って行動する可能性が対価の種類に応じて変化する場合においても、対価の種類に応じたリストから適切な評価値を容易に取得することができる。
(17)本発明の実施の形態に係る端末装置は、交通抑制が行われる予定のある抑制エリアに基づくエリアである対象エリアを前記交通抑制の予定される時間帯に車両で走行しないことを依頼する旨を示す依頼情報を受信する受信部と、前記依頼情報に対する応答情報を送信する送信部とを備える。
このような構成により、端末装置のユーザは、渋滞の発生する可能性の高い対象エリア、および渋滞の発生する可能性の高い抑制時間帯を端末装置への通知内容から認識することができるので、抑制時間帯における対象エリアの走行を回避することができる。これにより、抑制時間帯において対象エリアを走行する車両の台数を減ずることができるので、渋滞の発生する可能性を下げることができる。したがって、対象エリアにおける渋滞を軽減することができる。
(18)本発明の実施の形態に係る制御プログラムは、交通流制御装置において用いられる制御プログラムであって、コンピュータを、交通抑制が行われる予定のある抑制エリアに基づくエリアである対象エリアを示すエリア情報を取得するエリア取得部と、前記交通抑制の予定される時間帯を示す時間帯情報を取得する時間帯取得部と、前記対象エリアを前記時間帯に走行すると予測される車両である対象車両を抽出する抽出部と、前記対象エリアを前記時間帯に走行しないことを依頼する旨を示す依頼情報を前記対象車両に対応する端末装置に通知する通知部と、として機能させるためのプログラムである。
このような構成により、対象車両のドライバは、渋滞の発生する可能性の高い対象エリア、および渋滞の発生する可能性の高い抑制時間帯を端末装置への通知内容から認識することができるので、抑制時間帯における対象エリアの走行を回避することができる。これにより、抑制時間帯において対象エリアを走行する車両の台数を減ずることができるので、渋滞の発生する可能性を下げることができる。したがって、対象エリアにおける渋滞を軽減することができる。
(19)本発明の実施の形態に係る制御プログラムは、端末装置において用いられる制御プログラムであって、コンピュータを、交通抑制が行われる予定のある抑制エリアに基づくエリアである対象エリアを前記交通抑制の予定される時間帯に車両で走行しないことを依頼する旨を示す依頼情報を受信する受信部と、前記依頼情報に対する応答情報を送信する送信部と、として機能させるためのプログラムである。
このような構成により、端末装置のユーザは、渋滞の発生する可能性の高い対象エリア、および渋滞の発生する可能性の高い抑制時間帯を端末装置への通知内容から認識することができるので、抑制時間帯における対象エリアの走行を回避することができる。これにより、抑制時間帯において対象エリアを走行する車両の台数を減ずることができるので、渋滞の発生する可能性を下げることができる。したがって、対象エリアにおける渋滞を軽減することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御システムの構成を示す図である。
図1を参照して、交通流制御システム301は、交通流制御装置101と、5つの端末装置202と、リンク情報データベース(DB)121と、渋滞情報データベース(DB)122と、軌跡情報データベース(DB)123と、ドライバ情報データベース(DB)124と、公共交通機関情報データベース(DB)125と、送信済依頼情報データベース(DB)126と、受信済応答情報データベース(DB)127とを備える。
端末装置202は、たとえば、車両1に設けられるカーナビゲーション装置等の車載装置、または車両1のドライバが携帯するスマートホン等の無線端末装置である。車両1は、たとえば、乗用車、バスまたはトラックである。端末装置202および車両1は、それぞれ端末IDおよび車両IDを有している。
なお、図1において、交通流制御システム301は、端末装置202を5つ備えているが、4つ以下または6つ以上の端末装置202を備える構成であってもよい。また、交通流制御システム301は、車両1を5つ備えているが、4つ以下または6つ以上の車両1を備える構成であってもよい。
交通流制御装置101は、端末装置202とたとえば無線通信を行うことが可能である。また、交通流制御装置101は、たとえばインターネット10を介して配信サーバ151と通信を行うことが可能である。
渋滞情報データベース122は、たとえば、各道路リンクにおける車両の混雑度合いを、平日、土曜日または日祝日等の日種ごと、時間帯ごと、かつ上りまたは下りを示す車両走行方向ごとに示す渋滞情報を保持する。
リンク情報データベース121は、道路リンク情報、車両分岐情報および走行台数情報を保持する。道路リンク情報は、たとえば、道路リンクの位置、道路リンクに接続するノードの位置、および道路リンクのID等を示す。
車両分岐情報は、たとえば、ある道路リンクからノードを介して接続する1または複数の道路リンクへ車両が走行する確率を、日種ごと、時間帯ごと、かつ車両走行方向ごとに示す。
走行台数情報は、たとえば、各道路リンクにおける単位時間当たりの車両の走行台数を、日種ごと、時間帯ごと、かつ車両走行方向ごとに示す。
ドライバ情報データベース124は、たとえば、ドライバが使用する車両1の車両IDと当該ドライバが使用する端末装置202の端末IDとの対応関係を示すドライバ情報を保持する。端末IDは、対応の端末装置202のアドレスである。
公共交通機関情報データベース125は、たとえば、鉄道の経路、駅の位置および各駅における時刻表、ならびにバスの経路、バス停の位置および各バス停における時刻表を示す公共交通機関情報を保持する。
軌跡情報データベース123は、車両1の過去の走行経路を示す軌跡情報を保持する。軌跡情報は、たとえば車両1のプローブデータである。
より詳細には、車両1は、停止および発進を繰り返しながら道路を走行し、たとえば、プローブ機能を有する場合、自己の位置、および当該位置に自己が存在した時刻を含むプローブデータを生成する。
車両1の位置は、たとえばGPS(Global Positioning System)衛星から送信される電波に基づく座標である。車両1は、所定のサンプリングタイミングごとにプローブデータを取得する。
車両1により取得されたプローブデータは、当該車両1の車両IDとともに軌跡情報データベース123に蓄積される。
なお、軌跡情報は、出発地および到着地ならびに出発時刻および到着時刻を、車両1ごとに示す情報であってもよい。
リンク情報データベース121、渋滞情報データベース122、軌跡情報データベース123、ドライバ情報データベース124および上流下流情報データベース125における各情報は、たとえば図示しない管理サーバにより適宜更新される。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御システムにおける受信済応答情報データベースのデータ構造の一例を示す図である。
図2を参照して、受信済応答情報データベース127は、たとえば、肯定応答情報PR1、PR2またはPR3、時間帯情報および実績情報を端末IDおよび車両IDごとに保持する。また、受信済応答情報データベース127は、たとえば、否定応答情報または中立応答情報、および時間帯情報を端末IDおよび車両IDごとに保持する。肯定応答情報PR1〜PR3、否定応答情報および中立応答情報は、交通流制御装置101が端末装置202から受信した応答情報である。応答情報、時間帯情報および実績情報の詳細については後述する。
再び図1を参照して、送信済依頼情報データベース126は、たとえば、交通流制御装置101が端末装置202へ送信した、後述する依頼情報等を含む送信済依頼情報を端末IDおよび車両IDごとに保持する。
送信済依頼情報データベース126および受信済応答情報データベース127における各情報は、たとえば交通流制御装置101により蓄積される。
配信サーバ151は、日本道路交通情報センター(JARTIC(登録商標))、都道府県警察または道路管理者等により管理される。配信サーバ151は、たとえば、水道管破裂等の緊急工事、事故および落石といった突発事象、通常の工事ならびにイベント等による道路の占有に基づく交通規制を行う予定の車線である規制車線区間、および当該交通規制の予定される規制時間帯を示す交通規制情報を保持する。
[交通流制御装置の構成]
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御システムにおける交通流制御装置の構成を示す図である。
図3を参照して、交通流制御装置101は、交通規制情報取得部21と、交通規制情報処理部(時間帯取得部、エリア取得部および決定部)22と、設定部23と、抽出部24と、通信処理部(通知部および応答取得部)25と、算出部26と、実績処理部28とを備える。
交通規制情報取得部21は、所定時間ごとたとえば1時間ごとに交通規制情報をインターネット10経由で配信サーバ151から収集する。交通規制情報取得部21は、収集した交通規制情報を交通規制情報処理部22および設定部23へ出力する。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御装置が設定する対象エリアの一例を示す図である。
図4を参照して、丸印により示された12個のノードN1〜N12は、交差点その他道路網表現上の結節点などを示す。
より詳細には、ノードN11,N1,N12は、紙面における左から右への横方向にこの順で並んでいる。ノードN11,N4,N7,N10は、紙面における上から下への縦方向にこの順で並んでいる。また、ノードN1,N2,N5,N8は、紙面における上から下への縦方向にこの順で並んでいる。また、ノードN12,N3,N6,N9は、紙面における上から下への縦方向にこの順で並んでいる。
ノードN1〜N7,N9〜N12には、道路区間の一例である4つの道路リンクが接続される。ノードN8には、3つの道路リンクが接続される。
道路リンクL1は、ノードN1,N2間を接続する。道路リンクL2は、ノードN4,N2間を接続する。道路リンクL3は、ノードN3,N2間を接続する。道路リンクL4は、ノードN5,N2間を接続する。道路リンクL5は、ノードN7,N5間を接続する。道路リンクL6は、ノードN6,N5間を接続する。道路リンクL7は、ノードN8,N5間を接続する。道路リンクL8は、ノードN10,N8間を接続する。道路リンクL9は、ノードN9,N8間を接続する。道路リンクL10は、ノードN11,N4間を接続する。道路リンクL11は、ノードN12,N3間を接続する。道路リンクL14は、ノードN4,N7間を接続する。道路リンクL15は、ノードN3,N6間を接続する。道路リンクL18は、ノードN7,N10間を接続する。道路リンクL19は、ノードN6,N9間を接続する。
道路リンクL12,L13,L16,L17,L20,L21,L22,L23は、それぞれノードN4,N3,N7,N6,N10,N9,N10,N9と接続する。
交通規制情報処理部22は、交通抑制が行われる予定のある抑制エリアCA、言い換えると交通抑制を行うことが予定される抑制エリアCAに基づくエリアである対象エリアA1を示すエリア情報を取得する。
また、交通規制情報処理部22は、交通抑制の予定される抑制時間帯CPを示す時間帯情報を取得する。
具体的には、交通規制情報処理部22は、交通規制情報取得部21から交通規制情報を受けると、受けた交通規制情報に基づいて対象エリアA1および抑制時間帯CPを取得する。
より詳細には、交通規制情報処理部22は、交通規制情報に基づいて、交通抑制が行われる予定のある抑制エリアCAの一例である、交通規制情報の示す規制車線区間を認識する。
たとえば、交通規制情報処理部22は、道路リンクを用いて抑制エリアCAの位置および規制方向CDを特定する。より詳細には、交通規制情報処理部22は、リンク情報データベース121から道路リンク情報を取得し、取得した道路リンク情報、ならびに規制車線区間の場所および規制車線の車両走行方向に基づいて、道路リンクにおける抑制エリアCAの位置および規制方向CDを特定する。
この例では、交通規制情報処理部22は、道路リンクL1においてノードN1から距離s離れた位置、およびノードN2からN1への車両走行方向を、抑制エリアCAの位置および規制方向CDとしてそれぞれ特定する。
以下、抑制エリアCAに対して道路リンクL1のノードN2側を上流側とも称する。また、抑制エリアCAに対して道路リンクL1のノードN1側を下流側とも称する。
なお、交通規制情報処理部22は、道路リンクL1自体を抑制エリアCAの位置として特定してもよい。また、交通規制情報処理部22は、道路リンクの代わりに、緯度および経度、ならびに車両の走行する方角を用いて抑制エリアCAの位置および規制方向CDを特定してもよい。
また、交通規制情報処理部22は、渋滞情報データベース122から渋滞情報を取得し、取得した渋滞情報に基づいて、抑制エリアCAにおいて渋滞の発生する可能性の高い時間帯を抽出し、抽出した時間帯を抑制時間帯CPとして設定する。
より詳細には、交通規制情報処理部22は、抑制エリアCAにおける、交通規制情報の示す規制時間帯と同じ日種かつ同じ時間帯の車両の混雑度合いを渋滞情報から取得する。
そして、交通規制情報処理部22は、たとえば、規制時間帯における車両の混雑度合いが、取得した混雑度合いと同じになるであろうと仮定することにより、規制時間帯のうち、渋滞の発生する可能性の高い時間帯を抽出し、抽出した時間帯を抑制時間帯CPとして設定する。抑制時間帯CPは、規制時間帯と同じになることもあるし、規制時間帯の一部になることもあるし、規制時間帯における複数の期間になることもある。
交通規制情報処理部22は、たとえば、決定部として対象エリアA1を決定する。より詳細には、交通規制情報処理部22は、たとえば、抑制エリアCAに接続される道路区間および抑制エリアCAを含むエリアを対象エリアA1として決定する。
具体的には、交通規制情報処理部22は、たとえば、道路区間を走行する車両がその後抑制エリアCAを走行する確率に基づいて、複数の道路区間のうち、対象エリアA1に含める道路区間を選択する。
より詳細には、交通規制情報処理部22は、道路リンク情報に基づいて、抑制エリアCAの上流側において、抑制エリアCAの位置する道路リンク(以下、規制リンクとも称する。)L1に直接的または間接的に接続する道路リンクたとえばL2〜L23を認識する。
交通規制情報処理部22は、リンク情報データベース121から車両分岐情報を取得し、取得した車両分岐情報に基づいて、抑制時間帯CPと同じ日種かつ同じ時間帯において、道路リンクL2〜L23を走行する車両が規制リンクL1へ流入する確率を算出する。
具体的には、交通規制情報処理部22は、道路リンクL2,L3,L4から規制リンクL1へそれぞれ車両が流入する確率としてたとえば0.9,1.0,0.9を車両分岐情報から取得する。
また、交通規制情報処理部22は、道路リンクL5,L6,L7から道路リンクL4へそれぞれ車両が流入する確率としてたとえば0.7,0.8,0.9を車両分岐情報から取得する。
また、交通規制情報処理部22は、道路リンクL8,L9から道路リンクL7へそれぞれ車両が流入する確率としてたとえば0.6,0.7を車両分岐情報から取得する。
交通規制情報処理部22は、たとえば、道路リンクL5から道路リンクL4を経由して規制リンクL1へ車両が流入する確率を、0.7に0.9を乗じて0.63と算出する。
同様に、交通規制情報処理部22は、道路リンクL6,L7から道路リンクL4を経由して規制リンクL1へそれぞれ車両が流入する確率を0.72,0.81と算出する。
同様に、交通規制情報処理部22は、道路リンクL8,L9から道路リンクL7,L4を経由して規制リンクL1へそれぞれ車両が流入する確率を0.486,0.567と算出する。
同様に、交通規制情報処理部22は、道路リンクL10〜L23から1または複数の道路リンクを経由して規制リンクL1へそれぞれ車両が流入する確率を算出する。このとき算出された各確率は、たとえば0.5より小さい。
交通規制情報処理部22は、たとえば、算出した確率が0.5以上の道路リンクL2〜L7およびL9、ならびに規制リンクL1を含むエリアを対象エリアA1として決定する。
また、交通規制情報処理部22は、決定した対象エリアA1における、抑制時間帯CPと同じ日種かつ同じ時間帯の車両の混雑度合いを渋滞情報から取得する。
そして、交通規制情報処理部22は、取得した対象エリアA1における混雑度合いおよび交通規制情報の内容に基づいて、抑制エリアCAにおいて渋滞が発生するか否かを判断する。
交通規制情報処理部22は、たとえば、抑制エリアCAにおいて渋滞が発生しないと判断した場合、交通流制御を行う必要がないと認識し、交通規制情報取得部21から新たな交通規制情報を受けるまで待機する。
一方、交通規制情報処理部22は、たとえば、抑制エリアCAにおいて渋滞が発生すると判断した場合、交通流制御を行う必要があると認識し、抑制時間帯CPを示す時間帯情報、ならびに対象エリアA1の範囲、規制リンクのID、規制方向CDおよび抑制エリアCAの位置を示すエリア情報を作成し、作成した時間帯情報およびエリア情報を設定部23および抽出部24へ出力する。
再び図3を参照して、設定部23は、たとえば、抑制エリアCAにおいて交通抑制が行われていないときの車両の走行台数TN、および予定される交通抑制の内容に基づいて、抑制時間帯CPに対象エリアA1を走行させる車両の削減台数に係る目標Tgtを設定する。
より詳細には、設定部23は、交通規制情報取得部21から交通規制情報を受けると、受けた交通規制情報に基づいて、予定される交通抑制の内容を認識する。
また、設定部23は、交通規制情報処理部22から時間帯情報およびエリア情報を受けると、受けた時間帯情報およびエリア情報に基づいて、抑制時間帯CP、抑制エリアCAの位置する規制リンクL1および規制方向CDを認識する。
また、設定部23は、リンク情報データベース121から走行台数情報を取得し、取得した走行台数情報に基づいて、たとえば、抑制時間帯CPと同じ日種かつ同じ時間帯において、規制リンクL1を規制方向CDへ走行する車両の台数を走行台数TNとして取得する。この例では、設定部23は、走行台数TNとしてたとえば120台を取得する。
設定部23は、たとえば、交通抑制の内容が2車線を1車線に削減することである場合、車両1の削減台数を走行台数TNの1/2倍すなわち60台に見積もる。そして、設定部23は、削減台数に係る目標Tgtを50台〜70台に設定する。なお、設定部23は、幅を有する目標Tgtを設定するとしたが、目標Tgtを60台のような確定値に設定してもよい。また、設定部23は、台数の代わりに、確率または割合を用いて目標Tgtを定めてもよい。
設定部23は、設定した目標Tgtを示す目標情報を作成し、作成した目標情報を通信処理部25へ出力する。
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御装置が設定する対象エリア周辺の地図の一例を示す図である。
図5を参照して、抽出部24は、対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行すると予測される車両1である対象車両を抽出する。
たとえば、抽出部24は、抑制エリアCAを基準とする上流エリアUAおよび下流エリアLAを特定し、特定した上流エリアUAから下流エリアLAへ走行する車両1の中から、対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行すると予測される対象車両を抽出する。
より詳細には、抽出部24は、たとえば、車両1の過去の走行経路を示す軌跡情報に基づいて、上流エリアUAから下流エリアLAへ走行する車両1の中から、対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行する対象車両を予測する。言い換えると、抽出部24は、たとえば、軌跡情報に基づいて、上流エリアUAから下流エリアLAへ走行する車両1の中から、対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行すると予測される対象車両を抽出する。
抽出部24は、交通規制情報処理部22から時間帯情報およびエリア情報を受けると、受けた時間帯情報およびエリア情報に基づいて、抑制時間帯CP、抑制エリアCAの位置する規制リンクL1、規制方向CD、および対象エリアA1の範囲を認識する。
また、抽出部24は、リンク情報データベース121から道路リンク情報を取得し、取得した道路リンク情報に基づいて規制リンクL1周辺の各道路リンクの接続関係を認識する。
抽出部24は、たとえば、図4および図5に示すように、抑制エリアCAを通り、かつ抑制エリアCAにおける道路の延伸方向に対して垂直な直線を境界線VLとして設定する。抽出部24は、たとえば、設定した境界線VLに対して上流側のエリアおよび下流側のエリアをそれぞれ上流エリアUAおよび下流エリアLAとして特定する。
なお、抽出部24は、軌跡情報データベース123が保持する軌跡情報に基づいて、抑制エリアCAを上流側から下流側へ通過する車両1の出発地を含むエリアおよび到着地を含むエリアをそれぞれ上流エリアUAおよび下流エリアLAとして特定してもよい。
また、抽出部24は、道路を設けることを制限する山または川等の地理的な条件がある場合、山または川に沿って境界線VLを設定することにより上流エリアUAおよび下流エリアLAを特定してもよい。
抽出部24は、軌跡情報データベース123から軌跡情報を取得し、取得した軌跡情報に基づいて、抑制時間帯CPと同じ日種かつ同じ時間帯において、上流エリアUAから下流エリアLAへ進入した車両1(以下、進入車両とも称する。)を特定する。
この例では、抽出部24は、図5に示すように、軌跡Tr1,Tr2,Tr3,Tr4,Tr5を通った、車両IDがそれぞれ1〜100,101〜200,201〜300,301〜400,401〜500の車両1を進入車両として特定する。ここで、車両IDが1〜500の車両1に対応する端末IDは、たとえばそれぞれ1〜500である。
そして、抽出部24は、特定した進入車両のうち、抑制時間帯CPと同じ日種かつ同じ時間帯において、対象エリアA1を走行した車両1を対象車両として抽出する。
より詳細には、抽出部24は、抑制時間帯CPと同じ日種かつ同じ時間帯において、たとえば、対象エリアA1を通過した車両1、対象エリアA1へ進入したが通過しなかった車両1、および対象エリアA1から出てきた車両1が、対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行すると予測し、当該車両1を対象車両として抽出する。
この例では、抽出部24は、図5に示すように、軌跡Tr1,Tr2,Tr3を通った、車両IDがそれぞれ1〜100,101〜200,201〜300の車両1を対象車両として特定する。
抽出部24は、抽出した対象車両の車両ID、当該車両IDに対応する軌跡、ならびに時間帯情報およびエリア情報を通信処理部25へ出力する。
通信処理部25は、対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行しないことを依頼する旨を示す依頼情報を対象車両に対応する端末装置202に通知する。
ここで、依頼情報は、たとえば、抑制時間帯CPにおいて対象エリアA1を通過しない旨、公共交通機関を利用する旨、および抑制時間帯CPとは異なる時間帯に対象エリアA1を通過する旨を示す。言い換えると、依頼情報は、抑制時間帯CPと重複する時間帯において対象エリアA1を通過しない旨、公共交通機関を利用する旨、および抑制時間帯CPと重複しない時間帯に対象エリアA1を通過する旨を示す。
より詳細には、通信処理部25は、抽出部24から対象車両の車両ID、当該車両IDに対応する軌跡、ならびに時間帯情報およびエリア情報を受けると、受けた時間帯情報およびエリア情報に基づいて、抑制時間帯CP、抑制エリアCAの位置する規制リンクL1、規制方向CDおよび対象エリアA1の範囲を認識する。
また、通信処理部25は、設定部23から目標情報を受けると、受けた目標情報から目標Tgtを認識する。
通信処理部25は、目標Tgtがたとえば50台〜70台であることを認識すると、抽出部24から受けた対象車両の車両IDの中から、中央値である60台分の対象車両の車両IDを依頼情報の送信対象として選択する。
そして、通信処理部25は、選択した車両IDに対応する軌跡から、当該車両IDに対応する対象車両(以下、選択済車両とも称する。)の出発地および到着地を取得する。
通信処理部25は、リンク情報データベース121から道路リンク情報を取得し、取得した道路リンク情報、ならびに選択済車両の出発地および到着地に基づいて、当該出発地から対象エリアA1を通過せずに当該到着地へ至ることが可能な道路リンクの接続構成を導出する。
そして、通信処理部25は、抑制時間帯CPにおいて、導出した接続構成に基づく経路の利用を依頼する旨、および選択済車両の車両IDに対応する軌跡を示す代替リンク利用依頼情報を作成する。
また、通信処理部25は、公共交通機関情報データベース125から公共交通機関情報を取得し、取得した公共交通機関情報、ならびに選択済車両の出発地および到着地に基づいて、当該出発地から公共交通機関を利用して当該到着地へ至ることが可能な経路を導出する。
そして、通信処理部25は、抑制時間帯CPにおいて、導出した経路の利用を依頼する旨を示す公共交通利用依頼情報を作成する。
通信処理部25は、選択済車両の車両IDごとに、代替リンク利用依頼情報および公共交通利用依頼情報を作成する。
また、通信処理部25は、対象エリアA1の走行を、抑制時間帯CPとは異なる時間帯において行うように依頼する旨を示す時差走行依頼情報を作成する。
また、通信処理部25は、ドライバ情報データベース124からドライバ情報を取得し、取得したドライバ情報、および選択済車両の車両IDに基づいて、選択済車両の車両IDに対応する端末装置202の端末IDを取得する。
そして、通信処理部25は、選択済車両の車両ID、および対応の端末IDの対応関係を示すID情報を作成して保持する。
通信処理部25は、抑制時間帯CPを含む日のたとえば1日前において、作成した代替リンク利用依頼情報、公共交通利用依頼情報および時差走行依頼情報、ならびに時間帯情報およびエリア情報を、端末IDを宛先として端末装置202へ送信する。この際、通信処理部25は、端末IDに対応する車両IDの代替リンク利用依頼情報および公共交通利用依頼情報を送信する。
また、通信処理部25は、代替リンク利用依頼情報、公共交通利用依頼情報および時差走行依頼情報、ならびに時間帯情報およびエリア情報を含む送信済依頼情報を作成し、作成した送信済依頼情報を端末IDおよび車両IDに対応付けて送信済依頼情報データベース126に蓄積する。
[端末装置の構成]
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御システムにおける端末装置の構成を示す図である。
図6を参照して、端末装置202は、受信部41と、受付部42と、処理部43と、表示部44と、送信部45とを備える。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る端末装置の外観の一例を示す図である。
図6および図7を参照して、表示部44は、たとえばディスプレイであり、処理部43による制御に従って画面を表示する。受付部42は、たとえばタッチパネルであり、ドライバによる操作を受付け、受付けた操作内容を示す操作情報を処理部43へ出力する。
受信部41は、依頼情報を受信する。より詳細には、受信部41は、交通流制御装置101から代替リンク利用依頼情報、公共交通利用依頼情報および時差走行依頼情報、ならびに時間帯情報およびエリア情報を受信すると、受信したこれらの情報を処理部43へ出力する。
処理部43は、受信部41から代替リンク利用依頼情報、公共交通利用依頼情報および時差走行依頼情報、ならびに時間帯情報およびエリア情報を受けると、受けたこれらの情報に基づいて画面Scr1を作成し、作成した画面Scr1を表示部44に表示する制御を行う。
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る端末装置の外観の他の例を示す図である。
ドライバは、たとえば、代替のルートを確認したい場合、図7に示す領域Lk1における「[経路表示]」をタップする。
受付部42は、ドライバによる操作を受付け、受付けた操作内容を示す操作情報を処理部43へ出力する。
処理部43は、受付部42から操作情報を受けると、受けた操作情報に従って、たとえば地図サーバから地図情報を取得し、取得した地図情報、ならびに代替リンク利用依頼情報およびエリア情報に基づいて、画面Scr2を作成し、作成した画面Scr2を表示部44に表示する制御を行う。
これにより、ドライバは、「規制箇所」、「規制エリア」、「代替経路」および「通常経路」を地図上で確認することができる。
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る端末装置の外観の他の例を示す図である。
ドライバは、たとえば、代替の公共交通機関を確認したい場合、図7に示す領域Lk2における「[経路表示]」をタップする。
受付部42は、ドライバによる操作を受付け、受付けた操作内容を示す操作情報を処理部43へ出力する。
処理部43は、受付部42から操作情報を受けると、受けた操作情報に従って、公共交通利用依頼情報に基づいて、画面Scr3を作成し、作成した画面Scr3を表示部44に表示する制御を行う。
これにより、ドライバは、公共交通機関を利用する場合における、乗換および所要時間を確認することができる。
再び図7を参照して、ドライバは、抑制時間帯CPにおいて代替ルートを走行する場合、ラジオボタンRb1を選択した後、ボタンBt1をタップする。また、ドライバは、抑制時間帯CPにおいて公共交通機関を利用する場合、ラジオボタンRb2を選択した後、ボタンBt1をタップする。また、ドライバは、抑制時間帯CPとは異なる時間帯において対象エリアA1を走行する場合、ラジオボタンRb3を選択した後、ボタンBt1をタップする。また、ドライバは、抑制時間帯CPにおいて通常のルートを走行する場合、ラジオボタンRb4を選択した後、ボタンBt1をタップする。また、ドライバは、規制の行われる日に外出しない場合、ラジオボタンRb5を選択した後、ボタンBt1をタップする。
再び図6を参照して、受付部42は、ドライバによる操作を受付け、受付けた操作内容を示す操作情報を処理部43へ出力する。
処理部43は、受付部42から操作情報を受けると、受けた操作情報の示すラジオボタンRb1〜Rb5の選択結果に応じた内容を含む応答情報を作成する。
より詳細には、処理部43は、依頼情報に対する肯定的な応答を示す肯定応答情報の一例として、ラジオボタンRb1がドライバにより選択されたことを操作情報が示す場合、ドライバが抑制時間帯CPにおいて代替ルートを走行する意向であることを示す肯定応答情報PR1を作成する。
また、処理部43は、肯定応答情報の一例として、ラジオボタンRb2がドライバにより選択されたことを操作情報が示す場合、ドライバが抑制時間帯CPにおいて公共交通機関を利用する意向であることを示す肯定応答情報PR2を作成する。
また、処理部43は、肯定応答情報の一例として、ラジオボタンRb3がドライバにより選択されたことを操作情報が示す場合、ドライバが抑制時間帯CPとは異なる時間帯において対象エリアA1を走行する意向であることを示す肯定応答情報PR3を作成する。
また、処理部43は、依頼情報に対する否定的な応答を示す否定応答情報の一例として、ラジオボタンRb4がドライバにより選択されたことを操作情報が示す場合、ドライバが抑制時間帯CPにおいて通常のルートを走行する意向であることを示す否定応答情報を作成する。
また、処理部43は、ラジオボタンRb5がドライバにより選択されたことを操作情報が示す場合、ドライバが規制の行われる日に外出しない意向であることを示す中立応答情報を作成する。
処理部43は、作成した肯定応答情報PR1〜PR3、否定応答情報および中立応答情報のいずれか1つを送信部45へ出力する。
送信部45は、受信部41によって受信された依頼情報に対する応答情報を送信する。具体的には、送信部45は、処理部43から肯定応答情報PR1〜PR3、否定応答情報および中立応答情報のいずれか1つを受けると、受けた応答情報を自己の端末IDとともに交通流制御装置101へ送信する。
[交通流制御装置の構成その2]
再び図3を参照して、通信処理部25は、たとえば、応答取得部として、依頼情報に対する端末装置202からの応答情報を取得する。また、通信処理部25は、たとえば、設定部23によって設定された目標Tgt、および取得した応答情報に基づいて、他の端末装置202に依頼情報を通知するか否かを決定する。
より詳細には、通信処理部25は、端末装置202から応答情報および端末IDを受信すると、受信した端末ID、および保持するID情報に基づいて、端末IDに対応する車両IDを取得する。
通信処理部25は、依頼情報を送信してから所定時間経過するまでに受信した各応答情報の内容を確認することにより、当該各応答情報に含まれる肯定応答情報PR1,PR2,PR3の個数をカウントする。
通信処理部25は、カウントした個数が目標Tgtの下限である50未満である場合、選択済車両以外の対象車両に対応する端末装置202への依頼情報の送信を行うことを決定する。
より詳細には、通信処理部25は、目標Tgtの中央値である60から当該個数を差し引いた台数の対象車両を、選択済車両を除く対象車両の中からさらに選択する。
そして、通信処理部25は、選択した対象車両に対応する端末IDを宛先として、代替リンク利用依頼情報、公共交通利用依頼情報および時差走行依頼情報、ならびに時間帯情報およびエリア情報を送信する。
一方、通信処理部25は、カウントした個数が目標Tgtの下限すなわち50以上である場合、選択済車両以外の対象車両に対応する端末装置202への依頼情報の送信を行わないことを決定する。
通信処理部25は、肯定応答情報、否定応答情報または中立応答情報、時間帯情報およびエリア情報、ならびに端末IDおよび車両IDを実績処理部28へ出力するとともに、肯定応答情報、否定応答情報または中立応答情報および端末IDを算出部26へ出力する。
算出部26は、たとえば、通信処理部25によって取得された応答情報の内容に基づく対価を算出する。
具体的には、算出部26は、通信処理部25から肯定応答情報および端末IDを受けると、肯定応答情報の内容に応じた対価を算出する。
より詳細には、算出部26は、通信処理部25から肯定応答情報PR1,PR2,PR3および端末IDを受けると、対価としてインセンティブP1,P2,P3をそれぞれ算出する。
ここで、インセンティブP1,P2,P3は、自動車の継続検査の費用の割引、有料道路の通行料の割引、または店舗における商品代金の割引を受けることが可能なクーポン等である。
一方、算出部26は、通信処理部25から否定応答情報または中立応答情報、および端末IDを受けると、対価としてゼロを算出する。
算出部26は、算出した対価および端末IDを実績処理部28へ出力する。
実績処理部28は、中立応答情報、時間帯情報およびエリア情報、ならびに端末IDおよび車両IDを通信処理部25から受けると、図2に示すように、受けた中立応答情報および時間帯情報を端末IDおよび車両IDに対応付けて受信済応答情報データベース127に蓄積する。
また、実績処理部28は、否定応答情報、時間帯情報およびエリア情報、ならびに端末IDおよび車両IDを通信処理部25から受けると、図2に示すように、受けた否定応答情報および時間帯情報を端末IDおよび車両IDに対応付けて受信済応答情報データベース127に蓄積する。
また、実績処理部28は、肯定応答情報、時間帯情報およびエリア情報、ならびに端末IDおよび車両IDを通信処理部25から受けた場合、受けた時間帯情報の示す抑制時間帯CP、または抑制時間帯CPに基づく時間帯における、端末IDに対応するドライバの実績を取得し、取得した実績と肯定応答情報の内容との整合性の有無を確認する。
そして、実績処理部28は、確認結果を示す実績情報を作成し、作成した実績情報、肯定応答情報および時間帯情報を端末IDおよび車両IDに対応付けて受信済応答情報データベース127に蓄積する。
より詳細には、実績処理部28は、肯定応答情報PR1、時間帯情報およびエリア情報、ならびに端末IDおよび車両IDを通信処理部25から受けると、抑制時間帯CPが経過するまで待機する。
そして、実績処理部28は、抑制時間帯CPが経過すると、当該車両IDを有する対象車両の抑制時間帯CPにおけるプローブデータを軌跡情報データベース123から取得する。
実績処理部28は、取得したプローブデータ、およびエリア情報に基づいて、ドライバが抑制時間帯CPにおいて代替ルートを走行したか否かを確認する。
実績処理部28は、ドライバが抑制時間帯CPにおいて代替ルートを走行したことを確認した場合、整合性ありを示す実績情報を作成し、図2に示すように、作成した実績情報、肯定応答情報PR1および時間帯情報を端末IDおよび車両IDに対応付けて受信済応答情報データベース127に蓄積する。
この場合、実績処理部28は、算出部26によって算出されたインセンティブP1を対応のドライバに付与する。
一方、実績処理部28は、ドライバが抑制時間帯CPにおいて代替ルートを走行しなかったことを確認した場合、整合性なしを示す実績情報を作成し、図2に示すように、作成した実績情報、肯定応答情報PR1および時間帯情報を端末IDおよび車両IDに対応付けて受信済応答情報データベース127に蓄積する。
この場合、実績処理部28は、インセンティブP1を対応のドライバに付与しない。なお、実績処理部28は、対応のドライバにペナルティを与えてもよい。ペナルティの内容は、たとえば、依頼に対して肯定的に応答した上での当該依頼に反する行動を所定回数行ったドライバに対する依頼情報の配信の停止である。
また、実績処理部28は、肯定応答情報PR2、時間帯情報およびエリア情報、ならびに端末IDおよび車両IDを通信処理部25から受けると、抑制時間帯CPが経過するまで待機する。
そして、実績処理部28は、抑制時間帯CPが経過した後のタイミングにおいて、たとえば、ICカードに記録された、公共交通期間を利用した履歴を示す履歴情報の提供をドライバから受けると、受けた履歴情報に基づいて、ドライバが抑制時間帯CPにおいて公共交通期間を利用したか否かを確認する。
なお、端末装置202がGPS衛星から送信される電波に基づく自己の座標を取得することが可能である場合、実績処理部28は、たとえば抑制時間帯CPにおける端末装置202の座標を示す座標情報を端末装置202から取得し、取得した座標情報に基づいて、ドライバが抑制時間帯CPにおいて公共交通期間を利用したか否かを確認してもよい。
実績処理部28は、ドライバが抑制時間帯CPにおいて公共交通期間を利用したことを確認した場合、整合性ありを示す実績情報を作成し、図2に示すように、作成した実績情報、肯定応答情報PR2および時間帯情報を端末IDおよび車両IDに対応付けて受信済応答情報データベース127に蓄積する。
この場合、実績処理部28は、算出部26によって算出されたインセンティブP2を対応のドライバに付与する。
一方、実績処理部28は、ドライバが抑制時間帯CPにおいて公共交通期間を利用しなかったことを確認した場合、整合性なしを示す実績情報を作成し、図2に示すように、作成した実績情報、肯定応答情報PR2および時間帯情報を端末IDおよび車両IDに対応付けて受信済応答情報データベース127に蓄積する。
この場合、実績処理部28は、インセンティブP2を対応のドライバに付与しない。なお、実績処理部28は、対応のドライバに上記ペナルティを与えてもよい。
また、実績処理部28は、肯定応答情報PR3、時間帯情報およびエリア情報、ならびに端末IDおよび車両IDを通信処理部25から受けると、抑制時間帯CPの開始タイミングより所定時間たとえば3時間前のタイミングts、および抑制時間帯CPの終了タイミングより所定時間たとえば3時間後のタイミングteを設定する。
そして、実績処理部28は、設定したタイミングteを経過すると、当該車両IDを有する対象車両のタイミングts以後かつタイミングte以前のプローブデータを軌跡情報データベース123から取得する。
実績処理部28は、取得したプローブデータ、およびエリア情報に基づいて、ドライバが対象エリアA1を走行した時間帯を確認する。
実績処理部28は、タイミングts以後のタイミングであって抑制時間帯CPの開始タイミングより前のタイミング、または抑制時間帯CPの終了タイミングより後のタイミングであってタイミングte以前のタイミングである指定時間帯において、ドライバが対象エリアA1を走行したことを確認した場合、以下の処理を行う。
すなわち、実績処理部28は、整合性ありを示す実績情報を作成し、図2に示すように、作成した実績情報、肯定応答情報PR3および時間帯情報を端末IDおよび車両IDに対応付けて受信済応答情報データベース127に蓄積する。
この場合、実績処理部28は、算出部26によって算出されたインセンティブP3を対応のドライバに付与する。
一方、実績処理部28は、ドライバが指定時間帯において対象エリアA1を走行しなかったことを確認した場合、またはドライバが抑制時間帯CPにおいて対象エリアA1を走行したことを確認した場合、以下の処理を行う。
すなわち、実績処理部28は、整合性なしを示す実績情報を作成し、図2に示すように、作成した実績情報、肯定応答情報PR3および時間帯情報を端末IDおよび車両IDに対応付けて受信済応答情報データベース127に蓄積する。
この場合、実績処理部28は、インセンティブP3を対応のドライバに付与しない。なお、実績処理部28は、対応のドライバに上記ペナルティを与えてもよい。
[動作]
交通流制御システム301における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンス図またはフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリからそれぞれ読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図10は、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御装置が交通規制情報の処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図10を参照して、まず、交通流制御装置101は、代替リンク利用依頼情報、公共交通利用依頼情報および時差走行依頼情報、ならびに時間帯情報およびエリア情報の送信タイミングが到来するか、または交通規制情報の収集タイミングが到来するまで待機する(ステップS102でNOおよびステップS106でNO)。
次に、交通流制御装置101は、交通規制情報の収集タイミングが到来すると(ステップS106でYES)、配信サーバ151からインターネット10経由で1または複数種類の交通規制情報を取得する(ステップS108)。
次に、交通流制御装置101は、取得した交通規制情報の内容を過去に取得していた場合(ステップS110でNO)、上記送信タイミングが到来するか、または交通規制情報の収集タイミングが新たに到来するまで待機する(ステップS102でNOおよびステップS106でNO)。
一方、交通流制御装置101は、取得した交通規制情報の内容が新しい場合(ステップS110でYES)、内容の新しい交通規制情報に基づいて、対象エリアA1を決定するとともに抑制時間帯CPを取得する(ステップS112)。
次に、交通流制御装置101は、抑制時間帯CPにおいて、抑制エリアCAで渋滞が発生すると判断した場合(ステップS114でYES)、交通流制御を行う必要があると認識し、対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行すると予測される車両1である対象車両の車両IDを抽出する(ステップS116)。
次に、交通流制御装置101は、代替リンク利用依頼情報、公共交通利用依頼情報および時差走行依頼情報を作成して保存する(ステップS118)。
次に、交通流制御装置101は、抑制エリアCAにおいて交通抑制が行われていないときの車両の走行台数TN、および予定される交通抑制の内容に基づいて、抑制時間帯CPに対象エリアA1を走行させる車両の削減台数の目標Tgtを設定する(ステップS120)。
次に、交通流制御装置101は、内容の新しい各交通規制情報のうち、未処理の交通規制情報があるか否かを確認する(ステップS122)。
一方、交通流制御装置101は、抑制時間帯CPにおいて、抑制エリアCAで渋滞が発生しないと判断した場合(ステップS114でNO)、交通流制御を行う必要がないと認識し、内容の新しい各交通規制情報のうち、未処理の交通規制情報があるか否かを確認する(ステップS122)。
交通流制御装置101は、未処理の交通規制情報があると確認した場合(ステップS122でYES)、未処理の交通規制情報に基づいて、対応の対象エリアA1を決定するとともに対応の抑制時間帯CPを取得する(ステップS112)。
一方、交通流制御装置101は、未処理の交通規制情報がないと確認した場合(ステップS122でNO)、抽出した車両IDの中から目標Tgtに応じた個数の車両IDを選択する(ステップS124)。
次に、交通流制御装置101は、選択した車両IDに対応する端末IDを取得する(ステップS126)。
次に、交通流制御装置101は、上記送信タイミングが到来するか、または交通規制情報の収集タイミングが新たに到来するまで待機する(ステップS102でNOおよびステップS106でNO)。
一方、交通流制御装置101は、上記送信タイミングが到来すると(ステップS102でYES)、取得した端末IDを宛先として代替リンク利用依頼情報、公共交通利用依頼情報および時差走行依頼情報、ならびに時間帯情報およびエリア情報を端末装置202へ送信する(ステップS104)。
次に、交通流制御装置101は、上記送信タイミングが到来するか、または交通規制情報の収集タイミングが新たに到来するまで待機する(ステップS102でNOおよびステップS106でNO)。
なお、上記ステップS116およびS118とS120との順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
図11は、本発明の第1の実施の形態に係る端末装置が依頼情報の処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図11を参照して、まず、端末装置202は、代替リンク利用依頼情報、公共交通利用依頼情報および時差走行依頼情報、ならびに時間帯情報およびエリア情報を交通流制御装置101から受信するまで待機する(ステップS202でNO)。
次に、端末装置202は、代替リンク利用依頼情報、公共交通利用依頼情報および時差走行依頼情報、ならびに時間帯情報およびエリア情報を交通流制御装置101から受信すると(ステップS202でYES)、受信したこれらの情報に基づいて、図7に示す画面Scr1を表示部44に表示する(ステップS204)。
次に、端末装置202は、ボタンBt1がドライバによりタップされるまで待機する(ステップS206でNO)。
次に、端末装置202は、ボタンBt1がドライバによりタップされると(ステップS206でYES)、ラジオボタンRb1〜Rb5の選択結果に応じた内容を含む応答情報を作成する(ステップS208)。
次に、端末装置202は、作成した応答情報を端末IDとともに交通流制御装置101へ送信する(ステップS210)。
図12は、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御装置が他の端末装置へ依頼情報を送信するか否かを決定する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図12を参照して、まず、交通流制御装置101は、肯定応答情報の個数を示すカウント値Cntをゼロに初期化する(ステップS302)。
次に、交通流制御装置101は、依頼情報を送信してから所定時間経過するまでにおいて、肯定応答情報を受信するまで待機する(ステップS304でNOおよびステップS306でNO)。
次に、交通流制御装置101は、依頼情報を送信してから所定時間経過するまでにおいて、肯定応答情報を受信すると(ステップS304でNOおよびステップS306でYES)、カウント値Cntをインクリメントする(ステップS308)。
一方、交通流制御装置101は、依頼情報を送信してから所定時間経過すると(ステップS304でYES)、カウント値Cntと目標Tgtの下限である下限値Minとを比較する(ステップS310)。
交通流制御装置101は、カウント値Cntが下限値Min未満である場合(ステップS310でYES)、目標Tgtの中央値Medからカウント値Cntを差し引くことにより追加値Redを算出する(ステップS312)。
次に、交通流制御装置101は、追加値Redに相当する台数の対象車両を、選択済車両を除く対象車両の中からさらに選択する(ステップS314)。
次に、交通流制御装置101は、選択した対象車両に対応する端末IDを宛先として依頼情報を送信する(ステップS316)。
次に、交通流制御装置101は、依頼情報を送信してから所定時間経過するまでにおいて、肯定応答情報を受信するまで待機する(ステップS304でNOおよびステップS306でNO)。
一方、交通流制御装置101は、カウント値Cntが下限値Min以上である場合(ステップS310でNO)、肯定応答情報を送信した端末装置202の個数が目標Tgtを満たしたことを認識し、依頼情報の送信処理を終了する。
図13は、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御装置が応答情報の内容に応じた処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図13を参照して、まず、交通流制御装置101は、肯定応答情報および端末IDを端末装置202から受信するか、または否定応答情報もしくは中立応答情報、および端末IDを端末装置202から受信するまで待機する(ステップS402でNOおよびステップS418でNO)。
次に、交通流制御装置101は、肯定応答情報および端末IDを端末装置202から受信すると(ステップS402でYES)、抑制時間帯CP、または抑制時間帯CPに基づく時間帯における、端末IDに対応するドライバの実績を取得する(ステップS404)。
次に、交通流制御装置101は、取得した実績と肯定応答情報の内容との整合性の有無を確認する(ステップS406)。
次に、交通流制御装置101は、確認結果を示す実績情報を作成し、作成した実績情報、肯定応答情報および時間帯情報を端末IDおよび車両IDに対応付けて受信済応答情報データベース127に蓄積する(ステップS408)。
次に、交通流制御装置101は、肯定応答情報の内容に応じたインセンティブを算出する(ステップS410)。
次に、交通流制御装置101は、実績情報が整合性ありを示す場合(ステップS412でYES)、算出したインセンティブをドライバに付与する(ステップS414)。
一方、交通流制御装置101は、実績情報が整合性なしを示す場合(ステップS412でNO)、算出したインセンティブをドライバに付与しない(ステップS416)。
次に、交通流制御装置101は、算出したインセンティブをドライバに付与するか否かを決定した後(ステップS414またはステップS416)、肯定応答情報および端末IDを端末装置202から受信するか、または否定応答情報もしくは中立応答情報、および端末IDを端末装置202から受信するまで待機する(ステップS402でNOおよびステップS418でNO)。
また、交通流制御装置101は、否定応答情報または中立応答情報および端末IDを端末装置202から受信すると(ステップS402でNOおよびステップS418でYES)、受信した否定応答情報または中立応答情報、および時間帯情報を端末IDおよび車両IDに対応付けて受信済応答情報データベース127に蓄積する(ステップS420)。
次に、交通流制御装置101は、対価としてゼロを算出する(ステップS422)。
次に、交通流制御装置101は、肯定応答情報および端末IDを端末装置202から受信するか、または否定応答情報もしくは中立応答情報、および端末IDを端末装置202から受信するまで待機する(ステップS402でNOおよびステップS418でNO)。
なお、上記ステップS404、S406およびS408とS410との順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
また、上記ステップS420およびS422の順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御装置では、交通規制情報処理部22は、交通抑制の予定される抑制時間帯CPを設定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。交通規制情報処理部22は、時間帯取得部として、たとえば交通流制御装置101以外の装置において設定された抑制時間帯CPを取得する構成であればよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御装置では、交通規制情報処理部22は、対象エリアA1を決定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。交通規制情報処理部22は、エリア取得部として、たとえば交通流制御装置101以外の装置において決定された対象エリアA1を取得する構成であればよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御装置は、応答取得部の機能、ならびに算出部26および設定部23を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。交通流制御装置101以外の装置が、応答取得部の機能、ならびに算出部26および設定部23を備える構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御装置では、対象エリアA1は、抑制エリアCAを含むエリアであるとしたが、これに限定するものではない。対象エリアA1は、抑制エリアCAそのものであってもよいし、抑制エリアCAを含まないエリアであってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御装置では、対象エリアA1は、抑制エリアCAに接続される道路区間および抑制エリアCAを含むエリアであるとしたが、これに限定するものではない。対象エリアA1は、抑制エリアCAに接続されない道路区間を含むエリアであって抑制エリアCAを含まないエリアであってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御装置では、依頼情報は、公共交通機関を利用する旨、および抑制時間帯CPとは異なる時間帯に対象エリアA1を通過する旨を示すとしたが、これに限定するものではない。依頼情報は、公共交通機関を利用する旨、および抑制時間帯CPとは異なる時間帯に対象エリアA1を通過する旨のいずれか一方を示してもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御装置では、抽出部24は、車両1の過去の走行経路を示す軌跡情報に基づいて、対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行する対象車両を予測するとしたが、これに限定するものではない。抽出部24は、車両1の将来の走行経路を示す軌跡情報FTに基づいて、対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行する対象車両を予測してもよい。より詳細には、車両1の将来の走行経路は、たとえば車両1の過去または現在の走行経路を統計処理することにより求められる。抽出部24は、たとえば、抑制時間帯CPにおける車両1の走行経路を軌跡情報FTから取得し、取得した走行経路に基づいて、対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行する対象車両を予測してもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御装置では、抽出部24は、軌跡情報に基づいて、上流エリアUAから下流エリアLAへ走行する車両1の中から、対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行する対象車両を抽出する構成であるとしたが、これに限定するものではない。抽出部24は、車両1の走行する方向に関係なく、軌跡情報に基づいて、対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行する対象車両を抽出する構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御装置では、設定部23は、抑制時間帯CPに対象エリアA1を走行させる車両の削減台数に係る目標Tgtを設定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。設定部23は、抑制時間帯CPに対象エリアA1を走行させる車両の走行台数に係る目標を設定する構成であってもよいし、抑制時間帯CPに対象エリアA1を走行させる車両の走行台数および削減台数の両方に係る目標を設定する構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態では、交通抑制が行われる予定のある抑制エリアCAは、交通規制情報の示す規制車線区間であるとしたが、これに限定するものではない。交通抑制が行われる予定のある抑制エリアCAは、予め特定した、渋滞を発生させたくない道路区間または地域等であってもよい。
ところで、特許文献1に記載の交通渋滞緩和装置は、センサによる上流側を走行する車両の測定結果から渋滞緩和情報を作成し、作成した渋滞緩和情報を下流側における車両に送信する構成であるため、たとえば下流側において交通規制が行われている場合、当該交通規制による渋滞を緩和させるための情報を上流側における車両に送信することが困難である。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御装置では、交通規制情報処理部22は、交通抑制が行われる予定のある抑制エリアCAに基づくエリアである対象エリアA1を示すエリア情報、および交通抑制の予定される抑制時間帯CPを示す時間帯情報を取得する。抽出部24は、対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行すると予測される車両1である対象車両を抽出する。そして、通信処理部25は、対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行しないことを依頼する旨を示す依頼情報を対象車両に対応する端末装置202に通知する。
このような構成により、対象車両のドライバは、渋滞の発生する可能性の高い対象エリアA1、および渋滞の発生する可能性の高い抑制時間帯CPを端末装置202への通知内容から認識することができるので、抑制時間帯CPにおける対象エリアA1の走行を回避することができる。これにより、抑制時間帯CPにおいて対象エリアA1を走行する車両1の台数を減ずることができるので、渋滞の発生する可能性を下げることができる。したがって、対象エリアにおける渋滞を軽減することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御装置では、対象エリアA1は、抑制エリアCAに接続される道路区間および抑制エリアCAを含むエリアである。
このような構成により、抑制エリアCAだけでなく、交通抑制によって渋滞の発生する可能性の高い道路区間において、抑制時間帯CPにおける車両1の走行を回避させることができる。また、抑制エリアCAに接続される道路区間を用いて対象エリアA1の範囲を特定することができるので、対象車両のドライバは、対象エリアA1を容易に認識することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御装置では、交通規制情報処理部22は、対象エリアA1を決定し、道路区間を走行する車両1が抑制エリアCAを走行する確率に基づいて、複数の道路区間のうち、対象エリアA1に含める道路区間を選択する。
このような構成により、交通抑制によって渋滞の発生する可能性の高い道路区間を精度よく選択することができるので、対象エリアA1の範囲を適切に決定することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御装置では、抽出部24は、抑制エリアCAを基準とする上流エリアUAおよび下流エリアLAを特定し、特定した上流エリアUAから下流エリアLAへ走行する車両1の中から、対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行すると予測される対象車両を抽出する。
このように、交通抑制の方向へ走行する車両1の中から対象車両を抽出する構成により、より適切な車両1を対象車両として抽出することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御装置では、抽出部24は、車両1の過去または将来の走行経路を示す軌跡情報に基づいて、対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行する対象車両を抽出する。
このような構成により、軌跡情報からたとえば各車両1の過去または将来の走行パターンを得ることができるので、対象車両を精度よく抽出することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御装置では、依頼情報は、公共交通機関を利用する旨、および抑制時間帯CPとは異なる時間帯に対象エリアA1を通過する旨の少なくともいずれか一方を示す。
このように、抑制時間帯CPにおいて対象エリアA1を走行する車両1の台数を減ずる効果的な方法を提示する構成により、対象エリアA1における渋滞の発生の可能性をより下げることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御装置では、通信処理部25は、依頼情報に対する端末装置202からの応答情報を取得する。そして、算出部26は、通信処理部25によって取得された応答情報の内容に基づく対価を算出する。
このような構成により、応答情報の内容に応じた適切な対価を算出することができるので、ドライバの満足度を高めることができる。これにより、ドライバの協力が得られやすくなるので、対象エリアA1における渋滞の発生の可能性をより下げることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る交通流制御装置では、設定部23は、抑制エリアCAにおいて交通抑制が行われていないときの車両1の走行台数、および予定される交通抑制の内容に基づいて、抑制時間帯CPに対象エリアA1を走行させる車両1の走行台数および削減台数の少なくともいずれか一方に係る目標Tgtを設定する。通信処理部25は、依頼情報に対する端末装置202からの応答情報を取得する。そして、通信処理部25は、設定部23によって設定された目標Tgt、および通信処理部25によって取得された応答情報に基づいて、他の端末装置202に依頼情報を通知するか否かを決定する。
このような構成により、対象エリアA1における渋滞の発生を防ぐためのに適切な目標Tgtを設定することができ、また、設定した目標Tgtに対する対象車両の交通抑制への参加台数の達成状況を取得することができる。そして、たとえば当該目標Tgtに未達の場合において他の端末装置202に依頼情報を通知することにより、目標達成の可能性を高めることができるので、対象エリアA1における渋滞の発生の可能性をより下げることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る端末装置では、受信部41は、交通抑制が行われる予定のある抑制エリアCAに基づくエリアである対象エリアA1を交通抑制の予定される抑制時間帯CPに車両で走行しないことを依頼する旨を示す依頼情報を受信する。そして、送信部45は、依頼情報に対する応答情報を送信する。
このような構成により、端末装置202のユーザは、渋滞の発生する可能性の高い対象エリアA1、および渋滞の発生する可能性の高い抑制時間帯CPを端末装置202への通知内容から認識することができるので、抑制時間帯CPにおける対象エリアA1の走行を回避することができる。これにより、抑制時間帯CPにおいて対象エリアA1を走行する車両の台数を減ずることができるので、渋滞の発生する可能性を下げることができる。したがって、対象エリアにおける渋滞を軽減することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る交通流制御システムと比べて対象車両の抽出においてドライバの交通抑制に対する貢献度を加味する交通流制御システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る交通流制御システムと同様である。
[課題]
たとえば、交通抑制への車両の参加台数が少ない場合、対象エリアA1における渋滞を緩和することが困難になることがある。一方、交通抑制への車両の参加台数が多い場合、対象エリアA1における渋滞が緩和しても、対象エリアA1の外部に位置するエリアにおいて渋滞が発生することがある。
このように、交通抑制への車両の参加台数を正確に見積もることは重要であるので、参加台数をより正確に見積もることが可能な技術が求められている。
そこで、本発明の第2の実施の形態に係る交通流制御システムでは、以下のような構成および動作により、このような課題を解決する。
[交通流制御装置の構成]
図14は、本発明の第2の実施の形態に係る交通流制御システムにおける交通流制御装置の構成を示す図である。
図14を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る交通流制御システム301における交通流制御装置102は、交通規制情報取得部21と、交通規制情報処理部(時間帯取得部、エリア取得部および決定部)22と、設定部23と、算出部26と、実績処理部28と、抽出部34と、通信処理部(通知部および応答取得部)35とを備える。
交通流制御装置102における交通規制情報取得部21、交通規制情報処理部22、設定部23、算出部26および実績処理部28の動作は、図3に示す交通流制御装置101における交通規制情報取得部21、交通規制情報処理部22、設定部23、算出部26および実績処理部28とそれぞれ同様である。
抽出部34は、たとえば、依頼情報に対する端末装置202からの過去の応答情報の内容である応答内容、依頼情報に対する対象車両の行動実績、および設定部23によって設定された目標Tgtに基づいて対象車両を抽出する。
より詳細には、抽出部34は、たとえば、当該応答内容および行動実績の少なくともいずれか一方に基づいて評価値を算出する。
図15は、本発明の第2の実施の形態に係る交通流制御装置における抽出部が作成する反応度リストの一例を示す図である。
図15を参照して、抽出部34は、たとえば、端末装置202と時間帯別の評価値との対応関係を示すリストを作成する。より詳細には、抽出部34は、端末装置202の端末IDと時間帯別の評価値たとえば反応度との対応関係を示す反応度リストRlst1を作成する。抽出部34は、所定時間たとえば1日ごとに反応度リストRlst1を作成する。
図16は、本発明の第2の実施の形態に係る交通流制御装置における抽出部が反応度リストの作成処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図15および図16を参照して、抽出部34は、端末IDが1〜500の端末装置202についての、日種ごとかつ0時から24時までの3時間ごとの24種類の時間帯の反応度を求めることを想定する。
まず、抽出部34は、端末IDを示すインデックスkidを1に初期化する(ステップS502)。
次に、抽出部34は、24種類の時間帯を識別するためのインデックスkdtを1に初期化する(ステップS504)。
次に、抽出部34は、インデックスkdtに対応する日種および時間帯を設定する。たとえば、インデックスkdtの値が1である場合における日種および時間帯は、それぞれ「平日」および「0:00〜3:00」である(ステップS506)。
次に、抽出部34は、送信済依頼情報データベース126における送信済依頼情報に基づいて、以下の条件Cd1を満たす送信済依頼情報の個数Nreqを算出する(ステップS508)。
ここで、条件Cd1は、送信済依頼情報が、インデックスkidと同じ値を有する端末IDに対応し、かつ設定した日種と同じ日種における抑制時間帯CPであって設定した時間帯に含まれる抑制時間帯CPを示す時間帯情報を含むか否かである。
次に、抽出部34は、個数Nreqがゼロより大きい場合(ステップS510でYES)、受信済応答情報データベース127における応答情報に基づいて、以下の条件Cd2を満たす応答情報を取得し、取得した応答情報の個数Nresを算出する(ステップS512)。
ここで、条件Cd2は、応答情報が、インデックスkidと同じ値を有する端末IDに対応し、かつ設定した日種と同じ日種における抑制時間帯CPであって設定した時間帯に含まれる抑制時間帯CPを示す時間帯情報を含むか否かである。
次に、抽出部34は、算出した個数Nresを用いて、後述する反応度Reを算出するための反応度算出処理を行い、算出した反応度Reを反応度リストRlst1における対応の欄に書き込む(ステップS514)。
一方、抽出部34は、個数Nreqがゼロである場合(ステップS510でNO)、反応度を割り当てず、反応度リストRlst1における対応の欄に「NA」を書き込む(ステップS516)。
次に、抽出部34は、反応度算出処理を行うか(ステップS514)、または反応度リストRlst1における対応の欄に「NA」を書き込むと(ステップS516)、インデックスkdtをインクリメントする(ステップS518)。
次に、抽出部34は、インデックスkdtが24以下である場合(ステップS520でNO)、インデックスkdtに対応する日種および時間帯を設定する。たとえば、インデックスkdtの値が2である場合における日種および時間帯は、それぞれ「平日」および「3:00〜6:00」である(ステップS506)。
一方、抽出部34は、インデックスkdtが24より大きい場合(ステップS520でYES)、インデックスkidをインクリメントする(ステップS522)。
次に、抽出部34は、インデックスkidが端末IDの個数の最大値Maxidすなわち500以下である場合(ステップS524でNO)、インデックスkdtを再び1に初期化する(ステップS504)。
一方、抽出部34は、インデックスkidが最大値Maxidより大きい場合(ステップS524でYES)、反応度リストRlst1の作成処理を終了する。このタイミングにおいて、図15に示す反応度リストRlst1が完成している。
図17は、本発明の第2の実施の形態に係る交通流制御装置における抽出部が反応度算出処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図17を参照して、まず、抽出部34は、条件Cd2を満たすNres個の応答情報を識別するためのインデックスkrを1に初期化する(ステップS602)。
次に、抽出部34は、反応度Reの初期値としてゼロを設定する(ステップS604)。
次に、抽出部34は、kr個目の応答情報が肯定応答情報でない場合(ステップS606でNO)、反応度Reから消極レベルa1を差し引く(ステップS608)。
一方、抽出部34は、kr個目の応答情報が肯定応答情報であり、かつ当該肯定応答情報に対応する実績情報が整合性なしを示す場合(ステップS606でYESおよびステップS610でYES)、反応度Reから消極レベルa2を差し引く(ステップS612)。
また、抽出部34は、kr個目の応答情報が肯定応答情報であり、当該肯定応答情報に対応する実績情報が整合性ありを示し、かつ当該肯定応答情報が肯定応答情報PR2である場合(ステップS606でYES、ステップS610でNOおよびステップS614でYES)、反応度Reに積極レベルa4を加える(ステップS618)。
一方、抽出部34は、kr個目の応答情報が肯定応答情報であり、当該肯定応答情報に対応する実績情報が整合性ありを示し、かつ当該肯定応答情報が肯定応答情報PR2でない場合(ステップS606でYES、ステップS610でNOおよびステップS614でNO)、反応度Reに積極レベルa3を加える(ステップS616)。
次に、抽出部34は、反応度Reから消極レベルa1を差し引くか(ステップS608)、反応度Reから消極レベルa2を差し引くか(ステップS612)、反応度Reに積極レベルa4を加えるか(ステップS618)、または反応度Reに積極レベルa3を加えると(ステップS616)、インデックスkrをインクリメントする(ステップS620)。
次に、抽出部34は、インデックスkrがNres以下である場合(ステップS622でNO)、kr個目の応答情報が肯定応答情報であるか否かを判断する(ステップS606)。
一方、抽出部34は、インデックスkrがNresより大きい場合(ステップS622でYES)、反応度Reが1より大きいか否かを判定する(ステップS624)。
抽出部34は、反応度Reが1より大きいと判定した場合(ステップS624でYES)、反応度Reを1.0に設定する(ステップS626)。
一方、抽出部34は、反応度Reが1以下であると判定した場合(ステップS624でNO)、反応度Reがゼロより小さいか否かを判定する(ステップS628)。
抽出部34は、反応度Reがゼロより小さいと判定した場合(ステップS628でYES)、反応度Reを0.0に設定する(ステップS630)。
一方、抽出部34は、反応度Reがゼロ以上であると判定した場合(ステップS628でNO)、反応度Reを維持する。
再び、図14を参照して、抽出部34は、たとえば、否定応答情報を取得した場合における評価値と比べて、肯定応答情報を取得し、かつ対応の対象車両が対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行した場合における評価値を対象車両の抽出に不利となるように算出する。
具体的には、この例では、後述するように評価値の大きい対象車両が優先的に抽出されるので、抽出部34は、たとえば、否定応答情報を取得した場合と比べて、肯定応答情報を取得し、かつ対応の対象車両が対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行した場合における評価値を低く算出する。
より詳細には、抽出部34は、反応度算出処理において用いる消極レベルa1,a2を、0<=a1<a2<1の関係が満たされるように設定する。
抽出部34は、反応度算出処理において、否定応答情報を処理対象とする場合、現在の反応度Reから消極レベルa1を差し引く。
一方、抽出部34は、反応度算出処理において、肯定応答情報を処理対象とする場合、当該肯定応答処理に対応する実績情報(図2参照)を受信済応答情報データベース127から取得し、取得した実績情報が整合性なしを示すとき、現在の反応度Reから消極レベルa2を差し引く。
また、抽出部34は、代替経路を利用することにより対象車両が対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行しない場合における評価値と比べて、公共交通機関を利用することにより対象車両が対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行しない場合における評価値を対象車両の抽出に有利となるように算出する。
具体的には、上述のように、この例では評価値の大きい対象車両が優先的に抽出されるので、抽出部34は、たとえば、代替経路を利用することにより対象車両が対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行しない場合と比べて、公共交通機関を利用することにより対象車両が対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行しない場合における評価値を高く算出する。
より詳細には、抽出部34は、反応度算出処理において用いる積極レベルa3,a4を、0<=a3<a4<1の関係が満たされるように設定する。
抽出部34は、反応度算出処理において、肯定応答情報PR2を処理対象とする場合、現在の反応度Reに積極レベルa4を加える。
一方、抽出部34は、反応度算出処理において、肯定応答情報PR1またはPR3を処理対象とする場合、現在の反応度Reに積極レベルa3を加える。
また、抽出部34は、図5に示すように、軌跡Tr1,Tr2,Tr3,Tr4,Tr5を通った、車両IDがそれぞれ1〜100,101〜200,201〜300,301〜400,401〜500の車両1を進入車両として特定する。
そして、抽出部34は、特定した進入車両のうち、抑制時間帯CPと同じ日種かつ同じ時間帯において、対象エリアA1を走行した車両1を対象車両として抽出する。
この例では、抽出部34は、図5に示すように、軌跡Tr1,Tr2,Tr3を通った、車両IDがそれぞれ1〜100,101〜200,201〜300の車両1を対象車両として特定する。
また、抽出部34は、設定部23によって設定された目標Tgtたとえば50台〜70台を設定部23から取得する。
抽出部34は、たとえば、算出した評価値に基づいて対象車両を抽出する。具体的には、抽出部34は、反応度リストRlst1に基づいて対象車両を抽出する。
より詳細には、抽出部34は、たとえば、抑制時間帯CPの日種および時間帯がそれぞれ「平日」および「10:00〜11:00」である場合、反応度リストRlst1において、1〜300の端末ID、ならびに「平日」および「10:00〜11:00」に対応する領域R1における各反応度を参照する。
抽出部34は、たとえば評価値の大きい対象車両を優先的に抽出する。具体的には、抽出部34は、領域R1における各反応度のうち、大きい順に反応度を順次取得する。そして、抽出部34は、取得した反応度の合計がたとえば目標Tgtの中央値である60を超えたとき、取得した各反応度に対応する端末IDを依頼情報の送信先として特定する。
なお、抽出部34は、評価値の小さい対象車両を優先的に抽出してもよい。この場合、抽出部34は、否定応答情報を取得した場合と比べて、肯定応答情報を取得し、かつ対応の対象車両が対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行した場合における評価値を高く算出する。また、抽出部34は、代替経路を利用することにより対象車両が対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行しない場合と比べて、公共交通機関を利用することにより対象車両が対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行しない場合における評価値を低く算出する。
また、抽出部34は、特定する端末IDが偏らないように、依頼情報の送信先として特定した端末IDのうちのたとえば数パーセント程度を、「NA」に対応する端末ID、および小さい反応度に対応する端末IDの少なくともいずれか一方をランダムに選択し、選択した端末IDに置き換えてもよい。
また、抽出部34は、反応度リストRlst1における各端末IDをスクリーニングしてもよい。
より詳細には、抽出部34は、たとえば、送信済依頼情報データベース126における送信済依頼情報に基づいて、反応度リストRlst1における各端末IDのうち、依頼情報の宛先として所定回数以上の使用実績のある端末IDを取得し、取得した端末IDの中から依頼情報の送信先とする端末IDを特定する。
抽出部34は、特定した端末IDに対応する車両ID、当該車両IDに対応する軌跡、ならびに時間帯情報およびエリア情報を通信処理部35へ出力する。
通信処理部35は、抽出部34から対象車両の車両ID、当該車両IDに対応する軌跡、ならびに時間帯情報およびエリア情報を受けると、受けた時間帯情報およびエリア情報に基づいて、抑制時間帯CP、抑制エリアCAの位置する規制リンクL1、規制方向CDおよび対象エリアA1の範囲を認識する。
また、通信処理部35は、設定部23から目標情報を受けると、受けた目標情報から目標Tgtの下限および中央値がそれぞれ50および60であることを認識する。
また、通信処理部35は、ドライバ情報データベース124からドライバ情報を取得し、取得したドライバ情報、および抽出部34から受けた車両IDに基づいて、当該車両IDに対応する端末装置202の端末IDを取得する。
また、通信処理部35は、代替リンク利用依頼情報、公共交通利用依頼情報および時差走行依頼情報を作成し、抑制時間帯CPを含む日のたとえば1日前において、作成した代替リンク利用依頼情報、公共交通利用依頼情報および時差走行依頼情報、ならびに時間帯情報およびエリア情報を、取得した端末IDを宛先として端末装置202へ送信する。この際、通信処理部35は、取得した端末IDに対応する車両IDの代替リンク利用依頼情報および公共交通利用依頼情報を送信する。
通信処理部35は、依頼情報に対する応答情報および端末IDを端末装置202から受信すると、受信した端末IDおよび保持するID情報に基づいて、端末IDに対応する車両IDを取得する。
通信処理部35は、依頼情報を送信してから所定時間経過するまでに受信した各応答情報の内容を確認することにより、当該各応答情報に含まれる肯定応答情報PR1,PR2,PR3の個数をカウントする。
通信処理部35は、カウントした個数が目標Tgtの下限である50未満である場合、他の端末装置202への依頼情報の送信を行うことを決定する。
より詳細には、通信処理部35は、目標Tgtの中央値である60から当該個数を差し引いた追加値を、抽出部34へ通知する。
抽出部34は、通信処理部35から追加値の通知を受けると、領域R1における未取得の各反応度のうち、大きい順に反応度を順次取得する。そして、抽出部34は、取得した反応度の合計がたとえば追加値を超えたとき、取得した各反応度に対応する端末IDを依頼情報の送信先として特定する。
抽出部34は、特定した端末IDに対応する車両ID、当該車両IDに対応する軌跡、ならびに時間帯情報およびエリア情報を通信処理部35へ出力する。
[交通流制御装置102の変形例の構成]
図18は、本発明の第2の実施の形態に係る交通流制御システムにおける交通流制御装置の変形例の構成を示す図である。
交通流制御装置102は、図14に示す交通流制御装置102と比べて、さらに、対価レベル取得部29を備える。
対価レベル取得部29は、たとえば、交通抑制に協力したドライバに与えるインセンティブの価値の大小を示すインセンティブレベルを配信サーバ151からインターネット10経由で取得する。ここで、インセンティブレベルは、たとえば、A,B,Cの3種類あり、この順に価値が小さくなる。
対価レベル取得部29は、取得したインセンティブレベルを抽出部34および通信処理部35へ出力する。
通信処理部35は、抑制時間帯CPを含む日のたとえば1日前において、対価レベル取得部29から受けるインセンティブレベル、代替リンク利用依頼情報、公共交通利用依頼情報および時差走行依頼情報、ならびに時間帯情報およびエリア情報を端末装置202へ送信する。
図19は、本発明の第2の実施の形態に係る端末装置の外観の一例を示す図である。
図6および図19を参照して、端末装置202における処理部43は、インセンティブレベル、代替リンク利用依頼情報、公共交通利用依頼情報および時差走行依頼情報、ならびに時間帯情報およびエリア情報を受信部41経由で交通流制御装置102から受信すると、受信したこれらの情報に基づいて画面Scr4を作成し、作成した画面Scr4を表示部44に表示する制御を行う。
図19に示すように、画面Scr4における領域Lk3において「インセンティブレベル:A」が表示されている。ドライバは、インセンティブレベルを考慮しながら、ラジオボタンRb1〜Rb5のいずれか1つを選択した後、ボタンBt1をタップする。
受付部42は、ドライバによる操作を受付け、受付けた操作内容を示す操作情報を処理部43へ出力する。
処理部43は、受付部42から操作情報を受けると、受けた操作情報の示すラジオボタンRb1〜Rb5の選択結果に応じた内容を含む応答情報を作成し、作成した応答情報を自己の端末IDとともに送信部45経由で交通流制御装置102へ送信する。
再び図18を参照して、通信処理部35は、端末装置202から応答情報および端末IDを受信すると、受信した端末ID、および保持するID情報に基づいて、端末IDに対応する車両IDを取得する。
そして、通信処理部35は、インセンティブレベル、応答情報、時間帯情報およびエリア情報、ならびに端末IDおよび車両IDを実績処理部28へ出力するとともに、インセンティブレベル、応答情報および端末IDを算出部26へ出力する。
算出部26は、たとえば、通信処理部35からインセンティブレベル、応答情報および端末IDを受けると、インセンティブレベル、および応答情報の内容に応じた対価を算出し、算出した対価および端末IDを実績処理部28へ出力する。
実績処理部28は、インセンティブレベル、中立応答情報または否定応答情報、時間帯情報およびエリア情報、ならびに端末IDおよび車両IDを通信処理部35から受けると、受けたインセンティブレベル、中立応答情報または否定応答情報、および時間帯情報を端末IDおよび車両IDに対応付けて受信済応答情報データベース127に蓄積する。
また、実績処理部28は、インセンティブレベル、肯定応答情報、時間帯情報およびエリア情報、ならびに端末IDおよび車両IDを通信処理部35から受けると、肯定応答情報および時間帯情報に基づいて実績情報を作成し、作成した実績情報、インセンティブレベル、肯定応答情報および時間帯情報を端末IDおよび車両IDに対応付けて受信済応答情報データベース127に蓄積する。
図20は、本発明の第2の実施の形態に係る交通流制御装置における抽出部が作成する反応度リストの他の例を示す図である。
図20を参照して、抽出部34は、たとえば、端末装置202と評価値との対応関係を示す反応度リストRlst2を、対象車両が対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行しないことに対する対価の種類ごとに作成する。
詳細には、抽出部34は、端末装置202の端末IDと反応度との対応関係を示す反応度リストTlst2を対価すなわちインセンティブのレベルごとに作成する。
より詳細には、抽出部34は、受信済応答情報データベース127に蓄積された応答情報をインセンティブレベルA,B,Cで分け、分けた応答情報に基づいて、インセンティブレベルA,B,Cそれぞれにおける反応度を算出することにより反応度リストRlst2を作成する。
抽出部34は、たとえば、対価レベル取得部29からインセンティブレベルを受けると、受けたインセンティブレベルおよび反応度リストRlst2に基づいて対象車両を抽出する。
なお、本発明の第2の実施の形態に係る交通流制御装置は、応答内容および行動実績に基づいて対象車両を抽出する構成であるとしたが、これに限定するものではない。交通流制御装置102は、応答内容または行動実績に基づいて対象車両を抽出する構成であってもよい。
また、本発明の第2の実施の形態に係る交通流制御装置は、設定部23により設定された目標Tgtに基づいて対象車両を抽出する構成であるとしたが、これに限定するものではない。交通流制御装置102は、固定の目標に基づいて対象車両を抽出する構成であってもよい。
また、本発明の第2の実施の形態に係る交通流制御装置は、過去の応答情報の内容および行動実績の少なくともいずれか一方に基づいて評価値を算出する構成であるとしたが、これに限定するものではない。交通流制御装置102は、過去の応答情報の内容または行動実績に基づいて評価値を算出する構成であればよい。
また、本発明の第2の実施の形態に係る抽出部は、端末装置202と時間帯別の評価値との対応関係を示す反応度リストRlst1を作成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。抽出部34は、車両1と時間帯別の評価値との対応関係を示す反応度リストを作成する構成であってもよい。
また、本発明の第2の実施の形態に係る抽出部は、端末装置202と評価値との対応関係を示す反応度リストRlst2を、対象車両が対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行しないことに対する対価の種類ごとに作成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。抽出部34は、車両1と評価値との対応関係を示す反応度リストを上記対価の種類ごとに作成する構成であってもよい。
また、本発明の第2の実施の形態に係る抽出部は、反応度リストRlst1またはRlst2を作成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。抽出部34は、車両1または端末装置202と時間帯別の評価値との対応関係を示す反応度リストを上記対価の種類ごとに作成する構成であってもよい。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る交通流制御装置では、抽出部34は、依頼情報に対する端末装置202からの過去の応答情報の内容に基づいて対象車両を抽出する。
このような構成により、過去の応答情報の内容から依頼に対するドライバの積極性を認識することができるので、積極性の高いドライバの対象車両をより確実に抽出することができる。これにより、交通抑制への車両の参加台数をより正確に見積もることができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る交通流制御装置では、抽出部34は、依頼情報に対する対象車両の行動実績に基づいて対象車両を抽出する。
このような構成により、依頼情報の内容に沿って行動する可能性の高い対象車両をより確実に抽出することができる。これにより、交通抑制への車両の参加台数をより正確に見積もることができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る交通流制御装置では、設定部23は、抑制エリアCAにおいて交通抑制が行われていないときの車両1の走行台数、および予定される交通抑制の内容に基づいて、抑制時間帯CPに対象エリアA1を走行させる車両1の走行台数および削減台数の少なくともいずれか一方に係る目標Tgtを設定する。そして、抽出部34は、設定部23によって設定された目標Tgtにさらに基づいて対象車両を抽出する。
このような構成により、対象エリアA1における渋滞の発生を防ぐためにより適切な目標Tgtを設定することができるので、適正な台数の対象車両を抽出することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る交通流制御装置では、抽出部34は、依頼情報に対する端末装置202からの過去の応答情報の内容、および依頼情報に対する対応の対象車両の行動実績の少なくともいずれか一方に基づいて評価値を算出し、算出した評価値に基づいて対象車両を抽出する。
このような構成により、依頼に対するドライバの積極性、および対象車両が依頼情報の内容に沿って行動する可能性の少なくともいずれか一方を数値化することができるので、優先的に抽出すべき対象車両を容易に判断することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る交通流制御装置では、抽出部34は、依頼情報に対する否定的な応答を示す否定応答情報を取得した場合における評価値と比べて、依頼情報に対する肯定的な応答を示す肯定応答情報を取得し、かつ対応の対象車両が対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行した場合における評価値を対象車両の抽出に不利となるように算出する。
このような構成により、抑制時間帯CPにおいて対象エリアA1を走行しない意向を示しながらも実際には走行した対象車両を、たとえば抑制時間帯CPにおいて対象エリアA1を走行する意向を示した上で意向通りに走行した対象車両と比べて、渋滞の緩和に対する悪影響が大きいとして優先的には抽出されないようにすることができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る交通流制御装置では、抽出部34は、代替経路を利用することにより対象車両が対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行しない場合における評価値と比べて、公共交通機関を利用することにより対象車両が対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行しない場合における評価値を対象車両の抽出に有利となるように算出する。
このような構成により、抑制時間帯CPにおいて対象エリアA1の外部を走行する対象車両よりも渋滞の緩和に対してより貢献する、抑制時間帯CPにおいて走行しない対象車両を優先的に抽出されるようにすることができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る交通流制御装置では、抽出部34は、車両1または端末装置202と時間帯別の評価値との対応関係を示す反応度リストRlst1を作成する。
このような構成により、抑制時間帯CPにおける車両1または端末装置202に対応する評価値を反応度リストRlst1から容易に取得することができるので、対象車両の抽出処理を効率よく行うことができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る交通流制御装置では、抽出部34は、車両1または端末装置202と評価値との対応関係を示す反応度リストRlst2を、対象車両が対象エリアA1を抑制時間帯CPに走行しないことに対する対価の種類ごとに作成する。
このような構成により、依頼に対するドライバの積極性、または対象車両が依頼情報の内容に沿って行動する可能性が対価の種類に応じて変化する場合においても、対価の種類に応じた反応度リストRlst2から適切な評価値を容易に取得することができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る交通流制御システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
なお、本発明の第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る各装置の構成要素および動作のうち、一部または全部を適宜組み合わせることも可能である。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
交通流制御装置であって、
交通抑制が行われる予定のある抑制エリアに基づくエリアである対象エリアを示すエリア情報を取得するエリア取得部と、
前記交通抑制の予定される時間帯を示す時間帯情報を取得する時間帯取得部と、
前記対象エリアを前記時間帯に走行すると予測される車両である対象車両を抽出する抽出部と、
前記対象エリアを前記時間帯に走行しないことを依頼する旨を示す依頼情報を前記対象車両に対応する端末装置に通知する通知部とを備え、
前記交通流制御装置は、さらに、
交通規制を行う予定の抑制エリア、および前記交通規制の予定される時間帯である規制時間帯を示す交通規制情報を取得する交通規制情報取得部を備え、
前記抑制エリアは、道路区間を用いて特定され、
前記時間帯は、各道路区間における車両の混雑度合いを、日種ごと、時間帯ごと、かつ上りまたは下りを示す車両走行方向ごとに示す渋滞情報、前記交通規制情報取得部によって取得された前記規制時間帯、および前記抑制エリアに基づいて設定され、
前記依頼情報は、前記時間帯において前記対象エリアを通過しない旨を含み、
前記端末装置は、前記車両に設けられる車載装置、または前記車両のドライバが携帯する無線端末装置である、交通流制御装置。
[付記2]
端末装置であって、
交通抑制が行われる予定のある抑制エリアに基づくエリアである対象エリアを前記交通抑制の予定される時間帯に車両で走行しないことを依頼する旨を示す依頼情報を受信する受信部と、
前記依頼情報に対する応答情報を送信する送信部とを備え、
前記抑制エリアは、道路区間を用いて特定され、
前記依頼情報は、前記時間帯において前記対象エリアを通過しない旨を含み、
前記端末装置は、前記車両に設けられる車載装置、または前記車両のドライバが携帯する無線端末装置である、端末装置。