JP2017125279A - 微細セルロース繊維含有シート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】抄紙においてワイヤーから湿紙を剥す際のピックアップが良好であり、地合が良好であるシートを提供すること。【解決手段】微細セルロース繊維を含有し、坪量が5g/m2以上30g/m2以下であり、密度が0.3g/m3以上1.0g/m3以下であり、JIS P8113に規定される引張強度の縦横比が2.5以下である、シート。【選択図】なし

Description

本発明は、微細セルロース繊維を含有し、坪量が小さく、引張強度の縦横比が小さいシート、及びその製造方法に関する。
植物由来資源を積極的に利用することが求められている。植物繊維は多くの可能性を有しているが、性能が不十分な場合も多く、植物繊維の利用が期待されている自動車・住宅・家電などの分野への展開が充分に進んでいない。 セルロース繊維含有シートは、植物由来資源の有効な活用例ではあるが、より高性能を示す紙製品が求められている。
特許文献1には、 坪量が15〜65g/m2であり、JIS P8113に規定される乾燥引張強度の縦横比が2.0以下であり、JIS P8113に規定される引張破断伸びが14%以下であることを特徴とする紙シートが記載されている。また、特許文献2には、未晒しクラフトパルプのみからなり、該未晒しクラフトパルプの80質量%以上が針葉樹未晒しクラフトパルプであることを特徴とする紙が記載されている。さらに特許文献3には、低密度であるとともに向上した引張強度を有し、繊維間空隙が遮蔽されることがない電解紙が記載されている。しかしながら、特許文献1から3には、微細セルロース繊維を使用することは記載されていない。
特許文献4には、合成パルプとガラス転移温度が200℃以上の繊維を主原料とし、湿式抄紙で製造され、坪量が30g/m2以上であり、絶縁破壊電圧が13k∨/mm以上であり、厚みの標準偏差が3.0μm以下であるシートが記載されている。特許文献5には、複数の抄紙網を組み合わせた抄紙機を使用し、少なくとも1層を90メッシュの金属ワイヤーを備えた順流式円網で抄造されることを特徴とする湿式抄造法によるキャパシタ用セパレータの製造方法が記載されている。
特許文献6には、平均繊維幅が1000nm以下の微細セルロース繊維を含有し、窒素ガス吸着法による比表面積が30〜210m2/g、平均細孔径が0.005〜5μm、坪量が5〜100g/m2である、微細セルロース繊維含有シートが記載されている。しかし、特許文献6には、引張強度及び弾性率の縦横比についての記載はない。特許文献7には、少なくとも樹脂組成物と複数枚の紙シートからなる複合材において、前記紙シートの表面積が30cm2以下であることを特徴とする紙シート含有複合材が記載されている。特許文献7には、紙シートの引張強度の縦横比は3.0〜6.0が好ましいことが記載されている。
特開2006−320625号公報 特開2015−1038号公報 特開2006−245629号公報 特開2014−237915号公報 特開2015−53315号公報 特開2014−163028号公報 特開2012−158137号公報
紙シートの製造においては、抄紙においてワイヤーから湿紙を剥す際のピックアップが良好であり、かつ地合が良好である紙シートを提供することが望まれている。本発明は、抄紙においてワイヤーから湿紙を剥す際のピックアップが良好であり、地合が良好であるシートを提供することを解決すべき課題とする。さらに、本発明は、上記シートの製造方法を提供することを解決すべき課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討し、微細セルロース繊維を原料として抄紙する際の抄紙条件を調節した。その結果、坪量が5g/m2以上30g/m2以下であり、密度が0.3g/m3以上1.0g/m3以下であり、JIS P8113に規定される引張強度の縦横比が2.5以下であるシートを製造できることを見出した。さらに本発明者らは、上記シートの製造においてピックアップが良好であり、上記シートの地合が良好であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1) 微細セルロース繊維を含有し、坪量が5g/m2以上30g/m2以下であり、密度が0.3g/m3以上1.0g/m3以下であり、JIS P8113に規定される引張強度の縦横比が2.5以下である、シート。
(2) 微細セルロース繊維の数平均繊維幅が1μm以下である、(1)に記載のシート。
(3) 微細セルロース繊維の繊維長が1mm以下である、(1)又は(2)に記載のシート。
(4) JIS P8113に規定される弾性率の縦横比が3.0以下である、(1)から(3)の何れか一に記載のシート。
(5) JIS P8113に規定される縦及び横の引張強度がそれぞれ独立に、0.2MPa以上3.0MPa以下である、(1)から(4)の何れか一に記載のシート。
(6) JIS P8113に規定される縦及び横の弾性率がそれぞれ独立に、2.0GPa以上15.0GPa以下である、(1)から(5)の何れか一に記載のシート。
(7) 微細セルロース繊維が、セルラーゼ処理された微細セルロース繊維である、(1)から(6)の何れか一に記載のシート。
(8) 円網抄紙シートである、(1)から(7)の何れか一に記載のシート。
(9) 微細セルロース繊維含有分散液を抄紙する工程を含む、(1)から(8)の何れか一に記載のシートの製造方法。
本発明のシートは、抄紙においてワイヤーから湿紙を剥す際のピックアップが良好である。また本発明のシートの地合も良好である。
本発明の実施の形態について以下に、説明する。本明細書において、数値範囲「X〜Y」は、特に記載した場合を除き、両端の値を含む。
[微細セルロース繊維含有シート]
本発明のシートは、微細セルロース繊維を含有し、坪量が5g/m2以上30g/m2以下であり、密度が0.3g/m3以上1.0g/m3以下であり、JIS P8113に規定される引張強度の縦横比が2.5以下である。
本発明のシートの坪量は5g/m2以上30g/m2以下であり、好ましくは、6g/m2以上28g/m2以下である。坪量を5g/m2以上とすることにより断紙の発生を抑制して良好なピックアップを達成でき、坪量を30g/m2以下とすることにより、良好な地合を達成することができる。なお、坪量が30g/m2になると、生産効率が低下する。
シートの坪量は、JIS P8124に準拠して測定することができる。
本発明のシートの密度は0.3g/m3以上1.0g/m3以下であり、好ましくは0.35g/m3以上0.85g/m3以下である。密度を0.3g/m3以上とすることにより断紙の発生を抑制して良好なピックアップを達成でき、密度を1.0g/m2以下とすることでシートへの樹脂の含浸性、成型性を付与することができる。
シートの密度は、JIS−P−8118:1998「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定することができる。
本発明のシートのJIS P8113に規定される引張強度の縦横比は2.5以下であり、好ましくは2.0以下であり、より好ましくは1.8以下であり、さらに好ましくは1.5以下であり、さらに好ましくは1.3以下である。引張強度の縦横比を上記の範囲とすることにより、シートの強度異方性を小さくすることができるため、産業用途、例えば構造部材等に使用する際、異方性を考慮する事なくシートを利用することができる。また本発明シートで容器を作製する場合、強度が劣る方位で破断するなどのトラブルを避けることができる。
本発明のシートのJIS P8113に規定される縦及び横の引張強度はそれぞれ独立に、好ましくは0.2MPa以上3.0MPa以下であり、より好ましくは0.4MPa以上2.6MPa以下である。
本発明のシートのJIS P8113に規定される弾性率の縦横比は、好ましくは3.0以下であり、より好ましくは2.5以下であり、さらに好ましくは2.0以下であり、さらに好ましくは1.5以下である。弾性率の縦横比を上記の範囲とすることにより、構造部材に本発明のシートを張り合わせて利用する場合、弾性率の異方性を小さくすることで部材の熱収縮異方性を押さえることができる。
本発明のシートのJIS P8113に規定される縦及び横の弾性率はそれぞれ独立に、好ましくは2.0GPa以上15.0GPa以下である。上記の弾性率はそれぞれ独立に、より好ましくは2.0GPa以上10.0GPa以下であり、さらに好ましくは2.0GPa以上7.0GPa以下であり、さらに好ましくは2.0GPa以上5.0GPa以下である。
<微細セルロース繊維>
微細セルロース繊維は、セルロースを含有する原料(セルロース原料)を微細化して得ることが可能である。例えば、微細セルロース繊維の製造方法としては、セルロース原料を、機械的作用を利用する湿式粉砕で微細化する方法が挙げられる。機械的作用を利用して湿式粉砕する方法としては、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー等を用いる方法が挙げられる。
また、上記の微細化の前に、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシラジカル)酸化、オゾン処理、酵素処理、イオン性置換基の導入などの化学処理を施してもよい。イオン性置換基の導入については後記する。
木材を微粉砕後、脱リグニンなどの処理を行ってセルロース原料を得ることも可能である。
セルロース原料としては、製紙用パルプ、コットンリンターやコットンリントなどの綿系パルプ、麻、麦わら、パガスなどの非木材系パルプ、ホヤや海草などから単離されるセルロースなどが挙げられるが、特に限定されない。これらの中でも、入手のしやすさという点で、製紙用パルプが好ましいが、特に限定されない。製紙用パルプとしては、化学パルプ、半化学パルプ、機械パルプ、楮、三椏、麻、ケナフ等を原料とする非木材パルプ、古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられるが、特に限定されない。化学パルプとしては、広葉樹クラフトパルプ、針葉樹クラフトパルプ、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)、ソーダパルプ(AP)等が挙げられる。広葉樹クラフトパルプとしては、晒クラフトパルプ(LBKP)、未晒クラフトパルプ(LUKP)、酸素漂白クラフトパルプ(LOKP)などが挙げられる。針葉樹クラフトパルプとしては、晒クラフトパルプ(NBKP)、未晒クラフトパルプ(NUKP)、酸素漂白クラフトパルプ(NOKP)などが挙げられる。半化学パルプとしては、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等が挙げられる。機械パルプとしては、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等が挙げられる。また、溶解パルプを用いることができる。溶解パルプとしては、前加水分解後、クラフト蒸解して製造した溶解パルプ、亜硫酸蒸解して製造した溶解パルプ、等が挙げられる。これらの中でも、より入手しやすいことから、クラフトパルプ、脱墨パルプ、サルファイトパルプが好ましいが、特に限定されない。セルロース原料は1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
微細セルロース繊維の数平均繊維幅は、好ましくは1μm以下であり、より好ましくは、2nm以上1000nm以下であり、より好ましくは2nm以上800nm以下である。
セルロース繊維は結晶部分を含むセルロース分子の集合体であり、その結晶構造はI型(平行鎖)である。セルロース繊維の数平均繊維幅は電子顕微鏡で観察して測定することができる。セルロース繊維の平均繊維幅が2nm未満であると、セルロース分子として水に溶解しているため、微細繊維状セルロースとしての物性(強度や剛性、寸法安定性)が発現しなくなる。ここで、微細繊維状セルロースがI型結晶構造をとっていることは、回折プロファイルにおいて、2θ=14°以上17°以下付近と2θ=22°以上23°以下付近の2箇所の位置に典型的なピークをもつことから同定することができる。上記の回折プロファイルとは、グラファイトで単色化したCuKα(λ=1.5418Å)を用いた広角X線回折写真より得られる回折プロファイルである。
セルロース繊維の電子顕微鏡観察による平均繊維幅の測定は以下のようにして行う。濃度0.05質量%以上0.1質量%以下のセルロース繊維の水系懸濁液を調製し、該懸濁液を親水化処理したカーボン膜被覆グリッド上にキャストしてTEM観察用試料とする。幅の広い繊維を含む場合には、ガラス上にキャストした表面のSEM像を観察してもよい。構成する繊維の幅に応じて1000倍、5000倍、10000倍あるいは50000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡画像による観察を行う。但し、試料、観察条件や倍率は下記の条件を満たすように調整する。
(1)観察画像内の任意箇所に一本の直線Xを引き、該直線Xに対し、20本以上の繊維が交差する。
(2)同じ画像内で該直線と垂直に交差する直線Yを引き、該直線Yに対し、20本以上の繊維が交差する。
上記条件を満足する観察画像に対し、直線X、直線Yと交錯する繊維の幅を目視で読み取る。こうして少なくとも重なっていない表面部分の画像を3組以上観察し、各々の画像に対して、直線X、直線Yと交錯する繊維の幅を読み取る。このように少なくとも20本×2×3=120本の繊維幅を読み取る。セルロース繊維の平均繊維幅はこのように読み取った繊維幅の平均値である。
微細セルロース繊維の繊維長は特に限定されないが、1mm以下が好ましい。微細セルロース繊維の繊維長は、0.1μm以上が好ましく、1μm以上1000μm以下がより好ましく、5μm以上800μm以下がさらに好ましく。繊維長が0.1μm未満になると、膜(シート)を形成し難くなる。1000μmを超えるとセルロース繊維のスラリー粘度が非常に高くなり、扱いづらくなる。繊維長は、繊維長測定装置「FiberLab」で測定して得られる長さ荷重平均繊維長として求めることができる。
繊維のアスペクト比(軸比)(繊維長/繊維幅)は特に限定されないが、20以上10000以下の範囲であることが好ましく、30以上10000以下の範囲であることが好ましく、50以上10000以下の範囲であることがより好ましい。アスペクト比が20以上の場合、製造の際、膜を形成しやすくなる点で好ましい。アスペクト比が10000以下の場合、膜の製造の際のスラリー粘度が低くなる点で好ましい。
(イオン性置換基の導入)
セルロース繊維は、イオン性置換基を有していてもよいが、特に限定されず、イオン性置換基を有していなくてもよい。イオン性置換基は、アニオン性又はカチオン性の何れでもよい。
アニオン性置換基の例として、リン酸基またはリン酸基に由来する置換基、カルボキシ基またはカルボキシ基に由来する置換基、硫酸基または硫酸基に由来する置換基、スルホン酸基またはスルホン酸基に由来する置換基が挙げられる。リン酸基またはリン酸基に由来する置換基は、リン酸由来の基ともいう。カルボキシ基またはカルボキシ基に由来する置換基は、カルボン酸由来の基ともいう。硫酸基または硫酸基に由来する置換基は、硫酸由来の基ともいう。スルホン酸基またはスルホン酸基に由来する置換基は、スルホン酸由来の基ともいう。
リン酸基はリン酸からヒドロキシル基を取り除いたものにあたる、2価の官能基である。具体的には−PO32で表される基である。リン酸基に由来する置換基には、リン酸基が縮重合した基、リン酸基の塩、リン酸エステル基などの置換基が含まれる。また、リン酸基またはリン酸基に由来する置換基は、下記式(1)で表されるものであってもよい。
Figure 2017125279
式(1)中、a、b、mおよびnはそれぞれ独立に整数を表す(ただし、a=b×mである)。αn(n=1〜nの整数)およびα’はそれぞれ独立にRまたはORを表す。Rは、水素原子、飽和−直鎖状炭化水素基、飽和−分岐鎖状炭化水素基、飽和−環状炭化水素基、不飽和−直鎖状炭化水素基、不飽和−分岐鎖状炭化水素基、芳香族基、またはこれらの誘導基である。βは有機物または無機物からなる1価以上の陽イオンである。
アニオン性置換基は、取扱いの容易さ、製造の際の繊維との反応性から、リン酸由来の基、カルボン酸由来の基および硫酸由来の基からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの基は、繊維とエステルまたはエーテルを形成していることがより好ましいが、特に限定されない。
カチオン性置換基の例として、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩などのオニウム塩由来の基が挙げられる。具体的には一級アンモニウム塩、二級アンモニウム塩、三級アンモニウム塩、4級アンモニウム塩などのアンモニウム、ホスホニウム、スルホニウムを含む基が挙げられる。カチオン性置換基は、取扱いの容易さ、製造の際の繊維との反応性から、4級アンモニウム塩由来の基、およびホスホニウム塩由来の基の少なくとも一方であることが好ましい。
セルロース繊維原料にイオン性置換基を導入してイオン性置換基導入セルロース繊維を調製し、イオン性置換基導入セルロース繊維を微細化処理してイオン性置換基導入微細繊維状セルロースを調製し、その後に、シートを調製する工程を行うことができる。
(セルロース繊維原料にイオン性置換基を導入して、イオン性置換基導入セルロース繊維を得る工程)
セルロース繊維へのイオン性置換基を導入する方法は、特に限定されないが、例えば、酸化処理、セルロース繊維中の官能基と共有結合を形成し得る化合物による処理などが挙げられる。酸化処理とは、セルロース繊維中のヒドロキシ基をアルデヒド基やカルボキシ基に変換する処理である。例えば、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル)酸化処理や各種酸化剤(亜塩素酸ナトリウム、オゾンなど)を用いた処理が挙げられる。
酸化処理の一例としては、Biomacromolecules 8、2485−2491、2007(Saitoら)に記載されている方法を挙げることができるが、特に限定されない。
セルロース繊維中の官能基と共有結合を形成し得る化合物による処理は、乾燥状態または湿潤状態の繊維原料に、セルロース繊維原料と反応するような化合物を混合することにより、セルロース繊維原料に上記置換基を導入することにより実施できる。導入時の反応を促進するため、加熱する方法が特に有効である。置換基の導入における加熱処理温度は特に限定されないが、繊維原料の熱分解や加水分解等が起こりにくい温度帯であることが好ましい。例えば、繊維の熱分解温度の観点から、250℃以下であることが好ましく、繊維の加水分解を抑える観点から、100℃以上170℃以下で加熱処理することが好ましい。
セルロース繊維原料と反応する化合物としては、イオン性置換基を導入するものである限り、特に限定されない。
セルロース繊維原料と反応するような化合物としてリン酸由来の基を有する化合物を用いる場合、特に限定されないが、リン酸、ポリリン酸、亜リン酸、ホスホン酸、ポリホスホン酸又はこれらの塩またはエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種である。これらの中でも、低コストであり、扱いやすく、また、セルロース繊維原料にリン酸由来の基を導入して微細化(解繊)効率をより向上できることから、リン酸由来の基を有する化合物が好ましいが、特に限定されない。
リン酸由来の基を有する化合物としては特に限定されないが、リン酸、リン酸のリチウム塩であるリン酸二水素リチウム、リン酸水素二リチウム、リン酸三リチウム、ピロリン酸リチウム、ポリリン酸リチウムが挙げられる。更にリン酸のナトリウム塩であるリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウムが挙げられる。更にリン酸のカリウム塩であるリン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、ピロリン酸カリウム、ポリリン酸カリウムが挙げられる。更にリン酸のアンモニウム塩であるリン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等が挙げられる。
これらのうち、リン酸由来の基の導入の効率が高く、工業的に適用しやすい観点から、リン酸、リン酸のナトリウム塩、リン酸のカリウム塩、リン酸のアンモニウム塩が好ましいが、特に限定されない。中でも、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムがより好ましいが、特に限定されない。
また、反応の均一性およびリン酸由来の基の導入効率が高いことから化合物は水溶液として用いることが好ましいが、特に限定されない。化合物の水溶液のpHは特に限定されないが、リン酸由来の基の導入の効率が高いことから7以下であることが好ましい。繊維の加水分解を抑える観点からpH3以上pH7以下がより好ましいが、特に限定されない。
リン酸由来の基を有する化合物は、尿素、チオ尿素、ビウレット、フェニル尿素、ベンジル尿素、ジメチル尿素、ジエチル尿素、テトラメチル尿素、ベンゾレイン尿素、又はヒダントインなどから選択される一種以上とともに繊維原料と反応させてもよい。但し、本発明は、これに限定されない。
繊維原料と反応するような化合物として、カルボン酸由来の基を有する化合物を用いる場合、特に限定されないが、カルボン酸由来の基を有する化合物、カルボン酸由来の基を有する化合物の酸無水物およびそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種である。
カルボン酸由来の基を有する化合物としては特に限定されないが、マレイン酸、コハク酸、フタル酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、イタコン酸等のジカルボン酸化合物やクエン酸、アコニット酸等トリカルボン酸化合物が挙げられる。
カルボン酸由来の基を有する化合物の酸無水物としては特に限定されないが、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水イタコン酸等のジカルボン酸化合物の酸無水物が挙げられる。
カルボン酸由来の基を有する化合物の誘導体としては特に限定されないが、カルボン酸由来の基を有する化合物の酸無水物のイミド化物、カルボン酸由来の基を有する化合物の酸無水物の誘導体が挙げられる。カルボン酸由来の基を有する化合物の酸無水物のイミド化物としては特に限定されないが、マレイミド、コハク酸イミド、フタル酸イミド等のジカルボン酸化合物のイミド化物が挙げられる。
カルボン酸由来の基を有する化合物の酸無水物の誘導体としては特に限定されない。例えば、ジメチルマレイン酸無水物、ジエチルマレイン酸無水物、ジフェニルマレイン酸無水物等の、カルボン酸由来の基を有する化合物の酸無水物の少なくとも一部の水素原子が置換基(例えば、アルキル基、フェニル基等)で置換されたものが挙げられる。
上記カルボン酸由来の基を有する化合物のうち、工業的に適用しやすく、ガス化しやすいことから、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸が好ましいが、特に限定されない。
セルロース繊維原料と反応するような化合物として、硫酸由来の基を有する化合物を用いる場合、特に限定されないが、無水硫酸、硫酸ならびにこれらの塩およびエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種である。これらの中でも、低コストであり、また、セルロース繊維原料に硫酸基を導入して微細化(解繊)効率をより向上できることから、硫酸が好ましいが、特に限定されない。
イオン性置換基を導入する場合におけるイオン性置換基の導入量は、特に限定されないが、シートとしての置換基導入量を考慮して、決定することができる。アニオン性置換基の場合、置換基の導入量(滴定法による。)は、繊維1g(質量)あたり0.005α〜0.11αが好ましく、0.01α〜0.08αがより好ましい。置換基の導入量が0.005α以上であれば、繊維原料の微細化(解繊)が容易になり、置換基の導入量が0.11α以下であれば、繊維の溶解が抑制できる。ただし、αは繊維材料と反応する化合物が反応しうる官能基、例えばヒドロキシ基やアミノ基が繊維材料1gあたりに含まれる量(単位:mmol/g)である。イオン性置換基の導入量は、伝導度滴定法により測定することができる。
導入されている置換基が、リン酸由来の基、カルボン酸由来の基および硫酸由来の基からなる群より選択される少なくとも1種である場合、置換基導入量は、特に限定されないが、0.001mmol/g以上5.0mmol/g以下とすることができる。0.05mmol/g以上4.0mmol/g以下としてもよく、0.1mmol/g以上2.0mmol/g以下としてもよい。
カチオン性置換基は、例えばセルロース繊維原料にカチオン化剤およびアルカリ化合物を添加して反応させることにより、繊維原料に導入することができる。カチオン化剤としては、4級アンモニウム基と、セルロースのヒドロキシ基と反応する基とを有するものを用いることができる。セルロースのヒドロキシ基と反応する基としては、エポキシ基、ハロヒドリンの構造を有する官能基、ビニル基、ハロゲン基等が挙げられる。
カチオン化剤の具体例としては、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどのグリシジルトリアルキルアンモニウムハライド或いはそのハロヒドリン型の化合物が挙げられる。
カチオン化工程に使用するアルカリ化合物は、カチオン化反応の促進に寄与するものである。アルカリ化合物は、無機アルカリ化合物であってもよいし、有機アルカリ化合物であってもよい。
無機アルカリ化合物としては、アルカリ金属の水酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩またはアルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属のリン酸塩またはアルカリ土類金属のリン酸塩が挙げられる。
アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。アルカリ土類金属の水酸化物としては、水酸化カルシウムが挙げられる。
アルカリ金属の炭酸塩としては炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが挙げられる。アルカリ土類金属の炭酸塩としては、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
アルカリ金属のリン酸塩としては、リン酸リチウム、リン酸カリウム、リン酸3ナトリウム、リン酸水素2ナトリウムなどが挙げられる。アルカリ土類金属のリン酸塩としては、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウムなどが挙げられる。
有機アルカリ化合物としては、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミン、脂肪族アンモニウム、芳香族アンモニウム、複素環式化合物およびその水酸化物、炭酸塩、リン酸塩等が挙げられる。例えば、アンモニア、ヒドラジン、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、ジアミノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、シクロヘキシルアミン、アニリン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、リン酸水素2アンモニウム等が挙げられる。
上記アルカリ化合物は1種単独でもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
上記アルカリ化合物の中でも、カチオン化反応がより起こりやすくなり、且つ、低コストであることから、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。アルカリ化合物の量はアルカリ化合物の種類に応じて異なるが、例えば、パルプ絶乾質量に対して1質量%以上10質量%以下の範囲内とされる。
カチオン化剤およびアルカリ化合物は、パルプに容易に添加できることから、溶液化することが好ましい。溶液化する場合に使用する溶媒としては水または有機溶媒のいずれであってもよいが、極性溶媒(水、アルコール等の極性有機溶媒)が好ましく、少なくとも水を含む水系溶媒がより好ましい。
本発明では、カチオン化反応開始時のパルプ絶乾質量1gあたりの溶媒物質量を5mmol以上150mmol以下にすることが好ましい。該溶媒の物質量は、5mmol以上80mmol以下にすることがより好ましく、5mmol以上60mmol以下にすることがさらに好ましい。カチオン化反応時のパルプの含有量を前記範囲にするためには、例えば、含有量が高い(すなわち、水分が少ない)パルプを用いればよい。また、カチオン化剤およびアルカリ化合物の溶液に含まれる溶媒量を少なくすることが好ましい。
カチオン化工程における反応温度は、20℃以上200℃以下の範囲内であることが好ましく、40℃以上100℃以下の範囲内であることがより好ましい。反応温度が前記下限値以上であれば、充分な反応性が得られ、前記上限値以下であれば、反応を容易に制御できる。また、反応後のパルプの着色を抑える効果もある。カチオン化反応の時間は、パルプやカチオン化剤の種類、パルプ含有量、反応温度等によって異なるが、通常、0.5時間以上3時間以下の範囲内である。
カチオン化反応は密閉系で行ってもよいし、開放系で行っても構わない。また、反応中に溶媒を蒸散させ、反応終了時のパルプ絶乾質量1gあたりの溶媒物質量が反応開始時に比べて低くなっても構わない。
(酸処理またはアルカリ処理)
必要に応じ、イオン性置換基導入繊維を得る工程の後に、酸処理又はアルカリ処理を行うことができる。酸処理は、例えば、塩酸、硝酸および硫酸からなる群より選択される1種または2種以上を用いて行うことができる。アルカリ処理は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウムおよび水酸化カルシウムからなる群より選択される1種または2種以上を用いて行うことができる。
酸処理またはアルカリ処理の方法は、例えば、酸溶液またはアルカリ溶液中に、イオン性置換基導入セルロース繊維を浸漬することにより実施できる。酸溶液またはアルカリ液における溶媒は、水および有機溶媒の少なくとも一方を用いることができる。極性のあるもの(水、アルコール等の極性有機溶剤)が好ましく、水を含む水系溶媒がより好ましい。酸溶液の特に好ましい例は塩酸であり、アルカリ溶液の特に好ましい例は水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液である。
酸処理の場合、酸溶液の25℃におけるpHは、適宜とすることができるが、4以下であることが好ましく、3.5以下であることがより好ましく、3以下であることがさらに好ましい。アルカリ処理の場合、塩基溶液の25℃におけるpHは、適宜とすることができるが、9以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、11以上であることがさらに好ましい。
酸またはアルカリの使用量を減らすために、酸処理またはアルカリ処理工程の前に、イオン性置換基を有するセルロース繊維を洗浄してもよい。洗浄には、水および有機溶剤の少なくとも一方を用いることができる。また、酸処理またはアルカリ処理後に、処理済みのイオン性置換基を有するセルロース繊維を、水および有機溶剤の少なくとも一方で洗浄してもよい。いずれの場合も、洗浄操作は繰り返し行うことができる。
(イオン性置換基導入セルロース繊維を微細化処理して、イオン性置換基導入微細繊維状セルロースを得る工程)
セルロース繊維原料は解繊処理に供することにより微細化してもよく、微細化処理により、数平均繊維幅が2nm以上1000nm以下の微細繊維状セルロースを得ることができる。解繊処理工程では、解繊処理装置を用いて、原料を解繊処理して、微細繊維分散液を得ることができる。
微細化(解繊)処理に際し、繊維は溶媒に分散される。溶媒の種類は、微細化(解繊ということもある。)処理が適切に行える限り特に限定されないが、水系溶媒(水、または水と有機溶媒を混合したもの)を使用することができる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tブチルアルコール等のアルコール類が挙げられる。さらにアセトン、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF),ジメチルアセトアミド(DMAc)等が挙げられる。有機溶媒は、1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
分散濃度は、0.05質量%以上20質量%以下が好ましく、0.05質量%以上10質量%以下がより好ましい。分散濃度が前記下限値以上であれば、処理の効率が向上し、前記上限値以下であれば、解繊処理装置内での閉塞を防止できるからである。
解繊処理装置としては特に限定されない。例えば、高速解繊機、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、クレアミックス、高圧衝突型粉砕機、ボールミル、ビーズミル、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナーが挙げられる。また、二軸混練機、振動ミル、高速回転下でのホモミキサー、超音波分散機、ビーター等、湿式粉砕する装置等を適宜使用することができる。
微細化処理は、所望の平均繊維幅の繊維が得られるまで行うことができる。微細化処理により、微細繊維の分散液(スラリー)が得られる。得られた微細繊維の分散液は、繊維幅が1000nmを超える繊維を含んでいてもよいが、繊維幅が1000nmを超える繊維を含まないほうが好ましい。ここでの微細繊維の濃度は特に限定されないが、例えば0.1質量%以上20質量%以下であり、また0.5質量%以上10質量%以下でもよい。
<セルラーゼ処理された微細セルロース繊維>
微細セルロース繊維は、セルラーゼ処理された微細セルロース繊維でもよい。
セルロース繊維分散液を適当な濃度に希釈した後、エンドグルカナーゼ活性を持つセルラーゼをセルロース固形分に対して1質量%〜10質量%添加し、所定の温度(好ましくは35℃から50℃、より好ましくは40℃から50℃)で処理することができる。反応後は、例えば80℃で10分間処理を行って、酵素を失活することが好ましい。
<他の成分>
本発明のシートは、微細セルロース繊維以外の他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、無機粒子、填料、サイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、着色剤、嵩高剤、濾水性向上剤、pH調整剤、蛍光増白剤、蛍光消色剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤、消泡剤、保水剤、分散剤、防腐剤などを挙げることができる。但し、他の成分は上記に限定されず、一般的な製紙で用いられる任意の添加剤を使用することができる。
<シートの種類>
本発明においては、セルロース繊維の分散液(スラリー)から、シートを調製することができる。シートの調製方法は、特に限定されないが、典型的には、抄紙法を挙げることができる。即ち、本発明のシートは、好ましくは抄紙シートである。より好ましくは、本発明のシートは、円網抄紙シート又は長網抄紙シートであり、より好ましくは、本発明のシートは、逆流円網抄紙シート又は順流円網抄紙シートであり、特に好ましくは本発明のシートは、逆流円網抄紙シートである。
[微細セルロース繊維含有シートの製造方法]
本発明はさらに、微細セルロース繊維含有分散液を抄紙する工程を含む、上記した本発明のシートの製造方法に関する。
<抄紙>
微細セルロース繊維含有分散液(スラリー)は、通常の抄紙で用いられる長網式、円網式、傾斜式等の連続抄紙機、又はこれらを組み合わせた多層抄き合わせ抄紙機、あるいは手抄き等公知の抄紙方法で抄紙し、シート化することが可能である。即ち、微細セルロース繊維含有分散液をワイヤー上で濾過、脱水して湿紙状態のシートを得た後、プレス、乾燥することでシートを得ることができる。
抄紙は、円網抄紙機または長網抄紙機を用いて行うことが好ましく、逆流円網抄紙機又は順流円網抄紙機を用いて行うことがより好ましく、逆流円網抄紙機を用いて行うことが特に好ましい。
抄紙機のワイヤーパートにおけるジェットワイヤー比は、好ましくは0.90〜1.40であり、より好ましくは1.0〜1.4である。ジェットワイヤー比を上記の範囲内とすることにより、製造されるシートのJIS P8113に規定される引張強度の縦横比を2.5以下に調整することが容易となる。
分散液における微細セルロース繊維の濃度は特に限定されないが、0.05質量%以上5質量%以下が好ましく、濃度が低すぎると濾過に膨大な時間がかかり、逆に濃度が高すぎると均一なシートが得られないため好ましくない。
分散液を濾過、脱水する場合、濾過時の濾布としては特に限定されないが、セルロース繊維は通過せず、かつ濾過速度が遅くなりすぎないことが好ましい。このような濾布としては特に限定されないが、有機ポリマーからなるシート、織物、多孔膜が好ましい。有機ポリマーとしては特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のような非セルロース系の有機ポリマーが好ましい。具体的には孔径0.1μm以上20μm以下、例えば1μmのポリテトラフルオロエチレンの多孔膜、孔径0.1μm以上20μm以下、例えば1μmのポリエチレンテレフタレートやポリエチレンの織物等が挙げられるが、特に限定されない。
<脱水及び乾燥>
抄紙または塗工等された後、必要に応じ、脱水および乾燥の少なくとも一方が行われ、シートが作製される。脱水方法としては特に限定されないが、紙の製造で通常に使用している脱水方法が挙げられ、長網、円網、傾斜ワイヤーなどで脱水した後、ロールプレスで脱水する方法が好ましい。また、乾燥方法としては特に限定されないが、紙の製造で用いられている方法が挙げられ、例えば、シリンダードライヤー、ヤンキードライヤー、熱風乾燥、赤外線ヒーターなどの方法が好ましい。また乾燥方法としては、特に限定されないが、非接触の乾燥方法でも、シートを拘束しながら乾燥する方法の何れでもよく、これらを組み合わせてもよい。
非接触の乾燥方法としては、特に限定されないが、熱風、赤外線、遠赤外線または近赤外線により加熱して乾燥する方法(加熱乾燥法)、真空にして乾燥する方法(真空乾燥法)を適用することができる。加熱乾燥法と真空乾燥法を組み合わせてもよいが、通常は、加熱乾燥法が適用される。赤外線、遠赤外線または近赤外線による乾燥は、赤外線装置、遠赤外線装置または近赤外線装置を用いて行うことができるが、特に限定されない。
加熱乾燥法における加熱温度は特に限定されないが、40℃以上120℃以下とすることが好ましく、40℃以上110℃以下とすることがより好ましい。加熱温度を前記下限値以上とすれば、分散媒を速やかに揮発させることができ、前記上限値以下であれば、加熱に要するコストの抑制および微細繊維の熱による変色を抑制できる。
[微細セルロース繊維含有シートの用途]
本発明の微細セルロース繊維含有シートは、単独で又は他の材料と組み合わせて、印刷用の紙、フィルター、セパレーター、粒子担持シート、包装材、ダンボールなどの種々の紙製品、湿式、乾式不織布、おむつ、スピーカー振動板原紙などに使用することもできる。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明の範囲は、実施例によって限定されない。
実施例において、セルロース繊維の平均繊維長及び平均繊維幅、並びにシートの秤量及び密度は以下の方法で測定した。
(1)セルロース繊維の平均繊維長
「JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.52:2000 パルプ及び紙―繊維長試験方法―光学的自動計測法」に準ずるカヤーニ社製:繊維長測定装置「FiberLab」で測定して得られる長さ荷重平均繊維長を平均繊維長とした。
(2)セルロース繊維の平均繊維幅
濃度0.05〜0.1質量%のセルロース繊維水懸濁液をガラス上にキャストした表面を走査型電子顕微鏡にて観察した。この際、得られた画像内に縦横任意の画像幅の軸を想定した場合に少なくとも軸に対し、20本以上の繊維が軸と交差するような試料及び観察条件(倍率等)とする。この条件を満足する観察像に対し、1枚の画像当たり縦横2本ずつの無作為な軸を引き、軸に交錯する繊維の繊維幅を目視で読み取っていく。こうして最低3枚の重なっていない表面部分の画像を電子顕微鏡で観察し、各々2つの軸の交錯する繊維の繊維幅の値を読み取り(最低20本×2×3=120本の繊維幅)平均値を測定した。
(3)シートの坪量
JIS P8124に準拠して坪量を測定した。なお抄紙の際ピックアップできず、シートが得られなかったものに関しては目標坪量を表中に括弧付けで記載した。
(4)シートの密度
JIS−P−8118:1998「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した。
(実施例1)
針葉樹晒クラフトパルプ(王子製紙社製、水分50質量%)を濃度4.0質量%になるように水を加えて、分散した後、ダブルディスクレファイナーで5時間連続循環叩解をおこなった。得られたセルロース繊維の長さ荷重平均繊維長は0.49mm、平均繊維幅は350nmであった。得られたセルロース繊維分散液Aのセルロース繊維含有濃度は3.95質量%であった。
セルロース繊維分散液Aを濃度0.3質量%に希釈し、逆流式円網抄紙機にてジェットワイヤー比1.23にて抄紙を行い、湿潤シートを得た。湿潤シートを、ヤンキードライヤーにて温度110℃で乾燥して坪量13.0g/m2、密度0.43g/cm3のセルロース繊維シートを得た。
(実施例2)
実施例1のセルロース繊維分散液Aを濃度0.3質量%に希釈し、順流式円網抄紙機にてジェットワイヤー比1.24にて抄紙を行い、湿潤シートを得た。湿潤シートを、ヤンキードライヤーにて温度110℃で乾燥して、坪量16.0g/m2、密度0.48g/cm3のセルロース繊維シートを得た。
(実施例3)
実施例1のセルロース繊維分散液Aを濃度0.3質量%に希釈し、逆流式円網抄紙機にてジェットワイヤー比1.21にて抄紙を行い、湿潤シートを得た。湿潤シートを、ヤンキードライヤーにて温度110℃で乾燥して、坪量25.0g/m2、密度0.65g/cm3のセルロース繊維シートを得た。
(実施例4)
実施例1のセルロース繊維分散液Aを濃度0.3質量%に希釈し、順流式円網抄紙機にてジェットワイヤー比1.25にて抄紙を行い、湿潤シートを得た。湿潤シートを、ヤンキードライヤーにて温度110℃で乾燥して、坪量27.0g/m2、密度0.75g/cm3のセルロース繊維シートを得た。
(実施例5)
実施例1のセルロース繊維分散液Aを濃度0.3質量%に希釈し、長網式抄紙機にてジェットワイヤー比1.01にて抄紙を行い、湿潤シートを得た。湿潤シートを、ヤンキードライヤーにて温度110℃で乾燥して、坪量18.0g/m2、密度0.68g/cm3のセルロース繊維シートを得た。
(実施例6)
実施例1のセルロース繊維分散液Aを濃度0.3質量%に希釈し、長網式抄紙機にてジェットワイヤー比1.05にて抄紙を行い、湿潤シートを得た。湿潤シートを、ヤンキードライヤーにて温度110℃で乾燥して、坪量25.0g/m2、密度0.72g/cm3のセルロース繊維シートを得た。
(実施例7)
針葉樹晒クラフトパルプ(王子製紙社製、水分50質量%)を濃度4.0質量%になるように水を加えて、分散した後、ダブルディスクレファイナーで2.5時間連続循環叩解をおこなった。得られたセルロース繊維の長さ荷重平均繊維長は0.62ml、繊維幅は720nmであった。得られたセルロース繊維分散液Bのセルロース繊維含有濃度は3.8質量%であった。
セルロース繊維分散液Bを濃度0.3質量%に希釈し、逆流式円網抄紙機にてジェットワイヤー比1.25にて抄紙を行い、湿潤シートを得た。湿潤シートを、ヤンキードライヤーにて温度110℃で乾燥して、坪量14.0g/m2、密度0.65g/cm3のセルロース繊維シートを得た。
(実施例8)
実施例7で得られたセルロース繊維分散液Bを濃度0.3質量%に希釈し、順流式円網抄紙機にてジェットワイヤー比1.22にて抄紙を行い、湿潤シートを得た。湿潤シートを、ヤンキードライヤーにて温度110℃で乾燥して、坪量28.0g/m2、密度0.85g/cm3のセルロース繊維シートを得た。
(実施例9)
実施例7で調製したセルロース繊維分散液Bを濃度2質量%に希釈し、エムテクニックス社製クレアミックス11Sにて2時間解繊処理を行ってセルロース繊維分散液Cを得た。得られたセルロース繊維の長さ荷重平均繊維長は0.4mm、繊維幅は220nmであった。
得られたセルロース繊維分散液Cを濃度0.3質量%に希釈し、逆流式円網抄紙機にてジェットワイヤー比1.21にて抄紙を行い、湿潤シートを得た。湿潤シートを、ヤンキードライヤーにて温度110℃で乾燥して、坪量6.0g/m2、密度0.35g/cm3のセルロース繊維シートを得た。
(実施例10)
実施例9で得られたセルロース繊維分散液Cを濃度0.3質量%に希釈し、順流式円網抄紙機にてジェットワイヤー比1.22にて抄紙を行い、湿潤シートを得た。湿潤シートを、ヤンキードライヤーにて温度110℃で乾燥して、坪量11.0g/m2、密度0.35g/cm3のセルロース繊維シートを得た。
(実施例11)
実施例8で調製したセルロース繊維分散液Bを濃度2質量%に希釈した後、セルロース固形分に対してエンドグルカナーゼ活性を持つセルラーゼ(Ecopulp 314−4093、AB Enzyme社製)を2質量%添加した。45℃で1時間処理を行った後、80℃、10分間処理を行って酵素を失活した。得られた酵素処理液の固形分濃度は1.85質量%であった。酵素処理液をエムテクニックス社製クレアミックス11Sにて2時間解繊処理を行い、固形分1.8質量%のセルロース繊維分散液Dを得た。得られたセルロース繊維の長さ荷重平均繊維長は0.23mm、繊維幅は150nmであった。
得られたセルロース繊維分散液Dを濃度0.3質量%に希釈し、逆流式円網抄紙機にてジェットワイヤー比1.23にて抄紙を行い、湿潤シートを得た。湿潤シートを、ヤンキードライヤーにて温度110℃で乾燥して坪量6.0g/m2、密度0.38g/cm3のセルロース繊維シートを得た。
(実施例12)
実施例11で得られたセルロース繊維分散液Dを濃度0.3質量%に希釈し、順流式円網抄紙機にてジェットワイヤー比1.22にて抄紙を行い、湿潤シートを得た。湿潤シートを、ヤンキードライヤーにて温度110℃で乾燥して、坪量13.0g/m2、密度0.5g/cm3のセルロース繊維シートを得た。
(比較例1)
実施例1で得られたセルロース繊維分散液Aを長網抄紙機にてジェットワイヤー比1.01で坪量12.0g/m2狙いで抄紙を試みたが、ワイヤーから湿紙をピックアップできず、抄紙は不可能であった。
(比較例2)
実施例7で得られたセルロース繊維分散液Bを長網抄紙機にてジェットワイヤー比1.05で坪量9.0g/m2狙いで抄紙を試みたが、ワイヤーから湿紙をピックアップできず、抄紙は不可能であった。
(比較例3)
実施例7で得られたセルロース繊維分散液Cを長網抄紙機にてジェットワイヤー比1.01で坪量14.0g/m2狙いで抄紙を試みたが、ワイヤーから湿紙をピックアップできず、抄紙は不可能であった。
(比較例4)
針葉樹晒クラフトパルプ(王子製紙社製、水分50質量%)を濃度4.0質量%になるように水を加えて、分散した後、ダブルディスクレファイナーで1回処理をした。得られたセルロース繊維の長さ荷重平均繊維長は1.2mm、繊維幅は15μmであった。得られたセルロース繊維分散液Eのセルロース繊維含有濃度は3.98質量%であった。
セルロース繊維分散液を濃度0.3質量%に希釈し、逆流式円網抄紙機にてジェットワイヤー比1.24にて抄紙を行い、湿潤シートを得た。湿潤シートを、ヤンキードライヤーにて温度110℃で乾燥し、坪量35.0g/m2、密度0.55g/cm3のセルロース繊維シートを得た。
(比較例5)
比較例4で得られたセルロース繊維分散液Eを濃度0.3質量%に希釈し、長網抄紙機にてジェットワイヤー比1.02にて抄紙を行い、湿潤シートを得た。湿潤シートを、ヤンキードライヤーにて温度110℃で乾燥し、坪量27.0g/m2、密度0.4g/cm3のセルロース繊維シートを得た。
(比較例6)
比較例4で得られたセルロース繊維分散液Eを濃度0.3質量%に希釈し、順流式円網抄紙機にてジェットワイヤー比1.25にて抄紙を行い、湿潤シートを得た。湿潤シートを、ヤンキードライヤーにて温度110℃で乾燥し、坪量22.0g/m2、密度0.6g/cm3のセルロース繊維シートを得た。
(比較例7)
比較例4で得られたセルロース繊維分散液Eを濃度0.3質量%に希釈し、長網抄紙機にてジェットワイヤー比1.02にて抄紙を行い、湿潤シートを得た。湿潤シートを、ヤンキードライヤーにて温度110℃で乾燥し、坪量20.0g/m2、密度0.5g/cm3のセルロース繊維シートを得た。
(比較例8)
坪量を3g/m2に設定した以外は実施例1と同様に、セルロース繊維シートを抄造した。
(比較例9)
抄紙機を傾斜角度10°の傾斜ワイヤーを備えた傾斜ワイヤー式抄紙機に変更した以外は、実施例1と同様にしてセルロース繊維シートを抄造した。
上記の実施例及び比較例の各シートについて、以下の評価を行った。評価の結果を下記表に記載する。
(評価方法)
抄紙機械での製造時に紙の進行方向に並行な紙の方向を「縦」、紙の進行方向に垂直な紙の方向を「横」として巻取りからサンプリングし、引張物性の評価を行った。
(引張弾性率)
JIS P8113に従って、シートの縦方向及び横方向の引張弾性率を測定した。
(引張強度)
JIS P8113に従って、シートの縦方向及び横方向の引張強度を測定した。
(ピックアップ)
抄紙の際、ワイヤーから湿紙が剥がれる際、毛布に転写され、シートが得られたものを○、剥がれないものを×とした。
(地合)
作製した紙に透過光を当てて、泡地合(微小円形状の繊維の薄い部分の集合体)及びスケ(不定形の繊維の脱落部分)、繊維の凝集の有無を以下の基準で評価を行った。
◎:泡地合、スケ、繊維の凝集が全く無く、面質は良好であった。
○:泡地合、スケ、繊維の凝集の軽微なものが一部に見られるが、面質は概ね良好であった。
△:泡地合、スケ、繊維の凝集が一部に見られ、面質がやや劣っていた。
×:泡地合、スケ、繊維の凝集が数ヶ所以上に見られ、面質が著しく劣っていた。
地合は◎又は○であれば、実用上許容できる。
Figure 2017125279
Figure 2017125279
比較例1〜3の長網抄紙機を使用した低坪量を目標とした抄紙では微細な繊維がワイヤーに喰い込み、湿紙をワイヤーから剥がすことが出来ず、シートを得ることができなかった。一方、実施例5及び6で坪量を比較例1〜3より増やした場合は長網抄紙機でも抄紙が可能であった。
また、実施例1〜12においては、長網抄紙機よりも円網式抄紙機を使用した方が地合が良く、弾性率、強度の比も低い傾向であった。更に、順流式円網抄紙機よりも、逆流式円網抄紙機を使用した方が弾性率、強度の比が低い傾向であった。
比較例4〜7で見られるように繊維幅が大きい場合、地合も悪く、弾性率、強度の比が大きい傾向であった。
更に、坪量が3g/m2である比較例8は、シートのスケが非常に多く、断紙が多発して連続生産が不可能であった。
また、傾斜ワイヤー式抄紙機を使用した比較例9も、シートのスケが非常に多く、断紙が多発して連続生産が不可能であった。

Claims (9)

  1. 微細セルロース繊維を含有し、坪量が5g/m2以上30g/m2以下であり、密度が0.3g/m3以上1.0g/m3以下であり、JIS P8113に規定される引張強度の縦横比が2.5以下である、シート。
  2. 微細セルロース繊維の数平均繊維幅が1μm以下である、請求項1に記載のシート。
  3. 微細セルロース繊維の繊維長が1mm以下である、請求項1又は2に記載のシート。
  4. JIS P8113に規定される弾性率の縦横比が3.0以下である、請求項1から3の何れか一項に記載のシート。
  5. JIS P8113に規定される縦及び横の引張強度がそれぞれ独立に、0.2MPa以上3.0MPa以下である、請求項1から4の何れか一項に記載のシート。
  6. JIS P8113に規定される縦及び横の弾性率がそれぞれ独立に、
    2.0GPa以上15.0GPa以下である、請求項1から5の何れか一項に記載のシート。
  7. 微細セルロース繊維が、セルラーゼ処理された微細セルロース繊維である、請求項1から6の何れか一項に記載のシート。
  8. 円網抄紙シートである、請求項1から7の何れか一項に記載のシート。
  9. 微細セルロース繊維含有分散液を抄紙する工程を含む、請求項1から8の何れか一項に記載のシートの製造方法。
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