JP2014177724A - 粘着テープ用原紙 - Google Patents

粘着テープ用原紙 Download PDF

Info

Publication number
JP2014177724A
JP2014177724A JP2013052360A JP2013052360A JP2014177724A JP 2014177724 A JP2014177724 A JP 2014177724A JP 2013052360 A JP2013052360 A JP 2013052360A JP 2013052360 A JP2013052360 A JP 2013052360A JP 2014177724 A JP2014177724 A JP 2014177724A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base paper
adhesive tape
pressure
sensitive adhesive
paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013052360A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6264735B2 (ja
Inventor
Eiichi Mikami
英一 三上
Katsuto Suzuki
勝人 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oji Holdings Corp
Original Assignee
Oji Holdings Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Holdings Corp filed Critical Oji Holdings Corp
Priority to JP2013052360A priority Critical patent/JP6264735B2/ja
Publication of JP2014177724A publication Critical patent/JP2014177724A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6264735B2 publication Critical patent/JP6264735B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)

Abstract

【課題】寸法安定性及び粘着剤の含浸性に優れ、引張強度が高い粘着テープ用原紙を提供する。
【解決手段】本発明の粘着テープの支持体として用いられる原紙(粘着テープ用原紙)の引張強度が25MPa以上である粘着テープ用原紙。前記原紙の50〜150℃での測定範囲における線熱膨張係数が20ppm/K以下であり、密度が0.50〜0.85g/cmであり、王研式透気度が50000秒以下であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘着テープの支持体として用いられる原紙(粘着テープ用原紙)に関する。
植物由来資源の積極的利用は時代の要求であるが、グリーン・サスティナブル・マテリアルである植物繊維は多くの可能性を秘めているものの、性能が満たされていない場合が多い。そのため、植物繊維の利用を期待されている自動車・住宅・家電などの分野への展開が充分に進んでいないのが実情であった。
セルロース繊維含有シートは古くからあるグリーン・サスティナブル・マテリアルの有効な活用例であるが、長い歴史の中では軽量化、強度向上は進んでいるものの、その向上の度合いは決して大きくなく、高強度が必要とされる用途への展開が不充分である。多くの用途において、より高強度の植物繊維を主成分とする紙製品が強く求められている。
粘着テープの機能性を向上させる報告例として、マニラ麻由来の不織布にカルボキシメチルセルロースを含浸させて収縮ジワの発生を抑制した粘着テープが提案されている(特許文献1)。
粘着テープの製造方法としては、はく離処理を施したシートに粘着剤を塗工した後、粘着テープ用原紙を貼り合せる方法(転写法)、原紙に粘着剤を直接塗工する方法(直接法)が挙げられる。転写法は工程が複雑であり、はく離処理を施したシートが必要となるため生産性に劣る。それに対し、直接法は効率的な生産が可能である。
粘着テープにおいては、粘着剤層と原紙との密着性が重要である。粘着剤層は温度に対する寸法変化が大きく伸びやすい。そのため、粘着テープ用原紙が、温度変化に対して寸法変化が小さく、粘着剤層との密着性が高ければ、粘着テープ用原紙の寸法安定性を生かした粘着テープが得られる。直接法により粘着剤層を形成する場合には、粘着剤が粘着テープ用原紙に浸み込みやすければ、粘着剤層と原紙の密着性が増し、寸法安定性に優れた粘着テープが得られる。
また、粘着テープの原紙として用いられる粘着テープ用原紙は、引張強度が高いことも重要である。しかし、寸法安定性及び粘着剤の含浸性に優れ、引張強度が高い粘着テープ用原紙は知られていなかった。
特開2008−74954号公報
本発明の課題は、寸法安定性及び粘着剤の含浸性に優れ、引張強度が高い粘着テープの支持体である原紙(粘着テープ用原紙)を提供することにある。
本発明は以下の態様を有する。
[1]粘着テープの支持体として用いられる原紙(粘着テープ用原紙)の引張強度が25MPa以上である、粘着テープ用原紙。
[2]前記原紙の50〜150℃での測定範囲における線熱膨張係数が20ppm/K以下である、[1]に記載の粘着テープ用原紙。
[3]前記原紙の密度が0.50〜0.85g/cmであり、王研式透気度が50000秒以下である、[1]又は[2]に記載の粘着テープ用原紙。
[4]前記原紙が、セルロース繊維を含有する、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の粘着テープ用原紙。
[5]前記セルロース繊維は、平均繊維幅が1000nm以下の微細セルロース繊維である、[4]に記載の粘着テープ用原紙。
本発明の粘着テープの支持体として用いられる原紙は、寸法安定性及び粘着剤の含浸性に優れ、引張強度が高い。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の粘着テープの原紙は、下記の物性を有する。
(粘着テープ用原紙の物性)
[引張強度]
粘着テープ用原紙の引張強度は、25MPa以上であり、25〜80MPaがより好ましく、30〜80MPaがさらに好ましい。引張強度は、JIS P8113に準じて測定した値である。
[線熱膨張係数]
粘着テープ用原紙の50〜150℃での測定範囲における線熱膨張係数は、20ppm/K以下が好ましく、15ppm/K以下がより好ましく、10ppm/K以下がさらに好ましく、8ppm/K以下が特に好ましい。微細セルロース繊維含有シートの線熱膨張係数が前記上限値を超えると、寸法安定性が悪くなる。
線熱膨張係数はASTM D696に準じて測定した値である。線熱膨張係数が前記上限値以下の粘着テープ用原紙は、温度変化に対して充分に変形しにくいものである。
[密度]
粘着テープ用原紙の密度は、0.50〜0.85g/cmであることが好ましく、0.50〜0.80g/cmがより好ましい。密度はJIS P8118:1998に準じて測定した値である。本発明の粘着テープ用原紙は密度が高いほど、引張強度が高くなる。
粘着テープ用原紙の密度は、抄紙の際に、有機溶剤を添加し、その添加量を調節することにより調整できる。
抄紙の際に添加する有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、エチレングリコール系化合物、ジプロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテルなどのグライム類;1,2−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの2価アルコール類;ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
これらの中でも、水への溶解性に優れ、沸点と表面張力と分子量のバランスが良く、また、多孔性のシートが得られやすいことから、エチレングリコール系化合物、ジエチレングリコールジメチルエーテルやジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテルが好ましい。
上記の有機溶媒は2種以上併用してもよい。
[坪量]
本発明の粘着テープ用原紙の坪量は、5〜100g/mであることが好ましく、10〜80g/mであることがより好ましい。ここで、坪量はJIS P8124:1998に準じて測定した値である。
粘着テープ用原紙の坪量が前記下限値未満では、シート剛度が小さいためハンドリング性が悪く、また厚さが薄いためシートとしての引張破断強度が小さく、加工の際に紙切れを起こしやすくなる傾向にある。一方、粘着テープ用原紙の坪量が前記上限値を超えると抄紙の際の脱水性が低いため、生産性が不充分になる傾向にある。
[透気度]
粘着テープ用原紙の透気度は、透気度が50000秒以下であることが好ましく、500〜50000秒がより好ましく、1000〜50000秒がさらに好ましく、1500〜50000秒が特に好ましい。透気度は、王研式透気度:JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000(王研式)に準じて測定した値である。
[比表面積]
粘着テープ用原紙の比表面積は、10m/g以上であることが好ましく、30〜200m/gであることがより好ましく、50〜200m/gであることがさらに好ましい。比表面積は、窒素ガス吸着法で測定したBET比表面積である。
[空孔率]
粘着テープ用原紙の空孔率は、30〜70%が好ましく、30〜60%がさらに好ましい。ここで、空孔率は、JIS P8118に準じてシートの密度を測定し、その値から計算によって求めた値である。
本発明の壁紙用原紙には、セルロース繊維を含有させてもよく、微細セルロース繊維を含有させることもできる。
(微細セルロース繊維)
本発明の粘着テープ用原紙に微細セルロース繊維を含有させる場合、微細セルロース繊維の平均繊維幅は、1000nm以下である。微細セルロース繊維の平均繊維幅は、1nm〜1000nmが好ましく、20nm〜500nmがさらに好ましい。
平均繊維幅が前記上限値を超えると、粘着テープ用原紙の比表面積が小さくなって、粘着剤の含浸性が低くなる。
セルロース繊維の平均繊維幅の測定は以下のようにして行う。セルロース繊維含有スラリーを調製し、該スラリーを親水化処理したカーボン膜被覆グリッド上にキャストして透過型電子顕微鏡(TEM)観察用試料とする。幅広の繊維を含む場合には、ガラス上にキャストした表面の操作型電子顕微鏡(SEM)像を観察してもよい。構成する繊維の幅に応じて1000倍、5000倍、10000倍、20000倍、50000倍あるいは100000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡画像による観察を行う。但し、試料、観察条件や倍率は下記の条件を満たすように調整する。
(1)観察画像内の任意箇所に一本の直線Xを引き、該直線Xに対し、20本以上の単繊維が交差する。
(2)同じ画像内で該直線Xと垂直に交差する直線Yを引き、該直線Yに対し、20本以上の単繊維が交差する。
上記のような電子顕微鏡観察画像に対して、直線Xに交錯する単繊維、直線Yに交錯する単繊維の各々について少なくとも20本(すなわち、合計が少なくとも40本)の幅(繊維の短径)を読み取る。こうして上記のような電子顕微鏡画像を少なくとも3組以上観察し、少なくとも40本×3組(すなわち、少なくとも120本)の繊維幅を読み取る。このように読み取った繊維幅を平均して平均繊維幅を求める。
微細セルロース繊維の繊維長は特に限定されないが、短繊維化すると、紙力強度の低下を引き起こすことが考えられるため、平均繊維長は平均繊維幅の10倍以上が好ましく、50倍以上がさらに好ましく、100倍以上が最も好ましい。平均繊維長を前記範囲にするためには、例えば、繊維長の長い針葉樹パルプを選ぶことが有効である。
繊維長は、前記平均繊維幅を測定する際に使用した電子顕微鏡観察画像を解析することにより求めることができる。すなわち、上記のような電子顕微鏡観察画像に対して、直線Xに交錯する単繊維、直線Yに交錯する単繊維の各々について少なくとも20本(すなわち、合計が少なくとも40本)の繊維長を読み取る。こうして上記のような電子顕微鏡画像を少なくとも3組以上観察し、少なくとも40本×3組(すなわち、少なくとも120本)の繊維長を読み取る。このように読み取った繊維長を平均して平均繊維長を求める。
[セルロース繊維の製造方法]
セルロース繊維は、リグノセルロースを含有する原料(以下、「リグノセルロース原料」という。)を微細化して得ることが可能である。例えば、セルロース繊維の製造方法としては、リグノセルロース原料を、機械的作用を利用する湿式粉砕で微細化する方法が挙げられる。機械的作用を利用して湿式粉砕する方法としては、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー等を用いる方法が挙げられる。
また、前記微細化の前に、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシラジカル)酸化、オゾン処理、酵素処理などの化学処理を施してもよい。
木材を微粉砕後、脱リグニンなどの処理を行ってリグノセルロース原料を得ることも可能である。
上記のいずれの方法によっても、固形分濃度0.01〜20質量%程度のセルロース繊維懸濁液が得られる。
リグノセルロース原料としては、特に限定するものではないが、例えば、木本性植物(針葉樹、広葉樹)、草本性植物を用いることが好ましい。より具体的には、木本性植物をクラフト法、サルファイト法、ソーダ法、ポリサルファイド法などで蒸解した化学パルプ、レファイナー、グラインダーなどの機械処理によってパルプ化した機械パルプ、薬品による前処理の後、機械処理でパルプ化したセミケミカルパルプ、或いは古紙パルプなどを例示できる。これらは、それぞれ未晒(漂白前)もしくは晒(漂白後)の状態で使用することができる。また、非木材パルプとしては、例えば、綿、マニラ麻、亜麻、藁、竹、バガス、ケナフなどを木材パルプと同様の方法でパルプ化した繊維が挙げられる。
(一般紙用パルプ)
本発明の粘着テープ用原紙には、平均繊維幅1000nmを超える一般紙用パルプを含有してもよい。
一般紙用パルプは、一般の紙に用いられるパルプであり、上記リグノセルロース原料と同様のものである。
本発明の粘着テープ用原紙が一般紙用パルプを含む場合、微細セルロース繊維は、一般抄紙用パルプの繊維間結合を強固にする役割も果たす。一般紙用パルプを含む場合、粘着テープ用原紙におけるセルロース繊維の含有量は粘着テープ用原紙の全質量の1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%がさらに好ましい。
セルロース繊維の含有量が前記下限値以上であれば、一般紙用パルプ間の水素結合を充分に補強できる。しかし、セルロース繊維の含有量が多くなると、セルロース繊維を含有するパルプスラリーの粘度が上昇し、抄紙可能にするためにはセルロース繊維を含有するパルプスラリーの濃度を下げる必要が生じる。セルロース繊維の含有量が50質量%を超えると、セルロース繊維を含有するパルプスラリーの濃度を大きく下げる必要があり、また抄紙時の濾水性が著しく低下し、工業生産が困難になる。
(他の成分)
また、本発明の粘着テープ用原紙は、上記セルロース繊維以外に、填料、サイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤などの化学添加剤、糊が含まれてもよい。
本発明の粘着テープ用原紙は、無機化合物粒子を含有してもよい。
無機化合物粒子は、平均粒子径が1〜2000nmのナノ粒子であることが、無機化合物粒子が有する効果が高まるため、好ましい。無機化合物のナノ粒子の平均粒子径は2〜300nmであることが好ましく、4〜200nmであることがさらに好ましく、6〜100nmであることが特に好ましい。ここで、上記平均粒子径は、動的光散乱法による一次粒子の平均粒子径、あるいは、透過型電子顕微鏡観察による一次粒子の平均粒子径である。ここでの平均粒子径は、質量平均である。
無機化合物粒子の平均粒子径が前記下限値以上であれば、入手容易であり、前記上限値以下であれば、抗菌性又は消臭性を充分に発揮できる。
無機化合物微粒子の具体例としては、二酸化珪素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化鉄(Fe)、酸化イットリウム(Y)、酸化インジウム(InO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、二酸化チタン(TiO)、二酸化セリウム(CeO)、四酸化三マンガン(Mn)、五酸化ニオブ(Nb)、炭化珪素(SiC)、炭化ホウ素(BC)、窒化アルミニウム(AlN)、ホウ化チタン(TiB)等が挙げられる。
また、金属のナノ粒子も無機化合物のナノ粒子として使用できる。金属ナノ粒子を構成する金属としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、鉄、白金(プラチナ)、ルテニウム、亜鉛、バナジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムなどが挙げられる。
また、ゼオライト、ハイドロキシアパタイト、シリカに前記無機化合物粒子が結合した粒子、例えば、ナノプラチナ−シリカ粒子を用いることができる。
また、前記無機化合物粒子を含有する市販の抗菌剤や消臭剤等も特に制限なく用いることができる。
(粘着テープ用原紙の製造方法)
粘着テープ用原紙を抄紙する際には、通常の抄紙で用いられる長網式、円網式、傾斜式等の連続抄紙機のほか、これらを組み合わせた多層抄き合わせ抄紙機を用いてもよいし、手抄きでもよい。
また、抄紙の際には、有機溶媒を添加してもよい。有機溶媒の添加方法は特に制限がないが、有機溶媒を、未乾燥のシート(含水ウェブ)の走行方向に対して上から滴下させる方法が好ましい。滴下の角度は有機溶媒が含水ウェブに均一に添加できる角度であれば特に制限されないが、含水ウェブに対して垂直に滴下させることが好ましい。
(作用効果)
本発明者らが調べた結果、本発明の粘着テープ用原紙は、密度及び透気度が前記範囲の粘着テープ用原紙は、寸法安定性及び粘着剤の含浸性に優れ、引張強度が高いことがわかった。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、例中の部、及び%は特に断らない限り、それぞれ質量部及び質量%を示す。
<実施例1>
針葉樹晒クラフトパルプ(王子ホールディングス株式会社製、水分50%、JIS P8121に準じて測定されるカナダ標準ろ水度(CSF)は550ml)を濃度5.0%になるように水を加え、ディスインテグレーターで離解して、パルプ分散液を得た。このパルプ分散液を長径250mmのグラインダー部を有する増幸産業社製のマスコロイダーを用いて、処理回数3回で解繊処理を行って微細化した。
得られた解繊液の上澄み濃度は3.25%であった。また、上澄み中の微細セルロース繊維の幅は60〜700nmの範囲にあり、平均繊維幅は140nmであった。
上記解繊液の上澄みの濃度が約3%になるように水を加えて希釈し、ホモミキサーで攪拌して微細セルロース繊維分散液Aを得た。この微細セルロース繊維分散液Aの固形分濃度を測定したところ、3.0%であった。
以上の操作で調製した、微細セルロース繊維を含有する分散液を、508ナイロンメッシュシート上で厚さが均一になるようにアプリケータ(クリアランス1mm)で表面を均一にした。次いで、メッシュシートの下側から吸引して脱水した。その後、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DEGDME、東邦化学社製、商品名:「ハイソルブMDM」、分子量134、沸点162℃、表面張力28N/m)を、メッシュシート上の湿紙状態のシートに対し、セルロース繊維固形分100部に対して1200部を添加した。次いで、メッシュシートの下側から吸引し、得られた湿紙を、105℃に加熱したシリンダドライヤを用いて、0.2MPaに加圧しながら乾燥させて、粘着テープ用原紙を得た。
<実施例2>
実施例1において、ジエチレングリコールジメチルエーテルを湿紙状態のシートの固形分100部に対して600部を添加した以外は全て実施例1と同様にして、粘着テープ用原紙を得た。
<実施例3>
実施例1において、水で2倍に希釈したジエチレングリコールジメチルエーテルを湿紙状態のシートの固形分100部に対して600部を添加した以外は全て実施例1と同様にして、粘着テープ用原紙を得た。
<実施例4>
実施例1において、マスコロイダーの処理回数を1回にし、平均繊維幅を400nmにした以外は全て実施例1と同様にして、粘着テープ用原紙を得た。
<比較例1>
実施例1において、ジエチレングリコールジメチルエーテルを添加しなかった以外は実施例1と同様にして、粘着テープ用原紙を得た。
<比較例2>
実施例1で、ジエチレングリコールジメチルエーテルの添加量を湿紙状態のシートの固形分100部に対して10000部を添加した以外は実施例1と同様にして、粘着テープ用原紙を得た。
<比較例3>
実施例1において、マスコロイダーでの処理を行わず、平均繊維幅を20000nmにしたこと以外は実施例1と同様にして、粘着テープ用原紙を得た。
(評価)
得られた粘着テープ用原紙の密度、透気度、引張強度、線熱膨張係数を下記方法により測定し、粘着剤の含浸性を下記の方法により評価した。測定結果及び評価結果を表1に示す。
[密度]
密度は、JIS P8118:1998に準じて測定した。
[透気度]
透気度は、王研式透気度:JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000(王研式)に準じて測定した。
[引張強度]
引張強度は、JIS P8113に準じて測定した。
[線熱膨張係数の測定]
線熱膨張係数は、ASTM D696に準じて測定した。
[粘着剤の含浸性]
容器内に、B型粘度で2000cps程度に調整した粘着剤を入れ、その粘着剤の表面に粘着テープ用原紙を浮かべ、粘着剤の含浸性を目視で下記の評価基準で評価した。
◎:粘着剤が粘着テープ用原紙の上面側までかなり浸み込む(粘着基材用テープに浸透した粘着剤量がかなり多い)
○:粘着剤が粘着テープ用原紙の上面側まで浸み込む(粘着テープ用原紙に浸透した粘着剤量が多い)
×:粘着剤が粘着テープ用原紙の上面側までは浸み込みにくい(粘着テープ用原紙に浸透した粘着剤量が少ない)
[粘着テープ用原紙としての総合評価]
引張強度、線熱膨張係数の測定結果及び粘着剤の含浸性の評価結果を基に、粘着テープ用原紙の特性として適しているかどうかを下記の基準で総合評価した。結果を表1に示す。
○:下記(a)〜(c)をすべて満たし、粘着テープ用原紙として適している。
×:下記(a)〜(c)を1つでも満たさず、粘着テープ用原紙として適していない。
(a)引張強度25MPa以上
(b)線熱膨張係数20ppm/K以下
(c)粘着剤の含浸性が◎または○
Figure 2014177724
表1に示すように、実施例1〜4の粘着テープ用原紙は、引張強度及び線熱膨張係数が高く、粘着剤含浸性が優れており、粘着テープ用原紙としての特性が優れていた。
密度が0.90g/cmの比較例1の粘着テープ用原紙は、粘着剤の含浸性が低かった。
密度が0.42g/cmの比較例2の粘着テープ用原紙は、引張強度が低かった。
平均繊維幅が20000nmの比較例3の粘着テープ用原紙は、線熱膨張係数が大きく、寸法安定性が低かった。

Claims (5)

  1. 粘着テープの支持体として用いられる原紙(粘着テープ用原紙)の引張強度が25MPa以上である、粘着テープ用原紙。
  2. 前記原紙の50〜150℃での測定範囲における線熱膨張係数が20ppm/K以下である、請求項1に記載の粘着テープ用原紙。
  3. 前記原紙の密度が0.50〜0.85g/cmであり、王研式透気度が50000秒以下である、請求項1又は2に記載の粘着テープ用原紙。
  4. 前記原紙が、セルロース繊維を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着テープ用原紙。
  5. 前記セルロース繊維は、平均繊維幅が1000nm以下の微細セルロース繊維である、請求項4に記載の粘着テープ用原紙。
JP2013052360A 2013-03-14 2013-03-14 粘着テープ用原紙 Active JP6264735B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013052360A JP6264735B2 (ja) 2013-03-14 2013-03-14 粘着テープ用原紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013052360A JP6264735B2 (ja) 2013-03-14 2013-03-14 粘着テープ用原紙

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014177724A true JP2014177724A (ja) 2014-09-25
JP6264735B2 JP6264735B2 (ja) 2018-01-24

Family

ID=51697949

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013052360A Active JP6264735B2 (ja) 2013-03-14 2013-03-14 粘着テープ用原紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6264735B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017125279A (ja) * 2016-01-15 2017-07-20 王子ホールディングス株式会社 微細セルロース繊維含有シート及びその製造方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03137291A (ja) * 1989-10-23 1991-06-11 Teijin Ltd 粘着テープ用支持体
JPH09195196A (ja) * 1996-01-18 1997-07-29 Oji Paper Co Ltd 加工原紙
JP2006001580A (ja) * 2004-06-17 2006-01-05 Tomoegawa Paper Co Ltd 自着テープ
JP2010007010A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Kyoto Univ ナノファイバーシート及びその製造方法
JP2010216035A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Kohjin Co Ltd 両面テープ用原紙及び両面テープ
JP2011226051A (ja) * 2010-04-21 2011-11-10 Neenah Gessner Gmbh 環境に配慮した粘着テープ紙及びそれから作られた粘着テープ
WO2012014970A1 (ja) * 2010-07-28 2012-02-02 日本製紙パピリア株式会社 水分散性紙

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03137291A (ja) * 1989-10-23 1991-06-11 Teijin Ltd 粘着テープ用支持体
JPH09195196A (ja) * 1996-01-18 1997-07-29 Oji Paper Co Ltd 加工原紙
JP2006001580A (ja) * 2004-06-17 2006-01-05 Tomoegawa Paper Co Ltd 自着テープ
JP2010007010A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Kyoto Univ ナノファイバーシート及びその製造方法
JP2010216035A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Kohjin Co Ltd 両面テープ用原紙及び両面テープ
JP2011226051A (ja) * 2010-04-21 2011-11-10 Neenah Gessner Gmbh 環境に配慮した粘着テープ紙及びそれから作られた粘着テープ
WO2012014970A1 (ja) * 2010-07-28 2012-02-02 日本製紙パピリア株式会社 水分散性紙

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017125279A (ja) * 2016-01-15 2017-07-20 王子ホールディングス株式会社 微細セルロース繊維含有シート及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6264735B2 (ja) 2018-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hassan et al. Nanofibers from bagasse and rice straw: process optimization and properties
Hassan et al. Improving bagasse pulp paper sheet properties with microfibrillated cellulose isolated from xylanase-treated bagasse
JP2019520490A (ja) ミクロフィブリル化フィルム
JP2012057285A (ja) 微細植物繊維含有紙シート
Hassan et al. Palm rachis microfibrillated cellulose and oxidized-microfibrillated cellulose for improving paper sheets properties of unbeaten softwood and bagasse pulps
JP2016503465A (ja) 乾燥セルロースフィラメント及び同フィラメントを作る方法
US10563355B1 (en) Treated fibers and fibrous structures comprising the same
CN112673133B (zh) 纤维素纤维的成型体及其制造方法
JP7233413B2 (ja) カルボキシメチル化ミクロフィブリルセルロース繊維およびその組成物
Winter et al. Reinforcement effect of pulp fines and microfibrillated cellulose in highly densified binderless paperboards
SE543552C2 (en) Refined cellulose fiber composition
Petroudy et al. Sugarcane bagasse paper reinforced by cellulose nanofiber (CNF) and bleached softwood kraft (BSWK) pulp
Saini et al. Green and energy-efficient extraction of cellulose nano-fibrils from rice straw and its coating to improve functional properties of rice straw paperboard made via refiner mechanical pulping
EP3728450B1 (en) A method to produce a fibrous product comprising microfibrillated cellulose
JP6264735B2 (ja) 粘着テープ用原紙
Kim et al. Cellulose nanofibril grades’ effect on the strength and drainability of security paper
JP6255683B2 (ja) 壁紙用原紙
KR20120094393A (ko) 리그노셀룰로오스계 제지용 충전제의 제조방법 및 이에 의해 제조된 리그노셀룰로오스계 제지용 충전제
Jo et al. Effect of Nanofibrillated Cellulose Made from Enzyme-pretreated Bamboo Pulp on Paper Strength.
JP6617757B2 (ja) 微細セルロース繊維含有シート及び吸着材、フィルター、セパレーター
JP7388824B2 (ja) セルロース繊維の成形体及びその製造方法
JP7449045B2 (ja) セルロース繊維の成形体及びその製造方法
JP7346018B2 (ja) セルロース繊維スラリーの製造方法
JP7365796B2 (ja) セルロース繊維の成形体及びその製造方法
JP7406312B2 (ja) 水解紙及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20141010

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150910

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20150910

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161025

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171128

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171211

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6264735

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250