JP2017125077A - 樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

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康典 大橋
Yasunori Ohashi
康典 大橋
木村 肇
Hajime Kimura
肇 木村
大塚 恵子
Keiko Otsuka
恵子 大塚
松本 明博
Akihiro Matsumoto
明博 松本
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Abstract

【課題】機械物性、耐熱性および電気絶縁性に優れ、さらに、耐水性にも優れる成形品を得ることができる樹脂組成物およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】樹脂組成物に、熱硬化性樹脂と、カルボン酸により変性されたリグニンとを含有させる。また、熱硬化性樹脂と、カルボン酸により変性されたリグニンとを、80℃以上180℃以下において混練することにより、樹脂組成物を製造する。このような樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、カルボン酸により変性されたリグニンとを含有しているため、機械物性、耐熱性および電気絶縁性に優れ、さらに、耐水性に優れる成形品を得ることができる。また、カルボン酸により変性されたリグニンは、取扱性に優れるため、本発明の樹脂組成物は、簡易かつ操作性よく得ることができる。また、このような樹脂組成物の製造方法によれば、上記の樹脂組成物を、簡易に製造することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物およびその製造方法に関し、詳しくは、熱硬化性樹脂を含有する樹脂組成物およびその製造方法に関する。
従来より、熱硬化性樹脂は、例えば、電気部品、自動車部品、建築材料、日用品などの各種産業分野において広く用いられている。
このような熱硬化性樹脂としては、その用途に応じて、例えば、成形品の機械物性(強度など)、耐熱性、電気絶縁性など、各種物性の向上が要求されており、要求される物性を満足するため、各種添加剤を熱硬化性樹脂に添加することが検討されている。
また、熱硬化性樹脂に添加される添加剤としては、近年、環境保全の観点から、植物由来の材料の有効利用が要求されており、具体的には、例えば、熱硬化性樹脂と草本系リグニンとを含有するリグニン添加熱硬化性樹脂が、提案されている(特許文献1参照)。
このようなリグニン添加熱硬化性樹脂によれば、優れた機械物性、耐熱性および電気絶縁性を確保することができる。
特開2012−082255号公報
一方、熱硬化性樹脂としては、その用途によっては、耐水性が要求される場合がある。
そこで、本発明の目的は、機械物性、耐熱性および電気絶縁性に優れ、さらに、耐水性にも優れる成形品を得ることができる樹脂組成物およびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、カルボン酸により変性されたリグニンとを含有することを特徴としている。
また、本発明の樹脂組成物では、前記カルボン酸が、酢酸であることが好適である。
また、本発明の樹脂組成物では、前記リグニンが、草本系植物由来リグニンであることが好適である。
また、本発明の樹脂組成物では、前記熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂であることが好適である。
また、本発明の樹脂組成物の製造方法は、熱硬化性樹脂と、カルボン酸により変性されたリグニンとを、80℃以上180℃以下において混練することを特徴としている。
本発明の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、カルボン酸により変性されたリグニンとを含有しているため、機械物性、耐熱性および電気絶縁性に優れ、さらに、耐水性に優れる成形品を得ることができる。また、カルボン酸により変性されたリグニンは、取扱性に優れるため、本発明の樹脂組成物は、簡易かつ操作性よく得ることができる。
また、本発明の樹脂組成物の製造方法によれば、本発明の樹脂組成物を、簡易に製造することができる。
本発明の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、カルボン酸により変性されたリグニン(以下、カルボン酸変性リグニンと称する場合がある。)とを含有している。
熱硬化性樹脂としては、特に制限されず、公知の熱硬化性樹脂が挙げられる。具体的には、例えば、フェノール樹脂(ノボラック系フェノール樹脂、レゾール系フェノール樹脂など)、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などが挙げられる。
これら熱硬化性樹脂は、単独使用または2種類以上併用することができる。
熱硬化性樹脂として、好ましくは、フェノール樹脂が挙げられ、好ましくは、ノボラック系フェノール樹脂が挙げられる。
また、樹脂組成物には、熱硬化性樹脂の種類に応じて、硬化剤を配合することができる。より具体的には、例えば、熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂が用いられる場合、樹脂組成物には、フェノール樹脂硬化剤を配合することができる。
フェノール樹脂硬化剤としては、特に制限されず、公知の硬化剤を用いることができる。具体的には、例えば、ヘキサメチレンテトラミン、メチロールメラミン、メチロール尿素などが挙げられる。
これらフェノール樹脂硬化剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
フェノール樹脂硬化剤として、好ましくは、ヘキサメチレンテトラミンが挙げられる。
フェノール樹脂硬化剤の配合割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
カルボン酸変性リグニンにおいて、カルボン酸としては、例えば、カルボキシ基を1つ有するカルボン酸(以下、単官能カルボン酸と称する場合がある。)が挙げられ、具体的には、例えば、飽和脂肪族単官能カルボン酸、不飽和脂肪族単官能カルボン酸、芳香族単官能カルボン酸などが挙げられる。
飽和脂肪族単官能カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリル酸などが挙げられる。
不飽和脂肪族単官能カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、リノール酸などが挙げられる。
芳香族単官能カルボン酸としては、例えば、安息香酸、2−フェノキシ安息香酸、4−メチル安息香酸などが挙げられる。
これらカルボン酸は、単独使用または2種類以上併用することができる。
カルボン酸として、好ましくは、飽和脂肪族単官能カルボン酸、より好ましくは、酢酸が挙げられる。上記のカルボン酸を用いれば、カルボン酸変性リグニンを簡易に得ることができ、また、得られるカルボン酸変性リグニンは、後述するように、有機溶媒に対する溶解性が比較的高く、また、溶融温度が比較的低温(100〜200℃程度)であるため、取扱性にも優れる。
リグニンは、グアイアシルリグニン(G型)、シリンギルリグニン(S型)、p−ヒドロキシフェニルリグニン(H型)などの基本骨格からなる高分子フェノール性化合物であって、植物全般に含まれている。このような天然リグニンを工業的に取り出したものとしては、例えば、植物原料からパルプをソーダ法、亜硫酸法、クラフト法などによって製造する際、排出される廃液(黒液)中に含まれるソーダリグニン、サルファイトリグニン、クラフトリグニンなどが知られている。
リグニンとして、具体的には、木本系植物由来リグニン、草本系植物由来リグニンが挙げられる。
木本系植物由来リグニンとしては、例えば、針葉樹(例えば、スギなど)に含まれる針葉樹系リグニン、例えば、広葉樹に含まれる広葉樹系リグニンなどが挙げられる。このような木本系植物由来リグニンは、H型を基本骨格とするリグニンを含まず、例えば、針葉樹系リグニンはG型を基本骨格とし、広葉樹系リグニンは、G型およびS型を基本骨格としている。
草本系植物由来リグニンとしては、例えば、イネ科植物(麦わら、稲わら、とうもろこし、タケなど)に含まれるイネ系リグニンなどが挙げられる。このような草本系植物由来リグニンは、H型、G型およびS型の全てを基本骨格としている。
これらのリグニンは、単独使用または2種類以上併用することができる。
リグニンとして、好ましくは、草本系植物由来リグニン、より好ましくは、コーンストーバー(とうもろこしの芯、茎、葉など)に由来する草本系植物由来リグニンが挙げられる。
また、リグニンとして、好ましくは、反応性の観点から、H型の基本骨格を9質量%以上、より好ましくは14質量%以上の割合で含有することが挙げられる。
カルボン酸変性リグニンの製造方法は、特に制限されず、公知の方法に準拠することができる。
具体的には、例えば、リグニンの原料となる植物材料(例えば、針葉樹、広葉樹、イネ科植物など)を、カルボン酸(好ましくは、酢酸)を用いて蒸解することによって、パルプ廃液としてカルボン酸変性リグニンを得ることができる。
蒸解方法としては、特に制限されないが、例えば、リグニンの原料となる植物材料と、カルボン酸および無機酸(例えば、塩酸、硫酸など)とを混合し、反応させる。
カルボン酸の配合割合は、リグニンの原料となる植物材料100質量部に対して、カルボン酸(100%換算)が、例えば、500質量部以上、好ましくは、900質量部以上であり、例えば、30000質量部以下、好ましくは、15000質量部以下である。
また、無機酸の配合割合は、リグニンの原料となる植物材料100質量部に対して、無機酸(100%換算)が、例えば、0.01質量部以上、好ましくは、0.05質量部以上であり、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
また、反応条件としては、反応温度が、例えば、30℃以上、好ましくは、50℃以上であり、例えば、400℃以下、好ましくは、250℃以下である。また、反応時間が、例えば、0.5時間以上、好ましくは、1時間以上であり、例えば、20時間以下、好ましくは、10時間以下である。
このような蒸解によって、パルプが得られるとともに、パルプ廃液としてカルボン酸変性リグニンが得られる。
次いで、この方法では、濾過などの公知の分離方法によってパルプを分離し、濾液(パルプ廃液)を回収し、必要により、未反応のカルボン酸を、例えば、ロータリーエバポレーター、減圧蒸留などを用いた公知の方法により除去(留去)する。その後、大過剰の水を添加してカルボン酸変性リグニンを沈殿させ、濾過することによって、固形分としてカルボン酸変性リグニンを回収する。
また、カルボン酸変性リグニンを得る方法は、上記に限定されず、例えば、カルボン酸により変性されていないリグニン(以下、未変性リグニン)とカルボン酸とを反応させることにより、カルボン酸変性リグニンを得ることもできる。
このような方法では、未変性リグニンとして、好ましくは、粉末状の未変性リグニンが挙げられる。
粉末状の未変性リグニンの平均粒子径は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、5μm以上であり、例えば、1000μm以下、好ましくは、500μm以下である。
平均粒子径が上記範囲であれば、未変性リグニンの凝集を抑制して、未変性リグニンをカルボン酸に対して良好に分散することができ、また、優れた機械物性、耐熱性、電気絶縁性および耐水性を確保することができる。
なお、粉末状の未変性リグニンは、塊状の未変性リグニンを公知の方法で乾燥および粉砕することにより得ることができ、また、市販品を用いることもできる。
未変性リグニンとカルボン酸とを反応させる方法としては、例えば、未変性リグニンと、カルボン酸および無機酸(例えば、塩酸、硫酸など)とを混合し、反応させる。
カルボン酸の配合割合は、未変性リグニン100質量部に対して、カルボン酸(100%換算)が、例えば、300質量部以上、好ましくは、500質量部以上であり、例えば、15000質量部以下、好ましくは、10000質量部以下である。
また、無機酸の配合割合は、未変性リグニン100質量部に対して、無機酸(100%換算)が、例えば、0.01質量部以上、好ましくは、0.05質量部以上であり、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
また、反応条件としては、反応温度が、例えば、30℃以上、好ましくは、50℃以上であり、例えば、400℃以下、好ましくは、250℃以下である。また、反応時間が、例えば、0.5時間以上、好ましくは、1時間以上であり、例えば、20時間以下、好ましくは、10時間以下である。
このようなカルボン酸変性リグニンは、取扱性に優れる。
すなわち、カルボン酸により変性されていないリグニンは、有機溶媒に対する溶解性が比較的低く、また、溶融しないため、用途によっては、取扱性に劣る場合がある。
一方、上記のようにカルボン酸により変性されたリグニンは、極性有機溶媒(例えば、アセトン、メタノール、フェノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミドなど)に対する溶解性が比較的高く、溶融温度が比較的低温(100〜200℃程度)であるため、取扱性に優れる。
また、樹脂組成物の製造において用いられるのカルボン酸変性リグニンの平均粒子径は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、5μm以上であり、例えば、2cm以下、好ましくは、1cm以下である。
平均粒子径が上記範囲であれば、熱硬化性樹脂に対する溶解性に優れ、カルボン酸変性リグニンを熱硬化性樹脂に対して良好に分散することができ、また、優れた機械物性、耐熱性、電気絶縁性および耐水性を確保することができる。
また、樹脂組成物は、さらに、添加剤を含有することができる。
添加剤としては、熱硬化性樹脂組成物に添加される公知の添加剤、例えば、充填剤(木粉、パルプ、ガラス繊維など)、着色剤、可塑剤、安定剤、離型剤(ステアリン酸亜鉛などの金属石鹸など)などが挙げられる。
これら添加剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。添加剤の含有量は、本発明の優れた効果を阻害しない範囲において、目的および用途に応じて、適宜設定される。
例えば、充填剤が添加される場合には、その配合割合は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、充填剤が、例えば、10質量部以上、好ましくは、20質量部以上であり、例えば、300質量部以下、好ましくは、200質量部以下である。
また、添加剤は、熱硬化性樹脂および/またはカルボン酸変性リグニンに予め添加されていてもよく、熱硬化性樹脂とカルボン酸変性リグニンとの配合時に同時に添加されてもよく、熱硬化性樹脂とカルボン酸変性リグニンとの混合物に添加されてもよい。
そして、樹脂組成物を製造するには、例えば、熱硬化性樹脂およびカルボン酸変性リグニン(さらに、必要により添加剤)を配合および混練すればよい。
熱硬化性樹脂とカルボン酸変性リグニン(溶媒に溶解される場合、その固形分)との配合割合は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、カルボン酸変性リグニンが、例えば、10質量部以上、好ましくは、20質量部以上であり、例えば、300質量部以下、好ましくは、200質量部以下である。
熱硬化性樹脂とカルボン酸変性リグニンとの配合割合が上記範囲であれば、粘度の上昇を抑制するとともに、優れた成形性を確保することができ、さらに、得られる成形体の機械物性、耐熱性、電気絶縁性および耐水性の向上を図ることができる。
また、混練方法としては、特に制限されず、例えば、単軸押出機、多軸押出機、ロール混練機、ニーダー、ヘンシエルミキサー、バンバリーミキサーなどの公知の混練機を用いることができる。
混練条件としては、混練温度が、80℃以上、好ましくは、90℃以上、より好ましくは、100℃以上であり、180℃以下、好ましくは、170℃以下、より好ましくは、160℃以下である。また、混練時間が、例えば、3分以上、好ましくは、5分以上であり、例えば、30分以下、好ましくは、20分以下である。
このようにして得られる樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、カルボン酸により変性されたリグニンとを含有しているため、機械物性、耐熱性および電気絶縁性に優れ、さらに、耐水性に優れる成形品を得ることができる。また、カルボン酸により変性されたリグニンは、取扱性に優れるため、上記の樹脂組成物は、簡易かつ操作性よく得ることができる。
また、上記の樹脂組成物の製造方法によれば、上記の樹脂組成物を簡易に製造することができる。
そして、このような樹脂組成物は、成形品の製造に用いられる。
より具体的には、上記の樹脂組成物を、例えば、トランスファ成形、圧縮成形などの公知の熱硬化性樹脂の成形方法により成形する。これにより、機械物性、耐熱性および電気絶縁性に優れ、さらに、耐水性に優れる成形品を得ることができる。
そのため、得られる成形品は、電気部品、自動車部品、建築材料、日用品などの各種産業分野において、広範に用いることができる。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。また、以下の説明において特に言及がない限り、「部」および「%」は質量基準である。なお、以下に示す実施例の数値は、実施形態において記載される対応する数値(すなわち、上限値または下限値)に代替することができる。
<酢酸変性リグニンの製造>
製造例1
コーンストーバー100質量部を、95質量%の酢酸1000質量部および硫酸3質量部と混合し、還流下において4時間反応させた。反応後、濾過してパルプを除去し、パルプ廃液を回収した。次いで、ロータリーエバポレーターを用いてパルプ廃液中の酢酸を除去し、体積が1/10になるまで濃縮した後、その濃縮液の10倍量(質量基準)の水を添加し、濾過することにより、固形分として酢酸変性リグニンを得た。
製造例2
コーンストーバー100質量部に代えてタケ100質量部を用いた以外は、製造例1と同様の方法で酢酸変性リグニンを得た。
比較製造例1
麦わらのアルカリ蒸解パルプ廃液(黒液)を中和した後、濾過することにより、固形分として未変性リグニンを得た。
<樹脂組成物の製造>
実施例1
ノボラック系フェノール樹脂(旭有機材工業社製)300gと、製造例1で得られた酢酸変性リグニン150gと、充填剤としての木粉(旭有機材工業社製)150gと、硬化剤としてのヘキサメチレンテトラミン(リグナイト社製)54gと、離型剤としてのステアリン酸亜鉛(和光純薬工業社製)4.5gとを順次配合し、2本の熱ロールにて100℃で10分間混練して、樹脂組成物を得た。
実施例2
混練温度を150℃に変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
実施例3
木粉150gに代えて、ガラス繊維(平均長さ3mm、アスペクト比250、日東紡社製)150gを配合した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
実施例4
製造例1で得られた酢酸変性リグニン150gに代えて、製造例2で得られた酢酸変性リグニン150gを配合した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
比較例1
ノボラック系フェノール樹脂(旭有機材工業社製)300gと、充填剤としての木粉(旭有機材工業社製)100gと、硬化剤としてのヘキサメチレンテトラミン(リグナイト社製)54gと、離型剤としてのステアリン酸亜鉛(和光純薬工業社製)3gとを配合し、2本の熱ロールにて100℃で10分間混練して、樹脂組成物を得た。
比較例2
製造例1で得られた酢酸変性リグニン150gに代えて、比較製造例1で得られた未変性リグニン150gを配合した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
<評価>
各実施例および各比較例において得られた樹脂組成物について、170℃において15分間トランスファ成形し、成形品として、曲げ試験用の矩形試験片と、75mmφの円盤形試験片とを得た。
そして、得られた成形品を、下記の方法により評価した。その結果を、表1に示す。
(1)ガラス転移温度(Tg)
Rheogel−E4000(ユ−ビーエム社製)を用い、固体動的粘弾性を測定した(周波数1Hz、昇温速度2℃/分)。そして、得られるtanδ曲線のピーク温度を、ガラス転移温度(Tg)として求めた。その結果を、表1に示す。
(2)曲げ強度
JIS K6911(1995年版)に準拠して、クロスヘッド速度3mm/分、スパン100mmにて曲げ強度を測定した。
(3)荷重たわみ温度
ASTM D648(2004年版)に準拠して、ヒートディストーションテスター(マイズ試験機製)を用い、シリコーンオイル中において、昇温速度2℃/分、荷重18.5kg/cmの条件で、標準たわみ量(0.25mm)に到達したときの温度を測定した。
(4)線膨張係数
TMA/SS6000(日立ハイテクサイエンス社製)を用い、窒素雰囲気下、圧縮モード、昇温速度2℃/分で熱機械分析(TMA)し、得られるTMA曲線の傾きから、40℃〜60℃での線膨張係数を求めた。
(5)体積抵抗率(電気絶縁性)
JIS K6911(1995年版)に従い、HP4339A(アジレント・テクノロジー社製)を用いて、体積抵抗率(Ω・cm)を測定した。
(6)誘電率
インピーダンスアナライザーE4991A(アジレント・テクノロジー社製)を用い、周波数1GHzにおける誘電率を容量法にて測定した。
(7)吸水率
成形品の初期質量(乾燥質量)を測定し、次いで、成形品を沸騰水に2時間浸漬した後、その質量(吸水質量)および増加量を測定し、下記式により、吸水率を求めた。
吸水率(質量%)
= 100 × 沸騰水の浸漬後における質量増加量 / 乾燥質量
表1から、各実施例の樹脂組成物を用いて得られた成形品は、比較例1の樹脂組成物を用いて得られた成形品と、耐水性は同程度でありながら、優れた機械物性、耐熱性および電気絶縁性を備えていることが明らかである。
また、表1から、各実施例の樹脂組成物を用いて得られた成形品は、比較例2の樹脂組成物を用いて得られた成形品と、機械物性、耐熱性、電気絶縁性などにおいて同等以上であり、優れた耐水性を備えていることが明らかである。

Claims (5)

  1. 熱硬化性樹脂と、
    カルボン酸により変性されたリグニンと
    を含有することを特徴とする、樹脂組成物。
  2. 前記カルボン酸が、酢酸である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記リグニンが、草本系植物由来リグニンである、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 熱硬化性樹脂と、
    カルボン酸により変性されたリグニンと
    を、80℃以上180℃以下において混練することを特徴とする、樹脂組成物の製造方法。
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