JP2017124529A - 防曇フィルム及び防曇用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐湿性、耐水性、耐水垢性に優れる防曇用材と、そのための防曇用組成物を提供すること。【解決手段】基材の少なくとも一方に、防曇層12を設け、防曇層が、少なくとも1種類以上の微細化セルロースと、少なくとも1種類以上の多価金属イオンを含有し、微細化セルロースの、短軸の数平均短軸径は1nm以上500nm以下であり、長軸の数平均長軸径は0.05μm以上50μm以下であり、グルコピラノース単位のヒドロキシ基の少なくとも一部がカルボキシ基に変換されていることを特徴とする防曇フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、結露による視認性の低下を防ぐ防曇フィルム及び防曇用組成物に関する。
浴室や洗面台の鏡、建物や自動車の窓ガラス、商品展示用ショーケース、包装材料においては、雨による水滴が付着する場合や空気中の水分が結露する場合がある。水滴が付着すると光の乱反射が起こり、視認性が低下する。例えば、外気が冷たく、室内が暖房等で暖められた場合、窓ガラスの表面に室内の湿気が結露して窓ガラスに水滴が付着し、窓ガラスが曇って見える。このような結露による視認性の低下を防ぐ目的で、防曇剤や防曇フィルムが用いられる。一般的に、防曇剤や防曇フィルムは、表面を親水化し、水滴が表面に広がって均一な水の膜を形成するために曇りを防止できる。
例えば、プラズマ処理によって表面を親水化し、防曇効果を付与することができるが、その効果は一時的であり、長期間維持することができない。
また、界面活性剤を添加することにより表面を親水化し、水接触角を小さくする方法が知られる。しかしながら、塗膜中の界面活性剤がフィルムから流出して防曇性を消失することがあり、また、親水表面に水道水等が水膜を形成した状態で乾燥すると、水垢が付着するという問題があった。
一方、近年、化石資源の枯渇問題の解決を目指して、持続的に利用可能な環境調和型材料である、天然高分子を用いた機能性材料の開発が盛んに行われている。生分解性を有する環境に優しい天然高分子材料としては、セルロース等の植物材料が知られている。植物や木材の主成分であるセルロースは、地球上に最も大量に蓄積された天然高分子材料である。セルロース系材料としては、例えば、特許文献1には、カルボキシメチルセルロースナトリウム(以下CMCという)を含み、防曇性を有する食品包装用の可食性の水溶性フィルムが開示されているが、防曇フィルムへの適用を主眼とした材料ではなく、必ずしも防曇フィルムに適した材料とは言えない。
このようなセルロース系材料の原料である木材中では、数十本以上のセルロース分子が束になって高結晶性でナノメートルオーダーの繊維径をもつ微細繊維(ミクロフィブリル)を形成しており、さらに多数の微細繊維が互いに水素結合してセルロース繊維を形成し、植物の支持体となっている。このセルロース繊維を、繊維径がナノメートルオーダーになるまで微細化(ナノファイバー化)して利用する方法が知られる。例えば、特許文献2では、アニオン変性セルロースナノファイバーを含むことで、ブリードアウトによる白化を抑制し、耐摩擦性の高い防曇性材料を開示している。しかし、アニオン変性セルロースナノファイバーを用いた場合、耐水性に課題があった。防曇性材料についての先行技術を調査したが、コスト、安全性、防曇性能の長期的な耐久性、防汚性、耐湿性、耐水性、耐水垢性および熱による寸法変化が少ない、と言った防曇フィルムに要求される性能を十分に満たすことができる材料は見出す事ができなかった。そのため、その実用化が待望されているのが現状である。
特許第3714500号公報 特開2015−4032号公報
上記の事情に鑑み、本発明は、耐湿性、耐水性、耐水垢性に優れる防曇フィルムと、そのための防曇用組成物を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための手段として、本発明の一側面は、透明な基材の少なくとも一方の面に曇り止めのための防曇層を備えた防曇フィルムにおいて、
防曇層は、1種類以上の微細化セルロースと、1種類以上の多価金属イオンと、を含有しており、
微細化セルロースの、数平均短軸径は1nm以上500nm以下であり、数平均長軸径は0.05μm以上50μm以下であり、グルコピラノース単位のヒドロキシ基の少なくとも一部がカルボキシ基に変換されている、ことを特徴とする防曇フィルムである。
また本発明の別の一側面は、1種類以上の微細化セルロースとを含有しており、微細化セルロースの数平均短軸径は1nm以上500nm以下であり、微細化セルロースの数平均長軸径は0.05μm以上50μm以下であり、微細化セルロースのグルコピラノース単位のヒドロキシ基の少なくとも一部がカルボキシ基に変換されており、微細化セルロースの結晶化度が70%以上であり、微細化セルロースの固形分濃度が1%の分散体において、光路長1cm、波長が660nmの光線透過率が分散媒をリファレンスとして80%以上であることを特徴とする防曇用組成物である。
本発明の防曇性組成物によれば、耐湿性、耐水性に優れる防曇フィルムを提供することができる。
本発明の防曇フィルムの第一の態様を示した概念図である。
ここに開示する技術は、微細化セルロースを含有する防曇フィルムに関する。近年、環境問題が注目される中、環境調和型材料の利用が求められている。微細化セルロースとして、環境調和型材料である微細化された酸化セルロースを用いることで、低コストで、安全性が高く、環境調和型材料を用い、長期に渡り安定した防曇効果を有し、防汚性、耐湿性、耐水性に優れる防曇フィルムを提供することができる。
以下本発明を実施するための形態を、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の防曇フィルム1の一つの態様を示している。基材11の片面に防曇層12を設け、防曇層12が形成された面とは反対側の面に粘着層13を備えている。
本発明の防曇フィルム1の防曇層12は、少なくとも1種類以上の微細化セルロースと、少なくとも1種類以上の多価金属イオンを含有し、微細化セルロースの短軸の数平均短軸径は、1nm以上500nm以下であり、微細化セルロースの長軸の数平均長軸径は0.05μm以上50μm以下であり、微細化セルロースのグルコピラノース単位の少なくとも一部が、C6位のヒドロキシ基がカルボキシ基に変換されている。
<防曇層>
本発明に係る防曇層12は少なくとも1種類以上の微細化セルロースと少なくとも1種類以上の多価金属イオンを含有する。
グルコピラノース単位の少なくとも一部のヒドロキシ基(OH基)がカルボキシ基に酸
化された微細化セルロースを用いることにより、微細化セルロースの少なくとも一部のカルボキシ基が多価金属イオンと架橋構造を有するために耐水性が向上する。また、このカルボキシ基は、水垢の原因となるカルシウムイオンを補足することができる。
微細化セルロースの短軸の数平均短軸径が、1nm以上500nm以下であり、長軸の数平均長軸径は0.05μm以上50μm以下の微細化セルロースを含有することにより、耐水性、耐水垢性に優れ、長期間に渡り高い防曇効果を有する。また、強度が高く、高い透明性を有し、熱による寸法変化の少ない防曇フィルムを得ることができる。
(微細化セルロース)
微細化セルロースとは、その構造の少なくとも一辺がナノメートルオーダーであるセルロースのことを示し、その調製方法については特に限定されない。通常、微細化セルロースは、ミクロフィブリル構造由来の繊維形状を取る。本実施形態に用いる微細化セルロースとしては、以下に示す特徴を有することが好ましい。防曇層12に微細化セルロースを用いることにより、塗工性に優れ、耐湿性、耐水性、耐水垢性、透明性に優れ、高い強度を有し、熱による寸法変化の少ない防曇フィルムを得ることができる。
本発明に係る微細化セルロースの短軸の数平均短軸径は、1nm以上500nm以下であることが好ましい。微細化セルロースの数平均短軸径が1nmより短いと高結晶性の剛直な繊維構造をとることができず、耐水性が低下する。数平均短軸径が500nmを超えると透明性が低下するため、防曇フィルムの透明性が低くなる。また、防曇層12の耐擦傷性が低下する。数平均短軸径がこの範囲であると、耐水性、耐水垢性、透明性に優れた防曇フィルムを得ることができる。更に好ましくは、数平均短軸径が1nm以上200nm以下であり、更に好ましくは1nm以上50nm以下である。
また、微細化セルロースの長軸の数平均長軸径は0.05μm以上50μm以下であることが望ましい。数平均長軸径が0.05μm未満であると防曇層12の機械的強度が低下する。数平均長軸径が500μmを超えると、防曇フィルムの透明性が低くなる。
更に好ましくは、0.1μm以上10μm以下である。
微細化セルロースの数平均短軸径は、透過型電子顕微鏡観察および原子間力顕微鏡観察により100本の繊維の短軸径(最小径)を測定し、その平均値として求められる。一方、微細セルロース繊維の数平均長軸径は、透過型電子顕微鏡観察および原子間力顕微鏡観察により100本の繊維の長軸径(最大径)を測定し、その平均値として求められる。
微細化セルロースの原料として用いることが出来る植物セルロースの種類も特に限定されず、例えば木材系天然セルロースに加えて、コットンリンター、竹、麻、バガス、ケナフを用いることができる。また、バクテリアセルロース、ホヤセルロース、バロニアセルロースといった非木材系天然セルロース、さらにはレーヨン繊維、キュプラ繊維に代表される再生セルロースを用いることもできる。
セルロース繊維の製造方法は特に限定されないが、例えばグラインダーによる機械処理の他、酸化処理、希酸加水分解処理、酵素処理などを機械処理と併用して微細化する方法が知られている。また、バクテリアセルロースも微細化セルロースとして用いることが出来る。さらには各種天然セルロースを各種セルロース溶剤に溶解させたのち、電解紡糸することによって得られる微細再生セルロース繊維を用いても良い。
前記微細化セルロースのグルコピラノース単位におけるヒドロキシ基の少なくとも一部がカルボキシ基へと酸化される。酸化方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。カルボキシ基は、カルシウムイオン(Ca2+)を補足するため、防曇層12の表面に水膜が形成され、乾燥する際に、水道水等に含まれるカルシウムイオン(Ca2+)により白濁した水痕(水垢)が残留するのを防ぐことができる。このとき、カルシウムイオンを補足することでカルボキシ基を介して架橋構造を形成するために耐水性の向上に寄与し、水垢の形成を防ぐことができる。このため、長期に渡り高い防曇効果を持続することができ、寸法安定性が良好な防曇フィルムを得ることができる。
特に特開2008−1728号公報の方法に示されるように、安定な有機フリーラジカルであるTEMPO(2、2、6、6−tetramethylpiperidine 1−oxyl)をはじめとするN−オキシル化合物を用いた酸化反応では、結晶表面のセルロース分子鎖が持つグルコピラノース単位の第6位の−CHOHが高い選択性で酸化され、アルデヒド基を経てカルボキシ基に変換される。このように結晶表面に導入されたカルボキシ基を有する微細セルロース繊維間には静電的な反発力が働くため、水性媒体中でミクロフィブリル単位にまで分散したセルロースシングルナノファイバー(CSNF)を得ることができる。
特に特開2008−1728号公報に示されたCSNFを用いれば、繊維表面に高密度に存在するカルボキシ基が多価金属イオンにより架橋構造を有するため、耐水性、耐水垢性が良好になり、高い防曇効果と透明性を維持した防曇フィルムを得ることができる。
微細化セルロース中のカルボキシ基の含有量は、微細化セルロース1g当たり0.1mmol以上3.0mmol以下の範囲内であることが好ましい。カルボキシ基量が0.1mmol/g未満であると解繊に多大なエネルギーを有し、得られる微細化セルロース分散液の粘度が高くなり、作業性、塗工性が悪くなる。また、カルボキシ基量が下限値未満であると、水道水等に含まれるカルシウムイオンを十分に捕捉することができず、水垢による痕が残留しやすくなる。カルボキシ基量が3.0mmol/gを超えると、微細化セルロースの結晶構造が充分に保持されずに、耐水性が低下する。更に好ましくは0.5mmol以上3.0mmol以下であり、より好ましくは1.0mmol/g以上1.8mmol/gである。微細化セルロース中のカルボキシ基がこの範囲であると防曇層12の表面の親水性が高く、そのため防曇効果が高くなり、透明で強度の高い防曇フィルムを得ることができる。
また、微細化セルロースの結晶化度は70%以上であることが好ましい。結晶化度が70%未満であると剛直な微細化セルロース構造をとることができず、耐水性、耐擦傷性が悪くなる。
また、微細化セルロースがミクロフィブリル単位まで微細化・分散すると、660nmの光線透過率が高くなる。また、微細化セルロースが固形分濃度1%の分散体において、光路長1cm、波長が660nmの光線透過率が、分散媒をリファレンスとして80%以上であることが好ましい。光線透過率が80%以上であると透明性の高い防曇層及び防曇フィルムを製造することができる。
(微細酸化セルロースの製造方法)
特に限定されないが、微細酸化セルロースの製造方法は、酸化工程(セルロース原料からN−オキシル化合物を用いて酸化セルロースを得る工程)と、微細化工程(酸化工程を経た酸化セルロースを水性媒体中で微細化して微細酸化セルロース分散液を調製する工程)とを有することが好ましい。この方法を用いることにより、所望の長軸の数平均軸径、短軸の数平均軸径、カルボキシ基導入量、粘度特性を制御し、防曇効果に優れ、耐水性、耐水垢性、透明性に優れ、強度の高い防曇フィルムを得ることができる。
(N−オキシル化合物を用いた酸化工程)
微細化セルロースの原料としては、特に限定されず、木材セルロースを用いる場合には、針葉樹パルプや広葉樹パルプ、古紙パルプなど、一般的に用いられるものを用いることができる。精製および微細化のしやすさから、針葉樹パルプが好ましい。N−オキシル化合物としては、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシラジカル)、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−エトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、等が挙げられる。
その中でも、TEMPOを用いることが好ましい。N−オキシル化合物の使用量は、触媒としての量でよく、特に限定されない。通常、酸化処理する木材系天然セルロースの固形分に対して0.01質量%以上5.0質量%以下程度である。
TEMPOとは、ニトロキシルラジカル(RN−O・)の一種、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルの略称であり、ヒドロキシ基を酸化する真の活性種は、TEMPOが次亜塩素酸で酸化されて発生するN−オキソアンモニウムイオン(R=O)である。
N−オキシル化合物を用いた酸化方法としては、セルロース原料を水中に分散させ、N−オキシル化合物の共存下で酸化処理する方法が挙げられる。このとき、N−オキシル化合物とともに、共酸化剤を併用することが好ましい。
この場合、反応系内において、N−オキシル化合物が順次共酸化剤により酸化されてオキソアンモニウム塩が生成し、オキソアンモニウム塩によりセルロースが酸化される。かかる酸化処理によれば、温和な条件でも酸化反応が円滑に進行し、カルボキシ基の導入効率が向上する。酸化処理を温和な条件で行うと、セルロースの結晶構造を維持しやすい。
共酸化剤としては、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸や過ハロゲン酸、またはそれらの塩、ハロゲン酸化物、窒素酸化物、過酸化物など、酸化反応を推進することが可能であれば、いずれの酸化剤も用いることができる。入手の容易さや反応性から、次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
共酸化剤の使用量は、酸化反応を促進することができる量でよく、特に限定されない。通常、酸化処理するセルロースの固形分に対して1質量%以上200質量%以下程度である。
N−オキシル化合物および共酸化剤とともに、臭化物およびヨウ化物から選ばれる少なくとも1種の化合物をさらに併用してもよい。これにより、酸化反応を円滑に進行させることができ、カルボキシ基の導入効率を改善することができる。
化合物としては、臭化ナトリウムまたは臭化リチウムが好ましく、コストや安定性から、臭化ナトリウムがより好ましい。化合物の使用量は、酸化反応を促進することができる量でよく、特に限定されないが、通常、酸化処理する木材系天然セルロースの固形分(100質量%)に対して1質量%以上50質量%以下である。
酸化反応の反応温度は、4℃以上50℃以下が好ましく、10℃以上50℃以下がより好ましい。4℃より低いと、試薬の反応性が低下し反応時間が長くなってしまう。50℃を超えると副反応が促進して試料が低分子化し、繊維形状を保てなくなる。酸化処理の反応時間は、反応温度、所望のカルボキシ基量等を考慮して適宜設定でき、特に限定されないが、通常、1時間以上5時間以下程度である。
酸化反応時の反応系のpHは、9以上11以下が好ましい。pHが9以上であると反応を効率よく進めることができ、pHが11を超えると副反応が進行し、試料の分解が促進
されてしまうおそれがあり、酸化処理においては、酸化が進行するにつれて、カルボキシ基が生成することにより系内のpHが低下してしまうため、酸化処理中、反応系のpHを9以上11以下に保つことが好ましい。
反応系のpHを9以上11以下に保つ方法としては、pHの低下に応じてアルカリ水溶液を添加する方法が挙げられる。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、アンモニア水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液、水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液、水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム水溶液などの有機アルカリなどが挙げられる。コストなどの面から水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
N−オキシル化合物による酸化反応は、反応系にアルコールを添加することにより停止させることができる。このとき、反応系のpHは前述の範囲内に保つことが好ましい。添加するアルコールとしては、反応をすばやく終了させるためメタノール、エタノール、プロパノールなどの低分子量のアルコールが好ましく、反応により生成される副産物の安全性などから、エタノールが特に好ましい。
酸化処理後の反応液は、そのまま微細化工程に供してもよいが、N−オキシル化合物等の触媒、不純物等を除去するために、反応液に含まれる酸化セルロースを回収し、洗浄液で洗浄することが好ましい。酸化セルロースの回収は、ガラスフィルターや20μm孔径のナイロンメッシュを用いたろ過等の公知の方法により実施できる。酸化セルロースの洗浄に用いる洗浄液としては蒸留水が好ましい。
得られる微細化セルロースのカルボキシ基量は、酸化セルロースに含有されるカルボキシ基量から、以下の方法にて算出した。酸化セルロースの乾燥重量換算0.1gを量りとり、1質量%で水に分散させる。そこに攪拌子ながら塩酸を加え、pH2.5となるように調整する。その後、自動滴定装置(東亜ディーケーケー(株)、AUT−701)を用いて0.1M水酸化ナトリウム水溶液を0.05ml/30秒で注入し、30秒毎の電導度とpH値を測定し、pH11まで測定を続ける。得られた電導度曲線から水酸化ナトリウムの滴定量を求め、カルボキシ基(mmol/g)の含有量を算出できる。
(微細化工程)
酸化セルロースを微細化する方法としてはまず、酸化セルロースに水性媒体を加えて懸濁させる。水性媒体としては、前述と同様のものが挙げられ、水が特に好ましい。必要に応じて、酸化セルロースや生成する微細セルロース繊維の分散性を上げるために、懸濁液のpH調整を行ってもよい。pH調整に用いられるアルカリ水溶液としては、酸化工程の説明で挙げたアルカリ水溶液と同様のものが挙げられる。
続いて懸濁液に物理的解繊処理を施して、酸化セルロースを微細化する。物理的解繊処理としては、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、ボールミル、ロールミル、カッターミル、遊星ミル、ジェットミル、アトライター、グラインダー、ジューサーミキサー、ホモミキサー、超音波ホモジナイザー、ナノジナイザー、水中対向衝突などの機械的処理が挙げられる。
このような物理的解繊処理を行うことで、懸濁液中の酸化セルロースが微細化され、繊維表面にカルボキシ基を有する微細化セルロースの分散液を得ることができる。この時の物理的解繊処理の時間や回数により、得られる微細化セルロース分散液に含まれる微細化セルロースの数平均短軸径および数平均長軸径を調整できる。
上記のようにして、カルボキシ基が導入された微細化セルロースの分散液が得られる。
このようにして導入されたカルボキシ基の対イオンは、酸化工程においてpHを調整するのに用いたアルカリ溶液、或いは微細化工程の際のpH調整に用いたアルカリ溶液により変更できる。例えば、水酸化ナトリウム水溶液を用いた場合、カルボキシ基の対イオンはナトリウムイオン(Na+)であり、カルボキシ基はCOO−Na(Na型)である。得られた分散液は、そのまま、または希釈、濃縮等を行って、防曇フィルムの製造に用いることができる。
微細化セルロース分散液に、多価金属イオンを含有する水溶液を添加して、微細化セルロースのカルボキシ基の対イオンを多価金属イオンに変換しても構わない。室温中で攪拌している微細化セルロースの分散液を攪拌しながら、多価金属イオンを含有する塩基性水溶液を添加して1時間以上攪拌することで、微細化セルロースのカルボキシ基に多価金属イオンを配位させることができる。多価金属イオンは複数のカルボキシ基と配位することができるため、架橋構造を形成する。
微細化セルロースの分散液は、必要に応じて、本開示の効果を損なわない範囲で、セルロースおよびpH調整に用いた成分以外の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、特に限定されず、用途に応じて、公知の添加剤の中から適宜選択できる。
微細化セルロースの分散に用いる分散媒は、微細化セルロースが充分に分散または溶解するものであれば、特に限定されない。環境への負荷の面から水を用いることが好ましい。微細化セルロースを用いる場合は、分散性の観点から水や親水性分散媒を用いることが好ましい。親水性分散媒については特に制限はないが、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類が好ましい。
(多価金属イオン)
多価金属イオンは、微細化セルロースの少なくとも2つ以上のカルボキシ基と配位(イオン結合)するため、架橋構造を形成し、耐水性を向上することができる。また、水垢の原因となるカルシウムイオン(Ca2+)が表面に残留した場合も、微細化セルロース層内に入り、カルボキシ基に配位することで、水垢を防ぎ、更に耐水性を向上させる。
多価金属イオンは、2価以上の金属イオンである。2価以上の金属イオンであれば、公知の多価金属イオンを用いることができる。
多価金属イオンとしては、例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン、カドミウムイオン、ニッケル(II)イオン、亜鉛イオン、銅(II)イオン、水銀(II)イオン、コバルト(II)イオン、錫(II)イオン、マンガン(II)イオン、アルミニウムイオン、鉄(III)イオン、クロム(III)イオン、錫(IV)イオン、マンガン(IV)イオンが挙げられる。特に、安全性、耐水性の観点から、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、アルミニウムイオンが好ましい。
多価金属イオンは、特に限定されないが、微細化セルロースの単位質量に対して0.01mmol/g以上2.0mmol/g以下であることが好ましい。0.01mmol/g未満であると耐水性が不十分であり、2.0mmol/gを超えると微細化セルロースと水垢の原因となる水道水に含まれるカルシウムイオン(Ca2+)が防曇層12の表面に残留して乾燥する。このことにより水垢が形成されやすくなる。
多価金属イオンは、セルロース繊維を微細化する前に加えてもよく、防曇層12をコーティングにより形成する場合は、塗液に加えてもよく、また防曇層12を形成した後に多価金属イオンを含有する水溶液を塗工する等により多価金属イオンを含有させても構わない。
(その他の架橋方法)
微細化セルロースが、電子線照射、ガンマー線照射、紫外線照射のうち少なくとも1種類以上の方法により架橋構造を形成されることが好ましい。特に電子線、ガンマー線を照射することで、耐水性を向上することができる。
一般的に、有機化合物に電子線やガンマー線を照射することで架橋構造を形成することができる。電子線やガンマー線を照射すると、原子間の結合が切断され、ラジカルが発生する。発生したラジカルにより分子の切断が起こる場合や再結合による共有結合新たに形成する。
電子線の照射方法は特に限定されず、カーテン型、スキャン型、プラズマ放電型等、公知の方法を用いることができる。ガンマー線は、コバルト60を線源に用いることができる。照射量は、特に限定されないが、いずれも10kGy以上1000kGy以下が好ましい。10kGyより少ないと分解能力が不充分であり、1000kGyより大きい場合は1000kGyと同等の分解効率しか得られず、照射エネルギーが過剰となる。
ガンマー線は、物質の透過能力が非常に高いため、照射面は特に限定されず、いずれの面から照射しても構わない。電子線に関しては、加速電圧により物質の透過能力が異なり、加速電圧が高いほど電子線の物質中での透過能力が高くなる。そのため、材料の形態によって電子線を照射する面を考慮する必要がある。加速電圧は0.1MeVから10MeVが好ましい。0.1MeVより低いと電子線透過能力が低いために電子線照射効果が材料表面近傍のみに限定されてしまう。一方、10MeVより高い加速電圧を持つ装置では設備の規模が大きくなり現実的ではない。
電子線、ガンマー線、紫外線の照射は、防曇層12を形成させる前であっても、防曇層12を形成させながらであっても、防曇層12を形成した後であっても構わない。特に、防曇層12を形成した後に照射することが好ましい。
また、微細化セルロースの少なくとも一部が架橋剤により架橋されていることが好ましい。架橋剤は、公知の架橋剤を用いることができる。特に限定されないが、微細化セルロースのヒドロキシ基やカルボキシ基を介して架橋構造を形成させることが好ましい。
ヒドロキシ基と架橋反応する架橋剤としては、例えばカルボジイミド化合物、グリオキサール、ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、ビニルスルホン化合物、および有機チタン化合物や有機ジルコニウム化合物に代表される有機金属化合物などが挙げられる。これらの架橋剤により耐水性を向上させることができる。
微細化セルロースのカルボキシ基を介して架橋する場合、カルボキシ基と反応する官能基を有する架橋剤を用いる。例えば、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、エポキシ基、β−ヒドロキシアルキルアミド基、などが挙げられる。
架橋剤の含有量は、防曇層12(100質量%)に対し、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。架橋剤の含有量が0.1質量%以上であると耐水性が向上する。10質量%以下であれば、塗工性に悪影響がない。
(添加物)
防曇層12には、必要に応じて添加剤を含有しても構わない。例えば、水溶性高分子、可塑剤、紫外線遮蔽材、赤外線遮蔽材、抗菌剤、微粒子等を含有することができる。
防曇層12は、可塑剤を含有しても構わない。可塑剤により防曇層12に可塑性が付与されることで、特に良好な延伸性が得られ、加工性および成形性が増す。
可塑剤としては、フタル酸エステル系可塑剤、芳香族カルボン酸エステル系可塑剤、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、脂肪族エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、含塩素系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、グリコール系可塑剤、糖アルコール系可塑剤等が挙げられる。
可塑剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
微細化セルロースと可塑剤の相溶性が低いと、延伸性、成型性の向上効果が得られ難く、微細化セルロースと可塑剤とが分離して、表面に可塑剤がにじみ出る現象(浸出)、汗をかいたような現象(発汗)、透明度がなくなる現象(失透)、白濁が起こることがある。微細化セルロースとの相溶性が高く、透明性が良好で、発汗性が見られない点から、グリコール系可塑剤、糖アルコール系可塑剤がより好ましい。
可塑剤の含有量は、防曇層12(100質量%)に対し、0.01質量%以上30質量%以下が好ましく、0.1質量%以上20質量%以下がより好ましい。
防曇層12は、水溶性高分子を含んでも構わない。水溶性高分子(a)は、85℃において、メタノール、エタノール、プロパノールまたはイソプロピルアルコールのいずれかを50質量%含むアルコール水溶液、および水のうち少なくとも1種を含む溶媒100質量部に対して、1質量部以上溶解する、分子量1000以上の化合物である。なお、本開示において、化合物が溶解するとは、化合物が完全に分子分散した溶解状態に加えて、化合物が膨潤、分散することにより、均一な溶解状態を示すことも含むものとする。すなわち、メタノール、エタノール、プロパノールまたはイソプロピルアルコールのいずれかを50質量%含むアルコール水溶液、および水のうち少なくとも1種を含む溶媒100質量部に対して1質量部以上分散するエマルションを含む。
水溶性高分子としては、例えば、タンパク質、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン系、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。
タンパク質としては、ゼラチン、カゼイン、コンドロイチン硫酸ナトリウム等が挙げられる。
ビニル系樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン・ビニルアセテート共重合体等が挙げられる。
アクリル系樹脂としては、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリルアミド、アクリルアミド・アクリレート共重合体等が挙げられる。
ポリエチレン系樹脂としては、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
中でも、ビニル系樹脂やポリエチレン系樹脂は、微細化セルロースとの相溶性が良好で、均一な防曇層12を形成することができるため、好ましい。水溶性高分子は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。また、環境負荷の観点から、天然由来の高分子であることが望ましい。
水溶性高分子の含有量は、防曇層12(100質量%)に対し、0.01質量%以上80質量%以下が好ましく、0.1質量%以上50質量%以下がより好ましい。
紫外線遮蔽材は、400nm以下の波長の光を吸収または反射する材料であり、紫外線遮蔽材を含有させることでフィルムの耐久性を向上させることができる。紫外線遮蔽材は、特に限定されず、公知の紫外線遮蔽材を用いることができる。例えば、酸化チタンや酸化亜鉛等の無機微粒子、共役系又は芳香族系有機化合物を用いることで紫外線を吸収または反射させることができる。
紫外線遮蔽材の防曇層12における含有量は、特に限定されないが、0.1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
防曇層12は、少なくとも赤外線遮蔽材料を含むことが好ましい。赤外線遮蔽材料は、780nm以上の波長の赤外線領域の光を吸収または反射する材料である。赤外線は熱線とも呼ばれ、あらゆる物質に吸収されやすい波長領域で、吸収された光は熱へと変わる。そのため、防曇フィルムを窓に施工する場合、赤外線遮蔽材を含むことで室内の温度上昇を抑制し、冷暖房費の削減に繋がる。
赤外線遮蔽材は、特に限定されず、公知の赤外線遮蔽材を用いることができる。例えば、赤外線領域に吸収を有する有機化合物、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、セシウム含有タングステン酸化物(CWO)等の金属酸化物や、形状やサイズの制御された金、銀、銅等の貴金属を含有するナノサイズの構造物を用いることができる。
赤外線遮蔽材の含有量は、防曇層12(100質量%)に対し、0.01質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上20質量%以下がより好ましい。赤外線遮蔽材の含有量が0.1質量%以上であると十分な省エネルギー効果が得られ、20質量%以下であれば、防曇層12の膜強度が維持される。
また防曇層12は、1種類以上の抗菌剤を含むことが好ましい。抗菌剤の種類は特に限定されないが、例えば、金、銀、銅等の金属、ゼオライト等の鉱物、ニトリル誘導体、イミダゾール誘導体、トリアジン誘導体、フェノールエーテル誘導体、ピロール誘導体等の有機系抗菌剤が挙げられる。
また防曇層12は、滑り性、耐擦傷性を制御する目的で微粒子を含有しても構わない。微粒子の種類は特に限定されないが、例えば、有機フィラー、無機フィラーを用いることができる。有機フィラーとしては、例えば、プラスチックの粉末や微粒子を用いることができる。プラスチックとしては、アクリル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、メラミン等が挙げられる。無機フィラーとしては、カーボン、シリカ、ガラスビーズ、ガラス粉、珪酸アルミニウム、クレー、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、窒化硼素、マイカ等の微粒子等が挙げられる。
また防曇層12の膜厚は特に限定されないが、0.001μm以上1000μm以下の範囲であることが好ましい。0.001μm未満であると、均一な膜を形成するのが難しい。膜厚が1000μmを超えると乾燥に時間がかかり、また基材11と防曇層12の密着性が悪化することがある。
<基材>
防曇フィルム1の基材11は、プラスチック材料であることが好ましい。プラスチック材料は、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等。)、ポリエステル(ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等。)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66等。)、ポリスチレン、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、アクリルセルロース(トリアセチリルセルロース、ジアセチルセルロース等。)等が挙げられる。
基材11の膜厚は、5μm以上1000μm以下が好ましく、10μm以上500μm以下であることが更に好ましい。
基材11における防曇層12を設ける側の面には、表面処理を施し、必要に応じて表面処理層を設けても構わない。表面処理を行うことで、基材11へのコーティングが行いやすく、また基材11と防曇層12との密着性を向上できる。表面処理としては、例えば、
コロナ処理、プラズマ処理等が挙げられる。
基材11と防曇層12との密着性を向上する目的で、両者の間に接着層を設けても構わない。接着層の形成に用いる接着成分としては、例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂等の接着樹脂が挙げられる。なかでも、接着樹脂としては、密着性が良好な点から、ポリビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル樹脂を用いることが好ましい。
接着層の膜厚は、特に限定されず、0.001μm以上10μm以下であることが好ましい。接着層の膜厚がこの範囲であると、基材11と防曇層12との密着性が良好になる。
<粘着層>
基材11の一方の面に形成された防曇層12とは反対側の面に粘着層13を設けることが好ましい。粘着層13を設けることにより、建物や車の窓等に貼り付けることができる。粘着層13に用いる材料は特に限定するものではなく、公知の樹脂等を用いることができる。例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらの1種類または複数種類を混合して使用することができる。
粘着層13の厚みは、特に限定されないが0.05μm以上20μm以下であることが好ましい。この範囲であると、粘着層13の粘着性が良好となる。
防曇フィルム1の構成は、特に限定されるものではなく、例えば、防曇層12は、単層でなくてもよく、複層の層を設けても良い。
<防曇フィルムの製造方法>
防曇フィルム1の製造方法は特に限定されないが、例えば次のように製造することができる。
1.基材11の片面に表面処理層を形成する工程
2.表面処理層上に接着層を形成する工程
3.接着層上に防曇層12を形成する工程
4.防曇層12に多価金属イオンを含有させる工程
5.粘着層13を形成する工程
(表面処理層を形成する工程)
基材11の片面に表面処理を施し表面処理層を形成する場合、表面処理の方法は限定されず、公知の方法を用いることができる。表面処理の方法としては、例えばコロナ処理、プラズマ処理等が挙げられる。特に、大気中にてインラインで処理可能なコロナ処理を用いると生産性が良好である。
(表面処理層上に接着層を形成する工程)
基材11と防曇層12の間に接着層を設ける場合の接着層の形成方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、樹脂エマルション等をコーティングすることで接着層を形成させても構わない。コーティングの方法は、常温乾燥コーティング、加熱硬化コーティング、電着コーティング等の公知の方法を用いることができる。コーティングを行う際のコーティング液の溶媒は、特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類を用いることが好ましい。
接着層を形成させる際のコーティング液の固形分濃度は、0.5質量%以上50質量%
以下であることが好ましく、より好ましくは1質量%以上20質量%以下である。前記固形分濃度が下限値以上であれば、塗工後の乾燥が容易になる。前記固形分濃度が上限値以下であれば、塗工性がより良好になる。
(接着層上に防曇層12を形成する工程)
防曇層12の形成方法は限定されず、公知の方法により防曇層12を形成することができる。例えば、コーティングにより防曇層12を形成することができる。コーティングの方法は、常温乾燥コーティング、加熱硬化コーティング、電着コーティング等の公知の方法を用いることができる。
防曇層12の形成を行う際の塗液の溶媒は、特に限定するものではないが、分散性の観点から水や親水性溶媒を用いることが好ましい。親水性溶媒については特に制限は無いが、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類が好ましい。中でも、水、エタノールが好ましい。
防曇層12を形成させる際のコーティング液の固形分濃度は、0.01質量%以上50質量%が好ましく、より好ましくは0.2質量%以上20質量%以下である。前記固形分濃度が下限値未満であると、十分な防曇効果を得られず、また耐水性、耐擦傷性が低くなる。前記固形分濃度が上限値を超えると塗液の粘度が高く、塗工性が良好でなくなる。
(防曇層に多価金属イオンを含有させる工程)
防曇層12に多価金属イオンを含有させる方法は、特に限定されるものではないが、微細化セルロースの製造工程及び微細化セルロース製造工程の後にて含有させてもよく、防曇層形成工程にて含有させてもよく、防曇層12を形成後に含有させてもよい。
例えば、微細化セルロースを製造する工程で多価金属イオンを含有させる場合、酸化工程で得られた酸化パルプの分散液に多価金属塩を含有する水溶液を添加し、攪拌することで、多価金属イオンを含有させることができる。微細化セルロースを製造した後で多価金属イオンを含有させる場合、多価金属塩を含有する水溶液を添加することができる。防曇層12を形成した後に多価金属イオンを含有させる場合は、防曇層12を形成後、多価金属塩を含有する水溶液を塗布することで、多価金属塩を含浸させてもよい。
多価金属塩は、多価金属イオンと、水酸化物イオン炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン等のイオン性物質が結合した化合物であり、公知の多価金属塩を添加することができる。例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。
(粘着層13を形成する工程)
粘着層13を形成する方法は、特に限定しないが、公知のコーティング手法により粘着層13を形成できる。例えば、表面に剥離層を有する支持体に粘着層13をコーティングし、基材11の防曇層12が形成された面とは反対側の面に貼り合わせることができる。貼りあわせの方法は、ドライラミネート、熱ラミネート等公知の方法を用いることができる。
以下に、実施例を示して、本発明の防曇フィルムを更に具体的に説明する。
<実施例1−1>
(木材セルロースのTEMPO酸化)
針葉樹クラフトパルプ70gを蒸留水3500gに懸濁し、蒸留水350gにTEMPOを0.7g、臭化ナトリウムを7g溶解させた溶液を加え、20℃まで冷却した。ここに2mol/L、密度1.15g/mLの次亜塩素酸ナトリウム水溶液450gを滴下により添加し、酸化反応を開始した。系内の温度は常に20℃に保ち、反応中のpHの低下
は0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加することでpH10に保ち続けた。セルロースの質量に対して、水酸化ナトリウムが3.00mmol/gになった時点で、過剰量のエタノールを添加し反応を停止させた。その後、ガラスフィルターを用いて蒸留水によるろ過洗浄を繰り返し、酸化パルプを得た。
(酸化パルプのカルボキシ基量測定)
上記TEMPO酸化で得た酸化パルプを固形分重量で0.1g量りとり、1%濃度で水に分散させ、塩酸を加えてpHを2.5とした。その後0.5M水酸化ナトリウム水溶液を用いた電導度滴定法により、カルボキシ基量(mmol/g)を求めた。結果は1.61mmol/gであった。
(結晶化度の算出)
TEMPO酸化パルプの結晶化度を算出した。測定には試料水平型多目的X線回折装置(UltimaIII、Rigaku)を用い、X線出力:(40kv、40mA)の条件で、5°≦2θ≦35°の範囲でX線回折パターンを測定した。本発明において得られるX線回折パターンは全てセルロースI型結晶構造に由来するものであるため、以下に示す手法によって結晶化度を算出した。
結晶化度(%)=〔(I22.6−I18.5)/I22.6〕×100
ただし、I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、及びI18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す。
(酸化パルプの解繊処理)
TEMPO酸化で得た酸化パルプ1gを99gの蒸留水に分散させ、ジューサーミキサーで30分間微細化処理し、微細化セルロース濃度が1質量%の微細化セルロース水分散液を得た。微細化セルロース水分散液に含まれる微細化セルロースの数平均短軸径は4nmであった。
(多価金属塩の添加)
1質量%の微細化セルロース分散液に、塩化カルシウム水溶液を添加して1時間攪拌した。
(微細化セルロースの数平均長軸径の算出)
原子間力顕微鏡を用いて微細化セルロースの数平均短軸長を算出した。まず微細化セルロースの分散液を0.001%となるように希釈したのち、マイカ板上に20μLずつキャストして風乾した。乾燥後に原子間力顕微鏡(AFM5400L、日立ハイテク社製)を用い、DFMモードで微細化セルロースの形状を観察した。微細化セルロースの数平均短軸径は、原子間力顕微鏡による観察画像から100本の繊維の長軸径(最大径)を測定し、その平均値として求めた。
(微細化セルロース分散液の光線透過率の測定)
微細化セルロース分散液の固形分濃度1%の分散体において、光路長1cmの石英セルにて、分散媒をリファレンスとして、波長が660nmの光透過率を分光光度計(日本分光、NRS−1000)にて測定した。
(防曇フィルムの作製)
PET基材の片面にコロナ処理を施し、微細化セルロースと多価金属イオンを含む分散液を、塗工液として(固形分濃度1質量%)、バーコーターに塗工し、120℃にて乾燥して防曇層(厚さ1.3μm)を形成した。
<実施例1−2>
実施例1−1の多価金属塩の添加において、微細化セルロース分散液に、塩化カルシウム水溶液の代わりに塩化マグネシウムを添加した以外は実施例1−1と同様に防曇フィルムを作製した。
<実施例1−3>
実施例1−1の多価金属塩の添加において、微細化セルロース分散液に、塩化カルシウム水溶液の添加をせずに、防曇フィルムを製造し、その後、防曇層の上に水酸化カルシウムの水溶液を塗工して含浸させ、その後120℃で乾燥させた以外は実施例1と同様に防曇フィルムを作製した。
<実施例1−4>
実施例1−1において、微細化セルロース分散液を蒸留水に分散させ(固形分濃度2質量%)、架橋剤Aとしてビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体(商品名「ガントレッツAN−119」、アイエスピージャパン製)を微細化セルロースの固形分濃度に対して5質量%を加えて攪拌して塗工液を作製した以外は実施例1と同様に防曇フィルムを作製した。
<実施例1−5>
実施例1−1において、微細化セルロース分散液中に分散させて固形分濃度2質量%の微細化セルロース水分散液を調製した。続いて、固形分濃度2質量%の微細化セルロース水分散液に対し、同量の固形分濃度2質量%のポリビニルアルコール(商品名「PVA124」、クラレ社製)を加えて攪拌し、塗液を作製した以外は実施例1と同様に防曇フィルムを作製した。
<実施例2>
実施例1−1の木材セルロースのTEMPO酸化において、TEMPO酸化の反応温度が30℃であること以外は、実施例1と同様に微細化セルロースを製造し、防曇フィルムを製造した。尚、酸化パルプのカルボキシ基量は1.57mmol/gであり、長軸径は564nmであった。
<実施例3>
実施例1において、TEMPO酸化の反応温度が40℃であること以外は、実施例1と同様に微細化セルロースを製造し、防曇フィルムを製造した。尚、酸化パルプのカルボキシ基量は1.55mmol/gであり、長軸径は302nmであった。
<比較例1>
実施例1−1の木材セルロースのTEMPO酸化において、水酸化カルシウム水溶液を添加しなかった以外は実施例1と同様に防曇フィルムを作製した。
<比較例2>
実施例1−1において、微細化セルロース分散液の代わりに、固形分濃度2質量%の水溶性高分子Aとしてポリビニルアルコール(商品名「PVA124」、クラレ製)を、塗液としてフィルムを作製した以外は実施例1−1と同様に防曇フィルムを作製した。
<比較例3>
実施例1−1において、微細化セルロース分散液の代わりに、固形分濃度2質量%の水溶性高分子Bとしてカルボキシメチルセルロース(商品名「CMC1180」、ダイセルファインケム製)を、塗液としてフィルムを作製した以外は実施例1と同様に防曇フィルムを作製した。
以上のようにして作製した防曇フィルムについて、下記の評価を行った。
<防曇性の評価>
50℃の温水を入れた恒温槽の上部に、作製した防曇フィルムを防曇層が内側になるように覆い、防曇フィルムが曇り始めるまでの時間を測定した。
以下の評価基準により評価を行った。
○:2分以上目視で恒温槽内を観察できた。
△:30秒以上2分以内に目視で恒温槽内を観察できなくなった。
×:30秒以内に目視で恒温槽内を観察できなくなった。
<耐水性の評価>
40℃の温水の入った恒温槽に、作製した防曇フィルムを浸漬し、1日置いた。1日経過後、フィルムを室温環境で乾燥させた。その後、50℃の温水を入れた恒温槽の上部に、作製したフィルムを防曇層が内側になるように覆い、防曇フィルムが曇り始めるまでの時間を測定した。
以下の評価基準により評価を行った。
○:1分以上目視で恒温槽内を観察できた。
△:10秒以上1分以内に目視で恒温槽内を観察できなくなった。
×:10秒以内に目視で恒温槽内を観察できなくなった。
<耐水垢性の評価>
50℃の温水の入った恒温槽の上部に、作製した防曇フィルムを防曇層が内側になるように覆った状態で5分間置いた後、室温環境で1時間静置し、フィルム乾燥させた。このサイクルを5回実施後、ヘイズメーターにてヘイズを測定した。水痕は目視で白濁して見えるため、試験前後のヘイズ差を測定することにより水垢による水痕の指標とできる。
以下の評価基準により評価を行った。
○:防曇試験前後のヘイズ差が0.5%未満であった。
△:防曇試験前後のヘイズ差が0.5%以上1.0%未満であった。
×:防曇試験前後のヘイズ差が1.0%以上であった。
表1に、実施例1−1で作製した微細化セルロースを微細化セルロース1、実施例2で作製した微細化セルロースを微細化セルロース2、実施例3で作製した微細化セルロースを微細化セルロース3、としてそれぞれの酸化温度、カルボキシ基量、結晶化度、数平均長軸径および透過率をまとめて示した。
表2に評価結果をしめした。表2が示すように、実施例1−1から実施例1−3、実施例2、実施例3において製造した防曇フィルムは、防曇性、耐水性、耐水垢性の全てが良好であった。一方、比較例1から比較例3では、防曇性、耐水性、耐水垢性のいずれかが良好でなかった。
Figure 2017124529
Figure 2017124529
本発明によれば、低コストで、安全性が高く、環境調和型材料を用い、長期に渡り安定した防曇効果を有し、防汚性、耐湿性、耐水性に優れ、熱による寸法変化の少ない防曇用組成物及び、防曇用材を提供することができる。これらにより、建築物の窓や水周りの鏡、車窓、包装材料等において曇りを防止し、視認性を向上することができる。
1 防曇フィルム
11 基材
12 防曇層
13 粘着層

Claims (13)

  1. 透明な基材の少なくとも一方の面に防曇層を備えた防曇フィルムにおいて、
    前記防曇層は、1種類以上の微細化セルロースと、1種類以上の多価金属イオンと、を含有しており、
    前記微細化セルロースの、数平均短軸径は1nm以上500nm以下であり、前記微細化セルロースの数平均長軸径は0.05μm以上50μm以下であり、前記微細化セルロースのグルコピラノース単位のヒドロキシ基の少なくとも一部がカルボキシ基に変換されている、ことを特徴とする防曇フィルム。
  2. 前記多価金属イオンが、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄のうち少なくとも1種類以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の防曇フィルム。
  3. 前記微細化セルロースの有するカルボキシ基量が、0.1mmol/g以上3.0mmol/g以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の防曇フィルム。
  4. 前記微細化セルロースの少なくとも一部のグルコピラノースのC6位のOH基が選択的に酸化されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の防曇フィルム。
  5. 前記微細化セルロースの少なくとも一部が架橋構造を形成していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の防曇フィルム。
  6. 前記架橋構造が、カルボジイミド化合物、グリオキサール、ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、ビニルスルホン化合物、および有機チタン化合物や有機ジルコニウム化合物のうち1種類以上を含む架橋剤により形成されたことを特徴とする請求項5に記載の防曇フィルム。
  7. 前記防曇層が、少なくとも抗菌剤を含んでいることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の防曇フィルム。
  8. 前記抗菌剤が少なくとも1種類以上の金属を含むことを特徴とする請求項7に記載の防曇フィルム。
  9. 前記防曇層が、少なくとも赤外線遮蔽材料を含むことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の防曇フィルム。
  10. 前記赤外線遮蔽材料が、金属、金属酸化物のうち1種類以上を含むことを特徴とする請求項9に記載の防曇フィルム。
  11. 前記透明な基材がプラスチック基材であり、その片面に前記防曇層が形成されており、もう一方の面には粘着層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の防曇フィルム。
  12. 前記防曇フィルムにおいて、前記粘着層の透明な基材とは反対側の面に剥離層を設けたことを特徴とする請求項11に記載の防曇フィルム。
  13. 1種類以上の微細化セルロースとを含有しており、
    前記微細化セルロースの数平均短軸径は1nm以上500nm以下であり、
    前記微細化セルロースの数平均長軸径は0.05μm以上50μm以下であり、
    前記微細化セルロースのグルコピラノース単位のヒドロキシ基の少なくとも一部がカルボキシ基に変換されており、
    前記微細化セルロースの結晶化度が70%以上であり、
    前記微細化セルロースの固形分濃度が1%の分散体において、光路長1cm、波長が660nmの光線透過率が分散媒をリファレンスとして80%以上であることを特徴とする防曇用組成物。
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