JP2017124502A - 化粧シート - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明においては、有機系紫外線吸収剤を内包したベシクルを含有したトップコート層および透明樹脂層を具備し、意匠性および耐候性に優れた化粧シートを提供することを目的とする。【解決手段】最表層のトップコート層2を備え、前記トップコート層2の下面に透明樹脂層3を備える化粧シート1であって、前記トップコート層2および前記透明樹脂層3は、有機系紫外線吸収剤を含有しており、前記有機系紫外線吸収剤が、外膜で包含された有機系紫外線吸収剤ベシクルであることを特徴とする化粧シート。【選択図】 図1

Description

本発明は、建築内装材、玄関ドアなどの建築外装部材、建具の表面、家電品の表面材等に用いられる化粧シートに関するもので、ベシクル化した有機系紫外線吸収剤を含有するトップコート層および透明樹脂層を備える化粧シートに関する。
近年、塩化ビニル製化粧シートに替わる化粧シートとして、オレフィン系樹脂を使用した化粧シートが多く提案されている。また、一般的に化粧シートとして用いられるオレフィン系樹脂からなる軟質ポリオレフィンシートの耐傷性を向上させるために高結晶性かつアイソタクチシティの高い樹脂を用いると耐候性に劣るという問題点を有していた。
そこで、特許文献1においては、ポリオレフィンシートの表面に有機系紫外線吸収剤であるトリアジン系紫外線吸収剤を含む樹脂からなるトップコート層を設けることが開示されている。
特許第4032829号公報
しかしながら、十分な耐候性が得られる量の有機系紫外線吸収剤を含有させると、トップコート層などの樹脂層を構成する樹脂組成物中において当該有機系紫外線吸収剤の凝集が生じるが、特に、トップコート層および透明樹脂層からなる透明層のように透明性が要求される樹脂層において当該凝集が生じると、化粧シートの意匠性が損なわれるという問題点を有していた。
また、樹脂組成物中において有機系紫外線吸収剤の凝集が生じると、樹脂層の表面から凝集した有機系紫外線吸収剤が浮き出してくるブリードアウトが発生しやすくなり、ブリードアウトの発生に伴って、トップコート層においてはシート表面のベタつき、透明樹脂層においては他の樹脂層との密着性が低下するなどの問題が発生する。
この他にも、化粧シートの意匠性を向上させるためにエンボス模様を形成すると、エンボス模様の凹部の部分が他の部分と比較して層厚が薄くなるために耐候性が特に低くなり、当該凹部から劣化が始まって白化や破断が生じるという問題点があった。
本発明においては、有機系紫外線吸収剤を内包したベシクルを含有したトップコート層および透明樹脂層を具備し、意匠性および耐候性に優れた化粧シートを提供することを目的とする。
本発明者等は鋭意検討の結果、有機系紫外線吸収剤をベシクルに内包した状態で含有させることにより、樹脂材料中への有機系紫外線吸収剤の分散性を飛躍的に向上させることに成功し、これによって化粧シートに必要な透明性を達成できることを見出した。
上記課題を達成するべく、本発明の第1の態様の化粧シートは、最表層にトップコート層を備え、前記トップコート層の下面に透明樹脂層を備える化粧シートであって、前記トップコート層および前記透明樹脂層は、有機系紫外線吸収剤を含有しており、前記有機系紫外線吸収剤が、外膜で包含された有機系紫外線吸収剤ベシクルであることを特徴とする。
本発明の第2の態様の化粧シートは、前記外膜が、単層膜であることを特徴とする。
本発明の第3の態様の化粧シートは、前記有機系紫外線吸収剤ベシクルが、リン脂質からなる外膜を備える有機系紫外線吸収剤リポソームであることを特徴とする。
本発明の第4の態様の化粧シートは、前記有機系紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系のうち少なくとも1種類からなることを特徴とする。
本発明の第5の態様の化粧シートは、前記透明樹脂層にはエンボス模様が形成されており、少なくとも前記エンボス模様の凹部に前記トップコート層が埋め込まれて設けられていることを特徴とする。
本発明の第6の態様の化粧シートは、前記透明樹脂層の下層には、光安定化剤を含有するインキ層が設けられていることを特徴とする。
本発明の化粧シートによれば、前記有機系紫外線吸収剤ベシクルを含有するトップコート層および透明樹脂層を具備することにより、優れた意匠性を備えているとともに、長期間に亘る耐候性を実現した化粧シートを提供することを可能とする。
本発明の化粧シートの実施形態を示す断面図
本発明の化粧シートは、最表層にトップコート層を備え、当該トップコート層の下面に透明樹脂層を備える化粧シートであって、当該トップコート層および透明樹脂層は有機系紫外線吸収剤を含有しており、特に、当該有機系紫外線吸収剤が外膜で包含された有機系紫外線吸収剤ベシクルであることが重要である。
このような、有機系紫外線吸収剤ベシクルは、球殻状に閉じた膜構造を有する小胞状のカプセル内に有機系紫外線吸収剤が内包された構造を有しているものである。この有機系紫外線吸収剤ベシクルは、互いの外膜同士が反発し合う作用によって粒子が凝集することがなく、極めて高い分散性を有している。この作用によって、トップコート層および透明樹脂層を構成する樹脂組成物中に対して有機系紫外線吸収剤を均一に分散させることを可能とするものである。
有機系紫外線吸収剤ベシクルを得る手法(ベシクル化処理方法)としては、例えば、Bangham法、エクストルージョン法、水和法、逆相蒸発法、凍結融解法、超臨界逆相蒸発法などが挙げられる。このようなベシクル化処理方法について簡単に説明すると、Bangham法は、フラスコなどの容器にクロロホルムまたはクロロホルム/メタノール混合溶媒を入れ、さらにリン脂質を入れて溶解する。その後、エバポレータを用いて溶媒を除去して脂質からなる薄膜を形成し、添加剤の分散液を加えた後、ボルテックスミキサーで水和・分散させることによりベシクルを得る方法である。エクストルージョン法は、薄膜のリン脂質溶液を調液し、Bangham法において外部摂動として用いたミキサーに代わってフィルターを通過させることによりベシクルを得る方法である。水和法は、Bangham法とほぼ同じ調製方法であるが、ミキサーを用いずに、穏やかに攪拌して分散させてベシクルを得る方法である。逆相蒸発法は、リン脂質をジエチルエーテルやクロロホルムに溶解し、添加剤を含んだ溶液を加えてW/Oエマルジョンを作り、当該エマルジョンから減圧下において有機溶媒を除去した後、水を添加することによりベシクルを得る方法である。凍結融解法は、外部摂動として冷却・加熱を用いる方法であり、この冷却・加熱を繰り返すことによってベシクルを得る方法である。
特に、単層膜からなる外膜を具備する有機系紫外線吸収剤ベシクルを得る方法として、超臨界逆相蒸発法が挙げられる。超臨界逆相蒸発法とは、本発明者等が提案している特表2002/032564号公報、特開2003−119120号公報、特開2005−298407号公報および特開2008−063274号公報(以下、「超臨界逆相蒸発法公報類」と称する)に開示されているものであり、当該超臨界逆相蒸発法公報類に記載の方法および装置を用いて行うことができる。具体的には、超臨界逆相蒸発法とは、超臨界状態または臨界点以上の温度条件下もしくは圧力条件下の二酸化炭素にベシクルの外膜を形成する物質を均一に溶解させた混合物中に、水溶性または親水性の封入物質としての有機系紫外線吸収剤を含む水相を加えて、一層の膜で封入物質としての有機系紫外線吸収剤を包含したカプセル状のベシクルを形成する方法である。特に、前記外膜がリン脂質のような生体脂質を含む物質から構成される有機系紫外線吸収剤ベシクルを有機系紫外線吸収剤リポソームと称する。なお、超臨界状態の二酸化炭素とは、臨界温度(30.98℃)および臨界圧力(7.3773±0.0030MPa)以上の超臨界状態にある二酸化炭素を意味し、臨界点以上の温度条件下もしくは圧力条件下の二酸化炭素とは、臨界温度だけ、あるいは臨界圧力だけが臨界条件を超えた二酸化炭素を意味するものである。この方法により、有機系紫外線吸収剤を内包する直径50〜800nmの単層ラメラベシクルを得ることができる。
リン脂質としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、カルジオピン、黄卵レシチン、水添黄卵レシチン、大豆レシチン、水添大豆レシチン等のグリセロリン脂質、スフィンゴミエリン、セラミドホスホリルエタノールアミン、セラミドホスホリルグリセロール等のスフィンゴリン脂質が挙げられる。
ベシクルの外膜となるその他の物質としては、ノニオン系界面活性剤や、これとコレステロール類もしくはトリアシルグリセロールの混合物などの分散剤が挙げられる。このうちノニオン系界面活性剤としては、ポリグリセリンエーテル、ジアルキルグリセリン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー、ポリブタジエン−ポリオキシエチレン共重合体、ポリブタジエン−ポリ2−ビニルピリジン、ポリスチレン−ポリアクリル酸共重合体、ポリエチレンオキシド−ポリエチルエチレン共重合体、ポリオキシエチレン−ポリカプロラクタム共重合体等の1種または2種以上を使用することができる。コレステロール類としては、コレステロール、α−コレスタノール、β−コレスタノール、コレスタン、デスモステロール(5,24−コレスタジエン−3β−オール)、コール酸ナトリウムまたはコレカルシフェロール等を使用することができる。
また、リポソームの外膜は、リン脂質と分散剤との混合物から形成するようにしてもよい。本発明の化粧シートにおいては、有機系紫外線吸収剤ベシクルを、リン脂質からなる外膜を具備した有機系紫外線吸収剤リポソームとすることが好ましく、外膜をリン脂質から構成することによって、トップコート層および透明樹脂層の主成分である樹脂材料とベシクルとの相溶性を良好なものとすることができる。
有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系のうち少なくとも1種類から選択して用いることができるが、特に、ベンゾトリアゾール系またはトリアジン系の紫外線吸収剤の少なくとも一方から選択して用いることが好ましい。このような、有機系紫外線吸収剤ベシクルをトップコート層へ添加する場合、トップコート層形成樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部添加することが好ましい。より好ましくは、0.5〜10重量部である。有機系紫外線吸収剤ベシクルの添加量が0.1重量部よりも少ないと紫外線吸収能の効果が低く、20重量部よりも多いとブリードアウトが生じる可能性が高くなる。また、このような有機系紫外線吸収剤ベシクルを透明樹脂層へ添加する場合、透明樹脂層の主成分であるオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部添加することが好ましい。より好ましくは、0.2〜5重量部である。有機系紫外線吸収剤ベシクルの添加量が0.1重量部よりも少ないと紫外線吸収能の効果が低く、10重量部よりも多いとブリードアウトが生じる可能性が高くなる。
ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’.5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノールなどが挙げられる。トリアジン系の紫外線吸収剤としては、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2'−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)などが挙げられる。ベンゾエート系の紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。シアノアクリレート系の紫外線吸収剤としては、エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレートなどが挙げられる。
本発明の化粧シートにおいては、透明樹脂層にエンボス模様が形成されており、少なくとも当該エンボス模様の凹部にトップコート層が埋め込まれて設けられていることが重要であり、トップコート層を透明樹脂層の表面に設ける際に、ワイピングによって凹部にトップコート層を埋め込むように形成することが好ましい。
また、透明樹脂層の下層には、少なくとも光安定化剤を含有するインキ層が設けられていることが重要である。光安定化剤としては、ヒンダードアミン系の材料を用いることが好ましい。インキ層に対して光安定化剤を含有させることにより、インキ層を形成するバインダー樹脂自体や他層の樹脂劣化により発生したラジカルがインキ内の顔料の化学成分を還元することによる顔料の退色を抑制し、長期間に亘って色鮮やかな絵柄を保持することができる。
以下に、本発明の化粧シートの具体的な実施形態を図1を用いて説明する。
本発明の化粧シートの実施形態においては、図1に示すように、インキ層5が施された原反層6としての原反樹脂シートに接着剤層4が形成されたものと、有機系紫外線吸収剤ベシクルを含有する透明樹脂層3に接着性樹脂層3bを共押ししたものとをドライラミネートまたは押出ラミネートなどで貼り合わせることによって得られる。本発明においては、図1に示すように、トップコート層2は、透明樹脂層3に形成されたエンボス模様3aの凹部に対して、有機系紫外線吸収剤ベシクルを含有する樹脂組成物を塗布し、塗液をスキージなどで掻き取ることで凹部のみに当該樹脂組成物を埋め込むワイピングによって埋め込まれて設けられている。各層の詳細を以下に説明する。
化粧シート1の最表面には、表面の保護や艶の調整としての役割を果たすトップコート層2が設けられており、主成分の樹脂材料としては、ポリウレタン系、アクリルシリコン系、フッ素系、エポキシ系、ビニル系、ポリエステル系、メラミン系、アミノアルキッド系、尿素系などの樹脂材料から適宜選択して用いることができる。樹脂材料の形態は、水性、エマルジョン、溶剤系など特に限定されるものではない。硬化法についても1液タイプ、2液タイプ、紫外線硬化法など適宜選択して行うことができる。本実施形態においては、前記樹脂材料100重量部に対して、有機系紫外線吸収剤ベシクルが0.1〜20重量部の割合で含有されている。特に、本実施形態においては、当該有機系紫外線吸収剤ベシクルとして、超臨界逆相蒸発法により得たリン脂質からなる外膜を具備する有機系紫外線吸収剤リポソームを用いることが好ましい。
そして、本実施形態においては、透明樹脂層3のエンボス模様3aの凹部のみにトップコート層2を設ける構成としているが、少なくともエンボス模様3aの凹部に埋め込まれて設けられていればよく、エンボス模様3aを形成することにより層厚が薄くなっている凹部においても高い耐候性を維持することができる。なお、トップコート層2は、透明樹脂層3の全面を覆うように設けてもよく、全面を覆うようにトップコート層2を設けることでより優れた耐候性を備えた化粧シート1を提供することができる。
トップコート層2の主成分として用いる樹脂材料としては、イソシアネートを用いたウレタン系のものが作業性、価格、樹脂自体の凝集力などの観点から好適である。イソシアネートには、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(HXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアンート(TMDI)などの誘導体であるアダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体などの硬化剤より適宜選定して用いることができるが、耐候性を考慮すると、直鎖状の分子構造を有するヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)もしくはイソホロンジイソシアメート(IPDI)をベースとする硬化剤が好適である。この他にも、表面硬度の向上を図る場合には、紫外線や電子線などの活性エネルギー線で硬化する樹脂を用いることが好ましい。なお、これらの樹脂は相互に組み合わせて用いることが可能であり、例えば、熱硬化型と光硬化型とのハイブリッド型とすることにより、表面硬度の向上、硬化収縮の抑制および密着性の向上を図ることができる。
トップコート層2の下面には、透明樹脂層3が設けられている。当該透明樹脂層3の主成分として用いる樹脂材料はオレフィン系樹脂からなることが好適であり、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテンなどの他に、αオレフィン(例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンなど)を単独重合あるいは2種類以上を共重合させたものや、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、エチレン・エチルメタクリレート共重合体、エチレン・ブチルメタクリレート共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ブチルアクリレート共重合体などのように、エチレンまたはαオレフィンとそれ以外のモノマーとを共重合させたものが挙げられる。また、化粧シート1の表面強度の向上を図る場合には、高結晶性のポリプロピレンを用いることが好ましい。
本実施形態においては、透明樹脂層3は、前記樹脂材料を主成分とし、超臨界逆相蒸発法により得た有機系紫外線吸収剤ベシクルを含有する樹脂組成物から構成されている。有機系紫外線吸収剤ベシクルは、透明樹脂層3の主成分である樹脂材料100重量部に対して0.1〜10重量部の割合で含有されていることが好ましい。特に、本実施形態においては、有機系紫外線吸収剤ベシクルとして、超臨界逆相蒸発法により得たリン脂質からなる外膜を具備する有機系紫外線吸収剤リポソームを用いている。
なお、透明樹脂層3を構成する樹脂組成物には、必要に応じて熱安定化剤、光安定化剤、ブロッキング防止剤、触媒捕捉剤、着色剤、光散乱剤および艶調整剤などの各種機能性添加剤を含有させてもよい。これらの各種機能性添加剤は、周知のものから適宜選択して用いることができる。
また、透明樹脂層3の表面には、意匠性を向上させるためにエンボス模様3aが形成されている。エンボス模様3aは、トップコート層2を形成する前に、凹凸模様を有するエンボス版を用いて熱および圧力を付与することによってエンボス模様3aを形成する方法や、押出機を用いて製膜する際に凹凸模様を有する冷却ロールを用いてシートの冷却と同時にエンボス模様3aを形成する方法などによって形成することができる。また、エンボス模様3aの凹部にインキなどを埋め込んでさらに意匠性を向上させることもできる。
透明樹脂層3に対して非極性のポリプロピレンを用いた場合、当該透明樹脂層3と下面に配置される樹脂層との密着性が低い場合には、接着性樹脂層3bを設けることが好ましい。接着性樹脂層3bとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル系などの樹脂に酸変性を施したものが好ましく、層厚は接着性や耐熱性の観点から2μm以上20μm以下が望ましい。また、当該接着性樹脂層3bは、接着強度向上の観点から、透明樹脂層3と共押出ラミネート法によって形成されることが好ましい。
透明樹脂層3の下面側には、図1に示すように、さらに下面側のインキ層5と透明樹脂層3との密着性を向上させるための接着剤層4が設けられている。接着剤層4の材質は特に限定されるものではないが、アクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系などから適宜選択して用いることができる。塗工方法は接着剤の粘度などに応じて適宜選択することができるが、一般的には、グラビアコートが用いられ、インキ層5が施された原反層6側にグラビアコートによって塗布された後、透明樹脂層3あるいは接着性樹脂層3bとラミネートするようにされている。なお、接着剤層4は、透明樹脂層3とインキ層5との接着強度が十分に得られる場合には、省略することができる。
接着剤層4の下面側には、インキ層5が設けられている。インキ層5は、少なくとも光安定化剤を含有するインキからなる絵柄模様層5aを備えている。また、絵柄模様層5aの下面側にベタインキ層5bを設けることにより、隠蔽性をもたせることができる。インキには、バインダーとしての硝化綿、セルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル系などの単独もしくは各変性物から適宜選択して用いることができる。当該バインダーは、水性、溶剤系、エマルジョン系など特に限定されるものではなく、硬化方法についても、1液タイプでも硬化剤を使用した2液タイプでもよい。さらに、紫外線や電子線などの活性エネルギー線照射によりインキを硬化させる方法を用いてもよい。特に、一般的な方法は、ウレタン系のインキを用いるもので、イソシアネートによって硬化させる方法である。これらのバインダー以外には、通常のインキに含まれている顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、各種添加剤などが含まれている。汎用性の高い顔料としては、縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母などのパール類が挙げられる。
ベタインキ層5bにおいては、基本的には絵柄模様層5aに用いるインキと同じ材料を用いることができるが、当該インキが透明な材料の場合には、不透明な顔料、酸化チタン、酸化鉄などを用いることができる。この他にも、金、銀、銅、アルミなどの金属を添加することで隠蔽性をもたせることも可能である。一般的には、フレーク状のアルミが用いられる。
これらのインキ層5は、原反層6に対して直接、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、静電印刷、インクジェット印刷などにより形成することができる。また、金属によって隠蔽性を付与する場合には、コンマコーター、ナイフコーター、リップコーター、金属蒸着あるいはスパッタ法などを用いることが好ましい。
なお、樹脂材料やインキが積層される界面に対しては、その接着性を考慮して、当該樹脂材料やインキを施す前に、積層される表面にコロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理、電子線処理、紫外線処理、重クロム酸処理などの表面処理を施すことにより表面を活性化した後に積層工程を経ると層同士の接着性を向上させることができる。
インキ層5の下面側には、原反層6が設けられている。原反層6は、薄葉紙、チタン紙、樹脂含浸紙などの紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、アクリルなどの合成樹脂、あるいはこれら合成樹脂の発泡体、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合ゴム、ポリウレタンなどのゴム、有機もしくは無機系の不織布、合成紙、アルミニウム、鉄、金、銀などの金属箔などから任意に選択することができる。
また、原反層6としてオレフィン系の樹脂を用いる場合には、表面が不活性な状態とされていることが多いので、原反層6と化粧シート1を貼り付ける基材との間にプライマー層を設けることが好ましい。この他にも、オレフィン系樹脂からなる原反層6と前記基材との接着性を向上させるために、原反層6に対して、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、電子線処理、紫外線処理または重クロム酸処理などが施されていることが好ましい。
なお、プライマー層としては、インキ層5と同じ材料を適用することができるが、化粧シート1をウェブ状で巻き取ることを考慮すると、ブロッキングを避けるとともに、接着剤との密着性を高めるために、シリカ、アルミナ、マグネシア、酸化チタンまたは硫酸バリウムなどの無機充填剤を含有させることが好ましい。
本実施形態の化粧シート1においては、原反層6は印刷作業性、コストなどを考慮して20μm〜150μm、接着剤層4は1μm〜20μm、透明樹脂層3は20μm〜200μm、トップコート層2は3μm〜20μmとすることが望ましく、化粧シート1の総厚は45μm〜400μmの範囲内とすることが好適である。
以上のように、有機系紫外線吸収剤ベシクルを含有するトップコート層2および透明樹脂層3を具備する本発明の化粧シート1は、樹脂組成物中において有機系紫外線吸収剤が極めて均一に分散したトップコート層2および透明樹脂層3を実現しており、その結果、透明性が損なわれずに優れた意匠性を備えているとともに、少ない含有量であっても高い紫外線吸収性能を実現した、長期間に亘って優れた耐候性を得ることができる化粧シート1を提供することができる。
この他にも、樹脂組成物中における有機系紫外線吸収剤の高い分散性を実現していることで、凝集した添加物に起因して発生するブリードアウトが生じることがなく、表面のベタつきの少ない化粧シート1を提供することができる。
また、本実施形態のように、有機系紫外線吸収剤を有機系紫外線吸収剤ベシクルとすることで、有機系紫外線吸収剤を多量に含有させたいという要望にも応えることができるので、より一層、耐候性能に優れた化粧シート1を提供することを可能とする。この他にも、有機系紫外線吸収剤ベシクルとすることで、化粧シートに必要な可撓性、衝撃強度および平面平滑性を維持することができるという効果や、トップコート層2の原料樹脂が有機系紫外線吸収剤を添加することによって増粘することを抑制してエンボス模様3aの凹部の隅々にまで塗液を埋め込んで意匠性に優れた化粧シート1を得られるという効果を得ることができる。
さらに、本実施形態においては、有機系紫外線吸収剤ベシクルとして、超臨界逆相蒸発法により得た有機系紫外線吸収剤リポソームを用いることで、トップコート層2および透明樹脂層3を構成する樹脂組成物中において、有機系紫外線吸収剤を極めて均一に分散させることを可能とし、より優れた透明性、紫外線吸収性能を実現することができる。
以下に、本発明の化粧シート1の具体的な実施例について説明する。
<有機系紫外線吸収剤ベシクルの調製>
まず、実施例1,2において用いる有機系紫外線吸収剤ベシクルの調製方法について説明する。有機系紫外線吸収剤ベシクルの調製は超臨界逆相蒸発法によって行われ、具体的には、60℃に保たれた高圧ステンレス容器にヘキサン100重量部と、有機系紫外線吸収剤としての2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニルを主成分とするヒドロキシフェニルトリアジン(TINUVIN400;BASF社製)70重量部と、リン脂質としてのホスファチジルコリン5重量部とを入れて密閉し、容器内の圧力が20MPaになるように二酸化炭素を注入して超臨界状態とし、激しく攪拌混合しながら酢酸エチルを100重量部注入して温度と圧力とを保ちながら15分間攪拌混合後、二酸化炭素を排出して大気圧に戻すことでリン脂質からなる単層膜の外膜を具備するヒドロキシフェニルトリアジンリポソームを得た。
<化粧シートの作製>
まず、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂100重量部に対して、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010;BASF社製)を0.5重量部、ヒンダードアミン系光安定化剤(キマソーブ944;BASF社製)を0.2重量部添加した樹脂を、押出機を用いて溶融押出しして、厚さ80μmの透明な高結晶性ポリプロピレンシートとしてのシート状の透明樹脂層3を製膜し、得られた透明樹脂層3の両面にコロナ処理を施し、シート表面の濡れ張力を40dyn/cm以上とした。他方、隠蔽性のある70μmのポリエチレンシート(原反層6)の一方の面に、2液型ウレタンインキ(V180;東洋インキ製造(株)製)を用いてグラビア印刷方式にて絵柄印刷を施して絵柄模様層5aを設け、また、該原反層6の他方の面にプライマーコートを施した。しかる後、前記原反層6の絵柄模様層5aの面上に、透明樹脂層3をドライラミネート用接着剤(タケラックA540;三井化学(株)製;塗布量2g/m )を介してドライラミネート法にて貼り合わせた。この貼り合わせたシートの透明樹脂層3の表面にエンボス模様3aを施した後、2液型ウレタントップコート(W184;DICグラフィックス社製)を塗布厚3g/m にて塗布してトップコート層2を形成し、総厚157μmの図1に示す本発明の化粧シート1を得た。
<実施例1>
実施例1においては、トップコート層2の主成分である2液型ウレタントップコート100重量部および透明樹脂層3の主成分である高結晶性ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、上述のヒドロキシフェニルトリアジンリポソームをそれぞれ0.2,1.0,2.5または10.0の割合で含有させたトップコート層2および透明樹脂層3を具備した化粧シート1とした。
<実施例2>
実施例2においては、トップコート層2の主成分である2液型ウレタントップコート100重量部および透明樹脂層3の主成分である高結晶性ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、上述のヒドロキシフェニルトリアジンリポソームをそれぞれ0.2または10.0の割合で含有させたトップコート層2および透明樹脂層3、2液型ウレタンインキ100重量部に対してヒンダードアミン系光安定化剤(キマソーブ944;BASF社製)を0.2重量部の割合で含有させた絵柄模様層5aを具備した化粧シート1とした。その他の構成については、実施例1と同様である。
<比較例1>
比較例1においては、トップコート層2の主成分である2液型ウレタントップコート100重量部および透明樹脂層3の主成分である高結晶性ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、ベシクル化していないヒドロキシフェニルトリアジンをそれぞれ0.2,1.0または10.0の割合で含有させたトップコート層2および透明樹脂層3を具備した化粧シート1とした。その他の構成については、実施例1と同様である。
<比較例2>
比較例2においては、有機系紫外線吸収剤を含有しないトップコート層2および透明樹脂層3を具備した化粧シート1とした。その他の構成については、実施例1と同様である。
実施例1,2および比較例1,2の各化粧シート1に対して、耐候性試験機(サンシャインウエザーメーター:スガ試験機(株)製)を用いて、JIS B 7753に準じたカーボンアーク耐候性試験を行い紫外線吸収能を算出した。なお、試験条件は耐候経時4000時間として行った。紫外線吸収能については、各化粧シート1のトップコート層2と透明樹脂層3とからなる透明層について、340nmと500nmとの紫外線吸収率の比(340nm/500nm)の耐候性試験前後における差を算出した(表1においては、紫外線吸収能として記載している。)。また、耐候性試験後のヘイズ値を評価した。さらに、各化粧シート1の耐候性試験前後の色差(ΔE)、および耐候性試験後の外観変化について評価した。なお、外観変化の記号の内容は下記の通りである。得られた評価結果を表1に示す。
<外観変化の記号>
◎:全く変化なし
○:僅かな変化あり
△:若干の白化や亀裂あり
×:激しい白化および一部が破壊・破断
実施例1の化粧シート1においては、表1に示すように、ヒドロキシフェニルトリアジンリポソームの含有量が増えるほど、紫外線吸収能および耐候性試験前後の色差(ΔE)の値は小さい値を示し、ヘイズ値は大きい値を示した。これは、ヒドロキシフェニルトリアジンリポソームの含有量が増大すると耐候性が向上する一方で、添加剤に起因する白濁化が進んでヘイズ値が大きくなったためであると考えられる。
実施例2の化粧シート1においては、表1に示すように、ヒドロキシフェニルトリアジンリポソームの含有量が増えるほど、紫外線吸収能および耐候性試験前後の色差(ΔE)の値は小さい値を示し、ヘイズ値は大きい値を示し、実施例1の化粧シート1と同様の傾向であった。特に、実施例2の化粧シート1においては、耐候性試験前後の色差(ΔE)の値が極めて小さい値を示しており、実施例1におけるヒドロキシフェニルトリアジンリポソームの含有量が同量とされている化粧シート1の色差(ΔE)の値と比較しても小さい値であり、これは、絵柄模様層5aに対して光安定化剤を含有させていることで、絵柄模様を形成するインキの脱色を抑制しているためであると考えられる。
比較例1の化粧シート1においては、表1に示すように、実施例1,2の化粧シート1と比較すると、紫外線吸収能、ヘイズ値および耐候性試験前後の色差(ΔE)の値は大きい値を示しており、耐候性および意匠性に劣っていることが分かる。特に、ヒドロキシフェニルトリアジンの含有量が0.2重量部とされている化粧シート1については、十分な紫外線吸収性能が得られなかったために、耐候性試験後において白化や亀裂が認められた。これは、ヒドロキシフェニルトリアジンをベシクル化していないことで樹脂組成物中において当該ヒドロキシフェニルトリアジンが凝集して白濁化を進ませているとともに、凝集によって紫外線吸収剤の表面積が小さくなって十分な紫外線吸収性能が発揮されなかったためであると考えられる。また、ヒドロキシフェニルトリアジンの含有量が10.0重量部とされている化粧シート1については、ヒドロキシフェニルトリアジンの含有量が多いために、耐候性試験後の外観変化は僅かであったものの、そもそも、添加物の凝集に起因する白濁化が顕著であり、意匠性に劣る結果となった。比較例2の化粧シート1においては、表1に示すように、実施例1,2および比較例1の化粧シート1と比較しても、紫外線吸収能および耐候性試験前後の色差(ΔE)の値が極めて大きく、殆ど耐候性を有していないことが分かる。
以上の結果から、実施例1,2の化粧シート1は、耐候性および意匠性に優れていることが明らかとなった。さらに、光安定化剤を含有する絵柄模様層5aを具備することにより、長期間に亘って色鮮やかな絵柄模様を維持できることが明らかとなった。
本発明の化粧シート1は、上記の実施形態および実施例に限定されるものではなく、発明の特徴を損なわない範囲において種々の変更が可能である。
1 化粧シート
2 トップコート層
3 透明樹脂層
3a エンボス模様
3b 接着性樹脂層
4 接着剤層
5 インキ層
5a 絵柄模様層
5b ベタインキ層
6 原反層

Claims (6)

  1. 最表層にトップコート層を備え、前記トップコート層の下面に透明樹脂層を備える化粧シートであって、
    前記トップコート層および前記透明樹脂層は、有機系紫外線吸収剤を含有しており、
    前記有機系紫外線吸収剤が、外膜で包含された有機系紫外線吸収剤ベシクルであることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記外膜が、単層膜であることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記有機系紫外線吸収剤ベシクルが、リン脂質からなる外膜を備える有機系紫外線吸収剤リポソームであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の化粧シート。
  4. 前記有機系紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系のうち少なくとも1種類からなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の化粧シート。
  5. 前記透明樹脂層にはエンボス模様が形成されており、
    少なくとも前記エンボス模様の凹部に前記トップコート層が埋め込まれて設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の化粧シート。
  6. 前記透明樹脂層の下層には、光安定化剤を含有するインキ層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の化粧シート。
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