JP2018144438A - 化粧シートおよび化粧シートの製造方法 - Google Patents

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栄一 東川
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正光 長濱
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彰 佐藤
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【課題】有機系紫外線吸収剤ベシクルを添加した透明樹脂層を備え、意匠性及び耐候性に優れた化粧シート及び化粧シートの製造方法の提供。【解決手段】透明オレフィン系樹脂からなる透明樹脂層4を備える化粧シート1であって、透明樹脂層4を、有機系紫外線吸収剤を添加して形成し、前記有機系紫外線吸収剤が、リン脂質からなる単層膜からなる外膜を具備する有機系紫外線吸収剤ベシクルである化粧シート1及びこの化粧シート1の製造方法。透明樹脂層4の下層には光安定化剤を含有するインキ層3が設けられている、化粧シート1。【選択図】図1

Description

本発明は、建築内装材、玄関ドアなどの建築外装部材、建具の表面、家電品の表面材等に用いられる化粧シートに関するもので、ベシクル化した紫外線吸収剤を添加してなる透明樹脂層を備える化粧シートおよび化粧シートの製造方法に関する。
近年、塩化ビニル製化粧シートに替わる化粧シートとして、オレフィン系樹脂を使用した化粧シートが多く提案されている。また、一般的に化粧シートとして用いられるオレフィン系樹脂からなる軟質ポリオレフィンシートの耐傷性を向上させるために高結晶性かつアイソタクチシティの高い樹脂を用いると耐候性に劣るという問題点を有していた。
そこで、特許文献1においては、ポリオレフィンシートの表面に有機系紫外線吸収剤であるトリアジン系紫外線吸収剤を含む樹脂からなるトップコート層を設けることが開示されている。
特許第4032829号公報
この特許文献1に記載の方法を透明樹脂層へ応用すると、透明樹脂層を形成するオレフィン系樹脂がポリエチレンやポリプロピレンに代表される無極性の樹脂材料であるために、極性を有する有機系紫外線吸収剤との相溶性が悪く、十分な耐候性を得るためには多量に添加する必要性があるが、有機系紫外線吸収剤を多量に添加すると、凝集が生じて透明樹脂層の透明性が損なわれるという問題が発生する。
特に、有機系紫外線吸収剤の場合、凝集した紫外線吸収剤がブリードアウトして化粧シートの表面のベタつきの発生や、透明樹脂層上に形成するトップコート層との密着性が低下するなどの問題を引き起こしていた。
そこで、本発明においては、有機系紫外線吸収剤ベシクルを添加した透明樹脂層を備え、意匠性および耐候性に優れた化粧シートおよびその化粧シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は鋭意検討の結果、ベシクル化した有機系紫外線吸収剤を用いることによって、従来と変わらない添加量であっても格別な耐候性を得られることを見出した。
上記課題を達成するべく、本発明の第1の態様の化粧シートは、透明オレフィン系樹脂からなる透明樹脂層を備える化粧シートであって、前記透明樹脂層を、有機系紫外線吸収剤を添加して形成し、前記有機系紫外線吸収剤が、単層膜からなる外膜を具備する有機系紫外線吸収剤ベシクルであることを特徴とする。
このような、本発明の第1の態様の化粧シートにおいては、透明樹脂層中において有機系紫外線吸収剤を均一に分散させることができるので、高い透明性を実現して意匠性に優れるとともに、優れた耐候性を備えた化粧シートを提供することができる。
本発明の第2の態様の化粧シートは、前記有機系紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系のうち少なくとも1種類からなることを特徴とする。
このような、本発明の第2の態様の化粧シートにおいては、無機系の紫外線吸収剤を用いた場合と比べて、トップコート層の透明性を損なわずに、より意匠性に優れた化粧シートを提供することができる。
本発明の第3の態様の化粧シートは、前記ベシクルが、リン脂質からなる外膜を具備するリポソームであることを特徴とする。
このような、本発明の第3の態様の化粧シートにおいては、トップコート層の主成分の樹脂組成物との相溶性を良好なものとすることができる。
本発明の第4の態様の化粧シートは、前記透明樹脂層の下層には、光安定化剤を含有するインキ層が設けられていることを特徴とする。
このような、本発明の第4の態様の化粧シートにおいては、インキ層のバインダー樹脂自体や他層の樹脂劣化により発生したラジカルがインキ内の顔料の化学成分を還元することによる顔料の退色を抑制して、長期間に亘って優れた意匠性を実現可能な化粧シートを提供することができる。
本発明の化粧シートの製造方法は、透明オレフィン系樹脂からなる透明樹脂層を備える化粧シートの製造方法であって、前記透明樹脂層には、単層膜の外膜を具備するベシクルに有機系紫外線吸収剤が内包された有機系紫外線吸収剤ベシクルを添加することを特徴とする。
このような、本発明の化粧シートの製造方法においては、透明樹脂層中に有機系紫外線吸収剤を均一に分散させることができるので、高い透明性を実現して意匠性に優れるとともに、優れた耐候性を備えた化粧シートを提供することができる。
本発明の化粧シートによれば、意匠性および耐候性に優れた化粧シートを提供することを可能とする。
本発明の化粧シートの製造方法によれば、透明樹脂層中に有機系紫外線吸収剤を均一に分散させることができるので、高い透明性を実現することができる。
本発明の化粧シートの実施形態を示す断面図
本発明の化粧シートにおいては、透明オレフィン系樹脂からなる透明樹脂層を備える化粧シートであって、当該透明樹脂層を有機系紫外線吸収剤を添加して形成し、前記有機系紫外線吸収剤が単層膜からなる外膜を具備する有機系紫外線吸収剤ベシクルであることが重要である。
そして、本発明の化粧シートの製造方法においては、透明オレフィン系樹脂からなる透明樹脂層を備える化粧シートの製造方法であって、前記透明樹脂層には、単層膜の外膜を具備するベシクルに有機系紫外線吸収剤が内包された有機系紫外線吸収剤ベシクルを添加することが重要である。
このような、有機系紫外線吸収剤ベシクルは、球殻状に閉じた膜構造を有する小胞状のカプセル内に有機系紫外線吸収剤が内包された構造を有しているものである。この有機系紫外線吸収剤ベシクルは、互いの外膜同士が反発し合う作用によって粒子が凝集することがなく、極めて高い分散性を有している。この作用によって、透明樹脂層を構成する樹脂組成物中に対して有機系紫外線吸収剤を均一に分散させることを可能とするものである。
有機系紫外線吸収剤ベシクルを得る手法(ベシクル化処理方法)としては、例えば、Bangham法、エクストルージョン法、水和法、逆相蒸発法、凍結融解法、超臨界逆相蒸発法などが挙げられる。このようなベシクル化処理方法について簡単に説明すると、Bangham法は、フラスコなどの容器にクロロホルムまたはクロロホルム/メタノール混合溶媒を入れ、さらにリン脂質を入れて溶解する。その後、エバポレータを用いて溶媒を除去して脂質からなる薄膜を形成し、添加剤の分散液を加えた後、ボルテックスミキサーで水和・分散させることよりベシクルを得る方法である。エクストルージョン法は、薄膜のリン脂質溶液を調液し、Bangham法において外部摂動として用いたミキサーに代わってフィルターを通過させることによりベシクルを得る方法である。水和法は、Bangham法とほぼ同じ調製方法であるが、ミキサーを用いずに、穏やかに攪拌して分散させてベシクルを得る方法である。逆相蒸発法は、リン脂質をジエチルエーテルやクロロホルムに溶解し、添加剤を含んだ溶液を加えてW/Oエマルジョンを作り、当該エマルジョンから減圧下において有機溶媒を除去した後、水を添加することによりベシクルを得る方法である。凍結融解法は、外部摂動として冷却・加熱を用いる方法であり、この冷却・加熱を繰り返すことによってベシクルを得る方法である。
特に、単層膜からなる外膜を具備する有機系紫外線吸収剤ベシクルを得る方法として、超臨界逆相蒸発法が挙げられる。超臨界逆相蒸発法とは、本発明者等が提案している特表2002/032564号公報、特開2003−119120号公報、特開2005−298407号公報および特開2008−063274号公報(以下、「超臨界逆相蒸発法公報類」と称する)に開示されているものであり、当該超臨界逆相蒸発法公報類に記載の方法および装置を用いて行うことができる。具体的には、超臨界逆相蒸発法とは、超臨界状態または臨界点以上の温度条件下もしくは圧力条件下の二酸化炭素にベシクルの外膜を形成する物質を均一に溶解させた混合物中に、水溶性または親水性の封入物質としての有機系紫外線吸収剤を含む水相を加えて、一層の膜で封入物質としての有機系紫外線吸収剤を包含したカプセル状のベシクルを形成する方法である。特に、前記外膜がリン脂質のような生体脂質を含む物質から構成される有機系紫外線吸収剤ベシクルを有機系紫外線吸収剤リポソームと称する。なお、超臨界状態の二酸化炭素とは、臨界温度(30.98℃)および臨界圧力(7.3773±0.0030MPa)以上の超臨界状態にある二酸化炭素を意味し、臨界点以上の温度条件下もしくは圧力条件下の二酸化炭素とは、臨界温度だけ、あるいは臨界圧力だけが臨界条件を超えた二酸化炭素を意味するものである。この方法により、有機系紫外線吸収剤を内包する直径50〜800nmの単層ラメラベシクルを得ることができる。
リン脂質としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、カルジオピン、黄卵レシチン、水添黄卵レシチン、大豆レシチン、水添大豆レシチン等のグリセロリン脂質、スフィンゴミエリン、セラミドホスホリルエタノールアミン、セラミドホスホリルグリセロール等のスフィンゴリン脂質が挙げられる。
ベシクルの外膜となるその他の物質としては、ノニオン系界面活性剤や、これとコレステロール類もしくはトリアシルグリセロールの混合物などの分散剤が挙げられる。このうちノニオン系界面活性剤としては、ポリグリセリンエーテル、ジアルキルグリセリン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー、ポリブタジエン−ポリオキシエチレン共重合体、ポリブタジエン−ポリ2−ビニルピリジン、ポリスチレン−ポリアクリル酸共重合体、ポリエチレンオキシド−ポリエチルエチレン共重合体、ポリオキシエチレン−ポリカプロラクタム共重合体等の1種または2種以上を使用することができる。コレステロール類としては、コレステロール、α−コレスタノール、β−コレスタノール、コレスタン、デスモステロール(5,24−コレスタジエン−3β−オール)、コール酸ナトリウムまたはコレカルシフェロール等を使用することができる。
また、リポソームの外膜は、リン脂質と分散剤との混合物から形成するようにしてもよい。本発明の化粧シートにおいては、有機系紫外線吸収剤ベシクルを、リン脂質からなる外膜を具備した有機系紫外線吸収剤リポソームとすることが好ましく、外膜をリン脂質から構成することによって、透明樹脂層の主成分である樹脂材料とベシクルとの相溶性を良好なものとすることができる。
有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系のうち少なくとも1種類から選択して用いることができるが、特に、ベンゾトリアゾール系またはトリアジン系の紫外線吸収剤の少なくとも一方から選択して用いることが好ましい。透明樹脂層の主成分である樹脂材料100重量部に対して0.1〜10重量部の割合で添加されていることが好ましく、0.2〜5重量部の割合で添加されていることがより好ましい。なお、有機系紫外線吸収剤の添加量が、0.1重量部よりも少ないと紫外線吸収性能が十分に得られず、添加量が10重量部よりも多いとブリードアウトが生じる可能性が高くなる。
ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’.5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノールなどが挙げられる。トリアジン系の紫外線吸収剤としては、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2'−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)などが挙げられる。ベンゾエート系の紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。シアノアクリレート系の紫外線吸収剤としては、エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレートなどが挙げられる。
また、透明樹脂層の下層には、少なくとも光安定化剤を含有するインキ層が設けられていることが重要である。光安定化剤としては、ヒンダードアミン系の材料を用いることが好ましい。インキ層に対して光安定化剤を含有させることにより、インキ層を形成するバインダー樹脂自体や他層の樹脂劣化により発生したラジカルがインキ内の顔料の化学成分を還元することによる顔料の退色を抑制し、長期間に亘って色鮮やかな絵柄を保持することができる。
また、用途や要求される特性に応じて、透明樹脂層の上面にトップコート層を設けてもよい。特に、機械的強度を要求される用途においては、トップコート層が設けられていることが重要である。
以下に、本発明の化粧シートおよび化粧シートの製造方法の具体的な実施例を図1を用いて説明する。
図1は本発明の化粧シート1の具体的な構成を示したものであり、複数の樹脂層から構成されている。本発明の化粧シート1においては、当該化粧シート1が貼り合わせられる木質ボード類、無機質ボード類または金属板などの基材Bに面する側から、原反層2、インキ層3、接着層7(感熱接着層、アンカーコート層、ドライラミ接着剤層)、透明樹脂層4およびトップコート層5と積層された構成とされている。また、意匠性を向上させるために透明樹脂層4のトップコート層5側の面には、エンボス模様4aが形成されており、当該エンボス模様4aの凹部には、ワイピングによってトップコート層5を構成する樹脂組成物が埋め込まれて設けられている。
原反層2としては、薄葉紙、チタン紙、樹脂含浸紙等の紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、アクリル等の合成樹脂、あるいはこれら合成樹脂の発泡体、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合ゴム、ポリウレタン等のゴム、有機もしくは無機系の不織布、合成紙、アルミニウム、鉄、金、銀等の金属箔等から任意に選定可能である。
また、原反層2としてオレフィン系の樹脂を用いる場合には、表面が不活性な状態とされていることが多いので、原反層2と基材Bとの間に、プライマー層6を設けることが好ましい。この他にも、オレフィン系材料からなる原反層2と基材Bとの接着性を向上させるために、原反層2に対してコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、電子線処理、紫外線処理、重クロム酸処理等を行うことが望ましい。
プライマー層6としては、基本的には後述のインキ層3と同じ材料を用いることができるが、化粧シート1の裏面に施されるためにウエブ状で巻取りを行うことを考慮すると、ブロッキングを避けて且つ接着剤との密着を高めるために、シリカ、アルミナ、マグネシア、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機充填剤を添加させてもよい。
インキ層3は、原反層2に対してインキを用いて施された絵柄印刷であり、バインダーとしての硝化綿、セルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル系等の単独もしくは各変性物の中から適宜選定して用いることができる。これらは水性、溶剤系、エマルジョンタイプのいずれでもよく、また1液タイプでも硬化剤を使用した2液タイプでもよい。さらに、紫外線や電子線等の照射によりインキを硬化させる方法を用いてもよい。中でも最も一般的な方法は、ウレタン系のインキを用いるもので、イソシアネートによって硬化させる方法である。これらのバインダー以外には、通常のインキに含まれている顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、各種添加剤などが添加されている。汎用性の高い顔料としては、縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等のパール顔料等が挙げられる。また、インキの塗布とは別に各種金属の蒸着やスパッタリングで意匠を施すことも可能である。特に、本発明においては、上記インキに対して光安定化剤が添加されていることが好ましく、これにより、インキの光劣化から生じる化粧シート自体の劣化を抑制し、化粧シート1の寿命を長くすることができる。
透明樹脂層4としては、オレフィン系樹脂を主成分として有機系紫外線吸収剤ベシクルを添加した樹脂組成物を用いることができる。オレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテンなどの他に、αオレフィン(例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンなど)を単独重合あるいは2種類以上共重合させたものや、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、エチレン・エチルメタクリレート共重合体、エチレン・ブチルメタクリレート共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ブチルアクリレート共重合体などのように、エチレンまたはαオレフィンとそれ以外のモノマーとを共重合させたものが挙げられる。また、化粧シート1の表面強度の向上を図る場合には、高結晶性のポリプロピレンを用いることが好ましい。
なお、透明樹脂層4には、必要に応じて熱安定剤、光安定化剤、ブロッキング防止剤、触媒捕捉剤、着色剤、光散乱剤および艶調整剤等の各種機能性添加剤を含有させてもよい。これらの各種機能性添加剤は、周知のものから適宜選択して用いることができる。
トップコート層5としては、表面の保護や艶の調整としての役割を果たす樹脂組成物を用いることが重要である。樹脂組成物としては、ポリウレタン系、アクリルシリコン系、フッ素系、エポキシ系、ビニル系、ポリエステル系、メラミン系、アミノアルキッド系、尿素系などから適宜選択して用いることができる。樹脂組成物の形態は、水性、エマルジョン、溶剤系など特に限定されるものではない。硬化法についても、一液タイプ、二液タイプ、紫外線硬化法など適宜選択して用いることができる。
本発明においては、特に、樹脂組成物としてイソシアネートを用いたウレタン系のものが、作業性、価格、樹脂自体の凝集力などの観点から好適である。イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチルヘキサンジイソシアネート(HTDI)、メチルシクロヘキサノンジイソシアネート(HXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)などから適宜選定して用いることができるが、耐候性を考慮すると、直鎖状の分子構造を有するヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)が好ましい。この他にも、表面硬度の向上を図る場合には、紫外線や電子線などの活性エネルギー線で硬化する樹脂を用いることが好ましい。なお、これらの樹脂は相互に組み合わせて用いることが可能であり、例えば、熱硬化型樹脂と光硬化型樹脂とのハイブリッド型とすることにより、表面硬度の向上、効果収縮の抑制および透明樹脂層との密着性の向上を図ることができる。
また、トップコート層5に対して、各種機能を付与するために抗菌剤、防カビ剤等の機能性添加剤を含有させてもよい。さらに、表面の意匠性を向上させるために、艶の調整のための、あるいはさらに耐磨耗性を付与するための、アルミナ、シリカ、窒化珪素、炭化珪素、ガラスビーズ等を含有させることもできる。
なお、トップコート層5は、意匠性、耐擦傷性、耐候性などを向上させるために必要とされる場合には、透明樹脂層4上に設けるようにしてもよい。
接着層7としては、特に限定されるものではないが、アクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系などから適宜選択して用いることができる。塗工方法は接着剤の粘度などに応じて適宜選択することができるが、一般的には、グラビアコートが用いられ、インキ層3の上面に対してグラビアコートによって塗布された後、透明樹脂層4とラミネートするようにされている。なお、接着層7は、透明樹脂層4とインキ層3との接着強度が十分に得られる場合には、省略することができる。
また、化粧シート1に隠蔽性を付与したい場合には、原反層2を着色シートとすることで隠蔽性を付与したり、原反層2は透明シートのままで、別途、不透明な隠蔽層8を設けて隠蔽性を付与することができる。
隠蔽層8としては、基本的にはインキ層3と同じ材料から構成することができるが、隠蔽性を保たせることを目的としているので、顔料としては不透明な顔料、酸化チタン、酸化鉄等を使用することが好ましい。また隠蔽性を上げるために金、銀、銅、アルミ等の金属を添加することも可能である。一般的にはフレーク状のアルミを添加させることが多い。
本発明の化粧シート1を製造するにあたり、積層方法は特に限定するものではなく、熱圧を応用した方法、押し出しラミネート方法およびドライラミネート方法などの一般的に用いられる方法から適宜選択して形成することができる。エンボス模様4aを形成する場合には、一旦、前記積層方法によってラミネートした後に熱圧によってエンボス模様4aを入れる方法または冷却ロールに凹凸模様を設けて押し出しラミネートと同時にエンボス模様4aを形成する方法などを採用することができる。
本実施例の化粧シートにおいては、原反層2は印刷作業性、コストなどを考慮して20μm〜150μm、接着層7は1μm〜20μm、透明樹脂層4は20μm〜200μm、トップコート層5は3μm〜20μmとすることが望ましく、化粧シート1の総厚は45μm〜400μmの範囲内とすることが好適である。
以上のように、本実施形態の化粧シート1の製造方法においては、有機系紫外線吸収剤ベシクルを添加して透明樹脂層4を形成することにより、透明樹脂層4を構成する樹脂組成物中において有機系紫外線吸収剤を極めて均一に分散させることができる。その結果、添加量をいたずらに増大させることなく優れた耐候性を備えるとともに、高い透明性を実現して意匠性に優れた化粧シート1を提供することができる。
この他にも、本実施形態の化粧シート1の製造方法のように、有機系紫外線吸収剤を有機系紫外線吸収剤ベシクルとすることで、ブリードアウトを引き起こすことなく有機系紫外線吸収剤を多量に含有させたいという要望にも応えることができるので、より一層、耐候性能に優れた化粧シート1を提供することを可能とする。
またさらに、光安定化剤を含有したインキ層3とすることによって、紫外線によってインキ層3の退色を抑制することを可能とし、長期間に亘って美しい色柄印刷を保持した意匠性に優れる化粧シート1を提供することができる。
<有機系紫外線吸収剤ベシクルの調製>
以下に、有機系紫外線吸収剤ベシクルの調製方法について説明する。有機系紫外線吸収剤ベシクルの調製は、60℃に保たれた高圧ステンレス容器に2−プロパノール100重量部、有機系紫外線吸収剤としてのトリアジン系紫外線吸収剤2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニルを主成分とするヒドロキシフェニルトリアジン(TINUVIN 400;BASF社製)70重量部およびリン脂質としてのホスファチジルコリン5重量部を入れて密閉し、容器内の圧力が20MPaになるように二酸化炭素を注入して超臨界状態とし、激しく攪拌混合しながらイオン交換水を100重量部注入し、温度と圧力を保ちながら15分間攪拌混合後、二酸化炭素を排出して大気圧に戻すことによって、リン脂質からなる単層膜の外膜を具備するトリアジン系紫外線吸収剤リポソームを得た。
以下に、本発明の化粧シート1および化粧シート1の製造方法の具体的な実施例について説明する。
<積層樹脂シートの作製方法>
ホモポリプロピレン樹脂にヒンダードフェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010;BASF社製)を0.05重量部、ヒンダードアミン系光安定化剤(キマソーブ944;BASF社製)を0.2重量部、下記の実施例または比較例にて示す添加量にてトリアジン系紫外線吸収剤リポソームまたは有機系紫外線吸収剤を添加した樹脂を、押出機を用いて溶融押出しして、厚さ80μmの透明な高結晶性ポリプロピレンシートとしてのシート状の透明樹脂層4を製膜し、得られた透明樹脂層4の両面にコロナ処理を施し、シート表面の濡れ張力を40dyn/cm以上とした。他方、隠蔽性のある70μmのポリエチレンシート(原反層2)の表面に、2液型ウレタンインキ(V180;東洋インキ製造(株)製)を用いてグラビア印刷方式にて絵柄印刷を施してインキ層3を設け、また、該原反層2の裏面にプライマーコートを施した。しかる後、前記原反層2に形成されたインキ層3の表面に、透明樹脂層4を接着層7としてのドライラミネート用接着剤(タケラックA540;三井化学(株)製;塗布量2g/m )を介してドライラミネート法にて貼り合わせて原反層2、インキ層3、接着層7および透明樹脂層4からなる積層樹脂シートを得た。その後、当該積層樹脂シートの透明樹脂層4の表面にエンボス模様4aを施して総厚157μmの化粧シート1を得た。
<実施例1>
実施例1においては、主成分としての高結晶性ホモポリプロピレン樹脂100重量部に対して、上述の方法により調製したトリアジン系紫外線吸収剤リポソームを0.2,1.0,5.0または10.0重量部の割合で添加した透明樹脂層4を具備する化粧シート1とした。
<実施例2>
実施例2においては、主成分としての高結晶性ホモポリプロピレン樹脂100重量部に対して、上述の方法で調製したトリアジン系紫外線吸収剤リポソームを0.2または10.0重量部の割合で添加した透明樹脂層4と、インキ100重量部に対してヒンダードアミン系光安定化剤(キマソーブ044;BASF社製)を0.2重量部の割合で添加したインキ層3とを具備する化粧シート1とした。
<比較例1>
比較例1においては、主成分としての高結晶性ホモポリプロピレン樹脂100重量部に対して、ベシクル化していないトリアジン系紫外線吸収剤を0.2,1.0または10.0重量部の割合で添加した透明樹脂層4を具備する化粧シート1とした。
<比較例2>
比較例2においては、有機系紫外線吸収剤を添加しない透明樹脂層4を具備する化粧シート1とした。
実施例1,2および比較例1,2の各化粧シート1に対して、耐候性試験機(サンシャインウエザーメーター:スガ試験機(株)製)を用いて、JIS B 7753に準じたカーボンアーク耐候性試験を行った。なお、試験条件は耐候経時4000時間として行った。各化粧シート1の透明樹脂層4について、340nmと500nmとの紫外線吸収率の比(340nm/500nm)の耐候性試験前後における差(表1においては、紫外線吸収能として記載している。)、および耐候性試験後のヘイズ値を評価した。また、耐候性試験前後における各化粧シート1の色差(ΔE)、および耐候性試験後の外観変化について評価した。なお、外観変化の記号の内容は下記の通りである。得られた評価結果を表1に示す。
<外観変化の記号>
◎:全く変化なし
○:僅かな変化あり
△:若干の白化や亀裂あり
×:激しい白化および一部が破壊・破断
実施例1の化粧シート1においては、表1に示すように、いずれの添加量とされたサンプルについても、紫外線吸収能の値および耐候性試験前後の色差(ΔE)の値が小さいことから、優れた紫外線吸収性能を有しており、劣化による色変化が殆ど生じていないことが分かる。また、耐候性試験後のヘイズ値から、透明樹脂層4が試験後においても化粧シートに要求される透明性を維持していることが明らかとなった。
また、実施例2の化粧シート1においては、表1に示すように、紫外線吸収能の値が小さく、耐候性試験前後で殆ど変わらない紫外線吸収性能を有していることが分かる。耐候性試験後のヘイズ値から、透明樹脂層4が試験後においても化粧シートに要求される透明性を維持していることが明らかとなった。実施例2の化粧シート1においては、特に、耐候性試験前後の色差(ΔE)の値が小さく、劣化による色変化が極めて少ないことが分かる。これは、光安定化剤を含有するインキ層3を具備しているために、耐候性試験中におけるインキ層の脱色が抑制されたためであると考えられる。
比較例1の化粧シート1においては、表1に示すように、紫外線吸収能の値、耐候性試験後のヘイズ値および耐候性試験前後の色差(ΔE)の値の全てにおいて実施例1,2の各値よりも大きい値を示し、十分な紫外線吸収性能が得られていないことが分かる。外観変化の結果から、耐候性試験後において白化や亀裂が生じていた。これは、ベシクル化していない有機系紫外線吸収剤を用いたために、透明樹脂層4を構成する樹脂組成物中において当該有機系紫外線吸収剤が凝集して十分な紫外線吸収性能が得られずに当該樹脂組成物に大きく劣化が生じているとともに、凝集した紫外線吸収剤による透明性の低下が生じていると考えられる。比較例2の化粧シート1においては、表1に示すように、紫外線吸収能および耐候性試験前後の色差(ΔE)の値が極めて大きく、紫外線吸収性能を全く有していないことが分かる。外観変化の結果から、耐候性試験後において激しい白化や破断が生じていることが分かる。耐候性試験後のヘイズ値については、小さい値を示しているが、これは、透明樹脂層4に有機系紫外線吸収剤が添加されておらず、添加剤に起因する白濁化が生じていないためである。
この評価結果から、本発明の実施例1,2における化粧シート1は、有機系紫外線吸収剤リポソームを添加した透明樹脂層4を具備することにより、長期に亘って優れた紫外線吸収性能を発現し続けることが可能であり、この優れた紫外線吸収性能によって樹脂の白化を防止し、優れた透明性を長期に亘って維持できることが明らかとなった。また、光安定化剤を含有するインキ層3とすることによって、紫外線吸収剤によって防ぎきれないインキの退色を防止し、長期に亘って意匠性に優れた化粧シート1を維持できることが明らかとなった。
上述の通り、本発明の化粧シート1の技術的特徴部分の一つは、「有機系紫外線吸収剤を、単層膜の外膜を具備するベシクルに内包した状態で樹脂材料に添加して透明樹脂層4を形成する」ことにある。これは、本発明の化粧シート1の製造時において、有機系紫外線吸収剤をベシクルに内包させた状態で樹脂材料に添加することで、樹脂材料への有機系紫外線吸収剤の分散性を飛躍的に向上させることを可能としている。しかし、このようにして得られた本発明の化粧シート1をものの発明として特定するにあたり、この有機系紫外線吸収剤の分散度を数値化することや、断面画像等からその構造を分析し特定することは、技術的に極めて困難であり、また分析などに膨大な時間を要するところから非実際的であるといえる。
この困難性についてより具体的に説明すると、ベシクルはナノオーダーで形成されており、樹脂中において極めて均一に分散していると考えられる。このため、得られた化粧シート1の断面等からこのベシクル中に内包されて添加された有機系紫外線吸収剤の分散度を測定するには、ナノ〜マイクロオーダーでの分析を余儀なくされる。通例、極微細世界の分析・観察には極めて高度な技術を要し、場合によっては、分析・観察技術を創作する必要性が生じる。本発明の化粧シート1の構造・特性を特定するためには、通常、用いられないような高度な分析技術や膨大な時間を要すると考えられ、このような分析を行って本発明の化粧シート1の構造・特性を明らかとすることはコスト的にも要する時間的にも非実現的であるといえる。
本発明の化粧シート1および化粧シート1の製造方法は、上記の実施形態および実施例に限定されるものではなく、発明の特徴を損なわない範囲において種々の変更が可能である。
1 化粧シート
2 原反層
3 インキ層
4 透明樹脂層
4a エンボス模様
5 トップコート層
6 プライマー層
7 接着層
8 隠蔽層
B 基材

Claims (5)

  1. 透明オレフィン系樹脂からなる透明樹脂層を備える化粧シートであって、
    前記透明樹脂層を、有機系紫外線吸収剤を添加して形成し、
    前記有機系紫外線吸収剤が、単層膜からなる外膜を具備する有機系紫外線吸収剤ベシクルであることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記有機系紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系のうち少なくとも1種類からなることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記有機系紫外線吸収剤ベシクルが、リン脂質からなる外膜を具備する有機系紫外線吸収剤リポソームであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の化粧シート。
  4. 前記透明樹脂層の下層には、光安定化剤を含有するインキ層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の化粧シート。
  5. 透明オレフィン系樹脂からなる透明樹脂層を備える化粧シートの製造方法であって、
    前記透明樹脂層には、単層膜の外膜を具備するベシクルに有機系紫外線吸収剤が内包された有機系紫外線吸収剤ベシクルを添加することを特徴とする化粧シートの製造方法。
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